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« オニール八菜さんのロングインタビュー | トップページ | 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17 開催決定 »

2016/06/25

エトワール・ガラ2016、バンジャマン・ペッシュのトークイベント

今年の8月に開催される「エトワール・ガラ2016」のプロモーションのために、このガラのアーティスティック・オーガナイザーであるバンジャマン・ペッシュのトークイベントが開催されました。

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オペラ座さよなら公演を振り返る

バンジャマン・ペッシュは、今年の2月20日にパリ・オペラ座での定年を迎えてのアデュー公演を行いました。その様子がテレビ放映された時の映像がモニターで上映されて、来場者と共に見たペッシュ。

「過去を振り返らないタイプなので、複雑な思いがあります。オペラ座には、バレエ学校を含めると32年間在籍しましたが、今映像を見て、その時の感覚が鮮やかによみがえっています。あっという間の一晩でした。(今映像を見たことで)再び接続されて不思議な気持ちです」

「エトワールのアデューの演目は、そのシーズンの演目の中から、ディレクターの許可を得て演目を選びます。今シーズンはミルピエが組んだ最初のシーズンだったので、踊ったことがない作品がたくさんありました。ジェローム・ロビンスとは様々な仕事をして、クリエーションもしており、関わり合いがある振付家です。『イン・ザ・ナイト』はエトワールに昇進した最初のころに踊りました。また、『ル・パルク』は大きなけがをする前に踊った思い出深い作品です」

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「また、アデュー公演では、ジェローム・ベルの『Tombe(墓)』という創作を踊りました。これは、一般の人を舞台に上げるというコンセプトで、長年のファンだった女性が登場するのですが、病気で入院してしまったのでビデオで登場しました。舞台の側から観客の側に替わっていくという、観客との美しい関係性を描いた作品です。私もオペラ座を引退することで観客の側に移っていくわけです」

「『ル・パルク』で共演するエレオノラ・アバニャートは、芸術的な兄妹のようなものです。二人だけの分かり合えるものがあり、相乗効果を作ることができる人です。彼女となら、一人ではできないこともできます」

「23,4年に渡るキャリアを一つの瞬間にまとめるのは難しいです。エトワールの任命、パートナーと交わした視線、舞台裏のことなど数えきれません。その中でも、ヒューマンなものが私の中には残っています」

オペラ座の中での変化について

「多くの芸術監督の下でキャリアを積んだのでたくさんの変化がありました。入団した時の芸術監督はパトリック・デュポンで、次のブリジット・ルフェーブルは22年間芸術監督を務めました。彼女はレパートリーを拡張し、トリシャ・ブラウン、ピナ・バウシュ、マース・カニンガムなどの現代作品を取り入れ、パリ・オペラ座に新しい美学、アイデンティティを確立しました。バンジャマン・ミルピエの就任でまた新しい変化が起きました。彼自身が振付家であるし、アメリカ的な振付が上演されるようになり、振付の言語が多様化しました」

「エトワール・ガラ」も13年

「エトワール・ガラの1回目は2005年ですが、こんなに続くとは思っていませんでした。プロジェクトの準備は2003年からなので、もう13年にもなります。様々な要因があって続けてこられました。ダンサー、作品、振付家などの選択が評価されていたと思います。Bunkamura、フジテレビ、観客の皆様の支援、どれが一つでもかけていたら今のような状態にななっていないし、続けていくエネルギー、勇気がなかったでしょう。たくさんのことを犠牲にして、努力しましたし、12人のダンサーたちをまとめ上げていくのは大変でした。すべての要因が合わさったことで、今も続けてこられました」

プログラム作りの秘密は?

「エトワール・ガラのコンセプトはシンプルですが、たくさんのアイディアを持っていって、ダンサーに何を踊りたいか、日本で見せたいものは何か、新しいもの、日本のファンが観たことがないもの、好きなものなどを聞いて行きます。アーティスティック・オーガナイザーとしてのビジョンも求められます。今回は、リアム・スカーレット振付の新作も上演しますが、自分のアイディアがダンサーに受け入れられることで、上演することができています」

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出演ダンサーを選ぶポイントは?

「良いプログラムを実現するのにダンサーはとても大事で、特に未来のエトワールを紹介するのは大事なことです。一つの通過点という場にしたいです。ジェルマン・ルーヴェやレオノール・ボラックは日本の皆さんに紹介したいと思ったダンサーです。そしてユーゴ・マルシャン。(ここでマルシャンの踊る『ダンシス・アット・ア・ギャザリング』の映像を観る)映像でさえ明らかですが、フランス的なスタイルを持っています。エレガンス、純粋さ、気品。真珠のようなダンサーです。ジェルマンもレオノールもこれからの二人ですが、素晴らしいダンスが踊られることでしょう。彼らはオペラ座の未来を担っています。彼らを紹介するのも私の役割です。」

「私は21歳くらいの時から、マニュエル・ルグリの座長公演に加えてもらっていました。そのことで多くのことを学びました。だから、未来の才能である彼らに、機会を与えたいと思っていますし、日本の皆さんに見てもらうことが私の仕事だと思っています」

『ロミオとジュリエット』は3組のペアが別々のシーンを踊る

「今回はヌレエフ版『ロミオとジュリエット』を、三組のダンサーが踊ります。『ロミオとジュリエット』はフレッシュな作品で原作では15歳のカップルが主人公です。マドリガルのパ・ド・ドゥはルーヴェとボラックの若いペア、バルコニーシーンはドロテ・ジルベールとマルシャン、そして寝室のパ・ド・ドゥはアマンディーヌ・アルビッソンとマチュー・ガニオです。違う年齢、段階のダンサーを見せることで、アーティストの成熟、キャリアを見せることができますし、三者三様の踊りを観てほしいと思います」

怪我人による急なキャスト変更の対応

「怪我などでダンサーが出演できなくなることには慣れっこになってきました。怪我はダンサーのキャリアの一部となっています。今回は残念ながらエルヴェ・モローが怪我のために来日できませんでした。エルヴェからは、「くれぐれも皆さんによろしく、ガラの成功を祈る」というメッセージを預かっています」

「トラブルに負けてはいけません。そして代役のダンサーを追加するときに、別のエトワールを補充するのではなく、皆さんが初めて観るダンサーを招きたいと思いました。彼らのフレッシュな若さを楽しんでいただけると思います」

出演ダンサーの紹介

(一人一人、出演ダンサーを紹介していきます)

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シルヴィア・アッツオーニアレクサンドル・リアブコは2005年よりコラボレーションしてくれています。ノイマイヤーの下で素晴らしいキャリアを築いてきました。

エレオノラ・アバニャートも、最初から参加してくれています。今はローマ・オペラ劇場バレエの芸術監督も務めており、芸術的でビジョンを持っている人です。

アマンディーヌ・アルビッソンローラ・エケは前回からの再びの参加です。彼らの進歩を連続性の中で見てもらいたいです。

ドロテ・ジルベールマチュー・ガニオは言うことなしの二人です。成熟の真っただ中におり、すべて理解できるし何でもできます。身体的にも恵まれていてエトワール・ガラにふさわしい二人です。

ユーゴ・マルシャンは、本当に参加してほしいダンサーでした。成熟してきて、安定感も増してきました。彼にさらなる自信、芸術性を与えたいと思っています。ウェイン・マクレガー振付作品でも強い印象があります。

マクレガーの「感覚の解剖学」、ユーゴ・マルシャンとローラ・エケ


今後のプロジェクトについて―芸術監督という夢

「2018年にもエトワール・ガラを開催できればいいなと思っています(現時点では未定)。私の希望としては、ダンスを続けて行きたいと思っています。愛することをして日本の皆さまとの関係を続けたいと思っています。30回もの来日で毎回皆さんは暖かく迎えてくださいました。日本で大きく成長できました。これからも進んでいきたいです」

「今後の大切な活動としては、アーティスティック・ディレクターの仕事、芸術監督になるという夢があります。今までもエトワール・ガラで10名ほどのダンサーと仕事をしてきましたが、30人、50人といった人数で日本の皆さんに様々な作品を見せたり、大きな作品を提供したりして、これまでになかったことにも挑戦してみたいです」

一番尊敬しているダンサー、そしてライバルは?

「一番尊敬しているダンサーも、ライバルというのもいません。すべての人に大きな尊敬を抱いています。ライバルということにも興味はありません」

**********
オペラ座での24年のキャリアの中で、なんと30回も来日しているというバンジャマン・ペッシュ。日本でファンの皆さんに会えるのが心底嬉しい様子で、リラックスした表情で熱く語ってくれました。13年も、「エトワール・ガラ」を続けてきたのは大きな功績でしたし、有名なエトワールだけでなく、これからの若手ダンサーを紹介し、そして、なかなか日本では観ることができない新しい作品を上演するなど、常に挑戦的な姿勢で真摯に取り組んでくださるのは、観客の私たちにとっては幸せなこと。本国フランスの観客にも羨ましがられるような豪華なプログラムです。

今回は、ユーゴ・マルシャン、レオノール・ボラック、そしてジェルマン・ルーヴェとこれからのオペラ座を背負って立つ未来のスター候補が観られるのが大きなポイント。なかでも、バンジャマン・ペッシュの一押しはユーゴ・マルシャンでした。日本での本格的なデビューに当たる今回のエトワール・ガラが待ち遠しいですね。

そして、ルグリに若い時からチャンスを与えてもらったので、自分も若い人たちにチャンスを与えたい、というペッシュの心意気には感動させられました。このようにして、パリ・オペラ座の伝統は受け継がれていくのだと感じました。

エトワール・ガラ2016、待ちきれません!

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/
2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演
Bunkamuraオーチャードホール
お問い合わせ Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>

[愛知公演]
2016/8/9(火) 愛知県芸術劇場大ホール
お問合せ:エトワール・ガラ名古屋公演事務局 052-678-5308(月~土 10:00~17:00)
http://tokai-tv.com/events/gala2016/

[大阪公演]
2016/8/11(木・祝) フェスティバルホール
お問合せ:フェスティバルホール 06-6231-2221(10:00~18:00)
http://www.festivalhall.jp/program.html?day=2016-08-11

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バレエ(国内公演情報)」カテゴリの記事

コメント

トークイベント私も参加しました。写真の感じだと最前列からでしょうか??
ペッシュさん、表現力がすごく好きで、私は特に天井桟敷の人々のタキシードの人(名前忘れました)が強烈に印象が残っています。オレリーのアデューでも最高のGMでした。バレエが演劇の舞台のようでした。なので、ペッシュさんが芸術監督になりたいと思われる気持ちも、表現者としては自然なことなのかなぁとお話を聞いて思った次第です。
舞台上ではすごくシリアスなお顔なのに、とても笑顔がチャーミングで、ますます魅力に取りつかれてしまいました。
若手の皆さんの出演がますます楽しみのなったエトワールガラ!ロミオとジュリエットの3ペア共演も楽しみですね~~

つかちゃんさん、こんにちは。

トークイベントに参加されたのですね!彼の人柄が伝わってきて素敵なイベントでしたよね。私は2列目だったんです。

バンジャマン・ペッシュは、おっしゃる通り演技力がある人でしたね。「天井桟敷の人々」は、ラスネール役だったかな?GMも素晴らしかったし、私は彼の「ジゼル」のアルブレヒトも、プレーボーイ的で好きでしたよ。

今シーズンは、バンジャマン・ミルピエのアシスタントととしても仕事をされていたということなので、芸術監督の仕事についてもかなりノウハウを身につけて来られたでしょうし、いいカンパニーを率いることができると良いですよね。

そうそう、笑顔もチャーミングで素敵な方だと思いました!日本のファンに対する感謝の念も伝わってきましたよね。エトワール・ガラは、注目の若手が何人も観られるので嬉しいです。ヌレエフ版「ロミオとジュリエット」もしばらく来日公演には来ていないし。

2列目左からカメラで撮ってた方⁉︎かしら。私は4例目で人が被る写真しか撮れず…
もしnaomiさんがいらしてたら、アップして下さるだろうと思っていたので、素敵な写真もとてもうれしかった〜感謝感謝です!

はじめまして。初めてコメントいたします。
第3子を出産し、子育てに追われていて、ここ最近悲しいことにバレエを観に行けていません。。
なのでいつもnaomiさんのブログを見て色々な公演を観に行った気になってます。ありがとうございます。

私がペッシュさんを拝見したのは、確か2回目の「ルグリと輝ける仲間たち」。当時まだコリフェだったと思います。(当時私は高校生)
さすがに何を踊ったかまでは覚えていませんが、すごく引き寄せられる踊りだったのを覚えています。
その彼がエトワールになり、座長公演まで行うようになり・・・色々感慨深いです。

今になって思うのですがルグリさんの見る目というか、先見の明がすごいなと。
初回から「ルグリの・・・」を見ていたのですが、参加していたダンサーほとんどエトワールになりました。

エトワールガラも普段見られないダンサーや演目があって、非常に興味深いですよね。今回のガラは行けそうにないので、、naomiさんのブログを楽しみにしてます!

いつも沢山の情報をありがとうございます。
ペッシュのお人柄がわかるトークイベントの様子がわかり大変嬉しいです。

2005年からこのエトワールガラを観ていますが、正直こんなに長く続くとは思っていませんでした。
マルシャン、ボラック、ルーヴェ、そしてオニール八菜さんの4名がパリオペラ座の次世代スターだと考えているのでその注目の若手3人まで今回観る事が出来るのは幸せです。

ペッシュはオペラ座の契約が切れた後はエレオノーラ率いるローマ歌劇場バレエの副芸術監督に1年間就任するとの事ですね。ますますのご活躍を祈ります。
オペラ座のオーレリ芸術監督チームはどんな人選になるのか?ですが、現在育っている若い世代も上手く成長させてほしいです。


ロイヤルバレエ団の東京公演も終わってしまい、楽しんだ反動で今はちょっと寂しいです。
ジゼルは初日と最終日を観て大満足!
個人的にはカスバートソンのジゼルが1幕・2幕共にもの凄く気に入りました。
そうそう、ライト版はアントルシャが10,11回で短いのですね~。でも美しかったです。
ロイヤルバレエ団は素晴らしいカンパニーなのでなるべく早くまた来日してほしいです。

つかちゃんさん、こんにちは。

はい、2列目左にいました。前列の人がかぶってしまうのですが、なんとか、メモを取りながら頑張りましたよ~。楽しいイベントでしたね!

K子さん、こんにちは。

バレエ好きでなかなか観に行けない状況になるとつらいですよね。私ももしかしたら、しばらく観に行けない、少なくとも海外には行けなくなりそうになるかもしれません。観られるうちに観ておこう!って思います!

私はしばらくあまりバレエを観ていない期間もあったので、最初に観たのは2004年(第5回)だったでしょうか。でもその頃スジェだったミリアムやドロテ、ステファンが今やエトワールですからね。そう考えると感慨深いし、ルグリの見る目は確かだったんだな、って思います!そのルグリの薫陶を受けたペッシュも、10年以上にわたってエトワール・ガラを続けて行って、受け継がれているな、と感じます。今後も続けて行きたいようなので、またご覧になれますように。

ますみさん、こんにちは。

私も正直エトワール・ガラがこんなに続くと思いませんでした。当初はここまで盛り上がっていなかったのに、続けていくうちにどんどん内容も充実してきた感じがあります。ペッシュも目利きで、これからどんどん成長していきそうなダンサーを参加させて、その成長を見守ったりもできるから、そういう楽しみもありますよね。ユーゴ・マルシャンやジェルマン・ルーヴェは、今まではほとんど日本で観る機会がなかったので、今回本格的に観ることができて良かったです。

ロイヤルの来日公演も東京は終わってしまいましたね。私もジゼルは、初日、土日と行ったのですが、それぞれ素晴らしかったけど最終日のローレン・カスバートソンのジゼルは本当に名演でした。1幕の終わりと最後は泣いてしまいました。彼女は本当に凄いですよね。演技も踊りも見事で心から感動しました。またおいおい感想などを書いて行ければと思います。

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