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バレエの本

2020/07/20

山本康介さん『英国バレエの世界』独占ロングインタビュー

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエで10年間活躍してファースト・ソリストとなり、日本に帰国後はローザンヌ国際バレエコンクールなどテレビ番組の解説者、指導者、振付家として幅広く活動している山本康介さん。温かい人柄がにじみ出るわかりやすい解説でもおなじみです。コロナウィルス禍の緊急事態宣言の際にはInstagramで平日レッスンを自宅から配信し、的確な指導と美しいお手本で大好評を博しました。トップのプロダンサーからダンサーの卵たちまで、千人を軽く超えるダンサーたちが毎回参加していました。

 

その山本さんが、10年間の英国での経験と、帰国後の10年で切り開いていった類のない道のりから得た知見をつづった著書、『英国バレエの世界』(世界文化社)が出版されました。山本さんの明るく柔らかい声が聞こえてくるような親しみやすい言葉で、バレエの本当の魅力が語られ、この本を読み終わった時には知識だけでなく、心が豊かになった気持ちになるような快作です。

山本さん自身の道のり、英国バレエの歴史―偉大な振付家やダンサーたち、そして英国バレエの特徴。また本場英国の名門でダンサーとして踊ってきた山本さんの視点ならではの英国的な作品の魅力が実感を伴って語られています。今の日本のバレエ教育の問題点、振付家や解説者という立場だからこそ語ることができる本質ももちろんですが、ダンサーとしての経験に裏付けられた、踊る上でバレエの歴史や作品の背景を知ることの大切さが説かれています。

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手に取りやすいサイズ、シンプルでシックな装丁、わかりやすく見やすい注釈、持ち歩いて繰り返し読み返してみたい豊かで素敵な一冊です。バレエを学ぶ若い人から、バレエを観るのが趣味の大人、そして指導者まで多くの方たちに読んでいただきたい、バレエへの愛が詰まった宝石のような本です。

その山本さんに、この本を作るにあたっての想いを語っていただきました。

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「バレエの正しい認識を持って、奥が深いものを感じ取っていただけるようにしたい」

Q: この本『英国バレエの世界』を作るにあたってこだわったポイントは?

山本 「最初は漠然と本を出したいという気持ちはありました。ぼくが今解説という仕事をしているのは、みんなに正しい認識を持ってもらいたいからです。引っ越し公演で日本に来ると、芸術全体の形を観に来ているというよりも、トウシューズを履いているとか、たくさん回っている等、バレエの一部分に目が行きがちなのかな、と感じていて……。総合芸術に対する認識がヨーロッパとは違うと思いました。西側のバレエ団は、バレエ・リュスを通してみんなつながっていて、皆関係性を持っているカンパニーです。招聘公演だったり、有名なスターだったりを日本で観られるような時代になりました。だからこそ、正しい認識を持つようになって、脚が高く上がっているとか外見だけでなく、もう少し奥が深い何かを、実際に観た時に感じ取っていただけるようにしたい、と考えたのが最初のきっかけです。」

「編集の方と試行錯誤を重ねて手に取りやすい本を目指しました。実験的にいろいろやりながら、デザインやレイアウトにもかなりこだわり、今まで見たことがないような本を作りたいという気持ちで制作しましたね。コロナウィルス禍が起きるとわかっていたら、もう一章入れていたと思います。世の中における、バレエのありかたといったことを入れたかったですね」

 

バレエ界の中で、ぼくがこれまで培ってきた知識や経験を、少しでも与えられる人になりたい

Q:山本さんの、バレエそのものに対する愛も感じられますし、バレエを学んでいる人への愛も感じられる一冊になっていると思います。山本さんのバレエへの愛はどうしてこんなに深くなったのでしょうか。

山本 「ぼくのバレエに対する愛が深くなったのは、実は日本に帰ってきてからの方が強くなったのです。帰国して自分がダンサーの立場、プレイヤーから外れた時に、環境が整っていない人たちと関わる機会が、海外にいるより圧倒的に増えました。その中でも踊りたいという気持ちは実力に関係なくあるものなので応援したい。バレエ界の中で、ぼくがこれまで培ってきた知識や経験を、少しでも与えられる人になりたいと思ったのがきっかけです」

 

Q:20代で現役のダンサーを退いて、新しいキャリアへ移って行ったのはなぜでしょうか。

山本 「いつまでも踊れるわけではないと思っていました。外国のバレエ団では意外と引退が早く、30歳そこそこになると次は何しようか、と考える方も多いのです。ぼくたちも学生の頃から、セカンドキャリアを持つことが大事だと教えられてきました。自分の中でいつ辞めて次は何をしようかということを頭の中でいつも考えていました。ぼくはまだ自分にパワーがある時に、次にやりたいことがあるなら準備をしておいた方がいいと思っていました。今やっと辞めて10年目に入って、自分が漠然と何となくやりかけたことがやりたい方向に進みだしていると感じ始めているくらいでした。その矢先に、このコロナウィルス禍となってしまいました。」

「ぼくたちは、とても若い時にプロのダンサーになりたいという気持ちがないと、プロにはなれない職業です。世の中の仕組みがわかった時には、もうバレエダンサーになって何年か経っていて、どんなに成功しているダンサーでもこれで良かったのだろうか、と思う時が来ます。踊ることそれ一本でいくという人もいれば、経験を経て何を伝えるかという風にスイッチしていく人と、やはり両方いないと、誰もがバレエ団の中でバレエマスターとか芸術監督として残れるわけではありません。広い知識を持ち自分自身で世の中に目を向けることをしていないと、転職するにしてもタイミングが大事です。外国のカンパニーではキャリアのサポートはあります。ぼくは若い頃は力で踊るタイプで、そういう力があったのでできてしまったところもあったのですが、辞める前にコントロールするということをようやく学びました。自分が教えることで、たくさんのバレエのことを学びました」

 

Q:ご著書の中で、日本のバレエを輸出するために振付家・演出家が出てきてほしいと願っているという言葉に共感しました。英国で踊られていた山本さんはどうしてそのように感じられたのでしょうか。“ロイヤル・スタイルというものはない”という章も大変興味深く読ませていただきました。

山本:「昔は外国の作品を買って上演していたバレエ団は少なかったのですが、今は日本のバレエ団でも、外国の名の知れたプロダクションを借りたり衣装を新制作したりして上演するというのが当たり前になってきました。そうやってバレエを観るお客さんが増えてきた、育ってきたと思います。でもやはり日本のスタイルというものを作っていかないと、逆輸入になってきて、外国で踊ってきたからいい、外国で成功してきたからいいバレエという時代ではなくなってきたと思います。自分たちのスタイルを身につけていく時が来たと思います」

「“山本さんはロイヤル系だから”と言われてきました。“ロイヤル系じゃなくてロイヤルですよ”と答えているのですが。メソッドとしてのワガノワ・スタイルだったり、オペラ座のスタイルだったりと、昔から培ってきたものを体に叩き込んでいく中でのメソッドというものはロイヤル・バレエにはないので、いろんなものを取り入れて行ったもの、作品重視で成り立っていったのが今のロイヤル・バレエのスタイルです。そういったスタイルについての知識はとても大切なことです」

 

Q:この本の中では、山本さんが実際に踊られた、多くの英国的お勧め演目について語っておられますが、その中でも山本さんが特に好きな作品は何でしょうか?

「それは本を読んでいただいた印象にお任せしますが(笑)。本に掲載されているもの以外では、今回ページ数の関係で割愛してしまったのですが、アシュトン振付の『シンフォニック・ヴァリエーションズ』です。短編のバレエの中でも一番好きかもしれません。そしてバランシン振付の『テーマとヴァリエーション』も大好きです。『シンフォニック・ヴァリエーションズ』こそ、自然なのにダイナミック、チャーミング、そして繊細で、叙情で表す言葉がすべて入るようです。バレエ・リュスの人がこれを観たとしたら相当感激すると思います。アフターヌーンティーのような英国的なバレエです。

『テーマとヴァリエーション』は音楽との一体感が素晴らしいしクラシックバレエの豪華さもあります。踊る楽しさとクラシックバレエの豪華さが一緒になったようなバレエです。フィナーレの頂点に達した高揚感は観ていても鳥肌が立ちます」

 

Q:バーミンガム・ロイヤル・バレエではデヴィッド・ビントレー監督の作品をたくさん踊られましたね。

「バーミンガム・ロイヤル・バレエにいると、比重として芸術監督のデヴィッド・ビントレーの作品がレパートリーの約半数程度を占めていましたので、彼の作品とそれ以外とを両立させることが求められていました。現役時代は、そのバランスに疑問に思った時期もありましたが、彼自身が白いバレエやアシュトンの作品にも敬意を払っている人だったので、必然的にまんべんなくこれらの作品の大切さがわかるようになりました」

「デヴィッドの作品で観るのが一番好きなのは『ペンギン・カフェ』です。フィナーレで全員集まるのは楽しいので踊るのも好きでしたが、観ていてもテーマ性がとてもしっかりしているし、音楽もちょっと変わった感じでとても良くて、みんなに観てほしい作品です。実際に踊って好きだった作品としては『カルミナ・ブラーナ』です。音楽の持つパワーが舞台を覆って、暗い照明の中で自分が踊りたいから踊っているというよりも、力で押されて踊らされている自分を感じました。テーマも神に背く、大罪を犯すことについてのバレエです。強く背中を押されて踊っている何かをとても強く感じていました。不思議な感じで、衝撃的でしたね。ああいった演出だったりデザインだったりはデヴィッドの性格とは真逆のところがあって、彼はとても物静かで人に対して失礼なことはしないし、英国的なマナーを持った人なのに、あのような奇抜な面も持っているんだと、びっくりしました。歌の内容もわかりやすく表現していますね」

「他に踊っていて楽しかったバレエとしては、バランシンの作品は全般的に好きでした。『アゴン』などはチャレンジし甲斐がありました。海外のバレエ団はいろんな振付家の作品を踊ることができます。それでもバーミンガムは偏っている方だと思いますが。芸術監督がカルロス・アコスタになってウヴェ・ショルツやイリ・キリアンの作品もレパートリーに入りました。今このような時期なので各バレエ団も来シーズンのレパートリーが予定通りになるかわからないところがありますが。いい意味でも悪い意味でもダンサーにとって変化というのは必要なのです」

 

『ロミオとジュリエット』と『ライモンダ』を創るのが夢

Q:帰国されてからは、振付家としても活躍されており、この本の中でも作品が紹介されています。作品を創作するにあたって心掛けていることはどんなことでしょうか。

山本:「作品を振付けるにあたっては、作品を創ってみたい、という気軽な気持ちはあったのですが、やらないといけないから創ったというところで学んでいったことの方が多いと思います。やりたいことを何でもいいからやるといいよ、と言われると意外と、お料理と一緒でうまくできなかったりします。冷蔵庫の中にこの材料があるので、と決まったもので創ってくださいと言われた時の方が良いものができたりしますよね?!制限、条件がある中でできたものの方が、自分の勉強になります。

このように見せるというのは日本に帰ってきてからです。イギリスにいる時から作品は創作していましたが、日本に帰ってきてからの方が、プロ、アマチュアを問わず自分の指導者としての配分を強くしながら、そうしなければならない比重が強くなったので、それで伝えることもクラシック重視でみんなの勉強になるように作るという方向が定まってきました。最近では、瀬島五月さんに振付けた『椿姫』の評判が良かったのですが、これは再演したいと思っています」

「今後は、『ロミオとジュリエット』『ライモンダ』を創ってみたいという振付家としての夢があります。『ライモンダ』という演目がとても好きなのです。でも納得するプロダクションをあまり見たことがなくて。ヌレエフ版はセットや衣装は好きですが、少し長すぎます。ステップも詰め込まれすぎていてしんどそうだと思ったりするので、自分で創ってみたいと思っています。『ロミオとジュリエット』の方が難しそうです。マクミラン振付のものが自分の中に強く入っているので、いざ作らなければならない時にはとても悩むと思いますが挑戦したい」

 

Q:バレエを正しい形で多くの人に知ってほしいという気持ちがこの本から伝わってきます。バレエはどうしたらもっと気軽に見てもらえるようになるのでしょうか。

山本:「バレエだけでなくてどの業界の風潮からも見てみると、たくさんのお客さんの動員をするためにはコラボレーションが重要だと思います。わかりやすくかみ砕いたものと、この二つが主流になってくると思います。今の人に『白鳥の湖』を劇場の中で3時間かけて観ろと言うのは、時間や余裕がない方がたくさんいるので難しい。短めのわかりやすいものを入り口すると、きっかけになるかもしれません。オペラとバレエなど、いろんな分野の人を混ぜたような、一時期のシルク・ド・ソレイユが成功したような、あらゆる多方面の肉体的な技術に長けた人たち、パフォーマンスをする人たちにテーマ性のあるものを表現してもらう方法が成功していますね。そういうビジネスモデルが出てきているのを感じます。バレエは衣装担当や、照明の人たちもいて、音楽の演奏家も必要な総合芸術ですからお金もかかりますが、総合芸術の素晴らしさは理解してもらえるようにしなければなりません」

 

「政治、自分の住んでいるところのシステムをよく知ることも大切なこと」

Q:コロナウィルス禍で、ダンサーの皆さんは舞台にも立てませんし、稽古場でレッスンをすることもできませんが、山本さんがInstagramで毎日配信していたクラスが、そのようなダンサーたちにとても好評でした。今ではInstagramのフォロワーが7800人もいます。ダンサーの皆さんへのメッセージがあれば教えてください。

山本:「レッスンを受けられない毎日の中でも、ダンサーの皆さんの努力は素晴らしいです一日何クラス受けた、といったことを話している方もたくさんいます。たくさん受けたからといって上手になるわけではないのですが、日本人のダンサーは真面目ですね。クラスを受けてくださる方も多くてフォロワーが増えました」

「今回のコロナウィルス禍があると、舞台芸術への打撃も大きくて、すぐに元通りになるのは難しいと思います。みんなで協力できることは協力して、バレエ団の垣根を越えて誰か共通して動く人が必要だと思うので、ぼくも交流をどんどん進めていきたいと思っています。10年前にはあまり考えられなかったのですが、ぼくは今では多くの団体と仕事をさせていただいています。バレエファンも変わってきたところだと思います」

ダンサーは健康体であることが大切、それで成り立っている職業です。今は我慢して出歩かないで、医療崩壊を避けるためにも自分が病院に行かないで済むように、怪我をしないで健康体であることが大切だと思います。今回のことで皆さん考える時間はたくさんあると思うので、自分の今後の先行きとか、政治、自分の住んでいるところのシステムをよく知ることも大切だと思います。自分で今何が起きているかという情報をキャッチして、それに対してどう思うかということを社会に発信していくということ、もう少しコミュニティの中で。政治に対してもう少し関心を持つこと、それはダンサーだけでなく若い人全般に対してですが、そうしてほしいと思っています」

 

具体的にできることを自分で考えて行動を起こせることが、プロを目指すうえで大切

Q:プロを目指している若い人へのアドバイスは?

山本:「SNSなどを通して、いい情報も間違った情報も山ほど入ってきます。自分が惑わされない強さを持つこと。調べたり動いたりすることだけではなく、待つことがプラスになることもたくさんあります。自分で計画をきちんと立てること、10年後にバレリーナになりたければ、2年後にはこうなっていて、それがコンクールで賞を取るということではなくて、クラスの中でできるようになるというような。また、3年後に留学したいなら英語の勉強を1年前までに終えていないといけないとか、具体的にできることを自分で考えて行動を起こせること、それがプロになるために一番大事なことではないかなと思います」

「もちろんバレエが大好きというのは前提だと思いますが。計画通りにならないこともありますが、自分が目標を持ったからこそ、計画通りに行かなくても次が見えてくるところがあると感じます。ぼくの考えたことや経験したことが、その人に必ずしも合わないこともありますが。でも人の話は聞かないよりは聞いた方がいいと思います。指導者はやはりとても大事です。週1とか週2のレッスンだからこそ、きちんとした先生につくべきです」

 

Q:山本さんが指導をされるときに心がけていることはどんなことでしょうか。

「指導者として自分に言い聞かせていることは、絶対に怒らないことです。自分が怒ってしまったら自分が負けだと思います。子どもがなぜそう思うのか、ということを理解することで、相手が自分のいうことを聞きたい、という先生になりたいと思います」

(この本を購入された方の特典として、山本さんが指導するレッスン動画が視聴できます(上記動画のロングバージョン)。「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」のヴァリエーションです)

 

Q: 山本さんの今後の夢をお聞かせください

「ぼくの夢としては、国際交流の懸け橋になりたいということです。ヨーロッパと日本というのはもちろんですが、アジアの中の日本というのも考えています。日本も新しい時代が来ていると思います。東南アジアにも、アフリカにも、ヨーロッパにも、とても良いプロダクションや、良いダンスを持って公演に行きたいですね。日本のバレエ団も年に一回くらい海外ツアーに行って帰ってくるくらいのことが当たり前のことになってほしいと思います。」

「コロナウィルス禍という時期なので、毎日の生活も大変だと思いますが、今はみんなで考える時期です。文化や芸術は心の栄養になるので、皆さんが収束後に劇場に足を運ぶことができるように、皆さんにも努力をお願いしたいです」

 






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緊急事態宣言発令の次の日から 平日は毎日続けてきたオンラインクラスも あと2回になりました。 その間にたくさんのメールを頂きました。 返信しきれてないのですが、ここでお礼に返させて頂きます。 コロナウィルスが無くなったわけではなく、第2波が起こらないようみんなで努めながら仕事に戻る、ここからの方が大変ではないかと思います。けれども何が大切か、皆さん今回学んだことを活かして前進していきましょう。くれぐれもお気をつけて。 ありがとうございました。 Full 8weeks of online class has finally come to an end this week. All the dancers in Japan sort of manage to work slowly back in their studios. I have had so many lovely encouraging messages over this period,and never felt this much connected with the all other dancers! Thanks and keep staying safe and healthy.

Kosuke Yamamoto(@kosuke_apollon)がシェアした投稿 -

にこやかで親しみやすい語り口の中に、バレエへの情熱と、現役ダンサーや後進へ贈る暖かい視線が伝わってきた山本さん。英国と日本での経験に裏打ちされながらも、そこに留まらない幅広い視点で今の日本のバレエ界に欠けているものをしっかりと見据えられていました。山本さん以上に、バレエの伝道師として活躍してほしい方はいないと思うほどです。『英国バレエの世界』ぜひ手に取って持ち歩き、繰り返し愛読してほしい一冊です。

2019/10/12

すべてのバレエ愛好家に捧ぐ 世界初の図鑑が11月発売!『バレエ大図鑑』

河出書房新社より、11月上旬に『バレエ大図鑑』が発売されます。

http://web.kawade.co.jp/bungei/2685/

Ballet-the-definitive-illustrated-story

英国ロイヤル・バレエ、K-Ballet Companyのプリンシパルとして活躍し、先日イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールの校長に就任した名バレリーナ、ヴィヴィアナ・デュランテ監修による、バレエのすべてを網羅したと言ってもいい図鑑です。バレエの誕生から今までの歴史、主要なバレエ作品、ダンサーや作品を年代順に取り上げたほか、特に有名なバレエ作品については詳細にストーリーラインも時系列で図版を多用して解説。これ一冊でバレエについての基礎知識が身につきます。

英国で出版された本なので、イギリス中心にはなっていますが、もちろんロシア・バレエ、バレエ・リュス、パリ・オペラ座やアメリカのバレエ等も掲載されています。『冬物語』や『クローマ』など最近の作品の解説もあり、写真も豊富に掲載されていて、とても美しい一冊になっています。

こちらの本ですが、私が今回日本語版の監修をさせていただきました。大変な作業でしたが、とても楽しかったです。一年前から取り組んでいたので、本が完成したのはとても嬉しいです。見本はすでに手元に届いていますが、とても豪華で、ページをめくるとわくわくします!定価が高いのですが、一家に一冊、という感じでぜひ手に取っていただければと思います。

すべてのバレエ愛好家に捧ぐーー

画期的な切り口でバレエのすべてを網羅した世界初の図鑑!

【本書の特徴】
●バレエの誕生から現代まで、バレエの歴史に沿って、70以上の重要作品を 世界的視点で完全網羅
●チャイコフスキー、ストラヴィンスキーといった作曲家、プティパからバランシン、 マシュー・ボーンまで主要な振付家、ニジンスキー、マーゴ・フォンテーン、ルドルフ・ ヌレエフからカルロス・アコスタまで歴史に名を残すダンサーたちーー
総勢80名以上の主要人物たちを、その生涯や作品、歴史的影響まで徹底紹介
●英国ロイヤル・バレエのプリンシパルとして世界的人気を誇ったバレリーナ、 ヴィヴィアナ・デュランテが全面監修

◆目次◆
バレエの誕生 1550~1830年
ロマンティック・バレエ 1830~1860年
クラシック・バレエ 1860~1905年
モダン・バレエ 1905~1945年
バレエの国際化 1945~1975年
今日のバレエ 1975年~現在

ヴィヴィアナ・デュランテ=総監修  森菜穂美=日本語版監修

■体裁:B4変形(301mm×252mm)/上製本/360ページ/オールカラー

■定価:13,800円(税別)

■2019年11月上旬発売予定

ちなみに、表紙の美しい脚は、ロイヤル・バレエの金子扶生さんのものです。書籍の中には、金子さんの美しい撮り下ろし写真が何枚も掲載されています。

 


バレエ大図鑑

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河出書房新社
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2019/08/04

『吉田都 永遠のプリンシパル』

吉田都さんの引退を記念した一冊、

『吉田都 永遠のプリンシパル』

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309290348/

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こちらの見本が届きました。8月9日発売予定、吉田都さんのさよなら公演「Last Dance」の会場でも購入できると思います。

 

吉田都 永遠のプリンシパル
吉田都
河出書房新社
売り上げランキング: 9,414

 

 

2019/07/12

『吉田都 永遠のプリンシパル』2019年8月7日発売予定

8月7、8日に《「NHKバレエの饗宴特別企画」吉田都引退公演 Last Dance ラスト・ダンス で引退する吉田都さん、そのメモリアルブック『吉田都 永遠のプリンシパル』(吉田 都 著/河出書房新社刊) が発売されます。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309290423

 

吉田都 永遠のプリンシパル
吉田 都
河出書房新社
売り上げランキング: 10,826
英国のロイヤル・バレエ団で22年にわたり最高位のプリンシパルをつとめ、日本人バレリーナが世界で活躍する道を切り開いた先駆者・吉田都さんが、新国立劇場の舞踊芸術監督就任を前に今夏、舞台からの現役引退を発表しました。
8月7、8日に新国立劇場で予定されている引退公演の記者会見も先日行われ、各メディアで大きくとりあげられています。チケットは10分で完売、秋にはNHKでの特集も予定されています。
引退と新たなステージを前に、益々注目の高まる吉田都さん。
プロとしての35年分の、美しく貴重な写真の数々と、バレエという芸術にすべてを捧げてきた著者ならではの言葉──
吉田都さんの長年のファンはもちろん、すべてのバレエ愛好家必読の豪華メモリアルブックです。

【目次より】
◎スペシャルメッセージ 「トウシューズを脱ぐ日、そして新たなチャレンジ」
◎わたしの愛するレパートリー15−−ロミオとジュリエット/くるみ割り人形/白鳥の湖/眠れる森の美女/ジゼル/レ・シルフィード/コッペリア/リーズの結婚/ドン・キホーテ/ライモンダ/シルヴィア/ジョージ・バランシン作品/オンディーヌ/フレデリック・アシュトン作品/シンデレラ
◎スペシャルエッセイ ピーター・ライト卿/ケヴィン・オヘア
◎メッセージ アリーナ・コジョカル/ダーシー・バッセル/フェデリコ・ボネッリ/スティーブン・マックレー/タマラ・ロホ
◎吉田都の舞台ができるまで Miyako’s Backstage 写真=宮沢優子
……ほか論考、年譜など

【書籍情報】
『吉田都 永遠のプリンシパル』
吉田都・著
2019年8月9日発売予定
ISBN: 978-4-309- 29042-3
本体予価:3000円(税別)
B5変/ハードカバー/オールカラー/128頁
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309290423/

こちらの書籍の、

◎スペシャルエッセイ ピーター・ライト卿/ケヴィン・オヘア
◎メッセージ アリーナ・コジョカル/ダーシー・バッセル/フェデリコ・ボネッリ/スティーブン・マックレー/タマラ・ロホ

こちらの翻訳を担当させていただきました。都さんをロイヤル・バレエスクール時代からよく知り、指導者として導いてきたサー・ピーター・ライト、そしてロイヤル・バレエスクールでの同級生で、バーミンガムロイヤル・バレエ時代にはパートナーとして数多く共演してきた現ロイヤル・バレエ芸術監督のケヴィン・オヘアからの、愛に満ちた心温まるエッセイ。そしてロイヤル・バレエ時代の同僚であるアリーナ・コジョカル、ダーシー・バッセル、フェデリコ・ボネッリ、スティーブン・マックレー、タマラ・ロホによる愛と敬意を感じさせるメッセージです。訳しながらも、彼らの都さんへの思いに胸が熱くなりました。

書籍の編集担当は、友人の富永明子さん(「バレエ語辞典)」です。河出書房新社の編集者さんと共に、都さん、そしてバレエへの愛が伝わる素敵な一冊になっているはずです。

 

また、吉田都さんの前作『バレリーナ 踊り続ける理由』は文庫本として発売されています。こちらは重版を重ねるベストセラーとなり、バレリーナとしてだけでなく、一人の素敵な大人の女性の生き方のお手本として、多くの人々の共感を得る本となっています。文庫化にあたり、「引退、そして新たなるチャレンジ」と題した阿川佐和子さんとの対談、そして槇村さとるさんによる解説も追加されました。

バレリーナ 踊り続ける理由 (河出文庫)
吉田都
河出書房新社
売り上げランキング: 45,068

 

2019/02/14

針山愛美「世界を踊るトゥシューズ」と日本国際バレエカンパニー(追記あり)

ソ連崩壊直後にボリショイ・バレエ・アカデミーに留学し、モスクワ音楽劇場バレエ、ドイツのエッセン・バレエ、アメリカのボストン・バレエ、そしてベルリン国立バレエと、ロシア、ヨーロッパ、アメリカで活躍したバレリーナの針山愛美さんの著書「世界を踊るトゥシューズ 私とバレエ」


ソ連崩壊に始まり、ニューヨークの9.11のテロなど、世界情勢が激動する中で、バレエ団での活動だけでなく、一流音楽家とのコラボレーション、後進への指導などで幅広く活動する針山さんが、その半生を振り返る一冊です。

1990年代から2010年代までの激動する世界を飛び回り、踊ってきたバレリーナの足跡としてとても興味深い本となっています。これからダンサーを目指す人や、バレエに限らず世界で活躍したいと思っている人にとっては示唆に富んでいます。

まだ日本からロシアに留学する生徒が少なかった時代、物資に乏しく、寒く質素な学生寮で過ごしたボリショイ・アカデミー時代。モスクワ騒乱などで治安も悪い中、ロシア語を学びつつ、バレエ漬けの毎日でした。卒業後、モスクワ音楽劇場バレエに入団し、パリ国際バレエコンクールで銀賞を受賞し、ヨーロッパへ。そしてジャクソン国際バレエコンクールでエルダー・アリエフと出会い、アメリカへ。イリーナ・コルパコワの教えを受けます。しかしその後移籍したバレエ団が解散するなどのトラブルにも見舞われます。ボストン・バレエ団時代に9.11のテロが起き、困難な時代となります。大きな怪我に見舞われてボストン・バレエを退団し、吹田市の国際交流大使として活動。ウラン・ウデ劇場などでも踊ります。そして、ちょうどベルリンで3つのバレエ団が統合され、ウラジーミル・マラーホフが芸術監督として就任する時にオーディションを受けてベルリン国立バレエに入団。そしてマラーホフが芸術監督を退いた2014年に
退団します。

食べ物を買うのにも苦労し、まだメールやインターネットがなくて家族ともなかなか連絡が取れなかったロシアでの留学時代の様子はとても印象的です。そこでたくさんのバレエ公演を観たことが針山さんの糧になります。ベルリンに移った時にもベルリン・フィルの公演をよく聴きに行ったり、自分が踊るだけでなく、様々な芸術に触れた、そのことの大切さを実感させられますし、そのことによってアーティストとして豊かになっていくことが伝わっていきます。また、ロシアやヨーロッパでは芸術が人々の生活に根付いていて、誰もが気軽に劇場に通うことができる素晴らしさが伝わってきます。そのように芸術に親しんできたことから、チェリストの巨匠ダヴィド・ゲリンガスとデュオでプロデュース共演するといった活動につながっていきました。

イリーナ・コルパコワ、マイヤ・プリセツカヤ、モーリス・ベジャール、小澤征爾、ベルリン・フィルのヴァイオリン奏者ホルム・ビークホルツと、様々な人々との出会いが語られます。その中でやはり特別な関係を結んだのがウラジーミル・マラーホフでした。ベルリン国立バレエ時代はもちろんのこと、退団後はますます親しくなっていきました。巻末にマラーホフ本人の言葉が掲載されています。マラーホフは芸術監督を退任するにあたっては、落ち込んだこともあったそうですが、その時に針山さんに支えられたとのことです。

マラーホフはキューバでコンクールを開催したり、また針山さんを振付助手として、クロアチア国立バレエに「白鳥の湖」を振付けると行った活動を近年行っています。(マラーホフ版『白鳥の湖』は昨年、倉永美沙さん主演で東京でも上演されています)また、ダンサーとしてはコンテンポラリー作品に挑戦し、島崎徹さん振付の作品を踊っています。この年齢になってから新境地に挑んだマラーホフの様子についても読むことができます。

針山さんが、政治や歴史について知ることも芸術家にとっては必要だと書かれていることについては、とても大切な視点だと思いました。芸術は世界情勢に左右されるところが多く、自分だけの努力ではどうしようもないことも起きたりします。その一方で、芸術が世界を変える力の源となることもあります。人々に希望や力を与えてくれるものだからです。これからも、ブレグジットや行き過ぎたナショナリズム、貧富の差の拡大、まだ残る様々な差別など世界には問題が山積していますが、厳しい時代だからこそ芸術が必要であるということは伝わってほしいと思います。

この本の中で、針山さんが自分の夢として、いつか本格的な自分のバレエ団を作り、ダンサーが職業として成立して、公演と教育に打ち込める環境を作りたいと書いています。その夢は実現に近づいています。

世界を踊るトゥシューズ―私とバレエ
針山愛美
論創社 (2018-06-27)
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日本に「マラーホフバレエ団」…世界的ダンサー 育成拠点新設へ
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20190205-OYT1T50222/

世界的なバレエダンサー、ウラジーミル・マラーホフさん(51)が芸術監督を務める「日本国際バレエカンパニー」が、近く設立されることになった。国内のダンサーを育成して海外展開を進めるのが目的で、当面は関西を拠点に練習を重ね、6月末にカザフスタンのアスタナ劇場で初公演を行う。

 マラーホフさんはウクライナ出身。ドイツ・ベルリン国立バレエ団で2004年から10年間、芸術監督を務めた。現在も舞台に立ち、振付家としても活躍する。

 発起人は、マラーホフさんの振付助手を務める大阪府出身のバレリーナ針山愛美えみさん(41)。今月10日から大阪、東京でオーディションを3回行って約20人の団員を選考し、針山さんの活動拠点がある大阪府豊中市、兵庫県西宮市で練習を行うほか、マラーホフさんが年に数回、来日して直接指導にあたる。当面の運営費用は針山さんが私費で賄うが、今後は寄付を募るなどして国内外で公演機会を増やしたいという。

Japan International Ballet 日本国際バレエカンパニー
https://japanballet.org/company/

2019年8月16日(金)カルッツかわさきでガラコンサートが開催される予定です。
ウラジーミル・マラーホフや世界からのゲストダンサーが出演。

カンパニーは現在オーディションを行っています。(今回の公演用に)

針山愛美さんのチャコット・ダンスキューブの連載コラムより
▼今回はバレエカンパニーの事、バレエを取り巻く環境の違い等について少し書きたいと思います。
https://www.chacott-jp.com/news/column/berlin/detail011329.html


<追記>
針山愛美さんにお話を伺いました。今回の日本国際バレエカンパニーは、常設のバレエ団ということではなく、

「まずはできることから、できる限りのことをしたい。まずはプロジェクト的に、プロダクションごとに集まっていただいてパフォーマンスの機会を増やしていきたいと思っています」
「バレエの裾野を広げたい、そしてせっかく素晴らしいスキルを持った世界的なアーティストの方に日本の若いアーティストにそのオーラと芸術性を伝えていただきたい」
「バレエをしている方だけではなく、一般の方々の力になれるような活動もしていくことが私の夢です」

このような想いを持っている舞台人はたくさんいると思います。日本のバレエ界を変えていく力になればいいと願っています。

2019/01/25

大前 仁 「ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路」

大前 仁 さんがボリショイの元ファーストソリストで現ウラン・ウデ劇場バレエ芸術監督岩田守弘さんの7年を追った労作「ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路」が発売されています。

著者は現在毎日新聞のモスクワ支局に勤務する記者である大前仁さん。モスクワ駐在中に岩田さんと知り合い、10年にわたって取材を続けてきた。そして、この本は、これぞジャーナリストの仕事というべき読み応えのある一冊。大前さんは岩田さんに魅せられ、親しく付き合い敬愛する一方で、記者らしくがっぷり四つに取り組み食らいつきぶつかっていく。
岩田さんのバレエに寄せる深い愛情と、どんな逆境にも負けずに挑戦し続ける不屈の精神が見事に掬い取られている。

「どうして僕はこんなにバレエのことが好きなのかな」

ボリショイ・バレエ初の日本人団員として入団し、身長が低いというハンディを抱えながらもファースト・ソリストにまで昇格した岩田さん。『ラ・バヤデール』のブロンズ・アイドル、『白鳥の湖』の道化などのテクニックを要求される役柄で高く評価されてきた。だが2011年、入団16年目に、芸術監督であるセルゲイ・フィーリンより退団を勧告される。フィーリンはボリショイ・バレエでは先輩であるものの同い年であり、親しい間柄だった。悩みつつも、そしてのちには引き止められながらも、退団を決意し、新しい人生へと踏み出す決意をする。その決断に至るまでの心の動き、変わってしまったボリショイ・バレエへの想い。変わらぬバレエへの愛。ボリショイ劇場での引退公演、そしてシベリア、ブリヤート共和国のウラン・ウデ劇場芸術監督を引き受けて、新しい扉が開く。

岩田さんの光の部分だけでなく、影の部分、苦悩や挫折もしっかり描き、今まで明らかにされてなかった葛藤が綴られている。聞きづらいことも取材できているのは流石だ。取材対象に友愛を感じながらも、冷静な視点を保っている。特にボリショイ劇場での特別引退公演については、長年取材対象として接してきた大前さんならではの、生き生きとして臨場感あふれる描写で綴られている。


それにしても岩田守弘さんはとてつもない大それた人物である。バレエでは決して他人には負けたくないという気持ちを、40代後半となった今でも持っている。ダンサーとして一線を退いても踊ることがやめられない。そして、名脇役だった彼だが、本当はプリンシパルとなり、王子役を踊るのが夢だったし、それは叶う夢だと信じていたのだったのだ。だが、その夢は表に出すことはなかった。そのことに深く葛藤していたのである。背が低いことを恨んだこともあったが、この身体だったからこそ、努力に耐えられたのだと今は感謝しているのだという。

その不屈の精神は今、いつかウラン・ウデ歌劇場バレエをボリショイを超えるバレエ団に育てたいという気持ちへと結びついている。ウラン・ウデに着任した時には、レベルの違いに衝撃を受けた。それでもひとりで戦い、バレエ団のレベルを向上させた。世界制覇をしたいという野望を今は抱いている。本当にあきらめの悪い男なのだ。

感動的なエピソードがいくつも現れる。ウラン・ウデ歌劇場は日本人のシベリア抑留者によって建てられた。この地に抑留されていた90歳を超えた旧日本兵との邂逅、それは抑留者をモチーフにした作品の振付へと結びついていく。ボリショイ・バレエで彼に引導を渡したフィーリンとの交流。かつて共演した時に彼の手を振り払ったバレリーナや、ガリーナ・ステパネンコ、イーゴリ・ツヴィルコなどのトップダンサーたちがノーギャラで引退特別公演に出演してくれた、そして小嶋直也、久保紘一といった同期の友人たちとの友情など。不器用さのある岩田さんだけど、皆、彼の人間力に魅せられていくのだ。

ロシア人にとってバレエとはどんな存在なのか、という文化論でもある。ボリショイ・バレエの内幕と変貌、そしてロシア・バレエそのものの変化も描かれている。ウラン・ウデ劇場を育てる苦労の話も興味深い。

岩田守弘さんはインタビュー記事やテレビ番組出演も多いが、そこでは明るみに出ていなかった心境が綴られ、臨場感ある描写が新聞記者ならではの見事な筆致。バレエファンやバレエを学ぶ人のみならず、多くの人に、この熱い生きざまに触れてほしい。きっと励まされ、勇気付けられることでしょう。

ボリショイ卒業: バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路
大前 仁
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1月15日に、ロシア、サンクトペテルブルグにて、岩田さんが振付け、ファルフ・ルジマトフ、日本舞踊の藤間蘭黄さんが出演した「信長-Samurai-」が上演された。この舞台は日本で初演された作品だが、今回はサンクトペテルブルグだけでなく、ウラン・ウデ劇場と、モスクワのクレムリンにある劇場でも上演された。この公演のレポートを、大前さんが書かれています。写真、動画もあるのでぜひご覧ください。

https://mainichi.jp/articles/20190119/mog/00m/030/007000c

クレムリンで日本舞踊×バレエ

http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3582533.htm

2018/05/17

VOGUE JAPAN5月号ダンサー特集の記事(リアブコ、ポルーニン)がWeb版に

VOGUE JAPAN 2018年5月号のダンサー特集に掲載された記事のうち、

アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ)のインタビュー記事(2月の来日公演の時に取材と撮影)
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2018-05-15


セルゲイ・ポルーニンについての記事
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2018-05-14

がVOGUE JAPANのWeb版にも掲載されました。本誌を買いそびれた方は、ぜひこちらをお読みください。リアブコの写真は、井上ユミコさん撮影です。

VOGUE JAPAN(ヴォーグジャパン) 2018年 05月号VOGUE JAPAN(ヴォーグジャパン) 2018年 05月号
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2018/05/01

5/1 「セブンルール」(関西テレビ/フジテレビ系)に飯島望未さんが登場

5日1日(火)、23時よりフジテレビ系で放送『7RULES』に、ヒューストン・バレエ団ファースト・ソリスの飯島望未さんが出演します。

https://www.ktv.jp/7rules/

飯島望未さんは、Instagramでの抜群のセンスで次世代のファッションアイコンとして注目を集めており、ファッション誌やショー、広告にも出演しています。

1991年生まれ 大阪府出身 26歳。6歳でバレエを始め、13歳の時にニューヨークで行われた「ユース・アメリカ・グランプリ」で3位に入賞。15歳で単身渡米し翌年ヒューストン・バレエ団と当時最年少でプロ契約を結ぶ。クラシック作品だけでなくコンテンポラリー作品でも高い評価を受け、2013年にはアメリカのダンスマガジンで「25人のいま観るべきダンサー」に選出。スイスのチューリッヒ・バレエ団を経て、現在はヒューストン・バレエ団にファースト・ソリストとして所属。

母子家庭で育った飯島は6歳でバレエを始めたが、経済的には苦しかった。短期間でプロにならなければ後が無いと、15歳で単身アメリカに渡り、1年の研修期間を経て16歳でプロデビューした。アメリカの5大バレエ団の1つであるヒューストン・バレエ団には世界中から60人の精鋭が集まる中で、現在は最上位のプリンシパルに次ぐファーストソリストとしてソロも任せられている。
カメラが映し出すバレエを中心とした彼女の日常は非常にシンプルだ。バレエ団の仲間たちとは普通に会話は交わすが、必要以上に親しくなることはない。かつて自身が役をもらった時、親しかった友達が口を利かなくなったことがあったという。だが飯島は「嫉妬して当たり前」と捉え寂しく思う様子もない。世界最高峰の芸術家集団におけるリアルな友情や恋愛事情が飯島の口から語られる。そんなある意味孤独の中で闘い続けている彼女のセブンルールとは?

最近では、現在発売中のVOGUE JAPANのビューティーストーリー「Movement in White」にも登場しています。

バレリーナ飯島望未が舞う、軽やかな白の世界。(動画あり)
https://www.vogue.co.jp/beauty/news/2018-04/25/movementinwhite

こちらのエル・ジャポンのインタビューでは、将来の目標も語っています。

「いつかバレリーナを引退したら、その後は次の世代のバレリーナをサポートしていく側にまわりたいと思っています。留学先を見つけて交渉したり、どうしたらスポンサーがもっとつくようになるかを考えたり、新しいバレエを提案している振付家の作品を日本に持ってきたり。日本のバレエを世界レベルに近づけていく、そのための架け橋になるのが最終的な目標ですね」

http://www.elle.co.jp/fashion/pick/chloegirls16_06

2018/04/02

「バレエ語辞典: バレエにまつわることばをイラストと豆知識で踊りながら読み解く」4/16発売

誠文堂新光社より、2018年4月16日(月)に、『バレエ語辞典』が刊行されます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000434.000012109.html


子供のころからクラシックバレエを習い、バレエの舞台も数多く観てきたフリーライターが、改めてバレエの魅力を掘り下げるべく、専門家の協力を得ながらまとめあげた辞典形式の一冊です。

掲載する用語はさまざま!
素敵なイラストを添えながら、観る人も踊る人も含め、バレエを趣味とするときに「知っておきたい用語」を掲載しています。

クラシックバレエ誕生から現代までの歴史をひも解きつつ、バレエの代表的な演目や役柄、振付家やダンサー、舞台用語から、踊るうえでも、観るためにも知っておきたいパ(ステップ)の名称やトリビアまでを、愛らしいイラストとともに丁寧に解説しました。

また、新国立劇場バレエ団のプリンシパル、米沢 唯さんへのインタビューや、チャコット衣装部への取材や、ポワント(トゥシューズ)の魅力解説など、美しい写真がいっぱいのコラムも盛りだくさん!

これからバレエを知りたいと願う初心者から、長くバレエを愛好しているファンまで…
「バレエの世界」を愛する方々のために、心を込めてお届けします。

【目次抜粋】
●クラシックバレエの歴史
●バレエ用語集「あ行~わ行」
●コラム:バレエダンサーの日常~新国立劇場バレエ団・米沢 唯さん
●コラム:チュチュが素敵なのはなぜ? チャコット・衣装部を取材!
●コラム:トゥシューズってどんなもの?

著者は私の友人の、とても素敵な富永明子さん。彼女のバレエへの深い愛情がこもった、とても読みやすく面白い読み物となっています。そして僭越ながら私が監修ということで、用語集やバレエの歴史などの記事の確認をさせていただきました。(バレエのテクニックなどの用語は、K バレエカンパニーのバレエミストレス等で活躍したバレエ講師、四家恵さんが担当)
また、DVDの紹介コーナーでは、富永さんと私がお勧めのバレエDVDについてたっぷり語っています。

たっぷり掲載されたイラストは、コサージュのアーティストとしても活躍している、これまた友人でやはりバレエを愛する丸山裕子さん、そして美しい写真はVOGUE JAPANで仕事を一緒にさせていただいている井上ユミコさんと、気心の知れたメンバーで作った一冊です。

新国立劇場バレエ団の米沢唯さんのインタビュー記事、そして彼女を始め新国立劇場バレエ団員の美しい写真もたっぷり掲載されているので、米沢ファンの方もご覧いただければと思います。

富永さんはじめメンバーが心血注いで作ったこの一冊、バレエファンの皆さま、これからバレエを知ろうとする皆さま、バレエを習っている方、ぜひ読んでいただければと思います。


【書籍概要】
書 名:バレエ語辞典

著 者:富永 明子

監 修:森 菜穂美、四家 恵
仕 様:A5判、184ページ
定 価:本体1,500円+税
配本日:2018年4月16日(月)
ISBN:978-4-416-61795-3

バレエ語辞典: バレエにまつわることばをイラストと豆知識で踊りながら読み解くバレエ語辞典: バレエにまつわることばをイラストと豆知識で踊りながら読み解く
富永 明子 森 菜穂美

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2018/03/27

VOGUE JAPAN5月号「美しき限界に挑む、男性バレエダンサーの今。」特集

VOGUE JAPAN5月号(3月28日発売)「美しき限界に挑む、男性バレエダンサーの今。」特集で、

https://www.vogue.co.jp/magazine/latest-issue

マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ)と、
アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ)の来日インタビュー(撮りおろし写真つき)、
デヴィッド・ホールバーグ(ABT)のインタビュー、および
セルゲイ・ポルーニンの記事

を担当させていただきました。(全8ページ)

特にマチュー・ガニオ、アレクサンドル・リアブコの来日時の撮り下ろし撮影写真は、井上ユミコさんによる非常に美しいものなので、ぜひ本誌を手に取って見ていただければと思います。

またインタビューさせていただいた3人は、それぞれ忙しい中、非常に真摯にバレエについて、芸術について熱く語ってくださいました。素晴らしい機会を与えられたことに感謝です。

マチュー・ガニオ、アレクサンドル・リアブコ、デヴィッド・ホールバーグは今年夏の世界バレエ・フェスティバルにも出演しますので、踊りを観るのが楽しみですね。

VOGUE JAPAN(ヴォーグジャパン) 2018年 05月号
VOGUE JAPAN(ヴォーグジャパン) 2018年 05月号Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン) VOGUE JAPAN編集部

コンデナスト・ジャパン 2018-03-28
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