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2016/05/10

彩の国さいたま芸術劇場佐藤まいみ、愛知県芸術劇場唐津絵理、各プロデューサーのインタビュー

ダンス情報のwebサイトBallet Factoryに、彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー佐藤まいみさんと、愛知県芸術劇場のシニアプロデューサー唐津絵理さんのロング・インタビュー記事が掲載されています。

両劇場とも、ダンス公演にとても力を入れており、海外の優れたアーティストを招聘するだけでなく、自主企画公演や、その劇場発の作品を海外でも上演するなど素晴らしい実績を上げており、日本のダンス界になくてはならない存在です。地元の舞踊団体とのコラボレーションやアウトリーチ活動も行っています。そしてお二人とも、大変な目利きであり、また各地の劇場でお目にかかる機会も大変多く、精力的に動き回られています。

インタビューは舞踊評論家の高橋森彦さんによるものですが、大変読みごたえのある良いインタビュー記事で、これからのダンスの在り方についても考えさせられるので、ご紹介します。

彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー佐藤まいみ インタビュー
http://www.ballet-factory.com/takahashi/new/035.html

佐藤まいみさんは1980年代にフランスでダンスの制作に携わり、帰国後横浜市開港130周年記念「ヨコハマ・アート・ウェーブ’89」アーティスティック・ディレクターに就任。以後、神奈川国際舞台芸術フェスティバルプロデューサー(神奈川芸術文化財団)、「フランスダンス’03」フェスティバル代表プロデューサー、「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」ディレクター(2012年&2015年)などの要職を歴任されてきました。2005年にフランス文化勲章オフィシェ受章。現在は彩の国さいたま芸術劇場プロデューサーとしてダンス公演のプロデュースに当たられています。

2006年に彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサーに就任された当初は、ヤン・ファーブルの『主役の男が女である時』『わたしは血』、アクラム・カーン&のシディ・ラルビ・シェルカウイ『ゼロ度』などを上演。その後も様々なチャレンジをされていますが、2008年にさいたまで上演した『Hydra ヒュドラ』は森山開次など日本人ダンサーも交えて国際共同製作として企画・制作し、埼玉発信の作品としてヨーロッパ・ツアーも行ったとのことです。

海外招聘だけでなく日本人振付家の作品も制作しました。 『日本昔ばなしのダンス』では近藤良平、伊藤千枝、井手茂太といった振付家を起用し、各地のホールで上演されました。

これからの公演では、残念ながら注目のイスラエル・ガルバンとアクラム・カーンの『TOROBAKA』はガルバンの怪我で公演中止になってしまいましたが、2006年以降毎年さいたまで作品を発表してきたコンドルズの最新作『LOVE ME TenDER』、さらにはフィリップ・ドゥクフレの新作『コンタクト』が予定されています。

さらに、来年3月には、1989年以来、日本の観客にとっては27年ぶりのピナ・バウシュの代表作『カーネーション』を引っ提げてピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団が公演を行います。これは必見の舞台と言えます。

ダンス普及事業として「MEET THE DANCE~アーティスト学校にやってくる!」と題して中学校に出向いてワークショップを開いています。今は中学校ではダンスが必修科目となっていますが、ストリートダンスが90%を占めているとのことで、それ以外のダンスについても知って体験してもらう機会を作り出しています。埼玉県舞踊協会との2年に一度の「ダンスセッション」という企画、また今年は12月に、地元埼玉県のNBAバレエ団の『BREAK THE MOULD』という提携公演も予定するなど、地元との企画も行っています。

『今の日本のダンス界には何が必要か』を考えて次の展開をどうするかを改めて謙虚に考えておられるとのことで、このあたりについては、ぜひこのインタビュー記事を読んでいただければと思います。この劇場で上演されたパフォーマンスの、美しい舞台写真もたくさん掲載されています。

【彩の国さいたま芸術劇場 2016年度 ダンス関連事業】

コンドルズ 埼玉公演2016新作『LOVE ME TenDER』
日程:2016年6月18日(土)開演14:00/19:00、19日(日)開演15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
構成・映像・振付:近藤良平
出演:コンドルズ
※好評発売中

フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA『CONTACT-コンタクト』(2014年初演)
日程:2016年10月28日(金)19:00/29日(土)・30日(日)15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
出演:カンパニーDCA

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『NELKEN-カーネーション』(1982年初演)
日程:2017年3月16日(木)・17日(金)開演19:00、18日(土)開演15:00、19日(日)開演14:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:ピナ・バウシュ
出演:ヴッパタール舞踊団

なお、彩の国さいたま芸術劇場は、最近公式Facebookサイトを開設しました。こちらもぜひどうぞ。


唐津絵理(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー、「あいちトリエンナーレ2016」キュレーター) インタビュー
http://www.ballet-factory.com/takahashi/new/034.html

 愛知を拠点に国内外の数多くのアーティストと舞台制作を行う唐津絵理さんは先鋭的なパフォーミングアーツの紹介・普及に努め日々東奔西走されています。これまでの軌跡から2016年度の愛知県芸術劇場主催公演および「あいちトリエンナーレ2016」のラインアップ、プロデューサーとしてのポリシー、今後の展望までを伺いました。

大学院でダンスを専攻し自ら踊っていたという唐津さんが、最初に企画されたのは木佐貫邦子さんのダンス公演。その後もコンテンポラリーダンスに力を入れ、1999年にはH・アール・カオスの『春の祭典』を大ホールでオーケストラ付きで上演しました。大ホールでたくさんの人を巻き込むことができるようなスケール感のある作品を創りたかったとのことで、ダンスを核にライブの音楽や声が入った総合的な舞台芸術として『悪魔の物語』&『月に憑かれたピエロ』(2004年)、『青ひげ城の扉』(2005年)、『UZME』(2005年)、『ハムレット~幻鏡のオフィーリア』(2007年)、『神曲』(2008年)をプロデュースしています。

愛知県の劇場として、県民にどうかかわってもらうかをいつも意識されているとのことです。人材育成に力を入れて体験型のワークショップを開催したりプロの人材育成も課題としており、今活躍している米沢唯さん、寺井七海さん(新国立劇場)、佐々部佳代さん(K-Ballet Company)も10代の時に舞台に参加してもらっているとのこと。コンドルズとは地域を巻き込む企画を制作し子どもたちのダンサーが参加する企画も実施したそうです。

2016~17年の企画も多彩です。4月には、ダンスとラップ~島地保武× 環ROY『ありか』という異ジャンルの共演、そして7月のH・アール・カオスの久々の公演である白河直子さんのソロ『エタニティ』、さらにチェコのヴェルテダンス『CORRECTION』、Noismの新作『ラ・バヤデール―幻の国』があります。

さらに、3年に一度の国際的なアートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」(8月11日~10月23日)が行われパフォーミングアーツのキュレーターを務められます。フラメンコの革命児イスラエル・ガルバン、愛知県・奥三河地方で伝承されている芸能神事「花祭」に題材を取った山田うんの新作、さらにさいたまでも上演されるフィリップ・ドゥクフレの『コンタクト』、勅使川原三郎演出のプロデュースオペラ『魔笛』など、注目の公演が目白押しです。

今後は、日本のダンスを取り巻く制作・創作環境を底上げしていくことに努められ、ダンスを観る機会の少ない愛知県内の地域にソフトを提供したりして鑑賞機会を広げて行かれることをしていかれたいとのことです。

これから上演される作品や、あいちトリエンナーレについて、そしてアーティストに対するメッセージまで、唐津さんは熱く語られていますので、詳しいことは、ぜひインタビュー記事の方をお読みください。(私も、愛知県出身であることもあり、あいちトリエンナーレにはできるだけ足をたくさん運ぶつもりです)

【愛知県芸術劇場 舞台芸術 主な公演】
http://www.aac.pref.aichi.jp/syusai/index.html

5月27日(金)~30日(月)愛知県芸術劇場小ホール
木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』

6月19日(日)愛知県芸術劇場小ホール
ニンフェアール第12回公演『ReAccrd』

7月1日(金)~ 3日(日)愛知県芸術劇場小ホール
H・アール・カオス 白河直子ソロダンス『エタニティ』
演出・振付:大島早紀子 ダンス:白河直子

7月16日(土)愛知県芸術劇場大ホール
Noism 劇的舞踊vol.3『ラ・バヤデール-幻の国』
演出振付:金森穣  脚本:平田オリザ

8月23日(火)、24日(水) 愛知県芸術劇場小ホール
おいしいおかしいおしばい『わかったさんのクッキー』

9月9日(金)~12日(月)愛知県芸術劇場ホール
第15回AAF戯曲賞受賞記念公演『みちゆき』

10 月15日(水) 愛知県芸術劇場大ホール
『Sutra (スートラ) 』
出演:シディ・ラルヴィ・シェルカゥイ、少林寺武僧

10 月14 日(金)、15 日(土) 愛知県芸術劇場小ホール
ヴェルテダンス『CORRETION』
振付:イリ・ハベルカ  音楽・演奏:クラリネット・ファクトリー・ライヴ

10月16日(日)、18日(火)、19日(水) 愛知県芸術劇場小ホール
パフォーミングアーツ・セレクション

11 月6 日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール
白井剛&中川賢一&堀井哲史  『ON-MYAKU 2016 -see/do/be tone-』

<あいちトリエンナーレ2016 舞台芸術部門「パフォーミングアーツ公演」>
「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」
開催期間/8月11日(木・祝)~10月23日(日)
http://aichitriennale.jp/artist/index.html#pa

8月11日(木・祝) ~14日(日)愛知県芸術劇場小ホール
8月17日(水)・18日(木) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
ダニ・リマ『Little collection of everything』

9月17日(土)・19日(月祝)愛知県芸術劇場大ホール
プロデュースオペラ モーツァルト作曲『魔笛』全2幕・ドイツ語上演
指揮: ガエタノ・デスピノーサ  演出: 勅使川原三郎

9月24日(土)・25日(日)オアシス21
『虹のカーニヴァル』

10月7日(金)〜9日(日) 愛知県芸術劇場小ホール
イスラエル・ガルバン『SOLO』

10月8日(土)~10日(月・祝)豊橋公園
アニマル・レリジョン『Chicken Legz』

10月9日(日)・10 日(月・祝) 岡崎シビコ
アジアン・サウンズ・リサーチ(プロジェクト・ディレクター:Sachiko M)『OPEN GATE 2016』

10月15日(土)・16日(日)  名古屋市芸術創造センター
イスラエル・ガルバン『FLA.CO.MEN』

10月15日(土)・16日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
カンパニー DCA / フィリップ・ドゥクフレ『CONTACT』

10月21日(金)~23日(日) 名古屋市内のまちなか
カンパニー・ディディエ・テロン / ディディエ・テロン『AIR』/『LA GRANDE PHRASE』

10月22日(土)・23日(日) 名古屋市芸術創造センター
山田うん『新作(タイトル未定) 』

10月22日(土)・23日(日) 愛知県芸術劇場小ホール
小杉武久『MUSIC EXPANDED #1 / #2』

10月23日(日) 名古屋市青少年文化センター
青木涼子『秘密の閨(ねや)』

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コメント

こんにちは。

 5月3日に、サドラーズのイヴェントでスポルディングさんと話した時に、イスラエル・ガルバンが怪我をしたと聞きました。「トロバカ」はどうなるかと思ったら中止になってしまったんですね。10月の愛知公演までには回復すると良いですね。「トロバカ」は、僕は傑作とは思いませんが、2人の傑出したダンサーの踊りという点では記憶に残る作品なので、日本での上演が叶いますように。

守屋さん、こんにちは。

そうなんですよ~しばらく前に怪我をされていて、ニューヨークなどアメリカツアーもキャンセルになってしまったようで、やはり、という感じでした。とても楽しみにしていたので、残念です。アクラムも数年後にはダンサーは引退されてしまうようですし。ガルバンの怪我の回復は順調だと聞いているので、10月に愛知で観られたらいいなと思っています。

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