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バレエ(情報)

2024/01/21

彩の国さいたま芸術劇場で、ノエ・スーリエ 『The Waves』公演とさいたまダンス・ラボラトリ

色々とバタバタしてしまい、しばらくブログ更新をお休みしていました。こちらではご無沙汰してしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。年頭、悲しい出来事もあり、なかなか新年を祝う気持ちになれないこともありましたが、前向きに頑張っていきましょう。

リニューアルオープンする彩の国さいたま芸術劇場では、ノエ・スーリエ 『The Waves』公演さいたまダンス・ラボラトリが3月に開催されます。

https://www.saf.or.jp/stages/detail/98247/

2020年よりフランスのアンジェ国立現代舞踊センターのディレクターを務め、ネザーランド・ダンス・シアター2(NDT2)の委嘱で振付を提供するなど、世界のダンス界で注目を集める振付家ノエ・スーリエ

大規模改修工事による約1年半の休館期間を経て、2024年3月にリニューアルオープンを迎える彩の国さいたま芸術劇場では、ダンス公演第1弾としてノエ・スーリエ振付による『The Waves』を上演します。

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 José Caldeira

『The Waves』はわたしたちの身体の記憶や知覚、その複雑に絡み合ったディテールを呼び覚まし、身体の表現に変換しようという試みです。

イギリスの作家ヴァージニア・ウルフが1931年に手掛けた長編小説『The Waves(波)』の一節を淡々と語る1人のパフォーマー。ウルフの小説の中で織りなされる男女6人のモノローグのように、6人のパフォーマーが多様なムーヴメントを緻密に重ねながら、響き合う。

作品を共に導くのは、ローザス作品に数多く参加してきた、現代音楽アンサンブル・イクトゥス。生演奏による打楽器の常に変容するリズムが、パフォーマーの緊張を高め、ムーヴメントと絶えず呼応しながら観る者の記憶を呼び覚ます、濃密なパフォーマンスです。

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イクトゥス(Ictus) ⓒ José Caldeira

2018年の初演以来ヨーロッパでのツアー公演を重ねている『The Waves』の日本初演。感覚が研ぎ澄まされる、新たなダンス体験となることでしょう。日本のダンス公演の殿堂ともいえる彩の国さいたま芸術劇場では、毎回目利きによる優れたダンス公演が行荒れています。与野本町まで足を運ぶ価値があること、間違いありません。

●舞台評
「身体が交差し、跳ね返り、散乱する。まるで原子が衝突するかのように、観る者の心をつかんで離さない、音と動きによる宇宙が生まれた」 ―Roslyn Sulcas(ニューヨーク・タイムズ紙/2018年)

「まるでコルク栓を抜かれたシャンパン、あっという間になくなるバッテリー、
投げ込まれるボーリングのボール。ダンサーのムーヴメントは空間に投げ出された 物体そのものであり、打ち寄せる波というよりも嵐の波に近い」 ―Rosita Boisseau(ル・モンド紙/2018年)

「『The Waves』もまた、ノエ・スーリエの豊饒な振付思考の一例である。悦びの波のような身振りの投げかけ」 ―Philippe Noisette(レ・アンロッキュプティブル誌/2018年)

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ノエ・スーリエ(Noé Soulier)ⓒ Wilfried Thierry-Cndc

1987年パリ生まれ。パリ国立高等音楽・舞踊学校やベルギーのP.A.R.T.S.でダンスを学び、ソルボンヌ大学で哲学の修士号を取得。2010年パリ市立劇場とミュゼ・ドゥ・ラ・ダンスが主催するダンスコンクール「ダンス・エラルジー」で最優秀賞を受賞。2020年よりアンジェ国立現代舞踊センター(Cndc-Angers)のディレクターを務める。ラン国立バレエ団、バレエ・ロレーヌ、L.A. Dance Project 、リヨン・オペラ座バレエ団、ネザーランド・ダンス・シアター2(NDT2)の委嘱で振付を提供するほか、劇場や美術館、書籍などにおいて身振りと身体経験との関係、ダンスへの様々なアプローチを探求する、今注目のアーティスト。

<公演概要>

ノエ・スーリエ『The Waves』

2024年329日(金)1900開演

    330日(土)1500開演

会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(JR与野本町駅より徒歩7分)

チケット料金(全席指定・税込):
一般5,000円(メンバーズ 4,500円)
U-25* 2,500円 *公演時25歳以下対象。入場時要身分証提示。 

●チケット取扱い・お問合せ
[Web] SAFオンラインチケット https://www.saf.or.jp/t/
[電話] SAFチケットセンター 0570-064-939
(月曜日・埼玉会館休館日を除く10:00~17:00)
(2024年1月4日(木)以降:月曜日を除く10:00~18:00)
*12月20日(水)~25日(月)、29日(金)~2024年1月3日(水):受付休止
[窓口] 彩の国さいたま芸術劇場(2024年1月4日(木)以降。月曜日を除く10:00~18:00)
埼玉会館(休館日を除く10:00~19:00)
○イープラス https://eplus.jp ○チケットぴあ https://t.pia.jp

また、彩の国さいたま芸術劇場では、「さいたまダンス・ラボラトリ」の第7弾を3月に開催します。ノエ・スーリエを講師/ナビゲーターに迎え、『The Waves』を素材に新たな振付法を見出していく6日間。本作の音楽を手掛け、演奏を務める現代音楽アンサンブル・イクトゥス2人、パフォーマーとして作品に関わる船矢祐美子と共に、スーリエの創作メソッドを体験します。最終日には公開リハーサルを予定しております。

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 Olivia Bee for Dance Reflections by Van Cleef & Arpels

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船矢祐美子(Yumiko Funaya)ⓒ Takao Iwasawa

また毎日のクラスでは、初回からさいたまダンス・ラボラトリのナビゲーターを務める湯浅永麻よりカウンターテクニックを学びます。

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湯浅永麻(Ema Yuasa)ⓒ 柘植伊佐夫

<開催日程>

2024年3月22日(金)~27日(水)
➀11:00~12:30 カウンターテクニッククラス(湯浅永麻)
<12:30~13:30 休憩>
②13:30~18:00『The Waves』を素材としたアトリエクラス―Action Training~新たな身振りとの出会い~(ノエ・スーリエ(3月25日(月)~)、船矢祐美子)
※3月27日(水)17:00~ 公開リハーサル(予定)

★3月29日(金)あるいは30日(土)のノエ・スーリエ『The Waves』(会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)の鑑賞もカリキュラムの一部となります(特別価格にてご案内いたします)。

<対象>

18歳以上35歳未満のダンス・舞台経験者、中級以上
※原則、全日程参加できる方。
※ダンス経験のジャンルは特に問いません。対象外の年齢の方は相談可。
※ノエ・スーリエのワークショップは英語で行われます(日本語通訳付)。

【参加費】25,000円(税込)

★応募締切:2月16日(金)

意欲溢れるダンサー、アーティストの皆さま、ぜひご応募を。今までさいたまダンスラボラトリの公開ショーイングを何回か拝見していますが、大変見ごたえのある力強いパフォーマンスで、観客として観てもとても面白かったです。素晴らしい学びの機会になるはずです。

さいたまダンス・ラボラトリ詳細、応募方法等はこちら

https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/90426/

<お問い合わせ先>

彩の国さいたま芸術劇場(舞踊担当)
Email: workshop@saf.or.jp 
Tel: 048-858-5506(毎週月曜日・12月28日~1月5日を除く10:00~18:00)

2022/12/06

『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』、開幕は平野亮一主演「うたかたの恋―マイヤリング―」

英国ロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたバレエとオペラの舞台を、特別映像を交えてスクリーンで体験できる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンが2022年12月9日(金)~2023年9月28日(木)までの期間中、史上最大のスケールとなる全13演目を、各1週間限定にて全国公開することが決定しています。

http://tohotowa.co.jp/roh/

◆バレエ演目:①『うたかたの恋 ーマイヤリングー』、② 『ダイヤモンド・セレブレーション』、③『くるみ割り人形』、④『赤い薔薇ソースの伝説』、⑤『シンデレラ』、⑥『眠れる森の美女』

◆オペラ演目:①『蝶々夫人』、②『アイーダ』、③『ラ・ボエーム』、④『セビリアの理髪師』、⑤『トゥーランドット』、⑥『フィガロの結婚』、⑦『イル・トロヴァトーレ』

 

②ロイヤル・バレエ『うたかたの恋 ーマイヤリングー』:2022年12月16日(金) 

平野亮一、ナタリア・オシポワ、ラウラ・モレ―ラ、マリアネラ・ヌニェス、フランチェスカ・ヘイワード出演

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⑤ロイヤル・バレエ『ダイヤモンド・セレブレーション』:2023年2月17日(金) 

マリアネラ・ヌニェス、リース・クラーク、ワディム・ムンタギロフ、ジェームズ・ヘイ、マシュー・ボール、マルセリーノ・サンベ、高田茜、金子扶生、フランチェスカ・ヘイワード、ヤスミン・ナグディ、マヤラ・マグリ、ナタリア・オシポワ、スティーヴン・マックレー、アナ・ローズ・オサリヴァン、アレクサンダー・キャンベル、ウィリアム・ブレイスウェル他出演

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⑥ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』:2023年2月24日(金)

金子扶生、ウィリアム・ブレイスウェル、前田紗江、ジョセフ・シセンズ他出演

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⑦ロイヤル・バレエ『赤い薔薇ソースの伝説』:2023年3月24日(金)

マルセリーノ・サンベ、フランチェスカ・ヘイワード出演

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⑩ロイヤル・バレエ『シンデレラ』:2023年6月16日(金)

マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ出演予定

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 ⑫ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』:2023年8月25日(金)

ヤスミン・ナグディ、マシュー・ボール出演予定

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 <上映劇場>

*札幌シネマフロンティア(北海道)
*フォーラム仙台(宮城)
*TOHOシネマズ 日本橋(東京)
*イオンシネマ シアタス調布(東京)
*TOHOシネマズ 流山おおたかの森(千葉)
*TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川)
*ミッドランドスクエア シネマ(愛知)
*イオンシネマ 京都桂川(京都)
*大阪ステーションシティシネマ(大阪)
*TOHOシネマズ 西宮OS(兵庫)
*中洲大洋映画劇場(福岡)

<料金:一般¥3,700円 学生¥2,500円(税込)>

 
12月9日(金)より TOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開!

■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/   

■配給:東宝東和

 

12月16日より公開される『うたかたの恋―マイヤリングー』につきましては、先日、試写を拝見しました。改めて感想を書きますね。平野亮一さんの鮮烈な大熱演、ナタリア・オシポワ、ラウラ・モレ―ラ、マリアネラ・ヌニェス、フランチェスカ・ヘイワードとプリンシパルが多数出演して、とてもドラマティックで暗い情熱が輝く、重厚で圧巻の舞台となっています。

 

シーズンラインナップ速報のチラシに、新シーズンの見どころをまとめた文章を寄稿しました。この紹介文をアップしますね。

 

英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン、202223シーズンは、今までのシネマシーズンの中でも最も充実したラインアップとなった。202122シーズンはコロナ禍の影響もあり、バレエ作品は3作品のみだったが、新しいシーズンはバレエ6作品と倍増。『MJ The Musical』でトニー賞を受賞したばかりのクリストファー・ウィールドン振付、話題の世界初演作品『赤い薔薇ソースの伝説』や、平野亮一主演でプリンシパル5人出演の豪華キャスト『うたかたの恋』、英国ロイヤル・バレエのお家芸アシュトン作品ながら久しぶりの上演、新プロダクションとなる『シンデレラ』など、見逃せない舞台が盛りだくさん、ときめきが止まらない一年になる。

 

シネマシーズンの開幕は、ハプスブルク家、オーストリア皇太子にして皇妃エリザベートの息子ルドルフの心中事件を巨匠マクミランがバレエ化した『うたかたの恋』。シネマに主演するのは、英国ロイヤル・バレエきっての演技派ダンサーとなった平野亮一。ルドルフ皇太子役は多くの男性ダンサーが熱望する難役だが、平野は前回の演技が絶賛され、スコティッシュ・バレエにおいてもゲストでこの役を演じた。当代一のルドルフ役としての地位を確立して、世界が注目するシーズン初日、そして収録公演の主演に抜擢された。ナタリア・オシポワ、マリアネラ・ヌニェス、ラウラ・モレ―ラ、フランチェスカ・ヘイワードと英国ロイヤル・バレエを代表する綺羅星のような女性プリンシパルたちを相手に、死へと至る狂おしい愛欲の罠に堕ちた皇太子を演じる。英国ロイヤル・バレエならではの陰影に富んだ作品だが、唯一ルドルフを癒す存在としてお気に入りの御者ブラットフィッシュを、日本出身のアクリ瑠嘉が演じることにも注目したい。

 

「ダイヤモンド・セレブレーション」は英国ロイヤル・バレエのファン組織であるフレンズの60周年を記念してのミックス・プログラム。バレエ団の多様性を象徴する公演として、バラエティに富んだプログラムとなっている。『不思議の国のアリス』のクリストファー・ウィールドンが2006年に当時の4人のスーパースター男性ダンサー(アンヘル・コレ―ラ、ヨハン・コボー、イーサン・スティーフェル、ニコライ・ツィスカリーゼ)のために振り付けた「For Four」の英国ロイヤル・バレエ初演は、バレエ団を代表する男性ダンサー4人(ワディム・ムンタギロフ、マシュー・ボール、セザール・コラレス、マルセリーノ・サンベ)の競演となる。また、ファースト・ソリストのヴァレンティノ・ズケッティ、ヒップホップのジョセフ・トゥーンガ、そして米国で人気の振付家パム・タノウィッツのそれぞれの世界初演新作を上演する。「ダイヤモンド」のタイトルにふさわしく、ジョージ・バランシンの美しい『ジュエルズ』より古典的な輝きの名作『ダイヤモンド』もマリアネラ・ヌニェス、リース・クラークの麗しきペアの主演で上演される。

 

冬の風物詩、『くるみ割り人形』は今シーズンもやってくる。少女クララとハンス・ピーターが縦横無尽に活躍し、大きくなるクリスマスツリー、楽しいお菓子の国での各国の踊り、豪華絢爛な金平糖の精のパ・ド・ドゥとあらゆる『くるみ割り人形』の中でも決定版とされ愛されてきたサー・ピーター・ライト振付の名作。クリスマスの夢と魔法が詰まった、宝箱のような舞台で金平糖の精を演じるのは、シネマでの『眠れる森の美女』のオーロラ役で主演した後にプリンシパルに昇進して以来、輝かしい技術だけでなく、演技力にも磨きをかけてスターへの階段を駆け上った金子扶生。王子には人気上昇中の爽やかな新プリンシパル、ウィリアム・ブレイスウェル。クララ役には、有望な若手として注目を集めている前田紗江が、主要な役への出演としてはシネマに初めて登場する。

 

今シネマシーズン最大の話題は、クリストファー・ウィールドンの新作『赤い薔薇ソースの伝説』。『不思議の国のアリス』『冬物語』と英国ロイヤル・バレエで生まれた作品が今や世界中のバレエ団で人気作として上演されており、さらにブロードウェイミュージカルの『パリのアメリカ人』、そしてマイケル・ジャクソンの生涯を描いた『MJ The Musical』がトニー賞に輝いた ウィールドンが新たに送り出す新作は、メキシコの作家ラウラ・エスキバルの小説が原作。1992年に映画化され、日本でもミニシアターでヒットした。抑圧的な母親に恋愛を禁止されたティタは、姉と結婚した恋人ペドロへの熱い思いを込めて料理を作るが、料理を通して伝わった情熱が様々な出来事を巻き起こす。”マジック・リアリズム“と呼ばれる手法で奇想天外な物語が展開する。ヒロインのティタにフランチェスカ・ヘイワード、恋人ペドロにマルセリーノ・サンベ、姉にマヤラ・マグリ、母エレナにラウラ・モレ―ラ、医師ジョン・ブラウンにマシュー・ボール、さらにアナ=ローズ・オサリバン、セザール・コラレスと豪華なキャスト陣。英国の辛口な批評家たちにも、ウィールドンの巧みな作劇や魔法のようなビジュアルセンスが絶賛された。

 

英国ロイヤル・バレエの礎を築いた振付家、フレディック・アシュトンの代表作『シンデレラ』は今シーズン、初演から75周年を迎える。新国立劇場バレエ団のレパートリーとしても高い人気を誇り愛されてきた本作だが、英国ロイヤル・バレエでは、12年ぶりと久しぶりの上演となる。プロダクションを一新し、舞台美術には、メトロポリタン・オペラやナショナル・シアター、オーストラリア・バレエなどの作品でドラマティックな装置を手掛けてきたトム・パイを起用。英国ロイヤル・バレエの重要なアイデンティティをなす作品であるだけに、待望のリバイバルだ。男性ダンサーが女装して演じる義理の姉妹のコミカルな演技、きらめく星の精の踊りや光輝く馬車、プロコフィエフの魅惑的な音楽、心優しいシンデレラが幸福をつかむまでのドラマと魅力いっぱい。見どころ満載の珠玉の名作。

 

シーズンの締めくくりを飾るのは、クラシック・バレエの名作中の名作『眠れる森の美女』。第二次大戦後の1946年、英国ロイヤル・オペラ・ハウスに現在の英国ロイヤル・バレエが移転した時の最初の演目として上演された、バレエ団にとっては最も重要なグランド・バレエ。チャイコフスキーが振付家プティパの細かい指示に基づいて作曲した音楽は美しくドラマティック。100年の眠りを経て目覚めたオーロラの結婚式は、青い鳥や長靴を履いた猫、赤ずきんちゃんなどおとぎ話の主人公も駆けつけて、絢爛豪華そのもの。邪悪な妖精カラボスの活躍ぶりは、英国ロイヤル・バレエならではの演劇性の高さもあり、見ごたえ十分だ。

 

世界初演の話題の新作ドラマティック・バレエから、英国ロイヤル・バレエの十八番アシュトンやマクミラン作品、クラシック・バレエの決定版や現代作品まで、バラエティに富んだ魅力的な202223のシネマシーズン。世界トップクラスのスターダンサーたちから、日本出身の期待の若手ダンサーやプリンシパルまで、映画館がロンドン、コベントガーデンの英国ロイヤル・オペラ・ハウスとなって観客の皆様を待っている。

2022/02/17

英国ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン、ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」2月18日より劇場公開

英国ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズンの第一弾、ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」が2月18日より劇場公開されます。

http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=nutcracker2021

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ロイヤル・バレエのピーター・ライト版の『くるみ割り人形』は、数ある『くるみ割り人形』の中でも、ストーリー性、ドラマ性があって根強い人気があります。最近ではほぼ毎年クリスマスの時期前後に上演されていました。昨年も、感染予防のために子役の出演を減らしてねずみたちとの戦闘シーンは大人のダンサーが踊る版に作り替えて上演したのですが、コロナ禍の悪化で4公演を上演しただけで公演中止になってしまいました。今年は、無事上演できて、映画館上映のための収録も実現しました。

今回の『くるみ割り人形』は当初金平糖の精を高田茜さんが踊る予定でしたが、残念ながら直前のケガで降板、代役は、気品にあふれたヤスミン・ナグディに。王子は、鮮やかなテクニックに目を見張るセザール・コラレスと、全体的にキャストも若返っています。物語のキーマンであるハンス・ピーターとくるみ割り人形を演じるのはアクリ瑠嘉さん。雄弁なマイム、頼りがいのあるサポート、伸びやかな踊りで見せてくれます。まだ彼が子どもの時に、子役で井上バレエ団の「くるみ割り人形」のフリッツ役を演じていた姿を思い出し、感慨深いものがありました。クララのイザベラ・ガスパリーニは可愛らしく初々しく、二人の間の心の触れ合いが感じられてほほえましいです。

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ピーター・ライト版は、ドロッセルマイヤーの甥であるハンス・ピーターがねずみの女王によってくるみ割り人形の姿に変えられてしまったという設定が効果的になっています。彼を愛してくれる女性が現れることで、その呪いが解けて元の人間の姿に戻ることができるわけで、クララとハンス・ピーターの淡い恋心がポイントとなっています。2幕のディヴェルティスマンでは、クララとハンス・ピーターはお客様であることに飽き足らずダンスの中に入っていき、一緒に踊るのも、楽しさが倍増するところです。ラストの夢から覚めたクララがハンス・ピーターに遭遇するシーンや、ドロッセルマイヤーのところに彼が帰ってくるシーンは、何回みても感動してしまいます。

クララを導く愛らしい天使たち(ロイヤル・バレエスクールの生徒たちが演じる)もこのプロダクションの魅力です。また、「ピサロ」『良い子はみんなご褒美がもらえる』「兵士の物語」でおなじみのウィル・タケットが演出した、ねずみたちとの戦闘シーンも大人ダンサーが演じることで迫力ある活劇シーンとなっています。アラビアや中国の衣装は一新され、毎回この上映を見ている方にも新鮮に見えるはず。花のワルツのシーンでは、ローズ・フェアリーの崔由姫さんの優雅な踊りに目を奪われます。ヴィヴァンデールの佐々木万璃子さん、花のワルツでの佐々木須弥奈さんと前田紗江さんの活躍ぶりも嬉しい。

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映画館上映の楽しみの一つは、ダーシー・バッセルが紹介する幕間の舞台裏やリハーサル映像。ここでは、高田茜さんとセザール・コラレスのリハーサルシーンとインタビュー、アクリ瑠嘉さんとイザベラ・ガスパリーニのインタビューを観ることができます。また、美しい雪の場面を踊るコール・ド・バレエのダンサーたちの活躍ぶりや、金平糖のパ・ド・ドゥで天上の響きを聞かせてくれるチェレスタの紹介も。

2年ぶりにロイヤル・オペラハウス・シネマシーズンが帰ってきたことが何よりも嬉しいことです。それも、楽しくてハッピーで誰にでも愛される「くるみ割り人形」で。この後は、4月8日に『ロミオとジュリエット』の劇場公開が待ち受けています。

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  • 【出演】ドロッセルマイヤー:クリストファー・サウンダーズ
    クララ:イザベラ・ガスパリーニ
    ハンス・ピーター/くるみ割り人形:アクリ瑠嘉
    金平糖の精:ヤスミン・ナグディ
    王子:セザール・コラレス
    シュタルバウム博士:ギャリー・エイヴィス
    クララのパートナー:スタニスラウ・ヴェグリジン
    キャプテン:トーマス・モック アルルカン:ケヴィン・エマートン
    コロンビーヌ:シャルロット・トンキンソン
    兵士:ベンジャミン・エラ ヴィヴァンデール:佐々木万璃子
    ねずみの王様:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンズロッド
    スペイン:ナディア・ムロバ・バーレー、アイダン・オブライエン
    シャーロット・トンキンソン、ジャコモ・ロヴェロ
    ジーナ・ストーム・ジャンセン、ケヴィン・エマートン
    アラビア:メリッサ・ハミルトン、ルーカス・ビヨルンボー・ブレンズロッド
    中国:レオ・ディクソン、カルヴィン・リチャードソン
    ロシア:ジュンヒュク・ジュン、ハリソン・リー
    葦笛:ミカ・ブラッドベリ、カトリーナ・ニケルスキ
    ロマニー・パイダク、アメリア・タウンゼンド
    ローズ・フェアリー(薔薇の精):崔由姫
    ローズ・フェアリーのエスコート:ジョセフ・オーメア、デヴィッド・ドネリー
    フランシスコ・セラノ、ジョセフ・シセンズ
    花のワルツのソリスト:オリヴィア・カウリー、レティシア・ディアス
    ハンナ・グレンネル、イザベル・ルーバッハ
    天使と子供たち:ロイヤル・バレエ・スクールの生徒たち
  • 【上映時間】2時間37分

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北海道 サツゲキ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

宮城 フォーラム仙台 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

東京 TOHOシネマズ日本橋 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

東京 イオンシネマ シアタス調布 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

愛知 ミッドランドスクエアシネマ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

京都 イオンシネマ京都桂川 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

大阪 大阪ステーションシティシネマ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

兵庫 TOHOシネマズ西宮OS 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

福岡 中洲大洋映画劇場 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)

2022/01/23

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2021/22が、2月18日ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』で開幕

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス」で上演されたバレエとオペラの舞台、そして、特別映像をスクリーンで体験できる人気シリーズ『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン』の最新作を、『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2021/22』と題し、2022年2月18日(金)~7月21日(木)までの期間中、全6演目を各1週間限定にて全国公開することが決定しています。

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昨シーズンは新型コロナウイルスの影響によってロイヤル・オペラ・ハウスは長い間閉鎖されていましたが、ついにファンの元に帰って来ます。

【全6演目】

◆バレエ演目:『くるみ割り人形』、『ロミオとジュリエット』、『白鳥の湖』

◆オペラ演目:『トスカ』、『リゴレット』、『椿姫』

昨年5月、ロイヤル・バレエ団に在籍している金子扶生さんがプリンシパルに、佐々木万璃子さんがファーストアーティストに昇格したことは日本でも大きなニュースとなって報じられました。既に、高田茜さん、平野亮一さんはプリンシパルとして活躍中ですが、他にも、アクリ瑠嘉さん、崔由姫さんなど、日本出身のダンサーが現役で活躍しており、その姿を日本で観られることでも大きな注目を集めています。

バレエ第一弾は、名作『くるみ割り人形』です。2月18日~24日までTOHOシネマズ日本橋ほか全国で劇場公開

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  • 【振付】ピーター・ライト
  • 【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  • 【指揮】クン・ケセルス
  • 【出演】ヤスミン・ナグディ(金平糖の精)
    セザール・コラレス(王子)
    クリストファー・サンダーズ (ドロッセルマイヤー)
    イザベラ・ガスパリーニ (クララ)
    アクリ瑠嘉 (ハンス・ピーター/くるみ割り人形)
  • 崔 由姫 (ローズ・フェアリー)

チャイコフスキーの美しいメロディに乗せて、夢と魔法がいっぱいつまったこの作品は冬の風物詩として大人から子供まで世界中で大人気。クラシック・バレエの粋である華やかなパ・ド・ドゥやキラキラした群舞に加え、真夜中に大きくなるクリスマス・ツリー、ねずみの王様との戦い、超絶技巧のキャラクターダンスとバレエの楽しさが揃う。1984年初演のピーター・ライト版は、「くるみ割り人形」の決定版ともいえる名作と言われている。  

<上映劇場>

TOHOシネマズ 日本橋(東京)

*イオンシネマ シアタス調布(東京)

TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川)

TOHOシネマズ 流山おおたかの森(千葉)

*ミッドランドスクエアシネマ(愛知)

*イオンシネマ 京都桂川(京都)

*大阪ステーションシティシネマ(大阪)

TOHOシネマズ 西宮OS(兵庫)

*サツゲキ(北海道)

*フォーラム仙台(宮城)

*中州大洋映画劇場(福岡)

 2021/22 6演目と公開日】

  • ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』:2022218()224()
  • ロイヤル・オペラ『トスカ』:2022年3月11()317()
  • ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』:202248()414()
  • ロイヤル・オペラ『リゴレット』:2022520()526()
  • ロイヤル・オペラ『椿姫』:2022610()616()
  • ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』:2022715()721(木)

 

************************************************************************************

2022218日(金)より TOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開!

■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/   ■配給:東宝東和

2021/10/16

「ボリショイ・バレエ inシネマ2021-2022 Season」5上映作品が12月より劇場公開

「ボリショイ・バレエ inシネマ2021-2022 Season」を、
今シーズンも12月16日(木)を皮切りに、全国の映画館にて限定上映することが発表されました。
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ロシアの名門『ボリショイ・バレエ団』を
本拠地モスクワの劇場で鑑賞しているような臨場感溢れた舞台と、
本企画ならではのお楽しみであるバックステージ映像をご覧いただけます。
幕間の出演者インタビューは、ボリショイ劇場に足を運んでも視聴できない貴重な体験です。

永遠の名作《くるみ割り人形》《白鳥の湖》のほか、新収録作品にはボリショイ・バレエが誇る《スパルタクス》をはじめ、

《ジュエルズ》《ファラオの娘》がラインナップします。これまで40以上の作品が、70カ国(1,700劇場)で400万人の観客に向けて映画館上映されてきましたが、ボリショイが世界最高峰のバレエ団の一つであることをあらためてご確認いただけることでしょう。

THE NUTCRACKER

振付:ユーリー・グリゴローヴィチ

台本:ユーリー・グリゴローヴィチ

出演:マルガリータ・シュライナー、セミョーン・チュージン、デニス・サーヴィン、アレクサンドル・ヴォドペトフ

12/16《くるみ割り人形》

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SPARTACUS

音楽:アラム・ハチャトゥリアン

振付:ユーリー・グリゴローヴィチ

台本:ユーリー・グリゴローヴィチ

202111月収録予定)

‘22  1/20《スパルタクス》
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JEWELS

音楽:ガブリエル・フォーレ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

振付:ジョージ・バランシン

20221月収録予定)

3/24《ジュエルズ》

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SWAN LAKE

振付:ユーリー・グリゴローヴィチ

台本:ユーリー・グリゴローヴィチ

出演:オルガ・スミルノワ、ジャコポ・ティッシ、エゴール・ゲラシチェンコ、アレクセイ・プチンツェフ

4/14《白鳥の湖》

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HE PHARAOH'S DAUGHTER

音楽:チェーザレ・プーニ

振付:ピエール・ラコット

台本:ジャン=アンリ・サン=ジョルジュ、マリウス・プティパ

20225月収録予定)

6/23《ファラオの娘》

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【上映概要】
◆タイトル◆ 
ボリショイ・バレエ in シネマ 2021–2022 Season

◆会場◆ 
北海道 | ユナイテッド・シネマ札幌
宮城県 | TOHOシネマズ 仙台
東京都 | TOHOシネマズ 日本橋、TOHOシネマズ 新宿、T・ジョイ PRINCE 品川、109シネマズ二子玉川、
TOHOシネマズ 府中
神奈川県 | 横浜ブルク13、TOHOシネマズ 川崎
千葉県 | シネマイクスピアリ
埼玉県 | ユナイテッド・シネマ浦和
新潟県 | ユナイテッド・シネマ新潟
愛知県 | ミッドランドスクエア シネマ
大阪府 | 大阪ステーションシティシネマ
京都府 | MOVIX京都
兵庫県 | 神戸国際松竹
岡山県 | TOHOシネマズ 岡南
福岡県 | T・ジョイ博多
熊本県 | ユナイテッド・シネマ熊本

◆料金◆
全席指定 大人3,700円(税込)、学生2,500円(税込)

2021/10/07

熊川哲也監修、革新的なシステムを持つ国際バレエコンクール『オーチャード・グランプリ』誕生!

「翔べ。まだ見ぬその先へ」
どんなに苦しい世界が訪れようとも、自信を持ってこの言葉を、未来の芸術文化を担う若者のために贈りたい。
そのような想いから2022年、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督 熊川哲也総合監修のもと、新たなバレエコンクール「オーチャード・グランプリ Asia Pacific Ballet Competition」を開催します。

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https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/22_OGP/

いま満を持して劇場から送り出す本コンクールでは、全ての子供たちが挑戦の機会を平等に得ること、そしてそこから最大限の学びと選択肢を得られることを最優先としました。
具体的には、社会情勢に左右されにくい決選を除くオンライン審査・未来を変える賞金・視座を上げる国際的審査基準・参加者全員の成長機会となる実践型学びのコンテンツなど、特別な体験を提供することをお約束します。

11歳~26歳までが対象ですので、プロの方がキャリアアップとしてご活用いただくのも歓迎です。
アジアの中心東京を舞台とした国際コンクール。
この大舞台東京でひとりでも多くの、志あるダンサーの熱い想いを見届けることを楽しみしております。
ぜひ、一歩を踏み出してみてください。

世界的なパンデミックの中、若いダンサーがバレエ団に入団するのも、海外留学を行うのも、非常に困難になっています。このコンクールは、以下の画期的な特徴があり、コンクール参加の費用負担も小さく、成長する機会が得られるものとして、画期的なものではないかと思います。

コンクールの特徴


01徹底した機会の平等

あらゆる参加者が平等、そして簡単に機会にアクセスできる環境の整備を優先します。

  • 応募料完全無料・完全オンライン審査(決選はオーチャードホールで開催)
  • 決選出場者の渡航費・宿泊費・食費負担・アマチュア・プロ不問

02未来を変える最大800万円の賞金

  参加者の夢を叶えるために充分な賞金を提供します。

  • 参加者のそれぞれの想い、夢を叶えるために充分な資金となる、特別賞500万円、1位300万円、2位100万円、3位30万円の賞金を授与。

*特別賞と1位の同時受賞もあり

03視座を上げる世界基準の審査

  国際的な審査基準を体得することで、明日からの練習に変化をおこします。

  • 世界のバレエ団、バレエ学校を代表する国際的審査員による審査

04参加者全員の成長機会となる学びのコンテンツ

 「参加して満足」にしない。参加者全員の明日につながる成長機会を提供します。

  • 世界的ダンサーから学ぶ選考②オンライン予選の課題、アンシェヌマンの模範演技は世界的ダンサーが担当。
  • ライバルから学ぶ選考

途中落選者を対象に、通過者との差分を徹底解説するオンラインイベントを実施。



 

熊川哲也さんのコメントも、流石バレエの現状と問題点を知り尽くしているだけのことはある、素晴しいものです。


Message from
Tetsuya Kumakawa
メッセージ



世界を見渡しても、日本ほどコンクール文化が特異な形で発展している国はありません。日本バレエ界の財源ベースとして機能するあまり、お稽古事文化が助長されてきたことは自明であり、現況にはもどかしさをも感じます。

私自身これまで、若者にプロの舞台経験を提供するなど様々な活動を展開してきましたが、それは“教育には多角的な経験が必要不可欠”という信念に依るものであり、その意味において、コンクールを最善の形で提供することへの意義は当然の如く感じていました。コンクールを契機に世界への扉を開いた一人として、それは責務であり、恩返しという思いもあります。

本コンクールの特筆すべき特徴は、挑戦の機会を平等に与えるオンラインシステムや、現代のニーズを反映する褒賞の形式です。どこでいかに学ぶかという選択肢が無限に存在するボーダーレスな現代に適応すべく、受賞者にはバレエ界では類を見ない大規模な賞金提供を実現します。充分な資金を生かし、輝く未来を掴むか否か。この画期的な制度はシビアに才能の真髄を問うことになるでしょう。

若者の背中を押す機会が激減した今、バレエ界で勢力を伸ばし続けるアジアの中心地東京から、この最高に刺激的な挑戦状を贈ります。

まだ見ぬ才能を、まだ見ぬ未来に誘うことを信じて。

Bunkamuraオーチャードホール芸術監督 熊川哲也

参加要項(エントリーフォーム、応募書類提出先等詳細は以下のリンクを必ずご覧ください)

https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/22_OGP/requirements.html

選考プロセス

選考は以下の①~③のステップで進めます。

選考①:オンライン書類審査※応募料無料(予選進出時にのみ審査料が発生。)

書類審査エントリー期間:2021年10月1日(金)18:00~2022年2月28日(月)23:59

選考結果通知:2022年3月予定

オンライン上のエントリーフォームより、必要事項を入力し、顔写真と規定の写真を送付選考

②:オンライン予選

予選エントリー期間:2022年3月~5月予定

選考結果通知:2022年5月~6月予定

オンライン上のエントリーフォームより課題アンシェヌマンのレッスン動画を送付。

(バーとセンターをベースにした15分ほどの内容の振付を課題として提示いたします。振付や音楽をご自分でご用意いただく必要はございません)

選考③:全部門公開決選/結果発表・表彰式 Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)

開催日:2022年8月6日(土)、7日(日)※どちらか1日のみの可能性あり

オーチャードホール舞台上で課題曲リストから選んだヴァリエーションを1曲踊り、決選審査員が特別賞1名および各部門1位から3位までの順位を決定します。

*決選は一般公開で行います。観覧チケット(有料)については2022年春頃に詳細を発表いたします。

●エントリー方法 『オーチャード・グランプリ』ホームページにアクセスし、参加要項頁よりエントリーフォームにお進みください。

審査対象・部門
●審査対象・部門
ジュニアI(11歳から14歳の男女)
ジュニアII(15歳から18歳の男女)
シニア(19歳から26歳の男女)
*年齢は2022年8月7日現在の満年齢。
  • 国籍・在住地は問いません。
  • 原則として、トウシューズでの演技ができる方を対象とします。
  • 既にプロとして活躍されている方にもご参加いただけます。
問合せ先

OGP実行委員会 係  ogp@bunkamura.co.jp

 

2021/09/03

今年のワールド・バレエ・デーは10月19日(月)開催

すっかり恒例となったワールド・バレエ・デー、今年は第8回となり、10月19日(月)に開催されることが発表されました。

https://www.roh.org.uk/news/worldballetday-returns-on-19-october-2021

https://worldballetday.com/

世界中のバレエ団が、クラスレッスン、リハーサル、インタビューなどをリレー方式で配信していくオンラインイベントです。

現在のところ、参加が発表されているのはロイヤル・バレエ、ボリショイ・バレエ、オーストラリア・バレエの3バレエ団のみですが、今年もおそらく多くのカンパニーが参加するものと思われます。

昨年のワールド・バレエ・デーは世界的なパンデミックの影響で、各バレエ団がオンラインの取り組みを強化してきたことが功を奏して、充実した内容になりました。

今年はTikTokとのコラボレーションも始まり、YouTubeとFacebookで配信が行われるとのことです。詳細の発表が楽しみですね。情報が公表され次第、お知らせします。

 

 

2021/08/26

ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2020–2021 Bunkamuraル・シネマに8月27日(金)よりアンコール上映

毎年好評の「ボリショイ・バレエ inシネマ」を、今シーズンも8月27日(金)を皮切りに、
Bunkamuraル・シネマにて限定上映します。
Main-1 
ロシアの名門『ボリショイ・バレエ団』のステージを、
本拠地モスクワの劇場で鑑賞しているような臨場感溢れた公演映像と、
本企画ならではのお楽しみであるバックステージインタビューをご覧いただけます。
幕間の出演者インタビューは、ボリショイ劇場に足を運んでも視聴できない貴重な体験。
ラインナップの7作品はどれも圧倒的な名演ばかり。
ボリショイが世界最高峰のバレエ団の一つであることをあらためてご確認いただけることでしょう。
お見逃しないように。

 

 

※先日奇跡的に開催された世界バレエフェスティバル2021で、素晴らしい踊りを見せてくれた至宝スヴェトラーナ・ザハロワ(「ザハロワ&レーピン パ・ド・ドゥ」公演も)主演の『椿姫』、そしてボリショイ・バレエの新女王オルガ・スミルノワ主演の『ラ・バヤデール』、華麗なテクニックを誇るエカテリーナ・クリサノワ主演の『ロミオとジュリエット』が今回上映されます。
「ザハロワ&レーピン パ・ド・ドゥ」公演で来日したミハイル・ロブ―ヒン(『椿姫』)、デニス・サーヴィン(『パリの炎』「くるみ割り人形」)も。

=============
【上映概要】

◆タイトル◆ 
ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2020–2021

◆上映作品・スケジュール◆
「椿姫」 8/27(金)、9/4(土)、9/12(日)
「ラ・バヤデール」 8/28(土)、9/5(日)、9/10(金)
「眠れる森の美女」 8/29(日)、9/3(金)、9/11(土)
「コッペリア」 8/30(月)、9/7(火)、9/15(水)
「パリの炎」 8/31(火)、9/8(水)、9/16(木)
「くるみ割り人形」 9/1(水)、9/9(木)、9/13(月)
「ロミオとジュリエット」 9/2(木)、9/6(月)、9/14(火)

※詳しい上映時刻、各作品の概要については、公式サイトをご確認ください。

◆会場◆ 
Bunkamura ル・シネマ

◆料金◆ 
全席指定 大人3,700円(税込)、学生2,500円(税込)

◆上映タイトル◆
《椿姫》  8/27(金)、9/4(土)、9/12(日)
音楽:フレデリック・ショパン 振付:ジョン・ノイマイヤー

出演:スヴェトラーナ・ザハーロワ(マルグリット)、エドウィン・レヴァツォフ(アルマン)、アンナ・チ
ホミロワ(マノン)、セミョーン・チュージン(デ・グリュー)、クリスティーナ・クレトワ(プリュダンス
)、ミハイル・ロブーヒン(ガストン)、アンナ・アントローポワ(ナニーナ)、アンドレイ・メルクリエフ(
デュヴァル氏)、ダリーヤ・コフロワ(オランピア)
[2015年12月収録]


《ラ・バヤデール》  8/28(土)、9/5(日)、9/10(金)
音楽:レオン・ミンクス 振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:オルガ・スミルノワ(ニキヤ)、アルテミィ・ベリャコフ(ソロル)、オルガ・マルチェンコワ(ガム
ザッティ)、ダヴィッド・モッタ・ソアレス(ブロンズ・アイドル)、アレクセイ・ロパレーヴィチ(ラジャ)
[2019年1月収録]


《眠れる森の美女》  8/29(日)、9/3(金)、9/11(土)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:オルガ・スミルノワ(オーロラ姫)、セミョーン・チュージン(デジレ王子)、アレクセイ・ロパレー
ヴィチ(悪の精カラボス)、ユリア・ステパノワ(リラの精)、ヴィタリー・ビクティミロフ(侍従長)
[2017年1月収録]


《コッペリア》  8/30(月)、9/7(火)、9/15(水)
音楽:レオ・ドリーブ 振付:セルゲイ・ヴィハレフ
出演:マルガリータ・シュライネル(スワニルダ)、アルチョム・オフチャレンコ(フランツ)、アレクセイ
・ロパレーヴィチ(コッペリウス)
[2018年6月収録]


《パリの炎》  8/31(火)、9/8(水)、9/16(木)
音楽:ボリス・アサフィエフ 振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:マルガリータ・シュライネル(ジャンヌ)、デニス・サーヴィン(ジェローム)、イーゴリ・ツヴィル
コ(フィリップ)、セミョーン・チュージン(ボールガール侯爵)、アナ・トゥラザシヴィリ(アデリーヌ)、
クリスティーナ・クレトワ(ミレイユ)、アルチョム・オフチャレンコ(アントワーヌ)、イリーナ・ズィヴロ
ワ(老女ジャルカッス/乳母)
[2018年3月収録]


《くるみ割り人形》  9/1(水)、9/9(木)、9/13(月)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:マルガリータ・シュライネル(マリー)、セミョーン・チュージン(くるみ割り人形)、デニス・サー
ヴィン(ドロッセルマイヤー)、アレクサンドル・ヴォドペトフ(ねずみの王様)
[2018年12月収録]


《ロミオとジュリエット》  9/2(木)、9/6(月)、9/14(火)
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:エカテリーナ・クリサノワ(ジュリエット)、ウラディスラフ・ラントラートフ(ロミオ)、イーゴリ
・ツヴィルコ(マキューシオ)
[2018年1月収録]

ボリショイ・バレエ・イン・シネマの公式サイト

https://liveviewing.jp/bolshoi-cinema2020-21/

◆上映作品・スケジュール◆
8/27(金)~9/9(木) 連日13:00スタート
※予告5分
※9/10(金)以降のスケジュール未定

「椿姫」         8/27(金)13:00~(終)16:00 / 9/4(土)13:00~(終)16:00 / 9/12(日)
「ラ・バヤデール」    8/28(土)13:00~(終)15:50 / 9/5(日)13:00~(終)15:50 / 9/10(金)
「眠れる森の美女」    8/29(日)13:00~(終)15:40 / 9/3(金)13:00~(終)15:40 / 9/11(土)
「コッペリア」      8/30(月)13:00~(終)15:15 / 9/7(火)13:00~(終)15:15 / 9/15(水)
「パリの炎」       8/31(火)13:00~(終)15:20 / 9/8(水)13:00~(終)15:20 / 9/16(木)
「くるみ割り人形」    9/1(水)13:00~(終)15:30 / 9/9(木)13:00~(終)15:30 / 9/13(月)
「ロミオとジュリエット」 9/2(木)13:00~(終)15:55 / 9/6(月)13:00~(終)15:55 / 9/14(火)

2021/07/17

ボリショイバレエアカデミーサマーインテンシブ​ 東京2021 開催(7月31日締め切り)

ボリショイバレエアカデミーサマーインテンシブ​ 東京2021が今年夏、8月16日から21日まで開催されます。
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この東京のサマーインテンシブは、名門ボリショイ・アカデミーの248年の歴史の中で初めて日本で行われるものです。このたびの緊急事態宣言で、教師の来日はかないませんでしたが、オンラインで直接指導を受けることができる貴重な機会となります。
期間:2021年8月16日から20日の5日間。
場所:芸能花伝舎スタジオ、新宿村スタジオ(新宿)
教師:
Dmitry Povolotskiy 先生(バレエ教師、Russian Ballet International ディレクター)
Irina Pyatkina 先生(ボリショイバレエアカデミーのクラシックバレエ教師)
Evgeniia Kazeeva 先生(ボリショイバレエアカデミーのキャラクターダンス教師)
このサマーインテンシブに参加するための実地のオーディションはすでに終了していますが、大阪・東京オーディションに参加出来なかった方のために、ビデオオーディションは引き続き受付中です。(7月31日締め切り)

http://www.russianballetinternational.com/auditions/auditions-cities/video-auditions-japan/

Russian Ballet International公式サイトよりお申込みができます。

上級 17歳以上

クラシックのVaを踊っている映像を提出してください。

中級 13歳〜16歳

センターのadagioと、grand allegroの映像を提出してください。

初級 9歳〜12歳

バーのbattement tendueと、センターadagio、petit allegroの映像を提出してください

実地でのオーディションについては、大阪・東京あわせて66名が来場し、モスクワ・スイス・イタリア・日本で行われるサマーインテンシブの参加権はもちろん、ボリショイ・アカデミーの年間留学の招待を頂いた方も複数名いました。
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大阪でのオーディションの模様
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大阪オーディションの参加者の皆様

遠方から東京サマーインテンシブにご参加される方のために、ホテル宿泊プランも用意されています。

なお、Russian Ballet Internationalと澁谷芸術企画は、ボリショイバレエアカデミーの教師トレーニングコースも行っており、こちらも大変好評でした。初回のトレーニングコースは2020年12月、2回目は2021年4月に開催されました。
次回は9月の実施予定です。詳細は近日中に発表となります。
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教師コースのデモンストレーションに協力した現地の生徒たち

【コースの目的】

バレエ教師のキャリアへ必須の、体系的でかつ系統的に完成した準備教育をモスクワのボリショイバレエアカデミーのプロフェッショナルトレーニングプログラムを通して手に入れます。
このコースは、 ボリショイバレエアカデミーの教師であり、メソッド論学者でもあるL・V・カヴァレンコ教授が指導します。

ボリショイバレエアカデミーのカリキュラムを使用し、カヴァレンコ教授とボリショイバレエアカデミーの生徒による実践授業が行われます。
参加者には参加証が授与されます。


第2回の教師トレーニングコースに参加した方々の感想が、澁谷芸術企画のサイトでご覧になれますので、ご参考にしていただければ。
https://www.shibuyaartproject.com/bolshoiballet


お問い合わせ先
澁谷芸術企画
Tel: 050-5362-5029 
電話受付時間 平日9:00~12:00 / 土日祝10:00~18:00  
日本側の窓口の澁谷芸術企画代表の成川さくらさんは、ボリショイ・アカデミーの卒業生で、アカデミー付属大学教師科も卒業しています。

2021/05/29

ボリショイ・バレエ・イン・シネマ 6月1日に「パリの炎」映画館で公開

ボリショイ・バレエ・イン・シネマでは、6月1日(火)にアレクセイ・ラトマンスキー振付の傑作「パリの炎」を上映します。
緊急事態宣言中ではありますが、映画館の営業条件が緩和されたため、東京、大阪の映画館でもご覧になることができます。
(東京:TOHOシネマズ日本橋、T・ジョイPRINCE品川、TOHOシネマズ新宿、109シネマズ二子玉川、TOHOシネマズ府中、神奈川:横浜ブルク13、TOHOシネマズ川崎、千葉:シネマイクスピアリ、埼玉:ユナイテッド・シネマ浦和、大阪:大阪ステーションシティシネマ ほか)
(上映開始時間は5月31日発表予定)MOVIX京都では6月3日にも上映があります。

「パリの炎」はボリショイ・バレエの来日公演での上演も記憶に新しいところですが、フランス革命を舞台にした、ダイナミック、ドラマティックでダンスもふんだんに盛り込まれた、見ごたえたっぷりの大作です。頻繁にガラ公演で上演される超絶技巧のパ・ド・ドゥが有名ですが、それ以外にも見せ場はたくさんあります。革命の熱狂の中で多くの血が流され、悲恋もあるという物語で、引き込まれます。

 

今回の上映は、来日公演で素晴らしい演技と踊りを見せた、デニス・サーヴィン(革命に翻弄されるジャンヌの兄ジェローム役)、セミョーン・チュージン(ボールガール侯爵、悪役として、見事な演技力を発揮)、アナ・トゥラザシヴィリ(ジェロームの美しき恋人で、ボールガール侯爵の娘、悲劇的な運命をたどる)を再び観ることができるとともに、マルガリータ・シュライナー、イーゴリ・ツヴィルコと超絶テクニックを誇る主演ペアが踊りまくり、劇中劇ではクリスティーナ・クレトワとアルチョム・オフチャレンコが華麗なダンスを見せてくれます。

*****
若者たちの運命と、歴史がもつれあう――。
革命に燃え、恋に焦がれる、ラ・マルセイエーズ響くフランス革命の物語。
  
ワイノーネンと、後にラトマンスキーが手がけた力強い振付、
ソリストたちのパワフルな踊りに、際立つカンパニーの知性。
溢れるエネルギーと燃えあがる情熱、驚くほど美しいパ・ド・ドゥ。
ボリショイ劇場の広い舞台さえ狭く感じる、桁はずれのダイナミックさ。
衣装に群舞に、全てに目が離せなくなる作品です。

 

音楽:ボリス・アサフィエフ 
振付:アレクセイ・ラトマンスキー

出演:マルガリータ・シュライナー(ジャンヌ)、デニス・サーヴィン(ジェローム)、イーゴリ・ツヴィルコ(フィリップ)、セミョーン・チュージン(ボールガール侯爵)、アナ・トゥラザシヴィリ(アデリーヌ)、クリスティーナ・クレトワ(ミレイユ)、アルチョム・オフチャレンコ(アントワーヌ)、イリーナ・ズィヴロワ(老女ジャルカッス/乳母)
【あらすじ】1789年、南仏マルセイユ。ボールガール侯爵は、しつこく誘った村娘ジャンヌを、ジャンヌの兄のジェロームが守ったことに立腹。ジェロームは侯爵の捕虜となっていた。侯爵の娘アデリーヌは、父と共にルイ16世のいるパリに向かう前に、ジェロームを逃がす。ジェロームとジャンヌの兄妹は、二人で、マルセイユ義勇軍としてパリに向かう。ジャンヌは義勇軍のフィリップと恋に落ち、一方のジェロームはアデリーヌと――。(2018年3月収録)約2時間10分

 

「ボリショイ・バレエinシネマ」
6/22《コッペリア》、7/13《ラ・バヤデール》と続けて上映が予定されています。引き続きご期待ください。

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