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« ルーマニア国立バレエ(ブカレスト国立歌劇場)での混乱 | トップページ | ウィリアム・フォーサイスが、ボストン・バレエとパートナーシップを締結 »

2016/05/05

勅使川原三郎連続公演「シナモン」「静か」

シアターXにて、勅使川原三郎連続公演「シナモン」「静か」が4月28日より5月5日まで開催されています。(「シナモン」は終了し、「静か」はあと1公演。

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http://www.st-karas.com/camp0713-2/

「シナモン」

言葉の破片による動体彫刻
ブルーノ・シュルツ作の第一短編集「肉桂色の店」から抜粋

出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里

勅使川原さんは、「青い目の男」「ある晴れた日に」など、ブルーノ・シュルツの著作を基にした作品を8作品も発表しているのだが、シュルツの著作は残念ながら読んでいない。「シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)」、「ブルーノ・シュルツ全集」ともども、絶版になっていて古本の値段も高くなっている。でも、この作品は、佐東利穂子さんが「肉桂色の店」のテキストを朗読しているのが流れるので、読んでいなくても大丈夫。

夢のように美しい舞台だった。テキストを朗読する声が響き、その中の夢幻の世界を体現する照明、そして音楽。狐、すこし呆けたような老人(父)、そして馬にまでなりきる勅使川原さん、激しく動いている時でさえ優雅で気品溢れる、貴婦人のような佐東さん、アクセントを加えるように、エッジーでスピーディな鰐川さんが短い間だけ舞台に登場する。別世界に連れて行かれる陶酔の1時間。

今回はセピアや茶色系統の照明が圧倒的に美しくて、タルコフスキーの映画を思わせるような終末感までも漂わせていた。様々なイマジネーション、風、光、空気、温度、記憶が喚起される。背景に映りこむ、勅使川原さんと佐東さんのシルエットの配置も計算しつくされていた。ショルツのテキストの持つイメージとシンクロして、それはそれは夢幻の時だった。

勅使川原さんは本当に多作なのに、毎回毎回新機軸を打ちだし、汲めど汲めど尽きないイマジネーションの豊かさと舞踊語彙の豊富さには舌を巻くしかない。テキストの寂寥感を体現する照明と舞踊の圧倒的な美。いつまでも観ていたかった。

「静か」
無音が構成する時間とダンス
60分の無音が新たな時間を創出させ、その場にダンスが現れる

出演 佐東利穂子 勅使川原三郎

勅使川原三郎「静か」。アパラタスでの上演も観ていたけれど、アパラタスの閉じていて漆黒の空間とは違った味わい。完全な無音の中繰り広げられるダンスは、今までダンスに持っていた概念を覆すような、有機的で動きそのものが音楽になっているような。時空を歪曲させるようなじわじわ来る力を持っている。

シアターXの茶色い壁を生かした照明。時に細長く区切られた壁の前で繰り広げられるダンスは、古代ギリシャの壁画を思わせるここともあり、また襖のように見えて和の空間に見えることも。勅使川原さんの動きは、ニジンスキーの『牧神の午後』を思わせることもあれば、佐東さんを操る魔術師のようにも見えた。

勅使川原さんの舞台は、ダンスに力みがなくてふわっとしているのに、同時にものすごく濃密で、音がないこともあって、自分たち観客ともども、異空間にワープしたような気持ちになる。時間の概念も忘れてしまうような。大地に足をつけた勅使川原さんと、柳のようにしなやかで、空気をはらんだように、力が入っていないようにも感じられる佐東さんの対比も鮮やかで、この二人にはしっかり距離があるのに絶妙の間があって不思議に共鳴し、ハーモニー、つまりは音楽を奏でているのも面白かった。

音がないので、いったいどうやって動きのきっかけを作っているのだろか、どうやってお互いの距離を測っているのだろうか。「アップデイトダンス」では日々振付が変化する部分があったので今回も、即興的なところもあったと思うのだが、そのあたりのスリリングさも、勅使川原さんの作品、佐東さんのダンスの醍醐味の一つだ。

公演はあと一回、
5月5日(祝)16:00
劇場 東京・両国シアターX

問合せ KARAS
電話 03-3682-7441 メール info@st-karas.com

5月終わりより、またKARAS APPARATUSでのアップデイトダンスシリーズの公演もあります。

アップデイトダンスNo.34「春と修羅」
5月26日(木)~6月3日(金) (5月30日(月)のみ休演)


No.35「トリスタンとイゾルデ」
6月8日(水)~16日(木) (6月12日(日)のみ休演)

No.36「白痴」
6月21日(火)~29日(水) (6月25日(土)のみ休演)

月~金は20:00開演、土、日は16:00開演

【料金】
予約2500円
当日3000円
学生1500円

【予約】
メール updatedance@st-karas.com
件名を「アップデイトNo.34」とし、本文にご希望の日付、一般または学生、枚数、住所、氏名、日中連絡のつく電話番号をご記入ください。メール予約受付は各回とも前日の24時まで受け付けています。

【場所】
カラス・アパラタス/B2ホール

問合せ  カラス・アパラタス:03-6276-9136

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