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バレエ(情報)

2017/02/21

オランダ国立バレエの2017-18シーズン

オランダ国立バレエの2017-18シーズンが発表されています。

http://www.operaballet.nl/en/program/ballet?filter=275

ガラ公演 9月12日
ゲストとして、ディアナ・ヴィシニョーワとウラジーミル・マラーホフがハンス・ファン・マネンの「オールドマン・アンド・ミー」を踊ります。またドイツ・ライン・バレエのダンサーたちが、ファン・マネンのAlltagを踊ります。
プログラム内容の大部分はサプライズとして伏せられていますが、バランシンの主要な作品の一部が上演され、またプリンシパル全員がこのガラで踊ります。ジュニア・カンパニーのダンサーたちも参加し、またデフィレも行われます。


Ode to the Master (ハンス・ファン・マネン特集) 9月15日~30日 8公演、11月7日~ 6公演 5月1日~ 8公演

85歳になった、オランダを代表する偉大な振付家ハンス・ファン・マネン。バレエ団の常任振付家である彼の4作品を上演します。
「On the Move」(NDTのために振付けられた作品でカンパニー初演)、「5 Tangos」(ピアソラの5つのタンゴ曲に振付けられたスタイリッシュな作品で、ファン・マネン作品の中でも最も人気のある一つ。日本でもコジョカルのガラでイザック・エルナンデスが踊った)、「Sarcasm」、「Symphonieën der Nederlanden,」


マタ・ハリ 10月14日~9公演、11月1日~3日 3公演
2016年に芸術監督テッド・ブランセンによって振付けられた、伝説の女スパイマタ・ハリを描いた全幕作品。大好評ですべての公演が売り切れ、DVD化されました。

「シューベルト」 NDT2公演 11月10日、12日
NDTのソル・レオンとポール・ライトフットが振付けた世界初演作品、アレクサンドル・エクマンの人気作品「カクティ」、Johan Ingerの「One on One」というトリプルビル。オーケストラの生演奏で、すべてシューベルトの音楽を使用。 


「眠れる森の美女」 12月9日~1月1日 18公演
ピーター・ライト振付の「眠れる森の美女」


「ドン・キホーテ」 2月13日~3月4日 13公演
アレクセイ・ラトマンスキー振付の「ドン・キホーテ」。DVD化もされている人気作。


In The Future ジュニアカンパニーによるツアー公演 3月10日~10公演、4月13日
ジュニアカンパニーは12人のダンサーが所属し、このシーズンも「マタ・ハリ」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」に出演している。ハンス・ファン・マネン振付「In the Future」を含むトリプルビル


Dutch Doubles 3月24日~4月15日 10公演
注目を集めている女性振付家アナベル・ロペス・オチョア、オランダ国立バレエ団出身でジュニアカンパニーのコーディネーターを務めるErnst Meisner、巨匠ハンス・ファン・マネンの3人の振付家の作品で構成されるトリプルビル。すべて世界初演作品であり、また音楽を重視して気鋭の音楽家を起用している。


ナルニア国物語 ジュニアカンパニーとISH Dance Collectiveのコラボレーション、ツアー公演 4月11日~5公演、5月1日~19公演
あまりにも有名な原作を基にErnst MeisnerとISHのMarco Gerris が振付けた作品。ISHはクロスオーバーのダンスカンパニーであり、この作品はバレエとヒップホップを融合した作品となっている。


トリスタンとイゾルデ 6月13日~26 7公演
デヴィッド・ドーソンがドレスデン・バレエのために振付けた作品。ワーグナーではなく、Szymon Brzoskaがこの作品のために作曲した音楽を使用。衣装は竹島由美子さん。


New Moves 2018 6月22日
オランダ国立バレエの団員が振付けた作品を上演。オランダ国立バレエで振付を始めて、振付家として著名になった例としてはデヴィッド・ドーソン、クリストフ・パストール(ポーランド国立バレエ芸術監督)、芸術監督テッド・ブランセンなどがいる。


全幕の完全な新作はないものの、カンパニー初演の「トリスタンとイゾルデ」、すべて新作で構成されるトリプルビルや、ハンス・ファン・マネンの作品集、昨年初演されて高い評価を得た「マタ・ハリ」「ナルニア国物語」など、意欲的なプログラムあり、「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」の古典全幕ありで、魅力的なレパートリーと言えます。あと羨ましいのは、公演数が非常に多く、さらにジュニアカンパニーはオランダ各地のツアーを行っていること。こういったことは、たとえば北米のカンパニーには絶対できないことであり、ヨーロッパの文化の豊かさを実感させられます。

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なお、オランダ国立バレエでは、イレク・ムハメドフの娘であるサーシャ・ムハメドフがプリンシパルに、またミケーラ・デプリンスがソリストに昇進しています。
http://www.operaballet.nl/en/node/5562

2017/02/16

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2017-18シーズン

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2017-18シーズンが発表されています。

http://national.ballet.ca/Tickets/Next-Season?

「ニジンスキー」パリ公演
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/Nijinsky-Paris
10月3日~8日、シャンゼリゼ劇場

ジョン・ノイマイヤー振付の名作「ニジンスキー」でパリ公演を行います。

ニジンスキー役は、さすがに本家ハンブルグ・バレエのダンサーにはとても及びませんが、バレエ団にはよく合っているレパートリーです。ニジンスキーの「春の祭典」の歴史的な初演が行われた劇場での「ニジンスキー」上演というのは、舞台装置としてはいい感じです。


「冬物語」 11月10日~19日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/The-Winters-Tale

2015年に初演して好評を得たシェイクスピア原作、クリストファー・ウィールドン振付作品(ロイヤル・バレエとの共同制作)の再演。ワシントンDC、ニューヨークでのツアーも行って成功を収めています。


「ニジンスキー」 11月22日~26日、オタワ公演1月25日~27日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/Nijinsky


「くるみ割り人形」 12月9日~30日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/The-Nutcracker
ジェームズ・クデルカ振付作品。北米のカンパニーなのでくるみ割り人形の公演数は多いです。


Made in Canada 2月28日~3月4日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/Made-in-Canada
常任振付家のロバート・ビネ「The Dreamers Ever Leave You」、元芸術監督のジェームズ・クデルカ「四季」、人気女性振付家クリスタル・パイトの「Emergence」のカナダ出身の3人の振付家によるトリプルビル。
ロバート・ビネはロイヤル・バレエにも振付けている若手振付家で、「The Dreamers Ever Leave You」は昨年、オンタリオ美術館のギャラリーで上演された作品です。ジェームズ・クデルカ「四季」、クリスタル・パイトの「Emergence」は旧作。


「眠れる森の美女」 3月8日~18日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/The-Sleeping-Beauty
ルドルフ・ヌレエフ版。ヌレエフ本人もかつてこのバレエ団に客演して踊りました。

 
Frame by Frame (新作) 6月1日~10日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/Frame-by-Frame
世界的な演出家のロベール・ルパージュとギョーム・コテが組んで、アニメーション作家ノーマン・マクラレンの生涯と作品の正解を表現するという新作。ルパージュの演出力や空間創造力は見事なものですが、ギョーム・コテは先シーズンの「星の王子様」が酷評された駄作だったので、この作品はどうでしょう。


「Paz de la Jolla」、「Dark Angels」、「Cacti」 6月16日~22日
http://national.ballet.ca/Productions/2017-18-Season/Cacti

「Paz de la Jolla」は、NYCBのダンサーにして新進気鋭の振付家ジャスティン・ペックが、2013年にNYCBに振付けたもの。この作品を振付ける際のドキュメンタリー「Ballet422」はDVD化もされています。「カクティ」は、アレクサンドル・エクマンが振付けた、世界中のカンパニーで上演されているユーモラスでエネルギッシュな作品。「Dark Angels」は今年の4月にモントリオールで初演される、ギョーム・コテ作品です。「カクティ」はぜひ生で観てみたい作品ですね。


2016-17シーズンのレパートリーがあまりにもお粗末だったので、それと比較すれば新シーズンはトリプルビルが2つあり、マシともいえますが、世界的な流れからするとやはり見劣りしてしまうレパートリーです。新作を振付けているのが、振付家の才能のないギョーム・コテばかりというのがあまりに問題。芸術監督のカレン・ケインはあまり能力があるとは言えません。

ジョン・ノイマイヤー振付の新作「アンナ・カレーニナ」が、ハンブルグ・バレエ、ボリショイ・バレエとの共同制作で初演される予定ですが、ハンブルグでの初演が今年の7月、ボリショイが上演した後となるのでこのシーズンには間に合いませんでした。

このバレエ団は、スヴェトラーナ・ルンキナ、ユルギータ・ドロニナ、エヴァン・マッキーという国際的に活躍するトップダンサーが移籍してきたにもかかわらず、十分彼らを生かし切ることができず、超ベテランで見劣りする、もともといるダンサーたちを優遇しているので、正直残念な感じです。特に生え抜きのプリンシパルは弱いというか、これでプリンシパルなの?という印象を持ってしまいました。

ダンサーの容姿も女性はやや残念な人が多く、今や新国立劇場バレエ団の方が平均的に美しいと言えるかもしれません。ただし、プリンシパルの江部直哉さんはじめ、佐藤航太さん、ローリーナス・ヴェーヤーリスさん、子安美代子さんなどの日本人ダンサーはとても優秀なので、彼らの活躍には期待したい次第です。

2017/02/10

パリ・オペラ座バレエ「バレエ・リュス」、3/31限定劇場公開

「バレエ・リュス」の主宰者セルゲイ・ディアギレフの生誕145周年を記念して、パリ・オペラ座バレエで2009年に公演した『バレエ・リュス』プログラムを映画館で限定上映することが決定しました。

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1909 年、当時のバレエ界に革新を起こし、今のバレエのあり方に多大な影響を与えた「バレエ・リュス」が結成されました。 「バレエ・リュス」はロシア出身の芸術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフが主宰したバレエ団で、バレエダンサーだけでなく、20 世紀を代表する作曲家や芸術家(ピカソ、マティス、コクトー、シャネル、ローランサン、ブラック)などを取り込み、バレエと美術・ファッション・音楽を融合した新たなバレエの価値を生み出しました。

「バレエ・リュス」誕生から 100 年を迎えた2009 年、世界各地で記念公演が行われ、その年の 12 月にパリ・オペラ座で公演された「バレエ・リュス」100 周年記念公演がこのたび映画館のスクリーンに甦ることが決定しました。セルゲイ・ディアギレフの誕生日である 3 月 31 日に、彼の生誕 145 周年を記念して1日限り TOHOシネマズ 日本橋と TOHOシネマズ 梅田にて豪華なダンサーが舞う珠玉の 4 プログラム『薔薇の精』、『牧神の午後』、『三角帽子』、『ペトルーシュカ』を上映します。

本プログラムは、権利の制限でDVD化されていない作品なので、映画館でこそお楽しみ頂けるプログラムです。この機会にお見逃しなく!


【セルゲイ・ディアギレフ生誕 145 周年記念特別上映 パリ・オペラ座『バレエ・リュス』】

上映日時: 2017 年 3 月 31 日(金) ※1 日のみ、2回上映

1回目) 12:00~13:40 / 2 回目) 19:00~20:40※全席指定(完全入替制)

上映館:

東京)TOHOシネマズ 日本橋 / 大阪)TOHOシネマズ 梅田

料金: 各作品 一般 3,000 円 学生 2500 円(入場時学生証提示)

チケット発売

チケットぴあにて先行発売、上映劇場にて残数がある場合に限り当日券販売予定

【チケットぴあ 発売情報】

当企画 URL⇒http://w.pia.jp/t/ballets-russes/

当企画 P コード
東京 TOHO シネマズ 日本橋:556-603 / 大阪 TOHO シネマズ 梅田:556-604

チケット発売スケジュール

プレリザーブ) 2 月 25 日(土)11 時~3 月 12 日(日)23 時 59 分
※3 月 14 日(火)夜 結果発表

一般販売) 3 月 18 日(土)10 時~3 月 29 日(水)23 時 59 分

【劇場販売】 インターネットチケット購入システム vit : 3 月 31 日(金) 0:00~

劇場窓口:3 月 31 日(金) 劇場オープン時~

【作品情報】

収録:2009 年 12 月パリ・オペラ座(ガルニエ宮)
管弦楽:パリ・オペラ座管弦楽団
指揮:ヴェロ・パーン
出演:パリ・オペラ座バレエ団

プログラム構成:以下4つの短編ダンスにより構成

上映素材:DCP

1. 『薔薇の精』(原題:“Le Spectre de la rose”)

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10 分

出演:薔薇の精)マチアス・エイマン(エトワール)
少女)イザベル・シアラヴォラ(エトワール)
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー
編曲:エクトル・ベルリオーズ
美術:レオン・バクスト

2. 『牧神の午後』(原題 :“L’Après-midi d’un faune”)

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12 分

出演:牧神)ニコラ・ル・リッシュ(エトワール)
ニンフ)エミリー・コゼット(エトワール)
振付:ワツラフ・ニジンスキー
音楽:クロード・ドビュッシー
美術:レオン・バクスト

3. 『三角帽子』(原題:"Le tricorne")

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36 分

出演:粉屋の女房)マリ=アニエス・ジロ(エトワール)
粉屋)ジョゼ・マルティネズ(エトワール
コリヒドール)ファブリス・ブルジョア(ゲストダンサー)
振付:レオニード・マシーン
音楽:マヌエル・デ・ファリャ
美術:パブロ・ピカソ

4. 『ペトルーシュカ』(原題:“Petrouchka”)

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36 分

出演:ペトルーシュカ)バンジャマン・ペッシュ(エトワール)
バレリーナ)クレールマリ・オスタ(エトワール)
ムーア人)ヤン・ブリダール(プルミエ・ダンスール)
魔術師)ステファン・ファヴォラン(プルミエ・ダンスール)
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
美術:アレクサンドル・ブノワ

【公式サイト】 https://www.culture-ville.jp/parisoperaballetrusses

【Facebook Page】 https://www.facebook.com/Paris.Opera.Cinema/ 【Twitter】 @Culture-ville

DVDなどでは発売されていない豪華キャストによるこの上演、観ることができるのは貴重な機会です。ぜひご覧いただければと思います。

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さて、実はパリ・オペラ座のガルニエ宮では、3月4日までBakst : des Ballets russes à la haute couture - Opéra de Parisという展覧会が開かれています。
https://www.operadeparis.fr/visites/expositions/bakst-des-ballets-russes-a-la-haute-couture

バレエ・リュスを代表する舞台美術家レオン・バクストの生誕150周年を記念したものです。バクストは「シェヘラザード」「薔薇の精」「牧神の午後」「ダフニスとクロエ」などの衣装や装置をデザインしました。

フィガロ・ジャポンの記事でも、この展覧会は紹介されています。アンナ・パヴロワが着用した「瀕死の白鳥」の衣装なども。
20世紀初頭を賑わしたバレエ・リュスに、熱い視線。
http://madamefigaro.jp/paris/series/ballet/161207-ballets-russes.html

2017/02/09

パロマ・ヘレーラがテアトロ・コロンの芸術監督に

2015年に引退した元ABTプリンシパルのパロマ・ヘレーラ。19歳で最年少プリンシパルとなり、ABTで25年間踊り続け、日本にもたびたび来日しておなじみのダンサーでした。

そのヘレーラですが、故国アルゼンチン、ブエノスアイレスのテアトロ・コロンの芸術監督に就任することが発表されました。

Paloma Herrera’s Next Step: Artistic Director
http://pointemagazine.com/news/paloma-herrera-appointed-artistic-director/

もっと詳しいスペイン語の記事
http://www.lanacion.com.ar/1982834-teatro-colon-asumen-enrique-diemecke-y-paloma-herrera

2月8日にテアトロ・コロンの総裁が退任して新しい総裁が就任したところ、その新総裁にヘレーラが芸術監督として任命されたとのことです。今までは、やはり国際的なスターだったマクシミリアーノ・グエラが芸術監督を務めていまいた。

テアトロ・コロンは近年は、マリアネラ・ヌニェスやリュドミラ・パリエロ、エルマン・コルネホなどアルゼンチン出身の国際スターがゲスト出演することが多く、観客動員も増加してきたとのことです。100人以上も団員のいる大カンパニーをヘレーラは率いることになります。

ABTで同時期に引退したジュリー・ケントはワシントン・バレエの芸術監督に就任しています。またシオマラ・レイエスはワシントン・バレエスクールの校長となりました。世代交代の波を感じるとともに、芸術監督も若い女性がなっていく時代となりました。

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2017/02/08

英国ロイヤルオペラハウスシネマシーズン ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」

英国ロイヤルオペラハウスシネマシーズン、次の上演はロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」です。

http://tohotowa.co.jp/roh/movie/the_nutcracker.html

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劇場公開は2月10日からですが(一部の劇場は2月18日から)試写を見せて頂きました。

【振付】ピーター・ライト/レフ・イワノフ
【音楽】ピョートル・チャイコフスキー
【指揮】ボリス・グルージン
【出演】フランチェスカ・ヘイワード (クララ)
ローレン・カスバートソン (金平糖の精)
ギャリー・エイヴィス (ドロッセルマイヤー)
フェデリコ・ボネッリ (王子)
アレクサンダー・キャンベル (ハンス・ペーター/くるみ割り人形)
レティシア・ストック (コロンビーヌ)
フェルナンド・モンターニョ (アルルカン)
マルセリーノ・サンベ (兵士)
マヤラ・マグリ (ヴィヴァンデール)
ニコル・エドモンズ (ねずみの王様)
クリスティナ・アレスティス、ヨハネス・ステパネク(スペイン)
イツィアール・メンディザバル、平野亮一、リース・クラーク、ニコル・エドモンズ (アラビアン・ダンサー)
アクリ瑠嘉、マルセリーノ・サンベ (中国)
トリスタン・ダイヤー、ポール・ケイ (ロシア)
ミーガン・グレース・ヒンキス、マヤラ・マグリ、エマ・マグワイア、レティシア・ストック (葦笛)
崔由姫 (ローズ・フェアリー)
マシュー・ボール、ジェームズ・ヘイ、トーマス・モック、ヴァレンティノ・ズケッティ (花のワルツのエスコート)
クレア・カルヴァート、ヘレン・クロフォード、小林ひかる、ベアトリス・スティクス=ブルネル (花のワルツリード)

キャスト表はこちらから
http://static.roh.org.uk/showings/the-nutcracker-live-2016/eng.pdf

ロイヤル・バレエの冬の定番、ピーター・ライト振付の「くるみ割り人形」。人気作につき今までも何回も映画館で上映されており、今回は前回の上映とほぼ同じ主演キャスト。ただし、今回は中国の踊りの振付が改訂された。今までの中国の踊りが政治的に正しくないと判断されたようで、三つ編み、白塗りなどの民族色を取り除いた、アクロバティックな振付となっていた。

ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」といえば、やはり主役はドロッセルマイヤー役のギャリー・エイヴィス。マントの翻し方もスタイリッシュで、これぞドロッセルマイヤーというスマートさと少しの妖しさ、色気が魅力的で作品を支配している。

前回フランチェスカ・ヘイワードをクララ役で観たときには、まだ新人に近い扱いだったけど、今やプリンシパル。可愛らしさはそのままに、プリンシパルらしい貫禄も備えて来た。そろそろクララ役も最後なのかもしれない。パートナーのアレクサンダー・キャンベルとは息も合っているけどキャンベルは脚が太く、小顔のフランチェスカと並ぶと顔の大きさも目立つ。技術はもちろん素晴らしいのだが。

ピーター・ライト版では、2幕の各国の踊りにもクララとくるみ割り人形が参加するのが楽しくていい。ロシアの大きな跳躍の踊りにはくるみ割り人形が一緒になって跳び、花のワルツの中でも踊る。全編出ずっぱりでとても体力の必要な役だけど、二人とも疲れを見せなかったのは流石だ。

新しい振付となった中国での、アクリ瑠嘉さんとマルセリーノ・サンベのゴムまりのようなふたりの踊りはとても楽しかった。体格的にもちょうど同じくらい。

マルセリーノ・サンベとレティシア・ストックがくるみ割り人形とクララ役、クレア・カルヴァートがローズ・フェアリーをリハーサルする映像

花のワルツを先導するローズ・フェアリー役には崔由姫さん。とても優雅で音楽性も豊かでおもわる頬が緩んでしまうような美しい踊り。別キャストでは金平糖の精も踊っている彼女、プリンシパルになってほしいダンサーだ。

そして金平糖のグラン・パ・ド・ドゥ。ローレン・カスバートソンの優雅で気品があふれる中にも、とても難しい振付をなんでもないようにスムーズにこなしているさまは素晴らしい。長身の彼女がきっちりとコントロールを行き届かせて、一つ一つのパをクリスタルのような輝きで決めていく様はまさに女王。コーダでの移動しながらのグランフェッテも、音にきっちり合っていて正確で見事だった。パートナーのフェデリコ・ボネッリは前半は少し不調そうだったけど、サポートは的確でコーダのマネージュはきれいだった。

くるみ割り人形に姿を変えられてしまったハンス・ピーターが元の姿に戻ってドロッセルマイヤーと再会し、その少し前に夢から覚めたはずのクララとすれ違うところは心が温かくなるようなホッとする余韻を残す。このプロダクションが長く愛されているのがよくわかる。カーテンコールには、90歳の誕生日を迎えたばかりのピーター・ライトも登場していた。

*****

映画館上映のお楽しみは幕間のインタビュー。司会のダーシー・バッセルがピーター・ライトにインタビューをしていた。ライトが振付を始めたきっかけは、ジョン・クランコに依頼されて「ジゼル」を振付けることになったことからだそう。「ジゼル」の物語は好きではないから、と断ろうとしたのにどうしても作ってほしいと言われて振付けたことで、振付という仕事が好きになったとのこと。「くるみ割り人形」を振付ける時に、一緒にリサーチをしたProfessor Roland John Wileyが見つけて来た雪の精のシーンの舞踊譜を基にしたのだけど、61人もコール・ド・バレエがいて、振付はすべてバランセだったそう!

また、今度映画館中継される「ウルフ・ワークス」に主演するアレッサンドラ・フェリも登場。彼女はこの「くるみ割り人形」公演を中継の時に観ていた模様。現代における物語バレエの最高峰と語っていた。「ウルフ・ワークス」のリハーサルや本番の映像も流れ、期待が高まった。

さらに、ダンサーのポワントシューズのためにバレエ団に寄付してね、という目的でポワント(トウシューズ)についての映像も流れた。崔由姫さんとクレア・カルバートとヤスミン・ナグディが登場してポワントを加工するところが出て来る。くるみ割り人形では40数足ポワントを使い、ロイヤルで年間2000足。ユフィさんは2ヶ月ですでに20足使ったそう。

毎回、劇場にいるような体験が映画館でできる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2016/17」楽しみです。特典映像や写真などが見られるデジタルプログラムは、FREENUTのコードを入れると無料で見ることができます。
http://www.roh.org.uk/publications/the-nutcracker-digital-programme

北海道 札幌シネマフロンティア 2017/2/18(土) ~2017/2/24(金)
宮城 MOVIX仙台 2017/2/18(土) ~2017/2/24(金)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
東京 TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
神戸 TOHOシネマズ西宮OS 2017/2/10(金) ~2017/2/16(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2017/2/11(土) ~2017/2/17(金)

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2017/02/07

第17回英国ナショナル・ダンス・アワード

第17回英国ナショナル・ダンス・アワードが発表されました。

http://dancetabs.com/2017/02/2016-national-dance-awards-winners-announced/


DANCING TIMES AWARD FOR BEST MALE DANCER  最優秀男性ダンサー


Chase JOHNSEY (Les Ballets Trockadero de Monte Carlo) チェース・ジョンセー(トロカデロ・デ・モンテカルロ)

(ノミネート)
Tobias BATLEY (Northern Ballet) トビアス・バトリー(ノーザン・バレエ)
Alexander CAMPBELL (The Royal Ballet) アレクサンダー・キャンベル(ロイヤル・バレエ)
Vadim MUNTAGIROV (The Royal Ballet) ワディム・ムンタギロフ (ロイヤル・バレエ)
Liam RIDDICK (Richard Alston Dance Company) リアム・リディック(リチャード・アルストン・ダンス・カンパニー)


GRISHKO AWARD FOR BEST FEMALE DANCER  最優秀女性ダンサー

Francesca HAYWARD (The Royal Ballet) フランチェスカ・ヘイワード(ロイヤル・バレエ)

(ノミネート)
Ekaterina KRYSANOVA (Bolshoi Ballet) エカテリーナ・クリサノワ(ボリショイ・バレエ)
Laura MORERA (The Royal Ballet) ラウラ・モレラ(ロイヤル・バレエ)
Tamara ROJO (English National Ballet) タマラ・ロホ(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)
Zenaida YANOWSKY (The Royal Ballet) ゼナイダ・ヤノウスキー(ロイヤル・バレエ)


STEF STEFANOU AWARD FOR OUTSTANDING COMPANY 傑出したカンパニー

English National Ballet イングリッシュ・ナショナル・バレエ

(ノミネート)
Bolshoi Ballet ボリショイ・バレエ
Les Ballets Trockadero de Monte Carlo トロカデロ・デ・モンテカルロ
Northern Ballet ノーザン・バレエ
Scottish Ballet スコティッシュ・バレエ


BEST INDEPENDENT COMPANY 最優秀インディペンデント・カンパニー 

Gary Clarke Company

(ノミネート)
Ballet Cymru
DeNada Dance Theatre
Protein Dance
Sweetshop Revolution


BEST CLASSICAL CHOREOGRAPHY 最優秀古典振付賞

Jonathan WATKINS – ‘1984’ (for Northern Ballet ジョナサン・ワトキンス「1984」(ノーザン・バレエ)

(ノミネート)
Anabelle LOPEZ OCHOA – ‘Broken Wings’ (for English National Ballet) アナベル・ロペス・オチョア「ブロークン・ウィングス」(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)
Jean-Christophe MAILLOT – ‘Taming Of The Shrew’ (for Bolshoi Ballet) ジャン・クリストフ・マイヨー「じゃじゃ馬馴らし」(ボリショイ・バレエ)
Cathy MARSTON – ‘Jane Eyre’ (for Northern Ballet) キャシー・マーストン「ジェーン・エア」(ノーザン・バレエ)
Will TUCKETT – ‘Elizabeth’ (for The Royal Ballet) ウィル・タケット「エリザベス」 (ロイヤル・バレエ)


BEST MODERN CHOREOGRAPHY 最優秀現代振付賞

Kim BRANDSTRUP – ‘Transfigured Night’ (for Rambert) キム・ブランドストラップ

(ノミネート)
Javier De FRUTOS – ‘Anatomy of a Passing Cloud’ (for Royal New Zealand Ballet) ハビエル・デ・フルートス
Akram KHAN – ‘Until the Lions’ (for Akram Khan Company) アクラム・カーン
Russell MALIPHANT – ‘Spiral Pass’ (for Bayerische Staatsballett Munich & Russell Maliphant Company) ラッセル・マリファント
Crystal PITE – ‘Betroffenheit’ (for Kidd Pivot/Electric Company Theatre) クリスタル・パイト


EMERGING ARTIST AWARD  新人アーティスト賞

Reece CLARKE (First Artist, The Royal Ballet) リース・クラーク(ロイヤル・バレエ)

Julie CUNNINGHAM (Freelance Choreographer) ジュリー・カニンガム(フリー、振付家)
Tierney HEAP (Soloist, The Royal Ballet) ティアニー・ヒープ(ロイヤル・バレエ)
Kateryna KHANIUKOVA (Junior Soloist, English National Ballet) カテリーナ・ハニュコワ(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)
Vidya PATEL (Guest artist, Richard Alston Dance Company) ヴィディア・パテル(ゲスト・アーティスト、リチャード・アルストン・ダンス・カンパニー)


OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (CLASSICAL) 傑出した女性クラシックバレエダンサー

Zenaida YANOWSKY (in the title role as ‘ELIZABETH’ for The Royal Ballet) ゼナイダ・ヤノウスキー「エリザベス」エリザベス1世役 ロイヤル・バレエ

(ノミネート)
Francesca HAYWARD (in ‘RHAPSODY’ for The Royal Ballet) フランチェスカ・ヘイワード「ラプソディ」ロイヤル・バレエ
Ekaterina KRYSANOVA (as Katherina in ‘TAMING OF THE SHREW’ for Bolshoi Ballet) エカテリーナ・クリサノワ「じゃじゃ馬馴らし」キャタリーナ役、ボリショイ・バレエ


Martha LEEBOLT (as Julia in ‘1984’ for Northern Ballet) マーサ・リーボルト「1984」ジュリア役、ノーザン・バレエ
Tamara ROJO (as Frida Kahlo in ‘BROKEN WINGS’ for English National Ballet) タマラ・ロホ「ブロークン・ウィングス」フリーダ・カーロ役 イングリッシュ・ナショナル・バレエ


OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (CLASSICAL)傑出した男性クラシックバレエダンサー

Cesar CORRALES (as Ali in ‘LE CORSAIRE’ for English National Ballet) セザール・コラレス「海賊」アリ役、イングリッシュ・ナショナル・バレエ

(ノミネート)
Tobias BATLEY (as Winston Smith in ‘1984’ for Northern Ballet) トビアス・バトリー「1984」ウィンストン・スミス役、ノーザン・バレエ
Chase JOHNSEY (in the title role as ‘PAQUITA’ for Les Ballets Trockadero de Monte Carlo) チェース・ジョンセー「パキータ」パキター役、トロカデロ・デ・モンテカルロ
Vladislav LANTRATOV (as Petruchio in ‘TAMING OF THE SHREW’ for Bolshoi Ballet) ウラディスラフ・ラントラートフ「じゃじゃ馬馴らし」ペトルーチオ役、ボリショイ・バレエ
Irek MUKHAMEDOV (as Diego Rivera in ‘BROKEN WINGS’ for English National Ballet) イレク・ムハメドフ 「フリーダ・カーロ」ディエゴ・リヴェラ役 イングリッシュ・ナショナル・バレエ


OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (MODERN)傑出した女性モダン・ダンサー

Ching-Ying CHIEN (in ‘UNTIL THE LIONS’ for Akram Khan Company)

(ノミネート)
Marivi DA SILVA (in ‘YOUNG MAN’ for Denada Dance Theatre)
Christine Joy RITTER (in ‘UNTIL THE LIONS’ for Akram Khan Company)
Hannah KIDD (as Penelope in ‘THE ODYSSEY’ for Mark Bruce Company)
Vidya PATEL (as Princess Maria Barbara in ‘AN ITALIAN IN MADRID’ for Richard Alston Dance Company)


OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (MODERN)傑出した男性モダンダンサー

Jonathon YOUNG (in ‘BETROFFENHEIT’ for Kidd Pivot/Electric Company Theatre

(ノミネート)
Miguel ALTUNAGA (in ‘TRANSFIGURED NIGHT’ for Rambert)
Daniel COLLINS (as Jekyll in ‘JEKYLL & HYDE’ for The Old Vic/The Mconie Company)
Akram KHAN (in ‘UNTIL THE LIONS’ for Akram Khan Company) アクラム・カーン
Liam RIDDICK (as Prince Ferdinand in ‘AN ITALIAN IN MADRID’ for Richard Alston Dance Company)


DE VALOIS AWARD FOR OUTSTANDING ACHIEVEMENT 傑出した功績に対するド・ヴァロワ賞

Dame Beryl Grey デイム・ベリル・グレイ


30人以上の批評家によって選ばれるこの賞。今年は、初めてクロス・ジェンダー、女性の役を演じた男性のダンサーが受賞しました。 最優秀男性ダンサーを受賞したトロカデロ・デ・モンテカルロのチェース・ジョンセーです。

最優秀カンパニーにイングリッシュ・ナショナル・バレエ、傑出した男性クラシックバレエダンサーにそのENBのセザール・コラレス。今年7月の来日公演に向けて幸先の良いニュースです。コラレスはアリ役での演技に対しての受賞なので、来日公演が楽しみですね。

ロイヤル・バレエからは、傑出した女性クラシックバレエダンサーに、今年引退するゼナイダ・ヤノウスキー(「エリザベス」での演技に対して)、最優秀女性ダンサーにフランチェスカ・ヘイワード、そして新人アーティスト賞にリース・クラークと3人が受賞しました。

また、 最優秀古典振付賞には、ロイヤル・バレエのダンサーだったジョナサン・ワトキンス振付の「1984」(ノーザン・バレエ)。ちょうどトランプ米大統領就任で小説「1984」が突然大ベストセラーになっているので、タイムリーな受賞と言えます。映像を観るととても面白そうです。

今年のノミネートされた人々は、450人もの候補者から選ばれ、20か国からの出身で、EU内そしてそれ以外からの出身者も多いとのことです。半分以上は英国外からで、この多様性は非常に重要であるとの審査委員長の講評がありました。昨年1年間、観客や非常化を楽しませ、挑戦させた多様性の豊かなダンスの形の中での素晴らしさを、この賞は祝しているものだそうです。

Brexit(EU離脱)によって国際性、多様性が失われる可能性が高い英国のダンス界ですが、世界中からの才能を受け入れてきたことが、発展の大きな原動力となってきました。ロイヤル・バレのダンサーの多くも外国人です。願わくば、今後も幅広い国々、ジャンルの才能を集結させてさらなる発展、進化を遂げてもらいたいものです。

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2017/02/05

第45回ローザンヌ国際バレエコンクール結果 中尾さん、山元さん入賞

第45回ローザンヌ国際コンクールのファイナルが行われ、結果が発表されました。

http://www.prixdelausanne.org/prize-winners-2017/

1位、コンテンポラリー賞、ベスト・スイス賞 MICHELE ESPOSITO イタリア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 17歳 「ラ・バヤデール」「ニジンスキー」
2位、観客賞 Marina da Costa Fernandes ブラジル(プリンセス・グレース・アカデミー) 17歳 「ドン・キホーテ」 「プレリュードCV」
3位 中尾太亮 日本 (マンハイム・アカデミー) 17歳 「白鳥の湖」「ヴァスラフ」
4位 山元耕陽  日本 (アクリ堀本バレエアカデミー) 15歳 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ヨンダリング」
5位 LAUREN HUNTER アメリカ合衆国 (Peninsula School of Performing Arts)15歳 「海賊」「バッハ組曲2番」
6位 STANISLAW WEGRZYN ポーランド(ミュンヘン・バレエ・アカデミー) 18歳 「ジゼル」「ヴァスラフ」 
7位 DIANA GEORGIA IONESCU ルーマニア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 16歳 「パキータ」「ノクターン」
8位 SUNU LIM 韓国 (Sunhwa Arts School )17歳 「ジゼル」「Wrong Note Reg」
ヌレエフ財団賞 16歳 DENILSON ALMEIDA ブラジル(Petite Danse School of Dance) 「コッペリア」「ヴァスラフ」

ファイナルの動画
http://concert.arte.tv/fr/finale-du-45eme-prix-de-lausanne?language=jp

1位のミケーレ・エスポジートは、イタリア人ですがチューリヒ・ダンスアカデミーの生徒ということでベスト・スイス賞も受賞。「ラ・バヤデール」のソロルも素晴らしかったですが、とにかく「ニジンスキー」の情熱的で入魂のパフォーマンスが圧倒的で、セミファイナルの時から注目していました。

2位のMarina da Costa Fernandesは、手脚が長くて甲がよく出ており、キトリのエシャッペがとても映えてていました。技術も強く華があり、観客賞も納得です。

3位の中尾さん、白鳥の王子は貴公子でした。トゥールザンレールの着地が柔らかくてきれいな5番、脚のラインも美しかったです。

4位の山元さんは、常連アクリ堀本バレエアカデミーの生徒さん。年齢も若くこれからのところもありましたが、「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のピルエットには驚かされました。「ヨンダリング」が表現力があり良かったです。

5位のローレン・ハンターはちょっとノーマークでしたが、バッハ組曲2番は音楽性豊かでとても良かったです。

6位のSTANISLAW WEGRZYNは、ジゼルのアルブレヒトがロマンティックで端正でした。「ヴァスラフ」を踊ったファイナリストは多かったのですが、彼がその中では一番良かったかもしれません。

7位 DIANA GEORGIA IONESCUは金髪の大人っぽい美人さんで、「パキータ」のヴァリエーション、きれいでした。

8位 SUNU LIMはアルブレヒトも良かったですが、ノイマイヤーの「Wrong Note Reg」が音楽性豊かで、難しい振付を軽やかにこなしていて印象的でした。

入賞しなかったのですが、中国のFANG QI LIは非常にプロポーションが美しく、格調高い「パキータ」のエトワールのヴァリエーションに魅せられたので、クラシックの時点では入賞するかなと思ったのです。コンテンポラリーが少し弱かったのかもしれません。

バレエ、中尾さん3位
山元さん4位、ローザンヌ国際
http://www.47news.jp/news/2017/02/post_20170205000608.html

ローザンヌ国際バレエコンクール 日本人2人が入賞
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170205/k10010865361000.html

バレエ中尾さん、地元松山で祝福 けが乗り越え快挙
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017020501001062.html?ref=rank

ローザンヌ国際バレエ 日本人2人が入賞
http://www.news24.jp/articles/2017/02/05/10353318.html

バレエコンクール、特にローザンヌ国際バレエコンクールの話題はこのブログでも非常に人気が高くて、アクセスもとても多いのです。日本人ダンサーのレベルの向上は素晴らしく、今回のファイナリストを見てもわかる通り、体型や容姿、表現力でも欧米に引けを取らないダンサーも出てきました。しかし、日本からの応募がこれだけ多いというのは、才能あるダンサーは海外で学ばないとバレエダンサーになるのは難しく、またバレエダンサーとして食べていくことも難しいという事実の反映でもあります。実際セミファイナリストのリストを見ても、すでに海外のバレエ学校で学んでいる人も多いのです。

ローザンヌ国際バレエコンクールが素晴らしいのは、教育、育成目的のコンクールであり、受賞するということは単なる一つの通過点であり、スカラシップを授与することが賞品となっていることです。賞を取ることは目的ではなく、賞を取る、参加することでダンサーとなる出発点にようやく立てたということです。

セミファイナリストとなると、数日間にわたって一流の教師陣(今年は、モニク・ルディエール、パトリック・アルマン、ヨハン・ステグリ、ディディ・ヴェルドマンなど)に教えを乞うことができ、また世界中から集まった若いダンサーや、バレエカンパニーの関係者と交流できます。これらの貴重な経験は、何事も代えがたいものでしょう。

今年は、ジョン・ノイマイヤーが長年のローザンヌ国際バレエコンクールへの貢献をたたえられ、ライフタイム・アチーブメント・プライスという賞を授与されました。数年前にもありましたが、今年もコンテンポラリーのヴァリエーションがすべてノイマイヤーの作品だったので、出場者たちは彼の作品を、ハンブルグ・バレエ出身で彼の作品を知る教師たちから学ぶという経験を得ることができたのです。授賞式の前にノイマイヤーのスピーチがありましたが、出場者全員にスカラシップを挙げたいほどだと彼は語りました。ここにたどり着いたこと自体が素晴らしいということです。また、他の審査員も、「誰もがウィナーです」と語っていました。

たとえファイナルには到達できなくても、入賞できなくても得られる経験は大きいということです。また、ローザンヌ国際バレエコンクールはネットワーキングフォーラムがあり、ファイナリストでなくとも、様々なバレエ学校やカンパニーの人達に会い、踊りを見てもらい、スカラシップを獲得するチャンスがあります。

日本でもバレエコンクールは花盛りですが、ローザンヌ国際バレエコンクールのように育成、教育を目的としたコンクールがあるといいと思います。(実際にはあるのかもしれませんが) チャコットやアトリエヨシノがローザンヌ国際バレエコンクールのスポンサーとなっていることは素晴らしいことですが、日本国内でもこういうことができるといいですよね。

2017/02/04

第45回ローザンヌ国際バレエコンクール ファイナリスト

第45回ローザンヌ国際バレエコンクールのセミファイナルが2月3日に行われ、以下のファイナリストが決定しました。

http://www.prixdelausanne.org/results-selections-45th-edition-of-prix-de-lausanne/

102 LAUREN HUNTER アメリカ合衆国 「海賊」「バッハ組曲2番」
104 藤本結香  日本 (小池バレエスタジオ) 「ラ・バヤデール」第一ヴァリエーション、「シンデレラ・ストーリー」
107 JESSI SEYMOUR  オーストラリア 「ドン・キホーテ」 「レクイエム」
111 SUNMIN LEE  韓国 「眠れる森の美女」「ノクターン」
114 RAFAELA HENRIQUE ブラジル 「海賊」「プレリュードCV」
120 DIANA GEORGIA IONESCU ルーマニア 「パキータ」「ノクターン」
201 山元耕陽  日本 (アクリ堀本バレエアカデミー) 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ヨンダリング」
203 EDOARDO SARTORI イタリア 「ジゼル」「スプリング・アンド・フォール」
205 DENILSON ALMEIDA ブラジル 「コッペリア」「ヴァスラフ」
210 JOSHUA JACK PRICE オーストラリア 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ヴァスラフ」
212 JINGKUN XU 中国 「ラ・シルフィード」「ヨンダリング」
213 ALESSANDRO FROLA イタリア 「アレキナーダ」「スプリング・アンド・フォール」
303 JI MIN KWON 韓国 「ドン・キホーテ」「シンデレラ・ストーリー」
306 MARINA FERNANDES DA COSTA DUARTE ブラジル 「ドン・キホーテ」 「プレリュードCV」
312 FANG QI LI 中国 「パキータ」「ノクターン」
406 SUNU LIM 韓国 「ジゼル」「Wrong Note Reg」
410 MICHELE ESPOSITO イタリア 「ラ・バヤデール」「ニジンスキー」
415 中尾太亮 日本 (マンハイム・アカデミー) 「白鳥の湖」「ヴァスラフ」
420 太田倫功 日本 (ジョン・クランコ・スクール) 「ラ・バヤデール」「ヴァスラフ」
423 STANISLAW WEGRZYN ポーランド 「ジゼル」「ヴァスラフ」

日本からは4人が、明日2月4日のファイナルに進出します。

今年は男子のセミファイナリストの方が多かったという年。日本のファイナリストも、男子3人と女子1人でした。

セミファイナルの動画 (後でYouTubeにも上がると思います)
http://concert.arte.tv/fr/selections-et-resultats-du-45eme-prix-de-lausanne

4日目

3日目 モニク・ルディエールが女子のクラシックを指導するところも観られます。

2日目 元ハンブルグ・バレエのヨハン・ステグリ指導によるノイマイヤーヴァリエーションなど。

1日目

今年もファイナリストが出た、アクリ・堀本バレエアカデミーの堀本美和さんのインタビュー記事

ローザンヌバレエ、準決勝で日本から4人が選出 明日の決勝に臨む

決勝に日本人4人進出 ローザンヌ国際バレエコンクール
http://www.asahi.com/articles/ASK2421QDK24UHBI001.html

決勝は2月4日(土)日本時間夜10時半からこちらで。
http://concert.arte.tv/fr/finale-du-45eme-prix-de-lausanne

ちなみに私は女子の古典は見逃してしまったのでこれからキャッチアップしますが、男子の古典とコンテンポラリーは観ました。ファイナルに残った藤本結香さんのシンデレラはとても伸び伸び、生き生きしていて素敵でした。中尾太亮さん、太田倫功さんの古典も技術がしっかりして美しかったです。太田さんはコンテンポラリーも魅せました。イタリアのミシェル・エスポジートの「ニジンスキー」素晴らしかったです。ファイナルに進出できなかったダンサーでも、目を引く人はたくさんいました。中国のダンサーたちの容姿の美しさは目を引きます。

今年はコンテンポラリーヴァリエーションがすべてノイマイヤー作品なので、コンテンポラリーを観るのもとても面白かったです。

2017/02/03

マリーヤ・アレクサンドロワがボリショイ・バレエを退団/追記

ボリショイ・バレエを代表するプリマ・バレリーナのマリーヤ・アレクサンドロワが、自らのInstagramでボリショイ・バレエを退団することを発表しました。

My dear beloved colleagues and spectators I want to say heartfelt THANK YOU to all of you for this amazing story we shared together in Bolshoi. But this great part of my life is over. I took the decision to turn this page. Artist’s place is on stage, the rest is just an illusion and unnecessary soul-devastating dither. I thank my professors N.L. Semizorova and V.S. Lagunov for all attention, talent, respect and love for our profession that they taught me until last minutes and last note that was played tonight!!!! I thank greatly my beloved and unforgettable Tatiana Nikolaevna Golikova, who’s part will always live in me and with me! Life goes on, and I have many interesting and important adventures ahead of me! I wish you all luck and patience! Always yours Masha Alexandrova Любимые, дорогие зрители и коллеги! Я хочу поблагодарить каждого и сказать большое Человеческое СПАСИБО за тот путь, что мы проделали вместе в стенах Большого Театра! Но это славная история закончена. Я приняла для себя решение, что переворачиваю эту страницу. Место артиста на сцене, все остальное это лирика, иллюзия и пустая, разрушающая душу нервотрёпка. СПАСИБО! Моим педагогам Н.Л.Семизоровой и В.С. Лагунову за внимание, талант, опыт, уважение и любовь к профессии, которой они учили меня до последних минут и последней ноты звучавшей сегодня!!! СПАСИБО, моей любимой и незабываемой Татьяне Николаевне Голиковой, часть которой навсегда во мне и со мной! Жизнь продолжается, будет ещё много интересного и важного! Я желаю Вам удачи и терпения! всегда Ваша, Маша Александрова #bolshoitheatre #mariaalexandrova #марияалександрова

Мария Александроваさん(@aleksandrova_maria_bt)が投稿した写真 -

この中で、アレクサンドロワは、以下のようにメッセージを書いています。

私の愛する同僚や観客の皆さん、私たちがボリショイで共にした素晴らしい物語について、心からのお礼を申し上げます。しかし、私の人生の中での大きな位置を占めていたこの部分は終わりを告げました。私は新しいページをめくる決断をしたのです。アーティストのいるべき場所は舞台の上であり、残りは幻想にすぎず、不必要な、心を壊すようなうろたえるようなものです。私は、この仕事のために払うべき注意、才能と敬意と愛を最後の最後まで教えてくださった教師のニーナ・セミゾロワとValery Lagunovにお礼を申し上げます。また愛してやまず忘れがたいタチヤーナ・ゴリコワにも大きなお礼を申し上げます。彼女の果たした役割は私の中で、私と共に存在し続けます。人生は続き、これから先もとても面白くて大切な冒険が続きます。皆さまに幸運と忍耐を祈ります。いつもあなた方と共に。マーシャ・アレクサンドロワ

この衝撃的なニュースについて、ロシアのタス通信では以下の記事が掲載されていました。
http://tass.com/society/928775

ボリショイ劇場からの発表が載っています。

「今年1月19日に、ボリショイ劇場のプリマ・バレリーナでロシア人民芸術家のマリーヤ・アレクサンドロワは自らの意思に基づき辞表を提出しました。これは彼女の個人的な決断です」

広報によると、劇場のマネジメントとバレエ団の幹部は彼女と会談し、慰留したとのことですが、アレクサンドロワは考えを改めることはありませんでした。「辞表を提出して2週間後、法律に基づきこの辞表は受理されました。ボリショイ劇場は、彼女の決断を残念に思います」

ボリショイ劇場は、アレクサンドロワがゲストとして戻ってきてくれることを望んでいます。「マリーヤ・アレクサンドロワの素晴らしい才能と疑うべくもないドラマティックな演技を評価し、彼女と今後も関係を続けることをボリショイの幹部は期待しています」と広報はコメントしています。

アレクサンドロワは、退団の理由は明らかにしていません。

モスクワ生まれのアレクサンドロワは、モスクワ舞踊アカデミーの生徒だった1997年にモスクワ国際コンクールに出場し、ボリショイ・バレエに入団しました。「パリの炎」のジャンヌ、「ラ・バヤデール」のガムザッティ、「ドン・キホーテ」のキトリ、「ジゼル」のミルタ、「スパルタクス」のエギナ、「明るい小川」のバレリーナ役などで知られています。近年では、サモドゥーロフの新作「オンディーヌ」の初演キャストを務め、「ラ・シルフィード」のシルフィード役やジゼルなど新境地にも挑んでいました。2004年に黄金のマスク賞を受賞しており、2009年にはロシア人民芸術家となっています。

1月28日の「ラ・バヤデール」ガムザッティ役が彼女の最後のボリショイでの舞台となりました。2月19日にミルタ役を踊る予定となっていましたが、それはすでに代役が立てられています。

その明るく華やかなキャラクターと、これぞボリショイ、という踊りでマリーヤ・アレクサンドロワは日本でも大人気でした。パリ・オペラ座バレエ、マリインスキー・バレエ、そして世界バレエフェスティバルなど世界中の劇場でゲスト出演もしていました。2013年夏のロンドン公演でアキレス腱断裂の大きな怪我をしてしまったものの、見事復活を果たしていましたが、近年はやや若手ダンサーに押されていました。とはいうものの、ボリショイを代表する大スターの突然の退団は世界中のバレエファンに大きなショックを持って迎えられています。ボリショイを離れても踊り続けるのか、引退してしまうのかはまだ不明です。38歳の彼女、まだまだ踊り続けてほしいですよね。

なお、アレクサンドロワが出演しているボリショイ・バレエの「明るい小川」は3月29日(水)に「ボリショイ・バレエ in シネマ」で映画館で上映されます。これは大変面白い作品ですし、アレクサンドロワの魅力も発揮されていますので、必見と言えます。
http://bolshoi-cinema.jp/lineup.html

ボリショイ・バレエは6月に来日公演がありますが、こちらの来日メンバーにもアレクサンドロワは入っていないのですよね。最後にボリショイで観ることができたら嬉しいのですが。

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<追記>
アレクサンドロワは、3月30日~4月1日、ニューヨークのシティセンターにて、ブランカ・リ振付の作品「Goddesses & Demonesses」に出演する予定です。
http://www.nycitycenter.org/tickets/productionNew.aspx?performanceNumber=10307

これは、2015年の年末年始に、パリのシャンゼリゼ劇場でアレクサンドロワとブランカ・リが共演した作品です。当初はマリ=アニエス・ジロが出演する予定でしたが、オペラ座の契約の関係で出演できなくなり、代わりにアレクサンドロワが出演しました。

もうひとつ、3月12日にロンドンで開催されるガラ公演The Russian Ballet Icons Gala 2017にもアレクサンドロワは出演する予定です。
https://londoncoliseum.org/whats-on/the-russian-ballet-icons-gala-2017-in-the-steps-of-the-ballet-russes/

こういう活動の予定を見ると、引退ということは考えにくいのかな、という気もします。

<さらに追記>

Dear all, my beloved friends! Let me express my deepest gratitude. I could not neither expect nor imagine that my decision will trigger such an emotional response. Emotions of pain and disappointment, of support and protection, of worry and anxiety, of hope and of LOVE. I want all of you to know that I left the Bolshoi but not the profession. I look forward to open the whole world for myself. I ask all spectators for forgiveness for not being open enough, not attentive enough and that I never let myself rely upon you before. But now I know how great of a force the loving public can be. I can't thank you enough for this. Always yours. Дорогие Мои! Любимые.... Позвольте выразить Вам слова моей глубочайшей признательности! Я никак не ожидала, не предполагала и не могла даже надеяться, что мое решение вызовет столько эмоций. Ваша боль, разочарование, поддержка, защита, переживания, волнения, вера и в конечном счёте-Любовь невероятно ценны! Но я хочу, чтобы Вы все знали. Я ушла только из Большого Театра, но я остаюсь в профессии и открываю для себя весь Мир. Я прошу прощения у каждого зрителя, к которому все эти годы я была закрыта, недостойно невнимательна, на которого не позволяла себе опереться, теперь я знаю какая это великая сила - Любящий Зритель! Низкий поклон Вам. Всегда Ваша #mariaalexandrova #bolshoitheatre #марияалександрова

Мария Александроваさん(@aleksandrova_maria_bt)が投稿した写真 -

「ボリショイは退団したけどダンサーを辞めたわけではありません、新しい世界を開くのを楽しみにしています」という言葉が、ファンの声援へのお礼と共に書かれています。

2017/01/28

サンフランシスコ・バレエの新作フェスティバル

サンフランシスコ・バレエは、2018年の4月20日から5月6日まで、意欲的な新作のフェスティバルを開催します。
12人の注目されている振付家の作品を上演するというものです。4プログラムという構成になる予定です。

https://www.sfballet.org/2018festival

この振付家たちが、まさにいま世界で最も注目されている綺羅星のような振付家たちということで、よくこれだけのメンバーを集めたものだと思いました。

デヴィッド・ドーソン (オランダ国立バレエ アソシエイト・アーティスト)
アロンソ・キング (アロンソ・キング・ライン・バレエ芸術監督)
エドワード・リアン (バレエ・メット芸術監督、元NYCBソリスト、NDT)
アナベル・ロペス・オチョア 
キャシー・マーストン (元ベルン・バレエ芸術監督)
トレイ・マッキンタイアー (トレイ・マッキンタイアー・ダンス・プロジェクト)
ジャスティン・ペック (ニューヨークシティ・バレエ(NYCB)ソリスト、NYCB専任振付家)
アーサー・ピタ 
ユーリ・ポソホフ (元ボリショイ・バレエ、サンフランシスコ・バレエ プリンシパル、サンフランシスコ・バレエ専任振付家)
ドワイト・ローデン (コンプレクションズ・コンテンポラリーバレエ芸術監督、専任振付家)
スタントン・ウェルチ (ヒューストン・バレエ芸術監督)
クリストファー・ウィールドン (サドラーズ・ウェルス アソシエイトアーティスト)

サンフランシスコ・バレエのヘルギ・トマソン芸術監督は、以下のように述べています。

「バレエが進化し続ける芸術であることを確実にするために、独創性、バレエ芸術への情熱、新鮮な思考、そしてリスクを敢えて冒す振付家をサポートし、見せる必要があります」


12人の振付家の顔ぶれは様々で、新進気鋭から大ベテランまで、国籍や人種も多様性に富んでいます。女性振付家は、ENBでフリーダ・カーロの生涯を作品にしたアナベル・ロペス・オチョアと、ローザンヌ国際コンクールに作品も提供しているキャシー・マーストンの二人。

*********

今回の顔ぶれの中でひときわ注目を浴びているのは、現役のNYCBのソリストでもある29歳のジャスティン・ペック。NYCB、サンフランシスコ・バレエのほかパリ・オペラ座バレエにも作品を振付けています。

そして今話題を呼んでいるのが、現在NYCBで上演されているこのペックの新作「The Times Are Racing


ニューヨークの地下鉄の駅で撮影されており、ペック本人と、ブロードウェイミュージカル「パリのアメリカ人」にも主演したロバート・フェアチャイルドが出演しています。とてもスタイリッシュで活気に満ちた、まさにミュージカルのような作品です。実際スニーカーを履いて踊られているとのことで、ジェローム・ロビンスに影響を受けている作品そうです。

この作品の上演において、ダンサーたちは新大統領ドナルド・トランプへの抗議の言葉「Unite, React, Act, Protest and Fight.」を書いたパーカー(オープニング・セレモニーのもの)を衣装として着用して舞台に臨みました。
https://www.nytimes.com/2017/01/24/arts/dance/justin-peck-new-york-city-ballet-lacing-up-their-sneakers-to-unite.html

こちらのインタビューによれば、トランプが大統領選挙に勝利したことで作品の内容も変化したそうで、より悲観的な内容になったそうです。あと興味深いのは、ペックはゲーム「ダンス・ダンス・レボリューション」に熱中し、その経験がこの作品作りに影響したとのことです。二人のプレイヤーが競い合うというモチーフがこの作品の中にはあります。

また、この作品はもう一つ話題を呼んでいます。

主役男性ダンサーの代役に女性起用
http://www.afpbb.com/articles/-/3115668

主演のロバート・フェアチャイルドの代役に女性ソリストのアシュリー・アイザックスがキャスティングされ、踊る予定もあるというものです。男性のために振付けられた役を女性が踊るということは全くないわけではありませんし、ユニセックスな役というのもあるのですが、珍しいことには違いありません。

**********
なお、現在サンフランシスコ・バレエでは、イリ・ブベニチェク振付の「Fragile Vessels」という新作と、ジャスティン・ペック振付の「Countenance of Kings」(再演)が上演されています。
https://www.sfballet.org/season/repertory/program-01

イリ・ブベニチェク振付の「Fragile Vessels」は大変評判が良く、地元紙でも高い評価を得ました。
https://www.sfcv.org/reviews/san-francisco-ballet/sf-ballets-fragile-vessels-goes-from-strength-to-strength

日本にいる私たちにとっては、サンフランシスコもニューヨークも、バレエに関してはとても羨ましい状況です。

当時25歳のジャスティン・ペックがNYCBに新作「Paz de la Jolla」を振付ける様子を捉えたドキュメンタリー映像。

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