4/22 歌舞伎座さよなら公演 御名残四月大歌舞伎 第三部
今まで歌舞伎座で歌舞伎を観たのは7、8回程度とファンとは言えない程度しか観て来なかったのだけど(コクーン歌舞伎や演舞場でも観ているけど)、やはりこの風情溢れる劇場と別れるのは寂しくて。両親と観に行ってきました。
チケットが超入手困難で、父に取ってもらったチケットは3階B席ですぐ後ろは幕見席。正面席だったので、花道以外はよく見えました。
一、実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)
乳人浅岡 芝 翫
松前鉄之助 橋之助
局錦木 萬次郎
局松島 孝太郎
腰元梅香 児太郎
亀千代 千之助
千代松 宜 生
局呉竹 扇 雀
局沢田 芝 雀
片倉小十郎 幸四郎
平日公演だったので、開始時刻には間に合わず途中から。したがって、話の筋を理解するのにちょっと時間がかかってしまった。主君への忠節を守るために、生き別れたわが子と再び別れなければならない「子別れ」の物語。抑制された演技の中に滋味溢れる悲しみ、引き裂かれる苦悩を表現した芝翫の至芸を堪能。亀千代も千代松もほんとうにかわいい。
二、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
花川戸助六 團十郎
三浦屋揚巻 玉三郎
通人里暁 勘三郎
福山かつぎ寿吉 三津五郎
三浦屋白玉 福 助
男伊達 山谷弥吉 権十郎
同 田甫富松 松 江
同 竹門虎蔵 男女蔵
同 砂利場石造 亀三郎
同 石浜浪七 亀 寿
傾城八重衣 松 也
同 浮橋 梅 枝
同 胡蝶 巳之助
同 愛染 新 悟
金棒引 種太郎
同 萬太郎
同 廣太郎
同 廣 松
禿たより 玉太郎
白玉付番新梅ヶ香 歌 江
奴奈良平 亀 蔵
国侍利金太 市 蔵
遣手お辰 右之助
番頭新造白菊 家 橘
朝顔仙平 歌 六
曽我満江 東 蔵
三浦屋女房お松 秀太郎
髭の意休 左團次
くわんぺら門兵衛 仁左衛門
白酒売新兵衛 菊五郎
口上 海老蔵
歌舞伎座のさよなら公演を飾るにふさわしい華やかな演目。口上を海老蔵が務めるというのはほんの序の口でオールスターが揃い踏み。花魁たちのあまりにも豪華な衣装にため息。そしてその中でもひときわ艶やかに咲き誇る玉三郎扮する揚巻の美しさ。しかし意休に悪態をつきあしらうさまは堂々としているというか、女っぷりの良さを見せつけるというか。
一方、助六の團十郎は、病み上がりとは思えないほどの、朗々と通る声、立ち振る舞いの粋さ、スターぞろいの舞台の中でも飛びぬけてカッコ良い。それだけに、花道がほとんど見えなくて、スタイリッシュに見得を切る姿がちらちらとしか見えない席が残念だった。チケットが入手できただけでも幸運だと思うけど。
そしてお楽しみは、門兵衛に仁左衛門、かつぎ寿吉に三津五郎と、大きいとはいえない役に大物が出演して、それぞれに絶妙な芸の一端を見せてくれること。さらに新兵衛には菊五郎。さらに、通人里暁に勘三郎が登場して、場面をさらっていってしまう軽妙洒脱な話芸を披露。菊五郎の股をキュートにくぐって見せちゃう上に、最後には歌舞伎座への愛着と惜別をも語ってしんみりとさせてくれた。
たまにしか観ない歌舞伎だけど、美しいだけじゃなくって、くすくすと笑えるし、ほーんとうに楽しい!ザッツ・エンターテインメント!歌舞伎座がなくなってしまうのは寂しいけど、また時間を見つけて観にいかなくちゃと思ったのだった。
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