英国ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン、ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」2月18日より劇場公開
英国ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズンの第一弾、ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」が2月18日より劇場公開されます。
http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=nutcracker2021
ロイヤル・バレエのピーター・ライト版の『くるみ割り人形』は、数ある『くるみ割り人形』の中でも、ストーリー性、ドラマ性があって根強い人気があります。最近ではほぼ毎年クリスマスの時期前後に上演されていました。昨年も、感染予防のために子役の出演を減らしてねずみたちとの戦闘シーンは大人のダンサーが踊る版に作り替えて上演したのですが、コロナ禍の悪化で4公演を上演しただけで公演中止になってしまいました。今年は、無事上演できて、映画館上映のための収録も実現しました。
今回の『くるみ割り人形』は当初金平糖の精を高田茜さんが踊る予定でしたが、残念ながら直前のケガで降板、代役は、気品にあふれたヤスミン・ナグディに。王子は、鮮やかなテクニックに目を見張るセザール・コラレスと、全体的にキャストも若返っています。物語のキーマンであるハンス・ピーターとくるみ割り人形を演じるのはアクリ瑠嘉さん。雄弁なマイム、頼りがいのあるサポート、伸びやかな踊りで見せてくれます。まだ彼が子どもの時に、子役で井上バレエ団の「くるみ割り人形」のフリッツ役を演じていた姿を思い出し、感慨深いものがありました。クララのイザベラ・ガスパリーニは可愛らしく初々しく、二人の間の心の触れ合いが感じられてほほえましいです。
ピーター・ライト版は、ドロッセルマイヤーの甥であるハンス・ピーターがねずみの女王によってくるみ割り人形の姿に変えられてしまったという設定が効果的になっています。彼を愛してくれる女性が現れることで、その呪いが解けて元の人間の姿に戻ることができるわけで、クララとハンス・ピーターの淡い恋心がポイントとなっています。2幕のディヴェルティスマンでは、クララとハンス・ピーターはお客様であることに飽き足らずダンスの中に入っていき、一緒に踊るのも、楽しさが倍増するところです。ラストの夢から覚めたクララがハンス・ピーターに遭遇するシーンや、ドロッセルマイヤーのところに彼が帰ってくるシーンは、何回みても感動してしまいます。
クララを導く愛らしい天使たち(ロイヤル・バレエスクールの生徒たちが演じる)もこのプロダクションの魅力です。また、「ピサロ」『良い子はみんなご褒美がもらえる』「兵士の物語」でおなじみのウィル・タケットが演出した、ねずみたちとの戦闘シーンも大人ダンサーが演じることで迫力ある活劇シーンとなっています。アラビアや中国の衣装は一新され、毎回この上映を見ている方にも新鮮に見えるはず。花のワルツのシーンでは、ローズ・フェアリーの崔由姫さんの優雅な踊りに目を奪われます。ヴィヴァンデールの佐々木万璃子さん、花のワルツでの佐々木須弥奈さんと前田紗江さんの活躍ぶりも嬉しい。
映画館上映の楽しみの一つは、ダーシー・バッセルが紹介する幕間の舞台裏やリハーサル映像。ここでは、高田茜さんとセザール・コラレスのリハーサルシーンとインタビュー、アクリ瑠嘉さんとイザベラ・ガスパリーニのインタビューを観ることができます。また、美しい雪の場面を踊るコール・ド・バレエのダンサーたちの活躍ぶりや、金平糖のパ・ド・ドゥで天上の響きを聞かせてくれるチェレスタの紹介も。
2年ぶりにロイヤル・オペラハウス・シネマシーズンが帰ってきたことが何よりも嬉しいことです。それも、楽しくてハッピーで誰にでも愛される「くるみ割り人形」で。この後は、4月8日に『ロミオとジュリエット』の劇場公開が待ち受けています。
- 【出演】ドロッセルマイヤー:クリストファー・サウンダーズ
クララ:イザベラ・ガスパリーニ
ハンス・ピーター/くるみ割り人形:アクリ瑠嘉
金平糖の精:ヤスミン・ナグディ
王子:セザール・コラレス
シュタルバウム博士:ギャリー・エイヴィス
クララのパートナー:スタニスラウ・ヴェグリジン
キャプテン:トーマス・モック アルルカン:ケヴィン・エマートン
コロンビーヌ:シャルロット・トンキンソン
兵士:ベンジャミン・エラ ヴィヴァンデール:佐々木万璃子
ねずみの王様:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンズロッド
スペイン:ナディア・ムロバ・バーレー、アイダン・オブライエン
シャーロット・トンキンソン、ジャコモ・ロヴェロ
ジーナ・ストーム・ジャンセン、ケヴィン・エマートン
アラビア:メリッサ・ハミルトン、ルーカス・ビヨルンボー・ブレンズロッド
中国:レオ・ディクソン、カルヴィン・リチャードソン
ロシア:ジュンヒュク・ジュン、ハリソン・リー
葦笛:ミカ・ブラッドベリ、カトリーナ・ニケルスキ
ロマニー・パイダク、アメリア・タウンゼンド
ローズ・フェアリー(薔薇の精):崔由姫
ローズ・フェアリーのエスコート:ジョセフ・オーメア、デヴィッド・ドネリー
フランシスコ・セラノ、ジョセフ・シセンズ
花のワルツのソリスト:オリヴィア・カウリー、レティシア・ディアス
ハンナ・グレンネル、イザベル・ルーバッハ
天使と子供たち:ロイヤル・バレエ・スクールの生徒たち - 【上映時間】2時間37分
北海道 サツゲキ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
宮城 フォーラム仙台 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
愛知 ミッドランドスクエアシネマ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
兵庫 TOHOシネマズ西宮OS 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2022/2/18(金)~2022/2/24(木)
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