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« スヴェトラーナ・ザハロワの公演「Amore」 | トップページ | 横浜バレエフェスティバル2017の演目発表/追記 »

2017/03/16

SWAN MAGAZINE 2017年春号 Vol.47

SWAN MAGAZINE 2017年春号が発売になっています。

http://swanmagazine.heibonsha.co.jp/

毎回、この雑誌はパリ・オペラ座バレエ情報がとても充実しているのですが、今回は特に興味深い記事が多くて、来日公演を振り返ったり余韻に浸るのにもお勧めの号です。

冒頭は、「二人のプリンス、白鳥を語る」と題して、マチュー・ガニオ、そしてジェルマン・ルーヴェのインタビュー。

マチュー・ガニオも気が付けば首席エトワールとなり、ヌレエフ版の「白鳥の湖」を10年間踊り続けていることになります。ヌレエフ版は、他の「白鳥の湖」と違い、王子の心理面を深く掘り下げたバージョンなので、非常に難しいとのこと。また、昨年末の上演では、6回王子役を踊った後、ロットバルト役にも挑戦する予定だったものの、リハーサル中に怪我をしてしまって実際には舞台には立てませんでした。しかし、ロットバルト役をどのように作り上げて行ったかのプロセスについては興味深い話が読めます。ダンスール・ノーブル役で知られるマチューですが、今後はコンテンポラリー作品を踊る比重が高くなってくるそうです。

一方で、昨年末に王子役デビューをして、見事にエトワール昇進(それも飛び級)を果たした新星ジェルマン・ルーヴェ。本当に容姿の美しい、絵に描いたような麗しいプリンスです。エトワール昇進を告げられた時の気持ちなどを語ってくれました。非常に美しいポートレートも掲載されているので、ファンは必見です。

また、「白鳥の湖」特集として、昨年末の上演だけでなく、パリ・オペラ座での歴代の美しい舞台写真が掲載されています。イレール、ルテステュ、エルヴェ・モロー、ル=リッシュ、プラテルなど。


日本で上演された「白鳥の湖」としては、深川秀夫版の「白鳥の湖」と、東京小牧バレエ団の「白鳥の湖」のレビューも。
深川版「白鳥の湖」は、オデットとオディールを別のダンサーが踊り、二人が同時に舞台に立っていることもあるというユニークな演出。コール・ド・バレエの動きも独特で、ドラマティックな演出とのことで、機会があればぜひ観てみたいものです。
東京小牧バレエ団にゲスト出演した、ボストン・バレエの倉永美沙さんのインタビューも興味深い。身長156cmと小柄な彼女が、オデットの存在感を出すためにどのような工夫をしているのか、オデットとオディールの演じ分けなどについて語ってくれていて、これがまた読みごたえがあります。

さらに、オペラ座ファンにとっては懐かしいヤン・サイズ(元スジェ)の講習会レポート、スロベニア国立マリボール劇場の中島麻美さん(昨年のヴァルナ国際バレエコンクールで銅メダル受賞)のインタビュー、山本隆之さん、福岡雄大さん、福田圭吾さんが出演したKバレエスタジオ公演や、NBAバレエ団「スターズ&ストライプス」公演レビュー、がンブルグ・バレエ「大地の歌」のレビューなど、他ではなかなか読めないような記事があって、充実した号となっています。

連載「SWANドイツ編」(有吉京子さん)では、ノイマイヤー振付の「オテロ」に挑む真澄とレオンのエピソードが語られます。実在するバレエ団や振付家、作品が登場するという設定もまたとても面白いもので、この先の展開も楽しみですね。

SWAN MAGAZINE Vol.47
SWAN MAGAZINE Vol.47有吉京子ほか

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