世界のトップバレエ学校が集結したワールド・バレエ・スクール・デーが開催
12の世界トップのバレエ学校と教育機関(ローザンヌ国際コンクール)が集結して、7月7日の日本時間20時から、ワールド・バレエ・スクール・デーが開催されました。
https://www.worldballetschoolday.com/
このイベントが特徴的なのは、指導者側ではなく、様々なバレエ学校の生徒たちが学校の枠を超えて連携し、作り上げたものであるということ。
現在のロックダウン期間における、プロを目指す生徒たちのためのバレエとダンスのトレーニングについてのラウンドテーブル、そして各学校の紹介映像や学校生活の模様、公演映像が配信されました。(30日間視聴可能です)
また、ローザンヌ国際コンクールの課題作品でもおなじみの振付家、ディディ・ヴェルドマンによる新作を、6つの学校の生徒たちが遠隔で取り組んで創作しました。ロイヤル・バレエスクール主導によるプロジェクトで、サンフランシスコ・バレエスクール、カナダ・ナショナル・バレエスクール、パリ・オペラ座学校、デンマーク王立バレエ学校とオランダ国立バレエアカデミーの生徒たちが、Zoomを介して6つのグループで創作し、リハーサルを行いました。個々が自宅などで撮影した映像を、ディディ・ヴェルドマンとバレエ・ボーイズが編集してA Screen Apartという作品に仕上げたものです。
World Ballet School Day from Palucca Hochschule für Tanz DD on Vimeo.
この企画は、イングリッシュ・ナショナル・バレエ校長のヴィヴィアナ・デュランテが発案したもの。14人の生徒たちが委員会を設立して進めました。ボストン・バレエスクール、カナダ・ナショナル・バレエ・スクール、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール、ニュージーランド・スクール・オブ・ダンス、ドレスデン・パルッカ・シューレ大学、ローザンヌ国際バレエコンクールによるコラボレーションから設立されました。
一年目の今年は、3大陸から以下の学校が参加しています。
オーストラリア・バレエ学校、ドレスデン・パルッカ・シューレ大学、ボストン・バレエスクール、パリ・オペラ座学校、カナダ・ナショナル・バレエ・スクール、ローザンヌ国際バレエコンクール、オランダ国立バレエアカデミー、ロイヤル・バレエスクール、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクール、デンマーク王立バレエ学校、ニュージーランド・スクール・オブ・ダンス、サンフランシスコ・バレエスクール
実際に視聴しましたが、各バレエ学校の紹介があり、また学校の生徒たちによるZoomでの遠隔ディスカッションもあって、スタジオや学校で稽古できない今の事態に何をすべきかの議論が行われていました。ロイヤル・バレエスクールのパートでは、1時間5分過ぎくらいのところで、来シーズンより英国ロイヤル・バレエに入団することが決まっている五十嵐大地さんが踊る『ラプソディ』(アシュトン)の見事なパフォーマンス映像があります。
そして2時間20分ごろから、このA Screen Apartという作品が視聴できます。約20分。若い生徒たちが様々なロケーションにおいて、みずみずしい感性で、スタジオで踊ることができないフラストレーションやさまざまな想いを伸びやかに踊っていて、切なさを感じさせつつも爽やかです。そして編集が見事です。
今回のイベントは必ずしも、世界的なバレエとダンスの学校を反映していないということを主催者は自覚しています。今後は近年のBlack Lives Matterなどのムーブメントを反映して、より多様性を取り入れ、さらに多くのバレエ学校が参加することによって将来的には24時間の長さでライブで開催するイベントにまで成長させたいという設立者の想いがあります。
※ご覧の通り、今回は日本などアジアの学校やアフリカ、ロシアなどは参加していません。いずれ日本の学校も参加できるようになると良いですよね。
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