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2016/10/20

イヴェット・ショヴィレが99歳で逝去

フランスが生んだ20世紀最高のプリマ・バレリーナの一人、イヴェット・ショヴィレが99歳で亡くなりました。フランス人で唯一プリマ・バレリーナ・アッソールタの称号を持つ伝説のバレリーナでした。

http://www.lefigaro.fr/culture/2016/10/19/03004-20161019ARTFIG00350-disparition-d-yvette-chauvire-etoile-absolue.php

http://mobile.nytimes.com/2016/10/20/arts/dance/yvette-chauvire-dead.html

1917年に生まれたイヴェット・ショヴィレは、10歳からパリ・オペラ座学校で学び、ボリス・クニアセフとヴィクトール・グソフスキー(「グラン・パ・クラシック」の振付家)に師事。そののち、セルジュ・リファールにも師事します。学校時代からオペラ座の舞台に立っていますが、1934年にパリ・オペラ座バレエに入団します。1937年には映画『白鳥の死』に出演、1941年にエトワールに任命されます。リファールの代表作『白の組曲』(1943年)を彼女は初演しています。

リファールはナチスに協力した容疑で第二次世界大戦後、一時的にオペラ座を追放されますが、その時ショヴィレも一旦オペラ座を離れ、モンテカルロで踊ります。のちに復帰。1949年には師グソフスキーの「グラン・パ・クラシック」を初演します。ミラノ・スカラ座、ロイヤル・バレエでも踊りました。

中でも当たり役は「ジゼル」で、1949年に初めて踊り、1972年にこの作品でパリ・オペラ座を引退するまで「ジゼル」の第一人者と呼ばれていました。(1956年に退団していますが、引き続き72年までゲストとして出演しています)特に若い頃のルドルフ・ヌレエフは彼女を崇拝しており、彼はショヴィレより20歳若かったのですがロイヤル・バレエで共演が実現しています。「瀕死の白鳥」の名演でも知られていました。知的でニュアンスを大切にし、情感豊かに役を踊るダンサーでした。フランスのエレガンスとモダンを象徴する存在でした。

パリ・オペラ座学校で学んだショヴィレは、フレンチスタイルの神髄と評されましたが、バレエ・リュス出身のリファールに師事し、またボリス・クニアセフとヴィクトール・グソフスキーもロシア人であるため、ロシア・バレエの影響も受けています。彼女の伝記を書いたジェラール・マノニに、パリ・オペラ座学校はイタリア人教師が多かったためイタリアン・スタイルの影響が大きく、フレンチスタイルの最良の部分を受け継いでいるのは実はロシア・バレエだと語っていました。

1961年には、世界で最もエレガントな女性10人のうちの一人に選ばれ、セシル・ビートンのモデルとなり、また多くの雑誌の表紙を飾るなど、押しも押されぬ国際的な大スターでした。その美貌と優雅さで、映画や舞台の世界でも活躍しました。

1985年には、ドミニク・ドルーシュがドキュメンタリー「Yvette Chauviré, une étoile pour l'exemple」(Yvette Chauvire: France's Prima Ballerina Assoluta)を監督しています。ショヴィレがゲラン、ギエム、ルディエール、カルフーニ、モーラン、ピエトラガラらを指導している映像が収録されています。この時60代後半ですが、その年齢でもスターの輝きがあり非常に美しくエレガントな姿を見せています。

1988年にパリ・オペラ座バレエがニューヨークで、当時芸術監督を務めていたヌレエフのためのガラを開催した時、カーテンコールで彼は二人のバレリーナを伴っていました。マーゴ・フォンテーンとイヴェット・ショヴィレです。フォンテーンはヌレエフがロイヤル・バレエで多く共演し、伝説のパートナーシップを築いたパートナーでした。一方、ショヴィレはヌレエフにとって憧れのアイドルだったのです。

引退後は1960年代にパリ・オペラ座学校の校長などを務め、最近まで教師として活躍していました。マリー・クロード・ピエトラガラには「二羽の鳩」、シルヴィ・ギエムには『白の組曲』のシガレット、そのほかモニク・ルディエール、エリザベット・モーラン、イザベル・ゲラン、ドミニク・カルフーニといったエトワールたちにその芸術を伝えました。カルラ・フラッチとパトリック・デュポンにも「ジゼル」を教えている映像があります。ショヴィレのバレエは、パリ・オペラ座バレエの神髄として、後進に脈々と伝えられています。

ショヴィレの伝記の中で、印象的な話があります。「ジゼル」の狂乱シーンについて、彼女はそれは一般的な狂気ではない、としています。アルブレヒトが自分を欺いていたことにジゼルが気が付いた時、「彼女は突然年老いて、別の世界へと落ちていきます。狂気ではなく、奇妙な感情の海の中へと落ちて行くのです」

伝説的なバレリーナがまた一人この世を去りました。

イヴェット・ショヴィレの踊る「瀕死の白鳥」

ショヴィレがヌレエフ、そしてシリル・アタナソフと踊る「ジゼル」

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イヴェット・ショヴィレも、この本の中で紹介されています。

偉大なるダンサーたち ~パヴロワ、ニジンスキーから、ギエム、熊川への系譜~偉大なるダンサーたち ~パヴロワ、ニジンスキーから、ギエム、熊川への系譜~
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