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2019/09/12

K-Ballet Company「マダム・バタフライ」公開リハーサル/9月24日NHK総合「おはよう日本」に熊川さん出演

9月27日に世界初演を迎える、熊川哲也さんの新作「Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn 2019『マダム・バタフライ』」の公開リハーサルが行われました。

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<完璧とは何かをお見せしたい>

リハーサルの前に、熊川哲也さんが、まずはインフォメーションとして聴いてほしい、と作品の背景や想いについて熱く話してくださいました。

「蝶々夫人の話をノンフィクションとして取り上げようと思ったのですが、やはりフィクションだと思いました。あの時代に遊女となり、芸を磨き、外国の方のお相手をする仕事をした人は、調べると実際大勢いました。「マダム・バタフライ」という作品はしっかりとした史実に基づいてできあがったことがわかりました。お菊さんについての本を読み、それがバタフライのベースにはなっていたのではないかと。アメリカ人との一か月のつかの間の恋、それだけだと悲しいのではないか、寂しいのではないかということで、ルーサー・ロングが少し脚色して、恋愛ものとしてそこにロマンを加えて美しいストーリーに仕立てました。凛として、そういった立場で生き抜いてきたことを、同じ日本人として感銘を受けました。アメリカ人と一緒に写真を撮っている日本人女性の白黒写真を見ましたが笑顔がありませんでした。凛としているのだけど悲しさを感じました。そのような状況で致し方なく生きていたけど、信念を持って生き抜いていたと思わないといけないと感じました」

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「長崎に行った後にリハーサルを見た時に感じたのですが、まず心が生まれ、そこから踊るというプロセスがあるかないかで、ダンサーの表現はまったく違うものになります。今日お見せする、ピンカートンとの初夜を迎えるシーンはこのような場面です。崇高な侍の世界で生きていたバタフライが、改宗してクリスチャンになりました。隠れキリシタンなどの時代もあったくらいですから、その背景があったにもかかわらずアメリカ人と恋愛して結婚式を挙げますが、それを見たボンゾウが結婚式をめちゃめちゃにしてしまいます。そのシーンを今から見ていただきます。ここで自分が指導をするわけではないので、今のぼくの話を聞いたうえで、とにかく見て、感じてほしい。この曲と、振りと、矢内が吸収して何を出してくるかを感じてほしいです。感動してほしいです」

踊っている最中には写真は撮らないでダンサーたちをしっかりと見てほしい、とのことで、写真はリハーサルではなく、その後のフォトコールで撮影したものです。

マダム・バタフライ役の矢内千夏とピンカートン役の堀内將平Resize1801 Resize1802

初夜のパ・ド・ドゥでは、結婚式を終えて最初は悲しげなバタフライを、ピンカートンが優しく慰めます。甘い持ち味の堀内さんは、ロマンティックで情熱的。サポート、リフトがとても安定していて二人の息はぴったり、気持ちが通じ合っているのが感じられます。ピンカートンの愛でバタフライの心も少しずつほぐれてきて、控えめながら笑顔も花開くように出てきます。矢内さんは指先を細かく動かし、そして優雅な腕の使い方もまるで蝶々のようです。踊りはやがて喜びに満ちてきます。日本人女性らしい淑やかで抑えめの感情表現の中からも、高まりゆく想いがあふれてきます。愛し合う同士の会話が聞こえてきそう。振付もテクニックもクラシックベースですが、プッチーニの音楽ととてもよく合っていて、繊細な情感が伝わってきて非常に美しいシーンになりました。本番を見るのがとても楽しみです。

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「オペラの「マダム・バタフライ」は物語としては短編でそのままバレエにするとすぐに終わってしまう」ので、あえて付け加えたシーンが出てきます。アメリカ時代、ピンカートンの婚約者ケイトも描かれ、出港から長崎への旅立ち、そして蝶々とのなれそめも描かれます。「どうやってバタフライと出会ってどうして彼女が惹かれたのか入れないと話が繋がらないので、アメリカのシーンが1幕、遊郭のシーンが2幕と創りました」

「セットの規模は大きいのですが、ぼくにとっては普通なんですよね。今まで20作作ってきましたが、実際やってみると、なんてすごいことをやっているんだと思います。一民間バレエ団が、国立バレエ団ができないような発想をして、ここまでやれているということを、日本人として誇りに思ってほしいと思います。この作品は間違いない、ぼくの作品は保証します。『クレオパトラ』もそうだったけど、完璧とは何かをお見せしたい」

つぎに、華やかな花魁道中のシーンのリハーサルが行われました。Resize1809

山田蘭さんを中心に、9人の女性ダンサーが出演しての群舞。全員ポワントを履いていて基本はクラシックですが、その中でも重心を低くしてすり足だったり内股だったりすることで和の雰囲気を出しています。色鮮やかな扇子を持っての華やかな踊りの中で、中心の山田さんは存在感が強く視線の使い方も抜群です。腕の使い方などはいかにも日本舞踊風で、うまくクラシックバレエと融合させています。そこへピンカートンがやってきて、花魁たちの美しさに思わずくらっと倒れそうになります。

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リハーサルの後は、熊川さん、矢内さん、堀内さんへの質疑応答です。

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記者に対しても、感想を求める熊川さん。今までの彼の作品と違った振付のように感じられた、との声に対しては「『クレオパトラ』でも今まで作ったことがないようなパ・ド・ドゥを入れた。陰の動きや内股も取り上げたので、また違ったイメージを受けられたのでは。プッチーニの音楽が素晴らしくダンサーも素晴らしいので、思うがままの感性で振付けて良いものができた」と自信をのぞかせました。

矢内さんは「当時の女性は自分の気持ちを口に出さなかったと聞きました。悲しみや、将来に対する不安な気持ちを出したいけど、それをぐっとこらえることで伝えられるものがあると思います。心の中ではいろんな感情が渦巻いているので、本番ではその気持ちを伝えて行きたい」と語りました。堀内さんは、ピンカートンという日本人の間での唯一のアメリカ人役ということで、偉そうに見えるように意識してきたとのこと。

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今まで上演されてきたオペラの「蝶々夫人」の多くのプロダクションとは違い、日本人による日本が舞台のバレエ「マダム・バタフライ」。見事な和洋折衷ぶりに、海外での上演も考えているのでは?と聞かれた熊川さん。「インパウンド効果を狙います。世界制覇は目的ではなく、あくまでもドメスティックな活動をしています。外国のプロモーターもたくさん観に来る予定なので、招聘されたら喜んで行きたいですが、ぜひ日本に観に来てほしいと思っています」しかし実際に海外に持っていけば、大評判となるのではないかと感じられました。

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最後に熊川さん。「バレエはボーダーレスだと思います。やはりこういう(日本的な)テーマがきっかけで劇場に来て貰えたらと思っています。愛国心という言葉は言いにくい時代ですが、たとえば味噌汁を飲むと「日本人で良かったな~」と自然と出ますよね。それと同じ感覚を必ずや得られると思うんです。お腹を満たす満腹感ではなくて、心を豊かにする清い水のような感覚、それをお伝えいただければと思います」

熊川哲也とK-Ballet Company渾身の新作「マダム・バタフライ」必ずや素晴らしい作品になっているのではと思います。期待しましょう。

【9月24日(火)】放送 NHK総合「おはよう日本」に『マダム・バタフライ』特集で熊川哲也さんが出演予定です。

http://k-ballet.co.jp/news/201909/10_1.html

 

「Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn 2019『マダム・バタフライ』」

http://k-ballet.co.jp/performances/2019madame-butterfly.html

2019年9月27日(金)~29日(日)
東京都 Bunkamura オーチャードホール

2019年10月10日(木)~14日(月・祝)
東京都 東京文化会館 大ホール

演出・振付・台本:熊川哲也
原作:ジョン・ルーサー・ロング
音楽:ジャコモ・プッチーニ(オペラ「蝶々夫人」)ほか
舞台美術デザイン:ダニエル・オストリング
衣裳デザイン:前田文子

キャスト

マダム・バタフライ:矢内千夏 / 中村祥子 / 成田紗弥
ピンカートン:堀内將平 / 宮尾俊太郎 / 山本雅也
スズキ:荒井祐子 / 前田真由子 / 山田蘭
ボンゾウ:遅沢佑介 / 杉野慧
ゴロー:伊坂文月 / 石橋奨也
花魁:中村祥子 / 山田蘭 / 杉山桃子
ケイト:小林美奈 / 浅野真由香 / 戸田梨紗子
ヤマドリ:高橋裕哉 / 山本雅也
シャープレス:スチュアート・キャシディ

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