BlogPeople


2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« カルロス・サウラ監督『J:ビヨンド・フラメンコ』 | トップページ | セザール・コラレスがENBからロイヤル・バレエに移籍 »

2017/12/22

マルセロ・ゴメスがABTを退団

NYCBの芸術監督、ピーター・マーティンスのセクハラ騒動が起こっている最中に、ABT(アメリカン・バレエ・シアター)の経営会議の議長より、プリンシパルのマルセロ・ゴメスが退団するという発表がありました。

https://www.nytimes.com/2017/12/21/arts/dance/marcelo-gomes-abt-sexual-misconduct-allegation.html

このプレスリリースによると、先週の土曜日にゴメスの8年前のsexual misconduct(性的な不正行為)が報告され、ABTは法律事務所に調査を依頼したとのことで、その調査期間中に彼は辞表を提出したそうです。当事者はゴメス以外にはABTの団員(過去、現在を問わず)はかかわっておらず、またABTでの仕事とは関係ないところで行われたとのことです。

現在のところ、それがどのような内容なのかは不明なので、なんともコメントも判断もしようがありませんが、とても悲しいことです。(この件はセクシュアル・ハラスメント、ではないことには留意しなければなりません)

ご存知の通り、マルセロ・ゴメスは、ABTのみならずバレエ界のトップスターで、世界バレエ・フェスティバルやABTの来日公演、ゲスト出演などで何回も来日しています。また、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』に主演して東京で踊ったほか、ニューアドベンチャーズの『ザ・カーマン』『赤い靴』にもゲスト出演しています。

ブラジル出身の38歳。1997年に入団し、2002年にプリンシパルに昇進しました。今年でABT在籍20年を迎えて、それを祝う公演もありました。パリ・オペラ座バレエ学校でも学んだクラシックの技術の他、表現力、サポートの上手さ、パートナーへの気遣いでも良く知られており、ディアナ・ヴィシニョーワなど世界中のバレリーナが彼との共演を熱望していました。同性愛者であることも公表しています。

人柄の良さでも知られていただけに、この報道と退団にショックを受けた方は多いと思います。12月9日の「くるみ割り人形」の公演が、ABTでの最後のパフォーマンスとなってしまいました。

ABT、およびゴメスからの直接のコメントはありませんが、彼のスポークスパーソンは
「今はマルセロにとって自らを振り返る時期 です。彼は、家族、友人、同僚から支援を受けて感謝し力づけられています。現時点ではこれ以上のコメントはありません」と語っています。

彼を撮影したドキュメンタリー映画“Anatomy of a Male Ballet Dancer,”が完成し、いくつかの映画祭に出品されて受賞もしており、来年1月には劇場公開の予定となっています。

ワシントン・ポスト紙には、元ABTのプリンシパルで彼とよく共演し、現在はワシントン・バレエの芸術監督であるジュリー・ケントのコメントが掲載されていました。ゴメスは、ワシントン・バレエのために2018年3月に新作を振付ける予定となっています。

https://www.washingtonpost.com/entertainment/theater_dance/abt-principal-dancer-marcelo-gomes-resigns-amid-misconduct-investigation/2017/12/21/7574698e-e680-11e7-833f-155031558ff4_story.html

「私はマルセロを15歳の時から知っており、私が深く愛しいつでも応援する人であり続けます。彼の親切さ、気前の良さ、そして人間としての優しさを証言できますし、最も大切な友人であり続けます」

残念ながら、ゴメスのABTの出演予定は、ケネディセンター、メトロポリタン・オペラハウスでの公演からも消されてしまいました。長い怪我から復活したばかりのデヴィッド・ホールバーグ、来シーズンベルリン国立バレエに移籍するダニール・シムキン以外にはABTには男性スターダンサーはおらず、人気が高く女性ダンサーにも信頼されていたゴメスを失うことはABTにとっては大きな痛手です。


なお、NYCBのピーター・マーティンスのセクシュアル・ハラスメント疑惑については、性的ではない暴力の件なども含めて多くの告発が相次いでいます。しかしながら、現在のところまだマーティンスが辞任するかどうかは発表されていません。調査のために休職中の彼に代わって、現役のソリストで振付家のジャスティン・ペック、バレエ・マスターのクレイグ・ホール、レベッカ・クローン、ジョナサン・スタッフォードという4人のスタッフが芸術監督代行を務めています。辞任は避けられないとの見通しではあります。

バレエ界におけるセクシュアル・ハラスメントの事例は多いと言われており、今後もこのようなことは相次ぐことと思われます。

« カルロス・サウラ監督『J:ビヨンド・フラメンコ』 | トップページ | セザール・コラレスがENBからロイヤル・バレエに移籍 »

ABT(アメリカン・バレエ・シアター)」カテゴリの記事

バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« カルロス・サウラ監督『J:ビヨンド・フラメンコ』 | トップページ | セザール・コラレスがENBからロイヤル・バレエに移籍 »