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« 第45回ローザンヌ国際バレエコンクール ファイナリスト | トップページ | レイフ・ファインズ監督、ルドルフ・ヌレエフの伝記映画「The White Crow」 »

2017/02/05

第45回ローザンヌ国際バレエコンクール結果 中尾さん、山元さん入賞

第45回ローザンヌ国際コンクールのファイナルが行われ、結果が発表されました。

http://www.prixdelausanne.org/prize-winners-2017/

1位、コンテンポラリー賞、ベスト・スイス賞 MICHELE ESPOSITO イタリア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 17歳 「ラ・バヤデール」「ニジンスキー」
2位、観客賞 Marina da Costa Fernandes ブラジル(プリンセス・グレース・アカデミー) 17歳 「ドン・キホーテ」 「プレリュードCV」
3位 中尾太亮 日本 (マンハイム・アカデミー) 17歳 「白鳥の湖」「ヴァスラフ」
4位 山元耕陽  日本 (アクリ堀本バレエアカデミー) 15歳 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ヨンダリング」
5位 LAUREN HUNTER アメリカ合衆国 (Peninsula School of Performing Arts)15歳 「海賊」「バッハ組曲2番」
6位 STANISLAW WEGRZYN ポーランド(ミュンヘン・バレエ・アカデミー) 18歳 「ジゼル」「ヴァスラフ」 
7位 DIANA GEORGIA IONESCU ルーマニア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 16歳 「パキータ」「ノクターン」
8位 SUNU LIM 韓国 (Sunhwa Arts School )17歳 「ジゼル」「Wrong Note Reg」
ヌレエフ財団賞 16歳 DENILSON ALMEIDA ブラジル(Petite Danse School of Dance) 「コッペリア」「ヴァスラフ」

ファイナルの動画
http://concert.arte.tv/fr/finale-du-45eme-prix-de-lausanne?language=jp

1位のミケーレ・エスポジートは、イタリア人ですがチューリヒ・ダンスアカデミーの生徒ということでベスト・スイス賞も受賞。「ラ・バヤデール」のソロルも素晴らしかったですが、とにかく「ニジンスキー」の情熱的で入魂のパフォーマンスが圧倒的で、セミファイナルの時から注目していました。

2位のMarina da Costa Fernandesは、手脚が長くて甲がよく出ており、キトリのエシャッペがとても映えてていました。技術も強く華があり、観客賞も納得です。

3位の中尾さん、白鳥の王子は貴公子でした。トゥールザンレールの着地が柔らかくてきれいな5番、脚のラインも美しかったです。

4位の山元さんは、常連アクリ堀本バレエアカデミーの生徒さん。年齢も若くこれからのところもありましたが、「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のピルエットには驚かされました。「ヨンダリング」が表現力があり良かったです。

5位のローレン・ハンターはちょっとノーマークでしたが、バッハ組曲2番は音楽性豊かでとても良かったです。

6位のSTANISLAW WEGRZYNは、ジゼルのアルブレヒトがロマンティックで端正でした。「ヴァスラフ」を踊ったファイナリストは多かったのですが、彼がその中では一番良かったかもしれません。

7位 DIANA GEORGIA IONESCUは金髪の大人っぽい美人さんで、「パキータ」のヴァリエーション、きれいでした。

8位 SUNU LIMはアルブレヒトも良かったですが、ノイマイヤーの「Wrong Note Reg」が音楽性豊かで、難しい振付を軽やかにこなしていて印象的でした。

入賞しなかったのですが、中国のFANG QI LIは非常にプロポーションが美しく、格調高い「パキータ」のエトワールのヴァリエーションに魅せられたので、クラシックの時点では入賞するかなと思ったのです。コンテンポラリーが少し弱かったのかもしれません。

バレエ、中尾さん3位
山元さん4位、ローザンヌ国際
http://www.47news.jp/news/2017/02/post_20170205000608.html

ローザンヌ国際バレエコンクール 日本人2人が入賞
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170205/k10010865361000.html

バレエ中尾さん、地元松山で祝福 けが乗り越え快挙
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017020501001062.html?ref=rank

ローザンヌ国際バレエ 日本人2人が入賞
http://www.news24.jp/articles/2017/02/05/10353318.html

バレエコンクール、特にローザンヌ国際バレエコンクールの話題はこのブログでも非常に人気が高くて、アクセスもとても多いのです。日本人ダンサーのレベルの向上は素晴らしく、今回のファイナリストを見てもわかる通り、体型や容姿、表現力でも欧米に引けを取らないダンサーも出てきました。しかし、日本からの応募がこれだけ多いというのは、才能あるダンサーは海外で学ばないとバレエダンサーになるのは難しく、またバレエダンサーとして食べていくことも難しいという事実の反映でもあります。実際セミファイナリストのリストを見ても、すでに海外のバレエ学校で学んでいる人も多いのです。

ローザンヌ国際バレエコンクールが素晴らしいのは、教育、育成目的のコンクールであり、受賞するということは単なる一つの通過点であり、スカラシップを授与することが賞品となっていることです。賞を取ることは目的ではなく、賞を取る、参加することでダンサーとなる出発点にようやく立てたということです。

セミファイナリストとなると、数日間にわたって一流の教師陣(今年は、モニク・ルディエール、パトリック・アルマン、ヨハン・ステグリ、ディディ・ヴェルドマンなど)に教えを乞うことができ、また世界中から集まった若いダンサーや、バレエカンパニーの関係者と交流できます。これらの貴重な経験は、何事も代えがたいものでしょう。

今年は、ジョン・ノイマイヤーが長年のローザンヌ国際バレエコンクールへの貢献をたたえられ、ライフタイム・アチーブメント・プライスという賞を授与されました。数年前にもありましたが、今年もコンテンポラリーのヴァリエーションがすべてノイマイヤーの作品だったので、出場者たちは彼の作品を、ハンブルグ・バレエ出身で彼の作品を知る教師たちから学ぶという経験を得ることができたのです。授賞式の前にノイマイヤーのスピーチがありましたが、出場者全員にスカラシップを挙げたいほどだと彼は語りました。ここにたどり着いたこと自体が素晴らしいということです。また、他の審査員も、「誰もがウィナーです」と語っていました。

たとえファイナルには到達できなくても、入賞できなくても得られる経験は大きいということです。また、ローザンヌ国際バレエコンクールはネットワーキングフォーラムがあり、ファイナリストでなくとも、様々なバレエ学校やカンパニーの人達に会い、踊りを見てもらい、スカラシップを獲得するチャンスがあります。

日本でもバレエコンクールは花盛りですが、ローザンヌ国際バレエコンクールのように育成、教育を目的としたコンクールがあるといいと思います。(実際にはあるのかもしれませんが) チャコットやアトリエヨシノがローザンヌ国際バレエコンクールのスポンサーとなっていることは素晴らしいことですが、日本国内でもこういうことができるといいですよね。

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バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

Naomi様

 今年のローザンヌ、素晴らしかったですね。一位のエスポージトさんのニジンスキー、私も大感激でした。何て言いますか、ノイマイヤー先生の作品って、観客に「変態だ~!」って思わせなきゃ成り立たないところがあるようで…。彼は見事でした。
 山元君のヨンダリングも思春期の少年のソフト変態の叙情が感じられ、何だか病みつきになりそうです。ノイマイヤー先生が「順位なんかつけられない、みんなに賞をあげたい」と目を赤くしておられましたが、本当にそう思います。ノイマイヤー先生、この1週間は本当に幸せでいらっしゃったのではないでしょうか。

 バレエの将来を思うたくさんの人の熱意に支えられ、毎年すぐれたダンサーを世に出すべく開かれるこのコンクール。今年の審査委員長は英国ロイヤルの芸術監督、ケヴィン・オヘアでした。
 優れた外国人ダンサーを集め、世界を代表するバレエ団となったロイヤルですが、今はBrexitの影響をまともに受け、難しい時期を迎えているように思います。一般の企業ですら、外国人をどのくらい雇用しているか、その割合を報告せよ、と言われているらしいので、ましてや税金で運営されているであろうロイヤルバレエ団に対するしめつけは厳しいものがあろう、と思います。
 そんな中でローザンヌコンクールの重要なスタッフの一員として、ケヴィンが感じたものは大きかったと思います。

 私はグローバリズムがどこまでも伸張してよいとは思いませんし、国民国家は今でも欠くべからざる単位だと思っています。ですが、それが世界の発展を阻害するナショナリズムになってしまうのは、危険だと思うのです。

 芸術はそんな中でも国境を越えていきやすい、人々を結びつける存在だと思います。言い換えれば、その芸術まで、「無駄使いだ」と切り捨ててしまったり、「英国の税金を使っているんだから英国人のみを雇用すべきだ」となってしまったら、この世の中は本当に危険になって行くのではないでしょうか。

 都さんと踊っていた頃のケヴィンは髪のふさふさした美少年でした。それがロイヤルの芸術監督就任時には年と共に毛髪が後退し、今ではすっかり数が減ってケヴィン改めチャヴィン・オヘアに…。苦労されているのだと思います、本当に。

 でも、ここでもうひとふんばりしてもらいたい。ナショナリズムの嵐が吹き荒れる中で平野さんや高田さんをプリンシパルに指名し、木下工務店の社長さん(スポンサー?)をロイヤルバレエスクールに連れて来たりしている粘りをいっそう発揮してもらいたいです。がんばれ、ケヴィン!英国ロイヤルがふんばれれば、他のバレエ団も大丈夫。

 ところで、USAのローレン・ハンターさん、私は最初から大のお気に入りでした。可愛いんですよ。それにアピール力があるし。彼女も楽しみです!

    MIYU

 

MIYUさん、こんにちは。

おっしゃる通り、ミケーレ・エスポージトの「ニジンスキー」圧巻でしたね。17歳の若者がこれだけの表現力があったのが凄いです。山元さんの「ヨンダリング」、自分によく合った演目を選んでいて抒情的で素敵でしたね。ノイマイヤーのスピーチも感動的でした。ライフタイムアチーブメントアワードのプレゼンターを務めたアレッサンドロ・フロラは美少年でしたね。

「 芸術はそんな中でも国境を越えていきやすい、人々を結びつける存在だと思います。言い換えれば、その芸術まで、「無駄使いだ」と切り捨ててしまったり、「英国の税金を使っているんだから英国人のみを雇用すべきだ」となってしまったら、この世の中は本当に危険になって行くのではないでしょうか。」
本当にその通りだと思いますね。英国ダンスアワードの発表が今日ありましたが、ノミネートされた人たちの半分以上が英国以外で、非常に多くの国の出身であること、このダイバーシティが素晴らしいと述べられていました。様々な国の人たちが集まっているからこそ、英国のダンスシーンは非常に活発だということですよね。

ローレン・ハンターさん、おっしゃる通り本当に可愛らしいです!若いのでこれから期待できますよね。

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