8月7日、8日開催、NBAバレエ団「ドラキュラ」公演のリハーサルレポート
NBAバレエ団は、8月7日、8日に新国立劇場中劇場にて、マイケル・ピンク振付「ドラキュラ」を上演します。
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2014年に大貫勇輔をゲストに迎えて日本初演を行った『ドラキュラ』は、マシュー・ボーン作品の舞台美術で知られるレズ・ブラザーストンのゴシックで美しい舞台装置、そして高いエンターテインメント性もあって大きな話題を呼び、ヒットしました。昨年は「ホラー・ナイト」と称して、1幕のみが上演されました。今回の7年ぶりの再演は、ロイヤル・バレエ団の平野亮一、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の平田桃子(当初は高田茜が出演する予定が、残念ながら怪我で降板)をゲストに迎えるという豪華キャストです。NBAバレエ団員の宝満直也、竹内碧が主演する回もあります。
先日、NBAバレエ団において行われたリハーサルを取材しました。振付のマイケル・ピンクが住むミルウォーキーと日本をつないでのリモート・リハーサルです。取材当時は、平野亮一、平田桃子は来日済みではあったものの隔離中ということで、宝満直也、竹内碧主演日のキャストで、主に3幕のリハーサルを行いました。(平田さんは隔離中のホテルからリモートで参加していました)
3幕では、宝満直也演じるドラキュラと、竹内碧演じるミーナとのパ・ド・ドゥのリハーサルから始まりました。
実は竹内さんは3月に出産されたばかりで、産後4か月しか経っていないのですが、振り回されたり、逆さまになるなどの複雑で激しいパートナーリングの場面でも、しっかりと美しく踊っていて、驚異的なほどでした。イノセントなミーナ役がとてもよく似合います。一方、宝満さんのドラキュラは、昨年のホラーナイトでは、強烈なカリスマ性、ぞっとするような存在感の平野亮一さんのドラキュラとはまた違った、耽美的で妖艶な面を見せてくれたとの評判で、リハーサルを見ても、彼独特の妖しい魅力は明らかでした。
マイケル・ピンクは、身振り手振り、場合によっては身体を大きく使っての実演で振り付け指導をするので、リモートのモニター越しでも、指導が的確に伝わっている感じがしました。彼の夫人もミーナ役の初演キャストということで少し振り付け指導に参加されていました。ピンクは、物語の背景や状況についても解説しながら指導をしていました。彼の説明の仕方も面白くて、「ドラキュラは500年ぶりに妻を迎えていて喉が渇いているのだから、そう考えて演じるように」と伝えていました。
ジョナサン・ハーカー(ミーナの夫で弁護士)役の大森康正さんも加わっています。
パ・ド・ドゥのリハーサルの後は、群舞のシーンのリハーサルです。ミーナの友人のルーシーを演じる竹田仁美さんの美しいシソンヌなどの踊りが特に目を引きました。男女ペアになって、かなり激しい踊りが展開します。ピンクは、群舞ひとりひとりに目を光らせて、エポールマンやリフトのしかたなど細かく指導をしていきます。「この作品は誰よりもコール・ド・バレエが大変な作品だけど、だからこそ、お客さんはこの作品が大好きなのです」「すべてのステップがドラキュラへと向かっています、餌をくれって」。リモートでも、こんなに丁寧に振り付け指導ができることに驚かされます。
隔離中の平田桃子さんもリハーサルにリモートで参加し、マイケル・ピンクと打ち合わせをしていました。
マイケル・ピンク「男性ダンサーたちの皆さんは礼儀正しすぎます。日本人は皆礼儀正しいですが、ここでは日本人であることをやめてほしい」
途中、女性ダンサーがパートナーの背中に乗るリフトをする場面がありますが、個別のダンサーで自信がない人やうまくいっていないと感じている人はいないか、質問タイムも設けられ、ピンクが的確なアドバイスを与えることで、パートナーリングもうまくいくようになっていきました。
身振り手振りを交えてリモートで振付を行うマイケル・ピンク。朝10時半から午後1時半過ぎまで、休憩なしで3時間以上のリハーサルが行われました。終了後も、猛暑の中、団員の皆さんは熱心に振り付けを確認し続けていました。
団員の安西健累さんが編集した、キャストインタビュー&リハーサル映像。宝満直也さんと大森康正さんの息詰まるような緊張感あふれる男性同士のパ・ド・ドゥが観られます。これを観ると、このキャストで観たくなりますね。
この後、別記事で、宝満直也さん、竹内碧さんのインタビューをお届けします!
公演概要
公 演 名: | 『ドラキュラ』 |
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日 時: | 2021年8月7日(土) 14:00開演(開場13:15) 18:00開演(開場17:15) 2021年8月8日(日) 12:00開演(開場11:15) 16:00開演(開場15:15) |
会 場: | 新国立劇場 中劇場 |
チケット料金: | 7日14時/8日12時 →チケット販売終了 S席 15,400円 A席 11,000円 7日18時/8日16時 →発売中 S席 11,000円 A席 8,800円 ※3歳未満の入場はご遠慮ください。 |
チケット取扱い: | ● NBAバレエ団 04-2937-4931(月~金 9:00~17:00) ● チケットぴあ (Pコード:506-459) 0570-02-9999 ● イープラス |
※ゲスト公演はチケット完売です。
https://www.nbaballet.org/ticketnet/ticketnet.html
芸術監督:久保紘一
原作:ブラム・ストーカー
作曲:フィリップ・フィーニー
振付:マイケル・ピンク
舞台美術:レズ・ブラザーストン
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