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2016年6月

2016/06/27

熊川哲也 K-BALLET COMPANY Summer 2016『Triple Bill』 熊川さんの『アルルの女』

熊川哲也 K-BALLET COMPANY は、『Triple Bill』の開催を急きょ決定しています。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_triplebill.html

2016/7/16(土)17:00開演
2016/7/17(日)14:00開演

Bunkamuraオーチャードホール


ブリテンの音楽に超絶技巧が輝く熊川哲也振付の『シンプル・シンフォニー』、英国を代表する振付家アシュトンによる抒情的かつウィットに富んだ名作『ラプソディ』、そして熊川哲也が再び挑む『アルルの女』は、フランスの巨匠ローラン・プティが幻の女への恋心から狂死する青年を描いた大作。「オーチャードホール25周年ガラ」で、観客を熱狂に誘った奇跡の名演が再び実現。

音楽を最高の形で視覚化することに成功したともいえるこの3作品を、熊川哲也をはじめ、中村祥子、荒井祐子、浅川紫織、遅沢佑介、宮尾俊太郎らKバレエ カンパニーが誇る煌めくダンサーで上演するこの機会をぜひお見逃しなく。

「オーチャードホール25周年ガラ」で、熊川哲也さんが吉田都さんと踊った『アルルの女』は伝説的な名演と言ってもいいほどの、情熱的で素晴らしいパフォーマンスでした。待望の再演です。今回は、熊川さんが最も信頼するバレリーナである浅川紫織さんがパートナーを務めます。これを観なくてどうする、というほど凄い舞台となることでしょう。

曲目・演目

『ラプソディ』
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ

『シンプル・シンフォニー』
振付:熊川哲也
音楽:ベンジャミン・ブリテン

『アルルの女』より
振付:ローラン・プティ
音楽:ジョルジュ・ビゼー

出演

【7/16(土)17:00公演】
『ラプソディ』
矢内千夏/山本雅也 ほか

『シンプル・シンフォニー』
中村祥子/小林美奈/井上とも美
遅沢佑介/宮尾俊太郎/栗山廉

『アルルの女』より

熊川哲也/浅川紫織

【7/17(日)14:00公演】
『ラプソディ』
荒井祐子/井澤諒 ほか

『シンプル・シンフォニー』
中村祥子/小林美奈/井上とも美
遅沢佑介/宮尾俊太郎/栗山廉

『アルルの女』より
熊川哲也/浅川紫織

出演:Kバレエ カンパニー
指揮:井田勝大 
ピアノ独奏:御法川恵里奈(「ラプソディ」) 
管弦楽:シアター オーケストラ トーキョー

※上演順は変更となる場合もございます。

My Bunkamuraではチケットはすでに発売となっていますが、チケットスペースでの発売は、7月1日(金)からです。

料金

S¥16,000 A¥13,000 B¥10,000 (税込)
※未就学児入場不可。

MY Bunkamura先行販売
2016/06/26(日)

一般発売
2016/07/01(金)

(チケットの詳細についてはこちらへ)

バンジャマン・ミルピエのドキュメンタリー『リセット(原題)』12月公開予定→邦題『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』

パリ・オペラ座バレエの芸術監督を今シーズン限りで退任する予定のバンジャマン・ミルピエ。彼とオペラ座の舞台裏を描くドキュメンタリー映画『リセット(原題)』がBunkamuraル・シネマで12月に公開されます。

追記:邦題は『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』となりました。

http://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/16_reset.html

監督ティエリー・デメジエール、アルバン・トゥルレー
キャスト バンジャマン・ミルピエ、アクセル・イーボ
2015/フランス/110分受賞
第15回トライベッカ映画祭正式出品
配給トランスフォーマー

2015年に自身の振付作品「クリア、ラウド、ブライト、フォワード」(先日NHK-BSでも放映)を初演する時のミルピエの様子を中心に追った作品です。38歳とオペラ座の歴史で最年少の芸術監督となった彼は、伝統あるオペラ座を現代に合わせたものに改造しようと熱心に動きます。この組織を時代に合ったものにするためにミルピエは、現代化は必須のこととしていました。彼は、厳格な教師たちによりダンサーたちはロボットのようになっていると感じていて、より多様なダンサーや作品が必要だと、改革に乗り出したのです。

この『リセット』では、現代と伝統との衝突を描いたものにしようとしていますが、この映画では、ミルピエの様々な改革はすべての関係者に広く受け入れられたもののように描かれています。彼が受けた最大の抵抗は、意外にも、彼のボスであるステファン・リスナーによるもので、「古い技術構造を維持することは、公演を行うための予算を増やすものである」という指摘だけであり、ミルピエについても、陽気で情熱的で自信に満ちたリーダーでありメンタ―であり、実行力があり、彼のプログラムについて誰も疑問を持たなかったかのようにに語られているようです。(ミルピエが退任することが決まった今、どのように見えることでしょうか)

ガルニエの中で撮影されたこの作品は、その美しい建築やスタジオの様子、ダンサーたちなどが魅惑的に描かれているとのことです。

ヴァラエティ誌のレビュー(英語)
http://variety.com/2016/film/reviews/reset-film-review-releve-1201759783/

「リセット」について語るミルピエ(映画からの映像もあり)

予告編

2016/06/26

加瀬栞さんがENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)のプリンシパルに昇進

パリ・オペラ座のガルニエ宮で「海賊」パリ公演を行っているENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)。

最終日の公演でギュリナーラ役を踊った加瀬栞さんがプリンシパルに昇進しました。

おめでとうございます!

加瀬栞さんのプロフィール
http://www.ballet.org.uk/the-company/dancers/shiori-kase/
加瀬さんは2009年に入団し、2011年には団内のコンクールEmerging Dancerで優勝しています。
また、K-Ballet Companyにもゲスト出演しています。

なお、ENBには、プリンシパルの上にリーディング・プリンシパルというランクがあり、高橋絵里奈さんやアリーナ・コジョカルらはこのリーディング・プリンシパルです。

昇進についての詳しい発表
http://blog.ballet.org.uk/shiori-kase-promoted-principal/

「栞の完璧な技術と、舞台の上での才能は、観客をいつも興奮させます」と芸術監督のタマラ・ロホは語りました。「この偉大な劇場、ガルニエ宮で彼女という特別なダンサーを昇進させるのはふさわしいことです。栞は、引き続きキャリアを成功させ、世界中の観客を興奮させることを確信しています」

加瀬さんは、「コッペリア」のスワニルダ役、「くるみ割り人形」では初日のクララ役、「海賊」ではメドーラ役とギュリナーラ役、そして先日の「白鳥の湖」ではオデット/オディール役でデビューしました。

なお、来期のNBS「バレエの祭典」の案内がありましたが、パリ・オペラ座バレエの来日公演の他、ENBの来日公演も予定されているそうです。おそらく近日中に詳細の発表があることでしょう。

加瀬さんは腕時計/宝飾品ブランドBackes & Straussのブランド・アンバサダーも務めています。


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ボリショイ・バレエの来日公演2017年6月

ボリショイ・バレエの来日公演演目は、ボリショイ・バレエの来シーズンのラインアップの中でも発表されていましたが、ジャパン・アーツからの正式な発表がありました。

http://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=2142

Bolshoi_flyer_2017


2017年6月4日(日)~6月15日(木)東京文化会館

「ジゼル」 
作曲:アドルフ・アダン
原振付:ジャン・コラーリ / ジュール・ペロー / マリウス・プティパ
改訂振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
2017年6月4日(日) 13:00 / 19:00
2017年6月5日(月) 19:00

「白鳥の湖」
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
原振付:マリウス・プティパ / レフ・イワーノフ / アレクサンドル・ゴールスキー
改訂振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2001年版)
2017年6月7日(水) 18:30
2017年6月8日(木) 13:00 / 19:00
2017年6月11日(日) 18:00
2017年6月12日(月) 18:30

「パリの炎」
作曲:ボリス・アサフィエフ
原振付:ワシリー・ワイノーネン
改訂振付:アレクセイ・ラトマンスキー
2017年6月14日(水) 19:00
2017年6月15日(木) 19:00

[夢倶楽部WEBセット券]
抽選申込期間:2016年7月4日(月)10:00~7月8日(金)17:00
結果配信:7月12日(火)夜
⇒ 抽選申込はこちらから

[夢倶楽部WEB単券]
受付開始日:7月16日(土)10:00~

[夢倶楽部TELセット券及び単券]
受付開始日:7月17日(日)10:00~
・・・ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5774-3040

[ジャパン・アーツぴあネット会員セット券]
抽選申込期間:7月29日(金)10:00~8月1日(月)23:00
結果配信:8月8日(月)夜

[ジャパン・アーツぴあネット会員単券]
受付開始日:8月10日(水)10:00~

[一般発売] 8月13日(土)10:00~

また、ジャパン・アーツのTwitterによると、6/2広島、6/10大津、6/17,18大阪 が今のところ決定している地方公演で、まだ演目は未定とのことです。


リンクされているチラシのPDFファイルに、出演予定ダンサーが出ています。

マリーヤ・アレクサンドロワ、エカテリーナ・クリサノワ、アンナ・ニクーリナ、エフゲーニャ・オブラスツォーワ、エカテリーナ・シプーリナ、オルガ・スミルノワ、スヴェトラーナ・ザハーロワ

セミョーン・チュージン、ウラディスラフ・ラントラートフ、ミハイル・ロブーヒン、アルチョム・オフチャレンコ、デニス・ロヂキン、アレクサンドル・ヴォルチコフ 


おそらく今までソリストとして来日したことがないオフチャレンコがやっと来るのが嬉しいところです。オブラスツォーワとシプーリナは今産休のはずですが、来年には復帰しているということですね。そしてルスラン・スクヴォルツォフ、デヴィッド・ホールバーグや、ワジーエフが一押ししているユリア・ステパノワの名前が今のところはありません。ただ、まだ一年も先の公演ですので、出演者の変更、追加ももちろんあるでしょうね。チケット発売までにはキャストを出してほしいところです。

いずれにしても、大型の来日公演、とても楽しみです。

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2016/06/25

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17 開催決定

現在ロイヤル・バレエの来日公演が行われていますが、映画館で最高のバレエとオペラが鑑賞できる、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンも 2016/17の開催が決定しました。

http://roh2016jp.wix.com/cinemaseason

まだ詳しい演目や上映日はこれからとのことですが、近日中に発表とのことで楽しみです。今年度は、本国での上演作品のうち半分しか日本では上映されず、「ジゼル」や「フランケンシュタイン」、「二羽の鳩/ラブソディ」を観ることができませんでした。来シーズンは全部観られるといいな、と思います。

なお、来シーズン、本国での映画館上映予定はこちらにあります。
http://www.roh.org.uk/news/royal-opera-house-live-cinema-season-201617


バレエについては以下の通り

Anastasia – 2 November 2016 「アナスタシア」
The Royal Ballet
Kenneth MacMillan

The Nutcracker – 8 December 2016 「くるみ割り人形」
The Royal Ballet
Peter Wright after Lev Ivanov

The Sleeping Beauty – 28 February 2017 「眠れる森の美女」
The Royal Ballet
Marius Petipa, with additional choreography by Frederick Ashton, Anthony Dowell and Christopher Wheeldon

Woolf Works – 8 February 2017 「ウルフ・ワークス」
The Royal Ballet
By Wayne McGregor

Jewels – 11 April 2017 「ジュエルズ」
The Royal Ballet
George Balanchine

The Dream / Symphonic Variations / Marguerite and Armand – 7 June 2017 「真夏の夜の夢」「シンフォニック・ヴァリエーションズ」「マルグリットとアルマン」
The Royal Ballet
Frederick Ashton

これらの作品が観られますように!なかなか生では観られない作品を映画館で観るのもこの映画館上映の魅力なので、古典だけでなく、「ウルフ・ワークス」など珍しい作品も観てみたいと思っています。

エトワール・ガラ2016、バンジャマン・ペッシュのトークイベント

今年の8月に開催される「エトワール・ガラ2016」のプロモーションのために、このガラのアーティスティック・オーガナイザーであるバンジャマン・ペッシュのトークイベントが開催されました。

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オペラ座さよなら公演を振り返る

バンジャマン・ペッシュは、今年の2月20日にパリ・オペラ座での定年を迎えてのアデュー公演を行いました。その様子がテレビ放映された時の映像がモニターで上映されて、来場者と共に見たペッシュ。

「過去を振り返らないタイプなので、複雑な思いがあります。オペラ座には、バレエ学校を含めると32年間在籍しましたが、今映像を見て、その時の感覚が鮮やかによみがえっています。あっという間の一晩でした。(今映像を見たことで)再び接続されて不思議な気持ちです」

「エトワールのアデューの演目は、そのシーズンの演目の中から、ディレクターの許可を得て演目を選びます。今シーズンはミルピエが組んだ最初のシーズンだったので、踊ったことがない作品がたくさんありました。ジェローム・ロビンスとは様々な仕事をして、クリエーションもしており、関わり合いがある振付家です。『イン・ザ・ナイト』はエトワールに昇進した最初のころに踊りました。また、『ル・パルク』は大きなけがをする前に踊った思い出深い作品です」

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「また、アデュー公演では、ジェローム・ベルの『Tombe(墓)』という創作を踊りました。これは、一般の人を舞台に上げるというコンセプトで、長年のファンだった女性が登場するのですが、病気で入院してしまったのでビデオで登場しました。舞台の側から観客の側に替わっていくという、観客との美しい関係性を描いた作品です。私もオペラ座を引退することで観客の側に移っていくわけです」

「『ル・パルク』で共演するエレオノラ・アバニャートは、芸術的な兄妹のようなものです。二人だけの分かり合えるものがあり、相乗効果を作ることができる人です。彼女となら、一人ではできないこともできます」

「23,4年に渡るキャリアを一つの瞬間にまとめるのは難しいです。エトワールの任命、パートナーと交わした視線、舞台裏のことなど数えきれません。その中でも、ヒューマンなものが私の中には残っています」

オペラ座の中での変化について

「多くの芸術監督の下でキャリアを積んだのでたくさんの変化がありました。入団した時の芸術監督はパトリック・デュポンで、次のブリジット・ルフェーブルは22年間芸術監督を務めました。彼女はレパートリーを拡張し、トリシャ・ブラウン、ピナ・バウシュ、マース・カニンガムなどの現代作品を取り入れ、パリ・オペラ座に新しい美学、アイデンティティを確立しました。バンジャマン・ミルピエの就任でまた新しい変化が起きました。彼自身が振付家であるし、アメリカ的な振付が上演されるようになり、振付の言語が多様化しました」

「エトワール・ガラ」も13年

「エトワール・ガラの1回目は2005年ですが、こんなに続くとは思っていませんでした。プロジェクトの準備は2003年からなので、もう13年にもなります。様々な要因があって続けてこられました。ダンサー、作品、振付家などの選択が評価されていたと思います。Bunkamura、フジテレビ、観客の皆様の支援、どれが一つでもかけていたら今のような状態にななっていないし、続けていくエネルギー、勇気がなかったでしょう。たくさんのことを犠牲にして、努力しましたし、12人のダンサーたちをまとめ上げていくのは大変でした。すべての要因が合わさったことで、今も続けてこられました」

プログラム作りの秘密は?

「エトワール・ガラのコンセプトはシンプルですが、たくさんのアイディアを持っていって、ダンサーに何を踊りたいか、日本で見せたいものは何か、新しいもの、日本のファンが観たことがないもの、好きなものなどを聞いて行きます。アーティスティック・オーガナイザーとしてのビジョンも求められます。今回は、リアム・スカーレット振付の新作も上演しますが、自分のアイディアがダンサーに受け入れられることで、上演することができています」

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出演ダンサーを選ぶポイントは?

「良いプログラムを実現するのにダンサーはとても大事で、特に未来のエトワールを紹介するのは大事なことです。一つの通過点という場にしたいです。ジェルマン・ルーヴェやレオノール・ボラックは日本の皆さんに紹介したいと思ったダンサーです。そしてユーゴ・マルシャン。(ここでマルシャンの踊る『ダンシス・アット・ア・ギャザリング』の映像を観る)映像でさえ明らかですが、フランス的なスタイルを持っています。エレガンス、純粋さ、気品。真珠のようなダンサーです。ジェルマンもレオノールもこれからの二人ですが、素晴らしいダンスが踊られることでしょう。彼らはオペラ座の未来を担っています。彼らを紹介するのも私の役割です。」

「私は21歳くらいの時から、マニュエル・ルグリの座長公演に加えてもらっていました。そのことで多くのことを学びました。だから、未来の才能である彼らに、機会を与えたいと思っていますし、日本の皆さんに見てもらうことが私の仕事だと思っています」

『ロミオとジュリエット』は3組のペアが別々のシーンを踊る

「今回はヌレエフ版『ロミオとジュリエット』を、三組のダンサーが踊ります。『ロミオとジュリエット』はフレッシュな作品で原作では15歳のカップルが主人公です。マドリガルのパ・ド・ドゥはルーヴェとボラックの若いペア、バルコニーシーンはドロテ・ジルベールとマルシャン、そして寝室のパ・ド・ドゥはアマンディーヌ・アルビッソンとマチュー・ガニオです。違う年齢、段階のダンサーを見せることで、アーティストの成熟、キャリアを見せることができますし、三者三様の踊りを観てほしいと思います」

怪我人による急なキャスト変更の対応

「怪我などでダンサーが出演できなくなることには慣れっこになってきました。怪我はダンサーのキャリアの一部となっています。今回は残念ながらエルヴェ・モローが怪我のために来日できませんでした。エルヴェからは、「くれぐれも皆さんによろしく、ガラの成功を祈る」というメッセージを預かっています」

「トラブルに負けてはいけません。そして代役のダンサーを追加するときに、別のエトワールを補充するのではなく、皆さんが初めて観るダンサーを招きたいと思いました。彼らのフレッシュな若さを楽しんでいただけると思います」

出演ダンサーの紹介

(一人一人、出演ダンサーを紹介していきます)

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シルヴィア・アッツオーニアレクサンドル・リアブコは2005年よりコラボレーションしてくれています。ノイマイヤーの下で素晴らしいキャリアを築いてきました。

エレオノラ・アバニャートも、最初から参加してくれています。今はローマ・オペラ劇場バレエの芸術監督も務めており、芸術的でビジョンを持っている人です。

アマンディーヌ・アルビッソンローラ・エケは前回からの再びの参加です。彼らの進歩を連続性の中で見てもらいたいです。

ドロテ・ジルベールマチュー・ガニオは言うことなしの二人です。成熟の真っただ中におり、すべて理解できるし何でもできます。身体的にも恵まれていてエトワール・ガラにふさわしい二人です。

ユーゴ・マルシャンは、本当に参加してほしいダンサーでした。成熟してきて、安定感も増してきました。彼にさらなる自信、芸術性を与えたいと思っています。ウェイン・マクレガー振付作品でも強い印象があります。

マクレガーの「感覚の解剖学」、ユーゴ・マルシャンとローラ・エケ


今後のプロジェクトについて―芸術監督という夢

「2018年にもエトワール・ガラを開催できればいいなと思っています(現時点では未定)。私の希望としては、ダンスを続けて行きたいと思っています。愛することをして日本の皆さまとの関係を続けたいと思っています。30回もの来日で毎回皆さんは暖かく迎えてくださいました。日本で大きく成長できました。これからも進んでいきたいです」

「今後の大切な活動としては、アーティスティック・ディレクターの仕事、芸術監督になるという夢があります。今までもエトワール・ガラで10名ほどのダンサーと仕事をしてきましたが、30人、50人といった人数で日本の皆さんに様々な作品を見せたり、大きな作品を提供したりして、これまでになかったことにも挑戦してみたいです」

一番尊敬しているダンサー、そしてライバルは?

「一番尊敬しているダンサーも、ライバルというのもいません。すべての人に大きな尊敬を抱いています。ライバルということにも興味はありません」

**********
オペラ座での24年のキャリアの中で、なんと30回も来日しているというバンジャマン・ペッシュ。日本でファンの皆さんに会えるのが心底嬉しい様子で、リラックスした表情で熱く語ってくれました。13年も、「エトワール・ガラ」を続けてきたのは大きな功績でしたし、有名なエトワールだけでなく、これからの若手ダンサーを紹介し、そして、なかなか日本では観ることができない新しい作品を上演するなど、常に挑戦的な姿勢で真摯に取り組んでくださるのは、観客の私たちにとっては幸せなこと。本国フランスの観客にも羨ましがられるような豪華なプログラムです。

今回は、ユーゴ・マルシャン、レオノール・ボラック、そしてジェルマン・ルーヴェとこれからのオペラ座を背負って立つ未来のスター候補が観られるのが大きなポイント。なかでも、バンジャマン・ペッシュの一押しはユーゴ・マルシャンでした。日本での本格的なデビューに当たる今回のエトワール・ガラが待ち遠しいですね。

そして、ルグリに若い時からチャンスを与えてもらったので、自分も若い人たちにチャンスを与えたい、というペッシュの心意気には感動させられました。このようにして、パリ・オペラ座の伝統は受け継がれていくのだと感じました。

エトワール・ガラ2016、待ちきれません!

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/
2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演
Bunkamuraオーチャードホール
お問い合わせ Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>

[愛知公演]
2016/8/9(火) 愛知県芸術劇場大ホール
お問合せ:エトワール・ガラ名古屋公演事務局 052-678-5308(月~土 10:00~17:00)
http://tokai-tv.com/events/gala2016/

[大阪公演]
2016/8/11(木・祝) フェスティバルホール
お問合せ:フェスティバルホール 06-6231-2221(10:00~18:00)
http://www.festivalhall.jp/program.html?day=2016-08-11

2016/06/18

オニール八菜さんのロングインタビュー

先日見事ブノワ賞に輝いたオニール八菜さん。エトワールに任命される日も近いと目される次世代スター筆頭の彼女ですが、意外と詳しいインタビュー記事は今までなかったと思います。

フランスのCulturekiosqueに、オニールさんのロングインタビューが掲載されていました(英語、Patricia Boccadoro氏による)。非常に興味深い内容でしたので、ご紹介しようと思います。

http://www.culturekiosque.com/dance/inter/hannah_o_neill991.html

子どもの時から夢は、オペラ座で踊ること

「私が覚えている限り昔から、夢はパリ・オペラ座バレエの団員になることでした。パリ・オペラ座バレエは世界で最も美しいバレエ団で、私にとってバレエとは、オペラ座だったのです。私は、手に入れられるすべてのオペラ座のDVDを持っています」。2013年当時、日本で生まれてニュージーランドに住んでいて、オーストラリアバレエ学校で学んだその時20歳のオニール八菜さんは、その夢とは一番下のランクであるカドリーユとして入団することだけではありませんでした。その2年後には彼女はヌレエフ版「白鳥の湖」のオデットをバスティーユで踊りました。さらにそののち、ヌレエフ振付の「ラ・バヤデール」のガムザッティ役で成功をおさめ、世界で最も有名な振付家二人の注目を集めました。世界でもっともヒエラルキーの厳しいパリ・オペラ座バレエで、どうやってこのようなことが起きたのでしょうか?

(このインタビューは、オニールさんがマリインスキー国際フェスティバルで「ラ・バヤデール」のガムザッティ役を踊ってパリに戻った直後に行われたものです)

「東京での幼少時代はごく普通のものでした。二人の兄弟とともに普通の日本人の子どもとして育ち、私にとってはバレエも含まれていましたがスポーツをたくさんやりました。パリ・オペラ座のダンサーは日本ではとても人気があり、私にとってのダンスとはパリ・オペラ座のことだったのです。8歳の時に、ラグビー選手だった父が怪我をしてしまい、ラグビーのコーチになるために故国ニュージーランドのオークランドに家族で帰ることになりました」

「オークランドでは普通の学校に通いながらバレエを続け、13歳の時にパリ・オペラ座学校のオーディションのためにビデオ映像を送りましたが、エリザベット・プラテル校長は特に興味を惹かれなかったようです。入学できなかったのは残念でしたが、私はYAGP(ユース・アメリカ・グランプリ)に出場して賞をもらい、オーストラリア・バレエ学校へのスカラシップを獲得しました」

オニールさんの最初の教師は、元マリインスキー・バレエのプリンシパル、イリーナ・コンスタンティノワで、ワガノワ・メソッドの教師でした。またオーストラリア・バレエ学校では、オーストラリア・バレエの元プリンシパルのリネット・ウィリスと、オーストラリア・バレエ学校ディレクターのマリリン・ロウに師事しました。ロウの下で2009年のローザンヌ国際コンクールに備え、オニールさんは見事優勝しました。オーストラリア・バレエ学校の教育に満足していた彼女はメルボルンで学び続けましたが、ロイヤル・バレエやパリ・オペラ座の公演を観にヨーロッパに旅行しました。

18歳の時のオニールさん

失意の日々

「私はまだパリ・オペラ座バレエに入団したいと思っていたのですが、外部入団試験では4位でまたもや入団できませんでした。でも少し落ち込みながら帰国するためにシンガポールでトランジットをしていたら、ローラン・イレールより電話がかかってきて、期間限定団員の契約のオファーを頂いたのです」

期待に胸を膨らませてオニールさんは、期間契約団員としてパリに引っ越しましたが、フランス語を話せず、せっかくオペラ座にいても舞台にはなかなか立てずに、舞台袖に立っているだけの日々を送っていました。意気消沈していましたが、パリ・オペラ座バレエを彼女が愛していることを理解していた両親に励まされ、再びオペラ座の外部入団試験に挑みます。しかしながら、ここでも正式入団には至りませんでした。あきらめかけていた時、イレールは彼女を「ラ・バヤデール」の3幕に出演する機会を与えました。

「がっかりした気持ちとホームシックは一晩で消え失せ、すべての問題は解決したと思っていました」「でもその時、舞台で転んでしまったんです!今までで最も緊張していたため、脚がその緊張に耐えられなかったのです。こんなことはもう二度と起きないでしょう。心は引き裂かれました。私のキャリアは、始まる前に終わってしまったと思ったのです。でも、ついに2013年に正式に入団できました」

(「ラ・バヤデール」の代役で失敗してしまった時のエピソードが語られている、2013年当時のPointe誌の記事

パリ・オペラ座学校で学んできた生徒たちと競わなければならないことからも、彼女が入団できたことは大きな成果でしたが、オペラ座の昇進試験では2014年にコリフェに昇進し、同じ年にヴァルナ国際コンクールで銀賞を受賞しました。2015年にはスジェ、2016年にはプルミエール・ダンスーズに昇進しました。


正式に入団してからは順風満帆。そしてメソッドの違い

「もうコンクールを受けなくて済むことにはほっとしています。ニュージーランドから来た私は、自分がここにいることを証明しなければならなくて、それは年々厳しいことでした。コール・ド・バレエで踊ることも楽しかったけれども、今はソリストとして役を深めていき、できれば何でも踊れるようになる機会が得られました。一緒に仕事をしたい振付家もたくさんいます」

「すでにピエール・ラコットは私を助けてくれて、カルポー賞を受賞できたのも、彼が審査員にいたからだと思います。彼の「パキータ」と「セレブレーション」を踊るのはとても楽しかったです。またウィリアム・フォーサイスとの仕事は素晴らしい経験でした。彼には信じがたいようなエネルギーがあります。ルドルフ・ヌレエフの古典作品は、ステップは難しいし、ほかのどの版よりもトリッキーですが、すべての作品が大好きです。彼の作品特有の調和をつかんだときは素晴らしい気持ちになります。彼の作品を踊れるようになったら、なんでも踊ることができるという気持ちになります。例えば、マリインスキー・バレエで先週踊った時にそう思いました。マリインスキー・バレエの芸術監督ユーリ・ファテーエフが私を招いてくれてプティパの「ラ・バヤデール」を踊りましたが、あまりにも簡単だったのでズルをしているのではないかと思うほどでした。でもマリインスキーにいることは大きな喜びで、そこでの4日間は魔法のようで意欲もますます高まりました」

オニールさんは、パリでは上半身の全体的な使い方、エポールマンがパリでは異なっていると語りました。フランスのダンサーたちはより洗練されていてフェミニンでエレガントで、細かいところまで注意が行き届いている一方で、脚捌きに重点が置かれています。このメソッドになじむため、彼女を教えているアニエス・ルテステュ始め、教師陣に助けられているとのことです。

オニールさんは、サンクトペテルブルグに続き、モスクワで、ミルピエ振付の 「La Nuit s’Achève(夜の終わり)」をユーゴ・マルシャンと踊り(ブノワ賞ガラ)、その後はニューヨークでエスメラルダのパ・ド・ドゥを踊ります(YAGPガラ)。

ブノワ賞ガラでの「エスメラルダ」(ユーゴ・マルシャンと)

「ローラン・プティ、マッツ・エック、ベジャール、ノイマイヤー、ロビンス、何でも踊りたいのです!特に「ジゼル」は踊りたい。今のこの年齢では、できるだけ挑戦となるような作品を踊ることが大事だけど、今までさんざんしてきた競争には巻き込まれたくありません」

パリでの生活を楽しむ

フランスにやってきたときには、誰も知り合いはおらずフランス語が全く話せなかったオニールさん。でも今はフランス語を流ちょうに話し、魅力的で親しみやすい人柄のためパリにもなじみ、オーストラリアと同じように親しい友人たちもできました。

「パリに住んでいる、おばのいとこもいます。話せる人がいて嬉しかっただけでなく、彼女は現代美術界にいて、展覧会のプレビューに招待してくれるのでとても楽しいです。そのほかでは、オールブラックスの試合を観ることと、友達と出かけることを楽しんでいます」

******
日本、ニュージーランド、オーストラリア、パリと様々なカルチャーで育ってきたオニールさん。これからますます活躍の幅は広がりそうです。オペラ座「ジゼル」のミルタ役も好評でしたが、オペラ座らしいエポールマンを身につけるのはなかなか時間がかかりそうという声も一部にはありました。とはいえ、伸びやかな肢体、美しい容姿、強靭なテクニックとエレガンス。今最も上り調子のバレリーナであることは誰もが同意すること。8月には、念願のジゼル役デビューを、マリインスキー・バレエの沿海ステージで果たします。

2016/06/15

オールスター・バレエ・ガラにジリアン・マーフィーとマチアス・エイマン出演

来月に迫ったオールスター・バレエ・ガラ

All_star_gala

このたび、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のプリンシパル、ジリアン・マーフィーと、パリ・オペラ座バレエのエトワール、マチアス・エイマンの出演が決定しました。

http://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=2118

マチアス・エイマンは、今年のABTのニューヨーク・メトロポリタン歌劇場シーズン「海賊」コンラッド役で、6月1日にABTデビューして大評判となりました。この時にメドーラ役を踊ったのが、ジリアン・マーフィーだったのです。

まさにスターというにふさわしいこのペアが加わって、オールスターバレエガラ、その名にふさわしいゴージャスな公演となりましたね。とても楽しみです。

Aプロ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

Bプロ
「リーズの結婚」(振付:F.アシュトン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「フー・ケアーズ?」より(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

すべての出演演目も決定したとのことで、上記リンク先をご確認ください。

≪プログラムA≫
2016年07月23日(土) 14時開演 東京文化会館
2016年07月26日(火) 18時30分開演 東京文化会館

≪プログラムB≫

2016年07月24日(日) 14時開演 東京文化会館
2016年07月27日(水) 18時30分開演 東京文化会館


ところでジリアン・マーフィーは、今年でABT入団20周年。ベテランという年代に差し掛かってきましたが、輝かしいテクニックは健在で、現在上演中の「白鳥の湖」でも、グランフェッテではトリプルや4回転を連発しているそうです。今回観られて、とても嬉しいです。

Black Swan in the Golden Cockerel's nest 🌀 #Odile #fouettes #SwanLake #abtmetseason16 ✨

Gillian Murphyさん(@gillianemurphy)が投稿した動画 -

2016/06/14

エトワール・ガラ2016、キャスト変更

今年8月に開催される「エトワール・ガラ2016」、キャスト変更のお知らせがありました。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/topics/post_1.html

出演を予定していたエルヴェ・モローが怪我により、公演を降板することとなってしまったとのことです。
 
代役として、パリ・オペラ座バレエ プルミエール・ダンスーズのレオノール・ボラックと、スジェのジェルマン・ルーヴェが出演するとのことです。

レオノール・ボラックは『くるみ割り人形』のクララ、『ロミオとジュリエット』のジュリエット、ラコット版『パキータ』などに主演している新星で、去年、一昨年と順調に昇進しています。ミルピエにも気に入られていて、彼の作品にもよく起用されており、古典から現代作品まで幅広いレパートリーを踊っています。ふわふわの金髪で愛らしい容姿の持ち主。

ジェルマン・ルーヴェは、2014年にコリフェ、2015年にスジェと順調に昇格しており、やはり「エトワール・ガラ2016」に出演するユーゴ・マルシャンと並んでパリ・オペラ座バレエ若手男性ダンサーのホープです。『くるみ割り人形』の王子/ドロッセルマイヤー、『ロミオとジュリエット』のロミオなどを踊っています。長身で端正な容姿の持ち主です。

なお、「パリ・オペラ座 エトワールが教えるヴァリエーション・レッスン」というDVDが8月に発売されます。「エトワール・ガラ」の芸術監督でもあるバンジャマン・ペッシュが、ヴァリエーションを踊りこなすためのテクニックや表現のポイントをレッスンするもので、オニール八菜さんと、ジェルマン・ルーヴェのふたりによるデモンストレーションが見られるとのことです。
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219323728.html

エルヴェ・モローは、つい最近足首を怪我し、その結果、9月まで踊ることが不可能になってしまったとのことです。早く良くなって、来シーズン元気に舞台に立てることを祈ります。来年のパリ・オペラ座来日公演では元気で美しい姿を見たいですよね。

演目も、エルヴェ・モローの降板に伴い変更となりました。『プルースト』と『失われた楽園~ロスト・ヘヴン』がなくなってしまったのも残念ですが、フレッシュで美しい二人に期待しましょう。

変更後の演目
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/topics/post_2.html


エトワール・ガラ2016
2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演
Bunkamuraオーチャードホール (愛知公演、大阪公演もあり)
お問い合わせ Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/ticket.html

ジェルマン・ルーヴェとオニール八菜さんのふたりがガルニエで踊る美しい映像« Ascension » by Jacob Sutton

レオノール・ボーラックとアリステル・マディンがガルニエで踊る"Haut Vol" de Louis de Caunes

2016/06/13

元マリインスキー・バレエのキーナン・カンパ主演の映画「ハートビート」日本公開

アメリカ人として初めてマリインスキー・バレエに入団して、主役も演じたキーナン・カンパ。

その彼女が主演した映画「ハートビート」(原題:「High Strung」)が、8月20日に日本公開されることになりました。
http://natalie.mu/eiga/news/190601
http://eiga.com/news/20160613/4/

「ハートビート」は、プロのバレエダンサーになるためニューヨークにやってきたルビーと地下鉄で演奏するイギリス人バイオリニストのジョニーの出会いや、2人がヒップホップダンスチームを誘って弦楽器&ダンスコンクールに挑戦するさまを描いた作品。俳優としても活動するマイケル・ダミアンがメガホンを取った。

「ハートビート」は8月20日より東京・新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。

「High Strung」公式サイトのキーナン・カンパのプロフィール
http://www.highstrungthemovie.com/flv_portfolio/keenan-kampa/

ワガノワ・アカデミーに留学してディプロマを獲得し、ボストン・バレエに入団した彼女が、2012年にマリインスキー・バレエに入団した時には大きな話題となりました。コリフェに昇格した彼女は、当時マリインスキー・バレエのプリマの多くが産休を取っている間、大きな役をたくさん任され、「ドン・キホーテ」のキトリ役という主役まで踊りました。しかしながら、急な抜擢で役の準備も十分にできず、コール・ド・バレエを踊りながら主役やソリスト役も踊る毎日で、思うような成果を上げることができませんでした。バレエ団になかなかなじめず、また失敗した動画をYouTube にアップされて、手厳しいロシア人ファンに批判されたり、精神的にもかなりつらかったようです。

Pointe誌のインタビュー
http://pointemagazine.com/views/keenan-kampa-high-strung-leaving-mariinsky/

アンドレイ・エルマコフとマリインスキー・バレエで踊ったキトリ

彼女が過労から心臓に負担がかかり、また怪我で手術を受ける必要があって休養している間に、映画主演の声がかかりました。ソチ・オリンピックでアメリカのテレビ局が取材に訪れ彼女を取り上げた映像が放送されたからです。手術後リハビリに励んで映画の撮影に臨みました。

この映画は、NYが舞台ですが、バレエシーンはルーマニアで撮影されています。登場するバレエダンサーたちは、ブカレスト歌劇場バレエのダンサーたちでした。

ブカレスト歌劇場バレエの日高世菜さんのブログで、この映画のことについて触れてあります。日高さんもエキストラとして出演しているそうです。
http://ameblo.jp/senachika/entry-12162398949.html

また、ルビーの同居人ジャジー役で、英国ロイヤル・バレエスクール出身で公開中の映画「エクス・マキナ」やユニクロのエアリズムのCM、ケミカル・ブラザーズのPVなどに出演している日本生まれ、イギリス育ちの女優/ダンサー、ソノヤ・ミズノも出演しています。名作「ある日どこかで」や「007 死ぬのは奴らだ」に出演している往年の名女優、ジェーン・シーモアも出演。シーモアは、子供時代にバレエを学んでおり、ロンドン・フェスティバル・バレエ(現イングリッシュ・ナショナル・バレエ)に所属していたこともあるのだそうです。

キーナン・カンパは、怪我から回復後、マリインスキー・バレエを退団してアメリカに戻り、現在はロサンゼルスで演技の勉強をしながら、バレエも続けているとのことです。

「ハートビート」のバレエリハーサルシーンの一部がここで観られます。
http://www.dancespirit.com/news/watch-exclusive-clip-keenan-kampa-gorgeous-high-strung/

シャール=ルイ吉山さんが、ヒューストン・バレエのプリンシパルに昇進

ヒューストン・バレエは、6月9日に芸術監督スタントン・ウェルチ振付により新しい「ジゼル」を初演しました。

http://www.houstonballet.org/Ticketing-Schedule/Season-Calendar/Giselle/

初日に主演したのは加治屋百合子さんで、イメージビジュアルも彼女の写真や映像を使っています。

また、加治屋百合子さんの「ジゼル」主演については、日本経済新聞でも記事になっています。

バレリーナの加治屋さん、名作「ジゼル」で主役に挑む
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN10H0Q_Q6A610C1000000/

この映像でも、加治屋さんは「ジゼル」について語っています。

加治屋さんはローザンヌ国際コンクールでも「ジゼル」を踊ってスカラシップを獲得し、ABT時代にも「ジゼル」に主演しており、彼女にとっては特別な作品のようです。

さて、「ジゼル」2日目、6月11日の公演でアルブレヒト役を演じたのは、シャール=ルイ吉山さんです。静岡出身で2007年にローザンヌ国際コンクールに出場してコンテンポラリー賞を受賞し、ヒューストン・バレエIIに入団、翌年ヒューストン・バレエに入団しました。2015年にはファースト・ソリストに昇進しています。

そしてアルブレヒト役で、吉山さんはプリンシパルに昇進しました。おめでとうございます。
https://www.instagram.com/p/BGj2RoNFJPv/

今までも、ケネス・マクミラン振付「マノン」のデ・グリュー役、ジョン・ノイマイヤー振付「真夏の夜の夢」のオベロン役、デヴィッド・ビントレー振付「アラジン」のアラジン役などで活躍してきたとのことです。

ローザンヌ国際コンクールでの吉山さん

2016/06/12

新国立劇場バレエ団 ダンサー昇格と契約ダンサーから登録ダンサーへの移行、および退団

新国立劇場バレエ団は、今日「アラジン」が初日を迎えました。

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昨日のゲネプロと今日の初日と観たのですが(あと2公演観ます)、久しぶりの「アラジン」とても楽しかったです。プリンシパル7人も出演という豪華なステージ。目も眩むような洞窟のシーンでの華やかなディヴェルティスマンは振付も多彩でした。2幕の小野絢子さんと福岡雄大さんのパ・ド・ドゥは美しくて情感豊かでしたし、抜擢された池田さんのランプの精ジーン、獅子舞などファンタジックで楽しめる仕掛けが盛りだくさんで、一人一人のキャラクターが生きていました。カーテンコールには、振付のデヴィッド・ビントレーも登場し、カーテンの前で小野さんと福岡さんの間に彼が現れたときには、思わず観ている方も涙ぐんでしまうほどでした。チケットの売れ行きも大変良くて、喜ばしい限りです。


さて、新国立劇場バレエ団では、2016/2017シーズンから昇格するダンサー、契約ダンサーから登録ダンサーへ移行するダンサー、2015/2016シーズン終了をもって退団するダンサーが、決定したという発表がありました。

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/160606_008688.html

2016/2017シーズンから昇格するダンサー ※ランクは、昇格後のものです。

<プリンシパル>
 奥村康祐(おくむら・こうすけ)

<ファースト・ソリスト>
 井澤駿(いざわ・しゅん)

<ファースト・アーティスト>
 飯野萌子(いいの・もえこ)
 益田裕子(ますだ・ゆうこ)


2016/2017シーズンより契約ダンサーから登録ダンサーへ移行するダンサー

<プリンシパル>
 マイレン・トレウバエフ

<ファースト・ソリスト>
 江本拓(えもと・たく)

<アーティスト>
 原田有希(はらだ・ゆき)
 フルフォード佳林(ふるふぉーど・かりん) 

2015/2016シーズン終了をもって退団するダンサー

<アーティスト>
 奥田祥智(おくだ・よしとも)
 吉岡慈夢(よしおか・じむ)


奥村さんは、今年中川鋭之助賞に輝いています。第11回モスクワ国際バレエコンクールシニア部門銀賞を、同じ地主薫エコールドバレエ出身の金子扶生さんと共に受賞。他にも数々の賞に輝いた後、2011/2012シーズンより新国立劇場バレエ団にソリストとして入団しました。今日の「アラジン」にも主演するなど、様々な作品で主演しているほか、日本バレエ協会の「眠れる森の美女」や「白鳥の湖」にも主演するなど、外部公演でも活躍しています。美しいつま先や綺麗な着地など、高い技術とともにエレガンスを備えていて王子様役がぴったりですが、その一方で「ドン・キホーテ」ではガマーシュ役を、ユーモアたっぷりに演じるなど多様な魅力の持ち主。

井澤さんは、2014/2015シーズンより新国立劇場バレエ団にソリストとして入団して、入団した年には早くも「シンデレラ」の王子役に抜擢。以降も主演が続いていました。プロポーションと容姿に恵まれ、華のある存在感でやはり王子様役がぴったりですが、軽やかな跳躍やコントロールの効いたピルエット等の鮮やかな技も魅力です。

一方、新国立劇場バレエ団の初期からバレエ団を支えてきたマイレン・トレウバエフさん、江本拓さんが登録ダンサーに移行してしまうのは残念です。

マイレンは、現在上演中の「アラジン」でマグレブ人を演じ、ただの悪役ではない深みのあるドラマティックな演技で作品にスパイスを加えていました。5月の「ドン・キホーテ」のエスパーダ役では、ワガノワ仕込みの切れのある美しい踊りとスタイリッシュさで魅せてくれました。古典作品の主演も見事でしたが、特に演技力に定評があり、新国立劇場バレエ団では彼ほどのキャラクター演技ができる人がいるのだろうかといえばいないので、惜しまれます。

江本さんは、「オルフェオとエウリディーチェ」に主演するなど、数々の作品で主要な役を演じてきており、やはりバレエ団に欠かせない一人でした。退団ではないので、今後もこの二人をバレエ団の舞台で観る機会があればよいのですが。

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2016/06/11

ロイヤル・バレエのプリンシパルに、平野亮一、高田茜、アレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワードが昇進/追記(「ロミオとジュリエット」キャスト変更)

いよいよ来週から来日公演が始まるロイヤル・バレエ。昇進者の発表がありました。

http://www.roh.org.uk/news/promotions-and-joiners-at-the-royal-ballet-for-201617


<プリンシパル>
平野亮一高田茜アレクサンダー・キャンベルフランチェスカ・ヘイワード

<ファースト・ソリスト>
クレア・カルヴァート、ヤスミン・ナグディ、ベアトリス・スティクス=ブルネル

<ソリスト>
マシュー・ボール、マヤラ・マグリ、ティアニー・ヒープ(ティアニー・ヒープはシーズン途中でファーストアーティストに昇進し、今回ソリストに)

<ファースト・アーティスト>
リース・クラーク、デヴィッド・ドネリー、ベンジャミン・エラ、イザベラ・ガスパリーニ、アナ・ローズ・オサリヴァン、デメルツァ・パリッシュ

<入団>
新入団は、Joseph Sissens (ロイヤル・バレエスクールより)
研修生は全員、アーティストとして採用
Lukas Bjørneboe Brændsrød, Harry Churches, Leo Dixon, Isabel Lubach、Julia Roscoe  ドキュメンタリー映画「バレエ・ボーイズ」に出演したルーカスも正式入団となりました。

<研修生>
Joseph Aumeer, Estelle Bovay, Maria Luisa Castillo Yoshida, Arianna Maldini, Giacomo Rovero, Francisco Serrano、Charlotte Tonkinson (全員、ロイヤル・バレエスクール出身)

<ローザンヌ国際コンクール研修生>
ヴィンチェンゾ・デ・プリモ (今年のコンクールで3位でした)


なお、去年のローザンヌ国際コンクール研修生だったジュリアン・マッケイは、ミハイロフスキー・バレエにセカンド・ソリストとして入団しました。

#congratulations !!! Four new Royal ballet principals !!! @a_campbell21 @frankiegoestohayward @riohirano @akanetakane

Andrej Uspenski🎭さん(@dancersdiary)が投稿した写真 -


来日公演前に、平野さん、高田さんの昇進が決まり大変うれしいことですね。久しぶりのロイヤル・バレエでの日本人プリンシパル誕生です。(熊川哲也さん、吉田都さん以来で20年ぶりのプリンシパル誕生)

二人とも、本拠地での「ジゼル」に主演していますが、日本公演の「ジゼル」での主演がないのは少し残念です。特に、高田さんは昨年の横浜バレエフェスティバルで踊った「ジゼル」がとても透明感と情感があって美しかったです。平野さんは、日本人男性には珍しい長身でプロポーションの良いダンサーで、ティボルトなどの悪役もこなす演技力の持ち主です。

二人とも、もちろんソリスト役での出演は決まっていて発表されています。平野さんは、6月18日(土)6:00p.mの「ロミオとジュリエット」でティボルト役(そして「ロミオとジュリエット」のパリス役(6/18 13:00、愛知公演7/3))、高田さんは6月24日(金)7:00p.mと7月6日(水)6:30p.m(福山)の「ジゼル」パ・ド・シスの出演が予定されています。

(各公演の詳細なキャスト)
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/2016-11.html

高田茜さんのビデオメッセージ

高田茜さんが見せる、プティ・アレグロのお手本動画

平野亮一さんの「ドン・キホーテ」エスパーダ

吉田都さんが、平野さん、高田さんについてコメントを寄せています。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016061101001534.html

NHKのニュース映像
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160611/k10010553101000.html

英名門バレエ団で最高位 平野さん尼崎で基礎磨く(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201606/0009176145.shtml

30歳超え、大役射止め ロイヤル・バレエで日本人が最高位 平野さん母「希望かなった」
http://mainichi.jp/articles/20160612/ddn/041/040/007000c

平野さん、高田さんの記者会見映像

ケニアに生まれて英国で育ったフランチェスカ・ヘイワードは、「マノン」、「ロミオとジュリエット」などの主演で大評判となっている新星、2010年に入団して早くもプリンシパルに昇進しました。オーストラリア出身のアレクサンダー・キャンベルは、2011年にバーミンガムロイヤル・バレエから移籍しました。バーミンガムロイヤルバレエ公演の鮮やかな「パック」などの役を得意とし、小柄で筋肉質、跳躍力に優れたダンサーですが、来日公演を行った「兵士の物語」での怪演も印象的でした。

****

ロイヤル・バレエ来日公演は、いよいよ6月16日の「ロミオとジュリエット」から始まります。楽しみですね。
http://www.nbs.or.jp/stages/2016/royalballet/

来日公演のニュース番組映像
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00327076.html


<追記>
ロイヤル・バレエの来日公演、キャスト変更の発表がありました。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/2016-12.html#002472

「ロミオとジュリエット」6/17[金]に出演予定のヤーナ・サレンコは、所属しているベルリン国立バレエ団の避けられない突発的なスケジュールの変更により出演することができなくなり、プリンシパルに昇進することが発表された、フランチェスカ・ヘイワードがジュリエット役を演じるとのことです。

ということで、現地でのジュリエット役が大評判を呼んだフランチェスカ・ヘイワードのジュリエットが日本でも観られることになって、チケットを持っている方は幸運だと思います。きっと素晴らしいことでしょう。

フレデリック・アシュトン振付作品のステップの実演をするフランチェスカ・ヘイワードの映像

平野さんがエスパーダ役を踊るのが観られるロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」の映像

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2016/06/10

牧阿佐美さんが「徹子の部屋」6月16日に出演

今週末に牧阿佐美バレヱ団は、ローラン・プティ振付の名作「ノートルダム・ド・パリ」公演があります。

http://www.ambt.jp/perform.html

6月11日(土)17:00
6月12日(日)14:00
会場:文京シビックホール 大ホール
S席¥10,000 A席¥7,000 B席¥5,000 C席3,000
(全席指定・税込)
※音源は録音を使用。

<チケットのお申込み・お問合せ>
シビックチケット tel:03-5803-1111

ミラノ・スカラ座からニコレッタ・マンニとマルコ・アゴスティーノを迎えての豪華な公演です。(ニコレッタ・マンニは、9月のミラノ・スカラ座バレエ来日公演「ドン・キホーテ」にも出演予定)

公演の詳しい紹介や、リハーサルの様子などが、MAISON DE BALLET Minami-Aoyamaのブログに書かれていま。
http://mbma.hateblo.jp/entry/2016/06/09/093533

その中で、牧阿佐美さんのテレビ出演情報もありました。
テレビ朝日系列で、6/16(木)12:00-12:30 「徹子の部屋」に出演されるそうです。
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/guest/0004/index.html

どんな話が聞けるか楽しみですね。徹子さんは「窓際のトットちゃん」でもリトミックを習っていたという記述があり、またモダン・バレエも学ばれていたそうです。

牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちが書いているサイト、Asami Maki Ballet Hot Lineはとても面白いです。
http://www.lightacorner.com/ambt/

2016/06/07

5/27 NBAバレエ団「死と乙女」

作曲家の新垣隆に音楽を委嘱し、舩木城が振付を担当したNBAバレエ団の新作「死と乙女」。新垣のピアノ演奏と和太鼓の第一人者である林英哲の太鼓演奏による音楽、全く新しいバレエを作ろうという意欲と情熱が感じられた公演だった。

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http://www.nbaballet.org/performance/2015/sitootome/

第一部「和太鼓」 
演出・作曲:林 英哲
振付:宮内浩之 
林 英哲
英哲風雲の会(上田秀一郎、はせきみた、田代 誠、辻 祐)
阪本絵利奈

最初のパートで、白いレオタードに着物を羽織った阪本絵利奈さんが太鼓の周りを駆け抜けソロを踊ったほかは、太鼓の演奏にフォーカス。阪本さんの美しい肢体は鮮烈な印象があったものの、本当に一瞬で、もう少し太鼓と絡むシーンがあれば良かったかもしれないと感じた。大太鼓を中央に据えたセットがあり、林さんの独奏で始まるが、その後英哲風雲の会の4人も太鼓を運び込み、演奏を繰り広げる。

林さんと4人の掛け合いとなるが、同じ太鼓という楽器でもリズムの違いや叩き方によって音色は違うのでスリリングな応酬となる。そして、太鼓を叩くというパフォーマンスは、ダンスを踊っている姿にも似ていると感じた。よく鍛えられた上半身の演奏者たちは、動きも統一感があって、その演奏する姿もとてもスタイリッシュで視覚的にも楽しめた。太鼓のフォーメーションも途中で変化し、両側を太鼓に挟まれた奏者たちが、その両方を叩いたり、セットの上にいた林さんが下りてきて、4人の間に入って演奏するなど、動き自体も変化に富んでいて面白い。


第二部「ケルツ」
ケルツ Celts
振付:ライラ・ヨーク
演出:久保紘一

Green Man 高橋真之 
Red 竹田仁美、大森康正
Brown 佐々木美緒、三船元維
Men's Dance 大森康正、河野崇仁、清水勇志レイ、土橋冬夢、皆川知宏、米倉佑飛
英哲風雲の会(上田秀一郎、はせきみた、田代 誠、辻 祐)

96年にボストン・バレエで初演されたライラ・ヨーク(元ポール・テイラー・カンパニー)の作品。ボストン・ケルティックスのハーフタイムショーで踊られたり、昨年もボストン・バレエ再演されるなど北米で人気のあるレパートリーのようだ。
アイリッシュダンスをベースに、クラシックバレエ、さらにモダンダンスの要素も入れたり、ソロ、パ・ド・ドゥ、男性ばかりのダンス、群舞と構成も巧みで楽しめる作品となっている。グリーンマンの高橋真之さんの軽やかで細かい足捌き、竹田仁美さんの跳躍力と見事な身体能力、それを見事に受け止める大森康正さんのサポートと、リードダンサーたちの技術は素晴らしい。アイリッシュダンス特有の一列になっての独特の群舞。
赤いキルトに上半身裸の男性6人が繰り広げる格闘技ダンスは、ちょっと「トロイ・ゲーム」風で楽しく、そしてここで再び英哲風雲の会の4人が登場して、和太鼓の伴奏が響いてよりハードは雰囲気となる。アイリッシュダンスと和太鼓という不思議な組み合わせも、上手くマッチしていた。しっとりとして、クラシックバレエ的な佐々木美緒さんと三船元維さんのパ・ド・ドゥは美しく、群舞も伴いながら、女神の幻に翻弄される男性の姿を描いていたようだった。ラストは、22人の群舞が生き生きと躍動した。

ボストン・バレエが「ケルツ」をリハーサルする映像


第三部「死と乙女」

振付 舩木城
音楽 新垣隆
ピアノ 新垣隆
和太鼓 林 英哲
浅井杏里、大森康正、岡田亜弓、 清水勇志レイ、鈴木恵里奈
関口祐美、高橋真之、竹内碧、竹田仁美、土田明日香、 三船元維
峰岸千晶、森田維央、柳澤綾乃、 米倉佑飛

このような斬新なバレエ作品を日本で観ることができるなんて。大変興奮させられる熱い舞台だった。舞台セッティングも大胆で、舞台後方の高い台が左右に設けられ、右には新垣さんとピアノ、左には林さんと太鼓。

新垣さんの楽曲は、途中でローリング・ストーンズの「ペイント・イット・ブラック」や、「レ・シルフィード」で使われているショパンの音楽を引用するといった遊びも入れつつ、変拍子も使ったり、ジャズ的なアレンジもあったり、モチーフも変化して展開していき大変ユニークで、音楽として聴いているだけでもスリリングで楽しめる。そして、新垣さんと林さんの丁々発止の演奏が凄まじい。林さんの演奏が凄いのは言うまでもないが、新垣さんのピアニストとしてのテクニックの見事さには唖然とした。よく考えてみたら、ピアノというのも打楽器なのであり、この二人の掛け合い的なサウンドが、絶妙なリズムのハーモニーを生み出しているのである。新垣さん、噂通りの天才だ。

ダンサーたちは皆白い衣装。袴状の長いものもあれば、ユニタードあり、パンツあり、スカートあり。レースのように透ける地模様入りのもの、チュール、サテンなど素材も様々で凝っておりセンスも良い。白塗り寄りのメイクで、ちょっとゾンビを思わせるようなアイメイクを施していて、モノトーンで統一され、エゴン・シーレの「死と乙女」を連想させるような「死」の気配を感じさせるし、ポーズもそこから引用したイメージ。ピアノとドラムスを浮かび上がらせるような照明も凝っていて美しいが、反面、ダンサーを見分けるのはなかなか難しい。さすがに久保紘一さんは存在感もたっぷりあり、年齢を感じさせない高く鮮やかな跳躍が鮮烈だったし、パ・ド・ドゥでの表現力も印象的だった。

舩木さんの振付は、地を這うようなところから始まり、ダンサ―たちが舞台上をスピーディに駆け抜けたり、複雑なリフトをしながら横切っていくといった群舞の使い方がとてもユニークで、そのハードな振付にダンサーたちもよく応え、エネルギッシュで疾走感のあるステージを作り上げていた。少しだけ、「春の祭典」のイメージがある。その中にデュオ、トリオ、ソロが配置されていくが、群舞の強いエネルギーほどのインパクトはない。しかし女性ダンサーが大声を上げて泣いてみたり、ダンサーたちが、白塗りメイク越しでもわかるような大胆な表情を見せたりと、殻を破るような感情表現が見られた。愛、死、喜怒哀楽、陰と陽、エロスとタナトゥス、様々な感情がカオス的に、ノンストップのように交錯する舞台。その中でもエロスより、タナトゥス、死に寄ったダークな力をより感じられた。観客として観ている間も心拍数が上がり、エキサイトしている間に40分ほどの作品があっという間に終わっていた。

ただ、もう少し静と動、緩急のメリハリをつけたほうが良いような感じも受けたし、カオス的なところを整理し、死、だけでなく愛、の表現を深めていく必要も感じられたところがある。エゴン・シーレの本質にまでは迫ることはできていない。まだ生まれたての作品で音楽も振付も新しい作品、これから再演を重ねることで磨き上げられて、さらにクオリティを上げられるのではないかと思った。

だが、バレエ・リュスを思わせるような豪華コラボレーションによる新作を民間のバレエ団が一から作り上げたというのは素晴らしい心意気だ。何しろ音楽が凄いし、振付もオリジナリティが感じられるし、関係者、出演者の情熱が込められていて観る側の胸も熱くなってしまうような、凄まじいエネルギーがある。和太鼓を使っていることもあり、日本発の作品として世界に持っていけるようなクオリティとなるポテンシャルがある。ダンサーたちのレベルも技術、表現力とも非常に上がっていて、独特の世界を作り上げてくれた。面白い作品だし、力作だし、再演を切望する。

2016/06/05

ミュンヘン・バレエの「海賊」6月12日ネット中継/追記(大口スポンサー撤退)

今シーズン末に大量の団員が退団するミュンヘン・バレエですが、イヴァン・リスカ振付の「海賊」がネット中継されます。

6月12日(日)現地時間15時開演。マチネ公演なので日本でも夜10時からと見やすい時間です。
https://www.staatsoper.de/en/productioninfo/le-corsaire/2016-06-12-15-00.html


メドーラ役のダリア・スホルコワ他退団するダンサー多いキャストですが、ギュリナーラ役は残留する河野舞衣さんが踊ります。コンラッド役のティグラン・ミカエリヤンも残留組。

中継サイトはStaatsoper.tvです。
https://www.staatsoper.de/en/staatsopertv.html?no_cache=1


*******
「海賊」の中継とは関係のない話ですが、ミュンヘン・バレエがらみの話題を一つ。

ミュンヘン・バレエに対して130万ユーロもの金額を寄付してきた大口の個人スポンサー、Irène Lejeune氏が、今後はこのバレエ団への寄付を打ち切ることを表明しました。

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/bayerisches-staatballett-verliert-private-hauptsponsorin100.html

今シーズン末で、18年間芸術監督を務めてきたイヴァン・リスカが退任し、後任としてイーゴリ・ゼレンスキーが就任します。1年間に渡って、Lejeune氏とゼレンスキーは話し合いを続けてきました。その中で、ゼレンスキーは、ミュンヘン・バレエのダンサーとパフォーマンス、バレエ団を強く批判したそうです。Lejeune氏は、2008年からミュンヘン・バレエのアンバサダーも務めてきたそうです。イヴァン・リスカを高く評価してバレエ団を支援してきた彼女は、その結果、スポンサーを撤退することを表明しました。「私は、ロシア国立のバレエ団はいりません」とコメントしています。さすがにゼレンスキーはショックを受けたそうです。

ミュンヘン・バレエの年間予算は、730万ユーロです。そしてバイエルン州立劇場の予算の中で寄付が占める割合は4%だそうです。バイエルン州立劇場は、Lejeune氏に代わりにオーケストラのスポンサーになってほしいと申し出たものの、オーケストラには特に愛着はないと却下されたそうです。代わりに彼女は、イヴァン・リスカをサポートしたいと表明しています。

2016/06/04

パリ・オペラ座バレエの2016/17シーズンよりチューダー/ミルピエのダブルビルがキャンセル

パリ・オペラ座バレエの2016/17シーズンは今年の2月に発表されていましたが、すでにヴィジュアル・アーティストのフィリップ・パレノとの共同制作で振付ける予定の来年7月の新作がキャンセルされ、代わりにアンヌ・テレサ・ド=ケースマイケルの作品「ドラミング」が上演されることになっていました。

そして今日、もう一つのミルピエの新作、11月29日に初日を迎える予定のBarbaraという作品(マリ=アニエス・ジロ主演予定)と、アンソニー・チューダーの名作「葉は色あせて」のダブルビルがキャンセルされました。

フィガロ紙の記事
http://www.lefigaro.fr/culture/2016/06/03/03004-20160603ARTFIG00303-opera-de-paris-benjamin-millepied-annule-encore.php

この記事によれば、ダンサーたちは「葉は色あせて」の振付指導者とうまくいかなかったようです。(振付指導者は、チューダーの作品の振付指導の第一人者で、日本を含め世界中のカンパニーで振付指導を行っているアマンダ・マッケローであるので、信憑性が疑われるというか、非常に不可解な話です)

また、ミルピエは自身のL.Aダンス・プロジェクト他、様々なプロジェクトで多忙であり、パリ・オペラ座バレエのために振付ける時間がないとのことです。

9月15日~18日には、シャンゼリゼ劇場でL.Aダンス・プロジェクトの公演があるし、同時期にはPolling という自身の映画の公開もあります。10月には、ABTの秋シーズンに提供する作品の上演もあります。その前にも、6月25日、26日にはロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でL.Aダンス・プロジェクトの公演があり、On the Other Sideという彼の新作(フィリップ・グラスの音楽、Alessandro Sartoriの衣装)が上演されます。

代わりに上演されるのは、イリ・キリアンの3作品。「Tard & Feathers」、「ベラ・フィギュラ」、「Symphony of Psalms」で、「ベラ・フィギュラ」以外の2作品は、カンパニー初演となります。

チューダーの「葉は色あせて」は非常に美しい演目で、最近もスターダンサーズバレエ団やNBAバレエ団によって上演されています。パリ・オペラ座でもかつて上演されたことがあり、今回上演がなくなってしまったのは非常に残念ですよね。


ゲルシー・カークランドとイヴァン・ナギーが踊る「葉は色あせて」

ヘルシンキ国際バレエコンクールの結果

ヘルシンキ国際バレエコンクールの結果が発表されています。

http://ibchelsinki.fi/en/winners-final-results/

グランプリ 賞金15 000 ユーロ
Kim, Heesun, South Korea
韓国国立バレエのコール・ド・バレエで、2014年のヴァルナ国際コンクールで銅賞を受賞しているダンサーだそうです。

シニア女子1位
Zhan, Xinlu, China 7 000 €
Sun, Yimeng, China 7 000 €

シニア女子2位
該当者なし

シニア女子3位
上草吉子 ロイヤル・ウィニペグ・バレエ 3 500 €
上草さんは、2012年のヴァルナ国際コンクールでファイナリストでした。


ジュニア女子1位 3 500 €
Shin, So Jung, South Korea

ジュニア女子2位  2 500 €
Li, Fangqi, China

ジュニア女子3位 1 500 €
Shim, Yeojin, South Korea

シニア男子1位
該当者なし

シニア男子2位 6 000 €
Yun, Byul, South Korea

シニア部門3位 
待山貴俊  Japan 3000 € ベラルーシ国立ボリショイ劇場プリンシパル
西岡憲吾  Japan 3000 € ベオグラード国立歌劇場バレエ団ソリスト

待山さんは、2013年モスクワ国際バレエコンクールディプロマ受賞、2014年イスタンブール国際バレエコンクールゴールドメダル受賞という経歴。今年7月のバレエ・アステラス2016に出演します。
西岡憲吾さんは、昨年5月の「GQ-Gentleman Quality」に出演しています。


ジュニア男子1位 3 500 €
Chen, Zhuming, China

ジュニア男子2位 2 500 €
Sun, Yuedong, China

ジュニア男子3位 1 500 €
Loureiro, Frederico, Portugal

ご覧のように、ジュニア男子3位以外は、入賞者全員が東洋人という結果となりました。

ファイナルの演技はすべて、以下のリンクで映像を見ることができます。
http://yle.fi/aihe/tapahtuma/2016/05/31/helsingin-kansainvalinen-balettikilpailu-2016-finaali-1-helsinki-international

http://yle.fi/aihe/tapahtuma/2016/06/01/helsingin-kansainvalinen-balettikilpailu-2016-finaali-2-helsinki-international

キム・ヒソン氏がヘルシンキ・バレエコンクールでグランプリを受賞
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/535461/1

2016/06/03

シュツットガルト・バレエの2016-17シーズン

ヨーロッパの劇場では、次シーズンを発表するのが一番遅いシュツットガルト・バレエの2016-17シーズンが発表されています。

http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2016-17-season/

新作としては、注目の若手振付家、現在新作「サロメ」の初日(6月10日)を目前としているデミス・ヴォルピの「ヴェニスに死す」。

シュツットガルト州立歌劇場オペラとの共同制作作品で、ブリテンの同名オペラ作品となります。ヴォルピは「クラバート」の大成功で一躍名を挙げ、20代半ばの若さでシュツットガルト・バレエの常任振付家となりましたが、オペラの振付もすでにいくつか手掛けており、2014年にはハイデルベルグ・オペラで「Fetonte」の演出をしています。オペラの演出としては2作目ですが、今回はバレエ団との共同制作なのでダンサーも出演します。シュツットガルト・バレエとオペラの共同制作作品としては、クリスチャン・シュプック演出の「オルフェオとエウリディーチェ」がありました。

もう一作、全幕の新作としては、マルコ・ゲッケの「カフカ」(仮題)があります。

これは、「くるみ割り人形」と「オルランド」に続きゲッケの3つめの全幕作品となります。オーストリアのJohannes Maria Staud という作曲家に音楽を委嘱。もちろん作家フランツ・カフカについての作品ですが、カフカの著作と、カフカという人物の両方の面からのアプローチとなるようです。ゲッケ独特の痙攣するような動きや暗い照明などは、なるほどカフカの世界に合っているかもしれません。

さらに、ミックスプロの2プログラムが用意されています。

SEDUCTION!
バレエ団のデミ・ソリストでもあるカタルツィナ・コツィエルスカの新作、シディ・ラルビ・シェルカウイの「牧神」、マルコ・ゲッケの「薔薇の精」そして、ベジャールの「ボレロ」です。

コツィエルスカの作品は、セルゲイ・プロコフィエフの孫であるガブリエル・プロコフィエフに音楽を委嘱。「牧神の午後」「薔薇の精」は、バレエ・リュスの作品が有名ですが、その現代版が上演されます。そしてあまりにも有名なベジャールの「ボレロ」で締めて、音楽の持つ魅惑的な力を表現したプログラムとしています。

Night Pieces
こちらは、中劇場での上演。エドワード・クラグの「SSSS ...」は、一部が日本でのガラでも上演されている作品でショパンのノクターンを使用。イリ・キリアンの「フォーリン・エンジェル」の音楽はスティーヴ・ライヒ。そしてもう一作品は、バレエ団の若手デミ・ソリストで昨年の来日公演でも活躍したルイス・シュテーンズの新作(バレエ団のプログラムとしては2作目)


リバイバルとしては、

マキシミリアーノ・グエラ振付の「ドン・キホーテ」
デミス・ヴォルピの大ヒット作「クラバート」
クランコの「じゃじゃ馬馴らし」
クランコの「ロミオとジュリエット」
Kammerballette」と題されたミックスプロ(中劇場での上演、ハンス・ファン・マネンの「カンマ―バレエ」、グレン・テトリーの「アリーナ」、そしてカタルツィナ・コツィエルスカの作品で今年の3月に初演されたばかりの「NEURONS」)

なお、2017年4月7、8、9日の3日間、東京バレエ団がツアーでシュツットガルト州立劇場でブルメイステル版「白鳥の湖」を上演します。

このほか、恒例の若手振付家の夕べ、ジョン・クランコ・スクールの公演、そして劇場前の公園で舞台の中継を観られる「バレエ・イン・ザ・パーク」もあります。


ヨーロッパの劇場が素晴らしいのは、毎年全幕の新作を1~2作品初演し、ミックスプログラムも新作含めて複数上演し、さらにレパートリーの公演が数多くあることで、公演数も演目も少ない北米と比較すると、ヨーロッパの文化の成熟度は桁外れであり、やはりバレエってヨーロッパの文化だと実感する次第です。国(ドイツの場合は州政府)が文化にそれだけお金を支出しており、そしてこのレベルの高い文化を求めて海外からも観客がやってくるわけですね。

なお、かつてシュツットガルト・バレエで活躍し、ウラジーミル・マラーホフともよく踊った名花イズール・レンドヴァイが、シュツットガルト・バレエにバレエ・ミストレスとして帰ってくるとのことです。

7月22日の「オネーギン」公演で、スージン・カンが引退します。オランダ国立バレエに移籍するダニエル・カマルゴはすでに「貴婦人と道化師」でさよなら公演を終えています。

今年はリード・アンダーソンの芸術監督就任20周年記念ということで、7月にはフェスティバルが行われ、日替わりで様々なプログラムが上演されます。7月24日には、ガラ公演も行われてシーズンが締めくくられます。

2016/06/02

コンドルズ 埼玉公演2016 新作 『LOVE ME TenDER』

トレードマークの学ラン姿でダンス、生演奏、人形劇、映像、コントを展開するコンドルズ。2006年『勝利への脱出 SHUFFLE』から始まった埼玉新作シリーズ公演も今回の 『LOVE ME TenDER』(6月18日、19日)で記念すべき10作目を数えます。

http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/3349

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(C)HARU

ステージいっぱいに繰り広げられる熱いパフォーマンス、予測のつかない展開、斬新かつちょっぴり懐かしいシーンの数々――。劇場の奥行きや舞台機構を活かしながら創る、埼玉ならではの新作に、今年はどんなサプライズが隠されているのでしょうか。結成20周年を迎えるコンドルズが贈るスペシャルな舞台です。

主宰の近藤良平さんは、彩の国さいたま芸術劇場での新作づくりについて、「機構も充実していて料理し甲斐があるし、奥行きも非常に深い。そんな大空間なのに大勢でドーンと仕掛ける場面も、一人で立っても絵になるし、『ここに立てて幸せだ』と思えるんですよ。結果、埼玉公演は不思議と色気のある作品ができ上がる」と語っています。

コンドルズ作品の中でも独自の魅力を放つ埼玉公演も10作品目。今年はどんな作品に出会えるのでしょうか?

昨年の「ストロベリー・フィールズ」は、いつものユーモラスで賑やかでノスタルジックなコンドルズ・ワールドの中でも、切なさとふとした死の匂いを感じさせるような作品でした。そして十字架がたくさん吊り下げられているようにも見える美しい場面で(実際には案山子なのですが)、近藤良平さんが舞台上で一人踊っている時に、大きな地震が起きたのです。吊り下げられた装置が揺れる中でも、ひとり踊り続けた近藤さんの姿は鮮烈で、忘れがたい公演となりました。

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『ストロベリーフィールズ』(2015)より(C)HARU

また、今年はコンドルズのさいたまでの公演10周年を記念して、様々な関連企画が開催されます。

「だいたい全員エッセイ」
http://blog.livedoor.jp/condors_saitama/
個性豊かなメンバーたちが埼玉公演にまつわるエピソードや埼玉への思いを綴るエッセイを随時更新しています。さいたま愛がさく裂していたり、楽しいエピソードが盛りだくさんです。

コンドルズ舞台写真展
2006年『勝利への脱出SHUFFLE』から始まったコンドルズ×彩の国さいたま芸術劇場による新作シリーズ公演。大ホールの空間と舞台機構を最大限に活かし、新作に挑み続けた10年を舞台写真とともに振り返ります。
今回はコンドルズ公演では欠かすことのできないあの小道具や、コンドルズプロデューサー勝山康晴による、これまでの埼玉公演に向けた“熱いお手紙”も特別に展示予定!
[会期] 2016年6月14日(火)~6月19日(日)
[時間] 9:00~22:00 ※休館日を除く
[会場] 彩の国さいたま芸術劇場 1階ガレリア(長廊下)
[料金] 入場無料


コンドルズ埼玉公演全作品を振り返る!スペシャルトーク動画

2006年『勝利への脱出 SHUFFLE』から2015年『ストロベリーフィールズ』までのコンドルズ埼玉公演全9作品を、コンドルズ近藤良平、勝山康晴、そしてスペシャルゲスト(?)が振り返るトーク動画!
埼玉で創り、埼玉ならではの新作にこめたコンドルズの思いとは?
5月下旬より随時公開開始!

コンドルズ埼玉公演2016新作『LOVE ME TenDER』 ポストパフォーマンストーク
コンドルズ近藤良平、勝山康晴による10作目を記念するアフタートークを開催。
『LOVE ME TenDER』の興奮冷めやらぬ舞台上で、新作公演の創作秘話はもちろん、埼玉公演10作品への思いを熱く語ります!
[日時] 2016年6月19日(日)15:00公演終演後(*)
[出演] 近藤良平、勝山康晴
[聞き手] 佐藤まいみ(彩の国さいたま芸術劇場ダンス部門プロデューサー)
*ご入場には6月19日(日)公演のチケットが必要です。

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『ストロベリーフィールズ』(2015)より(C)HARU

『LOVE ME TenDER』公演
日時
2016年6月18日(土) 開演14:00/19:00
6月19日(日) 開演15:00
※開場は開演の30分前です。
※演出の都合により、開演時間に遅れますと入場をお待ちいただく場合がございます。
 予めご了承ください。

会場 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
上演時間 1時間30分(予定)
構成・映像・振付 近藤良平
出演 コンドルズ
主催 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
企画制作 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ROCKSTAR有限会社
託児サービス
本公演への未就学児の入場はご遠慮いただいております。
(2歳以上の未就学児に対して託児のご予約を承ります)
【お申し込み先】
株式会社コマーム
048-256-1666(土・日・祝を除く9:00~18:00)

チケット料金(全席指定・税込)
一般:S席5,000円、A席3,500円
U-25*:S席3,000円、A席2,000円 *公演時25歳以下対象、入場時要身分証明書。
SAFメンバーズ:S席4,500円、A席3,200円

【チケット取扱い】
■SAFチケットセンター
・電話
 0570-064-939(彩の国さいたま芸術劇場休館日を除く10:00~19:00)
 ※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
・SAFチケットオンライン
 ご購入はこちら
 ※初めてご利用になる方は利用登録(無料)が必要です。

■窓口 
・彩の国さいたま芸術劇場(休館日を除く10:00~19:00) アクセス

■プレイガイド
・チケットぴあ http://t.pia.jp (PC&携帯)
0570-02-9999(音声自動認識/Pコード:449-179)

・イープラス http://eplus.jp/ (PC&携帯)

・ローソンチケット http://l-tike.com/ (PC&携帯)
 0570-000-407(オペレーター対応)
 0570-084-003(Lコード:34750)

【お問い合わせ先】
SAFチケットセンター 0570-064-939(彩の国さいたま芸術劇場休館日を除く10:00~19:00)
※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。

2016/06/01

第一回国際極東フェスティバル「マリインスキー」でオニール八菜さんが「ジゼル」主演

ウラジオストクにあるマリインスキー劇場の沿海ステージで7月30日から8月10日まで、同劇場の芸術監督を務める指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏が主催する第一回国際極東フェスティバル「マリインスキー」が開催されます。

http://jp.rbth.com/arts/2016/05/31/599011

旧称国立沿海オペラ・バレエ劇場は、2013年にウラジオストクにできた新しい劇場ですが、2015年よりマリインスキー劇場の傘下となり、マリインスキー劇場の沿海ステージと名を改めました。
http://prim.mariinsky.ru/

バレエ部門の芸術監督は、今年上演された谷桃子バレエ団の「眠れる森の美女」や、同バレエ団の「海賊」の改訂振付も手掛けた元マリインスキー・バレエのエルダー・アリエフ。6人の女性ソリストのうち4人が日本人です。

この第一回国際極東フェスティバル「マリインスキー」は、大変豪華なステージとなります。

http://prim.mariinsky.ru/en/news/?SECTION_ID=245&ELEMENT_ID=71851

「ダンスの未来」という公演では、前半は4月のマリインスキー国際フェスティバルの若手振付家ワークショップで上演された作品、 “Pavlosk” (Maxim Petrov), “SeasonS” (Ilya Zhivoi)の2作品 と、“Choreographic Game 3x3” (Anton Pimonov)が上演されます。

(「若手振付家のワークショップ」の映像はここで観られます。Uさん、ありがとうございます)

後半は、マリインスキー・バレエのダンサーと共に、様々な国際コンクールで受賞した世界のダンサーが出演するとのことです。特に、2014年のヴァルナ国際コンクールで特別賞を受賞したSoo Bin Leeという18歳の韓国人バレリーナが注目なのだそうです。


また、8月3日、4日は20世紀の主要な作品である1幕ものバレエのガラ公演が行われます。バランシンの「シンフォニー・イン・C」、アロンソの「カルメン組曲」、ジェローム・ロビンスの「イン・ザ・ナイト」、ハンス・ファン・マネンの「オールドマン・アンド・ミー」などです。

マリインスキー・バレエのスターであるディアナ・ヴィシニョーワ、ウリヤーナ・ロパートキナ、エカテリーナ・コンダウーロワ、オクサーナ・スコリークなどが出演します。また、エカテリーナ・オスモルキナ、アンドレイ・エルマコフ、コンスタンチン・ズヴェーレフ、エフゲニー・イワンチェンコ、キミン・キム、ダニーラ・コルスンツェフ、アレクサンダー・セルゲイエフ、そしてウラジーミル・マラーホフも出演するとのことです。


そして8月6日には、ジゼル役にオニール八菜、アルブレヒトにザンダー・パリッシュを迎えての「ジゼル」全幕公演が行われます。オニールさんは、現在上演されているパリ・オペラ座の「ジゼル」ではミルタを踊っているので、ジゼル役はデビューだと思われます。

8月9日には、オニールさんと同じくブノワ賞に輝いたキミン・キムが「白鳥の湖」の全幕に主演します。


音楽の方でも、7月29日、国際コンクール「グランド・ピアノ・コンペティション」入賞者のコンサートが開かれ、奥井紫麻さん(11)や、国立モスクワ音楽院に学ぶ松田華音さん(20)も出演するとのことです。7月31日には、ゲルギエフ指揮の公演が一日3回!も行われ、諏訪内晶子さん、そしてショパン国際コンクールで優勝したチョ・ソンジンが出演します。このほか、世界的な演奏家や歌手を招いた豪華な公演が毎日行われます。


ウラジオストクはご存じの通り、日本から極めて近く、成田空港からの直行便で2時間半(週3回運航)です。ロシア・バレエファンにとっては非常に魅力的な公演、興味のある方はこの機会に行ってみるのも良さそうですね。

ヘルシンキ国際バレエコンクールのファイナリスト

4年に1度開催される国際コンクール、ヘルシンキ国際バレエコンクールのファイナリストが発表されています。

ジュニア部門で10名、シニア部門で16名がファイナルに進出します。

http://ibchelsinki.fi/en/results/

Juniors

1 Zhuming Chen, China
9 Jeongmin Cheon, South Korea
11 Yuedong Sun, China
17 So Jung Shin, South Korea
18 Matthew Cunningham, USA
24 Rieko Hatato, Japan 畑戸利江子(塚本洋子テアトル・ド・バレエカンパニー&アカデミー)
26 Yeojin Shim, South Korea
27 Chongzheng Guan, China
35 Frederico Loureiro, Portugal
36 Fangqi Li, China

Seniors
41 Yee Taek Young, South Korea
43 Kamill Ariston Chudoba, Austria (フィンランド国立バレエ)
47 So Yun Park, South Korea
48 Takatoshi Machiyama, Japan 待山貴俊(ベラルーシ国立バレエ)
50 Heesun Kim, South Korea
51 Xinlu Zhan, China
52 Zachary Rogers, Canada (2013年ローザンヌ国際コンクールファイナリスト、エストニア国立バレエ)
54 Suvi Honkanen, Finland (フィンランド国立バレエ)
59 Byul Yun, South Korea
61 Gento Yoshimoto, Japan 吉本絃人(ポーランドグランドシアターポズナン)
63 Kengo Nishioka, Japan 西岡憲吾(ベオグラード国立歌劇場バレエ団)
67 Yimeng Sun, China
69 Hojin Jeon, South Korea
70 Jehyun Park, South Korea
71 Yoshiko Kamikusa, Canada 上草吉子(ロイヤル・ウィニペグ・バレエ)
72 Jiyu Wang, China

日本人のセミファイナリストは、ほぼ全員そのままファイナルに進出となったので、大変優秀な成績をここまで収めていることになります。

ご覧の通り、ファイナリストの多くは、日本、韓国、中国からの出場者で占められています。


塚本洋子テアトル・ド・バレエカンパニー&アカデミーのブログでは、引き続き 畑戸利江子さんがコンクールに挑戦する様子をレポートしています。
http://theater-de-ballet.jp/tbc-blog/

なお、ファイナルの模様は以下のサイトでライブ中継で観ることができます。5月31日分、ヨーロッパ時間18:45~(日本時間、25:45~)
http://yle.fi/aihe/tapahtuma/2016/05/31/helsingin-kansainvalinen-balettikilpailu-2016-finaali-1-helsinki-international

6月1日分 ヨーロッパ時間18:45~(日本時間、25:45~)
http://yle.fi/aihe/tapahtuma/2016/06/01/helsingin-kansainvalinen-balettikilpailu-2016-finaali-2-helsinki-international

また、畑戸利江子さん、待山貴俊さんのコンクール映像の録画も観ることができます。

NHK-BSプレミアム7月、シェイクスピア・デイ・ライブとオランダ国立バレエ「マタ・ハリ」放映

7月のNHK-BSの番組表が更新されました。

http://www.nhk.or.jp/bs/lineup/pdf/bsp_nextmonth.pdf

NHK-BSプレミアム
7/17(日)0:00~ プレミアムシアター

シェイクスピア没後400年記念シェイクスピア・ナイト

「ロミオとジュリエット」、「十二夜」、 「ベアトリスとベネディクト」、 「アンソニーとクレオパトラ」
出演:ジュディ・デンチ、ベネディクト・カンバーバッチ、ケネス・ブラナー、英国ロイヤル・バレエほか。

4月23日にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにおいてネット生中継を行ったシェイクスピア・ライブです。ロイヤル・バレエのヤスミン・ナグディとマシュー・ボールが「ロミオとジュリエット」のバルコニーシーンを踊るほか、バーミンガムロイヤルバレエのエリシャ・ウィリスとタイロン・シングルトンが「オテロ」を踊るシーンも。シェイクスピアの戯曲からの有名なシーンを抜粋して演じた俳優陣も大変豪華で、上記他、ヘレン・ミレン、イアン・マッケラン、デヴィッド・テナントらが出演し、チャールズ皇太子まで登場しての「ハムレット」の豪華なコントも観られます。
https://www.rsc.org.uk/events/shakespeare-live-from-the-rsc/about-the-event

ここで少し番組の内容を解説しています。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/04/423-87c2.html


また、同じくNHK-BSプレミアム
7月31日(日)0:00~ プレミアムシアター

オランダ国立バレエ「マタ・ハリ」
演出:テッド・ブランセン、音楽:タリク・オレガン、
出演:アンナ・ツィガンコーワ ほか 

http://www.operaballet.nl/en/ballet/2015-2016/show/mata-hari

オランダ出身で、第一次世界大戦で活躍したダンサーで有名な女スパイのマタ・ハリの生涯を描いた作品で、今年2月に初演されたばかりの新作です。簡単な作品の解説をこの記事で紹介しています。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/02/2016-7-4c8c.html

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