ダンスを愛する人の必読書「コンテンポラリーダンス徹底ガイド」の著者、乗越たかおさんのブログに、こんなことが書いてありました。
http://d.hatena.ne.jp/nori54/20080519#p1
世田谷美術館の「横尾忠則展」を下見した世田谷区の教育委員会が、区内小学校22校の展覧会見学を「教育上不適切」といった理由で一斉にキャンセルさせたという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008051602011818.html
これについては横尾忠則本人もブログに書いているが、教師達は様々な意見があったにもかかわらず、教育委員会が一方的に決定したそうだ。
http://www.tadanoriyokoo.com/vision/index.htm
じゃあもうね、自殺をそそのかす太宰治とか、老人殺し&窃盗を教唆するドストエフスキーとかも読ませないがいいよ。自傷行為を誘発するかも知れないのでゴッホも禁止だ。
徹底ガイドにも書いたが(伊藤キムの章)、真のアートは破壊的なエネルギーを持つもので、それに触れることこそ子供にとって最も大切なことなのだ。
先日、横尾さんの著書「隠居宣言」と、この世田谷美術館の展覧会を紹介したこともあり、こういったとんでもない動きがあることを知ってもらいたいと思います。
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関連して、こんな動きもあります。
政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)が、5月17日の会合で、小・中学生の携帯電話の使用制限を盛り込む方針で一致したらしいです。
(記事)
このことについて、駒澤大学准教授の山口浩さんのブログを紹介しておきます。
「テレビも見せるな、本も読ませるな」
http://www.h-yamaguchi.net/2008/05/post_9c6f.html
その前にも、「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」というとんでもないものが検討されていました。
子供から一切の情報を取り上げて、何が正しく何がおかしいのかを判断することを学ばせないという動きはホントに恐ろしいと思います。まるで将軍様の国みたいじゃないですか。
そういえば、映画「靖国」の上映に関して、小泉チルドレンの某国会議員から横槍が入って上映中止になるところだったという一件もありました。実は以前映画の仕事をしていた時にお世話になった会社が、この作品を配給しております。宣伝担当者と親しいので、どれだけ大変なことになったのか、一端をうかがい知ることが出来たのですが、表現するということについて、今ほど危機に立たされているということはここ数十年なかったのではないかと思います、ホントに。
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話は変わりますが、びわ湖ホールの休館問題などがありましたが、関西でのホールや文化活動は危機に瀕しています。
就任早々、府立の83施設について、「図書館以外、不要」として、府立中央図書館、同中之島図書館以外の81施設の見直しを宣言していた橋下知事は、大阪府立国際児童文学館を廃止しようとしています。
同館は84年に開館。子どもの本や資料70万点を所蔵し、子どもが本に親しむための支援・研究などの活動をしています。国際児童文学館という名称から、主に海外の児童文学書や絵本などを持っているところ、と思われるようですが、実際には、明治以来、日本で子供向けに出版された雑誌や本は、原則として何でも所蔵する、というのがこの館の基本方針とのことで、大量のマンガ本・マンガ雑誌が所蔵されているとのことです。
(参考リンク)
平松大阪市長 大阪市や府、経済界などの力を合わせて守り育ててきた経緯がある。財政が苦しい時代であっても、子どもたちにどれだけの刺激を誘発できるのかを考えると、単に切ってもいいのか。決断する時には、府職員だけでなくいろんな人の意見を幅広く聞くゆとりを持ってほしい。
橋下 行政が特定の文化を育てるというおこがましいことは考えずに、文化的な景観、環境を整えて、文化が生まれるような都市づくりをすることによって文化が醸成されるのではないか。
平松 国や府、経済界の協力があったからいいステージも守れてきた。市単独なら守れたかどうか。文化は府民の財産だ。今切ると立て直すのに何年もかかるということを考えていない。
橋下 府庁内では反対意見を受けているが、僕は最終的に残ったものが文化だと思っている。
平松 みんなで力を合わせて守ってきたものが文化ではないというのは暴論だ。
橋下 市民が署名だけでなく1人1000円出してくれれば残る。残そうと思うなら負担もしてほしい。
(毎日新聞 2008年5月16日 地方版)
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20080516ddlk27010674000c.html
週の始まりから、暗い思いをしてしまいますよね…。日本の文化の将来は、このままでは真っ暗です。
追記:橋下知事の改革について大事なことを書き忘れていました。
大阪センチュリー交響楽団への助成が大幅に削減されることになりました。今年度は前年度比1割弱の削減ですが、来年度は補助自体をまるまる廃止する方針なのだそうで、同オーケストラは存亡の危機に立たされております。大阪では「オーケストラを守ろう」という声が沸き上がり、署名運動なども起こっているようです。また、お笑いの「大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)」、男女雇用均等に関する「大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)」も同じく存亡の危機に立たされているとのこと。
精神、文化をないがしろにした改革で、真の心の豊かさが実現できるかといえばそれは否でしょう。
5/30追記
朝日新聞の記事を読んで、目を疑いました。
橋下知事「インテリぶったクラシックよりお笑いが定着」
2008年05月30日12時41分
http://www.asahi.com/politics/update/0530/OSK200805300034.html
大阪府の橋下徹知事は30日の部局との公開議論で、改革プロジェクトチーム(PT)が補助金廃止を打ち出している大阪センチュリー交響楽団をめぐり、「行政に携わったり、財界の人だったり、そういう層は、ちょっとインテリぶってオーケストラだとか美術だとかなんとか言うが、お笑いの方が根づいているというのが素朴な感覚」と発言した。同楽団は府文化振興財団が運営している。
こういうことを平気で言う人が知事だなんて嘆かわしいです。以前にも、橋下知事は、古典芸能を好む人は変人とか発言したようですが、まったく文化というものに理解がないようです。一人の独裁者の一存で、楽団や文化施設が廃止されるなんてことがあっていいんでしょうか。
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