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2017/08/23

K-Ballet School Boys Ballet Summer School 2017

8月15日 (火) - 19日 (土)まで、横浜市鶴見区民文化センター(サルビアホール)にて、Boys Ballet Summer School 2017が開催されました。

これは、K-Ballet Schoolの全面協力により、開催された男子限定のバレエ講習会です。今年で3回目とのことです。

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最初の3日間は年齢別のクラス編成で、K-Ballet Schoolの教師陣より指導を受けます。

各クラスの担当はK-Ballet Schoolの
Elementary Class
小林由明先生(小石川校主任)
Intermediate Class
奥山真之介先生(福岡校主任)
Advanced Class
伊坂文月先生(恵比寿校副主任) です。

初日に、各クラスごとに課題のヴァリエーションを与えられます。エレメンタリー(9歳から12歳=小学生)はアッサンブレ、トゥール、シャンジュマン、ピルエットの入っているアンシェヌマン、Intermediate(12歳から15歳=中学生)は『くるみ割り人形』のヴァリエーション、Advanced(15歳から18歳=高校生)は『ラ・バヤデール』のソロルのヴァリエーションです。

特に経験年数は不問とのことで、ElementaryとIntermediateは定員いっぱいの19人、Advancedは11人が受講。全国から集まっているそうです。なのでレベルは様々ですが、Advancedでは英国ロイヤル・バレエスクールなど海外に留学している人が数人や、コンクールで上位入賞しているプロの卵レベルもいましたし、Intermediateでもコンクール入賞者はいました。ボーイズクラスを設けているバレエ教室は少なく、教室で男の子は1人だけ、という人も多いようで、このような講習会で、友達ができたり情報交換ができるという貴重な機会になっているようです。昨年に続けての参加だったり、今回は友達を誘っての参加といった人もいるとのこと。

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全員が同じヴァリエーションを習い、そしてこれはコンクールではないということなので雰囲気はとても和気あいあいとしています。お互いに教え合ったりといった風景も見られたし、ひとりの子が教師に教えてもらっている間も、他の子たち熱心にその様子を見て学び取っているところも。

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私は、3日目のAdvancedクラスを少しと、4日目の公開レッスン、そして最終日の成果発表会とエキシビションを見させていただきました。なお、公開レッスン、成果発表会とエキシビションは一般公開されており、チケットを購入すれば誰でもご覧になれます。

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公開レッスンは、クラスレッスンの後、一人ずつ生徒にヴァリエーションを踊ってもらった後教師が一人一人に細かく指導するというものです。一般の観客の前での指導なのでなかなか緊張するところもあったかと思います。ElementaryとIntermediateのクラスレッスンの指導は小林由明さん、Advancedのクラスそして全レベルのヴァリエーション指導は遅沢佑介さんでした。すべてピアノの演奏付きです。

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クラスレッスンの指導も丁寧なのですが、このヴァリエーション指導がとにかく素晴らしいのです。一つ一つの振付について懇切丁寧に教えていて、どうすれば回れる、跳べる、腕、顔の付け方やエポールマンなども細かく指導しています。そしてみるみる上手になっていくところを見ることができました。遅沢さんはK-Balletの現役のプリンシパル兼バレエマスターなので、お手本も実際に踊って見せてくれます。

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今回の課題のヴァリエーションは、『くるみ割り人形』にしてもソロルにしてもかなり難易度の高いものです。特に『くるみ割り人形』はマネージュ、アッサンブレ(上手な子はドゥーブルアッサンブレにしていました)、トゥールアンレールと中学生にしては高度な技術でチャレンジングなのですが、公開レッスンでは全然できなかった子が、成果発表会ではしっかりとそれができるようになっているのを見ることができたのはすごい、と思いました。『くるみ割り人形』もソロルも、体力的にも非常にハードなヴァリエーションです。

言うまでもなく、これは観る側にとっても非常に勉強になるものです。男子の踊りは実際には踊らない私にとっても、このテクニックはこうすることで踊ることができるんだ、というのが理解できますので、バレエ教師の方や、もちろん習っている人にとっては大きな学びが得られたのではないでしょうか。実際、客席には、まだこの受講生の年齢には達していない男の子の姿もちらほらありました。

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成果発表会では、小林由明さん、溝下史朗さん、髙橋佳子さん、荒井祐子さんというK-Balletスクールの講師陣が、クラスごとに講評を述べられました。

Elementaryでは、自分がどこでそのポジションを作っているのがわかっていないといけないという言葉がありました。また、ダンサーでもある指導者からのアドバイスとして、空間の使い方をもっとシミュレーションすると、素敵なところで踊れると。レベランスで緊張が見えるので、そこでもありがとうという気持ちを込めてほしいと。

Intermediateは、大きくなっていく段階で個人差も大きいのですが、変わっていくからこそ大事な時期で、この時期にテクニックを磨いていくことになります。フォンデュやシソンヌを練習すると脚が強くなるそうです。また、技術だけでなくて、アダージオも練習して、ポジションのキープができるようになる必要があるそうです。一見意味がなさそうな練習にも意味があるので、踊りに使えるように頑張って練習してほしい、と。クラシック・バレエのヴァリエーションの場合には役柄を創造することが大事で、「くるみ割り人形」では王子らしさを出していかなければなりません。また音楽と共に踊ることが大切になります。

Advancedでは、ヴァリエーションでの役柄の表現がより大切になってきます。白鳥とソロルでは歩き方一つ取っても違います。ポジションを一つ一つ綺麗に踊らなければなりません。カブリオールを美しく打てれば脳裏に焼き付きます。どのようなヴァリエーションにして表現していくか、強弱のアクセント、音楽のひっぱり方。構成力芸術性を高めて磨いていかなければなりません。バレエは動きだけでなく美しさを磨くことが大切です。また床に対する立ち方を意識することが必要です。

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成果発表会の後は、講師へのQ&Aということで小林由明さんが答えてくれました。バレエを始める年齢が遅くて心配、コンクールに出る意義や海外留学の必要性について、男の子の少ない教室にいるけどボーイズクラスに通ったほうが良いか、筋力をつけすぎると背が伸びないのでは?といった質問です。

コンクールについては、出れば舞台度胸はつくし、テクニックを勉強する場ではあるけど、これがすべてではないとのことです。コンクールに限らず、発表会など人に観てもらう機会があるのは良いことで、張り合いもあるし、身近な人に観てもらったりするのは大切なこととのことです。
バレエの基礎には男も女もないので、女性の教師でも男子は教えられます。ただ、男性特有のテクニックを学ぶには男性の教師に習ったほうが良いそうです。
海外留学については、人によって違うとのことです。今は海外情報がインターネットで手に入れられる時代です。国内のコンクールでも、海外の教師がやってきて見てもらえるので、必ずしも留学は必須という神話にとらわれる必要はないと。自分の目的によって道筋は違うので、選択をするのは自分の責任であり、自分が考えて選ぶことが必要とのことです。

最後には、エキシビションとしてK-Ballet Companyの現役ダンサーによるパフォーマンスがありました。西口直弥さん、奥田祥智さん、佐野朋太郎さん、三浦響基さん、そして篠宮佑一さんが、それぞれ衣装を着けてクラシックのヴァリエーションを踊りました。ソリストの篠宮さん以外はアーティスト、という若手ダンサーですが、さすがにプロの踊りは違います。踊った後のダンサーに対して、講習会の参加者からの質問もあり、こちらも大変面白かったです。学校でからかわれたらどうする、怪我の後の回復にはどうするかといった質問です。

短期間に驚くほどの成長を見ることができたこちらの講習会。単なる見る側としても非常に面白かったですし、参加したボーイズにとっては、一流講師に丁寧な指導を受けるという学びの面でも、同じような仲間と出会えたことでも、素晴らしい経験になったのではないかと思います。いつかこちらの参加者の皆さんが、プロとして舞台に立っている姿を観たいと思います。Advancedクラスの子の何人かは、近いうちに観られそうですが。この講習会が、これからも続いて行って、バレエ男子の人口が増えればいいなと思います。

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なお、このエキシビションに出演した篠宮佑一さんも参加するBallet Gentsの公演が、このサルビアホールで行われます。サルビアホールは京浜東北線の鶴見駅からすぐで場所も便利、小さ目ですが見やすく綺麗なホールです。

Ballet Gents
Ballet Performance in YOKOHAMA

-クラシックバレエの貴公子たちに魅了される-
http://www.salvia-hall.jp/event/?id=1490235103-243202

【昼の部】
開場12:30 開演13:00

【夜の部】
開場18:00 開演18:30


<入場料> 
全席指定
一般:¥7,400
サルビア券:¥6,900 (横浜市鶴見区民、18歳以下、65歳以上、障がい者)

<主催・お問い合わせ>
鶴見区民文化センター サルビアホール
045-511-5711

世界的バレエダンサー熊川哲也が芸術監督を務める Kバレエ カンパニーが輩出した「Ballet Gents」がいよいよ関東初となるホール公演を開催。座長を務めるプリンシパル・宮尾俊太郎を筆頭に、実力派若手ダンサーたちがジャンルを超えた圧倒的ダンスパフォーマンスを展開する。

<出演者>
Ballet Gents
 宮尾俊太郎 杉野慧 栗山廉 益子倭 篠宮佑一

Urbane Saxophone Quartet(サルビア・アーティストバンク)
 千葉一喜(S.Sax) 小林浩子(A.Sax) 
 中村優香(T.Sax) 中村賢太郎(B.Sax)

<チケット取扱>
■チケットぴあ
 TEL:0570-02-9999
 Pコード:457-826

■サルビアホールの窓口でご購入(受付時間9:00~21:00)
 ※お支払いは現金のみ

■お電話でのご予約(受付時間9:00~22:00)
TEL:045-511-5711
ご予約後、1週間以内にいずれかの方法でお支払いをお願いいたします。
  ・当館窓口にてお支払い(現金のみ)
  ・指定の銀行口座へお振り込み(チケットはご郵送)

・未就学児のご入場はご遠慮ください

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