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2021/02/11

マシュー・ボーンin シネマ「赤い靴」2月11日劇場公開

2月11日より、マシュー・ボーンin シネマ「赤い靴」(映画版)がBunkamuraル・シネマで劇場公開されます。(順次全国公開)

https://mb-redshoes.com/

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Photo by Johan Persson

アンデルセンの名作童話をもとに映画化されたクラシック映画の不朽の名作『赤い靴』。目くるめく幻想的な劇中劇シーンの美しさは、あらゆる映画のダンスシーンの中でも最も夢幻的で輝かしいものでした。この作品を舞台化したのがマシュー・ボーン。2016年に初演され、2017年にはローレンス・オリヴィエ賞で2部門受賞。米国ツアーではNYCBのサラ・マーンズ、当時ABTのマルセロ・ゴメスもゲスト出演しました。昨年夏に来日公演を行う予定が、コロナウィルス禍で残念ながら中止になってしまいましたが、2020年1月に収録された公演が映画館に上陸します。

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Photo by Johan Persson

名作映画をベースにしながら、ボーンならではの魔法のようなストーリーテリング手法が取られていて、とても見ごたえがあります。ボーン作品では欠かせないレズ・ブラザーストンの舞台美術が秀逸で、プロセニアム・アーチを活用して劇中劇の場面への転換が巧みに行われ、1940年代の当時のバレエ界の雰囲気を醸し出します。

オリジナルの映画「赤い靴」では、バレエ・リュスをモデルにしたバレエ団や登場人物が現れ、靴屋の役で登場するのはバレエ・リュスを代表するダンサー、振付家であるレオニード・マシーン。ヒロインのヴィクトリアは英国ロイヤル・バレエで活躍したモイラ・シアラーが演じました。そしてバレエ団の団長であるレルモントフは、バレエ・リュスを率いた興行師セルゲイ・ディアギレフがモデル。このレルモントフ役を、今回は20年ぶりにニュー・アドベンチャーズ作品に出演したアダム・クーパーが陰影たっぷりに演じます。

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Photo by Johan Persson

バレエ界が舞台なので、ボーン作品の中でもバレエ色が強く、題名通り赤いポワントシューズがモチーフなので、振付もバレエ寄りだけどボーンならではのユニークさは群舞に現れます。これはリファール作品か!とかバレエ・リュスらしさが衣装や装置に現れているので、この辺の知識がある人はニヤリとすることでしょう。最初のほうに出てくるのは、バレエ・リュス初期の作品「レ・シルフィード」。シャネルの衣装で知られるニジンスカの「青列車」そっくりの作品まで登場します。

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Photo by Johan Persson

ヒロインのバレリーナ、ヴィクトリアは踊ることを愛していると同時に、作曲家のジュリアンと恋に落ちて、バレエ、芸術への愛と個人としての愛に引き裂かれます。真の芸術家は芸術に身をささげるべきだというレルモントフの逆鱗に触れてバレエ団を去りますが、赤い靴に象徴される、バレエへの思いは断ち切りがたく…。一度赤い靴に魅せられたら、死ぬまでこの靴を脱ぐことはできず死ぬまで踊り続けなければならない、という芸術家の魂を描いています。アダム・クーパー演じるレルモントフは、ポワントを履いた足の彫像を愛でる偏執狂的な男で、ヴィクトリアに対する愛憎相容れた感情が見事に演じられていました。団員ロモラと結婚した愛人ニジンスキーを追放したディアギレフを思わせますが、ヴィクトリアに対する思いは、男女の愛ではなく、芸術を伝えるミューズ、手塩にかけて育てた芸術品に対する崇拝のようなものでした。

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Photo by Johan Persson

オリジナルの映画「赤い靴」は劇中劇の幻想的な美しさに圧倒されますが、ボーンはまた違った魔術的なアプローチで魅せてくれます。ヴィクトリアの劇中パートナーを演じるリアム・ムーアの踊りが魅惑的で、また靴屋/振付家のグレン・グラハムの濃いキャラクターによるダンスや群舞は強烈です。ヴィクトリア役のアシュリー・ショー、ジュリアンのドミニク・ノース、プリマ・バレリーナのミケーラ・メアッツァとニュー・アドベンチャーズのおなじみのダンサーたちが出演しているのもうれしいところです。

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Photo by Johan Persson

ボリス・レルモントフ(バレエ団プロデューサー)
アダム・クーパー
ヴィクトリア・ペイジ(新星バレリーナ)
アシュリー・ショー
ジュリアン・クラスター(苦悩の若き作曲家)
ドミニク・ノース
イリナ・ボロンスカヤ(プリマドンナ)
ミケラ・メアッツァ
イヴァン・ボレスラウスキー(プリンシパル)
リアム・ムーア
グリシャ・リュボフ(バレエマスター)
グレン・グラハム
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Photo by Johan Persson
演出・振付:マシュー・ボーン
舞台・衣装デザイン:レズ・ブラザーストン
照明:ポール・コンスタンブル
音響:ポール・グルーサス
音楽:バーナード・ハーマン
原作:映画『赤い靴』(監督:マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー)および、ハンス・クリスチャン・アンデルセンによる同名童話
先日、マシュー・ボーンのオンラインイベントが開催されました。そのアーカイブが今視聴できますので、ライブでご覧になれなかった方はぜひご覧ください。モデレーターはニュー・アドベンチャーズで活躍した友谷真実さんです。

このオンラインイベントの内容を一部紹介します。

マシュー・ボーンが初めてバレエに触れたのが、映画「赤い靴」だったとのことです。あまりバレエの舞台に接するような家庭に育っていなかったのでバレエとの出会いは映画でした。今まではバレエ作品を振り付けてきたけれども、今回はバレエ作品を離れて、映画をもとにバレエを作ろうと思ったとのこと。ドラマティックな物語であり、情熱と犠牲というテーマに惹かれてこの作品をバレエ化しようと思ったそうです。

アダム・クーパーは舞台版「赤い靴」のプレミアにやってきて、レルモントフ役を機会があれば演じたいとその時話しかけたそうです。「白鳥の湖」のリハーサルに手伝いしてきて、とても身体もよく動いて調子がよさそうだったので、出演をオファーしたとのこと。

映画をダンス化するにあたって、3人の人間関係をダンスを通して表現することに苦労されたとのこと。レズ・ブラザーストンとは感覚が似ており、美、芸術に対する感覚が似通っていて、調査のために一緒にモンテカルロにも出かけていきました。ボーンはヴィクトリアの衣装は作品の前半ではもっとつつましいものにしたいと思っていたのですが、彼はグラマラスなものにしたそうです。

昨年の来日公演は残念ながら中止になってしまいましたが、いずれこの作品は、来日公演に持って行きたいと願っているとのこと。映画からのインスピレーションに加えて、新しい要素も加えています。

音楽のバーナード・ハーマンはヒッチコックの「サイコ」や「めまい」などの映画音楽を手掛けており、別の作品で彼の音楽を使おうとしていたところ、「赤い靴」にぴったりだとボーンは気が付いたとのこと。彼の音楽は舞台作品では使われたことがないのだけど、とてもドラマティックでロマンティックでエキサイティングな音楽であり、これらの映画を見たことがない人、そして日本の皆さんにもこの音楽を楽しんでほしいと思っているそうです。

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Photo by Johan Persson

■配給:ミモザフィルムズ

■2021211日(木・祝)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開

撮影場所:サドラーズ・ウェルズ劇場/撮影時期:20201月/上映時間:97

提供:MORE2SCREEN/配給:ミモザフィルムズ/配給・宣伝協力:dbi inc.

後援:ブリティッシュ・カウンシル

© Illuminations and New Adventures Limited MMXX

【公式サイト】mb-redshoes.com

オリジナルの映画「赤い靴」劇中ダンスシーン(さすがにここだけは越えられなかった…)

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