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2019/06/28

英国ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン2018/19 『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / メデューサ / フライト・パターン』

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2018/19では、ミックス・プログラム『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / メデューサ / フライト・パターン』が2019年6月28日(金)から劇場公開されます。

http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=within-the-golden-hour

なかなか日本では観ることができない、現代の傑作3本立てなのでぜひ観ていただきたいです。中でも、ローレンス・オリヴィエ賞に輝いた、クリスタル・パイトの『フライト・パターン』は難民の苦難を扱った傑作。36人の群舞が圧倒的な迫力で胸に迫り、また主人公ペアのクリステン・マクナリー、マルセリーノ・サンベの熱演と鮮烈なダンスもあり、打ちのめされるほどの強烈な作品です。試写で観た時には涙が止まらなくなったほど。

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「不思議の国のアリス」や「パリのアメリカ人」のクリストファー・ウィールドンによる「ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー」、今世界で最も注目を集める女性振付家クリスタル・パイトが難民問題を扱った「フライト・パターン」(ローレンス・オリヴィエ賞受賞)、「プルートゥ」のシディ・ラルビ・シェルカウイの新作『メデューサ』と現代バレエの最先端を魅せるトリプルビル。

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  • 『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー』 
  • 【振付】クリストファー・ウィールドン
    【音楽】エツィオ・ボッソ、アントニオ・ヴィヴァルディ
    【衣装】ジャスパー・コンラン
    【指揮】ジョナサン・ロー
    【出演】ベアトリス・スティクス=ブルネル、フランチェスカ・ヘイワード、サラ・ラム、
    ワディム・ムンタギロフ、ヴァレンティノ・ズケッテイ、アレクサンダー・キャンベル
    ハナ・グレンネル、金子扶生、マヤラ・マグリ、アナ=ローズ・オサリヴァン、
    アクリ瑠嘉、デヴィッド・ドネリー、テオ・ドゥブレイル、
    カルヴィン・リチャードソン

サンフランシスコ・バレエで2008年に初演されたウィールドンの「ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー」は、ロイヤル・バレエでは再演。衣装を一新してジャスパー・コンラン(コンラン・ショップのオーナーとしても有名)がデザインし、クリムトにインスパイアされたという透明の生地に四角い金の板を縫い付けたもの、照明が当たるとキラキラ光って美しい。幕開けが男性ペアという意表をついたもので途中でも男性ペアが登場する。スティクス=ブルネルとムンタギロフ、ヘイワードとズケッティ、ラムとキャンベルの3組のペアを中心に、7組のペアが踊るのだけど、途中で女性のみや男性のみのダンスも挿入される。ペアの中では、サラ・ラムの美しさと自在な動きが光る。最初のペアの、端正なムンタギロフと、奔放で妖艶なスティクス=ブルネルという対照的な二人の組み合わせも面白かった。洗練されていて、純粋なダンスと音楽の美しさに浸れる逸品。

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  • 『メデューサ』 
  • 【振付】シディ・ラルビ・シェルカウイ
    【音楽】ヘンリー・パーセル
    【電子音楽】オルガ・ヴォイチェホヴスカ
    【衣装】オリヴィア・ポンプ
    【指揮】アンドリュー・グリフィス
    【出演】 メデューサ:ナタリア・オシポワ
    アテナ:オリヴィア・カウリー
    ペルセウス:マシュー・ボール
    ポセイドン:平野亮一 (ソプラノ)エイリッシュ・タイナン
    (カウンターテノール)ティム・ミード
    (ヴィオラ・ダ・ガンバ)市瀬礼子
    (テオルボ)トビー・カー

シェルカウイが初めてロイヤル・バレエに新作「メデューサ」は、ギリシャ神話を基にオシポワに当て書きされたのが納得の作品で、少しだけストーリーも変えてある。彼女はシェルカウイ独特の捻ったりうねうねした蛇のような動きを見事に再現し、圧倒的な身体能し支えるなど強靭さが際立つ。舞台装置がシンプル、モダンで洗練されており、ポワントでしずしずパドブレする巫女たち、あまりにも強いメデューサに蹴散らされ命を落としていく兵士たち。シェルカウイらしい振付の中に古典的な部分も感じられ、マーサ・グレアムの影響を受けている印象がある。終盤、蛇の頭を切り離されて人間に戻ったメデューサのソロがあるが、ここでもオシポワの現代的な表現力が発揮されていた。パーセルに電子音楽も取り入れた音楽がとても凝っていて、ソプラノに加えてカウンターテノールも歌い、バロック楽器を使って神話的な世界を再現。怖い女神アテナのドレスも素敵だった。

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  • 『フライト・パターン』 
  • 【振付】クリスタル・パイト
    【音楽】ヘンリク・ミコワイ・グレツキ
    【指揮】ジョナサン・ロー
    【出演】クリステン・マクナリー、マルセリーノ・サンベ
    カルヴィン・リチャードソン、ジョセフ・シセンズ
    イザベラ・ガスパリーニ、ベンジャミン・エラ、アシュリー・ディーン (ソプラノ)フランチェスカ・チエジナ

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「フライト・パターン」は群舞の使い方においてクリスタル・パイトの天才ぶりを堪能できる作品。大人数の群舞は、荒れ狂う冬の海のようにも、難民たちの生きのびようとする強い意志にも見える。戦乱を逃れ暗い海で溺れそうになりながらたどり着いた難民たちの苦難が、とても尊いものに感じられる。駅にたどり着き雪が舞い降り積み重ねられたコート、それはまるで死体の山のようだ。差し込む一条の光は希望の象徴か。

難民のカップル、クリステン・マクナリーとマルセリーノ・サンベの踊りが心を打つ。コートに包まれた、胸に抱いていた赤ん坊が死んでしまって嘆き悲しむ母親は、座り込んで動けなくなっている。やり場のない思いをぶつけるパートナー役サンベの打ちのめされるような感情を爆発させた踊りが鮮烈でこれでプリンシパル昇進の決め手になったのではないかと思ったほど。

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グレツキの「悲歌のシンフォニー」を使った音楽も圧巻で幕間で指揮者ジョナサン・ロウがこの音楽について語っている内容がとても興味深い。聖母マリアの嘆きと共に、強制収容所の壁に少女が残した文字が歌詞になったという。パワフルで胸を揺さぶる作品、いつか生で観たい。

ロイヤル・バレエの来日期間中の劇場公開なので、なかなか観に行く時間を見つけるのが難しい方もいると思いますが、とにかく『フライト・パターン』はぜひ大画面で観てほしい!

 

北海道 札幌シネマフロンティア 2019/7/5(金)~2019/7/11(木)
宮城 フォーラム仙台 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
東京 TOHOシネマズ日比谷 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
兵庫 TOHOシネマズ西宮OS 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2019/6/28(金)~2019/7/4(木)

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コメント

こんにちは!本日鑑賞してきました。来日時のクラシック公演とは違う一面を肌で感じられて、とても楽しみました。全ての作品が魅力的でしたが、私はメデューサに圧倒されました。オシポワはなんとなくテクニックが凄すぎて少し苦手だったのですが、あんなに静謐な美しさで怒りとかなしみを表現されるとは、食わず嫌いを反省しました。次回のロミジュリ、そして来シーズンもシネマシーズンが楽しみです。

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