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2017/09/12

ブロードウェイミュージカル「ファインディングネバーランド」

ピーターパン誕生の実話に基づき、ジョニー・デップ主演で映画化した「ネバーランド」のミュージカル化「ファインディングネバーランド」のブロードウェイのプロダクションが現在、シアターオーブで来日公演を行っています。

http://findingneverland.jp/

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1904年。新作が書けなくて苦しむ劇作家バリが、公園で出会った4人の子どもたちとその母シルヴィアに出会う。父親を亡くして悲しみに心を閉ざした子どもたちの心の扉を開き、彼らと交流を深めるうちに、バリは次第に子どもの心を取り戻して触発され、彼はピーターパンの物語を書くことになる。

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(c)Jeremy Daniel

「ピーターパン」という作品の着想がどのように得られて、舞台として誕生していくかのプロセス、そして紆余曲折を経て初日を迎えるまでを目撃することができるこの作品は、劇場賛歌、演劇賛歌であり、特に舞台人にとってはぐっとくる描写、舞台への愛にあふれている。舞台の魔法がここにあるんだ、と改めて、劇場で舞台を観に行く理由を再認識することになる。

バリが書き上げた「ピーターパン」のあまりの奇抜さに驚くキャストやスタッフは、やけくそを起こしてパブに繰り出して大騒ぎをする。そこで子供の心に還って自由奔放に「PLAY」と遊びまわり歌が現れる時、「演劇」って「PLAY」なんだなと実感した。演劇って本来、楽しいことだし、出演者も楽しまなくては!

「ピーターパン」の初日が明けた後、シルヴィアの病気のために観に行けなかった子供たちのために、出演者たちは初日の後、シルヴィアの家で舞台を再現する。切ないんだけど最高にあたたかくて素敵だった。本当に演劇って、魔法なんだと実感させられる。ピーターパンとウェンディが空を飛ぶところは、共演者が扮する黒子にリフトさせることで表現。アナログなところがまたリアリティがあっていい。

そしてシルヴィア役のクリスティン・ドワイヤの豊かで美しい歌声が心を打つ。キラキラした光の渦に、歌うシルヴィアが包まれる場面は本当はとても悲しいシーンなのに、あまりの美しさで深く感動をしてしまう。シルヴィアはとても強い女性だ。

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(c)Jeremy Daniel

バリに触発されて、子供たちのひとり、父の死に一番傷つき心を閉ざしているピーターが自らも物語を書き始めるというエピソードは「フィクションの力」と希望を感じさせる。大人になりたくない「ピーターパン」の名前は、彼からとったものだった。スプーンに反射した光を見てティンカーベルという妖精を誕生させたというエピソードが素敵。その存在を疑われると妖精は弱って消えてしまうという設定は、ファンタジーの持つ力を象徴させている。バリを叱咤激励するフック船長や、ピーター・パンの世界のワクワクさせられるビジュアル化表現も秀逸。

子どもたちの無限の可能性と夢みる気持ち、何事にもとらわれない想像力でなんだってできるってこと、でも一方で人生では、一生懸命願っても叶えられないこともあるということも、様々なイマジネーションを駆使した演出や効果で描いてくれてる。想像力に翼が生えてどんどん広がっていく様子を舞台の魔力を使って魅せてくれる。

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(c)Jeremy Daniel

愛らしく芸達者な子役や犬なども登場するけれども、人生の苦さと悲しみもこの作品は描いている。妻とすれ違うバリと、4人の子どもを抱えた未亡人であるシルヴィアとの関係が噂になる。シルヴィアと母との確執、父を亡くした子どもたちの心の傷、そしてシルヴィアの病。

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(c)Jeremy Daniel

一方で、スランプに陥ったバリを温かく見守り信じて支えるプロデューサーのフローマン(彼を演じるジョン・デイビッドソンがフック船長としても登場するというキャスティングがいい)や、舞台の出演者たち、ステージマネージャーのエリオットなど、脇キャラクターもそれぞれ魅力的。

音楽は、テイク・ザットのメンバーであるゲイリー・バーロウで、楽曲も美しく親しみやすくて素晴らしいし、ブロードウェイでのオリジナルキャストによる出演者たちの歌も、それぞれ役を体現していて魅力的で聴きごたえがある。振付のミア・マイケルズは、テレビ番組「アメリカン・ダンス・アイドル」やセリーヌ・ディオン、プリンス、マドンナの舞台などで知られる。エグゼクティブ・プロデューサーは、「ネバーランド」始め数々のヒット映画を世に送り出したハーヴェイ・ワインスタイン。

トニー賞受賞式でのパフォーマンス (今回のキャストとは異なる)

シルヴィアの部屋での「ピーターパン」パフォーマンスのシーンから涙が止まらなくなり、「だから生の舞台は素晴らしいし、足を運ばなければ」と実感。大きな感動を味わった。終演後は観客が総立ちとなったのは言うまでもない。リピーターチケットを買い求めるお客さんの長い列もあった。

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(カーテンコールは撮影可)

J.Mバリ : ビリー・タイ
シルヴィア : クリスティン・ドワイヤー
チャールズ・フローマン/ジェームズ・フック船長 : ジョン・デイビッドソン
デュ・モーリエ夫人 : カレン・マーフィー

【演出】ダイアン・パウルス
【作曲・作詞】ゲイリー・バーロウ、エリオット・ケネディ
【脚本】ジェームズ・グラハム
【振付】ミア・マイケルズ


ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」は9月24日(日)まで東急シアターオブにて上演。チケット発売中。強くお勧めします。

なお、石丸幹二主演にて、2019年日本版「ファインディング・ネバーランド」上演が決定しています。

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