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2017/05/18

K-BALLET COMPANY『海賊』リハーサル

K-Ballet Companyは、5月24日(水)より、Bunkamuraオーチャードホールにて、熊川哲也さん振付の『海賊』を上演します。2007年に初演のこの作品は、熊川さんならではの独創性とエンターテインメント性を高めた、スリリングで鮮烈なスペクタクル作品で高い人気を誇ります。
http://www.k-ballet.co.jp/performances/2017pirate

1週間後に初日を控えたカンパニーの、通し稽古を見せて頂きました。
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再演を重ねたこの作品、上演されるたびにアップデートされており、どんどん振付も難度が上がり、音にパを細かく当てはめていくようになったそう。それだけ、ダンサーたちの技術も上昇しているとのことです。

この日は、メドーラ:浅川紫織さん、コンラッド:宮尾俊太郎さん、アリ:山本雅也さんというキャストで、2幕部分を通しでリハーサルしました。ランケデムは篠宮佑一さん、ビルバントは一番下のアーティストという若手の西口直弥さんが抜擢されています。リハーサルディレクターの小林由明さんはじめ、パシャ役も演じるスチュアート・キャシディ、別キャストでコンラッド役の遅沢佑介さん、そして同じくプリンシパルの荒井祐子さんらが指導を行います。

全編に踊りが詰め込まれている『海賊』ですが、2幕は中でもこの作品で一番有名なパ・ド・トロワを始め、オダリスクの踊り、海賊たちのガン・ダンスなど華やかなクライマックスがいくつもあります。本番に近いので、メドーラ役の浅川さんは繊細で美しい本番用衣装を着用。『海賊』ならではの刀や銃器などの小道具も使われます。

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通し稽古なので本番通りの順番でリハーサルは進みます。海賊たちの踊りで始まるので、このカンパニーが誇る男性ダンサーたちが勇壮な群舞を見せてくれます。日本のカンパニーで男性ダンサーが最も充実しているK-Balletならではの、ダイナミックで迫力ある踊りが繰り広げられて、スタジオ内は大変な熱気がこもっています。みんなバンバン跳ぶし、男性同士のリフトなどもあって、気分は否が応でも上がります。『海賊』は充実した男性陣がいないと上演できない作品ですが、このバレエ団ではそんな心配は無用です。

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オダリスクの踊りは、中村春奈さん、矢内千夏さん、浅野真由香さんの3人。伸び盛りの若手である矢内さんは別キャストではメドーラ役、また浅野さんはグルナーラ役も別キャストで踊っているのでそれぞれの役のリハーサルもまた進められています。それぞれのソロはもちろん、3人で並んで踊るときには綺麗に動きがシンクロし、アラベスクの時も脚の高さが揃えられていてつま先に至るまで非常に美しい。アレグロの動きが多いので音楽性、スピードと高度なテクニックが求められるパートですが、主役も踊っているメンバーなので見ごたえがあります。ほっそりとして抜群のプロポーションの矢内さん、回転のテクニックが見事な中村さん、ドラマティックな表現力に長けている浅野さん、それぞれ魅力的です。

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パ・ド・トロワでは、まず浅川紫織さんの清楚で気品あふれる美しさに目を奪われます。長くて美しいライン、安定したグランフェッテ、リフトされているポーズもきれいに決まっています。宮尾俊太郎さんは、長身から繰り出されるダイナミックな跳躍、安定したリフト、海賊の首領らしい堂々とした佇まいでスターの風格を漂わせています。

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アリに抜擢された山本さんは、2013年ローザンヌ国際コンクール3位で、ロイヤル・バレエで研修したホープ。熊川版の『海賊』では、初演キャストが熊川さん自身だったこともあり、アリは奴隷たちを束ねるリーダーシップとカリスマ性がある存在です。山本さんは、若いながらも頼れるリーダー性を発揮していました。見せ場のアリのソロでは、高い跳躍と、軸のしっかりしたいつまでも回り続けられそうなピルエットで魅せてくれます。この見事なパ・ド・トロワ、リハーサルであることを忘れて思わず引き込まれて見入ってしまいました。

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ビルバントを中心に、大勢の男女が組んでのガン・ダンスでは、位置関係をしっかりとるために細かい確認が行われていました。この大人数でしかも男女ペアで構成されるダンスのあるパートなので、フォーメーションを美しく保ち、ぶつかったりしないように細心の注意が払われます。しかも今回は、大阪と香川というツアー公演もあり、それぞれの会場のサイズが違うわけです。これが実際の舞台で上演された時には、さぞかし壮観なことでしょう。

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終盤のハーレムのシーンでは、パシャ役のスチュアート・キャシディがコミカルな演技で和ませてくれます。キャシディは自ら演技をしながらも、演技や技術の指導もこなしています。ここから最後のドラマティックなクライマックスまでは、演技的な要素も多くて、一度通した後、タイミング、段取り、さらには表現のニュアンスまでも細かく確認しながら行われます。グルナーラとパシャの絡みは、浅野真由香さんと白石あゆ美さんの二人が同時にリハーサルをしていました。


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このプロダクションももう10年上演されているので、過去に何回も踊ってきた荒井祐子さん、遅沢佑介さんらが自らの経験を基に、実際に動いて見せて後輩に指導をしていきます。こうやって、バレエの芸術性は”手から手へ、足から足へ、口から口へ”受け継がれていくわけです。

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通しが終わった後も、細かい確認はずっと続いています。主役は3キャストが組まれており、一人でいくつもの役を踊るダンサーたちも多いのです。しかも、6月に上演される『ジゼル』のリハーサルも同時進行であるとともに、秋の新作『クレオパトラ』も始動しているので、ダンサーもスタッフも大忙し。しかしこのように新作を含むいろいろな作品を経験できる、このカンパニーのダンサーは日本にあって異例なほど幸せな存在と言えます。リハーサル全体からも、本番を控えて舞台への意欲に燃えるダンサーたちの熱い思いが伝わってきました。『海賊』本公演、素晴らしい出来になっていること間違いありません。楽しくて美しくて血沸き肉躍る、冒険活劇です。

Tetsuya Kumakawa
K-BALLET COMPANY
Spring Tour2017
『海賊』

http://www.k-ballet.co.jp/performances/2017pirate

<会場>
東京:Bunkamura オーチャードホール
大阪:フェスティバルホール
香川:レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール

日程
2017年5月24日~28日 Bunkamura オーチャードホール
6月10日 フェスティバルホール
6月17日 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール

[お問い合わせ]
チケットスペース 03-3234-9999(東京) 
http://ints.co.jp
フェスティバルホール 06-6231-2221(大阪)

[チケット取り扱い]
東京
チケットスペース 03-3234-9999
http://ints.co.jp

K-Ballet Company のFacebookでも最新情報、リハーサルの模様などがアップされています。
https://www.facebook.com/kballet.company/

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