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« ウィーン国立バレエ団 2018年来日公演 | トップページ | うつ病に対する理解を訴える、フランチェスカ・ヘイワードが踊る映像 »

2018/01/21

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』

1月19日から劇場公開が始まっている、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』、試写で見せて頂きました。

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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン ロイヤル・バレエは、前回上映された『不思議の国のアリス』がとても興行成績が良く、年明けにアンコール上映も行われました。今回の『くるみ割り人形』も、TOHOシネマズ日本橋では、異例の一日2回上映となっています。

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ピーター・ライト振付のロイヤル・バレエと言えば、定番中の定番。今までも映画館でも何回も上映されており、DVDもロイヤル・バレエだけで3回発売されているほどの人気ぶり。しかし、何回観ても観飽きない名作です。

【振付】ピーター・ライト
【音楽】ピョートル・チャイコフスキー
【指揮】バリー・ワーズワース
【出演】フランチェスカ・ヘイワード(クララ)
サラ・ラム(金平糖の精)
ギャリー・エイヴィス(ドロッセルマイヤー)
スティーヴン・マックレー(王子)
アレクサンダー・キャンベル(ハンス・ピーター/くるみ割り人形)
ニコル・エドモンズ(ねすみの王様)
オリヴィア・カウリー、トーマス・モック、ナタリー・ハリソン、エリコ・モンテス、ハンナ・グレンネル、ケヴィン・エマートン(スペイン)
メリッサ・ハミルトン、リース・クラーク、デヴィッド・ドネリー、テオ・ダブロイル(アラビア)
レオ・ディクソン、カルヴィン・リチャードソン(中国)
トリスタン・ダイヤー、ポール・ケイ(ロシア)
エリザベス・ハロッド、ミーガン・グレース・ヒンキス、マヤラ・マグリ、ロマニー・パジャック(葦笛)
ヤスミン・ナグディ(ローズフェアリー)

最近、2016年に収録されたロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』のDVDが発売されました。ローレン・カスバートソンが金平糖の精、フェデリコ・ボネッリが王子ですが、それ以外の主要キャスト、クララ、ハンス・ピーター、そしてドロッセルマイヤーは今回と同じです。しかし今回の映画館上映の見所は、なんといっても金平糖の精のサラ・ラム、そして王子のスティーヴン・マックレーの『くるみ割り人形』での初共演です。この二人は今までも様々なバレエで組んできましたが、なぜか『くるみ割り人形』では初めてだとのことです。

そして、当然ながらこの二人のクラン・パ・ド・ドゥは天上の美しさと幸福感に包まれる、輝かしいものでした。サラ・ラムは昨シーズン大きな怪我に見舞われてしまい、久しぶりに踊る姿を観ることができましたが、ますます輝きを増しています。存在するだけで光り輝き、一つ一つの動きが気品に満ちていて精確。難しいヴァリエーションやコーダも易々と、一つ一つの音符に真珠の粒を当てはめて行くように載せていきます。光を放っているのだけど、同時にとても温かく優しく、クララを包んでくれます。マックレーは、持ち前の超絶技巧、特に伸びやかでスピーディなマネージュ、高速シェネで魅せてくれますが、その中にもやはり気品を保っているところが素晴らしい。そして音楽性は特に見事で、サラ・ラムとのパートナーシップも完璧。天国とはこんな風に見えるんだろうな、と思える美しさと幸福感の中に、ほんの少し哀切さが漂うメロディを聴くと、涙がじわ~とあふれてきます。

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クララ役のフランチェスカ・ヘイワードは、今までも何回か映画館上映の『くるみ割り人形』でクララ役を演じてきましたが、プリンシパルに昇進したこともあり、確実に成長しているのが見えます。全編出ずっぱりの中で闊達に、軽やかに踊る技術もさることながら、クララという少女の様々な想いが手に取るようにわかる演技力も素晴らしく、感情移入しやすい存在です。そして『くるみ割り人形』というバレエ作品の中でも、クララが成長していく様子が伝わり、ラストシーンのハンス・ピーターを見つめる姿にはほんの少しの妖艶さもあります。ちょっと庶民的で親しみやすい感じのハンス・ピーター=くるみ割り人形のアレクサンダー・キャンベルとの相性も良い。

ピーター・ライト振付の『くるみ割り人形』の良さの一つに、雪のシーンや2幕のディヴェルティスマン、花のワルツにもクララとハンス・ピーターが参加することがあります。雪の中を舞い踊るクララの幸福感、お菓子の国で繰り広げられる各国の踊りでも決してお客さんにとどまっているのではなく、一緒に踊ることで物語性を高くして有機的にストーリーがつながっていきます。金平糖の精が、グラン・パ・ド・ドゥを踊る前に温かい微笑みをクララに向けるのも素敵。

そしてロイヤル・バレエの『くるみ割り人形』に決して欠かせないのが、ギャリー・エイヴィスのドロッセルマイヤー。この作品の実際のところの主役は彼です。甥のハンス・ピーターをねずみの王様によってくるみ割り人形に変えられてしまったことから、この物語が始まるわけですから。一挙一動が大きくスタイリッシュで存在感抜群、まるでロックスターのようなギャリーの立ち居振る舞いには惚れ惚れします。彼の指先から舞う金色の紙吹雪が、観客にも素敵な魔法をかけてくれます。今回は日本人ダンサーはあまり出演していませんが、花のワルツでのリード4人の中に、金子扶生さんの美しい姿が確認できました。

ロイヤル・バレエのダンサーたちは皆演技が達者だし、1幕のパーティシーンでも、キャラクターアーティストたちの演技や子役たちの演技が細かくて飽きません。クリスマスツリーが巨大化するスペクタクルも、毎回ワクワクさせられて、いつかは生で、コヴェントガーデンでこの『くるみ割り人形』を観たいという気持ちにさせられます。シームレスな展開で、実によくできた演出です。

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幕間の映像では、指揮者のバリー・ワーズワース、主演のスティーヴン・マックレー、サラ・ラム、芸術監督ケヴィン・オヘアらのインタビューもあり、また初演キャストであるレスリー・コリアがサラ・ラムやスティーヴン・マックレーを指導する様子を観ることもできます。公演前には、フリッツやねずみたちを演じるロイヤル・バレエスクールの生徒である子役たち、彼らを指導するクリストファー・カーのインタビューも。フリッツ役は3人のダンサーが配役されているそうで、この日演じたキャスパー・レンチは昨年に続いてのフリッツ役だそう。

デジタルプログラム(細かい配役、リハーサル映像、写真など) プロモコードFREENUTを入力すること
http://www.roh.org.uk/publications/the-nutcracker-digital-programme

とにかく、以前にも映画館で『くるみ割り人形』を観た人にも、バレエを初めて観る人にも、とても楽しくてキラキラしていて幸福な2時間40分が味わえる劇場体験となる作品です。

北海道 ディノスシネマズ札幌 2018/2/17(土)~2018/2/23(金)
宮城 フォーラム仙台 2018/1/20(土)~2018/1/26(金)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
神戸 TOHOシネマズ西宮OS 2018/1/19(金)~2018/1/25(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2018/1/20(土)~2018/1/26(金)

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