KARAS APPARATUS 勅使川原三郎x佐東利穂子「幻想交響曲」
昨秋、フランス・リヨンにて、リヨン国立管弦楽団の 2018 年シーズンのオープニング演目としてベルリオーズ作曲の「幻想交響曲」を、勅使川原と佐東利穂子がフルオーケストラで踊りました。今年の秋にはパリのフィルハーモニー・ド・パリでの上演が決定しています。こちらの作品を、アップデイト・ダンスシリーズ No.64として上演しています。
若者の情熱と絶望と陶酔、繰り返される激しいリズムや
強烈な起伏が終焉に向かう。バーンシュタインが
「史上初のサイケデリックな交響曲」と言った、早逝した
天才ジミ ヘンドリクスの音楽を思う。
若さが発する毒こそ「生」に「次」を与える。
勅使川原三郎
この曲は、私が若い頃から長年聴きつづけてきた音楽です。
一般に標題音楽と呼ばれる一楽章ごとにタイトルがついている、 ストーリーではないのですが、楽章ごとに意味がある曲です。 創作や恋に悩む若い芸術家の揺れ動く内面を主題にしたもので、 それ自体が作曲家ベルリオーズ自身を描写しているとも言われてい ます。 その後もこの有名な曲をことあるごとに稽古場でかけては一人で踊
っていましたが、長年の思いが叶い、 去年リヨンのオーケストラ演奏で踊ることができました。 もちろん佐東利穂子とのデュエットです。 来たる秋にはパリのフィルハーモニーでも踊ります。 その前にアパラタスで上演できることはとても嬉しいことです。 公演後の実感を書きます。
この曲の起伏の激しい豊かな情感表現と異常な世界観が強烈に身体 に衝突し我々踊る身にとっては引き下がれません。格闘し融和し、 妥協無しの音調は終わりのない日々の延長のような道のりを用意さ れた我々が向かうのは試練か稀有な陶酔か、 音楽と心中するようでもあります。 毒に犯されながら生きつづける人間の矛盾に火を放った後、 不死に向かう命を得るために絶望の際を全速力で走り、 足を踏み外して真っ逆さまに飛翔する。 勅使川原三郎
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子
演出・照明 勅使川原三郎
【公演日程】2019年
7月18日(木) 20:00
7月19日(金) 20:00
7月20日(土) 16:00
7月21日(日) 16:00
【会場】カラス・アパラタス/B2ホール
【料金】
一般/予約 3,000円・当日 3,500円
学生/予約・当日 2,000円
【予約】
・予約フォーム:https://www.secure-
・メール:updatedance@st-karas.com
件名を「アップデイト予約No.64」として、
・電話:03-6276-9136
【問合せ】TEL. 03-6276-9136 カラス・アパラタス
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