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2021年8月

2021/08/27

8月28、29日上演 ファビュラ・コレクティブ「HUMAN.」日本人ダンサー4人にインタビュー

ウィリアム・シェイクスピア、ルイス・キャロル、オスカー・ワイルド。人間の極限の感情を暴く、英国を代表する3人の作家の古典を基にした新作を3人の振付家が振り付ける、ファビュラ・コレクティブの「HUMAN.」が、8月28、29の両日、新国立劇場小劇場で上演されます。

Fabulacollectivehuman

https://www.fabulacollective.co.uk/our-work/human

ファビュラ・コレクティブは2019年、英国で舞台美術・衣裳を手がけるデザイナーとして活躍する塚本行子を中心に設立されました。新進気鋭、トップクラスのアーティストと共に質の高い作品をイギリス国内外に発信するクリエイティブな集団で、20195月には『Elevation-昇華-』を東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で上演しました。

 シェイクスピアを基にした『レディ・マクベス』クリストファー・マーニー振付。オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイ』ジェームズ・ペット振付。そしてルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のアリスのお茶会を下敷きにした『Everything Would Be Nonsense』トラヴィス・クローゼン=ナイトが振り付けました。

このうち『Everything Would Be Nonsense』は、冨岡カイ、加藤美羽、土田貴好、岩瀬斗羽という4人の気鋭の日本人ダンサーをオーディションで選び、創作した作品です。4週間のリハーサル期間を経て、初演まで1週間という時期にリハーサルを拝見し、4人のダンサーにインタビューしました。(トラヴィス・クローゼン=ナイト、ジェームズ・ペットにもインタビューをしていますので、後程こちらも掲載します)

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左より 加藤美羽、冨岡カイ、トラヴィス・クローゼン=ナイト、岩瀬斗羽、土田貴好

このうち『Everything Would Be Nonsense』は、今年8月までNoism1で3年間活動した英国出身の冨岡カイ、ラ・ダンス・コントラステや中村恩恵のプロジェクト等で活動する加藤美羽、Noism2を経て文化庁の新進芸術家海外研修生としてドイツで活動した土田貴好、ランベール・スクールを卒業したばかりの若手、岩瀬斗羽という4人の日本人ダンサーをオーディションで選び、創作した作品です。4週間のリハーサル期間を経て、初演まで1週間という時期にリハーサルを拝見し、4人のダンサーにインタビューしました。(トラヴィス・クローゼン=ナイト、ジェームズ・ペットにもインタビューをしていますので、後程こちらも掲載します)

Everything Would Be Nonsense』のコンセプト:集団としての極端な社会規範や慣習に縛られ、いらだちを募らせている人々は皆それぞれに、今の状態を変えられるかもしれないという希望を胸に、ある行動を決意します。そんな彼らの心のうちには、彼らを束縛から解き放ち、前へ進ませようとする、帽子屋やウサギ、そしてアリスが潜んでいるのです。彼らの存在を受け入れることで、このお茶会に狂気のつむじ風が起こります。

 

リハーサルでは、緻密でスリリングな振付を、息が合った様子で4人が踊る様子を息を吞みながら観ることができました。パートナーリングが多く、男性二人と女性一人の組み合わせ、アクロバティックなリフトなども。お茶会をモチーフにしていて、一人一人が「アリス」の登場人物を思わせるところが出てくるのもとてもユニークです。男性ダンサー二人は強靭で、女性ダンサー二人はしなやか、その中でそれぞれの個性を発揮し、火花が散るような化学反応が生まれていました。

もう作品もかなりでき上がってきて完成度も高くなっていて、本番が楽しみです。もう大体一か月ぐらいクリエーションのプロセスでリハーサルを続けていらっしゃいますね。オーディションが今年の三月にあって、出演者が決まって、そしてトラヴィスが七月に日本にやってきて、そこから本格的に始めたという感じですね。 

作品コンセプトを聞いてどういう風にまず感じられましたか?

岩瀬:その時私が日々結構考えていたことでもあったので、身近に感じました。自分の状況とちょっと照らし合わせて感じるものが色々あると思いました。個人的に感じることはありましたね。

冨岡:僕のお父さんはイギリス人だけど、僕は日本人のダンサーで、トラヴィスはイギリスからやってきていて、どういうコミュニケーションができるのか、それもこの作品の中に入っています。作品を作り上げるプロセスの中でこの作品のアイディアは僕たちにとって重要なものでした。最初に、どのようにコミュニケーションをするかということで少し難しいことがありました。僕の母国語は英語で、日本語で説明されたときに理解できないことがあり、岩瀬さんが通訳してくれることがありました。クリエーションの中で3,4段階を経るという状況は面白いことでもあったのです。時にはトラヴィスが僕に何かを言って、岩瀬さんに説明して彼女がほかのメンバーに通訳することもありました。

また一緒にリハーサルを行った短い期間において、この作品の中にあるアイディアを実体験したので、言葉を介さなくてもお互いを理解できるようになりました。言語は重要ではなくなってきたのです。トラヴィスも同様に、コミュニケートすることができるようになったのです。時には、言葉では伝わらないこともありましたが、どうにか通じるようになりました。これこそが、この作品が求めているものではないかと思います。

岩瀬:コミュニケーションで英語の言葉と日本語の言葉と、わからないことがあったでしょう。そのことを何人も通して伝えていること自体が、作品に関係していて、作品のコンセプトにあるということも面白いですね。

 

四週間リハーサルをしているので皆さんも凄いコンビネーションとかパートナーリングとか素晴らしかったと感じています。

岩瀬:パートナーリングはすぐ、体になじみました。どこつかむ、とか 感覚がすぐ慣れてきたという感じです。

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ジェームズ・ペット、トラヴィス・クローゼン=ナイト

皆さん色んな振付家の方とお仕事されてきた と思うのですが、トラヴィスと今回仕事をして、いかがでしたか?

土田:ダンサーのことをとても大事にしているという感じがします。彼が今まで経験してきたことがいろいろあると思うのですが、ダンスでありながらヒューマンビーイングという感じで。人間であることの大事さということが伝わってきています。その辺がとても尊敬できます。

岩瀬:プッシュするところと、ケアのバランスがいい人だと感じました。自分が欲しいものはこれというのははっきりあるし、でもそれがありつつも、個人の思いとか、それに対してのメンバーの考えをちゃんと取り入れるように、毎回コミュニケーションを頑張って取ろうとして、一人ひとりに聞いてくれるっていうこと自体が、結構作品の幅を広げているというか、なんかソレが凄いなと思っています。そんなに色んなコリオグラファーと仕事したことがないのですけど、それは普通に個人として、素晴らしいなって思いますね。

冨岡:やっぱりトラヴィスさんの体の中の、動きの説明が素晴らしいし、言葉で日本語でも英語でもそれは難しいと思ったことでも、求めている音は体で本当に見せてできるから、すごくよくわかります。やっぱり今、僕たちは頑張っているけど、もうちょっと長く、もうちょっと強く、と求められますが、でもトラヴィスが求めていることを、動いて見せて僕たちに見せられるから、わかりやすいのです。

 

トラヴィスは本当にあの皆さん一人ひとりのことを結構色々喋ってくれました。斗羽さんは凄く若い方なのに、もう何年もプロでやっている人だと思ったとか。皆さんのアイディアとか聞きながら作品を作っていっているって言っていました。ルイス・キャロルのこの文章の中から、幾つか課題を与えて、それに対するフィードバックを皆さんから凄い宿題として与えてそれを参考にしながら作ったというお話をされていましたが、結構大変だなと思って聞いていました。

冨岡:体にもきついけど、最初のうち、このクリエーションは結構頭もきつかったです。両方同時にやると何もできないというところがありました。

岩瀬:プロセスが、脳みそがいっぱいになるような。身体も動かすけど、頭で考えたことをどう体に移すかみたいなものが多かったですね。最初の時期は全部zoomだったけど、やってみながら目が点になっていたしますね。


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皆さん振付家とお仕事されていたからクリエーションというのは今までもたくさんされていると思うんですけど、その中でも結構特に大変って感じでしたか?

 

加藤:今まで仕事をしてきた振付家さんよりは、ダンサーと創るという印象が多いと思いました。私は日本がベースなので海外の方とお仕事をすることが少なかったのですが、日本の場合には、ダンサーが創る分量よりも、振付家さんが作ってくれて与えてくれるということのほうが多いと感じています。でも今回の場合にはそうではなくて、もちろん作ってくれるけど、こっちに渡して、お互いにコミュニケーションをとりながら創るという過程がすごくたくさんあって、そういう作り方はすごく勉強になりましたし、面白いなと思いました。

冨岡:この作品はもちろんトラヴィスの創り方とスタイルが付いているけど、いつでもタスクを上げる時は、自分は何をしたいのですか?とよく聞いていたから、彼が、あなたは何をしたいとか、何をするのか?といつも聞いていたから、結構僕たちの自分のイメージやアイデンティティが入っていると思います。そういうチャンスはプレゼントとして私たちにあげてくださったもので、すごくいいと思います。もしこの作品をトラヴィスさんが別のダンサーで作るのだったら全然違う作品になると思います。この4人のダンサーが集まったからこそ、この作品になったということです。

皆さん四人が共同クリエイターとして作られたってこと素晴らしい成果にきっとなると思います。一か月ちょっとリハーサルをするっていうのは比較的クリエーションとしても時間はある方だったのでしょうか?それともタスクが多いから結構大変みたいな感じだったのでしょうか。

土田:充実していました。そんなに急いでいるわけでもなくて、焦っている感じでもなかったです。たくさんのタスクがある中で、その中でどれだけ今までの自分の個性とか出しながら、トラヴィスと駆け引きをしながら、相当濃いクリエーションであり、リハーサルでした。

『Everything Would Be Nonsense』 (C)Akihito Abe

『Everything Would Be Nonsense』 (C)Akihito Abe

たぶん頭もそうだけど肉体的にも凄いハードだった感じでしょうね。塚本さんが、皆さんがどんどん痩せていったっていうので心配されていました。

岩瀬:でもそんな自覚はないのですよね。4週間目でここまで来て、この4週間を振り返った時に、この作品だからマテリアルが基本自分たちでつくったものがほとんどで、作って貰ったところとか、もちろん修正して貰ったところはたくさんあるし、でもその元々作ったそのマテリアルが私たちが創ったものだから、こんなに作ったんだ、私たちが作ったマテリアルでここまでの流れができて、こういう表現があってっていうものができるんだ、というのがパズルみたいな、積み木みたいな感じで、凄いな、と第三者目線で思いました。

 

作品として緻密に作られていますよね。この四人で一つピースとしてうまくこう繋げていっているなっていうのが素晴らしいと感じました。

 

加藤:かなりやっていますよね、私たち。結構充実したプログラムだと思います。海外のことは知らないのですが、日本ではここまでみっちりやること、詰め込まれてダンスだけに集中することができて、一日中踊っている、踊るだけで大丈夫というのはあまりないのです。ダンサーとしても体は作られるし、経験も積める機会で、すごくいいなあと思っていています。

岩瀬:ルーティンに入るとわからなくなる癖があるのです、私は。ずっとやっていて、クリエーションが始まった時は、やることがいっぱいだなって、なんか毎日すごく長いなって思っているかもしれないけど、ルーティンが普通になると、やっている感覚がなくなる、得るものは得ているけど、自分がそれによってやりすぎがないというか、ルーティン化してきました。

冨岡:このプロジェクトではヒエラルキーもありませんし、すぐに最初に仲良しになって、その後、どんどん作品が体に入っていきました。トラヴィスは結構難しいことも言いますが、短い時間に創っていけるのが素晴らしいと思います。トラヴィスと一緒に創っていって、どんどん変わっていくことができました。

僕もNoismに入る前は英国でフルタイムのカンパニーに入っていましたが、今回プロジェクトは本当に集中した時期で、もっと重要で本質的なものだと感じます。一度きりの機会ですし、今はフリーランスなので次に何があるかわからないので。生きるか死ぬかというほどの重要な機会なので、僕たちは全員100%全力を注いで取り組んでいます。舞台で演じることができれば、こんな短い時間で、ここまで充実したことはめったにないという達成感があるのではと思います。短い時間ですが仲良しになって、一緒に集まるのはこの時間しかないから、大切な時間です。

岩瀬:私はまだ学校を卒業したばかりで若く、日本に帰ってくると、ほかの人の年齢を意識しなければならないのですが、ここでも最年少です。でも誰もが、ひとりの人間でいられる特別な場所だと感じます。

冨岡:僕たちがダンスを愛する理由のひとつは、どんな境界線も越えてくれるからです。私たちの社会や文化で経験することを、お互いのバックグラウンドとは関係なく共有できます。ジェームズやトラヴィスは英国で育ち学んできたのでもちろん背景は違います。でも言葉は違っていても、ダンスという言語の共通の理解があって、日本の先輩/後輩の概念はここにはありません。ここは日本ですが、外側から言われたことや期待されたことは気にする必要がありません。これはダンスであり、ダンスは特別なものであり、ダンスにはそれ自身の言語と社会があるのです。

岩瀬:トラヴィスも、英国人で英語をしゃべっているからかもしれませんが、同等の人間として扱ってくれるのでとてもやりやすいと感じています。

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皆さん、オーディションを受けて今回参加されている訳ですが、まず、なぜこの企画に関わりたいと思ったかというところからお話していただいても良いでしょうか。

土田:僕は2年前までドイツに研修で行っていて、帰ってきてもう一回ヨーロッパに行きたいと思ったのですがコロナ禍になってしまい、しばらくは行くことが難しいと思っていたのです。日本で活動していました。拠点は東京ではなくて新潟でした。スタジオ構えながらレッスンをしていたのですが、やっぱり自分はもっと吸収したいし、アンテナを張りながら、どんなチャンスがあるか伺っていました。2月くらいに募集を見て、絶対受けたいと思ってオーディションに参加させていただきました。まさかと思ったのですが、選んでいただけたので、これは頑張りたいと思いました。

加藤2年前にファビュラ・コレクティブの公演があったときにワークショップがあり、それを受けたのです。その時に、いつかこの人たちと仕事をする機会が欲しいと思いました。今回そういう機会があったので絶対にやりたいなと思って参加してみようと思いました。

冨岡:僕は英国で育ち、日本と英国のハーフです。数年前に、半分日本人である自分について理解することが大切だと思って、日本にやってきました。英国でダンスを学んできて、多くの日本人ダンサーもそこにいましたが、彼らにとって日本には十分な仕事がないと感じていたので、その理由を知りたいと思いました。僕のルーツとカルチャーを理解するうえで、ファビュラ・コレクティブが行っている、日本と英国の間の橋渡しというのは、僕の夢、ゴールと共通点があると思いました。自分のキャリアのなかでやりたいことだったのです。作品を経験しプロジェクトに参加することは、僕のキャリア、芸術、ダンスを追求するうえで大切なことでした。日本では芸術は実際にはそれほど広まっていないので、ファビュラの活動はアーティストに機会を与えるものであり、とても重要で、尊敬できるものです。

岩瀬:ランベールに一緒に行っている日本人の友達が、ちょうどオーディションの時期だったのでオーディションのウェブサイトで調べている時に出てきて、「日本人しか募集してないんだ」って思いました。私は東京に戻ってくる予定がもうあったので、良い機会だからと思って、しかもファビュラのコンセプトが、日本とイギリスを繋げるっていうその二つの国で、私が自分のコミュニティーを持っている二つの国を一緒にするというコンセプト自体が、やりたいことをだと感じました。自分が何をイギリスに行ってトレーニングして得たのか、この公演に出ることで、後輩にも観て貰い、ほんの少しでも貢献できればと思いました。

冨岡:もしこの公演に来て、この舞台を観ることができれば、世界的に知られている国際的なアーティストたちが参加している様子を見に行くことができます。日本のカンパニーで、このレベルのダンサーたちとともに踊ることができるのは、とても大切なことです。3公演しかありませんが、観に来るお客様がいるわけで。この高いレベルの舞台が行われたことで、これが日本でできたということは、何かの大きなきっかけになりえると、理想主義者の僕は思います。だから頑張るしかありませんね。

岩瀬:今回こうやって日本人の方と海外のアーティストと一緒にできるっていうのが、なかなか難しいことです。外から公演を持ってきました、というのではないものを。舞台を観る方がどういう風に感じるか。評価じゃないけど見ている人が本当に感じるものって何だろうか、考えています。

冨岡It’s the beginning

岩瀬:この舞台が終わったら、スペインのバルセロナのカンパニーに入ります。もう少し学ぼうと思っています。あと一週間しかないのは寂しいですね。あっという間ですね。

塚本:今回はコロナ禍ということで観客のキャパシティが50%となっています。だからフルにはできないのですが、フルであることが重要なのではなくて、できることと、行うことができたことが大事です。実施できたことを大切にして。最初の一歩だと思っていただければと思います。

Fabula Collective presents『HUMAN.』

 
【上演プログラム】
『レディマクベス』(初演)
振付:クリストファー・マーニー
音楽:ジョナサン・エミリアン・ヘック
出演:チラ・ロビンソン、バリー・ドラモンド、マーク・サマラス

『Everything Would Be Nonsense』(初演)
振付:トラヴィス・クローセン=ナイト
音楽:サイモン・マッコリー
出演:冨岡カイ、加藤美羽、土田貴好、岩瀬斗羽

『ドリアン・グレイ』(初演)
振付:ジェームズ・ペット
ドラマトゥルク:ベン・ルイス
音楽:ショーン・ペット
出演:ジェームズ・ペット トラヴィス・クローセン=ナイト
 
■公演日程:
2021年
8月28日(土)19:00 開演
8月29日(日)12:00/17:00 開演
各回、公演終了後、トークあり
ロビー開場:開演45分前 客席開場:開演30分前
 
■会場:
新国立劇場 小劇場
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
京王新線(都営新宿線乗入れ)「初台駅」中央口直結
 
料金(全席指定・税込):
S席 6,000円|A席 5,000円|B席 4,000円
*U24(24歳以下)S席 4,000円|A席 3,000円|B席 2,000円
 
*U24:公演当日、顔写真付証明書をご提示ください。
※未就学児童のご入場はご遠慮いただきます。
※車椅子席はS席でのご用意となります。お問合せ先へお申込みください。(介助者1名無料)
※必ずマスクを着用し、館内での手指消毒にご協力ください。
※開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。予めご了承ください。
※各回、公演終了後にトークあり
 
■公演特設サイト(情報有):
■お問い合わせ:
ハイウッド
TEL:03-3320-7217(平日 12:00〜18:00)
 
 
 
■関連サイト:ライター小野寺悦子さんによる、3人の振付家への素晴らしいインタビュー記事です。
クリストファー・マーニー  https://dancedition.com/post-3631/
トラヴィス・クローセン=ナイト  https://dancedition.com/post-3629/
ジェイムズ・ペット  https://dancedition.com/post-3672/
チラ・ロビンソン  https://dancedition.com/post-3670/

SPICE:英国の名作文学がダンスに~ファビュラ・コレクティブ『HUMAN.』世界初演は魂を揺さぶるトリプル・ビル (ライター髙橋森彦さんによる、わかりやすい紹介記事)

https://spice.eplus.jp/articles/291319

 
【ファビュラ・コレクティブ】
クリエイティブ・ディレクター:塚本行子
ジェネラルマネージャー:ジョージ・クック、ジョシュ・チョーク
プロデューサー:ルーシー・スミス
マーケティング:エミ・デルベネ
ファンドレイザー:メガン・マッコール・キャンベル
エグゼクティブ・アシスタント:ギャビア・チェペリーテ
プロジェクトマネージャー:阿部のぞみ 
 
【スタッフ】
舞台監督:河内 崇
照明:倉本泰史(株式会社エアー・パワー・サプライ)
音響:返町吉保(株式会社キャンビット)
プロデューサー:高樹光一郎(一般社団法人ハイウッド)
制作:平岡久美(一般社団法人ハイウッド)
グラフィックデザイン:石田 努
 
■主催:
Fabula Collective
一般社団法人ハイウッド
 
■後援:
大和日英基金
ブリティッシュ・カウンシル 日英交流年「UK in JAPAN」
グレイトブリテン・ササカワ財団
Japan-UK Season of Culture 日本文化季間 認定事業
 
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

 

2021/08/26

ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2020–2021 Bunkamuraル・シネマに8月27日(金)よりアンコール上映

毎年好評の「ボリショイ・バレエ inシネマ」を、今シーズンも8月27日(金)を皮切りに、
Bunkamuraル・シネマにて限定上映します。
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ロシアの名門『ボリショイ・バレエ団』のステージを、
本拠地モスクワの劇場で鑑賞しているような臨場感溢れた公演映像と、
本企画ならではのお楽しみであるバックステージインタビューをご覧いただけます。
幕間の出演者インタビューは、ボリショイ劇場に足を運んでも視聴できない貴重な体験。
ラインナップの7作品はどれも圧倒的な名演ばかり。
ボリショイが世界最高峰のバレエ団の一つであることをあらためてご確認いただけることでしょう。
お見逃しないように。

 

 

※先日奇跡的に開催された世界バレエフェスティバル2021で、素晴らしい踊りを見せてくれた至宝スヴェトラーナ・ザハロワ(「ザハロワ&レーピン パ・ド・ドゥ」公演も)主演の『椿姫』、そしてボリショイ・バレエの新女王オルガ・スミルノワ主演の『ラ・バヤデール』、華麗なテクニックを誇るエカテリーナ・クリサノワ主演の『ロミオとジュリエット』が今回上映されます。
「ザハロワ&レーピン パ・ド・ドゥ」公演で来日したミハイル・ロブ―ヒン(『椿姫』)、デニス・サーヴィン(『パリの炎』「くるみ割り人形」)も。

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【上映概要】

◆タイトル◆ 
ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2020–2021

◆上映作品・スケジュール◆
「椿姫」 8/27(金)、9/4(土)、9/12(日)
「ラ・バヤデール」 8/28(土)、9/5(日)、9/10(金)
「眠れる森の美女」 8/29(日)、9/3(金)、9/11(土)
「コッペリア」 8/30(月)、9/7(火)、9/15(水)
「パリの炎」 8/31(火)、9/8(水)、9/16(木)
「くるみ割り人形」 9/1(水)、9/9(木)、9/13(月)
「ロミオとジュリエット」 9/2(木)、9/6(月)、9/14(火)

※詳しい上映時刻、各作品の概要については、公式サイトをご確認ください。

◆会場◆ 
Bunkamura ル・シネマ

◆料金◆ 
全席指定 大人3,700円(税込)、学生2,500円(税込)

◆上映タイトル◆
《椿姫》  8/27(金)、9/4(土)、9/12(日)
音楽:フレデリック・ショパン 振付:ジョン・ノイマイヤー

出演:スヴェトラーナ・ザハーロワ(マルグリット)、エドウィン・レヴァツォフ(アルマン)、アンナ・チ
ホミロワ(マノン)、セミョーン・チュージン(デ・グリュー)、クリスティーナ・クレトワ(プリュダンス
)、ミハイル・ロブーヒン(ガストン)、アンナ・アントローポワ(ナニーナ)、アンドレイ・メルクリエフ(
デュヴァル氏)、ダリーヤ・コフロワ(オランピア)
[2015年12月収録]


《ラ・バヤデール》  8/28(土)、9/5(日)、9/10(金)
音楽:レオン・ミンクス 振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:オルガ・スミルノワ(ニキヤ)、アルテミィ・ベリャコフ(ソロル)、オルガ・マルチェンコワ(ガム
ザッティ)、ダヴィッド・モッタ・ソアレス(ブロンズ・アイドル)、アレクセイ・ロパレーヴィチ(ラジャ)
[2019年1月収録]


《眠れる森の美女》  8/29(日)、9/3(金)、9/11(土)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:オルガ・スミルノワ(オーロラ姫)、セミョーン・チュージン(デジレ王子)、アレクセイ・ロパレー
ヴィチ(悪の精カラボス)、ユリア・ステパノワ(リラの精)、ヴィタリー・ビクティミロフ(侍従長)
[2017年1月収録]


《コッペリア》  8/30(月)、9/7(火)、9/15(水)
音楽:レオ・ドリーブ 振付:セルゲイ・ヴィハレフ
出演:マルガリータ・シュライネル(スワニルダ)、アルチョム・オフチャレンコ(フランツ)、アレクセイ
・ロパレーヴィチ(コッペリウス)
[2018年6月収録]


《パリの炎》  8/31(火)、9/8(水)、9/16(木)
音楽:ボリス・アサフィエフ 振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:マルガリータ・シュライネル(ジャンヌ)、デニス・サーヴィン(ジェローム)、イーゴリ・ツヴィル
コ(フィリップ)、セミョーン・チュージン(ボールガール侯爵)、アナ・トゥラザシヴィリ(アデリーヌ)、
クリスティーナ・クレトワ(ミレイユ)、アルチョム・オフチャレンコ(アントワーヌ)、イリーナ・ズィヴロ
ワ(老女ジャルカッス/乳母)
[2018年3月収録]


《くるみ割り人形》  9/1(水)、9/9(木)、9/13(月)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー 振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:マルガリータ・シュライネル(マリー)、セミョーン・チュージン(くるみ割り人形)、デニス・サー
ヴィン(ドロッセルマイヤー)、アレクサンドル・ヴォドペトフ(ねずみの王様)
[2018年12月収録]


《ロミオとジュリエット》  9/2(木)、9/6(月)、9/14(火)
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:エカテリーナ・クリサノワ(ジュリエット)、ウラディスラフ・ラントラートフ(ロミオ)、イーゴリ
・ツヴィルコ(マキューシオ)
[2018年1月収録]

ボリショイ・バレエ・イン・シネマの公式サイト

https://liveviewing.jp/bolshoi-cinema2020-21/

◆上映作品・スケジュール◆
8/27(金)~9/9(木) 連日13:00スタート
※予告5分
※9/10(金)以降のスケジュール未定

「椿姫」         8/27(金)13:00~(終)16:00 / 9/4(土)13:00~(終)16:00 / 9/12(日)
「ラ・バヤデール」    8/28(土)13:00~(終)15:50 / 9/5(日)13:00~(終)15:50 / 9/10(金)
「眠れる森の美女」    8/29(日)13:00~(終)15:40 / 9/3(金)13:00~(終)15:40 / 9/11(土)
「コッペリア」      8/30(月)13:00~(終)15:15 / 9/7(火)13:00~(終)15:15 / 9/15(水)
「パリの炎」       8/31(火)13:00~(終)15:20 / 9/8(水)13:00~(終)15:20 / 9/16(木)
「くるみ割り人形」    9/1(水)13:00~(終)15:30 / 9/9(木)13:00~(終)15:30 / 9/13(月)
「ロミオとジュリエット」 9/2(木)13:00~(終)15:55 / 9/6(月)13:00~(終)15:55 / 9/14(火)

2021/08/17

映画『リル・バック ストリートから世界へ』

映画『リル・バック ストリートから世界へ』が8月20日より公開されます。

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http://moviola.jp/LILBUCK/

「人殺しになるより、ダンスがしたい」

ヨーヨー・マのチェロで踊った『瀕死の白鳥』スパイク・ジョーンズが撮影して投稿したことで、一躍有名になったダンサー、リル・バック。彼が育ったテネシー州メンフィスは、”メンフィス・ジューキン”というストリートダンスの発祥の地。クリスタル・パレスという名のローラースケートリンクでダンサーたちは毎週土曜日の夜に踊っており、リル・バックもジューキンに夢中になった。メンフィスは犯罪多発地帯であり、リル・バックも母親が父親に暴力を振るわれるというつらい体験をしたが、暴力と犯罪、貧困の世界から彼を遠ざけてくれたのがダンスだった。

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つま先を使って踊るジューキン。そのつま先の強化やバレエダンサーの強靭なテクニックを身に着け、ダンサーとして成長したくて、リル・バックは奨学金を得てバレエを本格的に学ぶ。ニュー・バレエ・アンサンブルというバレエ団では貧困家庭の子どもたちにダンス教育を施すため、ヒップホップのグループを招くという社会的なプログラムが提供されていた。芸術監督の提案で、クラシック音楽でジューキンを踊ってみることになり、彼のダンスを観たヨーヨー・マに招待されパーティで踊って映像を撮影されたことが、ブレイクのきっかけとなった。その後は、北京国家大劇院、ルイ・ヴィトン財団など数々の大きな舞台、マドンナとの共演などキャリアを積み重ねていく。メンフィスのルーツを大切にしている彼は、今も社会活動として、メンフィスで子どもたちにダンスを教えている。

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©️2020-LECHINSKI-MACHINE MOLLE-CRATEN “JAI” ARMMER JR-CHARLES RILEY

今や世界の数々の大きな舞台で踊っているリル・バックだが、人気のいないメンフィスの駐車場で踊る姿が一番美しくドラマティックに撮影されている。今は閉店してしまったクリスタル・バレスは、かつては若者たちが集まり毎晩のようにダンス合戦を行っていた伝説の場所。ここで様々なダンサーたちが踊っていた映像も美しく、失われてしまった光景なだけに、ノスタルジック。この作品自身が、メンフィスという街へのラブレターであるようだ。

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©️2020-LECHINSKI-MACHINE MOLLE-CRATEN “JAI” ARMMER JR-CHARLES RILEY

何より、リル・バックというダンサーのたぐいまれなダンスに惹きつけられる。とにかくつま先を強くしたくて朝から晩まで足が血だらけになるほど練習し、スニーカーを週に1足履きつぶしたという。「誰よりも長くつま先で踊れるようになってやる」。バレリーナがポワントで踊っているような、つま先立ちの踊りには驚かされる。さらに足首が柔らかく強靭で、強い軸を持っており、驚くほどしなやかでバランス感覚に優れている。そして床を滑るような動きも見せている。バレエのトレーニングを積んだことで、アカデミックな技術も身に着け、「瀕死の白鳥」に観られるような上半身の優雅でリリカルな動きには魅せられる。クラシックとストリートダンスが見事に融合した、これは彼にしかできない表現だろう。

 

パリ・オペラ座バレエの元芸術監督バンジャマン・ミルピエも彼の才能に惹かれた一人で、彼を「古典的なダンサー」と評した。パリのルイ・ヴィトン財団での公演にリル・バックを出演させ、これまた斬新だけど人形の苦悩が伝わってくる「ペトルーシュカ」を踊った。この公演にはパリ・オペラ座バレエのエトワール、マリ=アニエス・ジロも出演。そしてジョージアン・ダンスの超絶技巧の映像を「見て見て~」とミルピエがリル・バックにスマホで見せて彼が「わ~、すごい!」と興奮する場面がほほえましい。彼はバレエのみならず、いろんなジャンルのダンスを貪欲に取り入れている。

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©️2020-LECHINSKI-MACHINE MOLLE-CRATEN “JAI” ARMMER JR-CHARLES RILEY

「ストリートダンスは社会活動」

リル・バックはただただダンスが大好きで、踊ることを突き詰めて文字通り血のにじむような努力を重ねた結果、世界に羽ばたいた。しかしそこで決して彼は満足しない。新しい表現を追求すると共に、社会活動家として、メンフィスの子どもたち、青少年にもダンスを教えている。不景気が街を遅い、暴力、麻薬など犯罪が多いこの街で、ダンスに打ち込むことができれば、未来が開けるかもしれない。ダンスによって「無敵になれる」のだ。

心から愛したことに打ち込んで、ストリートダンスに革命をもたらし芸術にまで高めたリル・バック。困難な環境の中から夢を実現していく姿は、観る者にも希望を与えてくれて、胸を熱くさせてくれる。ダンスの躍動感も伝わってきて、ダンスを愛する人には特に大きく心を動かされるドキュメンタリーとなっている。

 

なお、Netflixで配信されているドキュメンタリー・シリーズ「Move -そのステップを紐解く-」のリル・バックとジョン・ブーズのエピソードも大変面白いので、ぜひこちらも併せて観ていただければ。

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©️2020-LECHINSKI-MACHINE MOLLE-CRATEN “JAI” ARMMER JR-CHARLES RILEY

8月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開

原題:LIL BUCK REAL SWAN2019年|フランス・アメリカ|ドキュメンタリー|85

監督:ルイ・ウォレカン 配給:ムヴィオラ

公式サイト:http://moviola.jp/LILBUCK/

※先日、Zoomでリル・バックにインタビューさせていただきました。こちらのインタビューも後日お届けします。

2021/08/06

NBAバレエ団『ドラキュラ』宝満直也、竹内碧インタビュー

今週末、8月7日、8日にいよいよ公演が行われるNBAバレエ団のマイケル・ピンク振付『ドラキュラ』

https://www.nbaballet.org/official/official-3788/

Dracula

先日、リハーサルのレポートをお届けしましたが、今回は、8月7日(土)18時公演、および8月8日(日)16時公演に主演する、宝満直也(ドラキュラ役)と竹内碧(ミーナ役)のインタビューを掲載します。

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宝満直也さん、竹内碧さん

初めてペアを組む二人でしたが、リハーサルでは息の合ったパートナーシップを発揮し、難しいパートナーリングも頻出する、緊張感あふれるパ・ド・ドゥの様子をたっぷり見ることができました。3時間にも及んだリハーサルの直後に、疲れた様子も見せずに二人はお話を快く聞かせてくださいました。

Q.今回は、コロナ禍で振付指導者が来日することができず、Zoomを駆使してのリハーサルとなりました。このような形でのリハーサルの難しさはいかがだったでしょうか?

宝満直也 NBAバレエ団では、今年2月に上演されたヨハン・コボー版の「シンデレラ」のリハーサルは遠隔で行いました。ただし、公演前にはコボーさん本人が来日して直接指導をして仕上げをすることができました。

今回のようにここまでZoomで行うのは初めてのことで、大体海外の作品というのは、作品の精神に精通しているゲストティーチャーが来日してくださいます。魂を持ってきてくれる作業が必ずあります。これが直接してもらえないというのは無茶苦茶大変な作業ですが、マイケル・ピンクさんはとてもお芝居が上手なので、今どういうシチュエーションで、今君はどういう人物で、というところを演じて見せてくれるので、zoomだからといって違和感なく進められました。もちろんカメラ越しなので位置関係とかはよく実際見ないとはわからないところもありますが、彼が細かく指示してくれるので、意外とストレスなくできました。

竹内碧:『ドラキュラ』は25年前に初演だったのですが、初演のミーナ役のジェーンさん(マイケル・ピンク夫人)が家にいらっしゃったときにはリハーサルも見てくださいました。そういうこともzoomならではのことで嬉しかったです。

Q.『ドラキュラ』は昨年2月の「ホラーナイト」での1幕のみの上演を経て、昨年8月に上演される予定が、一年延期となってしまいました。

宝満:『ドラキュラ』公演は、コロナ禍での公演中止もあったので、一年越しのことになります。最初に振り入れをしていただいたのが2019年の夏になります。そこから2020年の「ホラーナイト」というダブルビルでの1幕だけの上演を経て、本来でしたらその年の8月に上演する予定が延期となり、本当に今年の夏に上演できるのかと思ったこともありますが、いつの間にか4月になり5月になり、リハーサルが始まりました。でもまた緊急事態宣言が出て、実際にはどうなるんだろうという気持ちの中で、不安もぬぐえない中でも、準備を進めています。

竹内:この2年の間に、私は結婚もしたし、子供までも授かったので大きな変化がありました。そうこうしている間に「ドラキュラ」にキャスティングされ、死ぬ気で頑張らなきゃと。出産後に身体を戻すのは大変でした。出産によって体がここまで変化するのだと驚きました。これは産んだことがある人にしかわかりませんね。パートナーの宝満さんにはだいぶ助けてもらって、この役を踊ることができています。どうにかこうにか、一日一日のリハーサルを大切に、zoomを通してもなるべく吸収しようとしています。

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Q.パートナーリングなどがとても難しい作品だと先ほどのリハーサルでお見受けしましたが、お二人のパートナーシップはいかがでしょうか。

宝満:このペアで組むのは初めてです。二人で話し合いながら役を作り上げていっています。

竹内:宝満さんは振付家でもあるので、客観的な目を持っているので的確なアドバイスをしてくださいますね。

宝満:竹内さんは、出産後なのにこんなに動いちゃダメでしょ、というくらい動いているんですよ。

竹内:本来産後は骨盤が元に戻るのには半年くらいかかるのだそうです。私は3月に出産したので、まだ体を戻している途中なのですが、どうにかこうにかがんばってやっています。アクロバットのある場面などは、最初のころは悲鳴を出していました。キャスティングをされたからには責任をもって取り組んできました。

宝満:想像を絶する体の変化だと思うので、その変化は僕には想像することしかできません。そのあたりは相談しながら、気を付けてやっています。ケガをさせないように。

竹内:そのあたりは気遣っていただいています。今まで脚が上がっていたところも、今はここまでしか行かない、と思いながらも。ここまでしか上がらない、という事実も受け入れて、今できる範囲で一番いいものを見せたいと思っています。家に帰ったら赤ちゃんの育児もあって母親としての仕事も始まりますが、なんとか頑張っています。

 

Q.ホラーナイトへの出演から延期された今回の公演までの間に、このドラキュラ役、ミーナ役への考え方の変化はありましたか?

宝満:NBAバレエ団YouTube動画でも語ったことなのですが、原作の文言として、ドラキュラは背の高い痩せた男と描写されています。怪力無双で燃えるような赤い目の持ち主、と文言が入っており、僕は背が高くないし、力がある方でもないのですが、カンパニーの中では、比較的背の高くて体格のいい人がキャスティングされる役が回ってきます。それこそ平野亮一さんが演じている役というわけで、そこをぼくがどう演じるかということは、とてもやりがいがあります。ちょっと大変ですが、僕にしかないものがあると信じて工夫しながら取り組んでいます

亮一さんはもう男の中の男、山のような方なので、似合っていますよね。彼はロイヤル・バレエでも多くの場数を踏まれています。ぼくがびっくりしたのは、ホラーナイトの時に来日されたときに、1,2週間しかリハーサル期間がなかったのですが、一日一日、日を追うごとに変わっていくのですね。その役の深掘りの仕方が、もうこっちがはっとさせられるくらいです。そんなに行く、というくらいすごい、流石ロイヤル・バレエのプリンシパル、というものでした。

竹内:今まで私はクララのような少女のような、可愛らしい役が多かったのです。今回のミーナ役は、マイケル・ピンクからもストロング、強い女性と言われていて実際に強い女性だと思うので今までになかった役で挑戦ですね。演じるというよりこの役を自分の体に入れて、身体の中心をミーナにして踊るということでやらないと表現できないと思うので、そこは意識しながらやっています。子どもを産んだり新しい経験は増えたので、そういう経験も加えていくことで役に入り込めたらと思います。マイケルさんはとても細かく、ここはこのような心情で、など細かく言ってくださるので、役がストンと落ちることもあります。そうすると、状況もわかるので演じやすくなりますね。リハーサルはとても楽しいですね。いろんな発見もあります。

Q.この作品の魅力はどんなところになると思いますか?

宝満:ストーリーがとてもしっかりしていて、いろんなドラマがあります。それがありつつ、わかりやすいですし、観ていても楽しいと思います!ぼくは振付も行っているので、振付家本人と仕事ができるのは、その点でもとても勉強になります。

ぼくが作品を作るときに気を付けているのは、跳んだり回ったりというのは見せていないのですが、ニュアンスだったりシチュエーションだったというのは可能な限り自分がやって見せているようにしています。マイケルさんは実際に自分がドラキュラ役を演じていたので、その彼が実際にちゃんと演じて見せてくれているというのは、ダンサーとしてはとてもやりやすいと改めて再確認しましたね。昨年外部の公演(大和シティバレエ)で『美女と野獣』を振り付けましたが、その時もいろんな役を自分で演じて見せて、どのようなことをしてほしいかをダンサーには伝えるようには努めていました。

 

Q.この1年半ほど、コロナ禍が深刻な状態で、劇場が閉まって公演のキャンセルが続いた時期がありました。NBAバレエ団は積極的に映像配信をしていて頑張っていましたが。この間に感じたことについて教えてください。

竹内:一回目の緊急事態宣言の時には公演もキャンセルになってしまったので、今後どうなっていくのかな、とちょっとした不安はありました。その間もバレエ団はzoomを使ってレッスンはしてくれていました。稽古場でのレッスンもできるようになり、感染対策も気を付けるところがわかってきて先が見えてきたので、今は予防に気を付けながらもリハーサルもできるのでそこは良かったと思っています。マスクを着けたままのレッスンはつらいので、早くマスクなしでできるように状況が良くなれば良いのですが。

宝満:マスクをつけてのリハーサルだと表情が見えないのが難しいところがあります。本番前日などにならないとマスクを外すことができないのはつらいです。日本の場合は、ひやひやしながらもまだ公演ができているので良いほうだと思います。(芸術監督の久保)紘一さんの、「わしはやったる」という大胆さがあるので助かっています。ぼくたちはなんだかんだ舞台に立てないと、苦しいものがあります。この間、ハンブルク・バレエの菅井円加さんと会って話したのですが、1年以上舞台公演がなくて、リハーサルだけで、この間やっと本番を行うことができたとおっしゃっていました。それはかわいそうだと思いました。その代わりちゃんとお給料が出るのですが、それでも大変だなと思いました。こちらはコンスタントに舞台公演はできていますのでその点は恵まれています。

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Q.『ドラキュラ』公演を楽しみにしている方、そして公演を観に行くことを検討している方へのメッセージをお願いします。

竹内:2年越しで、ようやく皆さんに私たちの『ドラキュラ』を観ていただける機会となり、公演ができると信じて私たちは毎日毎日集中してリハーサルに取り組んでいます。きっと素晴らしいものをお見せできると思うので、ぜひぜひ、劇場で観ていただけたら、と思っています。舞台装置、衣装、音楽も素晴らしいのでぜひ見てほしいです。キャストによっても作品のカラーが全然違うと思います。平野さんのドラキュラの回と、宝満さんのドラキュラでは全く違いますので、両方観てほしいですね()

宝満:大変な状況の中ですが、NBAバレエ団ができる最高のパフォーマンスをできるようにみんなで積み上げている最中です。感染状況などが懸念されていますが、より多くの方に観ていただければ、というのが僕の気持ちです。

 

公演概要


公 演 名: 『ドラキュラ』
日   時: 2021年8月7日(土)
  14:00開演(開場13:15)
  18:00開演(開場17:15)
2021年8月8日(日)
  12:00開演(開場11:15)
  16:00開演(開場15:15)
会   場: 新国立劇場 中劇場
チケット料金: 7日14時/8日12時 →チケット販売終了
  S席 15,400円
  A席 11,000円
7日18時/8日16時 →発売中
  S席 11,000円
  A席 8,800円
※3歳未満の入場はご遠慮ください。
チケット取扱い: ● NBAバレエ団
04-2937-4931(月~金 9:00~17:00)
 チケットぴあ (Pコード:506-459)
0570-02-9999
 イープラス
   

※ゲスト公演はチケット完売です。

https://www.nbaballet.org/ticketnet/ticketnet.html

芸術監督:久保紘一
原作:ブラム・ストーカー
作曲:フィリップ・フィーニー
振付:マイケル・ピンク 

舞台美術:レズ・ブラザーストン

 

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