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2020/06/05

『マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット』6月5日より公開

新解釈版『白鳥の湖』でバレエ界に新風を巻き起こした英国バレエ界の鬼才、マシュー・ボーンの新作舞台『ロミオとジュリエット』が、いち早く日本のスクリーンに初登場します。試写を観たのはだいぶ前ですが、その激しさ、鮮烈さは忘れがたく、有料配信でもう一度観ました。

6.5(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショーされます。

http://mb-romeo-juliet.com/

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時代を超えて語り継がれてきたシェイクスピアの伝説的古典を、巨匠プロコフィエフの名曲に乗せてコンテンポラリー・バレエに大胆にアレンジした完全な新演出版。本プロジェクトのために新たに発掘された若い才能をスタッフ・キャストに迎え、不朽の名作に新たな風を吹き込んだ本作は、「2019年で最も待ち望まれた舞台!」と評され大絶賛をもって迎えられた。厳しい管理下に置かれ、自由を奪われ愛が禁じられた近未来を舞台に、運命に翻弄された2人の若き恋人たちの悲劇的な愛の物語が、まだ誰も見たことのない新世代の『ロミオとジュリエット』として蘇る。

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STORY

今からそう遠くない近未来、反抗的な若者たちを矯正する教育施設「ヴェローナ・インスティテュート」では、若者たちは男女別に分断、接触を禁じられ、厳しい監視下のもと自由を奪われて暮らしている。ジュリエットは、暴力的な看守のティボルトから目を付けられ、その脅威に怯えていた。ある日、有力政治家の両親から見放され施設に入れられたロミオは、施設で開催されたダンスパーティーでジュリエットと出会う。瞬く間に恋に落ちた2人は、看守の目を盗んで逢瀬を重ね、仲間たちに祝福されながら遂に愛を誓いあうのだった。しかし、幸せもつかの間、突如酒に酔ったティボルトが銃を振りかざして現れ、乱闘の挙句、仲間の1人マキューシオが命を落としてしまう。怒りに燃えるロミオとジュリエットたちは、ティボルトに立ち向かうも、さらなる悲劇が彼らを待ち受けていた…。

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様々な振付家が手掛けてきたバレエ版の『ロミオとジュリエット』。待ち望まれていたマシュー・ボーン版は、近未来の矯正施設に閉じ込められた若者たちの愛と死と暴力の物語。今まで見てきたどの『ロミオとジュリエット』よりも疾走感があって激しく、鮮烈で痛ましく残酷だ。真っ白い矯正施設のベッドの上で血まみれになってこと切れているロミオとジュリエットの死体が冒頭に映し出されるところからして強烈だ。

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矯正施設に閉じ込められて自由を奪われた若者たちを暴力で支配する残忍な看守のティボルト。裕福な両親によってこの施設に入れられてしまう気弱な青年ロミオ。奔放な魅力のある少女だがティボルトにしつこく目を付けられて怯えているジュリエット。マキューシオとバルサザールという男性カップル。若者たちのやり場のないエネルギーが全編ほとばしりパワフルなダンスが次から次へと繰り広げられる。ジュリエットとロミオのバルコニーのパ・ド・ドゥも情熱的で、内に秘めていた二人の思いが激しく炸裂している。二人が床の上を転がりながらもリフトも展開され、バルコニーも有効に使って力強い。極限状況の中でどうしようもなくお互いを求めあう熱情が伝わる最後のパ・ド・ドゥは痛ましくも美しい。レズ・ブラザーストンによる舞台装置はシンプルながら非常に効果的で、真っ白な矯正施設が行き場のない閉塞感を象徴している。白い制服を着せられたダンサーたちのなかで、赤い髪のジュリエット、そして流れる赤い血が鮮やかに浮かび上がる。暴力とトラウマがメーンのモチーフとなっていて、そのトラウマが結局恋人たちを破滅へと追いやってしまうのだ。

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音楽の順番を大胆に入れ替えた意外性とキャラクターの設定変更もユニークだ。1時間30分ほどの上演時間があっという間に通り過ぎ、見たことのない衝撃に心撃ちぬかれる、そんな痛ましくも熱情溢れる作品。ぜひ大スクリーンで体験してほしい。『シンデレラ』や『マシュー・ボーンの『白鳥の湖』『眠れる森の美女』などで主演してきた繊細さと大胆さのバランスが絶妙なコ―デリア・ブライスウェイト、やはり『シンデレラ』で頭角を現した若く美しいパリス・フィッツパトリックなど、若いキャストが活躍するのも、この作品の焦燥感、疾走感に寄与している。

恵比寿ガーデンシネマでの上映スケジュール
6月5日(金)〜11日(木)は
10:30/15:40/17:50

【プロダクション】演出・振付:マシュー・ボーン/舞台・衣装デザイン:レズ・ブラザーストン/照明:ポール・コンスタンブル/音響:ポール・グルースイス/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

【出演】ロミオ:パリス・フィッツパトリック/ジュリエット:コーデリア・ブライスウェイト/ティボルト:ダン・ライト/マキューシオ:ベン・ブラウン/バルサザー:ジャクソン・フィッシュ

撮影場所:サドラーズ・ウェルズ劇場/撮影時期:2019年/上映時間:91

提供:MORE2SCREEN 配給:ミモザフィルムズ 配給・宣伝協力:dbi inc.

後援:ブリティッシュ・カウンシル

© Illuminations and New Adventures Limited 2019

http://mb-romeo-juliet.com/


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