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« 第5回上海国際バレエコンクールの結果 | トップページ | 7/21、22(朝)新国立劇場バレエ団『こどものためのバレエ劇場「白鳥の湖」』 »

2016/08/17

8/7 横浜バレエフェスティバル2016

昨年の横浜バレエフェスティバルは素晴らしい公演だった。今年も引き続き、ここでしか観られないような作品やこれからのホープに出会えて、楽しめてバレエの未来にも想いを馳せることができる、気持ちの良いパフォーマンスの揃った素敵なガラだった。

http://yokohamaballetfes.com/

昨年の出演者のうち、オーディションで選ばれた永久メイさんはマリインスキー・バレエのファテーエフ芸術監督に見込まれて今年のマリインスキー国際フェスティバルの「ラ・バヤデール」にゲスト出演し、マリインスキー・バレエに入団することが決定。
また、同じくこのガラに出演して「ジゼル」を踊ったロイヤル・バレエの高田茜さんが、晴れてロイヤル・バレエのプリンシパルに昇進した。それだけ、このガラの芸術監督である遠藤康行さんの目利き力が優れているということである。


今年は、オーディションでは中島耀さん(シンフォニーバレエスタジオ)、縄田花怜さん(梨木バレエスタジオ)が選ばれて出演。二人とも、大変注目されているバレリーナの卵でこれからの飛躍が期待される。

エトワール・ガラ最終日との掛け持ちをしようとしたら、思ったよりエトワール・ガラの公演時間が押してしまい、終わってすぐに横浜に移動したものの第一部には間にあわなかった。しかし第2部、第3部の内容が非常に充実していたので、大満足の公演となった。


◆【第2部】 World Premium 1
■新作「Measuring the Heavens」 振付:高瀬譜希子
高瀬譜希子
演奏:佐藤健作

ウェイン・マクレガーのカンパニーで活躍し、ユニクロのダウンのCMや、トム・ヨークと共演したプロモーションビデオでも知られている高瀬譜希子さん。この高瀬さんが、和太鼓の佐藤健作さんの演奏による新作を発表したのだけど、彼女のダンスのものすごさをライブで実感してしびれた。驚くべきしなやかさ、強靭さ、表現力と鮮烈な個性。今まで観たことがない存在感。第2部が終わった後ロビーに本人が現れたのだけど、舞台上ではとても大きくダイナミックに見えたのに、実物は意外にも小柄で華奢だった。顔が小さく手脚が長いので長身に見えたのだった。日本ではまだ踊る機会があまりなかった、こういう国際級に凄い人を見せてくれたのがとても嬉しい。

なお、高瀬さんは、来年2月にパリ・オペラ座バレエで上演されるウェイン・マクレガー振付「Tree of Codes」(ウェイン・マクレガーカンパニーとの合同公演)に出演する予定。


瀕死の白鳥
倉永美沙(ボストン・バレエ団)

エトワール・ガラ最終日でドロテ・ジルベールの踊る「瀕死の白鳥」も観たので、今日で2回目の「瀕死の白鳥」。ワガノワ出身、ウクライナのドネツク・バレエで踊っていたボストン・バレエのバレエ・ミストレス、ラリッサ・ポノマレンコ直伝の倉永さんの白鳥はロシア的で、繊細で詩的、ゆったりとしたポール・ド・ブラ、さざ波のようなバ・ド・ブレ、正統派でリリカルで美しかった。死と闘うのではなく、気高くて死の運命を受け入れるような。

■新作「SOLO²」 振付:遠藤康行
みこ・フォガティ
二山治雄(白鳥バレエ学園)

若い二人のために遠藤さんが振付けた愛らしく音楽的な小品。のびのびと踊る二人が初々しい。二山さんの柔軟性、そして浮かび上がって静止するような跳躍は、一瞬目を疑うほど圧倒的。


Lilly 振付:+81
柳本雅寛(+81主宰)
青木尚哉

2011年の震災チャリティ公演「オールニッポンバレエガラ」で上演された作品の再演。コント的な要素が強くてユーモラスな+81の世界再び。絶妙の間が笑わせてくれるコントではあるけど、身体能力の優れた二人の男性ダンサーが組んでのパ・ド・ドゥもあって見ごたえたっぷり。音楽もなくて台詞もないやりとりの場面でも、絶妙なおかしみの中にダンスがある。


「ライモンダ」第1幕より夢のパ・ド・ドゥ ヌレエフ版
米山実加 (ボルドー・オペラ座バレエ団)
高岸直樹(元東京バレエ団)

ヌレエフ作品の権威であるシャルル・ジュドのボルドー・オペラ・バレエの米山実加さん、そして高岸さんによる『ライモンダ』。ヌレエフ版ならではのゴージャスな衣装と典雅さ。夢のパ・ド・ドゥなのでそれほど派手さはないシーンなのだけど、難しいリフトもスムーズなのはさすがの高岸さん。米山さんも、この華麗なコスチュームに負けないプロポーションの良さと気品、長く美しい脚で作品の世界観をしっかりと伝えてくれた。

◆【第3部】 World Premium 2

■新作「埋火 UZUMIBI」 振付:遠藤康行
米沢唯(新国立劇場バレエ団)
遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ 振付家)

遠藤さんがこのガラのために振付けた新作2作品目。クラシック作品の印象が強い米沢唯さんが、クールでスタイリッシュ、それでいて官能性も漂わせた作品に挑戦。身体能力の高さ、美しさの中にも現代性があって新しい彼女の魅力を見せてくれた。こういう、男女の駆け引きや感情も絡めた大人っぽい作品を踊る米沢さんをもっと観たいと切に思う。


ヴァスラフよりソロ 振付: ジョン・ノイマイヤー
菅井円加(ハンブルク・バレエ団)

菅井円加さんも、とてもテクニックと柔軟性に優れているダンサーで、ノイマイヤー独特の舞踊言語もしっかりと自分のものにしていることを感じられた。短めのソロの中でも、作品の中にある精神性を伝えようとしているのがわかるけど、もう少し長く観ないと流石に伝わらない感じではあった。


「エスメラルダ」よりダイアナとアクティオンのグラン・パ・ド・ドゥ
近藤亜香(オーストラリア・バレエ団)
チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ団)

世界有数のトップバレエカンパニーのプリンシパルであるペアだけあって、見せどころをしっかりと押さえていて客席を沸かせてくれた。特に、学生時代に「小さな村の小さなダンサー」で主人公の少年時代を演じていたチェンウ・グオの跳躍は、目を瞠るほど高くてダイナミック。コーダの540の3連発も大迫力だった。近藤さんも技術がとても高く、きっちりと見せているだけでなく華やかさもあった。オーストラリア・バレエ、そろそろまた来日してほしいと思う。


ロメオとジュリエットより死のパ・ド・ドゥ 振付:アンジェラン・プレルジョカージュ
津川友利江(バレエ・プレルジョカージュ)
バティスト・コワシュー(バレエ・プレルジョカージュ)

このガラのハイライトといってもいい、打ちのめされるような圧倒的なパフォーマンスだった。プレルジョカージュの『ロミオとジュリエット』は、階級差によって結ばれない男女の悲劇を描いた作品で、世界バレエフェスティバルのガラ公演でオーレリー・デュポンとローラン・イレールが踊ったのを観たことがある。今回は、最後の墓所でのシーンで、暴力的な中に悲痛な感情の生々しい炸裂があって鮮烈だった。パートナーを文字通り投げ飛ばす作品の力も強いけど、少女のようなイノセンスを漂わせた津川さんの叫び声が聞こえてくるような表現力、見事だった。一シーンだけだったのに全幕を観たように感情が揺り動かされた。津川さんが日本で踊るのは11年ぶりとのことだけど、これからもっと観られるといいな。


(このシーンは含まれていなけれど、津川友利江さんとバティスト・コワシューが主演している映像)


「くるみ割り人形」第2幕より金平糖の精と王子のグラン・パ・ド・ドゥ
倉永美沙(ボストン・バレエ団)
清水健太(ロサンゼルス・バレエ団)

トリにふさわしい華やかな「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥ。倉永さんの金平糖はキラキラ輝き、一つ一つの動きから音符が見えるようで軽やかなこと。小柄な彼女なのにその小ささは感じさせず、手脚も長く見える。コーダで見せた回転などスーパーテクニックの煌めきは、まさにプリマ・バレリーナ。清水さんもきっちりと5番に綺麗に着地して、初めて組んだというのにとても良いパートナーシップだった。

フィナーレは、「オールスター・バレエ・ガラ」と同じくテーマとヴァリエーションの音楽に乗って、出演者がそれぞれテクニックを披露してくれた。ここでの二山治雄さんの踊りが凄かった。マネージュでの脚の開きは200度くらいあって、前脚が完全に上を向いているし、重力など存在しないかのようにふわっと浮かび上がり静止する瞬間がある。オーストラリア・バレエのペアも、ここで魅せてくれた。


オーディションで選ばれたバレリーナの卵から国際コンクール入賞者の若手、グローバルに活躍するスター、そして独特の世界を築いているダンサーたちまで人選も演目も個性的で見ごたえがあり、とても充実した公演だった。現代作品も多いけど、バレエ/ダンスにそれほど詳しくない人でも楽しめただろうと思う。

来年の第3回目は6月の公演となり、プログラムもAプロ・Bプロの2公演行われるとのこと。今後も続けられるというのは素晴らしいこと。2公演あるということは、さらにいろんな作品が見られそうなので楽しみ。

2017年6月9日(金)夜開演
横浜バレエフェスティバルAプログラム
2017年6月10日(土)午後開演
横浜バレエフェスティバルBプログラム


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