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« ロイヤル・バレエの2017/18年度新入団ダンサー | トップページ | K-BALLET COMPANY新作「クレオパトラ」 »

2017/04/30

マニュエル・ルグリ「ルグリ・ガラ」来日記者会見

8月に開催される「ルグリ・ガラ」のプロモーションのために、マニュエル・ルグリが来日し、記者会見が開催されました。

演目発表については既にお知らせをしていますが、会見の詳しい内容をご紹介しますね。

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ルグリ「先週はニューヨークでYAGPの審査員を務めており、日本に来る前には、ウィーンで「白鳥の湖」とヌレエフ・ガラの準備をしていました。また、ハンブルグでは、ノイマイヤーのためにヌレエフ版の「ドン・キホーテ」を準備しています。それと並行して、日本での「ルグリ・ガラ」の準備を進めています。YAGPガラでは、この「ルグリ・ガラ」で共演してくれるイザベル・ゲランと、リンカーンセンターで「フェアウェル・ワルツ」を踊りました」

ルグリ・ガラのコンセプトについて

「非常にシンプルです。今回のタイトルに選んだ「運命とダンス」という言葉が端的に表しています。私は4歳でバレエを始めましたが、以降ずっとバレエと共に生きてきました。私の人生はダンス、バレエそのものでした。パリ・オペラ座に入り、アデュー公演もオペラ座で行いました。今はこのウィーン国立劇場で芸術監督を務めています。ダンスこそが私の運命なのです」
「そして今回このような機会を頂き、再び舞台に上がることになりました。私の大好きな、私の尊敬するダンサーたちに囲まれながらこのような機会を頂けるなんてラッキーです」


パリ・オペラ座を引退しても続ける理由

「私自身は、もう自分はダンサーではないと、ダンサーの段階は過ぎたと考えています。このように踊る機会というのは、純粋に、皆さまにお会いする喜びのためのものです。現在、ウィーンにおいては、毎日ダンサーたちと共に毎日のクラスには参加していますが、ダンサーをケアするということをまず考えています。なので、私のダンサーとしての段階は、パリ・オペラ座でのアデューでいったん区切りをつけています。このように皆さんに時折お目にかかる喜びのために、舞台に立っています」


今回出演するダンサーについて。まずはパートナーとして共演するイザベル・ゲランについて。

イザベル・ゲランは、40歳の時にパリ・オペラ座で引退公演をしてから、完全に引退されました。私は40歳での引退は早すぎたと思います。彼女は過ぎた時を取り戻すような思いで復帰したのではないでしょうか」

「アデューの後も、私は常にイザベルと連絡を取っていたのですが、あるとき、自分のパートナーを探していた時期でした。そのようなことをイザベルと話していたら、彼女の方もクラスに参加しているというのです。彼女の方からも一緒に踊ってもらえないかしらと言ってもらえました。このようないきさつで、彼女と私とで舞台に戻り、パトリック・ド・バナ振付の「フェアウェル・ワルツ」今回のガラ公演でもご覧いただけますが、この作品が生まれました」

「彼女のような成熟したパートナーを得るというのは、今の私にとってはとても大事なことでした。私たちはともにパリ・オペラ座で過ごし、そこで多くのことを得てきた戦友であります。芸術的にも共有するところが多くあります」


世界各地からのトップダンサーたちについては、どのようなコンセプトで選んだのか?

「私が選んだ4人は、とても有名なので皆さまもご存知かと思います。マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ、オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージンの2組のペアで、国際的にも有名です。なぜ彼らを選んだかというと、今のバレエ界の中でも最も優れたダンサーたちであり、この皆さんにはウィーンにも来てもらっています。マリアネラ・ヌニェスには、すでに「ドン・キホーテ」と「白鳥の湖」に、ワディム・ムンタギロフには、「ドン・キホーテ」と「ヌレエフ・ガラ」に出演いただきました。オルガ・スミルノワは、5月にセミョーン・チュージンと共に「白鳥の湖」に出演していただきます」

「ワディム・ムンタギロフとセミョーン・チュージンは、現在のバレエ界において、最も優れた男性ダンサーであると思っています。私がバレエが、こうあってほしい、こう踊ってほしいと願う形で踊ってくれるダンサーです」

「またこの4人は非常に勉強熱心で、人の意見を聞こう、聞こうという姿勢を持っています。ウィーンにもこの「ルグリ・ガラ」のためにわざわざリハーサルに来てくれて私も光栄に思っています。このような若い世代の中に常に学ぶ姿勢を大事にしてくれる人達がいるというのは心強いことです」

ウィーン国立バレエの若手ダンサーたちについて。

「まず申し上げたいのは、このカンパニーの芸術監督になることができてとても光栄に思っているということです。先日ウィーンで記者会見をしたばかりですが、その際にウィーンでの8年目のシーズンについてお知らせをしました。今回ウィーンから若いダンサーを連れてきますが、そのうち5人のソリストとドゥミソリストは、私がオーディションをして選んだ、就任後に入団したダンサーです」

「プリンシパルのダヴィデ・ダトは、イタリア出身のダンサーです。『ライモンダ』で先日ブノワ賞にノミネートされました。ニーナ・ポラコワは、スロバキア出身のダンサーで、すでに私と共に来日もしています。非常に大きな力を持ったダンサーで、『白鳥の湖』のオデット/オディール、『ライモンダ』をヤコブ・フェイフェルリックと踊っています。デニス・チェリェヴェチコは、とても輝かしいダンサーで、今ダンサーのキャリアの中で最も輝いている時期にいます」

ナターシャ・マイヤーヤコブ・フェイフェルリックは、ウィーン国立バレエ学校の出身でオーストリア人です。残りの3人、ニーナ・トノリニキーシャ・フォゴジェームズ・ステファンはロイヤル・バレエスクールの出身です」

「来るべき『白鳥の湖』では、マリアネラ・ヌニェス、オルガ・スミルノワ、ニーナ・ポラコワが主役を踊る予定で、ナターシャ・マイヤーとニーナ・トノリは代役として練習しています」

ヤコブ・フェイフェルリックについて申し上げますと、彼は非常に才能豊かで、この短期間の間に「ライモンダ」「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「白鳥の湖」に抜擢されました。ノイマイヤーの「アルミードの館」でも主要な役を演じています。私がこれらのダンサーに、どれだけの誇りを感じているか、彼らを日本に連れてくることをどれだけ喜んでいるか、 想像していただけるかと思います」

パトリック・ド・バナエレナ・マルティンは、ダンス界においては異色な位置にいますが、私の大事な友人たちです。パトリック・ド・バナについては、ウィーンで私たちのためにたくさんの作品を作ってくれました。「マリー・アントワネット」などです。今回も、様々な振付作品を皆さまにお楽しみいただけると思います。イワン・ワシーリエフのために振付けた「labyrinth of solitude」という作品は、今回ダヴィデ・ダトが踊るので、そちらにも注目していただければと思います」

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今回のプログラムの魅力について

「私のバレエ人生の中で節目節目となった作品を選んでいます。なかでも「ライモンダ」こちらは私が21歳の時にエトワールに任命された作品です。ヌレエフにより、ニューヨークのメトロポリタン・オペラ劇場で任命されました。今回は第一幕のアダージオを、今回はニーナ・ポラコワとヤコブ・フェイフェルリックが踊ります。この作品に限らないのですが、今回選んだ作品の多くは、かつて私が踊っていた作品を他のダンサーに踊ってもらうということで継承していくことを強く意識しています。」

「また、『マニフィカト』はノイマイヤーが私とシルヴィ・ギエムのために振付けて、フランスのアヴィニョンで初演した作品です。この作品を今回はニーナ・トノリとヤコブ・フェイフェルリックが踊ります」

「私が世界中で何回も踊る機会があった『チャイコフスキーパ・ド・ドゥ』『グラン・パ・クラシック』は、今回は世界的に有名なダンサーたちによって踊ってもらいます」

「また私の芸術監督としての責務と思うのですが、日本の皆さんがご存じではないような新しい振付家、若い振付家を楽しんでもらう機会にします。エドワード・リアン、エドワード・クルグ、ティエリー・マランダン、パトリック・ド・バナ、ジャン=クリストフ・マイヨー、アンドラシュ・ルカクスなどです」

「また、私が振付を手掛けた「海賊」も上演します。中でも有名なオダリスクのパ・ド・トロワですが、皆さまが知っている形態ではなく、音楽をまったく新しい音楽を使ったりして、ウィーンのダンサーたちのために新しいパ・ド・トロワを振付けました。第二幕のパ・ド・ドゥですが、ドリープの曲を使ったコンラッドとメドーラのパ・ド・ドゥとし、こちらはマリアネラとワディムが踊ります。」

「バランシンの『スターズ・アンド・ストライプス』のほか、『ローレンシア』のパ・ド・シスでウィーンのダンサーたちを皆さんのためにお目にかけたいと思います」

「私のための作品として、新しく振付をお願いしたのは、ナタリア・ホレチナです。彼女はジャン・クリストフ・マイヨーとも仕事をしており、ウィーンで私たちのために振付けた作品も好評で、タリオーニ賞を受賞しており、バレエ団のサンクトペテルブルグのツアーでも踊りました。この作品作りは6月以降となりますので、まだ詳しく内容は紹介できないのですが。しかし強い信頼関係にあり、この振付家にお願いできるので素晴らしい作品になるに違いないので楽しみにしてください」

「ローラン・プティの作品を踊ります。イザベル・ゲランと話していたのですが、彼女と私でオペラ座で初演した『アルルの女』を今回踊ります。また、私にとっても彼女にとっても初役となる『ランデヴー』を今回踊ることにしました。」

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フィギュアスケーターの浅田舞さんとルグリ

バレエ経験者でもある浅田舞さんからの花束贈呈と応援メッセージを挟んで、質疑応答。


Q. 今回のガラではルグリさんの世界初演の新作がありますが、この作品にはウィーン国立バレエ団ピアニストの滝澤志野さんが参加されます。彼女の仕事ぶりや新作への期待をお話しください。

「滝澤さんは優れた素晴らしい、そして情熱を持ったピアニストで、常に私のそばにいてくれます。ソロ作品のための曲探しも手伝ってくれました。共に選んだのは、バッハとブゾーニの曲です。今回舞台において私のそばにいてくれる、そして共にこの作品を披露できるということをとても嬉しく思います。この機会に彼女の仕事ぶり、バレエのためのピアニスト、アーティストとしても知ってほしいです。友人として常に私の傍らにいて助けてくれる大切な人です」

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Q. 一線を退かれた後もダンサーとして踊られていますが、今だからこそダンサーとして達することができた境地というのはありますか?

「オペラ座でアデュー公演を行った時、あの時に持てる最大限の力を出し切ったと考えています。もちろんアーティストというのは成熟し続ける、進化し続けるものですが、同時に身体的な変化は来てしまうので身体の状態を常にトップレベルに保つことはできません。今の私と10年前の私とは違います」


Q. ヌレエフ作品の継承ということで、ウィーン国立バレエだけでなく、外部のカンパニーでもヌレエフ作品の指導をされていると思います。ヌレエフ作品を指導されるときに一番ダンサーに伝えたいことは?

「私はヌレエフがパリ・オペラ座の芸術監督だった時、6年間在籍しており、ほとんどのレパートリーを踊る機会を与えられました。また、先ほどお伝えしたように、ハンブルグ・バレエにおいて、ヌレエフ版の『ドン・キホーテ』の振付指導を行いますが、『ドン・キホーテ』においても、ファンダンゴからバジル役までほとんどの役を演じました。そういうわけでヌレエフ作品を熟知しています」

「特に大事にしているのはスピリット、精神性でそれを皆さんに伝えたいと思っています。ヌレエフ作品をどのように踊るのか、彼の作品は踊るのが非常に難しいですが、どのように踊ればいいのか。ウィーンでの試みは成功してきたと思います。ロシア出身のダンサーはヌレエフの踊り方に慣れていません。彼らに、なぜ、独特のパをマスターしなければならないのかということを理解いただき、成功に至ったんだと思います」

「みなさまにお伝えしたいことは、喜びと共に踊ることです。多くのダンサーは、その踊りが大変であるゆえになかなか感情、感動を踊りに込めて伝えることができません。私は逆だと考えています。音をちゃんと理解して、なぜそのパがその音になっているのかということを理解していけば、ロジカルにヌレエフ作品を理解することができます」

「先ほど演目を説明する時に言い忘れてしまいましたが、今回のガラの『白鳥の湖』での黒鳥のパ・ド・ドゥでの曲は、通常皆さんが聴いている曲とは違った曲で、1964年版を使っているので、全く違ったパ・ド・ドゥを見せることになります」


Q. 今回出演するダンサーを選ぶ基準、視点は何でしょうか

「私がバレエ表現において求めているもの、期待しているものを体現してくれるダンサーです。それは、スタイルを大事にすることだったり、音楽性を大事にすることだったり、美意識を持つ、そういうことを大事にしているダンサーたちです。もちろん、それぞれに表現方法は異なります。また個性も異なるダンサーたちですが、私が大好きな人たちであることが共通しています。大好きな人たちだから仕事を一緒にやりたいと思います」

「また彼らは共通して、非常に心の暖かな人たちです。私が仕事をするうえで大事にしているのは、継承するということ、そして友情、愛情です。また彼らが共通しているのは、私自身に夢を与えてくれるダンサーということです。彼らにはひとしく、輝かしい未来が約束されていると思います。


Q. ウィーン国立バレエ団はどのようなバレエ団なのでしょうか

「実際に私が率いているのは二つのバレエ団というか組織で、80人のダンサーがいるシュターツオーパー(国立歌劇場)と、そのほかに、オペレッタも上演し、24人のダンサーが所属しているフォルクスオーパーです。二つの組織を束ねているのでその大変さが少しご理解いただけるかと思います」

「また私たちはレパートリー制を取っていますが、このレパートリーを充実させようとしています。毎シーズンいくつかの新作を作っています。演目数は平均して14~16作品を上演しており、非常に多くの演目をお届けしています」

「私が就任してから、幸いにしてバレエ団は高い評価を得られるようになりました。今まではウィーンと言えばバレエよりオペラの街だったのですが、今日ではお客様にも好評をいただくようになり楽しみにしていただいており、チケットの売れ行きもほぼ100%、皆様に愛されるバレエ団となりました」


最後に、メッセージ。

「私は、あまり大きな声でこれが最後だと申し上げるのは好きではないのですが、自分の年齢を考えるともしかしたらこれが最後になるかもしれません。素晴らしいダンサーたちに囲まれた私の姿を、ぜひ皆さんにも楽しんでいただきたいと思います。なのでぜひ皆さんにご覧いただきたいと思いますし、A,Bと2プログラムありますので、2種類ぜひご覧いただきたいと思います。そうすることで、素晴らしいダンサーたちをお楽しみいただけると思います」


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もしかして、マニュエル・ルグリを踊る姿を観るのが、これが最後の機会になるかもしれません。彼のバレエへの愛、世界最高のダンサーたちやこれからのバレエ界を背負って立つダンサーたちへの愛が込められた素晴らしいプログラム、必見ですね。本当に温かく、少年のようなチャーミングさを持つルグリの舞台、見逃せません。

http://www.legris-gala.jp/outline_tokyo.html

東京公演 

会場:東京文化会館 大ホール

8月22日(火) 18:30~ Aプロ
8月23日(水) 18:30~ Bプロ
8月24日(木) 18:30~ Bプロ
8月25日(金) 18:30~ Aプロ


大阪公演

会場:フェスティバルホール

8月19日(土) 14:00  Aプロ


名古屋公演

会場:愛知県芸術劇場 大ホール

8月20日(日) 17:00 Aプロ

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