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2018/09/28

新国立劇場バレエ団「不思議の国のアリス」公開リハーサル

11月2日に初日を迎える新国立劇場バレエ団「不思議の国のアリス」(クリストファー・ウィールドン振付)

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/alice/

先日、公開リハーサルが開催されたので、取材してきました。

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振付指導のジェイソン・ファウラーとジャクリーン・バレット、アリス:米沢唯、ジャック:渡邊峻郁、キャタピラー:宇賀大将、白うさぎ:木下嘉人というキャストです。ピアニストは飯野珠美さん。ジョビー・タルボットの音楽は演奏するのは難しそうですが、さすがにピアニストさんは上手です。

まずは、キャタピラー役宇賀さんのリハーサルです。キャタピラーとは芋虫なのですが、ラジャでもあり、プロローグのティーパーティの招待客の一人でもあります。キノコの上に座り、水タバコを吸っています。とてもセクシーでエキゾチックな役で、身体をくねらせる振付があります。途中からアリスとのデュオもあります。音の取り方も独特で、9拍子が2回と、6拍子がセットになっているところがありました。一番下の位であるアーティストから抜擢された宇賀さんは、しなやかな身のこなしと柔らかさの中に妖艶さもありました。ジェイソンさんが、独特のロンドゥジャンブの形や上半身の倒し方などを細かく指導していました。

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そしてアリスの米沢さんと、白うさぎの木下さんとのデュオ。タルトを盗むと、女王様に首を切られてしまいますよ、というマイムの入ったユーモラスなもので、この二人は息もよく合っています。振付の中にマイムが入り、また踊りそのものが物語を語っていくので、とっても楽しい。木下さんは動きがきれいだし、マイムが雄弁で跳躍も軽やか。

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そしてこの二人に、タルトを持ったジャックの渡邊さんが入っていきます。3人が絡むところから、アリスとジャックのパ・ド・ドゥへ。アリスは愛の象徴である赤いバラを持っています。やはり音の取り方は複雑です。リフトがとても多いパ・ド・ドゥで、しかもそのリフトが難しいので、パートナーリングの確認が多くありました。米沢さんは、すっかり振付が入っているだけでなく、アリスという役になりきっていて、とても生き生きとして魅力的だし、一つ一つの動きが実に美しく、ポーズもきれいに決まります。渡邊さんは跳躍がダイナミック。指導のジャッキーさんもラブリー、という言葉を連発していました。

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40分ほどのリハーサルの後、ジェイソンさん、ジャッキーさん、米沢さん、渡邊さんを交えてのトークとQ&Aがありました。

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キャスティングについては、まだ主役であるアリスとジャック役しか発表されておらず、白うさぎ役、キャタピラー役はこの日が初お目見えでした。他の出演者のキャスティング発表にはもう少し、あと10日から2週間くらいかかりそうとのことでした。「不思議の国のアリス」は、キャストがとても多くて、完全に振付も決まっていないそうです。バランスを取りながら、均等に機会を与えて、会う人を見つけて行きたいとのこと。

昨年夏にクリストファー・ウィールドンとジェイソンさん、ジャッキーさんがアリスとジャック役を決めたのですが、あっという間にこの出演陣が振付を覚えてくれたことに驚いているとのこと。一日リハーサルをしたら次の日にはそれが完全にできていて、予習までしてきてくれているので効率よく進められているそうです。そのため早めに役柄を掘り下げることができるようになっています。新国立劇場バレエ団は素晴らしい、とジェイソンさんは絶賛。

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米沢唯さんは、アリス役はどう美しく踊るのかが使命の役だと語りました。指導陣はひとりひとりに細かく、愛をこめて指導してくれていると。もっと上手になれると思わせてくれるリハーサルだそうです。やればやるほど、この役は大きな役であると実感されているそう。ステップは多くて難しく、アリスは舞台上にでずっぱりで休む時間もありません。その中で、どういうアリスであるかを求められているかを考えているとのこと。やりがいを感じてとても幸せ、と語っていました。


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渡邊さんは、やはり指導陣の一人一人へのダンサーへの愛が大きいことを感じているそう。振付もやりがいがあり、パ・ド・ドゥは難しいけれどもチャレンジしてやりたいと思っており、毎日が充実しているとのことです。ジャッキーさんがいつもそばにいてくれて、リハーサルだけどリラックスできて、ダンサーのいいところを引き出してくれる。ジョークを交えているので、楽しくリハーサルできているそう。頂いたチャンスを自分のものにして、4週間頑張っていきたい、と意気込みを語ってくれました。

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「不思議の国のアリス」の作品の魅力については、米沢さんは、カンパニーの底力が発揮される作品だと感じているとのこと。全員が全力で踊らないと成り立たないし、どの役も難しい。でも団員の笑顔は輝いていて、カンパニーの雰囲気がとても良いのはこの作品の力で、全員がこの作品を愛していると感じているそうです。

その中で、「アリス・アローン」というソロがあるのですが、そこで「Who am I?(私は誰)」という字が出てきます。ステップも難しいソロなのですが、アリスの少女らしさと、誰もが持っている私は何者なのかという問いかけがあって、芯が通っている部分が大好きだと米沢さんは語りました。描き方が好きだし、大事にして踊りたいソロだそうです。


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ウィールドンの振付の特徴についてですが、ジェイソンさんは、物語を伝える表現力がある振付で、クラシックバレエのパで見事に表現し、二人の組み合わせでストーリーを織りなしていくところにあると話しました。音楽性が豊かで、動きだけで深い感情が伝わってくるとのことです。

ジャッキーさんは、ディテールにこれほど凝る人は他にはいないと感じると語りました。そのディテールでどのように演出してみせるのかがポイントで。一枚一枚、写真に撮ったパーツをつなげて行くような感じだそうです。一つたりとも落ちることなく、すべてのディテールを見落とすことなく詳細に伝えていくのが、この振付指導の仕事なのだそうです。

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舞台上での公開リハーサルというのはなかなか観ることができない貴重な機会。今回は、アトレ会員も抽選で招待されていましたが、非常に良い企画で今後も実施してほしいなと思いました。

新国立劇場バレエ団「不思議の国のアリス」は、チケットの売れ行きが非常によく、土日公演は全てソールドアウト、チケットが残っているのは2公演(11月2日、8日)のみです。時間をかけてしっかりとリハーサルしている様子や、なかなかない、現役の海外の著名振付家の作品を踊る機会なので団員も張り切っているのが伝わってきました。本当に初日が楽しみです。

また、マッドハッタ―やハートの女王など魅力的な役柄がたくさんあるので、キャスティングも早く知りたいですよね。

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