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パリ・オペラ座バレエ

2018/03/04

パリ・オペラ座バレエの昇進コンクール結果

パリ・オペラ座バレエの昇進コンクールが3月2日、3日に行われました。結果が発表されています。

https://www.operadeparis.fr/actualites/resultats-du-concours-de-promotion-du-ballet-de-lopera-national-de-paris

<男性ダンサー>

プルミエ・ダンスール
Monsieur Paul MARQUE ポール・マルク

スジェ
Monsieur Francesco MURA フランチェスコ・ミュラ
Monsieur Pablo LEGASA パブロ・レガサ

コリフェ
Monsieur Axel MAGLIANO
Monsieur Simon LE BORGNE


<女性ダンサー>

プルミエール・ダンスーズ
昇進なし

スジェ
Mademoiselle Roxane STOJANOV ロクサーヌ・ストヤノフ
Mademoiselle Aubane PHILBERT オーバーヌ・フィルベール

コリフェ
Mademoiselle Caroline OSMONT カロリーヌ・オズモント
Mademoiselle Bianca SCUDAMORE ビアンカ・スクダモア


ちなみに、順位はこのようになります。


男性ダンサー

カドリーユ→コリフェ (課題曲「ラ・シルフィード」ジェームズのヴァリエーション)
1. Axel Magliano (昇進)
2. Simon Le Borgne (昇進)
3. Isaac Lopes-Gomes
4. Andrea Sarri
5. Giorgio Foures
6. Julien Guillemard.

コリフェ→スジェ (課題曲「オネーギン」レンスキーの2幕ソロ)
1. Francesco Mura (昇進)
2. Pablo Legasa (昇進)
3. Thomas Docquir
4. Hugo Vigliotti
5. Mickaël Lafon
6. Alexandre Gasse 

スジェ→プルミエ (課題曲「マノン」1幕デ・グリューのヴァリエーション)
1. Paul Marque (昇進)
2. Jérémy-Loup Quer
3. Marc Moreau
4. Daniel Stokes
5. Allister Madin
6. Fabien Révillion


女性ダンサー

カドリーユ→コリフェ (課題曲「祭りの夜」)
1. Caroline Osmont - (昇進)
2. Bianca Scudamore - (昇進)
3. Naïs Duboscq
4. Seohoo Yun
5. Célia Drouy
6. Héloïse Jocqueviel

コリフェ→スジェ (課題曲「パキータ」グラン・パ)
1. Roxane Stojanov - (昇進)
2. Aubane Philbert - (昇進)
3. Juliette Hilaire
4. Charlotte Ranson
5. Jennifer Visocchi

スジェ→プルミエ (課題曲「ディアナとアクティオン」)
昇進、順位なし


女性ダンサーはプルミエール・ダンスーズの枠が一つあったものの、際立ったダンサーがいなくて票が割れてしまったため、昇進者は見送られてしまいました。
スジェに昇進したのは、ロクサーヌ・ストヤノフとオーバーヌ・フィルベール。二人とも、ドキュメンタリー映画「ミルピエ」に出演しています。オーバーヌ・フィルベールは、「スーパー・バレエ・レッスン」に出演していたのを覚えている方も多いかと思います。キャリアが10年を越えるベテランとなってきました。
コリフェに昇進したビアンカ・スクダモアは、パリ・オペラ座初のオーストラリア人団員で、昨年7月の入団試験で入団したばかりです。2015年にYAGPで3位となり、パリ・オペラ座学校に入学しました。昇進に至りませんでしたが、4位のSeo Hoo Yunも、昨年7月の入団試験で入団したばかりです。2014年ヴァルナ国際コンクールでジュニア1位に輝いています。

男性ダンサーでは、下馬評通り、ポール・マルクがプルミエへの昇進を決めました。昨年末に「ドン・キホーテ」に主演しており、上演中の「オネーギン」ではレンスキーを演じています。
スジェに昇進したパブロ・レガサも、コリフェでありながら「ドン・キホーテ」でバジルを踊りました。これからのオペラ座の将来を背負って立つ有望な二人です。

現在「オネーギン」と「ベジャール/ミルピエ」の公演が行われている中での昇進試験は、とても大変なことだったと思います。昇進した皆さま、おめでとうございます。

2018/02/23

「ル・グラン・ガラ」出演ダンサーたちのインタビュー映像

1月の「ル・グラン・ガラ」に出演した、マチュー・ガニオ、ドロテ・ジルベール、オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェを取材した時のVOGUE JAPANの映像が公開されています。


https://www.vogue.co.jp/videos/celebrity/VJ102-legrandgala-2018-02_ORIG_Interview

貴重なオフにしたいこと、日本の魅力などについて聞いた映像で、インタビューを担当させていただきました。リハーサルの映像も含まれています。

リハーサルの映像の方も公開されていますので、そちらも併せてどうぞ。

https://www.vogue.co.jp/videos/celebrity/VJ102-legrandgala-2018-01_ORIG_Rehearsal

ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェは「オネーギン」に出演中、オニール八菜さんは「ダフニスとクロエ」のクロエ役を踊る予定になっています。

2018/02/01

パリ・オペラ座バレエ2018―19シーズン 正式発表

パリ・オペラ座バレエ2018―19シーズンが正式に発表されました。

https://www.operadeparis.fr/saison-18-19/ballet

発表の模様はYouTubeで生中継された他、ダンサーによるフォーサイス作品のパフォーマンスもありました。


基本的に以前お知らせした定期会員へのお知らせと同じ内容ですが、2019-20シーズンの最初の方の予定も発表されています。

Guest Company: Martha Graham Dance Company (3-8 September)
ゲスト・カンパニー マーサ・グラハム舞踊団

Decadance (Ohad Naharin) (25 September-19 October)
「デカダンス」(オハッド・ナハリン)

Opening Gala (September 27)
オープニング・ガラ

Tribute to Jerome Robbins ( Afternoon of a Faun , Glass Pieces , Fancy Free , A Suite of Dances ) (October 27-November 14)
ジェローム・ロビンスへのオマージュ(「牧神の午後」「グラス・ピーセズ」「ファンシー・フリー」「ダンス組曲」)

Cinderella (November 26-January 2)
「サンドリヨン」(シンデレラ、ヌレエフ振付)

The Lady of Camellias (November 30-January 3)
「椿姫」(ノイマイヤー)

Demonstration of the Dance School (December 8-23)
パリ・オペラ座学校公演

Swan Lake (February 16-March 15)
「白鳥の湖」(ヌレエフ)

Goecke ( creation) / Lidberg ( Les Noces ) / Cherkaoui ( Faun ) (February 5-March 2)
マルコ・ゲッケの新作、ポンタス・リドバーグの新作「結婚」、シディ・ラルビ・シェルカウイの「牧神」

Invited company: Rosas (March 8-14)
ゲスト・カンパニー ローザス

Dance School Show (March 29-April 4)
パリ・オペラ座学校公演

Leon-Lightfoot ( Sleight of Hand ) + Speak for Yourself ) / Van Manen ( Three Gnossiennes ) (April 18-May 18)
ポール・ライトフット&ソル・レオン「Sleight of Hand」 + 「Speak for Yourself」、ハンス・ファン=マネン「3つのグノシェンヌ

Iolanta / The Nutcracker (19-24 May)
「イオランタ/くるみ割り人形」(アーサー・ピタ、エドゥアール・ロック&シディ・ラルビ・シェルカウイ)

Mats Ek (2 creations: Another Place (Liszt) + Boléro (Ravel)) (June 22-July 14)
マッツ・エック新作2本「Another Place」 と「ボレロ」

Tree of Codes (July 1-4)
Tree of Codes(ウェイン・マクレガー振付、ウェイン・マクレガー・カンパニーとの共同上演)


William Forthyse / Hiroshi Sugimoto September 20th to October 17th, 2019 ガルニエ
ウィリアム・フォーサイスのBlake Works Iと写真家の杉本博司による新作。
杉本の新作At the Hawk's Wellは、振付はアレッシオ・シルヴェストリン、音楽は池田亮司

Crystal Pite October 26 to 28, 2019
クリスタル・パイト新作
オペラ座に振付けた「The Season's Canon」がブノワ賞を受賞した、最も注目される女性振付家クリスタル・パイトが、新作を振付けます。


3月の「白鳥の湖」公演が終わった後には、シーズン終わりまで全部コンテンポラリー作品という選択。このプログラミングに対して、現地ではあまり芳しい反応はありません。やはり古典作品の上演があまりにも少なくてコンテンポラリーに偏っていることと、フランス人の振付家による作品がないこと、オペラ座の伝統であるリファールやプティ、ベジャールの作品がないこと。2019-20シーズンにはクリスタル・パイトの新作が予定されていますが、2018―19シーズンには女性振付家による新作はありません。(新作でなければ、マーサ・グラハムの作品、そしてポール・ライトフットとソル・レオンの合作がありますが。(ソル・レオンは女性)

フランスでは、フランス・バレエの伝統を無視しているように思われるこのレパートリーに対して、改善するようにという署名活動も起こっています。
https://www.mesopinions.com/petition/art-culture/defense-repertoire-tradition-opera-paris/38922

New York Timesの記事 (主にオペラについて)
https://www.nytimes.com/2018/01/30/arts/music/ivo-van-hove-paris-opera.html

ステファン・リスナー総裁によると、昨シーズンはオペラ座のチケットの売り上げは7300万ユーロで黒字となっており、また動員率も91%で7%上がっています。またオペラ座の観客の平均年齢は45歳だそうです。

2018/01/26

VOGUE JAPANで「ル・グラン・ガラ 2018」のオニール八菜さん、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン インタビュー掲載

「ル・グラン・ガラ」のリハーサル潜入レポートマチュー・ガニオとドロテ・ジルベールのインタビューに続き、

オニール八菜さん、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンにインタビューさせて頂きました。

オニール八菜さんは、忙しい毎日を乗り切るコツ、ジェルマン・ルーヴェは勅使川原三郎作品のクリエーションへの参加や好きな音楽、映画について、ユーゴ・マルシャンは2月に主演する「オネーギン」の準備、昨年の怪我の克服など幅広く語ってくれています。そしてそれぞれが、ダンスは自分にとってどのようなものなのか、ということについても。
リハーサルレポ同様、井上ユミコさんによる美しい写真もぜひご覧ください。


また、ル・グラン・ガラで上演された「トリスタンとイゾルデ」「ヴェーゼンドンク歌曲集」を振付けたジョルジオ・マンチーニのインタビューも行いました。

https://www.vogue.co.jp/lifestyle/interview/2018-01-20

本当に、これからはオニール八菜さん、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンがパリ・オペラ座だけでなく、世界のバレエ界を引っ張っていく、輝かしいスターになることを実感しましたね。

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(c)瀬戸秀美

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(c)瀬戸秀美

2018/01/23

VOGUE JAPANで「ル・グラン・ガラ 2018」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオのインタビュー掲載

先日、「ル・グラン・ガラ」のリハーサル潜入レポートが掲載されたとお知らせをしました。
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2018-01-10-2

引き続きリハーサル映像、ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオのインタビューが掲載されましたので、お知らせします。

ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオのインタビュー記事
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/interview/2018-01-23

リハーサル映像
https://www.vogue.co.jp/videos/celebrity/VJ102-legrandgala-2018-01_ORIG_Rehearsal

マチュー・ガニオは、「ル・グラン・ガラ」で踊った「トリスタンとイゾルデ」を始め、パリ・オペラ座での勅使川原三郎さんの新作「Grand Miroir」のクリエイションについて、そして今後のアーティストとしての方向性について、熱く語ってくれました。また、ドロテ・ジルベールは、自身が主演した短編映画「Rise of A Star」(アカデミー賞短編映画部門にプレ・ノミネートされています)や、今後踊りたい役について語ってくれています。幼馴染である二人が、お互いをどれだけ大切なパートナーと思っているのか、ということについても。

引き続き、オニール八菜、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェのインタビューも近日中にアップされますので、今しばらくお待ちくださいね。

ル・グラン・ガラ、パリ・オペラ座の美しいダンサーたちによる、夢のように美しい時間を堪能できた、素敵な公演でした。特にドロテ・ジルベールとマチュー・ガニオの、ベテランエトワールならではの表現力と芸術性にはうっとりさせられましたね。1時間という上演時間を感じさせない、濃密でドラマティックなダンスが繰り広げられました。

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「トリスタンとイゾルデ」 (c)瀬戸秀美

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「ヴェーゼンドンク歌曲集」 (c)瀬戸秀美

2018/01/14

パリ・オペラ座バレエ2018―19シーズン

パリ・オペラ座バレエ2018―19シーズンが、定期会員宛てに送られてきたとのことです。

(出典:ダンソマニフランス版


Guest Company: Martha Graham Dance Company (3-8 September)
ゲスト・カンパニー マーサ・グラハム舞踊団

Decadance (Ohad Naharin) (25 September-19 October)
「デカダンス」(オハッド・ナハリン)

Tribute to Jerome Robbins ( Afternoon of a Faun , Glass Pieces , Fancy Free , A Suite of Dances ) (October 27-November 14)
ジェローム・ロビンスへのオマージュ(「牧神の午後」「グラス・ピーセズ」「ファンシー・フリー」「ダンス組曲」)

Cinderella (November 26-January 2)
「サンドリヨン」(シンデレラ、ヌレエフ振付)

The Lady with Camellias (November 30-January 3)
「椿姫」(ノイマイヤー)

Swan Lake (February 16-March 15)
「白鳥の湖」(ヌレエフ)

Goecke ( creation) / Lidberg ( Les Noces ) / Cherkaoui ( Faun ) (February 5-March 2)
マルコ・ゲッケの新作、ポンタス・リドバーグの新作「結婚」、シディ・ラルビ・シェルカウイの「牧神」

シェルカウイの「牧神」(初演は英国、サドラーズ・ウェルズ劇場)

Sidi Larbi Cherkaoui: Faun from deborah may on Vimeo.

Invited company: Rosas (March 8-14)
ゲスト・カンパニー ローザス

Dance School Show (March 29-April 4)
パリ・オペラ座学校公演

Leon-Lightfoot ( Sleight of Hand ) + Speak for Yourself ) / Van Manen ( Three Gnossiennes ) (April 18-May 18)
ポール・ライトフット&ソル・レオン「Sleight of Hand」 + 「Speak for Yourself」、ハンス・ファン=マネン「3つのグノシェンヌ」

ロパートキナが踊る、ファン=マネン「3つのグノシェンヌ」音楽はエリック・サティ

Iolanta / The Nutcracker (19-24 May)
「イオランタ/くるみ割り人形」(アーサー・ピタ、エドゥアール・ロック&シディ・ラルビ・シェルカウイ)

Mats Ek (2 creations: Another Place (Liszt) + Boléro (Ravel)) (June 22-July 14)
マッツ・エック新作2本「Another Place」 と「ボレロ」

Tree of Codes (July 1-4)
Tree of Codes(ウェイン・マクレガー振付、ウェイン・マクレガー・カンパニーとの共同上演)

+ Opening Gala (September 27)
オープニング・ガラ

350th Anniversary Gala Opera (May 8)
350周年オペラ・ガラ


かなりコンテンポラリー色が強いレパートリーで、純粋な古典はヌレエフ版の「白鳥の湖」、クラシック・テクニック中心の作品にしても「椿姫」と「シンデレラ」だけです。オーレリー・デュポンは、芸術監督に就任する時に、オペラ座バレエはコンテンポラリーも踊る古典のカンパニーです、と言ってましたが、あまりその言葉は守られていないようです。

また、オペラ座の伝統の一部であるフランス系の振付家、プティ、リファール、ベジャールなどの作品もなければ、ラコットによる復元作品もありません。ジャン・ギョーム・バールのような、オペラ座育ちの振付家の作品もありません。オペラ座の伝統は少し外れるかもしれませんが、バランシンの作品もありません。どちらかと言えば、ブリジット・ルフェーブル元芸術監督が好んだようなレパートリーに近い感じです。

ポンタス・リドバーグは、スウェーデン出身の若手振付家で、NYCBに新作を振付けたことがあります。スウェーデン王立劇場の元ダンサーで、医学を学び医師として働いた経験もある異色の存在。

今年の12月は「椿姫」と「シンデレラ」という人気プログラムの同時上演となります。「シンデレラ」で、カール・パケットが引退します。

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2017/11/29

映画「新世紀、パリ・オペラ座」

パリ・オペラ座を支える人々を追ったドキュメンタリー映画新世紀、パリ・オペラ座が12月9日より劇場公開されます。

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http://gaga.ne.jp/parisopera/

フランスが誇る芸術の殿堂パリ・オペラ座は迷っていた。ルイ14世の時代から350年以上にわたる伝統を守ってきた彼らにも、時代の波は容赦なく押し寄せる。選ぶべき道は、歴史の継承か、新時代の表現か。

さらに史上最年少でバレエ団芸術監督に大抜擢され、"ナタリー・ポートマンの夫"としても注目を集めていたバンジャマン・ミルピエの1年半での電撃退任と、カリスマ・エトワール:オレリー・デュポン就任というマスコミをも巻き込んだ大騒動。

そして2015年11月、パリの劇場が襲撃された同時多発テロ。混迷を極めた今の時代に、彼らは自問し続ける。「今、オペラ座に求められるものは何なのか──?」

今までパリ・オペラ座を扱ったドキュメンタリー映画はたくさんありましたが、この作品はオペラを中心に描いています。でも、バレエファンであっても、劇場を愛する人にとっては面白いことこの上ないドラマが描かれています。

2015年1月から1年半ほどの期間で撮影されたこの作品。歌手育成プログラム、パリ・オペラ座アカデミーで学ぶ若いバス・バリトン歌手ミハイル・ティモシェンコ。教育プログラム「学校とオペラの10か月」で学ぶ子どもたち。そしてオペラ座総裁ステファン・リスナー。彼らのエピソードを中心に、激動の1年半を乗り切った劇場とそれを取り巻く人々が描かれます。

シーズンはじめのストライキでの公演中止、同時多発テロ、新制作『ニュルンベルクのマイスタージンガー』主演歌手の初日2日前のドタキャン、さらにバンジャマン・ミルピエの退任騒動と、よくもまあこれだけのトラブルが続いたものです。文化相からの圧力、チケット代金を値上げするべきかどうかという、劇場の存亡をかけた議論も登場します。なんとか劇場を走り続けさせようと奔走し、懸命に働く人々。そこには劇場と芸術への深い愛が感じられます。主演歌手が降板した場合にはこうやって代役を探すのか、というプロセスもとても興味深いです。

中でも印象的だったのが、ロシアの田舎から出てきたバス・バリトン歌手ミハイル・ティモシェンコの純朴さと真摯さ。大スター、ブリン・ターフェルのリハーサルを食い入るようにキラキラとした瞳で見入って素敵な会話を交わしたり、衣装合わせをしている時のワクワクした様子。誰もが彼を応援せずにはいられないことでしょう。そしてシーズン・オープニングのロメオ・カステルッチ演出『モーゼとアロン』に登場する「イージーライダー」という名前の巨大な雄牛は強烈なインパクトを残します。牛も演技指導をされてしまうとは!『ファウストの劫罰』のリハーサルでは、超人気テノール、ヨナス・カウフマンの姿も見られます。

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強烈といえば、もう一つの大きなドラマは、バンジャマン・ミルピエの退任の件。ダンサーたちから不満の声が上っていたミルピエに辞任を迫るリスナーの電話の様子が記録され、そして退任とオーレリー・デュポン新芸術監督の就任の記者会見の模様も登場します。退任を告げた時に誰もねぎらう様子がなくて、オペラ座の怖さが伝わる一瞬でした。同じくドキュメンタリー『ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男』と併せて観るとより一層味わい深いところです。

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バレエのパートは少ないものの、怪我でなかなか舞台を観ることが難しい人気エトワール、エルヴェ・モローがミルピエの振付作品『La nuit s'achève』をリハーサルする様子が記録されているのは、ファンにとっては嬉しいこと。また、『ラ・バヤデール』ニキヤ役をリハーサルするアマンディーヌ・アルビッソン、そして影の王国のコール・ド・バレエを踊るスジェのファニー・ゴルスの舞台リハーサルも登場します。

華麗なパリ・オペラ座の舞台の裏で、多くの人が困難を乗り越えて劇場を支えていることが伝わる好ドキュメンタリー。それも、驚くほどドラマティックで面白いエピソードばかり。パリ・オペラ座バレエのファンにも、オペラファンにも、舞台芸術ファンにもぜひ観ていただきたい作品です。

Photo


「新世紀、パリ・オペラ座」

2017/12/9(土)よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー
上映劇場リスト
http://gaga.ne.jp/parisopera/theater/index.php


こちらはアメリカ版の予告編

監督ジャン=ステファヌ・ブロン
キャスト
<オペラ座総裁>ステファン・リスナー
<バレエ団芸術監督>オレリー・デュポン、バンジャマン・ミルピエ
<音楽監督>フィリップ・ジョルダン
<オペラ歌手>ブリン・ターフェル、ヨナス・カウフマン、オルガ・ペレチャッコ、ジェラルド・フィンリー、ミヒャエル・クプファー・ラデツキー、ミハイル・ティモシェンコ、ブランドン・ヨヴァノヴィッチ
<バレエダンサー>アマンディーヌ・アルビッソン、エルヴェ・モロー、ファニー・ゴルス

作品情報 2017年/フランス・スイス/111分受賞
ノミネート 2017年モスクワ国際映画祭 ドキュメンタリー映画賞受賞
配給 ギャガ

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2017/11/17

KARAS APPARATUSアップデイトダンスNo.49「顔」 佐東利穂子ソロダンス/パリ・オペラ座バレエ「グラン・ミロワール」

パリ・オペラ座バレエでの創作をはじめとする秋のツアーを終えた、勅使川原三郎さんの新作「顔」が、KARAS APPARATUSで今週末より上演されます。

http://www.st-karas.com/news_jp/

今年の秋はオペラ座での新作「Grand miroir」やヨーロッパでの活動が中心だったため、東京での公演は8月の「月に吠える」以来、そしてKARAS APPARATUSでの公演は7月の「イリュミナリオン」以来となります。

パリ・オペラ座バレエでの「Grand miroir グラン・ミロワール」は、賛否両論はあったものの、多くの現地メディアに取り上げられて評判を呼びました。勅使川原さんの独特の舞踊語彙を見事に咀嚼して見せたマチュー・ガニオやジェルマン・ルーヴェ、ほぼ主役というべき役に抜擢されたリディ・ヴァレイエスの踊りは絶賛されました。エサ=ペッカ・サロネンの指揮、諏訪内晶子さんのヴァイオリン演奏も素晴らしかったとのことです。

勅使川原三郎振り付け新作「グラン・ミロワール」 パリ・オペラ座バレエ団、攻めの作品に熱い拍手
http://www.sankei.com/entertainments/news/171112/ent1711120004-n1.html


Grand miroirを勅使川原さんがリハーサルする映像

https://www.operadeparis.fr/magazine/lincessant-mouvement-de-la-vie

Grand miroirのほか、「アゴン」「春の祭典」も含めたリハーサル映像

ここでは本編の映像を少し観ることができます。
https://culturebox.francetvinfo.fr/danse/danse-contemporaine/de-balanchine-a-pina-bausch-un-resume-de-la-vie-a-l-opera-garnier-264345

10月11日にフランス・パリのフィルハーモニー・ド・パリにて行われた
勅使川原三郎さんと佐東利穂子が出演したアンサンブル・ピグマリオンの公演は、Cultureboxにて全編視聴することができます。(勅使川原さん、佐東さんが登場するのは38分過ぎから)

Bach - Cantatas BWV 31, 34, 51 & 191 by Raphael Pichon 1/7
https://culturebox.francetvinfo.fr/opera-classique/musique-classique/c-est-baroque/concerts/bach-par-raphael-pichon-a-la-philharmonie-1ere-partie-263439

そして待望の新作『顔』です。こちらは、佐東利穂子さんのソロダンスになります。

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photo : 左 / Saburo Teshigawara 右 / Mariko Miura


パリ・オペラ座、フィルハーモニー・ド・パリなど世界の大舞台で活躍するトップアーティストの至芸を、親密な空間で堪能できる貴重な機会です。今ダンサーとしての絶頂期にある佐東さんの、圧倒的で唯一無二の鮮烈なダンスをぜひ目撃してください。


アップデイトダンスNo.49 

「顔」

全身には顔というよく動くところがある 

気持ちが形として表れる

言葉よりも心の近くにあり
 
身体の他のどの部分より人をひきつけ

喜ばせ悲しませる 

精一杯に生きる姿が背中のようにあからさまに

               勅使川原三郎

アップデイトダンスNo.49
「顔」

演出・照明 勅使川原三郎
出演 佐東利穂子

【日時】2017年
11月18日(土)20:00
11月19日(日)16:00
11月20日(月)20:00
11月21日(火)20:00
11月22日(水)休演日
11月23日(祝)20:00
11月24日(金)20:00
11月25日(土)20:00
11月26日(日)16:00
開演30分前より受付開始、客席開場は10分前

【会場】カラス・アパラタス/B2ホール

【料金】(全席自由)
一般 予約 3000円 当日3500円 学生2000円(予約,当日共に)

【予約】メール updatedance@st-karas.com 
件名を「アップデイトNo.49」として、本文にご希望の日付・一般または学生・枚数・郵便番号・住所・氏名・?日中連絡のつく電話番号をご記入ください。

予約は各回前日の24時まで受け付けています。

【問合せ】TEL. 03-6276-9136

2017/10/17

パリ・オペラ座バレエの2018年米国ツアー中止か

パリ・オペラ座バレエは2018年7月に、リンカーンセンターフェスティバルの一環として、ニューヨーク公演を行い、また、シカゴとダラスでも公演を行うことになっていました。

予定されていた演目は、「ラ・シルフィード」、および「若者と死」、「エチュード」のプログラム、そしてフォーサイスの「ブレイク・ワークス」、クリスタル・パイトの「The Season's Canon」そしてイヴァン・ペレーズの新作という3つのプログラムでした。

ところで、このアメリカツアーが中止になるという報道が出ています。

フィリップ・ノワゼット氏による記事
http://www.sceneweb.fr/actu-tournee-ballet-de-lopera-de-paris-a-new-york-annulee/

まだパリ・オペラ座からの公式の発表はありません。

キャンセルの理由ですが、スポンサーの撤退による資金不足が最大の要因のようです。さらにリンカーンセンターフェスティバルの芸術監督が2017年7月に退任し、まだ後任が決定していません。パリ・オペラ座バレエは、今年7月のリンカーンセンターフェスティバルでは、ボリショイ・バレエ、NYCBと共演した「ジュエルズ」で「エメラルド」パートを上演しましたが、現地での批評は厳しいものだったようです。

詳しいことはこれ以上はわかっていませんので、続報が出るかと思います。

パリ・オペラ座バレエは6月の終わりから7月に上演する予定の作品は、これで「ラ・フィユ・マル・ガルデ」だけとなってしまいます。パリでの公演を増やすのか、あるいはほかの場所へのツアーに振り替えるのか、いずれになるとは思われますが。

前芸術監督のバンジャマン・ミルピエはこのようなツイートをしています。


アメリカでの芸術に振り向けられる資金はどんどん減ってしまってるという時代になってきているようです。

2017/07/15

『パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち』エトワールインタビューコメント

パリ・オペラ座バレエが、その輝かしい伝統を継承していく姿を舞台裏から捉えたドキュメンタリー映画『パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち』が7/22(土)よりいよいよ公開となります。

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http://backstage-movie.jp/

古今東西、世界中のダンサーが憧れ、バレエファンに愛され続けているバレエの殿堂“パリ・オペラ座”。
創立から356年という長きに渡り、なぜ“パリ・オペラ座”が最高峰であり続けてきたのか? それはダンサー個人の素質や才能だけでなく、“オペラ座”の伝統を伝えようとする指導者たちの情熱だった!

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本編内に登場するパリ・オペラ座バレエ団、最高位であるエトワールを務める人気ダンサー、アマンディーヌ・アルビッソンとジョシュア・オファルトから、同バレエ団で活躍する気鋭の日本人ダンサー、オニール八菜について、そしてバレエを学ぶ子どもたちへの温かい応援メッセージが届いています。


■アマンディーヌ・アルビッソン(エトワール) 

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1989年生まれ。1999年にパリ・オペラ座学校に入学し、2006年にパリ・オペラ座バレエ団に入団。2014年、25歳の若さでエトワールに任命される。伸びやかな長身を生かして「白鳥の湖」オデット/オディール役など古典作品から、ミルピエ振り付け「ダフニスとクロエ」など現代作品も得意とし、幅広いレパートリーを持つ。

Q:本作内「ラ・バヤデール」で共演したオニール八菜さんについては?

彼女については良いことしか語れません。優しくて心が広く、気持ちがシンプルで潔い人です。おそらくこれから素晴らしいキャリアを歩む、大きな可能性に満ちていると思います。

Q:あなたが考えるパリ・オペラ座の伝統と魅力とは?

クラシック・バレエや現代的なヌレエフの作品などの演目そのものを受け継いでいくこと、そしてダンサーたちの実力も伝統だと思います。私たちには古典も現代作品も、同じようにたやすく踊らなければならない使命があります。

オペラ座は仕事場として世界一美しい場所です。私はオフィスと呼んでいますが(笑)毎朝出勤する時に見上げて、なんて私は恵まれているんだろうと思います。


Q:オペラ座に憧れるバレエを学ぶ子どもたちに伝えたいことは何でしょうか。

とにかく踊ることを、情熱をもって思い切り楽しんでほしいです。ただ、バレエはすごくハードです。毎日休むことなく努力するという覚悟が必要です。ただ、それを続けて形にすることができたときには、信じられないような感覚を舞台で味わうことができるので、ぜひそのことを知ってほしいです。

■ジョシュア・オファルト(エトワール)

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1998年、パリ・オペラ座学校に入学。2002年に18歳で同バレエ団に入団し、スジェ時代から王子役など主役を踊る。2012年、エトワールに任命。自身のダンスウェアブランド「Hoffalt」のデザインを手がけ、世界中のダンサーから愛用されている。

Q:エトワールとしての責任感と誇りとは?

エトワールであることは、自分に自信を与えてくれることもありますが、役によっては、責任の重みを感じ過ぎて負担になってしまうこともあります。宝石店のショーウィンドーに飾ってある旬の宝石がエトワールだと感じていて、自分はパリ・オペラ座のそれだという意識でいつも踊っています。

Q:パリ・オペラ座を目指す子どもたちに伝えたいメッセージは?

可能性というのはどこまでもあるものです。“ここまでしかできない”とは決して思わないでほしい。僕自身、裕福でない家庭に生まれ、まさかパリ・オペラ座バレエ団の一員として世界中で踊る日が来るとは思っていませんでした。何でもできるんだよ、と伝えたいです。ダンスに限らず、情熱をもって打ち込めるものを見つけてほしいと思います。

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こちら2名のエトワールのインタビューについては、今年3月のパリ・オペラ座バレエ来日公演の際に、私が取材をさせていただきました。より詳しいインタビューについては、劇場用パンフレットに掲載されていますので、ご覧いただければ幸いです。劇場用パンフレットでは、他に演目紹介、出演者紹介も書かせていただいています。

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監督:マレーネ・イヨネスコ 『ロパートキナ 孤高の白鳥』

出演:マチュー・ガニオ/アニエス・ルテステュ/ウリヤーナ・ロパートキナ/オニール八菜/バンジャマン・ペッシュ/ウィリアム・フォーサイス

2016/フランス/86分/原題:BACKSTAGE/字幕翻訳:古田由起子/字幕監修:岡見さえ

配給:ショウゲート/協力:(公財)日本舞台芸術振興会 ©Delange Production 2016

公式サイト:backstage-movie.jp

7/22(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー


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