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« イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の来日公演 2017年7月 | トップページ | ジェルマン・ルーヴェが、パリ・オペラ座バレエのエトワールに任命 »

2016/12/29

映画『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』公開中

240年の歴史を持つイタリア・ミラノの名門歌劇場・ミラノ・スカラ座を捉えたドキュメンタリー映画、『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』が12月23日よりBunkamuraル・シネマで公開中です。

http://milanscala.com/

シーズン開幕を控え、公演のリハーサル風景や舞台装置などを準備するスタッフの様子、オペラハウスの外部と豪華絢爛な内部、歌劇場の構造設備などが映し出されるほか、スカラ座とゆかりのある演出家、指揮者、歌手や劇場スタッフなどへのインタビューやアーカイブ映像を中心に、歴史的な瞬間やスカラ座にかかわった人々のドラマによる再現映像なども交えて紹介していきます。イタリア・オペラの代名詞であり、数々の名オペラが誕生したこの偉大な劇場の全貌が徐々に明らかになっていき、イタリア・オペラの歴史=ミラノ・スカラ座の歴史と言っても過言でないことがこの作品を通してうかがえます。

この映画を観ることによって、イタリア・オペラの歴史を数々の名演の抜粋や偉大な芸術家のインタビューを通して学ぶことができるので、オペラについてこれから知りたいという人にとっては、イタリア・オペラ入門編として最適の作品です。

特に印象的なエピソードとしては、指揮者ダニエル・バレンボイムが語った「”マリア・カラスが歌った場所で私など歌えない”とここに来る歌手は不安になる。だれもがその恐怖を押さえられるわけではない」という言葉。スカラ座という場所の持つ重みを感じさせます。また、ミレッラ・フレーニはゼフィレッリ演出の『ラ・ボエーム』でミミ役を歌った時、「カラヤンが舞台に上がってきて、泣きながら私にキスしてこう言ったの、”私が涙を流したのは母が死んだ時以来だよ”」と言われた想い出などがあります。これがカラヤンとフレーニの長年の協力関係の始まりでした。

ミラノ・スカラ座のシーズン開幕というのはオペラ界だけでなく、ミラノという街、そこに住む市民にとっても特別なイベントであるということもうかがえます。ワクワクと初日を楽しみに待つのは、オペラファンや出演者、関係者だけでなく、一般の市民も同じ。スカラ座は、ミラノ市民によって愛され、支えられてきたのがわかります。

インタビューには指揮者のリッカルド・ムーティ、ダニエル・バレンボイム、テノール歌手のプラシド・ドミンゴ、バレエ・ダンサーのロベルト・ボッレ、アレッサンドラ・フェリらのスーパースター、そして現総裁のアレクサンダー・ペレイラなど劇場幹部らが登場します。また、映画の中で、マリア・カラス、ルキノ・ヴィスコンティ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラス、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ルドルフ・ヌレエフ、アルトゥーロ・トスカニーニ、アレッサンドラ・フェリ、クラウディオ・アバドらの舞台上、もしくはインタビューなどの姿が捉えられています。一方で、新人のスタッフなどオペラへの夢を抱いてここを支える人々が地道に働く様子も映し出されています。

貴重な歴史的な名演などの映像も多数観られます。ミラノ・スカラ座は、オペラが中心なのですが、バレエについても長い歴史と伝統を誇っています。往年の名花カルラ・フラッチが、ミラノ・スカラ座バレエにも数多く出演したルドルフ・ヌレエフとの思い出を語り、ヌレエフが踊る映像も登場します。また、最近舞台復帰を果たしたアレッサンドラ・フェリはバレエ学校時代のことなども語ります。アレッサンドラ・フェリとロベルト・ボッレが共演したノイマイヤー振付「椿姫」の映像も登場します。ボッレは、スカラ座のゼッフィレッリ演出『アイーダ』に出演した時の筋骨たくましい姿の映像も。

日本との関係も語られます。特に日本においては、スカラ座はイタリア・オペラの殿堂として高い人気を誇っています。このドキュメンタリーの中では、NBSの故佐々木忠次氏が、どうしてもミラノ・スカラ座を招聘したいとして20年間もかけてようやく来日引っ越し公演を実現させたというエピソードが語られています。(この顛末については、詳しくは評伝「孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人」(追分日出子著)に書かれています)

オペラについてはほとんど初心者の私でも、大変面白く観ることができました。幸運にもミラノ・スカラ座で2度公演を観ることができています。一度目は、ロベルト・ボッレが主演した大晦日の華やかな『チャイコフスキー・ガラ』、そして二度目はプラシド・ドミンゴ主演の『シラノ・ド・ベルジュラック』です。そこでの体験も、まさに「魅惑の神殿」での思い出深い一夜でした。


『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』

2016年12月からBunkamuraル・シネマほか全国で公開

監督:ルカ・ルチーニ
出演:
ダニエル・バレンボイム
リッカルド・ムーティ
マリア・カラス
ルキノ・ヴィスコンティ
プラシド・ドミンゴ
ルチアーノ・パヴァロッティ
ホセ・カレーラス
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ルドルフ・ヌレエフ
アルトゥーロ・トスカニーニ
ロベルト・ボッレ
アレッサンドラ・フェリ
クラウディオ・アバド

配給:コムストック・グループ

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コメント

ご存知だったら失礼!:

https://www.youtube.com/watch?v=1GYp7jLy9_4

こんにちは。面白そうですね。スカラ座はバレエでもオケと音響がいいですよね。うっとりしてしまいます。パリオペの手抜き演奏の後に聴くと差が際立つ感じ(笑)
そういえば、BBCのドキュメンタリーが面白かったです。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b086kdzl
ダイバーシティーを大切にするカンパニーが伸びることを感じました。

fifiさん、こんにちは。

おへんじがおそくなってごめんなさい。
お知らせありがとうございます!エトワール任命は知っていたのですが、その動画には気が付いていませんでした。ありがとうございます。久々の飛び級任命で、若く美しいエトワールの誕生ですね。

junさん、こんにちは。

スカラ座現地はそういうわけで2回しか行ったことがないのですが、やはり演奏も音響も素晴らしかったです。オペラ座は、コロンヌとかが入ってしまうとだめですね~。

BBC、日本では残念ながら視聴できないのです。Holaなどを使っても、BBCと契約自体をしていないと観られなくなってしまったようで。日本でもクラシカあたりで放送してくれると良いのですが…。

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