マシュー・ボーン

2009/07/31

マシュー・ボーンの白鳥の湖2010年6月 Matthew Bourne's Swan Lake June 2010

昨日の「ドン・キホーテ」は会場に到着するのがギリギリで、チラシの類はNBS主催のものしか貰えなかったのですが。(ゆうぽうとは家の近くなので、やはりいつもギリギリに到着でNBAの時もチラシを貰わなかった)

東京文化会館で配られたチラシの中に、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」が2010年6月、青山劇場で上演されるとのことで、友達に教えてもらいました。この間のサドラーズ・ウェルズでの「ドリアン・グレイ」を観に行った友達にも、白鳥来るらしいよと聞いていたし。

http://l-tike.com/oc/classic/swan2010/

案内のページがローソンチケットのサイトです。今回は主催はBunkamuraではないのですが、オーチャードより青山劇場の方が見やすいので良いですよね。

公演情報配信には、事前のローチケ会員登録(無料)が必要だそうです。登録時、「MY PICK UP」で必ず「マシュー・ボーン」を登録してくださいとのことです。(個人情報を色々と登録しなくちゃいけないので、かなり面倒です…)

8/1追記:バレエフェスの会場で、仮チラシを入手しました。

主催は、朝日新聞社/ローソンエンターメディア/キョードー東京/テレビ朝日 とあります。


ニューアドベンチャーズのサイトには、まだ日本公演の情報は載っていません。イギリスの予定は以下の通りです。

http://www.new-adventures.net/swan_lake/tour

Thursday 10th December 2009 - Sunday 24th January 2010
Sadlers Wells Theatre http://www.sadlerswells.com/show/Matthew-Bournes-Swan-Lake-09


26th - 30th January 2010
New Victoria, Woking
www.ambassadortickets.com

1st - 6th February 2010
Milton Keynes Theatre
www.ambassadortickets.com

16th - 27th March 2010
Theatre Royal, Newcastle
www.theatreroyal.co.uk

More dates to be announced

この公演、今まで観に行った回数は考えただけで恐ろしいほどですが、やっぱり誰がザ・スワンと王子を踊るかによって、どれくらい観に行くか決まっちゃいますよね。まだ全然発表されていませんが。

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2009/03/19

マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」再演キャスト

7月にサドラーズ・ウェルズで再演される「ドリアン・グレイ」のキャストが発表されました。
かなりのサプライズがあります。

カリスマ的でセクシーなファッション写真家バジルをジェイソン・パイパーが踊ります。

http://www.new-adventures.net/news.php?id=47

RICHARD WINSOR (Dorian Gray), MICHELA MEAZZA (Lady H), CHRISTOPHER MARNEY (Cyril Vane), JARED HAGEMAN (Doppelganger), ASHLEY BAIN (Edward Black) as well as JOE WALKLING and CHLOE WILKINSON, all return to play their created roles.

Joining the production are...

JASON PIPER (as Basil Hallward) who scored a personal triumph as The Swan in Matthew Bourne's SWAN LAKE in 2005

DOMINIC NORTH who has recently completed an International tour playing the title role in Matthew Bourne's EDWARD SCISSORHANDS. DORIAN GRAY will be his 5th show with New Adventures.

The tour will also see the following Debuts in leading roles -
Jared Hageman as Dorian Gray
Christopher Marney as Basil Hallward
Dominic North as Cyril Vane

Matthew Bourne's Dorian Gray
Sadler's Wells Theatre
7 Jul 2009 - 19 Jul 2009

http://www.sadlerswells.com/standalonevideo.php?video=1847321795,%201885474000&show=1752&more=1

うわ~ジェイソン・パイパーが復活するんですね。びっくりデス!

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2009/02/05

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」王子を踊るドミニク・ウォルシュのインタビュー

ニュー・アドベンチャーズのサイトに、ドミニク・ウォルシュのインタビューが載っていました。新国立劇場での活躍でも有名な彼のDominic Walsh Dance Theaterは、ニュー・アドベンチャーズとその前身のアドベンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ以外では、初めてボーン版「白鳥の湖」(2幕パ・ド・ドゥ)を上演するカンパニーとなりました。

http://www.new-adventures.net/news.php?id=43(インタビュー)

http://www.new-adventures.net/news.php?id=41(ニュース)

ザ・スワンを踊るドメニコ・ルチアーノの写真がありますが、大柄でカリスマ性を感じさせ、カッコいいです。彼はイタリア出身で、ナポリのサンカルロ・バレエ・スクール出身、サンカルロ劇場、ローマ・オペラ劇場やドイツ・ライン劇場などのプリンシパルとして活躍してきた人なのですね。

マシュー・ボーンの初期の作品「Infernal Gallop」がサラソタ・バレエで上演されることになり、またウォルシュも、サラソタ・バレエの依頼で「Wolfgang」という作品を振付けていたので、同時期に二人がサラソタ・バレエの芸術監督イアン・ウェッブの自宅に滞在したことがきっかけとなったようです。もともと作品が大好きでマシューを尊敬していたウォルシュは、最初は緊張していたのですが、マシューがとても話しやすくて感じの良い人だったことで、強い絆を感じたそうです。ウォルシュの振付指導をマシューは見学し、照明などについてもアドバイスをしてくれたそうです。マシューは、その場でインターネットでウォルシュの振付けた「眠れる森の美女」を見て気に入ってくれたとのこと。

「その時には、「白鳥の湖」を上演したいと言い出す度胸がありませんでした。代わりに、自宅に帰ったら、すぐにマシューにメールを送りました。すぐに返事は来なかったけれども、マシューはいつもすぐには返事はしないと聞いていたので、もう一度メールをしたら、今度はすぐに返事がきました。ウォルシュが王子を踊り、ドメニコがザ・スワンを踊るべきだという返事が。とても嬉しかったです」

ドメニコとウォルシュはロンドンに行き、オリジナル・キャストで王子役だったスコット・アンブラーと、エタ・マーフィットの指導の下、4日間で作品を覚えました。マシューは最終日にやってきて、仕上げをしてくれたそうです。3人は、とても親切で勇気を与えてくれて、特にドメニコのザ・スワンについては、気に入ってくれたとのこと。エタは、彼のザ・スワンの表現のいくつかは、今までのザ・スワンの中でもベストのものがあったとまで言ってくれたそうです。

「マシュー・ボーンの「白鳥の湖」は1997年にロンドンで初めて観ました。とても音楽を大事にしている素晴らしい作品で、チャイコフスキーのスコアに対して新しい命を吹き込んでいると思いました。彼の作る人間の動きの瞬間の中に真実があり、ありふれた日常から詩をつむぎだしていると。この作品を観た男性ダンサーなら、誰でも、ザ・スワンの役を踊りたいでしょうね」ウォルシュは、ベン・スティーヴンソンが振付けた「白鳥の湖」の王子役を何年もの間踊ってきたそうです。

「ドメニコは身長が187cmと高く、大きな黒い目をしていて、肉体的にもとてもこの役に合っていると思う。彼はアダージオを静かに踊る力があるし、自分の演技に対してとても丁寧に踊ります」
「王子役は、普通の王子とは違います。彼は、自由も安らぎも知らない人で、自分の想像の中で美しい鳥をつくり上げています。それは、平和と自由の象徴です。彼は、すがり付いて、一緒に自由になるための友人としてザ・スワンに出会ったのだと思います。古典の「白鳥の湖のように、マシューの王子役は、王室の責任から逃れたいというジレンマを持っていますが、もっと複雑で、作品の中で心理的な旅路をたどる存在です」

「ヒューストンで初めてボーンの作品を踊る人物となって、とてもワクワクしているよ。特に、僕は今回マシューから祝福をされているからね」

ボーン版「白鳥の湖」の2幕パ・ド・ドゥは、イリ・キリアンの作品とウォルシュの作品とのトリプル・ビルとして、2月12日~14日、ヒューストンのパフォーミングアーツセンターで上演されます。

February 12th-14th at the Hobby Centre for the Performing Arts in Houston
http://www.dwdt.org/masterful_mixed_repertoire.htm

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2009/01/25

ドミニク・ウォルシュがマシュー・ボーンの「白鳥の湖」王子を踊る

マシュー・ボーンのニューアドベンチャーズのサイトを見ていたら、面白いお知らせが載っていました。
http://www.new-adventures.net/news.php?id=41

まずは、今週末、ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場で、リチャード・ウィンザーとアーロン・シルズという「ドリアン・グレイ」コンビが、Sadlers Well's Sampled というシーズンのプレビュー公演に出演し、「白鳥の湖」のザ・スワンと王子のデュエットを踊るというものです。

http://www.sadlerswells.com/show/Sampled-09

Sadlers Well's Sampledは何気に面白い出演者が出ます。しかも、チケット代は20ポンドと格安。

American Ballet Theatre
White Swan Pas de Deux performed by Veronica Part and David Hallberg.

Flying Steps
World-beating virtuoso hip hop styles from Germany.

Jasmin Vardimon (Sunday only)
Intensely physical dance-theatre in an extract from Vardimon's yesterday.

Matthew Bourne's New Adventures
Enjoy the Swan and Prince Duet from Act Two of Swan Lake.

Rojas & Rodriguez
The stars of Nuevo Ballet Espanol bring some authentic flamenco flavour.

Russell Maliphant
Former Royal Ballet dancer Dana Fouras performs Maliphant's sublime Two.

Traces (Saturday only)
Experience circus as you've never seen it before

ってわけで、ABTのデヴィッド・ホールバーグとヴェロニカ・パルトが「白鳥の湖」のパ・ド・ドゥを踊ります。それから、ラッセル・マリファントの「TWO」(シルヴィ・ギエムのレパートリーとして有名ですね)を、元ロイヤルのダナ・フォーラスが踊ります。

で、もう一つのお知らせにちょっとびっくり。

元ヒューストン・バレエのプリンシパルで、現在は自身のカンパニー、ドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターを率いるドミニク・ウォルシュ。2003年に新国立劇場の「マノン」でレスコーとデ・グリューの両方を踊り、さらに振付家として新国立劇場バレエ団に2007年「オルフェオとエウリディーチェ」を振付けたことで日本でもよく知られています。特に「マノン」でのドミニクのレスコー役は、レスコーのキャラクターにピッタリの演技で、テクニックにも優れており、とても印象的でした。

そのドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターが、2月12日から14日のヒューストンで行われる公演で、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」の2幕、ザ・スワンと王子のデュエットを上演します。ミックス・ビルのうちの一作品で、他にはイリ・キリアン、そしてウォルシュの振付作品が上演されるとのこと。ザ・スワンは同カンパニーのプリンシパル、ドメニコ・ルチアーノが踊り、そして王子役はドミニク自身が踊るとのことです。

http://www.dwdt.org/masterful_mixed_repertoire.htm

マシュー・ボーン版「白鳥の湖」のデュエットを、AMPおよびニューアドベンチャーズ以外のカンパニーやダンサーが踊るのは初めてとのことです。

この「白鳥の湖」のザ・スワンは世界中の男性ダンサーが踊りたいと熱望してきた役。聞いた話でも、ボリショイノニコライ・ツィスカリーゼやパリ・オペラ座のジョゼ・マルティネスなどの一流ダンサーが踊りたい役です。今回、初めてマシュー・ボーンのカンパニー以外でも踊られるということなので、今後、またどこかが上演する可能性もありそうですね。

なお、ドミニク・ウォルシュは、新国立劇場の2009/2010シーズンのコンテンポラリー・ダンス「DANCE to the Future」(2010年5月)というトリプルビルにおいて新作を発表します。新国立劇場との縁が深いわけで、そんな彼がマシュー・ボーン作品を踊るというのがますます興味深いところです。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000222_dance.html

また、ウォルシュは2008年には、プリンセス・グレース振付賞を、「The Trilogy: Wolfgang Amadeus Mozart」で受賞しています。

ドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアターのアドバイザリー・ボードには、かのカルロス・アコスタの名前もありました。アコスタはヒューストン・バレエで踊っていたので、きっとその頃からの縁なのでしょうね。

追記:ガーディアン紙にSampledのレビューが載っていました。

http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/26/review-sampled-sadlers-wells

ABT組の「白鳥の湖」は、ヴェロニカ・パルトではなくミシェル・ワイルズが踊ったようです。古典の「白鳥の湖」のパ・ド・ドゥと、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」を一つのガラで上演するという試みは面白い結果を生んだようですね。

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2008/10/22

「ドリアン・グレイ」のオフィシャル動画

マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」ですが、このたび、ダイジェスト映像がYouTubeのNewAdventuresチャンネルにアップされました。

ここはニューアドベンチャーズのオフィシャルのチャンネルなので、マシュー・ボーンの「Spitfire」「Town and Country」などの初期の作品なども動画で見ることができます。

http://jp.youtube.com/user/newadventures2

「ドリアン・グレイ」は9月27日に最初のツアーを終えました。作品そのものについて、批評家からは賛否両論があったものの、観客動員という点では大成功だったようです。エジンバラ国際フェスティバルの62年間の歴史で最も観客の多かったダンス公演という記録を立て、またサドラーズ・ウェルズ劇場でも、最初の週で12000人、2週目で14000人という過去最高の動員記録を作りました。さらに、すべてのチケットが売り切れたために、9月11日の深夜にチャリティ公演を行ったところ、深夜にもかかわらず発売後3時間で8割の席が売れてソールドアウトとなり、27000ポンドの寄付金が集まりました。

観客の中には、現在撮影中の映画「ドリアン・グレイ」の主役を演じるベン・バーンズ(「ナルニア国物語」のカスピアン王子役で一躍スターになった美形俳優ですね。ちなみに、この映画「ドリアン・グレイ」は監督がオリバー・パーカーで、ヘンリー卿はあのコリン・ファースが演じるんですね)、そして映画「オスカー・ワイルド」でオスカー・ワイルド役を演じたスティーブン・フライもいたとのことです。

「ドリアン・グレイ」は世界中から上演のオファーが来ているようで、サドラーズでも再演にむけて交渉中とのこと。

チャコットのDanceCubeの友谷真美さんのエッセイに、「ドリアン・グレイ」を見に行った時のことが書いてあります。「日本のみなさんも楽しみに待っていてくださいね。」って書いてあるので、日本にも来てくれそうですね。

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2008/09/23

ニュー・アドベンチャーズ「ドリアン・グレイ」Matthew Bourne's Dorian Grayその3

P1010852s

2幕。

Celebrity!
1幕と同様、ドリアンの寝室で「眠れる森の美女」のローズ・アダージオのメロディが目覚まし時計から鳴り響く。目覚まし時計を叩き消すドリアン。彼の片側には、女性が、もう片側には少年(ドリュー)が寝ており、一人ずつベッドから出て行く。ドリューはサービスカットとして、可愛いお尻まで見せてくれる。今度は、ベッドの中からバジルが、そして最後にはレディHまで這い出てくる。このベッドには、5人もの人たちが入っていたのだ!場内大爆笑。さすが、ベッドの使い方には定評のあるマシュー。

すっかりセレブとなったドリアンだが、撮影現場では終始不機嫌、ちょっと他のモデルの身体が触れただけでキレる。しまいには、怒って撮影現場から出て行ってしまう。彼をなだめようと追いかけるバジル。別の日には、テレビのトークショーに出演。ドリアンのフィギュアまで売り出されているほどの人気で、ショーン、ドリュー、ジョーそしてクリス扮する歌うコメディアンたちは、ドリアンTシャツを着用(これは、イギリスの有名な番組のパロディらしい。ショーンのお茶目な表情が最高)。その場ではなんとか機嫌を保っているものの、テレビ局を出るとまた不機嫌になるドリアンは、バジルとのいさかいが絶えない。成功したことで、ドリアンはかえって不幸になっているようだ。

Evil Twin
クラブに踊りに行くドリアン。髑髏の形のミラーボールが回転しているスタイリッシュなクラブ。激しい音楽にあわせ、ショーンが女装していたり、タトゥーをした人々が踊り狂っている。踊っている人物の一人に、ドリアンと瓜二つで、同じ服まで着ている青年がいる。ドッペルゲンガーだ。ドリアンはドッペルゲンガーの存在についに気がつく。ドッペルゲンガーはドリアンの隣に座るが、明らかに薬でハイになっている様子。立ち上がって再び踊り狂う。ドッペルゲンガー役のジャレドは、切れ味の鋭い、リズミカルでちょっとヒップホップ系の踊り。喧騒の中、バジルはドリアンに声をかけようとするが、それはドリアンではなくドッペルゲンガーだった。

Dorian and Lady H
混乱したドリアンは、レディHの部屋を訪れる。彼女に甘えようとするが、レディHは冷たく突き放す。逆上したドリアンは、今度は力づくでレディHを犯そうとするが、激しく抵抗され、平手打ちを食らう。ドリアンは彼女の手からポートフォリオのファイルを奪い取り、自分の写真を抜き取ると破り捨てる。

On The Prowl
壁面の大きな二つの鏡は割れている。その部屋に、ドッペルゲンガーが現れ、ドリアンを嘲笑うかのように「ここだよ」と出てくる。ドリアンとドッペルゲンガー、同じ姿をした二人が、シンクロして同じ動きで踊り続ける。ドリアンはドッペルゲンガーに追い掛け回される。終わりのない悪夢のように。サイレンの音が鳴り響き、あたりはカオスのような状態に。半裸の男女が舞台の上を駆け回っている。

Back Room
音楽がゆっくりとしたトランス系になったかと思うと、薄暗い照明の中、今度は一組、一組と男女が入ってくる。男と男、男と女。男と男と女。まるで乱交パーティのように、相手を取り替え、入り乱れては行為に及んでいる。しかしながら、なぜかあまりエロティックさは感じない。健康的なダンサーの肉体って半裸であってもというか半裸であるからこそ、猥雑さが感じられないのだ。やがてダンサーたちが立ち上がり、つながっているかのように一列に並ぶと、ドリアンが入ってくる。ドリアンは、彼らに高々とリフトされるが、そこからゆっくりと、十字架から下ろされる殉教者のように落ちていく。1幕でスーパーモデルとして完成され、高く掲げられたシーンと呼応するように。なすすべもなく、その様子を見守るバジル。

Dorian Shoots Basil
ドリアンの巨大な「IMMORTAL」の広告のポスター。しかし、このポスターは汚れて所々破れ、「IMMORTAL」の文字が欠けて「MORTAL(死すべき運命)」になっている。ドリアンの目からは、血が流れているかのようだ。そのポスターの前で、絶望したかのように悲しく踊るバジル。

ドリアンの部屋は、荒廃したドリアンの魂を代弁するかのように、死の匂いに満ち、グロテスクで禍々しいインテリアとなっている。麻薬を自らの腕に注射するドリアンのポートレート。髑髏の置物。フランシス・ベーコンの絵画3点。ウォーホールの、髑髏をモチーフとした作品。ニジンスキーの牧神の午後のフィギュア。バジルは、ここでドリアンにカメラを向ける。しかし、あれほどカメラを愛し、執着したドリアンが、撮影されるのを拒んで顔を背ける。それでも、バジルはドリアンに向かってシャッターを切る。カメラを持っている限り、バジルはドリアンに対して力を持つことができるのだから。カメラは、力の象徴なのだ。

ドリアンは、バジルをバスルームへと誘う。バスタブの中にいるドリアンは、バジルに、入って来いよといざなう。嬉しそうにバスタブに入っていくバジル。ドリアンはバジルの首からカメラを外すと、それでバジルを殴打する。何回も。バジルは息絶え、血に染まった両手を十字架のように広げたドリアンは、白いバスルームの扉に血痕を残す。

己の罪深さに気づいたドリアンは、両手を血に染めたまま、苦悩のソロを踊る。これは、「白鳥の湖」の4幕で、ハクチョウたちの幻想を見た王子が、混乱し怯えながら踊るソロによく似ている。レディHがやってきたので、ドリアンは彼女にまた甘えようとする。レディHはドリアンの血をぬぐってやるが、そのまま立ち去り、ドッペルゲンガーがまた出現しては消える。

シリルの亡霊が現れる。死んだシリルとドリアンは、「ロミオとジュリエット」の最後のパ・ド・ドゥのような踊りを踊る。次に、バジルの亡霊が出現して、また死者とのパ・ド・ドゥ。壁が回転すると、さらに荒れ果てたドリアンの部屋は、モデルたちのおびただしく惨たらしい死体の山となっている。扉の欄干にぶら下がる死体、ソファの上の死体。ドリアンのポートレート写真は目を潰されている。死んでいるはずの彼らが、ドリアンを睨み付け、再び死体に戻る。

Doppelgengar
ドリアンは怯え切って、正気をなくしかけている。そこへまたドッペルゲンガーが現れる。二人はベッドに並んで座る。瓜二つの二人なのに、クールな表情のドッペルゲンガーと、狂気、恐怖にすくんで弱りきったドリアン。ふたりは手を取り合って、並んでベッドの中に入る。ドリアンは、シーツをドッペルゲンガーにかぶせると、ドッペルゲンガーを殺す。とともに、ドリアンもついに斃れる。

Immortal
ドリアンの亡骸についた血をふき取り、ベッドからずり落ちかけた彼を動かして額に優しくキスをするレディH。セクレタリーのエドワードが目配せをする。大勢のパパラッチが、ドリアンの死体に容赦なくフラッシュを浴びせかける。ドリアンの死に顔がスクリーンに大写しになり、彼の姿は永遠に残ることになる。レディHは、クールな表情でサングラスをかけて、歩き去る。

アダム・アンド・ジ・アンツの「プリンス・チャーミング」が鳴り響く。

Bill Cooper撮影による写真
http://www.new-adventures.net/news.php?id=24

NAのダンサー、ミカ・スマイリー撮影のリハーサル風景
http://www.new-adventures.net/news.php?id=22

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2008/09/21

ニュー・アドベンチャーズ「ドリアン・グレイ」Matthew Bourne's Dorian Grayその2

作品の大まかな展開とあらすじなどを詳述します。ネタバレ全開なので、ネタバレしたくない方は読まないほうがいいかもしれません。

P1010851s_2

1幕
The Sleeping Beauty
チャイコフスキーの「眠れる森の美女」の序曲が流れる。それは、眠れる森の美女ならぬ美男ドリアン・グレイの目覚まし時計のメロディで、彼はベッドから起き上がって目覚ましを止めるとともに、鏡に映る自分の顔に見入る。

Basil's World
場面は転換し、そこは今をときめくファッションカメラマン、バジル・ホールワードがモデルたちを撮影しているスタジオの中。グラマラスなモデルたちがポーズを取る中、カメラを持ったバジルは、華麗な跳躍を見せながらシャッターを切っていく。スリムで長髪、無精髭のバジルは、いかにも芸術家らしいスタイリッシュでセクシーな男性。カメラを構えながら所狭しと動き回る。

White Box Media Gallery
ホワイトボックス・メディアギャラリーというスタジオでは、ファッション界の大物であるレディHが、モデルを選んでいる最中。モデルたちは身をくねらせて彼女の気を引こうとしている。美しく、絶大な権力とカリスマ性を持つレデイH。舞台の後方で、目立たぬように立っているのは、モデルではなくオーディションでウェイターとして働いているドリアン(そしてもう一人、ドリアンにそっくりのウェイターもいる)。レディHやモデルたちが去った後で、一人後片付けをするドリアン。

Basil Shoots Dorian
そのドリアンに、ふとライトを当て、シャッターを切るバジル。バジルのカメラが捉えたドリアンの姿が、白い壁に大写しになる。最初はカメラに対して構え、緊張するドリアンだけど、次第にカメラを向けられ、シャッターを切られることに快感を覚え、どんどん挑発的な表情に変貌していく。このあたりのリチャード・ウィンザーの表情の変化が素晴らしいし、それらの表情が、撮影されたショットとして、バジルの目から見たドリアンとして、後ろのスクリーンに大写しになるのがまた効果的。カメラを構えたバジルと、被写体のドリアンの間の緊張感あるデュエットは、ドリアンの後ろにバジルの表情が写りこんだショットで終わる。やがてカメラを置いてウォッカをがぶ飲みしたバジルと、ドリアンは、激しい愛を交わす。踊りながら上着を、ベルトを、そしてパンツ(下着じゃない方の)を脱いだり脱がせたり。スピーディにポジションを動かし、お互いにリフトし合い、跳躍や逆立ちまで入ったアクロバティックな動きは、エロティックさをあまり感じさせないがスリリングで、見事な息の合わせ方。踊りという面では、この舞台最大の見せ場と言える。ドリアンのボクサーパンツはD&G、バジルはエンポリオ・アルマーニ。ファッション界におけるマーケティングを、これらのボクサーパンツに象徴させている。

(このパ・ド・ドゥのほんの一部は、BBCのサイトで見ることができる
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/7606697.stm

Dorian
バジルが去った後、一人スタジオに残されたドリアンは、バジルが残していったカメラに興味を惹かれる。ドリアンは、自らにカメラを向けてシャッターを切ってみる。しまいには、カメラに取り憑かれたようにポーズを取り、戯れる。そこへレディHが入ってきて、ナルシスティックにカメラと戯れるこの青年に興味を惹かれ、品定めする。去り際に、名刺をドリアンに渡すレディH。ドリアンは、バジルではなく、カメラに恋をしているかのようだ。

The Science of Beauty
ドリアンは、サングラスに白衣、青い手袋をはめた人々に取り囲まれる。彼らの間で様々なポーズを取り、服をとっかえひっかえする。まるで、スーパーモデル製造機の中に入れられたかのように、工業製品として創り上げられたかのように、ドリアンはモデルへと変貌させられる。最後に香水を噴きかけられ、高々とリフトされ、スーパーモデルのドリアンが完成。不敵な笑みを浮かべた上半身裸の青年とIMMORTAL(不老不死)の文字。ドリアンの姿は、香水「IMMORTAL」のポスターに刻み付けられた。巨大なポスターの前で歓喜し、飛び跳ねるバジルのソロ。

セレブレティの仲間入りをしたドリアン。パーティと思しき会場で、華やかな男女に囲まれ、ソファの上から下から、右から横から、セレブたちの手により名刺を渡される。映画「アメリカン・サイコ」の名刺合戦を思わせるような、皮肉で笑えるシーン。ドリアンの隣に座っていたバジルは、彼とドリアンの間にレディHが入り込んだことで、傷ついたような表情を見せる。

Lady H at Home
レディHの寝室。ベッドの上にちょこんと座ったドリアン。レディHは、ドレスのホックを留めることを要求し、それから、長く美しい脚でドリアンを誘惑する。壁の向こうで、その様子をパパラッチのように覗くセレブたちと、悲しげなバジル。ドリアンはレディHと関係を持つが、それはもちろん彼女の持つ権力と寝たのであって、野心に燃える視線を客席に向ける。

Romeo, Romeo
ドリアンを待ち伏せするバジル。しかしドリアンはレディHと登場し、再び傷つくバジル。ドリアンたちは、劇場へと足を運ぶ。そこでは、プロコフィエフの音楽が流れ、バレエ「ロミオとジュリエット」が上演されている。白く長いマントをたなびかせ、白タイツ姿のロミオ役を踊るバレエダンサーのシリル。クリストファー・マーニーは、純白の汚れなき王子を演じ、つま先の綺麗に伸びたアラベスクやピルエットを見せる。ドリアンは、シリルの純粋な姿に美を見出し、いつしか彼は舞台の中に入り込んでいた。シリルとドリアンのパ・ド・ドゥは、まさしくロミオとジュリエットのようであり、シリルはあるときはロミオ、そしてあるときにはジュリエットのように踊り、舞い上がる気持ちをリフトで表現する。ジュリエットが走り去るシーンのように、ヴェールをなびかせるかのように走り去るシリル。

Stage Door
舞台が終わった後も、余韻に浸って立ち上がれないバジルは、楽屋口でシリルを待ち伏せし、名刺を渡す。名刺を一瞥し、微笑を浮かべるシリル。

Dorian's Loft
ドリアンとシリルは愛を交わす。しかし、ナルシスティックなシリルは、愛の最中にもストレッチを欠かさず、自己耽溺しているので、次第にドリアンはシリルに魅力を感じなくなってしまう。ドリアンの部屋には、美しくナルシスティックな裸体のドリアンのポートレート写真がいくつも飾っていある。ドラッグパーティの最中に現れたシリルを、ドリアンは冷たくあしらう。シリルはお菓子のように食べてしまったドラッグの過剰摂取により、ドリアンの寝室で激しい痙攣を起こす。ドリアンは救急車を呼ぼうとするが、死の間際のジュリエットのようににじり寄ってくるシリルを見て、電話をかけるのをやめる。シリルは、マクミラン振付の「ロミオとジュリエット」のラストシーン、ジュリエットの死と同じように、ベッドの上に仰向けになって、悲劇的な最期を遂げる。セットの足場にぶら下がり、そんな彼らを見下ろしながら笑うのは、ドリアンに瓜二つの青年。

IMMORTALの大きなポスターが降りてきて、幕。
(1幕終わり、2幕に続く)

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2008/04/03

マシュー・ボーンの新作は「ドリアン・グレイの肖像」

ballet.co.ukで話題になっていて、ニューアドベンチャーズのサイトを見たら、お知らせが載っていました。
マシュー・ボーンの新作は、うわさされていた「ロミオとジュリエット」ではなく、オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の舞台化でした。

http://www.new-adventures.net/news.php?id=11

8月22日にエディンバラ国際フェスティバルでプレミアされ、ロンドンでは、サドラーズ・ウェルズにて9月2日に初演されるとのことです。

キャストは、ドリアン・グレイにリチャード・ウィンザー、レディHにミケーラ・メッツァ、バジル卿にアーロン・シルズ。その他出演者として、スコット・アンブラー、ショーン・ウォーターズ、アシュレー・ベイン、そしてなんとクリストファー・マーニーです。これはビッグなニュースですね!そして美術は、いつも素晴らしく洗練されたデザインを作り上げるレズ・ブラザーストンです。

サドラーズで上演された後、9月中旬~下旬にイギリスで数箇所のツアーが行われるようですね。

「ドリアン・グレイの肖像」は今まで何回かバレエ化されており、私も2003年秋にABTのシティセンターシーズンで上演された「ドリアン」を観に行きました。ロバート・ヒルの振付で、ドリアン役がデヴィッド・ホールバーグとヘスス・パストールのダブルキャストだったのですが、あまり批評家受けが良くなくて、このシーズンで上演されたきりです。なかなか耽美的で素敵な作品だったのですが・・・。

専用のサイト(まだ情報は少ない)もできていました。
http://www.new-adventures.net/doriangray

Playbillに記事が出ていました。

http://www.playbill.com/news/article/116423.html

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2007/05/22

5/6 Soiree Matthew Bourne's Swan Lake

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to be updated.

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2007/05/18

パース四日目&Swan Lake5/6 マチネ

この日のマチネ公演は1時と早いため、遠出は避けてホテル近辺で和むことにする。気温が20度ほどと決して高くないのに、屋外プールで泳いでいる猛者がいるのにはびっくり。

ゴルフ場まであるホテルの敷地も広いのだけど、それを取り囲むように、Burswood Parkという緑豊かな公園があり、その横を肥沃な水をたたえたスワン川が流れている。サイクリング・コース、ゴルフ場があるほか、彫刻も点在しているし、池もいくつかあって、市民の憩いの場となっている。日曜日の昼にゆっくりとすごすには最高の場所。

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池のほとりにはさまざまな鳥が。ただし西オーストラリアの州鳥となっているブラック・スワンはいなかった。ブラック・スワンを見るに一番良いのは、モンガー湖という湖に行くと良いらしいけど、今回は残念ながらその時間がなかった。

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(これはパース動物園の黒鳥)

パースという街はよほどスワンにゆかりがあるのか、このBurswood ParkにはSwan Fountainという噴水のある池がある。黒鳥が舞い上がる美しい姿の彫刻が噴水になっているのだ。

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で、ここで白鳥さんたちの特撮が行われたようで、地元の新聞の記事に、ここで撮影された写真が使われている。
http://www.thewest.com.au/default.aspx?MenuID=77&ContentID=27660


そうこうしているうちにまた開演時間が迫ってきた。


5/6 Matinee

The Swan/The Stranger  Alan Vincent
The Prince  Simon Williams
The Girlfriend  Nina Goldman
The Queen  Sarrane Curtin
The Private Secretary  Ashley Bain
Young Prince  Simon Kareiskos


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前日とほぼ同じキャストで、違うのがガールフレンドと幼年王子のみ。どうも気乗りのしないキャストなので、モチベーションがかなり低下した状態で観た。ガールフレンドのニーナは、女王役とのダブルキャスト。少し年齢が高そうだけど、もう一人のガールフレンド役でお笑いに走ってしまっているアニエスよりは品がある。でもはやり、日本公演でガールフレンドを踊っていたリーやソフィアの演技が懐かしくなってしまうのだけど。

そのアニエスは、この回は蛾の乙女とフランス王女役。気が強くて妖艶なフランス王女役は、彼女にはとても似合っていた。実際フランス人だしね。4回ともドイツ王女役のデイジー・メイ・ケンプはウィル・ケンプの妹さんで、金髪長身の美人さん。ノイがスペイン王女で、彼女のスパニッシュダンスはとてもメリハリがあってかっこよかった。スパニッシュ・エスコートはコーディでまたもや笑いを誘っていた。イタリアン・エスコートのダミアンも相変わらず面白かったのだけど、今回は大きな白鳥役ではなかったのが残念。大きな白鳥では、レインがきれいだった。日本公演ではピーターやサイモンらの影に隠れていたけど、レイン、ずいぶんと踊りが磨かれてきたと思う。

面白い演出としては、スワンクバーから出てくるところで、ジョー・オートンと水兵が衣装を取りかえっこしていて、ちょっとエッチっぽい表現だった。お尻をつかみ合うだけじゃなくて。怪我をしてしまったとのことで出演していなかったのだけど、プログラムを見ると、紫のカツラのおかまキャラは、今回はヘンドリックの持ち役だったらしい。見てみたかった・・・。

ここまで書いていて気が付いたのは、主役二人についての記述が全然ないこと。だって、やっぱり魅力が全然感じられないのだもの・・・。サイモンは少し痩せてくれたら、踊りそのものは上手なのだから、見られるようになるとは思う。が、アランについては、書く気にもならなくなってしまった。4幕で死ぬところだってちっとも弱っていないから、感動もできないし。ラストのサラーンの、優しくエモーショナルな演技で、なんとか救われた回だった。

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2007/05/16

5/5 Matthew Bourne's Swan Lake

Burswood Theatre

The Swan/The Stranger Alan Vincent
The Prince Simon Williams
The Girlfriend Agnes Vandrepote
The Queen Sarrane Curtin
The Private Secretary Ashley Bain

今日は、フラットな6列目の席である。舞台には近いのだけど、少し安い値段ということもあり、前の人の頭が邪魔で足元が見えづらい。クラシックバレエではないから、まあいいか。でもやっぱり観づらい。良い席も持っていたのだけど、初めてこの公演を観るという家人に譲った。

一幕、ベッドの上に覆いかぶさるように腕を広げるザ・スワンの、どっしりとしたシルエットを見てダメだこりゃとがっかりしてしまった。そう、マチネのキャストがソワレにずれこんだのではなく、当初予定通りのアラン&サイモンコンビである。ザ・スワン役ダンサーが後姿で演じる彫像のウェストもくびれていないし・・・。

アランのザ・スワンは一昨年にパリで観ていて、一度観るんだったら珍しいものとしてまあいっかと思うのだけど、2度3度とは観たくないのだ。とにかくしまりがないのがイヤだ。腕は一生懸命白鳥を意識してくねくね動かしているんだけど・・・。一番気になるのが、下半身の弱さ。アラベスクの脚が全然上がらないしキープできない。バランスも無理。なによりも、脚がまったくアンドォールしていないのが目に付いて目に付いて・・・つま先もきたないし、ジャンプもひたすら重たい。前日観たトーマスが美しかっただけに、粗が目立った。その上、王子役のサイモンはロイヤルバレエスクール出身のクラシックダンサーで、そこそこテクニックがあるほうだから、余計ダメさが際立ったというか。とにかく美しくないの一言に尽きる。大体、王子よりもザ・スワンの踊りが下手でどうするんだ・・・。サイモン相手でこうなんだから、クリス相手だったら余計差が明らかになっちゃうじゃない。

マシュー・ボーンはなんでこの人をこんなに評価しているのか、まったくもってナゾである。ザ・カーマンのルカのような役だったらまだしも、今までザ・スワンを踊ってきたのは、アダム・クーパーや首藤康之、キース・ロバーツなど錚々たるダンサーなのだ。候補になったけど結局踊らなかったのだって、ラスタ・トーマスだったり凄い人たちがいた。前回のジェイソン・パイパーはたしかにクラシックのダンサーではなかったけど、それを補って余りある身体能力と、美しい肉体があった。アランは演技力はある人だとは思う。だけど、ザ・スワンは他の白鳥の誰よりも美しく踊らなくては、意味がないのだ・・・いくら文句を言ってもいい足りないくらい。

さて、気を取り直して王子について。サイモン・ウィリアムズもパリに続き観るのが2回目。彼はクラシックの技術はしっかり身につけていて、踊りも比較的柔らかいし、アンドォールもしっかりしている。ただ致命的なのは、小柄なくせに太っていて冴えない容姿であることだ。マシュー・ボーンの「スワンレイク」の王子は、ダメダメ王子であり、かっこ悪い役なのではある。だけど、サイモンの王子には、育ちのよさや気品がないのがつらいところである。内向的でマザコンで抑圧されて育ってきているというのはよくわかるんだけど・・・。それでも、昨日の(容姿は美しい)ドミニクよりは良かったと思う。パリで観た時よりも成長していたと思うし。王子としては、まあ及第点といってもいい。スワンクバーの前で踊る内省的なソロの出来もなかなか良かった。

が、フレンズの会報を読んだら、今回のツアーでサイモンはザ・スワンも踊ったと書いてある。え~!こんなにカリスマ性のないザ・スワンもいないだろうし、ストレンジャーとして誘惑している姿もまったく想像できない。だって、ホントに典型的ないじめられっこのように小太りなんだもの。マシュー、いくらスワンレイクは自分の手を離れた作品だからって、それ(=サイモンのザ・スワン/ザ・ストレンジャー)はアリなのか?

アランは、ザ・ストレンジャー役に関してはまだマシというか、こういうのもアリかな、と思わせた。何よりもこの役だったら服も着ているし、演技はまあそこそこいけるので。音にうまく合わせて踊るのは得意だ。女王役のサラーンと長年一緒に踊っているので、女王とザ・ストレンジャーが黒鳥のPDDの曲で踊るところの息はぴったり。彼の良かったのはここだけかな。3幕の終わりに女王とキスしてニヤリと笑うところも、邪悪さがなく物足りなかった。アランは、今ひとつ悪い人になりきれないのである。

4幕については、もはやアランを見る気にはまったくなれず、サイモンとスワンズばかりを観ていた。4幕は踊りという面では王子の見せ場はほとんどない、錯乱した王子が白鳥の真似をしたり、エクソシストのように両手両足をつかって背面歩きするくらいしないのだが、代わりに死に至るまでの心の旅路を表現しなければならない。慕っていたザ・スワンが殺されるところを目の当たりにして、もがき苦しみ悲しみのあまり息絶えるという物語をしっかりと見せてくれたので、最後はちょっと泣けた。4幕の、母親らしさを取り戻し王子の亡骸を抱えて泣き崩れる女王=サラーンの演技が素晴らしかったことも付け加えなければならない。

とにかくマチネを中止に追い込んだ舞台装置問題が解決し、何の滞りもなく無事に公演ができたことは喜ばなくては。ダミアンの伸びやかで、美しい流線型を描くような大きな白鳥の踊りが観られたのも嬉しかった。意外な配役としては、蛾の乙女とフランス王女を踊ったのがノイ・トルマーだった。前日の蛾の乙女を踊ったピア・ドライバーはポアントではなくバレエシューズで踊っていたのであれ、と思ったのだけどノイはポアントだった。ノイの演技は茶目っ気があって可愛いので好き。フランスの王女は挑発的でセクシーな役なのだが、ここでの彼女も妖艶で見事だった。

小さな4羽の白鳥は、コーディ、ギャヴ、サミュエルとかなり最強に近い布陣で、コーディの顔芸はここでも相当ウケていた。コーディはこの日はスペインの踊りでも大活躍。昨日王子を踊ったドミニクは、この日は木こり役だった。こっちの役も、ギャヴが踊った時には見られる妙なユーモラスが足りなくて、今ひとつである。

主役二人が違うことで、まったく違った作品になってしまうということが改めて実感された公演だった。

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2007/05/14

パース三日目―またトラブル発生

三日目は、スワンレイクのマチネがあるので遠出はできない。市内きっての景勝地であるキングス・パークへと行く。

パース駅から無料のバスで15分ほど。素晴らしいことにパースでは三つのバス路線が無料なのだ。

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バス停で降りて公園に入ると、高級そうなテニスクラブがあるだけで、単なる木々の生い茂った野原じゃん、と思ってしばらく歩くと急に視界が開け、素晴らしい絶景が目の前に。ここは小高い山の上になっており、左手には摩天楼、右手には海のように幅広く優雅な曲線を描くスワン川が広がる。この都会と自然の雄大な対比が見事。

都会の中にこんなに素晴らしい見晴らしの、緑豊かな憩いの場所があるなんて。土曜日の昼というのに人もさほどいない。空気もきれいで気持ちよい。東京にこんな素晴らしい場所があったらきっと大混雑することだろう。この公園に残った家人の話では、公園自体非常に大きく、吊り橋や花時計もあるらしい。

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しばしベンチに座ってゆったり過ごすが、2時からスワンレイクなのでパースまでタクシー、そこから電車でホテルに戻る。前日、マチネのキャストはクリスとトーマスという黄金コンビだという情報もあり、ワクワクしていた。しかし……。

会場に向かったところ、マチネは中止になったと知らされる。ボックスオフィスに張り紙があり、装置の故障が理由とのこと。払い戻しもしくは他日程との交換に応じるということで、長い列ができていた。オーストラリア人は穏やかなのか、怒っている人は誰もいない。並ぶこと一時間(号泣)でやっと払い戻し完了。さて、ソワレのキャストはどうなるんだろうか・・・。

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これはホテルの部屋からの風景

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2007/05/13

5/4 Matthew Bourne's Swan Lake

Burswood Theatre

The Swan/The Stranger Thomas Whitehead
The Prince Dominic North
The Girlfriend Agnes Vandrepote
The Queen Sarrane Curtin
The Private Secretary Alan Vincent
The Young Prince Gavin Parsand

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パース公演初日は、1時間半と大幅に開演時間が遅れ、不完全な上演になってしまうと事前にお詫びがあった。初日は当然マスコミなども取材に来ているというのに信じられない事態が起きてしまったというわけだ。が、実際に上演が始まってしまうと、装置の不具合は感じられず、明らかに省略されてしまったのは大きな白鳥の踊りだけだった(この踊りが好きなので、ないのは非常に寂しかったが)。ただし、舞台に上がるダンサーの数は減らしていたようで、1幕の召使の数や、2幕・4幕の白鳥たちの数も明らかに少ない。


今日のザ・スワン/ザ・ストレンジャーは、初めて観るトーマス・ホワイトヘッド。ロイヤル・バレエのソリストであり、1年間という期間限定でこのツアーに参加している。幼年王子のベッドの上をみると、事前に聞いていた通り、背はあまり高くないが、細身で腕の動きが美しい姿が映し出されてホッとする。
ロイヤルでは、マノンの看守やジゼルのヒラリオン、眠りの狼、ドン・キのエスパーダといった、どちらかといえばキャラクター系の役が多い人のようだ。

女王役は、他のマシューの舞台では何回も観ているものの、女王役では初めて観るサラーン・カーティン。スワンレイクの女王役は、演じる人によってまったく異なった役作りとなる。前回の日本公演では威厳のあるニコラ・トラナ(元ロイヤル)が印象的だったけど、中には欲求不満の中年女のように演じる人もあれば、それぞれである。サラーンの女王は、白髪のメッシュも入れておらず、若く美しくほんのりセクシーだけど上品な色香のある女王。1幕から若い家来を品定めして引っ張り込んでいたりするのだけど、不思議とふしだらな感じは受けない。腕が美しい~。

王子は、アンダースタディのドミニク・ノース。非常に若くかわいいので、日本公演ではコール・ドだったにもかかわらずかなり人気があったダンサー。外見的には、幼さやイノセンスを残していて王子らしいのだけど、アンダースタディということもあって演技力は相当足りない。1幕では王子が思わず女王を襲ってしまう背徳的なシーンがある。美しい容姿の二人だというのに、全然ドキドキしない。う~ん。踊りの方も、日本公演では結構踊れると思ったのに意外と良くない。クラシック出身者なので、跳躍は高く、アンドオールはしっかりしているんだけど、この役は技術だけでは駄目ということか。この人、背中が案外硬いのかもしれない。

そして待望の2幕。トーマスのザ・スワンが素晴らしかった。小柄なほうだと思うけど、群れの中に紛れないのはさすが。腕の動きはまさに白鳥そのもので柔らかく優雅だ。今までのザ・スワンで一番、クラシックバレエのオデットの動きを連想させてくれるダンサーだと思う。肩から白い翼が生えているのが見えるほど。アンドオールは完璧、裸足の足のつま先はよく伸び、甲のアーチも発達していて非常にクラシカル。ほっそりしている上、金髪にブルーアイの美貌の持ち主だ。シャープなのだけど美しい、研ぎ澄まされたような鋭いナイフのような孤高のザ・スワンで、なかなか王子に心を開かない。だけど一度心が通じ合えたら非常に忠実な、兄のような存在となる、そんな感じの役作りだ。

ザ・スワンも王子もクラシック・ダンサーなので、さすがにコーダでの動きは二人とも美しい。トーマスは最後までスタミナ切れすることなく、完成度の高い見事な踊りを見せてくれた。こうなるとほとんど王子は目に入らない。

3幕は、久しぶりに見るダミアンのイタリアン・エスコートがユーモラスで最高だった。今回のツアーは日本公演から半分以上メンバーが入れ変わっていて、知らない顔が多くまだ個性を発揮するに至っていないのが少々つまらない。執事は、別の日にはザ・スワンを踊っているアラン・ヴィンセント。可もなく不可もない演技だけど、できればずっと執事役をやっていて欲しかったな。

で、トーマスのストレンジャー登場。これほどストレンジャー役が美しい人もいないんじゃないかというくらいの凛とした麗しさ。ほんの少しアダム・クーパー系だけど。でも、誰に似ているかと言えば、デヴィッド・ボウイにそっくりなのだ。薄い青い瞳に吸い込まれそうになる。背は高くないのだが、ほっそりとしていて顔も小さいので、プロポーションがよく見える。目ヂカラが凄い。とてもクールなのだけど、時折見せる笑顔がぞっとするほど冷たい。クールなので、フェロモン系ではないのだが、ルースカヤの曲のときのソロでは、軽くピルエット5回転はしていてこれがまた軸がぶれずにキレイだ。この人はシャープさと柔らかさが同居しているのがホント素敵。音にもすごくよく合っている。うっとり~。たぶんこのストレンジャーは、めちゃめちゃナルシストに違いない。自分のことしか愛していないのよね、絶対。

黒鳥のPDDの曲での、女王とストレンジャーのワルツ。サラーンは白い肌に真っ赤なドレスが映えてゴージャスだし、美しい二人が踊ると絵になることこの上なし。あえて難を言えばひょっとしてトーマスはリフトが苦手?女王と王子が入れ替わってのタンゴ。このタンゴの緊張感には息を呑んだ。トーマスの獲物を射るような目。美しいアラベスク。美しい足先。邪悪さ。

コーダの男女対抗ダンスでは、打って変わってトーマスはワイルドに野郎どもに声をかけて、これまたカッコよく音に気持ちよく乗って決めてくれた。オフバランスも絶妙。女王とのキスは、非常にディープ。錯乱した王子が連れ去られるところでの高笑いは徹底的に邪悪なのもいい。

4幕では、女王は打って変わって王子への愛情を覗かせ、王子がロボトミー手術を受けさせられているときには、大いに動揺し自分の罪深さにおののいていた。ベッドの下から出てくる白鳥は一羽のみで、全体的に白鳥たちの数は少なかったのでは。傷ついたザ・スワンはここでも孤高の存在で、最後まで凛と誇り高く、殉教者のように死んでいった。白鳥の大群に対しては、激しく闘志を剥き出しにして、驚くほどの高いジュッテを見せ、股関節の柔らかさを発揮したキックが鮮やかな軌跡を見せる。滅び行く者だけが見せる、死を前にした最後の輝き。

ドミニク王子は、さすがに自分が死ぬところの演技には身が入っていて良かったと思うのだけど、少しぼーとしすぎていた。アンダースタディで今までほとんど王子役は踊ったことがないので(もしかして初めて?)、あまり厳しい評価をするのは酷であろう。素質はあるし容姿も良いので、がんばってほしいな、と思う。

観客は上品な人たちで、パリで見たときほどの盛り上がりはなかったけど、それでも半分くらいの客はスタンディングオベーションで暖かい拍手を送った。終演は深夜12時。

この夜は、ほとんど麗しきトーマスに釘付け、それ以外ではサラーンの女王の美しさにもうっとりした一晩だった。不完全な形と言いつつ、大きな白鳥の踊りだけがなかったという最小限の変更にとどめてくれたことには感謝。

久しぶりに見ると、やっぱりこの作品は面白いなと改めて思った。特に3幕を、古典の白鳥の湖の人間関係と照らし合わせながら観ると、いろいろと発見がある。

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2007/05/12

Swan Lake at Burswood Theatre 5/4(開演前のお話)

てなわけで、賢明なる当ブログの読者なら推察できるように、私はマシュー・ボーンの「Swan Lake」を観るためにパースまで出かけていったわけです。

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開演時間の8時より15分ほど前に会場に到着。泊まっているインターコンチネンタルの隣なので、つい5分前まではクラブラウンジで飲んでいたわけですが、ドクターストップ中の身につきぺリエだけ。

チケットに会場時間は書いていなかったけど、通常15分前ともなれば席につけるはずなのに、扉の前には長い列。まだ入れてもらえないらしい。初日ということもあって、地元紙のカメラマンらしき人も何人書いて、ドレスアップした客をロビーで撮影していた。ここはカジノリゾートということもあり、観客の多くはお金持ちそうで、お洒落をしてきている人が多し。

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(これは人がいない時に撮影した会場入り口)

開演時間を過ぎても何のアナウンスもなく、待てど暮らせど扉は開かない。ロビーの脇に事務所があるので、時々そこに入っていく客あり。しかし、ここのお客さんは品がいい人が多いようで、文句を言ったりする人もほとんどいなくて、大人しく待っていたり、連れと談笑している。開演時間を30分ほど過ぎたところで、ようやく、係員から、あと少しで中に入れるという伝達が。

会場の中に入ってみると、かなり広い劇場で、特に横幅が広い。前の6列がフラットなほかは段差があって観やすそうだ。私は一番高いランクの席(138オーストラリアドル)を買ったところ、10列目くらいで縦位置としては観やすいのだけど、かなり端の方で、これで一番高い席?とちょっと疑問に思った。

大体の観客が席に着いたところ、赤い緞帳の間から、オーストラリアツアーのプロデューサーという男性が登場した。装置の故障で、開演が遅れたことのお詫び。最初は公演を中止にするという選択もあったが、裏方が頑張って何とか実現にこぎつけたとのこと。しかし、フルヴァージョンを上演することはできず、省略版になってしまうそう。それではイヤという人は、払い戻しもしくは振り替えに対応するそうで。この時点で100人位の観客が会場を去った。それからまた20分位して、再びプロデューサー氏が登場。席が空いたから詰めれば、という提案。前の方の席に移って来た人も多かったが、前方はフラットで見づらそうだし、ということで、いなくなってしまった隣二席分だけセンター寄りに移動。実際に開演したのは、9時半だった・・・・。

ということで、舞台についてはまた別エントリで。

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2007/03/20

マシュー・ボーンによるゲイ版「ロミジュリ」

マシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズはちょうどニューヨークのBAMで「シザーハンズ」の公演を行っている最中です。New York Timesの批評は結構辛口ですが、美しいスライドショーがついています。(要ログイン)

母国イギリスのTimes紙に、マシュー・ボーンのインタビューが。しかもタイトルがすごい。
Gay Romeo ballet gives Juliet kiss-off
ですよ。そのまんま直球ですね。

「二人の男性によるロマンティックでセクシュアルなデュエットは、見るのも踊るのも心地よいはず。でもそんなものは実際にできるかはわからないし、一度も見たことがない」と。

マシュー・ボーンの作品で一番大きな成功を収めたのは間違いなく「白鳥の湖」だけど、彼に言わせると、出演者の多くは人間を演じているわけではないので、真の意味でホモセクシャルな作品ではないとのこと。

ロミオとジュリエットの同性愛ヴァージョンはもっと挑発的な作品になるだろう。多くの批評家は、シェイクスピアの作品の中に同性愛的なものが潜在的に存在していると言っているのだから。彼のソネットの多くは若い男性に宛てられたものであるし、「ロミオとジュリエット」の登場人物であるマキューシオやベンヴォーリオについても、同性愛者ではないかという憶測がなされたことがあった。
ボーンは、今年の晩夏に何人かのダンサーとロミオの役作りについてワークショップを行い、それが上手くいけば全体のカンパニーで来年リハーサルを始めることを考えている。

もうひとつ、Independent紙にもインタビューが掲載されていました。こちらには、はっきりとプロコフィエフの音楽を使うと書いてあります。

私はFriends of New Adventuresというファンクラブに入っているのですが、早速担当の方からお知らせのメールが送られてきました。もともとはNew Yorker誌のインタビューに載っていたことなのだそうです。具体的なことが決まり次第、正式にお知らせをしてくれるとのこと。現時点では、この企画は実現するかどうかは未定であるということだそうです。

New Yorkerの記事はこちらです。

ということだそうで、とーっても楽しみですね!ボーンは音楽に振付を充てたり、さまざまな映画などからの引用を行う天才なので、どんなロミオとジュリエットになるか、期待が膨らみます。なんといっても、あのプロコフィエフの素晴らしい音楽に振付けるわけですから。ロミオとジュリエットのバレエといえば、私はマクミラン版を絶対的に愛していて、クランコ版も良いと思うけどそれ以外のものはちょっと・・・と思っているのです。おなじように思っている人はすごく多いと思います。そこへ、敢えて違う手法でチャレンジしようとするマシュー、どんなものを見せてくれるのでしょうか。

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2006/09/06

ニュー・アドベンチャーズ「Swan Lake」ロンドン・パリ他キャスト決定

Alan Vincent and Thomas Whitehead (by kind permission of the Director of the Royal Ballet) will share the role of The Swan / Stranger, Simon Williams and Matthew Hart will share the role of The Prince and Saranne Curtin and Nina Goldman will share the role of The Queen. Thomas Whitehead and Matthew Hart both make their debuts with New Adventures and will be performing in both Paris and throughout the London run.

マシュー・ハートと、大きな4羽の白鳥を前回のツアーで踊っていたサイモン・ウィリアムズが王子というのはかなりのサプライズ。ザ・スワンは前回のアラン・ヴィンセントと、ロイヤル・バレエのソリスト、トーマス・ホワイトヘッド。(Mikiさんのご指摘で修正しました。サイモン・ウェイクフィールドのことだったようです)

詳しくはここへ

追記:で、ここにきて、また大変なサプライズが.....

パリ公演以降のキャストです。

http://www.matthewbourne.org/swanlake_2006_2007_cast

なんと、クリストファー・マーニーが王子役に復帰です!アテネ、オーストラリア、モスクワ公演の王子を踊るそうです。今大変動揺しています。あわわわわ。

それと、執事役がアラン・ヴィンセント、レイン・ド・ライ・バーネットそしてアシュレー・ベインとはいったいどうゆうことでしょう!ザ・スワンと執事のダブルキャストなんて聞いたことがありません。急速に執事役が若返りましたね。

見逃せないプロダクションになりそうです。日本にも来るんでしょうか。

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2006/04/22

マシュー・ボーン「白鳥の湖」キャンセルの件について

Playbill Onlineに、Back Row Productions and NETworks Presentationsからのプレスリリースが掲載されています。
http://www.playbill.com/news/article/99237.html

4月21日にプロデューサーがツアーの短縮を発表したとのこと。ワシントンDC、トロント、フィラデルフィア、ボルティモアがキャンセルとなります。今後、パリ、ロンドン、オーストラリアとモスクワが予定されているとのこと。

Alan Vincent, Vicky Evans, Neil Penlington and Nina Goldman ・of the original Broadway cast ・star in the touring company.

The ensemble also includes Will Aitchison, Ashley Bain, Rain De Rye Barrett, Emma Bown, Cody Choi, Saranne Curtin, Leigh Daniels, Laurianne Delteil, Ben Dixon, Pia Driver, Aaron Francis, Peter Furness, Glenn Graham, Stuary Goodwin, Rebecca Jackson, Hendrick January, Simon Karaiskos, Daisy-May Kemp, Helen Moore, Alan Mosley, Mbulelo Ndabeni, Dominic North, Oxana Panchenko, Gavin Persand, Sam Plant, Edwin Ray, Victoria Sahakian-Rogers, Paul Rooney, Paul Smethurst, Toby Smith, Damien Stirk, Irad Timberlake, Jose Tirado, Agnes Vandrepote, Simon Wakefield and Chloe Wilkinson.

一部でホセがアメリカツアーで終わりという噂がありましたが、この記事を読む限りでは、モスクワまでは出演しそうです。(しかし現在のツアーメンバーの名前だし、なんともいえないところですね)

さらに追記:
ワシントン・ポストの記事によると、Networks PresentationsのCEOの方が、マーケットからの反応が思わしくないとし、200人しかいない観客の前でパフォーマンスを行うくらいなら公演を中止する、と判断したとのこと。LAやサンフランシスコでの好意的な反響に対して東海岸では、台詞と歌のないダンス劇というスタイルは受け容れられなかったとしています。

付記:元ABTのプリンシパルで現在アラバマ・バレエの芸術監督であるウェス・チャプマンがABTのバレエマスターに就任したそうです。
http://www.al.com/entertainment/birminghamnews/index.ssf?/base/entertainment/114552499234450.xml&coll=2

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2006/03/15

白鳥さんたちの行方

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」は現在全米ツアー中。現在は、ロサンゼルス公演の真っ最中なのだ。
このAhmanson Theatre劇場のサイトでは、マシュー・ボーンのインタビューも読むことができる。

そして、ぼちぼち批評なども出てきているのでご紹介。

LA Daily News
3つ星半となかなかの評価

ロイター通信
珍しく、ホセ・マリア・ティラードが出演した回のレビュー。ホセのことは「驚きべき」と大絶賛しているのが嬉しいところ。また、王子役のニール・ペリントンについても、踊りだけでなく演技も素晴らしいと手放しで賞賛。

Los Angeles Times
この公演で撮影された舞台写真があるのが嬉しいところ。4幕のスワンズや、跳んでいるアラン
批評そのものはかなり厳しいところも。振り付けと音楽のマッチングについては褒めているけど、衣装がしょぼい、とか、コメディが強引といった指摘も。そして、別の批評でも書かれていたけど、アラン・ヴィンセントへの評価も厳しい。セクシーで腕の動きも流れるようだとは書いてあるが、デザイナーのレズ・ブラザーストンが意図したスワン像とかずれていると。逞しく無骨な体は羽根の衣装が似合わない、マシューが意図しているであろう、ザ・スワンというカリスマ的な存在を際立たせるためのテクニックが不足しているという指摘は、当たっていると思う。

しかし、皮肉にもアランのインタビューがその前の週に掲載されている。知られざる彼の今までの歴史を知ることができてなかなか面白い。なんと、彼はまだ30歳なのである。そして、コンテンポラリーダンスを7歳から学んでいたが途中で断念して、アンティークの補修の仕事をしていたとのこと。しかし1年でクビになって、本当に好きなダンスの道に入り、1997年のマシュー・ボーンのオーディションを受けたのが始まりだったと。「クラシックバレエは退屈だし、足もターンアウトしていない」という彼だから、クラシックバレエ好きの日本のスワンファンにはウケが悪いわけだ。パリ公演で彼の出演している日には、日本人の観客が全然いなかったもの。しかしパリ公演では彼の演技を見てマシューが泣いたそうで。

スワンでの経験は98年にスワンNo.12(大きな白鳥さんですね)から始まったらしい。奥さんで、ツアーマネージャー、時々は王女役でも出演しているヴィッキー・エヴァンスとの出会いや、頼れる兄貴としてカンパニー内で尊敬を集めているという逸話もあってなかなか面白いインタビューだ。メイク中の写真も見られる。ぐっさんこと山口智充に似ていると言われ続けているけど、この記事ではクライヴ・オーウェン似と書かれている。腕などもけっこう毛深いですな。アメリカ人にはこういうマッチョで男らしいタイプが受けるんでしょうか。

ロサンゼルス公演は19日まで。次は21日からのサンフランシスコ公演で、これは1ヶ月と比較的長い。ツアー中の彼らの様子や批評は、Swan Lake Blogでちょっと読める。日本にもまた飛来してくれるかしら?

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2005/12/28

12/16 ジェイソン・パイパーLAST SWANその2

3幕でザ・ストレンジャーとして登場したジェイソン。一昨日と同じく、ほとんど笑わない、スナイパーのような目をした、黒い影のような異邦人。純真な王子はたちまち魅入られたように射すくめられてしまう。各国の姫君たちは吸い寄せられるようにストレンジャーと踊るが、相変わらずストレンジャーはにこりともしない。たとえばハンガリーの王女との踊りでは、王女はストレンジャーの革パンツをぴしゃりと叩く。今までだったらジェイソンは叩かれた尻を見てから観客の方を向いてにやりと笑うのだが、にやり笑いは消えていた。本当にストレンジャーは王女たちには全然関心は無いんだな、ってわかる。彼はこの舞踏会に送り込まれたテロリストであり、標的は王子だけなのだ。女王にだって、実はぜんぜーん興味はない。女王とストレンジャーとのパ・ド・ドゥは、女王が一人で陶酔していてとろけそうになっているけどストレンジャーはクールそのもの。そういえば、ここの振り付けはアジアツアーのとは変わった気がする。イザベルの演じる女王が重いのか、リフトが以前のような、女王を逆さまにするような高さではなくて控えめなものに変えられているのだ。

全然笑わない、冷酷なストレンジャーは、でも実は自分の弱さや底の浅さを隠すために虚勢を張っているような印象も与えた。銃を持つ人間は、恐怖があるから銃を持つのと同じで、攻撃は最大の防御とばかり、ストレンジャーは精一杯恐ろしいセクシャル・テロリストの振りをしている気がした。彼は、王子の純真さ、無垢さが怖かったのだ。だからこそ、王子に対してあんなにアグレッシブに振舞ったのかもしれない。ストレンジャーは、実はそんなに悪い人ではなくて、悲しい存在なのだ。

ストレンジャーと王子のタンゴでは、日本公演のときのようなサディストぶりは息を潜めているが、突き放したような冷たさと容赦のない攻撃性が感じられて、王子がかわいそうでたまらなくなる。見事にストレンジャーが女王を誘惑することに成功し、キスをしたところへ割って入る王子。日本公演のときにニール・ウェストモーランドなどは乱れた服装と髪で登場したが、こちらのニール(・ペリントン)はあくまでもきちんとした折り目正しい外見をしているのが、さらに切ない感じだ。そこへぞっとするような高笑いを見せるストレンジャー。

昨日、一昨日とちょっと大人しいかな、と思っていた男女対抗群舞合戦だが、この日はメンバー一同かなり弾けていた。前二日間はあまり大きくなかった「うぉ~」というかけ声も出ていたし。ここはやっぱりノリノリじゃないとね。クールなストレンジャーもここではノッていた。アランのストレンジャーはあまりここ、ノリノリじゃなかったのだ。

精神病院に担ぎ込まれた王子。かわいそうなくらい怯えていて、小さな体がますます小さく見える。「なんで僕にこんなことをするの」と激しい悲しみを見せていた。手術をされてしまって、横たわる王子を見つめる女王はちょっと心配そうだが、でもしかたなかったのよね~って感じで母親らしい優しさとは無縁の様子。

ついに4幕になってしまった。ベッドから這い出るジェイソンの傷ついた姿がどうしてこんなに美しいのだろう。肉体だけでなく、精神までも完膚なまでに痛めつけられている。傷ついた獣の中にある絶望的にやるせない愛がこめられた視線の優しさ。残された力を振り絞って立ち上がり王子を守ろうとするが引き離される。なす術もなく襲撃され傷つけられている王子を見て、地団駄を踏んで悔しがる。すでにここでザ・スワンは泣いていた。倒れた王子をくちばしで引きずり、頬を摺り寄せ、死んだと思って慟哭する。まだ息があった王子とザ・スワンが身を寄せ合い心を通い合わせるところで流れる温かい感情が好きだ。チャイコフスキーの白鳥のテーマ「情景」が流れ、白鳥たちが一羽一羽ベッドの上に飛び乗って恐ろしい群れを作る。その群れとユニゾンとなって翼を上下させるザ・スワン。そう、ここでザ・スワンの肩から再び羽根が生えるのが見えた。折れて羽根が抜けてボロボロにはなっているけど、しかしそれでも力強くはばたいている。力強さと傷ついた面を同時に表現するのは非常に難しいことだと思うけど、それが唯一できるのがジェイソンのスワンだと思った。
ベッドの上に追い詰められ、聖セバスチャンのように磔になったザ・スワンはここで再び真っ白に輝き、強い光を放ったかと思ったら王子の方に手を伸ばしながらも燃え尽き消えていった。
放心したように宙を見つめながらも、残されたわずかな力でザ・スワンの姿を求めた王子。その必死な姿に思わず涙が一筋目を伝う。だが、その生命の灯火はスワンNo.9のドミニクの一撃で消えた。

カーテンコールのジェイソンとニールは、素晴らしい舞台を踊り終えた満足感で、とても幸せそうな顔をしていた。はしゃぐわけでもなく、ただただ、いいパフォーマンスができたことの嬉しさが感じられる顔を見られたのは嬉しい。そして他の出演者もみな、とても嬉しそうだった。観客も皆立ち上がって素晴らしい演技を称えた。

パリでこのような素晴らしいパフォーマンスが見られてとても幸せだ。しかし、あまりにも完成度の高い舞台なので、立ち上がれなくなるほど動揺するとか、憔悴するといった気持ちにはならなかった。もしかしてこれ以上すごいSWAN LAKEを見ることはないのかもしれない。ジェイソンの踊りはこれ以上のことはないというくらい完璧で、一点の曇りもないザ・スワン、ザ・ストレンジャー像を確立した。おそらく彼も、もはやこれ以上のパフォーマンスはできないと考えていたのではないか。そして、やっぱり、首藤さんやクリス相手でも見たかったという思いを新たにした。もちろん、ニール・ぺリントンの王子もとても良い。だがパートナーシップとエモーションいう意味では、首藤やクリスとのほうが優れていたと思う。だから、満足はできたけど、心が震えるほどの感動はここには無かった。いつか、ジェイソンが三度ザ・スワンに返り咲いて、クリスと踊ってくれたらなあ…。

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2005/12/27

ジェイソンラストSWANの輝き

上演前に腹ごしらえと、ベニさんのパニーニ屋に行く。昨日行った時は遅かったのであまり客がいなかったが、さすがに夜7時ごろは大繁盛で大忙しの様子。しかし、あちこちから飛んでくる注文をさばきつつ、手際よくパニーニを焼いたり飲み物を取り出したり代金を受け取ったりするベニさんの仕事ぶりは芸術の域にまで達していて感心しちゃった。忙しい時にも決して愛想を忘れなくて、好感度大だ。

そしてついに、SWAN LAKEをみるのも最後の日となってしまった。今日は当初は観る予定ではなかったのに、初日に到着してから窓口で買ったら思いがけず良い席が取れた。睡眠も十分取ったし、腹ごしらえもしたし、用意は万端だ。

この日の王子は、王子役としては初めて観るニール・ペリントン。マシュー・ボーンの「くるみ割り人形」の来日公演でボンボン(フリッツ)やキューピッドを踊っていて、そのときはちょっとベン・スティラーに似ていて、とてもユーモラスな印象が強かった。そんな彼が、この作品での要というか感情移入のポイントと言える王子役を演じられるのだろうか?

しかしニールの王子は良かった。踊りも端正で丁寧だし、何より演技が上手だ。演技のタイプとしては、クリスに近いのではないかと思う。鬱々としている内向的なサイモンとは対照的に、感情を比較的ストレートに素直に出すタイプである。本当は普通の青年なのに、たまたま王室に生まれついてしまったため、様々なプレッシャーに押しつぶされそうになっているという感じだ。女王に対しては一丁前に反抗的なところも見せている。女王からの扱いは、昨日のサイモンに対しての方が冷たく、ニールに対しては母親らしい思いやりが少し感じられた。小柄で細身のため、ジェイソンとのバランスも良い。顔立ち的にも、ちょっとチャールズ皇太子系おやじ入り気味なのがこの役柄に合っている。
4幕、ザ・スワンが白鳥たちに殺されてしまった後の、感情を爆発させたような泣きっぷりも上手で、観ているこちら側も感情移入して涙が出てきた。
しかし、クリスに演技の性質が似ているだけに、クリスの王子が思い出されて、やっぱりクリスの王子は別格といっていいほど素晴らしかったとその幻影が頭をよぎってしまうのである。この日の王子がクリスだったらどんなに良いだろう。

もうザ・スワンは踊らないと言っているジェイソン、彼のスワンを観るのはこの日が最後になるであろう。そして、まさに渾身の演技を彼はここで見せてくれた。王子との相性も今日のほうが良かったし、圧倒的な力が全体的にみなぎっていた。2幕の登場シーンでの神々しいまでの輝き。聖なる野獣だったのが、もはや野獣ではなく、美しい肩から白い翼が生えているのが見えるほどだ。腕の動き一つとっても、波打つような滑らかなしなやかさ。鋭い視線。去り際に王子に振り向いたときの片脚バランスの長さと安定感。柔らかい野のシャープなキック。いつの間に彼はこんな高みに上り詰めてしまったのだろうか。そして、これは滅び行くものだけが持つ美しさであるということに気付いてしまった。

ジェイソンの白鳥は、予め自分の先が長くない、王子と出会ってしまったからには、待っているのは死であるということを知ってしまっている。残された短い生の中でいかに光り輝くか。そして王子を輝かせるか。その決意がザ・スワンの踊りの中に見えるから、ますます孤高の輝きを放つのである。ジェイソンの一つ一つのパを観るだけで、思わず涙ぐんでしまう。2幕はいい踊りがたくさんあるけれども、私はコーダが一番好きだ。(その次にはビッグ・スワンの踊りが好き)ザ・スワンと王子の魂が共鳴し、高まっていくクライマックス。そしてザ・スワンが「オレについてきているか」と王子に振り返る慈愛に満ちた視線。つられて王子もとても美しく踊るのだ。ニールとジェイソンは見事な対になって、素晴らしいハーモニーを奏でていた。二人とも背中が柔らかく、腕も脚も後方へすっと伸びて美しい弧を描いていた。このコーダはこうでなくっちゃ。

(つづく)

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2005/12/25

12月15日SWAN LAKE二日目

今日のザ・スワンはアラン・ヴィンセント。一昨年の韓国公演でザ・スワンを演じたところ「地を這うようなジュテ」「腹がベッドに引っかかって出てこられなかった」「土俵入りのようなプリエ」「オリヴァー・カーン似」など散々な評判だったお方である。その前評判のせいか、今日は日本人の観客の姿をほとんど見なかった。私たちの前の2列は丸々空席となっているなど、客の入りは良くない。その空席を見つけて移動してくる人が多数。

幼い王子のベッドの上の窓に現れるザ・スワンの影。なんだかとてもでかい。1幕で一瞬だけザ・スワン役のダンサーが後姿で出演するシーンがある。褌一丁で、女王に贈られた彫像としての登場だ。この彫像、ジェイソンが演じるとまさにギリシャ彫刻って感じで美しいのだが、こっちはウエストのくびれがなくてあちゃー、これはオッサンの裸だって感じだった。

ところが、2幕で白鳥を踊らせて見ると、これが案外悪くない。胴体が太いのはまあ仕方ないんだけど、大柄なだけあって腕が長く、しかも意外と柔らかい。跳躍にしても、ちゃんと跳んでいるし、バレエダンサーではないからアン・ディオールしていないもののアラベスクの脚は高く上がっている。この白鳥の場合、足音をさせてしまって問題はないわけだし。力強く男らしい白鳥(というよりは半分人間の半分トリって感じだが)で、これはこれでアリだな、と思った。難を言えばやはりクラシカルダンサーではないので背中が硬いことだが、まあそれを求めるのは酷であろう。頼れる兄貴感が充満していた。王子役のサイモン・ウェイクフィールドもどっちかといえばかなり太めなので、なんというかデブコンビで切なさがちょっと伝わりにくい。4幕でザ・スワンはあまり弱っていなくて、襲われていても死にそうにないように見えたし。でもちゃんとスムーズにベッドの中から出てきたし、俺に任せろ、と雄雄しくスワンズと戦っていて男前であった。しかしこれでは泣けない。

ストレンジャーに関しては、独特のオレ様セックスアピールがあって、個性的だけど魅力的だったのではないかと思う。マシューがアランというダンサーを重用する理由の一つは演技力というのがあル用に思えて、ジェイソンが今では決して見せなくなってしまったユーモアも感じられるし、彼にしか出せない色気があったのは確か。

幼年王子&木こり&スクールボーイ&四羽の小白鳥は、今回ニューキャストのウィル・アチソン。小柄でルックスはなかなか可愛らしいし、幼年王子としては悪くないのだけど、木こりの踊りと演技は今一歩か。ガールフレンドは、Agnes Vandrepote(フランス人だからアニエス?)。前日のリー・ダニエルズが天然キャラの頭の弱そうな可愛さがあるのに対して、もっとお笑い方面に走った、ちょっと蓮っ葉な感じで演技もオーバーだ。そのオーバーな演技は、オペラハウスのシーンでパリの観客に相当受けていた。個人的には、ガールフレンドはちょっと薄幸そうな感じのほうが好き。前回キャストのソフィアのような。

全体的に、1日目がアジアツアーのキャストがほぼそのままなのに対して、新しいメンバーが多かった。イタリアのエスコートはダミエン。ダミエンは踊りは美しいけどイタリアはやっぱりピーターの方が面白くて好き。スペインのエスコートはコーディで、持ち前の顔芸がこれまたフランス人に大受けだった。
4幕のスワンNo.9=とどめスワン、新メンバーのポール・ジェームズ・ルーニーはいまいちだった。やっぱり前日美しいトゥール・ザン・レールで王子にとどめを刺したドミニクの優雅さには到底かないっこない。

そんな感じで、思っていたほどは悪くなかったけど、感動というところまでは行かなくて、それは観客も同じだったようでスタンディングオベーションをした客は昨日よりもずいぶんと少なかった気がする。

終わった後、腹ごしらえでもしようかと思ったけど近くのカフェは高そうで躊躇した。すると、カフェの外の出店に、寒いの中パニーニを焼いている威勢のいいおにいさんが。値段も安いしとても美味しそうだ。とてもフレンドリーで、「イチ、ニー、サン」って日本語で話してくる。自分の名前は「ベニ」とカタカナで書いて自己紹介までしてきた。「トーキョー?オーサカ?」と聞いてきたり。そこで焼いてもらったアツアツのパニーニをホテルの部屋で食べたら、パンがカリッとしていて、もちもちのチーズ、それにチョリソーが見事なハーモニーで実に美味しかった。美味しいものに出会えると本当に幸せ~。

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2005/12/23

そしてSWAN LAKE一日目

MogadorSmall

待ちに待ったモガドール劇場でのニューアドベンチャーズ「SWAN LAKE」 (マシュー・ボーン版)
モガドール劇場はガルニエから程近いモガドール通りにあるのだが、夜になると娼婦が立っていたりと実はそれほど風紀がよろしいところではない。でも、劇場自体は中くらいのサイズながらクラシックなヨーロッパの劇場という感じで雰囲気はある。クロークにコートを預けたらなんと2ユーロも取られた。パンフレットは15ユーロもする。目新しい写真の1枚も無いのに…
Mogador2

私たちはR列なので1階でもかなり後ろの方だけど、この劇場はこじんまりとしているので、舞台からはかなり近い感じがする。オーチャードホールだったら15列目くらいといった感じだろうか。オペラグラスを使う必要はほとんど感じられない。舞台もかなり小さいくて、韓国のLGアートセンター寄りも少し小さいくらい。でも一応オーケストラ付きなのでオケピもある。段差はそれほどは無いので前の人の座高が高いとちょっとかぶってしまうが、オーチャードよりはかなりまし。

マシュー・ボーン版のSWAN LAKEについては今までも散々書き散らかしてきたから今回はそんなに詳しくは書かないけど。

ジェイソン・パイパーは良かった。この日はちょっと疲れが見えたのと、王子がいつもはあまり組んでいないサイモンだったので、コンビネーションとしては今ひとつだったかもしれない。が、冒頭の王子のマドに現れるところから、腕がとにかくすごく柔らかくて驚かされた。クラシックダンサーよりも上かもしれない。踊りが、とても完成度が高いし、非常に安定している。スタミナ切れも感じられず、精悍で力強いのに優雅で高潔、成熟が感じられた。以前の"狼"的なシャープな印象は薄れたが、強く雄雄しく美しい。

後ストレンジャーがすごく怖くてテロリストって言葉がぴったり。今までは遊びの部分、軽薄なところも見せて陽気なラテン系のストレンジャーだったのに、3幕の最後で女王と抱き合って高笑いするまではにこりともしなかった。

王子を踊ったサイモン・ウェイクフィールドはロイヤルバレエスクール出身だけあって踊りが美しい。綺麗にアンディオールしているし伸びやかな動きを2幕では見せてくれた。ただし、ちょっと小太りなので、いたいけな面は感じられなかった。パンフレットに載っているプロフィール写真だとほっそりとしてハンサムなのにね。
演技のほうは悪くなかったけど、内向的ですごくダメダメでださくてイケていない王子という感じだった。とにかく内側にこもりがちで。

女王はオカメインコことイザベル。韓国公演で見たときはとても鈍重で、それなのに若い男に飢えている中年女って感じだった。今回も中年女のいやらしさというのを憎たらしいほど発揮していて、それはそれでよいかな、と思った。王子に対しては徹底的に冷淡で、ストレンジャーと踊っているときにはウハウハしている。サイモン王子の母親だったらこんな感じだろう。

幼年王子と木こりのギャヴは相変わらず良い。特に木こりのユーモラスさはもはや芸術品といってもいい。公演直前に怪我をして降板したヘンドリックが女王のエスコートやアフロの男、スワンNo.8で復活したのが嬉しい。ピーターさんは相変わらずビッグスワンでは迫力満点の踊りを、そしてイタリアのエスコートでは最高に可笑しい演技&ひっぱたかれながらのダンスを発揮して目を釘付けにさせた。でも、今回一番目立っていたのは、ビッグスワンを踊った、2003年アジアツアー組のダミエン・スタークだろう。なんてこの人の踊りは美しいのだろう。ほっそりとして優雅な腕の使い方は、女性顔負けである。柔らかい背中、高高としなやかに上がる脚、群舞のどこにいても際立っている。いつかザ・スワンを踊れるのではないかというカリスマ性を持ったダンサーだ。新しい人では、ビッグスワンの一人を踊ったトビーが魅力的だった。やっぱりビッグスワンの踊りは、男性群舞の中でも、とてもパワフルでカッコよくて大好き。

パリの観客は、やはりツボが日本人とは大分違うようで、ストレンジャー登場のシーンやタンゴで女王と王子が入れ替わるところで笑ったりする。ガールフレンドのリアクションや4羽の白鳥の踊りも受けていた。
時差ぼけ、席がやや遠いこと、劇場の空気に慣れないことなどがあって、日本公演の後半ほどの感動は得られなかった。だけど、懐かしい家に帰ってきた、そんな気持ちになった。やっぱりスワンは面白いし大好きだ。あと2回観られると思うと幸せ!

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2005/08/28

マシュー・ボーン「白鳥の湖」2005/2006ツアーキャスト

New Adventuresのサイトで発表になりましたね。

The Swan/Stranger --
Jason Piper
Alan Vincent

The Prince --
Simon Wakefield
Neil Penlington

The Queen --
Oxana Panchenko - 1st 6 weeks of USA tour
Isabel Mortimer - some UK weeks plus 2nd half of Paris
Saranne Curtin - some UK weeks plus 1st half of Paris

The Girlfriend --
Leigh Daniels

The Private Secretary --
Alan Mosley

ところで気になるのは、王子のアンダースタディ。サミュエル・プラントとドミニク・ノースだよ。
ドミニクは将来のザ・スワン候補と言われているようだけど、まずは王子か!
今回の新しい王子、ニール・ペリントンはいまいちいじけているルックスが気に入らないし、もうひとりの新しい人は情報が入っていないのでなんともいえない、ということは、代役二人の方が見たいかも!
さらに、スワンNo.3にグレン・グラハム、スワンNo.4にピーター・ファーネス。これってザ・スワンのアンダースタディってことなんでしょうか?ピーターさんダイナミックな踊りで好きだけど、癒し系のルックスなのでザ・ストレンジャーが想像しにくいんだけど。しかも執事のアンダーでもあるし。

それと、ホセ。実はホセがパリ後半から出るらしいという情報をつかんでいたので、真相はいかに?勅使河原さんの公演との重なり具合を見ると、たしかに12月中旬からはスケジュールは空いているようだけど。

出ないつもりだと聞いていたキャストも今回出演しているし、なかなかそそられるんだけど、でもアランのザ・スワン…う~む実際この目で見ていないからなんともいえないけど。ジュテが地を這うようだったと聞いているだけに不安だ。アランがダブルキャストで入っていると聞いた時点で(そしてクリスが出なさそうな時点で)、ロンドンやパリまで出かけて観に行く可能性は大幅に減ってしまったのが正直なところ。

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2005/06/06

5月28日20時「白鳥の湖」詳細キャスト

5月28日(土)20時開演
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー ホセ・ティラード 
王子 ニール・ウェストモーランド
女王 キャンディス・エヴァンス
執事 ピーラー・ファーネス
ガールフレンド ソフィア・ハードリー
幼年王子 ギャヴィン・パーサンド

白鳥 アダム・ルザフォード、サイモン・カライスコス、ベン・ディクソン、コーディ・チョイ、イラド・ティンバーレーク、サム・プラント、フランチェスコ・ダスティシ、ジョー・コラサンティ、サイモン・ハンフリー、ドミニク・ノース、アシュレイ・ベイン、レイン・ド・ライ・バーネット、クリス・キーリー、サイモン・ウィリアムズ

王女 フランス メリアム・ポーリアン、ルーマニア カースティ・マザー、スペイン ピア・ドライヴァー、ハンガリー キャンディス・エヴァンス、ドイツ ローリアン・デルトゥイユ、イタリア トレイシー・ブラッドリー、モナコ エマ・バウン、バッグレディ エリザベス・ミシュラー

スワンクバーの出演者
ライラックのカツラの男:アシュレイ・ベイン クラブ・オーナー:サイモン・ハンフリー ポップ・アイドル:ドミニク・ノース ジョー・オートン:ベン・ディクソン 水兵:サイモン・カレイスコス、サミュエル・プラント ポン引き:フランチェスコ・ダスティシ イーストエンド・ギャング クリス・キーリー、イラド・ティンバーレイク

4羽の小白鳥
アダム・ルザフォード、サイモン・カライスコス、ベン・ディクソン、コーディ・チョイ
ビッグ・スワン
アシュレイ・ベイン、ジョー・コラサンティ、レイン・ド・ライ・バーネット、サイモン・ウィリアムズ

女王のエスコート ジョー・コラサンティ(レイン、クリス・キーリー、アシュレイ、サイモン) コーギー散歩係 ベン・ディクソン

エスコート
フランス ドミニク・ノース ハンガリー レイン・ド・ライ・バーネット イタリア クリス・キーリー、ルーマニア サイモン・ハンフリー、 スペイン:コーディ・チョイ、モナコ フランチェスコ・ダスティシ

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2005/06/05

「白鳥の湖」韓国公演キャスト5/28詳細

5月28日(土)15時開演
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー ジェイソン・パイパー
王子 クリストファー・マーニー
女王 イザベル・モーティマー
執事 アラン・モーズリー
ガールフレンド ソフィア・ハードリー
幼年王子 サイモン・カレイスコス

白鳥 コーディ・チョイ、ベン・ディクソン、ギャヴィン・パーサンド、ショーン・ウォーターズ、サム・プラント、ジョー・コラサンティ、イラド・ティンバーレーク、ニック・カフェツァキス(注意:実際には出演せず)、ドミニク・ノース、デヴィッド・リース、レイン・ド・ライ・バーネット、グレン・グラハム、アシュレイ・ベイン、クリス・キーリー

王女 フランス ピア・ドライヴァー、ルーマニア エマ・バウン、スペイン トレイシー・ブラッドリー、ハンガリー キャンディス・エヴァンス、ドイツ ローリアン・デルトゥイユ、イタリア カースティ・マザー、モナコ ヘザー・レジス・ダンカン
バッグレディ メリアム・ポーリアン

スワンクバーの出演者
ライラックのカツラの男:レイン・ド・ライ・バーネット クラブ・オーナー:ドミニク・ノース ポップ・アイドル:サイモン・ハンフリー ジョー・オートン:ギャヴィン・パーサンド 水兵:ベン・ディクソン、デヴィッド・リース ポン引き:イラド・ティンバーレイク イーストエンド・ギャング クリス・キーリー、サミュエル・プラント

4羽の小白鳥
ベン・ディクソン、デヴィッド・リース、ショーン・ウォーターズ、サム・プラント
ビッグ・スワン
アシュレイ・ベイン、クリス・キーリー、レイン・ド・ライ・バーネット、グレン・グレアム

女王のエスコート ジョー・コラサンティ(レイン、クリス・キーリー、アシュレイ) コーギー散歩係 ギャヴィン・パーサンド
トレンチコートのカメラマン コーディ・チョイ、クリス・キーリー レポーター サム・プラント パパラッチ グレン・グレアム カメラ小僧 デヴィッド・リース、サイン・ハンター ギャヴィン・パーサンド

エスコート
フランス サイモン・ハンフリー、ハンガリー グレン・グレアム イタリア アシュレイ・ベイン、ルーマニア ドミニク・ノース スペイン:ショーン・ウォーターズ、モナコ イラド・ティンバーレーク

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2005/06/01

帰ってきました。

睡眠1時間で仕事に行って、今日も11時まで残業。疲れました。

でも行ってよかった。この素晴らしい時間を共有してくれた友人たち、親切な韓国の皆さん、そして何よりもダンサーの皆様に感謝!

土曜日の2公演は素晴らしかった。マチネ、ニールとホセのタイミングが合っていなくて、今度は自殺未遂のシーンでホセがなかなか出てこなかったり。マチネのジェイクリはいうまでもなく良かった。ジェイ少し髪が伸びた?

日曜日マチネはなんかホセがちょっとだめっぽいな、と思っていたら2幕ヴァリエーションでやってしまった。ホセのこけるところは観るの2回目だったのだが、前回は何事もなかったかのようにリカバーしていたのに、今回はダメージがあったのか、リフトがまるでできなくなってしまって。
でもそれを一生懸命盛り立てているスワンズにもらい泣きして、2幕から泣けて仕方なかった。そんなぼろぼろのホセがストレンジャーでは打って変わってセクシーになって(でもテーブル回しは全然できない)
そんなときでも、3幕のホセの淫靡な魅力はすごかったし、ロシアの踊りのダイナミックでスピーディでしかもセクシーな動き、黒鳥PDDのときの高いソテ、クールで危ない魅力は炸裂していたよ。
そして4幕ではスワンズに攻撃されて弱っていき、ベッドの上で倒れこんで動かないホセを観て、もうたまらなくなってへたり込んで泣いてしまった。
カテコでは例によって?ものすごく嬉しそうなニールと、素に戻れないホセ。目の周りが真っ黒になるほど大泣きして、なんか大変な状態になってしまった。

ソワレは本当に凄まじかった。まさに渾身の演技と踊り。
ジェイもクリスも持てる最高のものを発揮していた。
クリスのコーダでのえびぞりジャンプは一度だけではなかった。なんども「ついてきているか」と王子を振り返るジェイソンスワン。
土曜日に一度もビッグスワンを踊らなかったピーターさんが、豪快にパワフルにやってくれた。彼のビッグスワンは最高だね!(土曜日のサイモン・ウィリアムズもよかったけど)持てる力のすべてを出し切って、この一瞬一瞬だけの美を見せてくれていた。必死に記憶に焼き付けた。
次の曲が始まっても鳴り止まない拍手。音楽の切れ間がないように思えた。

3幕コーダのヒューヒューうぉーっという掛け声の大きさ!そして女性陣は華やかに笑い声を立てて。今まで見た中でも一番ノリノリだった。これはもう、パーティだ。テーブル担当のスペイン君たちも本当に楽しそうでワイルドだった!せっかくピーターがイタリアン・エスコートなのにカースティがイタリア王女を演じていなくてバッグレディだったのが残念だったけど。でもトレイシーのイタリアも、しっかりとピーターを殴っていて、気が強そうで良かった。

そして4幕のジェイとクリス…ここまで凄まじい愛を見たことがない。王子とスワンが引き離される時の、体を引き裂かれるかのような悲しみ。スワンを失って、感情の塊となりスワンへの想いが昇華していくクリス王子の死は荘厳さすら感じた。
カーテンコールでひしと抱き合う二人。ジェイソンは泣いていた。そしてドミニクも、コーディも、もちろんクリスも。
赤いバラが投げ入れられ、晴れやかな表情の出演者たち。本当にありがとう。ついに終わったよ。

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2005/05/25

Korea Times翻訳記事

なんだか今週は妙に忙しい。メールとかがもう鬼のように来て、返事を書いているだけで夜中の3時くらいになってしまう。睡眠不足で顔色が悪いよ~。

Korea Timesの記事を翻訳してみました。もうみなさん記事のほうはとっくに読まれていると思うし、へっぽこ翻訳なんだけどよかったらどうぞ。元記事の写真、ホセもジェイソンもお茶目でかわいいよね。

http://homepage3.nifty.com/pyonpyon/jasoninterview.htm

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2005/05/24

KBSインタビュー・ジェイソン・パイパー編

ここ数日、KBSのサイトでスワンばっかり観ている。ロスを癒すにはこれしかないのだが、病気が悪化しているとも言う。この映像も多分消えちゃうので、観られるうちに見ておこうかと。

さて、ジェイソンのインタビューの聞き取りをしてみた。イギリス人の英語は、喋り方で階級や教養が出てしまうものだが、ジェイソンの英語は非常に知性を感じさせて、育ちがいいことを伺わせるものだと思う。私はロンドン育ちなので、ブリティッシュ・イングリッシュには弱いのだ。

Well, I've also done a lot of things. I used to work on a market store, for example. You know things just. I have studied in a university of life a while, and I feel that's a strength for me. Because I like to think I've got the intelligence to bring that to there, to make it strong in my role. Life experience really helps with this.

The implication of performing one of Matt's works, the responsibility is immense. It was a challenge initially I was worried about. Matt's work is very different. You still jump, you still lift people up. I think the classical ballet has a primary focus on technique and the story is secondary. I find with Matt's work the story is paramount.The story is upmost important. And cheography has given equal rights to that. No less, but certainly but. The fifth position you get in a ballet is kind of a bit wrong.They are gonna be kind of more characterful. They are more suggestful. Quite a passion for the wolf. Wolf is the animal that's my thing. That used to be my secret. That was my approach. I took a one look at the Swan and thoght wow! It's nice to be dangerous, and that was my thing to be a bit more extreme, more dangerous. He was not deliberate, it was just the way the part fitted me. Different people have different ways doing this art, and mine is the wolf. Mine is through the eyes of the wolf I see this swan and this was it.

My life is dedicated to the show as long as I doing the show and that's why I owould do it for a short time and do it well and then, leave to someone who is commited and do it well.

この訳もまた後ほど。いずれにしても、もうスワンは踊らないってことなのよね(泣)

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2005/05/21

KBSクリスのインタビュー聞き取り

ちょっとがんばってやってみた、クリストファー・マーニーのインタビューの聞き取り。わかりやすい英語を話す。かわいらしい外見とは裏腹に、ちょっと低い声で、少し訛っているのがまた素敵。

He got some great things happen to him. Great tragic.
The end is the climax and so dramatic. That's the great point the things he goes through.

The rejection from his mother, the scandal from the so-called girlfriend that has been set up the near suicide and falling in love, there's many aspects so it is great as a performer to get to this to perform that.

When they are together for the duet it is a sort of the first time they have this eye contacts when they come to following each others movements this is so beautiful to me I like this scene a lot There is one part that The prince climbs to the swan's back and the swan turns so that he sees the whole of auditorium
so it is sort of he showing the prince the lake and the swan's world through his eyes.

There's this solo that the prince does outside the nightclub when he come out and he's a little bit drunk
it is right to the front of the stage and the first venue we went to is one of the small theaters in England outside London so the area I had was one panel of the floor so that was a pretty scary incident. The orchestra pit, there was no orchestra it was a recording, the orchestra pit was open. There was this tiny stage to dance with this a huge drop so it wasn't ideal but we can laugh about it now.

I am sure that They remember this Swan Lake for the story and how was they made to feel but I think is important that they can come to see it and let themselves express any kind of emotion and not be afraid to do this because they can laugh in this ballet and they can cry and they can get into the story and they can clap in the middle. They can really. They are free to do whatever they want to.

翻訳はそのうち。

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KBS番組リスニング

さて、白鳥フリークの中には、昨日韓国KBSサイトと悪戦苦闘した方も多かったのでは?
何を隠そう私もその一人で、18日放送分、生で観ることは(最後の15分だけだけど)できたのですが、その後もう一度観たいと思って一晩費やしちゃって、やっと観れたけどその一度きりで、その後はまた観ることができなくなっています。
もうひとつの方の番組(17日放送分)はなんとか観ることができました。でも保存はできないんだけど。

内容としては、バーレッスン風景(ニール、ピーターさん、ジェイソン、ドミニク、ジョーなどを発見)→ホセのメイクシーン(背中を白く塗り塗り&白鳥メイク)→羽パンツを着たホセの大開脚、ストレッチシーン→衣装に着替えて舞台へと向かう白鳥さんたち(ディヴィッド、クリス・キーリー、フランチェスコなど)→ジェイソンとクリス・マーニーの記者会見→ジェイソンのコメント→映像(残念ながらDVDのもの)という流れで約3分。でも、レッスンの映像や白鳥さんたち舞台へ、はマジ貴重だと思う。

で、ジェイソンのコメントを聞き取ってみた。
I find male dancers are exciting to watch. Anyone who thinks that dancing is for girls and females hasn't seen the right show or any show. Male dancers are just brilliant when they are good. It's the best thing to see. That's what we celebrate.
短かったですね。
18日放送分ではもっといろいろ語っていたんですが。(クリスのインタビューもあったし)

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「白鳥の湖」韓国公演キャスト一覧

暇だったから、というわけではないんだけど、今までの韓国での10日間のキャストを表にして作ってみました。表になっていると、1番スワンはやっぱりコーディが一番多いとか、とどめをさすスワンNo.9はサイモン・ハンフリーとニックだな、とかいろいろわかって面白いかもしれない。

そして今日は、やっとヘンドリックが復活だよ。先週末にヘンドリックを一度も観ることができなくて、しかも神戸でも体調崩していたりしたので、嬉しい。やっぱりアフロの男は、スタイルが良くて動きがシャープなヘンドリックが一番。クリスも一安心だね。

ついでに「バレエ好きへの100の質問」もやってみたので、お暇な方はどうぞ。こういうときに教養のなさがばれてしまう気がするが。

そう、実は今日は家に帰ってからずっとハングルと格闘。KBSのスワン特番を見るのに四苦八苦したのだった。しまいになんとか観ることができたものの、あの素晴らしいビッグスワンの踊るを観るために、そしてクリスのインタビューも内容を確認するためにもう一回観ようとしたら、急に見られなくなった。ショックだわ。
保存もうまくできないし。

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2005/05/20

白いトリ再び

神戸での3回の舞台は泣きっぱなしで大変だったけど、ここではあまり泣かなかった。大好きなジェイクリコンビでも、王子の死のところで涙を流したくらいで。

というのも、一つには観客の質の違いというのがある。2年前にここで観た時も感じたのだけど、ここの観客はものすごく一つ一つのことに反応する。おかしい時には激しく笑うし、たとえば執事が銃を取り出して撃った時にはびくってびっくりする。4羽小白鳥の踊りや、スペインの踊りでダンサーたちがヘンな顔をして踊るところはみんなどっかんどっかん笑っている。するとこちらもつられて必然的に笑っちゃって、そうすると、笑いを取る細かい芝居に目が行ってしまったりして。しみじみと感動するという見方がしにくいところだ、と思ってしまった。多分踊る側にしてみれば、反応が大きくて嬉しいんだろうけど。舞台の内容は良いのに、泣けない。

舞台が非常に狭い。 ホセは体が大きいこともあってか、4幕の一羽ずつ登場するシーンで飛び出すコーディやアダム(1番スワンの位置)にぶつかられていた。ダンサーもみんな、ここは踊りにくいって言っていた。

が、観客のノリのよさに引っ張られてか、白鳥たちは元気いっぱいに踊っていた。2幕の4羽の大きな白鳥の踊りのパワフルさには圧倒される。サイモン・ウィリアムズが一度も出なかったのは残念だったが、ピーター・ファーネスの大きな白鳥のダイナミックでパワフルな動きには釘付け。彼のビッグスワンを4回見られたのはすごくよかった。大クリスも大スワンを踊らなかったのが少し物足りなかったけど、その分ピーターに集中できた。4羽の小さな白鳥の踊りでは、アダム、ベン、ショーン&コーディというコーディ以外極悪小白鳥組が飛び跳ねる。特にベンの動きがとてもいい。

そしてなんといっても、3幕の通称“ウェストサイドストーリー”こと男女対抗ダンス合戦のノリの良さといったら。日本公演でも東京の楽や神戸では、群舞のところで男性陣のHey!というかけ声が聞けるようになったけど、ここでのうぉーって咆哮のようなかけ声はすごかった。本当に楽しそう。

勢いという意味では、4幕の白鳥たちがザ・スワンに襲い掛かるところの迫力と攻撃性もより一層増した気がする。特にザ・スワンの羽根をむしり噛み付き頭突きを食らわすピーターさん、すごいよ。公演回数を相当重ねてきたからか、このあたりのアンサンブルの一体感はすごい。ベッドに大勢乗っかった白鳥たちとザ・スワンが対面するところのユニゾンの動きはまさしく鳥肌もの。

ピーター&カースティの過激イタリアコンビも3回登場して、本当にピーターファンには満足度が高かった。この最高に笑えるイタリアはもちろんここでもとても受けていた。エリザベスのイタリアや、ヴィッキーのドイツ、そしてトレイシーのガールフレンドなど女性陣のキャストはかなりシャッフルされていたけど、やっぱりカースティ&ピーターのイタリアコンビは最強。ピーターのユーモラスな演技と、カースティのキュートなセクシーさ。ピシャっとキマる顔面平手打ち。

アクシデントもいろいろあった。
前述の4幕ホセに小白鳥衝突。2幕冒頭、ニール王子が入水自殺しようと遺書を書いている最中に、ホセが早く出すぎて、飛び込もうとする前にザ・スワンがいるものだから自殺未遂できない王子。一瞬素に戻って驚いているニールと、何事もなかったかのように悠然と翼を広げるホセ。ホセらしいわ。

3幕の女王とザ・ストレンジャーの黒鳥PDD。ここで女王が黒い手袋を脱ぎ捨てて投げ、白い腕を露にしてセクシーな踊りをストレンジャーと踊るわけだが、イザベル女王の投げた手袋が高く飛びすぎて、柱の途中に引っかかってしまい、白い柱に黒い手袋が引っかかったままの状態で踊りとドラマが繰り広げられるのはちょっとだけ間抜けだった。

1幕のコーギー(わんこですな)散歩シーンが2回なくてはならないのに、散歩係のショーンが2度目に出てこなかったことがあった。そのため、ガールフレンドとコーギーとのからみもなくてちょっと寂しかった。

女王はニコラ・トラナが帰国してしまったのでキャンディスとイザベルの二人体制。キャンディスはいつもはハンガリーの王女を演じている長身の絶世の美女。若くて恐ろしいほど美しくてちょっと冷たい感じの女王だ。多分身長が180cmくらいあるので、ホセニールのデカコンビの時にしか出演できないのだろう。一方、イザベルの方は背はあまり高くなくて、ちょっと重そうである。もちろん太っているわけではないんだけど、ホセもジェイソンもリフトするのに苦労していた。

肝心のジェイソン&クリス、ホセ&ニールについてはまた日を改めて。

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2005/05/13

5/3 白鳥の湖神戸公演その4

ジェイソン・パイパーの魅力の多くは、彫刻のような肉体美とともに、彼のシャープなのに時として慈愛、深みを感じさせる眼力がもたらしているのだと思う。2幕のワイルドで聖なる野獣のような、高貴な野生を宿したジェイソンスワンにはたまらない魅力があるが、4幕の瀕死のジェイソンの悲しみを宿した瞳には、胸の奥底深くに眠る感情を刺激してやまない、幾千もの言葉を連ねても表現できない、あまりにも悲しい美しさがこめられている。

青白く輝く肉体に刻まれたいくつもの傷。ザ・スワンは弱った自分の姿を王子に見られることを恥じているかのようだ。王子に生きる歓びを教えた、強く雄雄しいザ・スワンはここにはいない。ザ・スワンは、こんな姿にされてしまい、そして死ぬことを恐れている自分を王子に見て欲しくなかった。だけど、そんな彼に王子は子供のように擦り寄って、その脚にすがりつく。ここでザ・スワンも、そして再びザ・スワンに会えた王子も安堵する。しかしそんな一瞬の安らぎは、白鳥たちの攻撃で断ち切られる。ザ・スワンから引き剥がされる王子はベッドから転げ落ちる。ザ・スワンも王子もお互いの手をつかもうと腕を差し出すが、ギリギリのところで届かない。白鳥たちに攻撃され弱っていく王子を見ても、自身が弱っていてどうすることもできないザ・スワンは、まるで自分自身が切り裂かれ痛めつけられているかのように苦しみ、ベッドの上で激しく悔しがる。残された力を振り絞って白鳥たちを蹴散らしたザ・スワンは、王子が動かないのを見て彼が死んだのではないかと思い、天を仰ぎ涙を流し崩れ落ちるように慟哭する。王子が彼に向かって這い出す。ザ・スワンは王子を堅く堅く抱きしめる。クリス王子は赤ちゃんに帰ったかのように、穏やかな表情だ。

しかし、一羽、一羽とベッドの上に白鳥たちが飛び乗っていく。シャーっと威嚇するコーディの白鳥。白鳥たちの群れとザ・スワン、対峙する彼らの翼の動きがユニゾンとなって、鳥肌が立ちそうなくらい美しくも恐ろしいシーンだ。ザ・スワンの最後の飛翔は、もうわずかしか残されていない力を振り絞って、王子を守るために戦う姿である。ザ・スワンにとって王子は自分の中の無垢な部分を象徴するものであり、王子を失うことは自分の体が引き裂かれてしまうことを意味しているのだ。それは王子にとっても、同じこと。ザ・スワンはいつしか、王子自身の一部となっていたのだ。同じ人間としてありえないと思えるほど、クリス王子は体をよじり、色んな方向に捻じ曲げてのた打ち回る。
戦う前からひどく痛めつけられていたザ・スワンは、磔にされたキリストのように大きく翼を広げたあと、どんどん弱っていき、白鳥たちに羽根をむしられ噛み付かれ、王子に「君を守ることができなくて本当にごめんね」とあふれるばかりの愛をこめながらも悲しく苦しげな表情を浮かべ、ベッドの中に沈んでいく。まるで咲き誇る大輪の花が一気に散っていくように。ジェイソンの体が力強く美しいほど、その若く美しいものが死んでいく姿が悲しい。

火がついたように号泣し始める王子。こんなにも激しい悲しみを舞台の上で観たことがあっただろうか。大粒の黒い涙を滝のように流し、体をよじって全身で泣いている王子は、スワンの名前を叫び、狂ったようにベッドの周りやベッドの中を、ザ・スワンの姿や残り香を求めて探し回る。ザ・スワンというのは王子にとっては生きることのすべてを意味している存在だった。そしてザ・スワンとは彼自身のことでもあった。ベッドの上に佇んで体中の水分を流しきった王子は、「そうだ、死ねばスワンと一緒になれる」ということに気がつく。彼は再び、右腕を前に差し出す。あの世へと旅立ったザ・スワンに連れて行ってと求めているように。そしてクリスは、日本公演で初めて、死を目の前にして一瞬穏やかな微笑を見せる。キラースワンにとどめを刺されたとき、満足そうな、子供が眠っているような顔で彼はこの世に別れを告げる。死というものがこんなにも幸せであったということは、なんと悲しいことだろう。ここでのクリスの、心境の変化をつぶさに見せる内省的な演技が素晴らしい。

私も、自分の体中の水分がなくなってしまうんじゃないかと思うほど、泣いた。体の中に泉があって、そこからこんこんと湧いてくるように涙がとめどなく流れ落ちる。階段も上がれないほど憔悴しきった。

全身全霊で、持てる力と感情をすべてを出して、この役を演じきったクリスとジェイソンに乾杯。

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2005/05/12

クリス・マーニー出演、歌劇「タヒチ島の騒動」

「白鳥の湖」で王子役を演じたクリストファー・マーニーが出演しているというオペラ「タヒチ島の騒動」のDVDが入手できるということで、早速注文してみた。

レナード・バーンスタイン作曲のオペラで、BBCが製作したテレビ用の短編作品(41分)。50年代のアメリカ郊外を舞台に、倦怠期にある夫婦の騒動を辛らつに描いている作品、ということなのだが時間がないのでとりあえす早送りして、クリスの出演シーンを探した。一応IMDBにも載っていて、クレジットに確かにクリスの名前がある。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007JGMI/qid%3D1115334037/249-1326184-4019553

実際のところ、クリスの出演シーンは5分あまりだった。主人公の男がスポーツジムに行って体を鍛えながら歌うというシーンに、クリスは登場する。男ばっかりでけっこう妖しい雰囲気。クリスは袖が黄色いTシャツを着ていて、黙々と重量挙げをしたり腹筋をしたりしている。でも、それっぽい人だと目星をつけて、コマ送りで見てようやく彼だと認識できたって感じ。4年前の作品なのでクリスは21歳。さすがに髪の毛はふさふさしている。かわいい。

それからなぜか主人公はシャワールームに行って、そこにはいっぱい男性のお尻が登場する。ただし後姿なので、そこにクリスがいたかどうかはわからない。裸なのに歌を歌っていて、かなり間抜けなシーン。最後主人公はジムに行って、そこで男6人がトレーニングウェア姿で踊っているのだが、その中にクリスもいる。後列なので顔がわかりづらいがさっきと同じシャツを着ているのでそれでわかる。かなりへんなダンスだ。2年前の「白鳥の湖」で執事を演じたリチャード・クルトも出演しているはずなのだが、どこにいたのかはわからない。

いじょう。

作品自体はウィーンのTVアウォードを受賞していて評判はいいらしいので、時間があるときにちゃんと観よう。
これだけのために送料込みで4000円はビミョウだった。でも一応お宝映像になるのかな?

追伸:本家サイトにクリストファー・マーニーのファンページを作りました。といっても情報全然ありませんけど。良かったら見てくださいね。英語版作らなきゃ。

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白鳥の湖韓国公演5/11キャスト

つうわけで、韓国2日目のキャストです。
コーディが出ていないのが気になります。スワン1はギャヴくんですね。
そしてまたヴィッキーがドイツ王女で登場ですね。女性陣はキャスティングに苦労しているようです。
やっぱりイタリア王女はカースティにやってほしいものです。ピーターとカースティのイタリアコンビはこのプロダクションの最高のポイントの一つだと思うんだけど…。

5月 11日(水) 20:00

l 白鳥/ザ・ストレンジャー (The Swan/The Stranger) : Jason Piper
l 王子(The Prince) : Christopher Marney
l 女王 (The Queen) : Heather Regis Duncan
l 執事 (The Private Secretary) : Peter Furness
l 女友達(The Girlfriend) : Sophia Hurdley
l 幼い王子(The Young Prince) : Simon Karaiskos

l 白鳥たち
Gavin Persand
Adam Rutherford
Ben Dixon
Shaun Walters
Francesco D'Astici
David Rhys
Irad Timberlake
Joe Colasanti
Simon Humphrey
Dominic North
Ashley Bain
Glenn Graham
Chris Keerie
Simon Williams

l 各国王女
Pia Driver (フランス王女)
Kirsty Mather (ルーマニア王女)
Tracy Bradely (スペイン王女)
Candice Evans (ハンガリー王女)
Vicky Evans (ドイツ王女)
Elizabeth Mischler (イタリア王女)
Maryam Pourian (モナコ王女)
Emma Bown (バッグレディ)

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2005/05/11

5/3「白鳥の湖」神戸公演マチネその3

女王とストレンジャーの踊り。黒鳥の曲に乗ってのダンスは、ホセがとても淫靡に色っぽいのに対して、ジェイソンはかっこいいんだけど明るすぎてそんなにセクシーではない。ジェイソンがストレンジャーを演じる時は、どちらかといえばニコラ女王の動きに注目してしまう。ニコラのここでの動きはあだっぽいのに優雅で、見とれてしまう。誇り高く、若い男性と火遊びをしても決して本気にはならない彼女が、恋に舞い上がってうっとりと身を任せている。待ちきれないわ、とストレンジャーの上着を脱がせる。そんな母親とストレンジャーのダンスを部屋の片隅で心震えながら見守る王子。

そして王子とストレンジャーのタンゴのシーン。ここは本当にゾクゾクさせられるところだ。ストレンジャーは時には優しく、王子に寄りかかるように誘惑しながら、いざ王子が向かってくるとアグレッシヴに牙を剥く。王子の腕を捻じ曲げてするりと身を引く。ジェイソンのストレンジャーは、首藤王子にはひどく残酷だがクリスに対しては少し優しい。だが、この少しの優しさがかえってクリス王子にとっては仇となる。ぼくに優しくしてくれた、ぼくの想いに気がついてくれたと思った瞬間手のひらを返したように冷淡に接して、彼をどん底へと突き落とすのだから。「どうしてぼくにこんなにひどいことをするの」クリスの王子はいつも質問してばかりだ。なぜ自分の頭の中にこんなにたくさんの疑問符が満たされるのか、わからない。そしてこの疑問符に押しつぶされて、彼は壊れていくのだ。そんなときでも、自分の服装の乱れを直そうとする折り目正しい彼である。額に線を引き「オレがあの時の白鳥だよ」と王子を見るストレンジャー。だが、あのニヤリとした悪魔的な笑いがなかった。ただ、白鳥の動きを模倣しながらもアグレッシヴに、まったく別人の死神が踊っているかのように動いて見せているところはさすがである。

王子は舞踏会の出席者たちに散々笑いものにされるが、嘲笑されたことより、ストレンジャーが彼を傷つけいたぶったことが彼を苛み、悲劇の引き金を引かせる。
ニコラ女王の優雅で色っぽく、匂いたつように美しいアームスが印象的な踊りに続き、男女対抗ダンス大会。ジェイソンやっぱり調子悪そうだ。いつもなら彼のやんちゃな魅力が発揮されるこのシーンでの精彩がない。でも精一杯一生懸命に踊っているのは見て取れる。足を次々とテーブルに掛けて女王をリフトするところでは、何故か涙が出た。これぞプロの仕事、という根性を見た気がしたからだろうか。

4幕。クリスの凄さはここだ。日本での最後の公演だったということもあるのか、渾身の演技である。
パジャマ姿で精神病院に閉じ込められた王子。彼はなぜこんなところに連れて行かれたのか、理解できない。クリスの王子は狂っていないのだ。ちょっと混乱していただけ。母の姿を認めると、子供のように擦り寄っていく。優しい母の表情になった女王は、しかし執事登場とともに厳しい女王の顔に戻り「やっておしまい」と看護婦軍団や執事にロボトミー手術を命じる。「ママ、どうしてこんなことをぼくにするの」と泣きじゃくる王子。途中で女王は、なんてことを私はしてしまったの、と嘆くがあとの祭り。「どうして?」と疑問符を抱えたまま王子はよろよろとベッドへ。

ベッドの上で目覚めた王子は、ベッドの上を転げまわる。冒頭、まだ幼い王子が白鳥の夢を見て激しくうなされている、その様子を思い出させる。王子は子供へと還って行く。今までの短い人生を、逆回しに再現するように、体じゅうの関節を使ってクリスは表現する。混乱の中に見せる微笑みのなんという悲しさ。何物かが彼の体を縛り付けている。それを振りほどこうと王子はもがくのだが、もがけばもがくほど見えないロープは彼をがんじがらめにする。それが人間の動きとは思えないほど、色んな方向へとぐにゃりと曲がる王子の体。傷ついたザ・スワンがベッドの中から這い出した時、ふと、そのロープは切れるのだった。驚きのあまり、エクソシスト歩きで上手から下手へと猛スピードで王子は移動する。

そしてザ・スワンの、深い悲しみに包まれた瞳。ふたりに残された時間は、わずかしかないことを物語っている。

(つづく)

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「白鳥の湖」韓国公演初日キャスト

すごいですね~。細かいキャストまで出してくれて親切です。自動翻訳と格闘しました。
ハングルの勉強のための本はいっぱい家にあるのに全然読めません。
女王様は今日はキャンディスだったんですね。そしてビッグスワンはこのキャスト表のとおりだったとしたら、ベストメンバーだわ。

***マシュー・ボーン今日の公演出演舞踊家案内

<< 20:00 5月 10日> >

白鳥/ザ・ストレンジャー(The Swan/The Stranger) : Jose Tirado
王子(The Prince) : Neil Westmoreland
女王(The Queen) : Candice Evans
執事(The Private Secretary) : Alan Mosley
女友達(The Girlfriend) : Sophia Hurdley
幼い王子(The Young Prince) : Gavin Persand

***白鳥たち(Swans)
Adam Rutherford
Ben Dixon
Shaun Walters
Simon Karaiskos
Francesco D'Astici
David Rhys
Hendrick January
Nik Kafetzakis
Dominic North
Simon Humphrey
Rain De Rye Barrett
Simon Williams
Peter Furness
Chris Keerie

*** 各国公州外:
Pia Driver (フランス王女)
Emma Bown (ルーマニア王女)
Tracy Bradely (スペイン王女)
Heather Regis Duncan (ハンガリー王女)
Vicky Evans (ドイツ王女)
Elizabeth Mischler (イタリア王女)
Maryam Pourian (モナコ王女)
Kirsty Mather (バッグレディ)

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2005/05/09

5/3「白鳥の湖」神戸公演マチネその2

3幕。今回は舞踏会の出席者を演じるダンサーたちのキャストが大幅にシャッフルされていた。いつもはドイツの王女を演じている長身のエリザベス・ミシュラーがエッチなイタリアの王女。(エリザベスはスタイルが良くて美人なのだが、イタリアの王女の時のメイクはちょっとおかまっぽい)。メリアムが怪我をしているらしく、蛾の精とフランス王女はピア。

クリス王子は母のことが大好きなので、母と一緒に踊れるのも嬉しくて仕方ない。でも、ここでも母親にダメ出しをされる。さらに、先日彼を裏切ったガールフレンドが招待されてもいないのに、図々しく出席している。ニール王子だったら「ぼくに近寄るんじゃない、クソ女」って感じなのだが、クリスだと「どうしてぼくにあんなにひどいことをしたのにここに来ているの?」と悲しげに怒っている感じだ。そして王子は、思わずザ・スワンの姿を来客の中に探してしまう。そんなところへ、ザ・ストレンジャー登場。彼の姿を見つけて、雷に打たれたようなショックを王子は受ける。彼から目を離すことができない。しかし、姿かたちはザ・スワンに似ているものの、このザ・ストレンジャーは天使の姿をした悪魔であり、魅惑的な笑いを浮かべながら、あけすけなエロスでその場にいる者全員を誘惑していく。心乱される王子。しかも母親はまた例によって男癖の悪さを発揮し、フランスのエスコート(これがまた、詰襟の高校生みたいな若いドミニク・ノース君が演じているのだから余計やらしーって感じ)とともに奥の部屋へと消えていく。母が若い男喰いまくりなのはもちろん前からわかっていたことなんだろうけど、ナイーブな王子はそのたびに深く傷つく。
そしてなんとこの日、憤然としたクリス王子は母親に対抗すべく、フランスの王女の手を取って奥へと消えた。まさかそんなことをするとは…。

この日のジェイソンは体調が悪そうで、特に3幕ではいつもの軽やかで邪悪な笑いを浮かべつつキビキビとした動きが見られない。スペインの踊りの時には、いつもはジェイソンのストレンジャーが茶々を入れたり、投げキッスを投げたりするのが楽しいのだが、舞台袖に姿を消してしまっていた。

ただし、チャルダッシュの時のガールフレンドとの踊りはとてもよかった。このシーンでは、ガールフレンド役のソフィア・ハードリーの演技力が際立っている。ガールフレンドは本当は王子のことが好きで、お金のために彼を騙してしまって本当に申し訳なく思っている。なんとかして仲直りをしたい。でも、王子は彼女のそんな気持ちを受け容れてくれない。ストレンジャーに無理やり引きずられて踊らされ、意に反して王子の目の前で誘惑されキスされる。王子に向けて「助けて」と手を伸ばしてもそれは届かない。心は王子の方を向いているのに体は裏切っているのが見えるのが悲しい。

王子の方はと言うと、ガールフレンドのそんな気持ちなどまったく気がつかずに、ただただストレンジャーへ目が釘付けになっている。ガールフレンドを弄ぶストレンジャーは、そのことによって同時に王子の心も踏みにじっているのだ。王子は「どうしてこんなことをぼくにするの?あなたはあの時の白鳥だよね。それなのにどうして?」とその大きな瞳で泣きそうな表情を浮かべている。

(つづく)

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2005/05/08

5/3マチネ「白鳥の湖」神戸公演その1

DSCF0021

祖母とのお別れのため2日に日帰りで名古屋に行ってきた後、一旦東京に戻って家人の食事を用意し、深夜バスに乗り込む。

夜行バスでの移動は思ったほどハードではなく、睡眠導入剤なしで眠れた。大阪~神戸間の道が渋滞していて三宮着が1時間遅れる。同行した友人が調べておいてくれた銭湯が朝は10時までの営業で、慌てて入る。

神戸国際会館こくさいホールは新しい建物で、入口近くの中庭ではスワンズが文化村のときと同じようにスタバのコーヒー片手に日向ぼっこをしていた。キャスト発表は、なんと主演二人の名前を書いた紙が張り出されているだけ…。会場の人に聞いても、キャスト表って何のこと、って感じ。ようやく開演10分前にキャストが張り出される。

5月3日13時開演
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:ジェイソン・パイパー
王子:クリストファー・マーニー

クリス王子を見るためだけに、1公演のためにわざわざ神戸まで足を運んだ人もいたくらいで、今日もクリスの日だった。本当にクリスは素晴らしい。一旦彼を観てしまうと、目が離せなくなってしまう。登場した時は素直で普通っぽい男の子。ガールフレンドにキスされて、唇を拭うけどとても嬉しそうだし、母親に交際を反対されるとムキになって怒るどそんなイノセントで純粋な青年が、どんなに求めても母の愛を得られず生きる希望をなくしていく。母親の愛を求めて拒絶されても、歩み寄ってくる母の姿に一瞬喜ぶけど、しゃんとしなさい!と叱られしょんぼり。繊細な彼の心が自分のことのように伝わってくる。

バーを追い出され、ガールフレンドの裏切りに深く傷つく王子。いつ見ても、ここでのクリスのソロが悲しいほど美しいことに心を打たれる。王子の悲しい気持ち、この世の中で誰にも必要とされていないんじゃないかという苦悩。その思いをこめながらも、この世界から飛び立ちたいともがく苦闘の形跡。高く飛ぶことはできないけれど、それでも指の先までぴんと伸ばし、アラベスクはあくまでも美しく、背中や腕の関節は柔らかい。技術的な面を見せつけるような振付ではないけど、身体能力と表現力が求められるところで、難しい技も、いとも簡単にこなしているクリス。

王子は2幕の始め、スワンクバーの前に佇み白鳥たちの幻を見る。苦悩に沈んだ表情の彼の背後に白鳥たちの幻影が現れ、王子は腕を前に差し出す。このシーンに限らず、王子は腕を差し出す仕草を反復する。伸ばした手で何かを必死につかみ取ろうかとするように。少しだけ、王子は微笑んだように見えるが、再び曇る。

ザ・スワンが登場して、おずおずと白鳥に近づく王子。ワイルドで獰猛なザ・スワンに怯えながらも、はやばやとスワンの動きを模倣する。ザ・スワンと王子が接近し、王子が少し遅れて模倣する動きが交錯するさまがとてもスリリング。クリスのダンスの流れるような美しさは、王子が人生の中で初めて出会った美、それを感じた喜びを象徴するものだろうか。ザ・スワンという自由で力強い生き物を知って、彼に憧れ、少しでも近づこうという気持ちが感じられる。ジェイソンのメリハリがあって肉体性を感じさせる踊りに対し、クリスはしなやかで端正で柔軟かつ優雅だ。王子のノーブルさと初々しさを感じさせる。ちょっと前まではカッコいいジェイソンにばかり目が行っていたのだが、今日はクリスから目が離せない。

大きな白鳥の踊りを踊ったのは、レイン・ド・ライ・バレット、サイモン・ウィリアムズ、クリス・キーリー、グレン・グラハム。レインかグレンの代わりにピーターが入ると最強ビッグスワンって感じなのだが、でも今日のビッグスワンも力強く100%のパワーを出し切っていて、見ているだけで泣きそうになった。特にサイモンのスワンがダイナミックでいいね。

そして2幕のクライマックス、コーダ。晴れやかな表情の王子はザ・スワンとユニゾンで踊る。時々「ついてきているか」とザ・スワンが振り返るのが兄貴っぽくて、すごく泣ける。コーダのラストでクリスが見せるジュテ・パセ・アン・ナリエール(いわゆるえびぞりジャンプですな)が、これまた驚異的だった。一瞬のうちに体が柔らかく後ろに反り、すっと後方に伸びた脚が腕の上まで綺麗に上がっているのだから!そのあまりの美しさに、涙が止まらなくなった。優しく王子に視線を送るザ・スワン。ザ・スワンが飛び去った後も、王子はまっすぐ体を伸ばし、2幕の最初のシーンと同じように右腕を前に伸ばし、必死に何かをつかもうとしている。それとも、つかみ取れたのだろうか?

幸せに打ち震え、笑顔を見せる王子。でも、そのこぼれるような笑顔には、どこか必死さと悲しさ、切なさも湛えられていて、胸が締め付けられそうだ。歓びを体中で表現し、遺書を破り捨てて飛び上がるその姿には、来るべき悲劇の予感が漂っている。

(つづく)

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2005/05/02

「白鳥の湖」4月26日ソワレその1

まだ自分の中の気持ちの整理が全然ついていないんだけど、このあたりの公演について書かないと先に進めないので。
何回観に行ったか怖くて数えていなかったけど、半券とかキャスト表とか観る限りでは、22回は行っているようだ。でもキャスト表や半券がない日もあるんだよね。


4月26日19時開演。ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:ジェイソン・パイパー、王子:クリストファー・マーニー、女王:ニコラ・トラナ。

組み合わせとしては一番気に入っているジェイソン・クリス組。(ホセ・クリス組はまた特別の素晴らしさがあるので別格)。この組み合わせで観た全8回も、東京で観るのは今日で最後である。ジェイソン・首藤は6回観ているので、実はそんなに回数が変わらないのだね。クリスの演技が観られるのは最後かと思うと悲しい…。

いつ観ても全身全霊で踊っているクリス王子。母親の期待にこたえようと一生懸命だ。ガールフレンドに出会ったときはニコニコととても嬉しそう。すごく初心な彼は、彼女にキスされて一瞬驚きながらやっぱり幸せそうで、気まずそうに唇をぬぐうもののウキウキしているのがわかる。母親に彼女を紹介して、「こんな女なんて冗談じゃない」って言われて憤然とする。女王は息子の目の前で、若い兵士たちの中から一人エスコートを選んで今夜のお供とする。母親の“女”としての姿を見せ付けられて表情を曇らせる王子。

オペラハウスのシーン。席が2階上手バルコニーだったので、ロイヤルボックスがすぐそばに。絶好の王子観察スポットだ。王子はいつでも母親が自分のことをどう思っているか、自分がいかに母の期待に応えられるかが最大の関心事である。ロイヤルボックスで、自分のガールフレンドのお行儀の悪さにとても居心地の悪そうな、困った表情をしておろおろする。「こんな女の子連れてきて本当にごめんなさい」って女王に謝っている。確かにガールフレンドの観劇態度は悪い。お菓子をボリボリ食べてエスコートばかりか女王にまで勧める。ばか笑いして女王に腕をぶつけてしまう。携帯電話を鳴らしちゃう。クライマックスでは腕をブンブン指揮者のように振り回す。ママを怒らせちゃった、どうしようとかわいそうなくらい慌てる王子。クリス王子はとにかく「ごめんなさい」と言っているばかりで、悲しそうな顔を見せるのが切ない。

暗い部屋で上着を脱ぎ捨て、一人で飲めない酒を飲む王子。部屋に入ってきた女王にすがりつくが、思いがけず拒絶されてしまい傷ついた表情。その悲しい思いをぶつけるように、王子は母を激しく抱く。「どうして、ぼくを拒絶するの?どうしてぼくを愛してくれないの。こんなにお母さんのことを愛しているのに」。どんなに激しく母を求めても応えてもらえず、母は彼の腕から逃れようとする。この二人の間に性的な匂いは薄く、ただただ母の愛を求めている姿が悲しい。「しゃんとしなさい」と女王に姿勢を正される王子の心は、暗闇に沈んでいく。 もともとは純粋で素直でイノセントな王子が、ここで初めて本当に絶望する。

(つづく)

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2005/04/28

「白鳥の湖」も東京公演終わり(4月27日)

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今日は会社を休み(今の仕事を始めてから休みを取るのは初めて)「白鳥の湖」楽のマチネとソワレへ。

昨日からちょっと目が痛いと思っていたんだけど、(11時ごろ)起きたら右目がすごく腫れている。ものもらいができていた。こんなひどい顔では人前に出られない。電子レンジで蒸しタオルを作ってあてておく。ものもらいには愛メイクはご法度なのに、目の腫れをカバーするためにひときわアイラインとマスカラに気合を入れる。渋谷のマツキヨで目薬を買い、ブックファーストでダンスマガジンを買う。(が、このダンマガ、勢いで某ダンサーにあげてしまった。高い雑誌なのに)予告ではスワンは第二特集だったのに、蓋を開けてみれば4ページしか使っていなくて、しかも首藤メイン。愛しのクリちゃんの写真は一枚のみ、しかも横を向いていて全然顔がわからない。5人の主役の中で一番気の毒な扱い(涙)

さて、舞台の方はまた落ち着いたらゆっくり内容を書くとして、言うまでもなく素晴らしかった。マチネは自分の半身が引き裂かれるがごとく悲痛な演技をしていた4幕のジェイソン。静かな情熱と繊細さに拍車のかかった首藤康之。ソワレは、しびれるほどカッコよくて淫靡なストレンジャーを見せてくれたホセ。今まででも一番の壊れっぷりで、彼らしい王子を熱演したニール(ホセの唇に思いっきりキスをしていたよ…)。ラスト、スワンが死んだ後のニールの叫び声、耳について離れない。やっぱり東京公演は最後ということで色んな感慨が起きて、ものもらいで腫れてしまった顔がさらにひどいことになってしまうほど泣いた。さすがのファイバーウィッグのマスカラも落ちてしまって。知り合いもたくさん来ていたんだけど、みんなに「こんなに憔悴しちゃって大丈夫?」って言われてしまったほど。ああ、みっともない。

あとは、3幕のイタリアンエスコートのピーターさん(イタリア王女のエッチさ加減にキレてコミカルな大暴れ)の演技があまりにも可笑しくて大笑い。

カーテンコールでは金色のテープと白鳥の羽根が舞った。ひしと抱き合うホセとニール。そして終演後、白鳥のぬいぐるみ(大)を買う。抱きごこちがとてもいい。友達に「抱かせて欲しい」と言われて、このスワンぬいぐるみは色んな人に抱かれていた。思わず帰宅する時も抱いて帰る。(傍から見ると、すごくアブナイ人のようだ)残念ながらうちはダブルベッドなのでさすがにベッドには持ち込めない。

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言葉にできない。(4月26日)

「白鳥の湖」も明日で終わり。今日も観に行って来た。凄かった。クリスもジェイソンも演技が素晴らしかった。3幕のタンゴ、チャルダッシュの緊張感と駆け引き、4幕の王子とザ・スワンの間に流れる感情、スワンと王子の死。クリスの驚くべき柔らかく情念を感じさせる身体と激しい感情表現。このあたりのことを言葉にしようと思ってもたやすいことではない。でも、言葉にしないと、指と指の間をすり抜けていってしまうような、そんなとても儚く透明な感情を味わった。

泣いても笑っても東京は後一日。でも人生はその後も続いていくんだよね。

素晴らしいものを見て感動に震えると同時に、かなり鬱も入ってしまっている。周囲に自分の価値が認められていないんじゃないか、好かれていないんじゃないかという王子の気持ちが、痛いほどわかってしまって胸にきてしまう。生きにくい、という感覚。自分の中の地獄というのは自分が作り上げてしまうものなのだ、ということはこの作品の中でも描かれているけれども、些細な周囲の反応とかに対して過敏になっているんだろうな、自分。友達とは何か、とか色んなことを考えちゃった。

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2005/04/25

4/24「白鳥の湖」マチネとソワレ。

マチネはジェイソン・パイパーのザ・スワンと首藤康之の王子。ソワレはホセ・ティラードのザ・スワンとクリストファー・マーニーの王子。

すっかりエネルギーを使い切ってしまったのでとりあえずは簡単に。
マチネも素晴らしかったけど、ソワレのホセ&クリスがあまりにも凄かったので、印象が吹き飛んでしまった。マチネとソワレを一日で見るのももったいなくて、考え物かもしれない。

それにしても、今まで20回くらい観たけど(もう恐ろしくて数える気にもならなくなっている)今日ほど舞台が素晴らしくて泣いた日はなかったかもしれない。どれくらい泣いたかって、終演後会場のお手洗いに入って、声を上げて泣いてしまったくらい。自分がスワンメイクになってしまうんじゃないかと思ったほど。(ファイバーウィッグのマスカラは泣いてもパンダ目にならなくて優れものだわ)4幕でクリス王子泣きすぎでメイクが流れまくりだった。

クリスが踊りが上手で演技も非常にエモーショナルで素晴らしいことはもちろんわかっていた。でも、今日の彼には神が降臨していたよ。スワンクバーを追い出された後のソロの美しさはいうまでもなかった。ぐにゃぐにゃに体が動いていて、王子の地を這う感じがすごく良く出ているのに、綺麗なのだ。そして2幕。ホセがどんどん調子を上げて大きく雄雄しく美しかったのだが、ザ・スワンと王子の踊りがシンクロするところ、二人とも柔らかくクラシックなダンサーであるため、気持ちいいほど合っていて調和が取れた美を感じた。大柄なホセを小さなクリスが軽々と持ち上げている。そしてコーダ!一瞬目の前で何が起こったか理解できないほどの、驚異的なえびぞりジャンプを見せてくれた。2年前にへススがザ・スワンを演じた時の跳躍を思い出したけど、彼よりも柔らかくて、足先が頭の上まで上がっていて、凄かった。思わず息を呑んだ。

3幕はホセのストレンジャーが恐ろしくカッコよかった。ロシアの踊りのスピード感とピルエットの正確な美しさ。女王とのパ・ド・ドゥのソテ(姿勢を変えない跳躍)が大きくてダイナミック。女王のスカートの中にまで手を入れるエロさ。今までは寡黙な色男って感じだったのが、前よりも凄く悪~い感じで素敵だった。王子とストレンジャーのタンゴのゾクゾクするような官能性と残酷さ、その中にかいま見える優しさ。かっこええ。ホセのストレンジャーは、鞭を振るう音、革パンツを叩く音がバシッと決まっているのもスタイリッシュでいいな。

4幕はなんといってもクリスの演技!もちろん今までも素晴らしかったけど、今日は本当に特別だった。どうしてこんなに切ないんだろう。彼が声を上げて叫んでいるのが聞こえた。これほどまでに絶望的に誰かを求める気持ちを舞台上で感じたことがあっただろうか。4幕の最初のシーンの王子の「ママ、お願い、助けて」という悲しいまでに母親の愛を求める気持ちが心に突き刺さる。看護婦たちによってたかられてロボトミー手術をされてしまう時の苦しみ方。ザ・スワンへと必死に伸ばした手。全身を震わせた、あまりにも激しい慟哭。残された力、感情のすべてを使い切って、愛を叫んでいた。「ザ・スワンが欲しい」と体中で求めていた。ふっと命を終えた瞬間、視界が涙で曇った。

あと、特筆すべきなのは、いつものギャヴくんと違って、幼年王子がデヴィッド・リース、木こりがドミニク・ノースだったこと。デヴィッドの王子は、冒頭のうなされるところのうなされ具合が激しい上、白鳥のぬいぐるみをちぎれるんじゃないかと思うくらい抱きしめていた。すらりと長身なところへ、おどおどと体を窮屈そうに丸めている。(でも、成人後のクリスより背が高い)。ドミニクの木こりはすごく端正で、脚がすらりとして美しく、コーダのグランフェッテが綺麗だった。デヴィッドはスワンズやスクールボーイ、スペインのエスコートなど、ギャヴ君並の働きだった。

あああああ、あと東京も3回だ。もう死にそう。とりあえず私の今回のナンバーワンはジェイソンを抜いて、クリスだな。舞台を降りたクリスも見たけど、鬼可愛い…。

ああ、自分がおばさんであることを認めたくないけど(気分は「あたしはまだまだイケているわ」のオクサーナ女王)おばちゃんになってきてしまった。クリスと10歳くらい年が離れているだもん。

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2005/04/24

白鳥な日々も後わずか。

東京では最後の週末なのよね。なのに、私は今日のソワレのチケットを持っていない…一番好きなジェイクリコンビの日なのに(号泣)。クリス王子は明日のソワレで観られるからいいけど、素晴らしすぎるジェイクリコンビにもう二度とあえなかったらどうしょう。

こう考えること自体が病気の証拠である。とりあえず26日ソワレのチケットを買い足した。

観たのはホセ・スワンとニール王子のマチネ。感想はまたのちほど。
4幕でニールのパジャマのズボンがずり落ち、肌色パンツが見えていた。3幕の女王とストレンジャーに割って入った後、王子がストレンジャーに思いっきりキスをしたのに驚いた。ホセが3幕の女王テーブル回しのところで一回目失敗。カーテンコールの時に小さく照れくさそうに手を振るホセが可愛かった。
2幕のPDDでちょっとぐらっときた以外は、ホセは調子が良くて、相変わらずジュテが惚れ惚れするほど高くて綺麗だ。3幕の女王とのPDDでのソテも高くてカッコいい。(このPDDはジェイソンより断然ホセのほうがいいね)オーケストラが入っているのにブチュッと音が聞こえるキスを女王の首筋にしていたホセ、素敵だわ。


さて、17日の感想最終回。
満身創痍のザ・スワンが這い出て後ろ向きになってから王子の方を振り返って見つめる、その時の慈しみと悲しみの混じった視線。これを見るともうたまらない気持ちになる。ズタボロにされたけど君を助けるために、帰ってきたよと潤んだ瞳で訴えかけている。ザ・スワンの足元に寄り添い視線を交わす王子は、とても無防備で子供のようだ。が、二人は白鳥たちに引き離され、王子はボコボコに攻撃される。それを見ても自身が弱っていてなす術のないザ・スワンは腕をベッドに叩きつけて、地団駄を踏むように悔しがり、体を震わせる。いてもたってもいられなくなったザ・スワンは渾身の力で白鳥たちと戦い、一旦は追い払った後、天を仰いで激しく慟哭する。幼い子供のように体を丸めた王子を抱きかかえる。ジェイソンと首藤は身長の差があまりない。その上、ジェイソンのザ・スワンは鳥というよりは半獣半人を思わせるため、ここにはエロスを含んだ根源的な愛が感じられる。

一度はいなくなった白鳥たちが、一羽一羽ベッドの上に飛び乗ってくる。シャーっと音を立てながら。白鳥たちが群れになって翼をはためかすのと、ザ・スワンの腕の動きがシンクロする演出にはいつも鳥肌が立つ。美しくも恐ろしい場面だ。ベッドの上で白鳥たちとザ・スワンが戦い、無残にもザ・スワンはかじられたり、羽根をむしられたり(ピーターさん、いつも楽しそうにザ・スワンを噛んでいるね)。突如立ち上がって翼を広げたザ・スワンは殉教者のようにたちすくみ、神々しいまでの光を放つ。が、白鳥たちに襲撃され、王子に向けて腕を伸ばして彼に少しでも近寄ろうとするのに届かず、そのままベッドの中に吸い込まれるように消えていく。

スワンが消えた瞬間の王子の演技。首藤は、クリスほどの、わが身が引き裂かれてしまったかのような激しい演技は見せない。だが、ザ・スワンがこの世から永遠に失われてしまったという事実をにわかには信じることができず、ひどく動揺しているのがわかる。なんということだ、生きていく上での唯一の支えが消えてしまった…。ベッドの上、ザ・スワンの姿を捜し求める。ザ・スワンが死んでしまったことに気がついた彼は、大きな瞳に悲しみを湛えて泉のように涙をあふれさせる。そして、あの世にぼくも連れて行ってと強く願う。死というのが、王子の積極的な選択であるという風に私には感じられた。首藤の王子は芯が強くて決意を秘めた存在であるから。その願いをかなえるかのように、死のスワンが介錯人を務めて王子は絶命する。(が、ちょっと死ぬタイミングが早すぎるよ、首藤さん)ジェイソン・首藤コンビを観るのはこれで4回目だけど、いつ観ても、この二人の終わり方は悲しい。あんなに魂が結びついているのに、この世では二人は結ばれなかった、死ななければ一緒になれなかったことが感じさせられるからだろうか。

やっと終わった…。
あと東京5回、神戸3回。

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2005/04/23

まだまだ続く>4月17日「白鳥の湖」

金曜日はまたジェイソン&首藤だったのに、あまりにも疲れてオーチャードホールまで近づけなかった。お金がないって言うのもあるんだけど。でも行きたかったよ~。えーん。


では、17日続き行きます。

ザ・ストレンジャーは王子に対して容赦なく、ひときわ手荒く接する。それなのに、時々王子に身を預けるようにもたれかけたり、熱い視線を送ったりするものだから王子は激しく混乱する。天使と悪魔の二面性を同時に露にした存在に、さらにザ・スワンの姿が二重写しになる。王子には、愛、苦悩、誰にも理解されない孤独や悲しみ、母親に裏切られた気持ち、自己嫌悪…いろいろな感情がいっぺんに押し寄せてくるのが見える。ついに彼は母親に銃を向けるにいたるのだった。ガールフレンドが王子をかばって射殺され、引きずり出される王子の目に映ったのは母親と抱き合い、不敵にほくそえむザ・ストレンジャー。

ニールやクリスが演じた王子と違い、首藤の王子は狂気に陥ってからも服装の乱れが少なく折り目正しく、背筋がきちんと伸びていてしゃんとしてる。心の底からの苦しみにのた打ち回っている時ですら、ナルシスティックなまでに優雅で美しい。だからこそ、その千々に乱れ引き裂かれた脆い精神性が際立ってくる。怯えきった表情から、彼が静かに狂っているのがわかる。

4幕の精神病院のシーン。王子はなぜ自分がこんなところに連れて行かれたのか理解できていない。母親の姿を見て一瞬だけ喜んだのもつかの間(彼は明らかに母親に性的な感情を抱いているのだ)、彼の内に潜む、自分自身が生み出してしまった魔物が彼を苛む。ロボトミー手術を施されてふらふらとベッドへと歩いていく。ベッドの下から白鳥たちが出てきたのに気付いた彼が、混乱のうちに繰り広げるソロ。さすがザ・スワン役を経験しただけあって、白鳥の2幕の動きを模倣するところは力強いが、その踊りの中にまた様々な感情が混濁していくのが見える。王子らしい品を保ちながらも、隠し切れない優雅さのある柔軟な動きを見せながらも、彼は内なる悪魔と格闘している。ベッドの中から傷ついたザ・スワンが這い出てくる。駆け寄る王子。

(まだ続く)

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2005/04/22

もうだめだ>4/20マシュー・ボーン「白鳥の湖」

一旦17日の感想は後回しにします。すみません。

17日の続きとか書かなくちゃいけないのに、ついつい当日券狙いでまたオーチャードホール行ってきちゃったよ。金もないのにやばすぎ。本当は今日はバレエのレッスン日だったのに、さぼって、しかも月謝を使い込んでしまった。

オーケストラつきの「白鳥の湖」が昨日から始まって、行ってきた人の話を聞いたら行きたくなっちゃって、5時半ちょうどに会社を出る。私が定時きっかりに帰ることは滅多にないというのに。

猛スピードで駅からBunkamura向けに走ったら、ドンキの手前にジェイソンがいたよ。でも、当日券を買うことのほうが先決とほぼ素通りしちゃって走り続ける。到着したのが6時10分頃で、発売開始になっていたが売り場にはかなり(15人くらい?)人が並んでいた。すると、幸運にもチケットが余っているんです~と声を書けられて入手できたチケットがなんと2列目(端っこだけど)。

感想を書き始めるとまた延々と終わらないのでまた別の日にでも。とにかくクリスが素晴らしかったよ~~~。ドラマティックだった。スワンクバーを追い出された後の踊りの柔らかく美しいこと!一体この人にいくつ関節があるのか、と思うほどの柔軟性と、そこから漂う哀しみ。ゾクゾクするほどだった。夜の公園に一人佇む時の泣きそうな思いつめた表情から寂しげな微笑の演技。4幕の死ぬまでの演技も今まで以上にすごかった。激しく狂ったようにザ・スワンを求め、体中を震わせて魂を引き裂かれた苦しみを表現し、そして炎がふっと消えるように死んでいった。あんなに泣き叫んでいる王子を見るのは初めてだった。

ジェイソンももちろん良かったけど、多分この間の週末の方ができが良かったと思う。調子は良かったと思うが、2幕の終わりは若干お疲れ気味。4幕、王子が白鳥たちに攻撃されている時に地団駄を踏んで悔しがる、その悔しさ、王子が痛めつけられているのがわが身を切り刻まれるごとく感じてしまう苦悶の表現が圧巻。兄のように優しく王子に寄り添う姿には胸が締め付けられる。

あと、驚いたのは、3幕でザ・ストレンジャーが女王に上着を脱がされた時、ベストを着ていなくてシャツだけだったこと。ご自慢のドレッドヘアが額に垂れていたこと。
クリスは4幕でパジャマの前がはだけていて、胸が剥き出しになっていた。実は胸毛があるのねw)

生の音の迫力とグルーヴ感はいいね。4幕のクライマックスもこっちの方が圧倒的に盛り上がると思う。 音外されるとちょっとキィってなっちゃうけど。金管系(オーボエとか)はときどきミスっていたけど、ヴァイオリンはよかった。スワンクバーとか、黒鳥のPDDの曲は速いのでちゃんとテンポに乗り切れるかな、と思ったけど大丈夫だった。ただ、2幕のアダージオの音楽はジェイソンの踊りとオケが全然合っていない気がしたけど。

2幕のスワンズの踊りは、生のときのほうが断然良かった。特に大きな4羽の白鳥の踊りとコーダは最高!

家に帰った後、なぜかEGO WRAPPIN'が無性に聴きたくなってアルバム「満ち汐のロマンス」を聴く。いや~「サイコアナルシス」は何べん聴いても疾走感があってカッコいい。歌謡曲っぽくてアシッドジャズっぽくてもう4年前のアルバムなのに全然古さを感じない。

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2005/04/20

「白鳥の湖」4/17その3(まだまだ続く)

3回目だというのにまだ終わらないよ。いい加減このネタを引っ張らないで他のことを書けって感じだ。

しかし映画も見ていないし本も読んでいないし、この状況で極端に貧乏なため飲みにも行けない。(まあ、お酒も飲めないからだな訳だが)
ご飯だってろくに食べていないよ。今日は久しぶりに麻婆豆腐を作った。料理するのは久しぶりだ。主食はサプリメント(ビタミンB、E,CQ10)と野菜ジュースにヨーグルト、気が向いたときにうどんか蕎麦、それと水とハーブティをたくさん飲んでいるくらい。胃が悪いのでアルコールとカフェインは厳禁である。昼ご飯はたまにはちゃんとした弁当を食べているが。会社のデスクの上に2リットルのペットボトルを置いてグビグビ飲んでいたら、会社のおやぢに行儀悪いと怒られた。

映画も観に行きたいけど、日本映画テレビ技術協会の会員証が切れてしまって更新する金がなく、1000円で観られないのでなかなか行けない。とりあえず「アビエイター」と「海を飛ぶ夢」だけは観たいのだが。「阿修羅城の瞳」は松竹系でやっているので株主招待で行こう。

映画ネタといえば、土曜日に渋谷に行ったときに「ハイド・アンド・シーク暗闇のかくれんぼ」という映画の宣伝で、ダコタ・ファニングたんのフィギュア(?)ストラップを配っていた。なんだか太っ腹だが、ダコタたんとは全然似ていいないし、怖い映画だからなんだろうけどこのフィギュア自体怖い。

というわけで、4月17日の感想の続き、行きます。

3幕。
ジェイソンのザ・ストレンジャーは舞踏会をかき乱すことを一つのゲームとして捉え、どれだけ自分が愉しめるかを第一に考えている。本気で女王や王子を誘惑して落とそうなんてこれっぽっちも考えていない。ただただ、自分の魅力にどれほどの人たちが惹きつけられるかを見て、同時に身分の高い着飾って気取った男女が欲望を剥き出しにするか、その仮面を引き剥がされた姿を暴露して笑っている。
しかし、彼の人懐っこい笑顔は天使そのものだ。ありあまるほどの陽性の魅力をパーティ中に振りまいて、誰もを夢中にさせてしまう。ハンガリーの眼帯王女はサディスト的な嗜虐趣味を発揮し、ドイツの王女は押し倒されて唇を求める。ルーマニアの王女は彼の股間から胸にかけてタッチし、身をくねらせる。イタリアの王女は
脚を舐めさせストリッパーさながらのエッチな舞いをテーブルの上で見せつける。

彼女たちの欲望にちゃんと応えながらも、愛嬌を振りまきながらも、彼が唯一本当に気にしているのは王子のことだけ。女王が若い男を寝室に引っ張り込んでいることを知っているザ・ストレンジャーにしてみれば、彼女を落とすことなんて朝飯前だし、それは王子を陥れるための策略の序曲に過ぎない。

ロシアの曲でジェイソンが、3人の王女とそれぞれ踊った後に見せるソロ。ここにザ・ストレンジャーの魅力が凝縮されているといえる。曲は違うが古典版で言えば黒鳥のPDDでのオディールのヴァリエーションに該当する個所だ。
彼のダンスは決してバレエではない。ごく短いソロの時間のうちに持てる魅力の全てを爆発させ、その場にいるものすべてを魔法にかける。シャープな腰のひねりとグラインド。リズミカルで軽やかなステップ。悪徳と美徳の混じった、不敵なのに愛嬌のある笑み。慣れた手つきの投げキッス。スパニッシュ・ダンスでもリズムに合わせて手拍子を送る遊び心と茶目っ気があるのが、ジェイソンの魅力の一つだろう。

一方、首藤王子は、ザ・ストレンジャーに気付いた瞬間から、彼から目が離せなくなっている。愛しいザ・スワンの面影を感じながらも、胸騒ぎが押さえられない。母親の厳しい視線にびくびくしている。パーティの主役のはずなのに、王女たちはうわべを取り繕いながらもよそよそしい。その上、その母親がスパニッシュ・ダンスの間に若い男、フランスのエスコートを寝室に引っ張り込んでいるところを目撃してひどく傷つく。首藤は脆く傷つきやすい、でも精一杯背筋を伸ばして優雅に振舞わなければならない王子の悲哀を体現している。チャルダッシュでザ・ストレンジャーはガールフレンドの手を強引に取り、王子はフランスの王女と踊る。が、王女のことなど眼中になく彼の目はザ・ストレンジャーの一点に集中している。それをわかっていて、ガールフレンドと戯れながら、死の天使のような禍禍しくもあり崇高ですらある妖しい視線を王子に送って挑発するジェイソン。王子を手玉に取ることなんて、赤子の手をひねるよりも簡単だと言わんばかりに。彼にとっては、怖いものなんてこの世に一つもない。だって、彼は死の天使なんだから。

女王とザ・ストレンジャーのパ・ド・ドゥ。黒鳥のPDDの曲に乗り、手袋を脱ぎ捨てて白くしなやかな腕を露にした女王。さっきエスコートと満足度いっぱいの表情で戻ってきたばかりなのに、ここでさらにエロさを満ち溢れさせ、女としての自信たっぷりに振舞っている。ザ・ストレンジャーの上着を脱がせる仕草の色っぽいこと。だが、ザ・ストレンジャーに完全に魅入られて理性を失ってしまっていることに彼女は気がついていない。空高く舞い上がり、しまいにはくるくるとテーブルの上を回らされている女王。内面のエクスタシーを象徴させるようなシーンだ。そんな時もザ・ストレンジャーは余裕たっぷりで、女王を手のひらで遊ばせるお釈迦様とでもいうべきか。

この幕のクライマックスは、王子とザ・ストレンジャーのタンゴ。優しく王子に微笑みかけたかと思うと、次の瞬間には驚くほど冷酷に王子をあしらい、いじめる。どうしてぼくにこんな思いをさせるの?と思いつめた瞳で聞き返す王子。アグレッシヴに、攻撃的なステップを踏み王子の心をズタズタに引き裂くストレンジャー。追い討ちをかけるように額に黒い線を引き「オレはここにいるよ」とにやりと笑いながら白鳥のしなやかで強靭な振りを見せる。禍の神が降臨した瞬間だ。タンゴのシーンは完全に王子の妄想の場面だが、自分で自分自身のことを傷つけずにはいられない王子の悲しさ、居場所のなさ、よるべなさが伝わってくる。首藤の限界いっぱいまで思いつめ、傷つき苦悩する表情を見るにつけ、ガラスの心が砕け散る音が聞こえた気がした。

(さらに続く)

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2005/04/19

「白鳥の湖」4月17日ソワレその2

昨日の続きです。まだ1幕までしか書いていなかったorz

ザ・スワンが飛び出してくる。ジェイソン・パイパーのザ・スワンは目の光が鋭く、ステージをまさに"走る狼”のように駆け抜けていく。振り返って王子をにらみつける。
鳥というよりは半獣半人の、ギュスターヴ・モローの絵画「オイディプスとスフィンクス」のスフィンクスを思わせる、神話に出てくる魔物のような、野獣的なのに神秘的な美しさがある。
群れのリーダーではあるが、他の白鳥たちとは明らかに違う種族であるのがわかる。ザ・スワンは「レダと白鳥」の白鳥のように、ギリシャ神話の神が白鳥にその姿を変えて人間を誘惑しているようだ。
その美しさに初めは畏れおののく王子。白鳥たちの群れに威嚇され、異界にさまよいこんでしまったことに怯えている。夜の公園が異界か魔界に思えてくるのはこのジェイソン/首藤のコンビのときだけかもしれない。それは、首藤という孤独感、異物感のあるダンサーだからこそ実現できて作り上げることのできた世界観だろう。

やがて少しずつザ・スワンと王子の心が触れ合い始める。力強く戯れる白鳥たちを見て、ザ・スワンに挑発されるように導かれて王子は自分の中に眠っていた美しさに目覚める。一羽で踊るザ・スワンの野生の、生命力を感じさせる躍動に惹きつけられるうち、おずおずと、模倣するかのように王子も踊り始める。1幕の地を這うような踊りとは対照的に、天に近づこうとするイカロスのごとく舞い上がる。

ジェイソンと首藤の踊りはまったく異質のものだ。腕や上半身が柔らかく、手先まですっと伸びてしなやかな首藤。一方でワイルドで肉体性を感じさせて躍動する力と官能に満ち溢れていながら、同時にとてもイノセントでピュアな精神性が宿っているジェイソン。異質の二人の踊りが奏でるハーモニーは、まったく違う世界に存在していた二つの魂が共鳴しあう様子を表しているかのようだ。二つの魂が響きあい、コーダでは見事なまでにシメントリーな動きを見せてくれるまでにいたる。

首藤の踊りが素晴らしいのは言うまでもないことだ。だが、驚いたのはジェイソンの進歩。ヴァリエーションでの弾むような、生き生きとぴちぴちとした動きを見て、彼はザ・スワンの新しい地平を切り開いたのだと確信した。流麗な首藤とは異なり、一挙手一投足に溜めがあり、それが彼の存在感に重みとカリスマ性を与えている。ぴんと張り詰めた筋肉。リズム感。小柄なジェイソンだが、他のどの白鳥にも似ていなくて際立った魅力がある。さらに王子を見つめるその視線!背筋に電流が走りそうな色気と、少年のような純粋さ。王子とザ・スワンの間に流れる感情は、お互いへのリスペクトの気持ちがこもった愛なのだと思う。クリス王子に対するジェイソンは兄貴のような、brotherhoodに近い感情で、もっとやんちゃな番長みたいな感じだったのだが、今回はザ・スワンも王子に対して対等の感情を持っているところが見て取れた。それに答えるように、途中から輝くばかりの笑みをこぼす王子。

コーダで、いつもジェイソンは王子を何度も振り返って視線を送る。ぼくについておいでよ、という暖かい気持ちが感じられて、そこがすごく好きだ。スワンたちが去った後の王子の至福の表情。体中が幸福感に打ち震えているかのようだ。遺書を書いたときと同じ場所にいるのに、その佇まいの差はなんだろう。同じ人間とは思えないほどだ。

そして3幕。王子は、この宴に誰がやってくるのか気になって仕方なくて落ち着かない様子。そこへ黒い天使、白鳥に瓜二つだが悪徳の匂いを漂わせたストレンジャーが舞い降りる。その鋭い魔性の視線に王子は射すくめられ、静かに狂い始める。

(また続きは明日)

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2005/04/18

さらに白鳥な週末

ここ数日、白鳥の話題しか書いていなくて映画目当ての方には本当に申し訳ない…。完全に世界が白鳥を中心に回っている。やばすぎ。

昨日はマチネとソワレに行って、すっかりパワーを使い切ってしまい、今朝起きたらなんと昼の2時!えらいこっちゃ。慌てて洗濯掃除をして、(だ)が不在なのでしめしめと出かける準備。

ソワレのキャストがジェイソン・パイパーのスワンと首藤康之の王子だと聞いたので、当日券に並ぶ。4時半頃Bunkamuraに着いたのだが、すでに30人くらい並んでいた。当日券の列の中には、某バレエ団のプリンシパルの方もいらっしゃった。こういう人でもちゃんと並んでチケットを買うんだ、と驚く。キャスト発表があったときに、列の人々から喝采の声が。チケットが自分のところまであるのかと一瞬不安になったが、結局1階4列目の端というのをゲット。

昨日のマチネも最高だったけど、今日のも素晴らしかったよ!もう神が降りてきたって感じ。もう死んでもいいかも、と思ったほど。

1幕。首藤王子はひりひりするような緊張感、焦燥感の持ち主と見受けられた。登場シーンで手を振るところの、魂ここにあらずという表情。贈り物の彫像(実はザ・スワン役がふんどし一丁で演じている)を目にした時の驚きと戸惑いの混じった表情。女王が今夜のお相手を品定めする時の怒りがこもった傷ついた表情。寝室での母親=女王とのパ・ド・ドゥはものすごく悲しい。王子も、女王も、お互いへの愛情をどうやって表現すればいいのかわからない。王子はすがりつくように女王を激しく求める。しかし心はすれ違うばかり。前回の首藤王子を観た時も思ったけど、彼が演じた時が一番背徳的でエロティックで熱情を感じさせる。首藤の王子は一見自信なさげでおどおどしているように見えるが、すっと伸びた背筋と強い瞳の輝きで、折り目正しく凛としており、内に強い意志を秘めていることが見受けられる。母に拒絶された時の深く傷を負って復讐心すら感じさせる瞳。

スワンクバーを追い出された後のソロは相変わらず恐ろしく美しい。クリスが演じている方が内省的な感じで王子の役柄に合っているのではないか、と思えるのだが、王子自身が意識していなくとも内面に持っている美しさがあふれ出ているシーンだ。

さて、まずこの王子が素晴らしいと思ったのは、この後のシーン。暗闇に一人佇む王子の後ろに、翼をはためかす白鳥たちのシルエットが浮かび上がる幻想的で美しい場面だ。ここでの演技は、3人の王子が三様でとても面白いと思うのだが、首藤王子の張り詰めたような、思いつめて崖っぷちに立っているかのようなぎりぎりな感じが、ずしんと胸に響く。ぼくを受け容れてくれるところはこの世のどこにもないと訴えかけているようだ。2幕は、王子の死に際に見た夢なのかもしれない、とこのシーンですでに訴えている。遺書を書く手がぶるぶると小刻みに震えている。感情の奔流が激しい王子は、震える手で書きなぐるように素早く別れの言葉を書く。そして入水自殺しようとした瞬間…。

ここまで書くのに2時間(呆)続きはまた明日。

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2005/04/17

またまた白鳥な週末&カイリー・ミノーグ

昨日の夜に続き、今日もマチネ、ソワレと白鳥三昧。ソワレの頃にはすっかり疲労困憊で死にそうになったけど、2幕で復活。やっぱり何度観てもいいわ。感想はまたのちほど。反芻するだけですごいエネルギーを使いそうなんで。ソフィアのガールフレンドの演技がすごく良かった。ジェイソン・クリスは安定感抜群。クリスの全身で泣いているような凄まじい演技に打たれた。ホセの3幕ストレンジャー演技が濃くなっていて、すげえかっこよかった。上半身が相変わらず綺麗だし、3幕のピルエットが速くて軸がしっかりしていた。ラストの瀕死ぶりも良い。ファンダンサーがやたら体格がいいとおもったらヴィッキーだった。ヴィッキーはハンガリーの王女役でアイパッチ姿でも登場していた。重そう…。

で、ジェイソンがダンサーとして出演しているカイリー・ミノーグの2002年ツアーDVD「KYLIE FEVER」がアマゾンUKから届いていたので早速観る。ジェイソンは多分ずっと出ているんだと思うけど、衣装が全身タイツ(モジモジ君系)だったり、ロボットみたいなサイバーなやつだったりで顔もろくにわからないのが多く、判別できたのは半分くらい。「ON A NIGHT LIKE THIS」では豹柄のガウンで、カイリーがいるストリッパーのような丸舞台の上の横で体をクネクネ。「LOCOMOTION」では豹柄パンツ一丁&網タイツ&ハイヒール。「IN YOUR EYES」では前の曲の衣装に巻きスカートをひらひら。いや、本人はカッコいいんだよ。今より多少髪が長めな以外はあまり印象も変わらない。しかし衣装の強烈さには絶句。メイキングでは、リハーサルのシーン(やっぱりピンヒールを穿いている)&メイクのシーンにちょろっと出ていた。

ジェイソンのファンなら必見だけど、ある意味踏み絵かも。あのクネクネは夢に出てきちゃうかも。

あ、カイリーのコンサート自体もエンターテインメントとして非常に凝っているので面白い。凝りすぎと言ってもいいかもしれないけど。カイリーはセクシーなんだけど健康的。

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2005/04/14

「白鳥の湖」4月9日ソワレ

この間の調子で書いていたらいつまでたっても書き終わらないと思うので、できるだけ簡潔に…と思ったけどそうも行かない。

4月9日18時~
ジェイソン・パイパー&クリストファー・マーニーのコンビ。クリス王子を観るのは一ヶ月ぶりである。で、実は3人の王子の中でクリスが一番好き、と改めて思った。もちろん、首藤王子もニール王子もそれぞれ素晴らしいのだが。
今日は最前列センターという席。リピーター濃度の濃い席だ。ジェイソンにきっと釘付けだろうと思っていたら、意外にもクリスに目が行くことの方が多かった。

クリス王子は、純粋すぎて最初から歪んでいて狂っているニール王子と違っていて、等身大の若い男の子って感じの人物像だ。もともとはイノセントでまっすぐ。王室での窮屈な生活のせいでちょっとひねくれており、いじめられキャラではあるが。女王にガールフレンドとの交際を反対されて一番反抗的なのが彼である。感情を顔にすぐ出す直情的な王子。踊りはとても繊細で柔らかく、いくつ関節があるのか、と思うくらいだ。女王との(ちょっと近親相姦的な匂いのする)パ・ド・ドゥは 「ママ、もっと僕のことを愛して!」と叫んでいるかのようだ。そして酔ってバーを追い出された王子のソロは柔らかくて哀しげで静謐でいい。ガールフレンドが執事に金をもらっているところを目撃した時の、裏切られた悲しみの表情。背景に白鳥たちが幻のように浮かび上がるシーンでのすべてを観念したような寂しげな微笑。目がパッチリと大きいクリスは、瞳の演技がとてもエモーショナルだ。

2幕のザ・スワンとのシーン。夢の中に迷い込みスワンの幻影を追いかけているニール王子に対して、クリスは実態としてのザ・スワンを追っているように思える。本当は白鳥たちは幻なのかもしれないけど、間違いなく王子にとってはそれが現実のものとして感じられているように見えた。おそるおそるザ・スワンに近づこうとして、おずおずと歩み寄る王子。ザ・スワンと一緒にいれば、王室での息が詰まるような日々を忘れることができて、普通の男の子のようにのびのびと戯れることができる。初めて知る自由におののきながらも、生まれて初めて王子という立場を忘れてその甘美さを味わい尽くそうとしている。とても切ないのが、日ごろのプレッシャーから開放されているというのに、その自由を満喫するために全身全霊を傾けて、すごく一生懸命になっていること。常にいっぱいいっぱいで生きている彼を象徴しているかのようだ。それでも、少しずつ呪縛から解放され、瞳をキラキラと輝かせて幸せそうな、柔らかく無邪気な表情へと変わっていく王子。やがて彼の踊りはザ・スワンと完全な対をなして、音楽と一体化して軽やかに愛を奏でていく。走り去っていくザ・スワンへと差し出したその手は、生きる意味をつかみとった、と語りかけているようだった。

3幕、ザ・スワンが舞踏会にやってきていないので少し残念そうな王子。ザ・ストレンジャーが登場した途端、まるで雷に打たれたかのような表情を見せ、ずっと彼から目を離さない王子。母親である女王とのパ・ド・ドゥを見せ付けられる時にはさすがに耐えられないのか、目をそらすがそれまでは吸い寄せられたかのよう。ストレンジャーとのタンゴのシーンではいいようにいたぶられ、挑発され、怯える。他の王子の時よりジェイソンの王子いじめはマイルドに思えるのだが、クリス王子はニールほど狂気の兆しを感じさせない普通の繊細な男の子っぽいので、かわいそうでかわいそうで。銃を片手に登場した時には、以前とは違ってシャツの前をはだけ、思いっきり暴れてきた形跡があった。ストレンジャーを突き飛ばした時にジェイソンが思いっきり吹っ飛んでテーブルに衝突したほど。怒る時には激しい王子なのであった。

まだ4幕にたどりついていないのに、ジェイソンまでたどり着いていないのに、書いているこちらが王子に感情移入しちゃってもうダメだよ、泣けてきた…。

さて、このコンビが一番光るのが4幕である。冒頭、舞台の裏から何かが落ちる大きな音があったが、一体何が起こったのだろう。精神病院に連れて行かれた王子。母である女王の姿を見ると一瞬嬉しそうな顔をして、「ママ、ぼくを助けて」と助けを求める。女王は一瞬母親らしい優しい表情をする。が、王子の思いは次の瞬間に裏切られる。執事、そして女王の顔をかぶった看護婦軍団を見て恐怖におののく。パジャマのボタンが全部は止まっていないので、背中や腹が露になる。ロボトミー手術された後ですらも、王子は混乱しながらも思考はとてもクリアーなように見える。

ベッドに横たわっていた王子が目を覚ました後、今までの人生のフラッシュバックを体現するように、彼の体は色んな形にぐにゃりと曲がる。あるときはザ・スワンの動きを模倣し、また別の時には3幕でザ・ストレンジャーによって捻じ曲げられた形を再現している。パンフレットでクリス自身が語っているように、そしてここで王子は人々に手を振ってお辞儀をする仕草をする。幼い頃からそうすることを義務付けられていた彼には、この仕草が植え付けられてしまっていることが見て取れて、胸が締め付けられそうになる。彼の頭の中が色んな想いで爆発しそうになっているのだ。

傷ついたザ・スワンがベッドの中から出てきて、王子の嘆きはますます大きくなる。ジェイソンとクリスのコンビが一番、王子とザ・スワンの絆が強固に見える。二人をつなぐ糸がしっかり見えているのだ。つぶらな瞳にいっぱい涙をためて、ザ・スワンにしがみつく王子。白鳥たちに容赦なく襲われるザ・スワンが少しずつ弱っていくのを見て、泣き叫ぶ王子。彼の泣き喚く声が聞こえてくるようだ。クリスは自分の持てるすべての感情をこめ、ぼくを置いていかないでとスワンを求めるが、ついにザ・スワンは力尽きて消えていく。狂ったようにベッドの上を、中を、絶望的にスワンの姿や残り香を捜し求める王子。ザ・スワンが欲しい。体中の水分がカラカラに涸れ果てるまで全身を使って泣いた王子はついに果てて、キラースワンの一撃でこの世に別れを告げる。

クリスの演技は凄絶の一言。もう4幕のベッドのシーンから涙で目が曇ってしまって。誰かを死ぬほど求める気持ち。誰にも愛されなかった寂しさ。世界中のすべての人々が敵であると思い込んでしまうナイーブさ。牢獄のような日々。そんな中でも、たった一つの光に出会えた歓びとそれを永遠に失ってしまう悲しみ。この世に別れを告げなければ手に入れられなかった愛。王子がその短い人生の中で経験してきたであろう思いが、4幕のエモーショナルで繊細な演技にこめられていて、たまらない気持ちになった。

クリス一人についてここまで語ってしまったので、ジェイソンについては簡単に一言。3幕、ザ・ストレンジャーを演じたジェイソンは“死の天使”という表現がぴったりだった。天使のような邪気のない微笑で、その場にいる人間すべてを殺すのだ。美しい姿形の下には、魔物が住んでいるが、それは決して悪魔ではない。その存在自体は悪を志しているのではなく、ただ己に忠実に生きている結果が、禍をもたらしているだけなのだから。それほどまでに魅力的な存在なのである、ジェイソンが演じるザ・ストレンジャーは。

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2005/04/12

マシュー・ボーン「白鳥の湖」4月9日マチネ

というわけで「白鳥の湖」土日マチネ&ソワレ終了。本当に疲れた。自分のエネルギーを吸い取られたって感じだ。こんな生活を続けていたら自分自身が抜け殻になりそう。

4月9日13時。ザ・スワンがホセ・テイラード、王子がニール・ウェストモアランド。調子が悪いらしいと聞いていたホセだが、ちょっと驚くくらい良くなっていた。女王と息があっていない部分は散見されるものの、踊りがクラシカルで美しい。2幕のグラン・ジュテが高く、脚がすっと伸びていて気持ちよいほど開脚している。バランスもよくなっていて、片脚でプリエしながらもう片脚をア・ラ・ズゴンドするところのバランス時間も長くてびっくり。3幕のザ・ストレンジャー時のロシアの踊りの時に見せるピルエットが速く、軸がしっかりしていてきれいだった。たまにバランスを崩している以外は合格点といえる。腕がとても長い上、上半身がとても柔らかく、前方に倒した時にぺたんとしなやかに床に落ちている感じがいい。バリエーションの時の踊りは優雅でノーブルで素敵だった。 ちょっと痩せた感じ。

ホセのザ・スワンは大きくて、雄雄しくて、荒鷲のようだ。実際に大柄な長いわけだが、本物以上にひときわ大きく見える。彼には王子の憧れの対象たりえる風格と、父親のような大きな愛情を持っているようだ。寡黙で男らしく強い。他の白鳥たちに一目も二目も置かれていて尊敬されているリーダー。王子に対しては「黙ってオレについて来い」って感じだ。この作品では王子には父親がいない。その父親代わりの存在としてのザ・スワンというわけだ。

3幕のザ・ストレンジャー。ホセはラテン系の割にはフェロモン系ではないのだがクールでエキゾチックでちょっと怖そうでかっこいい。スワンと同じくすごく寡黙で、絶対に自分を安売りしない感じがモテ系のワルな感じでよいのでは。たまに見せる薄笑いが、独特の色気を感じさせてくれる。

4幕のザ・スワンは慟哭の表情がすごく哀しげでいいね。瀕死のはずなのに踊りがきれいでジャンプも高いのは彼の中に残っている風格がそれをさせるのではと思わせる。大きくて立派な白鳥が、小さ目の白鳥たちにかじられたり頭突きされたりして弱ってついには倒れていくところを観るのは悲しい。その死は、巨星墜つって感じだ。

さて、王子役のニールだが、1幕のところはあれれ、ちょっと調子悪いのかと思った。スワンクバーの後のソロがすこしもっさりとしていて若干雑。演技の方は相変わらずうまくて、すらりと背が高くハンサムで育ちが良いのにどこか歪んでいる感じが出ている。
2幕では今までの最初からエキセントリックな部分が消えて、夢見るように踊っているのがわかってきた。ニールは2幕4幕は幻想だと思って演じているとのことだが、確かに王子が死ぬ前に見た夢なのではないかと思わせる。甘く美しい夢で、その夢の中で王子はどんどんザ・スワンに恋していて、うっとりとその甘美な感情に浸っている。現実から完全に遊離している危うさが王子に漂っているところがこの人らしくて。コーダではザ・スワンの動きを模倣するかのように、同じように端正に大きく踊っていた。今まで夢に見てきた美しい白鳥が、本当に現れたという幻想に酔うように。

(続き)

3幕ニールはその壊れ方がさらにすごいことになっていた。3幕の登場のところから熱っぽく浮かれていて、現実が見えていないかのような様子。ストレンジャー登場のときには、彼を目で追いかけちゃって大変。嫉妬に心乱れた王子が銃を持って服装も髪も乱れまくりで出てきたときには、体をわなわなと震わせ、ぴくぴくと唇を動かしている。以前はもっと激しい怒りを感じたのに、今回は内に秘めた狂気で、静かに深く狂っていっている感じだ。

4幕では、体は大きいけど窮屈そうに立ちすくむパジャマ姿の彼はすっかり子供にかえっていた(友人弁)。そのまま、ラストのザ・スワンに抱かれる子供時代の王子の姿そのものと言ってもいい。ザ・スワンが死んでベッドの中に吸い込まれていった時、慟哭は魂の死へとつながり、抜け殻となって呆然とベッドの上にへたり込む王子は、とどめを刺される前に死んでいたも同然だった。ザ・スワンの死とともに王子の魂もこの世を去ってしまった。最後の白鳥の一撃は、彼をスワンとの再会へと導く黄泉の国の案内人の役割を果たしていたのだ。父親のように大きく翼を広げたザ・スワンに抱かれた王子は幸せそうだった。この2人の組み合わせが、一番幸せな結末と言ってもいいのではないだろうか。

ニコラ・トラナの女王は、熟年女性の色香を感じさせる。3幕の舞踏会では、スペインの踊りの時にエスコートの男性と奥へと消えて、しばらくしてから満ち足りた表情で戻ってくる。エスコートの男性はご丁寧にシャツの乱れを直しながらでてくるところから、舞踏会場の奥で何があったのかは明らかだ。まあエッチ。ニコラ女王は腕の使い方が本当に美しくて、気品がありなおかつ官能的だ。最初のうちは自分に主導権があると思ってザ・ストレンジャーと踊っているが、いつのまにか完全に彼に操られてしまっている、というところを的確に演じている。演技の方も素晴らしい。厳しいけど王子に間違いなく母親らしい愛情は持っているのがわかるのだ。

4回見たうちの一回目がこんな調子だと、これから先はどうなるのだろう。やばい。

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2005/04/07

マシュー・ボーン「白鳥の湖」4月6日

3週間の地方公演が終わってやっと東京に帰ってきた。この日を指折り数えて待ちくたびれた、って感じ。

舞台を観てこんなにぐったりと疲れたのは初めてかもしれない。今日は3列目センターブロックで観ていたのだが、近い分ものすごく集中して観た気がする。一瞬でも見逃してなるものかと食い入るように観てしまったし、観る側のエモーションに激しく訴える作品だから、精を吸い取られたような気分になる。最前列より舞台や低い位置での演技も見えるので比較的観やすい(が、前に座っている人が帽子をかぶって観ていた。逝ってよし)。

今日はなんとジェイソンとニールというレアな組み合わせ。実は今まで9回観たうち、8回までもがジェイソンなのよね。ジェイソン大好きだけど、たまにはホセも観たい。ホセは観客席にいたようだけど。ニールは一時帰国していたらしく、今日が日本に戻ってきてからの第一日目。

そう、この組み合わせは王子役ニールのほうが身長がずっと高いのである。2幕や4幕でザ・スワンが王子をリフトするときにかなり大変そうだった。リフトに失敗していることがあった。ニールが復帰1日目ということもあって、ちょっと調子が悪そう。1幕終わりのソロでの2番のグランプリエは美しかったけど。

しかし思ったより二人の演技のかみ合わせはうまくいっていた。ジェイソンは一生懸命背伸びをしていた。アダムのように長身のスワンやストレンジャーのほうがカリスマ性を感じさせるので、王子よりも小柄なスワンってどうかな、と思っていたがジェイソンはいつもよりも強さ、獰猛さ、獣性を感じさせる演技だった。目の力がものすごく強い。それなのに、すごく無垢で高潔で真っ白で透明な存在に見えた。ニールがほっそりとしていて背が高い分、“なんか無駄に背だけ高いけど弱々しくvulnerableなお坊ちゃま王子”って感じで、それに対して野生の生存本能が発達していて、生きる力がみなぎっている白鳥が別の世界を教えてあげている、という印象があった。白鳥たちが去った時の王子の嬉しそうな、思わず笑みがこぼれている恋しているような、昨夜の恋の余韻を楽しんでいるようなところが印象的。

ニールの本領発揮はやはり3幕の舞踏会からだろう。ガールフレンドを人一倍嫌っている感じで、「触るんじゃない、この女」と台詞が聞こえてきそう。それに対して、ストレンジャーに対しては、見た時から好き好きオーラが全開。さっそくストレンジャーの胸を触りまくり。タンゴのシーンでもストレンジャーに擦り寄り甘えようとして振りほどかれる。その分、ストレンジャーへの王子の邪険な態度はいつも以上で、すごく暴力的だった。ストレンジャーは小さい分、自分をいつも以上に大きく見せようと大きな態度に出ているのだ。

そして3幕の終わりの銃を持ち出したシーンでのニール王子の憔悴しきった演技!シャツの全面をはだけ(ギャランドゥまで丸見えだよ、ニール)髪は乱れ、上着の袖はまくれあがっている。もっとすごいのが目。時には白目を剥き、時にはガラス玉のように澄みきった青い目を見開き哀しみと怯えを表現し、本当に正気をなくしたようだった。4幕のロボトミーシーンのちょっと暴れる感じの狂気の表現もすごい。この人は本当に演技者だな、と思う。ラスト、ザ・スワンが目の前で死んでいくのを見て、悲しみのあまり気が触れてしまい抜け殻のようになった姿は正視するのがつらいほど。白鳥の一人にとどめを刺されて死んだ時、この人にとってこの世界は生きていくのがあまりにもつらかったんだな、死ぬことが彼にとっては救済だったんだな、と思わされる。

3幕のジェイソン=ストレンジャーは、相変わらずノリの軽い、みんなに愛嬌と色気を振りまきながらも実は誰に対しても興味がなく好きなのは自分自身だけって感じの、堕天使のような男だった。いつもに輪をかけて悪くていじめっ子。3幕の終わりで王子に殴られて盛大に吹っ飛んでいったのは驚いたけど。

4幕のザ・スワンは3幕ストレンジャーとは裏腹に、ものすごく優しく哀しい。体に刻まれた赤い傷が痛ましくも美しい。白鳥たちにいたぶられる王子を見て、僕の大事な人に手を出すな、僕が守ってあげないと誰が彼を守ってやれるのか、彼が痛めつけられていると自分も同じように傷を負ってしまう、いまや彼は僕自身の大切な一部分なんだから、彼を守りぬけない自分は生きている価値がない、という絶望的なまでの強い愛を表現していた。
瀕死の白鳥の演技は、胸にきりきり響いてきて、観る側のエネルギーも消耗させる。同じように憔悴した気持ちになりそうだ。

相変わらずスタミナ面ではちょっとはらはらさせるジェイソンではあるが(だって、結局3連投だもんね)、演技も踊りもどんどん良くなっているし、体はどんどん柔らかくなってきていると思う。アームスもしなやかで脚が上がるようになった。背中も柔らかさを増している。コンビネーションとしてはいつものパートナー、クリスとの演技のほうがいいとは思うけど、相手が変わるとやっぱり演技は変わるのか、と実感した。いろんなバリエーションが見られるのは面白い。

今日から登場の女王役、ニコラ・トラナは今までのオクサーナ・パンチェンコと比べて年齢も上の分、落ち着いて威厳があった。すごく厳しい女王様という感じ。踊りはさすがに美しいが、まだ少し不慣れなところもあるかも。3幕の手袋を脱ぐシーン、エロいよな。

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2005/04/02

SWAN LAKE関係もろもろ

朝はNHKの「生活ほっとモーニング」で首藤さんのコメント映像&マシュー・ボーン「白鳥の湖」の映像が放映。すごく短かったけど、相変わらず瞳をキラキラさせながらあさっての方角を見て喋る首藤さんは素敵。この人のとてもイノセントなところはこれから先も全然変わらないんだろうな。外国人だらけのキャストの中で踊るのは大変だろうし、そのあたりの孤独感が王子役の演技にも反映されているんだろう。ザ・スワンを踊った時も異質感が人一倍強かったし。
2幕と4幕中心の紹介で、ジェイソンとのパ・ド・ドゥや、狂乱のシーンが観られたのはよかった。でも朝から見るにはいささか刺激が強いかもしれないが…。カツオくんことコーディもバッチリ映っていたよ。

そのままNHKをつけていたら、いつのまにか熊川哲也が出ているよ、と(だ)に言われた。熊川氏と、オデットの衣装をつけた康村和恵さんが生出演している。2幕のオデットのヴァリエーションでのマイム(白鳥に変えられて愛の誓いだけが自分を人間に戻すことができる、あの湖は母の涙でできているのです)を熊川氏が丁寧に解説してくれて、すごく勉強になった。とはいっても、もう家を出ないと遅刻する、という時間だったのでちょっとしか観られなかったけど。一瞬だったマシューの「白鳥」に比べて時間が放送時間がめっちゃ長い気はしたが、こういうところでバレエを紹介して観る人の裾野を広げることはとてもいいことだ。康村さんのオデットは5月に見る予定なので、楽しみ。とても可愛らしかった。

ところで、マシュー・ボーン「白鳥の湖」といえば先の話だけど来年1月からの北米ツアーが決まったよう。
http://www.playbill.com/news/article/92032.html
去年予定されていたのが一度キャンセルされていただけに、よかったね~。というかサンフランシスコあたりまで行って観に行きたいんですけど。
得チケでも何枚か買い足してしまったし、ホント白鳥中毒ぶりは病気以外の何物でもない。来週からの怒涛の一ヶ月、無事に生きて帰れるのか?

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2005/03/14

『白鳥の湖』3月12日18:00(前半楽)

ザ・スワン/ザ・ストレンジャー ジェイソン・パイパー
王子 首藤康之
女王 オクサーナ・パンチェンコ
ガールフレンド リー・ダニエルズ
執事 アラン・モーズリー
幼年の王子 ギャブ・パーサンド

本当は余裕があったらマチネも行きたかったが、お金もないし家事もたまっていたし(一応主婦)ソワレから出陣。今回7回目。

今日はザ・スワンにジェイソン・パイパー、王子に首藤康之。水曜日に見に行った時は3階が閉鎖されている寂しい入りだったがさすがに今日は前半最終回だったので入りが良く、客席も大盛り上がりだった。

ジェイソン、ちょっと怪我をしていたみたいで、万全ではないと思わせるところもあったが(汗の量が半端じゃなかった)表現力はますます研ぎ澄まされている。2幕は疲れが見えたが、少しずつスワンと王子の間の距離が縮まってくる様子が手にとるようにわかる。ザ・スワンの存在感も増していて、最初のうちはチンピラグループの大将くらいのやんちゃな感じだったのが、今は2幕の時点から孤高を感じさせるのだ。狼の群れの中でもひときわ獰猛で眼光鋭く他を寄せ付けない聖なる野獣。孤独な狼を思わせるワイルドな風貌。目力がすごいんだよね、彼は。

ヘスススワンのような回転の時のしなやかさ、柔らかさはないけどその代わりぐいっとシャープで力がみなぎり、情熱を感じさせてくれる。野獣らしく音出ししまくる。首藤王子とのパ・ド・ドゥも息が合っている。もちろん、首藤王子のほうが踊りは全然綺麗なのだけど、王子のノーブルさに対応しての野生、動物らしさということを考えればこれはこれでOKなのでは。

首藤さんの王子の踊りは観るたびに惚れ惚れするほど美しい。特に2幕コーダのところで踊りがシンクロするところは、ザ・スワンと対になったような、シメントリーな振りを見せて、しかもより優雅で柔らかく繊細だ。指先まで血が通って、体中が翼になったよう。途中まで地を這うような動きばかりだったのが、天から引っ張られているように高らかに生きる歓びを歌い上げている。陳腐な表現だけど歌うようにリズミカルに踊っているのだ。そして自分が気がついていなかった、生まれ持った高貴な美しさを始めて認識した王子。

スワンたちが去った後の、地面から解き放たれて自由になった王子の伸びやかな舞。内にこもっていたかのようなスワンクバー後のシーンとは対照的に、外へ、外へと広がっていくような、生の実感に満ち溢れた希望を放っている。まるで初めて彼自身に本当の朝が訪れたかのような。

3幕のザ・ストレンジャーは“ナチュラル・ボーン悪魔”って感じで罪悪感のかけらもなく軽やかに誘惑のゲームを楽しんでいる。王女たちをたらしこんではいるけど、本気ではなく彼女たちの欲望に火をつけて高笑い。彼女たちに身を預けている振りをして、余韻を残しながらもすっと引く。フェロモン過剰、エロス過剰なんだが、ねっとりしているわけではなく、いい意味で軽く明るい。額に黒い線を描いてザ・スワンを模した振りの所は悪魔的で、禍の神という印象もあり、身震いさせられた。

ジェイソン演じるストレンジャーは、その役名の通り、“異形の者”という印象が鮮烈だ。お高く止まっている上流階級のパーティの中に紛れ込んだ、黒い羊。ダークなルックスの彼は黒い染みのように際立ち、存在感を誇示する。

ストレンジャーと女王のPDD。今回の女王のオクサーナ・パンチェンコは「私は女性としてまだまだ現役なのよ」と常に物語っている存在。若く美しく艶っぽく、反面母親としての自覚が希薄で冷たい。このPDDは、クラシック版の白鳥だと「黒鳥のパ・ド・ドゥ」としてオディールが持てる魅力のすべてを艶やかに振り撒き、王子を誘惑していく踊りだ。オクサーナの華やかで優雅な踊り(アームスの使い方などはまさに黒鳥)は、オディールを思わせる。私はこんなにも美しくて高貴な存在でオンナとして最高なのよ、最高の男を手に入れてしかるべき存在よ、と誇示するダンス。ストレンジャーはそんな女王の感情を巧みに盛り上げていき、毒牙を絡めつけている。

そして王子とのPDD(タンゴ)へ。ここでのストレンジャーは、挑発的で戦闘的だ。王子に何かをけしかけるように、噛み付くように挑みながら攻撃的な小刻みステップを踏む。堕天使のような悪魔。怯える王子はここから壊れていく。

嘲笑される王子。もともとこの舞踏会では、彼に優しい顔をしてくれる人なんかひとりもいなかった。彼の孤独がここで際立つ。ストレンジャーの高笑いは、いたって無邪気なだけに王子をさらに深く傷つけるものだ。首藤王子は繊細で高貴、ガラス細工のようでいともたやすく心が砕け散ってしまう。その心が砕け散る音が聞こえた気がした。

男女対抗ダンス合戦。ここでのストレンジャーは、本来のガキ大将キャラに戻って、楽しそうにのびのびとステップを踏む。女性陣が踊っている時の腕フリフリのポーズなんか、イケイケで最高!

4幕のスワンたちベッド下から登場の後、目覚めてベッドの周りで混乱して踊る王子。心を千々に乱された王子の踊りが2幕のザ・スワンの動きをたどる。放物線を描く足の動きの美しさは、またしてもザ・スワンをはるかに超えるもの。

ジェイソンの魅力が一番発揮されているのは4幕だろう。2幕のやんちゃ坊主や3幕のナチュラルボーン悪魔とは打って変わって、とても懸命で優しく哀しい存在。若くて美しくて元気にあふれた青年が、ボロボロに傷つけられて瀕死になってもなお、王子を守ろうとする。ザ・スワンと王子の間の感情は愛であることには変わりはないのだが、愛といってもブラザーフッドというべき友愛がここにはある。(たとえばヘススのスワンは間違いなく性愛なのだ)
ジェイソンのスワンは他のスワンの誰よりも哀しい。王子の命は自分の命よりも大切なもの、彼が死んでしまえば自分は生きていても仕方ない、彼を守るためには自分の身がバラバラにされてもいいという気持ちが感じられた。あまりにも哀しみを満ち溢れさせたザ・スワンと王子の視線。ジェイソンも首藤さんも瞳に大粒の涙を湛えている。首藤さんにいたっては、瞳の奥に深い泉があって、とめどなくあふれ出てくる涙を止めることができないという按配だ。二人とも目力が強いだけに、しっかりと二人を結ぶ絆が目に見えてくる。何度も死に瀕しながらもそのたびに渾身の力を振り絞っていくザ・スワンだが、そのたびに少しずつ弱々しくなって、最後の天を仰ぐところでは崩れ落ちるように倒れていく。

ザ・スワンが消えた後おろおろとベッドの上で彼の痕跡、残り香を捜し求める王子。彼が死んだことを知った彼は魂の抜け殻となり、スワンズの一員(通称とどめスワン)の一撃でその苦悩から永遠に解放される。それでも、死後の世界で幸せになってよかった、というよりは果てしなき哀しみ、彼の幸せになれる世界はこの地上にはなかったという絶望感が重く心にのしかかって幕が下りる。

凄絶なものを見せていただいた。スワンなしの3週間あまり、どうやって生きていけばいいのだろうか。

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2005/03/08

M・ボーン『白鳥の湖』にふたたびはまる

初日を観た段階では、こんなことになるはずではなかったのに…。

気がつけば最初に買ったチケット6枚が倍くらいに増えているし、もう5回も観ている。頭の中に3幕のコーダの曲がぐるぐるまわっていたり、スワンク・バーのシーン(プティパ/イワーノフ版だと乾杯の踊り)の早回しの曲も鳴っている。

観ている間は胸がどきどきしちゃって、ステージに吸い寄せられる。一昨年から通算してももう数え切れないくらい観ているのに、毎回胸をかきむしられるような思いがするのはなぜだろう。

『オペラ座の怪人』が好きなのとマシュー・ボーン版の『白鳥の湖』にひきつけられるのは、この2つの作品にある種共通点があるからかもしれない。ファントムも、王子も、誰からも愛されていない、この世界で冷たくあしらわれている中、唯一の希望の光を見つけ、すべてをそこに捧げ裏切られたと思い死んでいく。闇が深ければ深いほど、光は美しく輝き、その反射がわが身を照らすのだ。

ザ・スワン/ザ・ストレンジャーを踊るダンサーが一番目立つ作品なのだが、これは王子の物語。よって、王子がどれほど演技者として優れているかがとても大事だ。

前回はクリス王子のことを書いたけど、この週末はニール・ウェストモ-ランドと首藤康之の王子を観ることができた。ニールは『くるみ割り人形』で観たことはあったものの、こんなに素晴らしい演技力の持ち主とは思わなかった。澄んだ大きな青い目が(決して若くはないのに)純粋培養でどこかいびつなイノセンスを感じさせる。そして3幕からの壊れていく演技といったら。土曜日マチネは最前列中央で見ていたのだが、冗談じゃなく吸い込まれそうだった。3幕、ザ・ストレンジャーが白鳥の仮面をつけたときから音を立てて彼という存在が壊れていき、震え怯え、狂気の世界へと足を踏み入れていくのがわかる。

『くるみ割り人形』を観るとわかるように、マシュー・ボーンはハマーホラーなどの古典的な怪奇映画が大好きなのだが、ニールの演技はまさに怪奇映画の犠牲者の様相を呈していた。女王とストレンジャーのパ・ド・ドゥを目の当たりにして、胸をはだけ髪を振り乱し狂っていくずたぼろの彼の姿は見る者の涙を誘わずにはいられない。
4幕では、とても大柄な彼が小柄な白鳥たちにも蹂躙され小さく弱々しくでも意志とスワンとの絆だけは強く見えた。役への入り込みっぷりは半端じゃない。凄まじいものに触れた思いがした。

そして首藤さん。2年前にザ・スワン/ストレンジャーを観た時とても端正で美意識の高い存在感があった。今回も、自信なさげでありながら、彼独特の滅び行く者の美しさを感じさせる妖しい王子であった。1幕の成人した彼が登場するシーンでは、魂ここにあらず、どこか宙をさまよっている感じが印象的。自分はここではないどこかに行きたいのに、どうしても鎖を解き放って行けないというもどかしさを表現しているかに思えた。ニールが演じた王子とはまた別のピュアな存在。触れれば壊れそうな儚さ。

スワンクバーの後のシーンのソロは、クラシックの美しい踊りではない、粘っこく内省的な踊りを見せなければならないのだが、ここも彼らしい精神性を感じさせる振りになっていたと思う。 混沌として明かりの見えない闇をさまようような踊りなのだが、グラン・プリエ(深く腰を落とす振り。クラシックの基本)が綺麗。

2幕でザ・スワンと触れ合って魂が解き放たれていく様子を観ると、こちらの意識も解放されていく気がする。生きる純粋な歓びに満ち溢れた様子。踊りは手先足先まで伸びてとても伸びやかで綺麗だ。ジュテ(跳躍)も美しくすっとアンドォールしていて、気持ちが良いほど。しかも、それを軽々と、どうってことないって感じでたやすく踊ってしまうのはさすがだ。クラシック出身だけあって、2幕のコーダではザ・スワン役のジェイソンよりも白鳥らしく優雅で美しかった。自分の持っている本来の美しさに目覚めたという覚醒を感じさせる。

首藤さんはザ・ストレンジャーがちょっと弱いと前回の公演のときに感じたのだが、今回は演技面も頑張っていた。パーティの参加者にバカにされるときの傷ついた様子は痛々しい。ニールのような派手な壊れ方はしていないが、周囲の人々の残酷さが浮き彫りになるような深い手負いを感じさせる怯え方だった。

4幕で驚いたのは、ザ・スワンが白鳥たちに攻撃され命の灯を消してベッドに吸い込まれていった後、必死にザ・スワンの姿を追い求め、おろおろとその残り香を嗅いでいる演技を見せたこと。大きな瞳に涙をためていとしいしと(ゴラムじゃないって)の幻影を追い求める姿を観ると、こちらも胸がキリキリと痛む。ストレートプレイの経験を積んだ成果が生かされている、見事な演技だった。

そして首藤さんの気合がジェイソンにも乗り移ったようで、ジェイソンの踊りも力強くリズミカル、素晴らしかった。二人の間には化学作用が働いていたとしか思えない。4幕ではザ・スワンと王子の間の絆がしっかりと目に見えるようだった。兄のように王子を庇護しようとするザ・スワンの渾身の舞にはやられたよ。ジェイソンはコンテンポラリー系のダンサーらしく、リズム感がよく細かいステップが得意。3幕の男性軍団群舞の切れの良さには参った。キスの雨を降らせていて、その場にいる者全員に愛を振りまき、やんちゃでワルいけどかわいいやつだった。今回はジェイソンに一番やられたよ。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/swanlake/slmag.html

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2005/02/27

マシュー・ボーン『白鳥の湖』初日2月22日

Pht0502222207一昨年熱狂して6回劇場に通い、バレエ鑑賞生活再突入のきっかけになった作品。ヘスス君を追っかけてスペインとかニューヨーク(3回>ばか)まで行ったくらいだから…。

一昨年の6月に韓国で観てからこの作品の映像はほぼ封印していたので、久しぶりに観た気がした。3幕などは、特に黒鳥のPDDの曲を使ったところで「こんな振りつけだったっけ」と思うほどだった。でも改めて観てみると、本当に良くできた作品だと思う。2幕の湖畔の白鳥のシーンはしっかりプティパ/ワイノーネンの元振り付けを尊重しながらも見事に換骨奪胎しているし。3幕黒鳥のPDDを、ミュージカルの男性軍vs女性軍のダンス合戦に変えているという発想が独創的だと認識を新たにした。

気になるスワン/ストレンジャー役だが、ジェイソン・パイパーはとりあえずルックスがワイルドでとても良い。濃い人好きなんで。小柄で、シャープな狼か猛禽類を思わせる白鳥だった。クラシックのダンサーではないので、上半身、特に背中がちょっと堅いかな、と思わせるところもあったけど、腕の使い方はそれなりに工夫していたと思った。身長の割に手が長いし。クラシック・ダンサーではないと聞いて期待していなかったというのもあり、無難に踊っていたという印象。
3幕のストレンジャーには艶があり、視線の使い方が危険な魅力を放って性的な魅力があった。これから踊りこんでいけば、ザ・スワンの方も良くなるだろう。

王子役のクリストファー・マーニーは踊り、演技ともとてもよかった。踊りに関してはこっちの方がこなれているし、ある意味この作品の主役である王子を感情豊かに、哀しく演じていた。王子にいかに感情移入させるかがこの作品のポイントだと思うのだ。体も柔らかく小柄ながらも綺麗。でも、髪の毛がちょっとやばいかも。地肌が透けて見える王子…

クラシック・バレエを見慣れている目には、ニュー・アドベンチャーズのダンサーの踊りには違和感がある向きもあるかと思うが(クラシック出身者は半分以下)、でもこの演目にはこのダンスでいいとおもう。2幕の4羽の小さな白鳥の踊りも前回より弾けていて楽しかった。 録音テープのテンポには違和感があったけど。

前回との振り付けの違いは、1幕のオペラハウスのシーンとスワンク・バー、それから3幕の黒鳥PDDのところなど。1幕は見慣れているせいか前回の方が良かったと思う。黒鳥PDDは今回の方が踊りが派手になっていて、見せ場っぽくなっていた。3幕の各国の王女たちの衣装は、より露出度が上がってちょっと品がないけど、女王(オクサーナ・パンチェンコ。好演!)の深紅の衣装はとても綺麗だった。 3幕はよりエロティックに、欲望露になっていたという感じ。4幕のザ・スワンや王子たちに加えられる暴力が容赦なくて、頭突きされるわ、かじられるわ、すごい。より獰猛になった白鳥たちを観たという感じだ。

とりあえず、また通いつめるうちにはまっていく予感。(あと6回観る予定)

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2005/02/22

明日から白鳥祭りだよ

まだハンブルク・バレエの圧倒的なきらめき『眠れる森の美女」について語ってもいなければ、
オペラ座の怪人の怪人役ジェラルド・バトラーの萌え萌えで、彼の過去の出演作が、これが揃いも揃って「トゥームレイダー2」「タイムライン」「サラマンダー」「ドラキュリア」としょうもない映画のオンパレードなのでけど、頑張ってみるわよ。TSUTAYA半額クーポン送られてきたし。

夏にニューヨーク行ったときにまた本場の怪人に会いに行きたいけど会えるのかしら。

で、明日からマシュー・スワン祭りだよ!もうタイへん! http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/swanlake/index.html
生き抜くことができるかしら、あたし、

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