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2016年3月

2016/03/30

マリインスキー国際フェスティバル、ヴィシニョーワ・ガラ他ネット中継

3月31日より4月10日まで、第16回マリインスキー国際フェスティバルが開催されます。

オープニングを飾るのは、ユーリ・スメカロフ振付、プーシキン原作の「青銅の騎士」。「青銅の騎士」はかつてザハーロフ振付の作品がありましたが、今回は音楽は同じでザハーロフ作品に基づいているものの、ほぼ新作ということだそうです。

そして4月1日には、ディアナ・ヴィシニョーワが恩師リュドミラ・コワリョーワに捧げたガラ公演「Diana Vishneva. Tribute to a Teacher」が開催されます。こちらのガラ公演がMariinsky.tvでネット生中継されます。

https://t.co/mw5PDDSrAa

第一部は、コワリョーワの教え子を中心とした出演者によるガラです。

エカテリーナ・ボルチェンコ(ミハイロフスキー劇場)、オルガ・エシナ(ウィーン国立バレエ)、ソフィア・グメロワ、アリサ・ペトレンコ(以上マリインスキー・バレエ)、オルガ・スミルノワ(ボリショイ・バレエ)、クリスティーナ・シャプラン(マリインスキー・バレエ)、ニカ・ティヴィタリア(モスクワ音楽劇場)、ディアナ・ヴィシニョーワ、ズラータ・ヤリニッチ(以上マリインスキー・バレエ)

ティムール・アスケロフ、ヴィタリー・アメリシコ、アレクサンドル・ベロボロドフ、ロマン・ベリャコフ、エフゲニー・イワンチェンコ、イーゴリ・コールプ、ダニーラ・コルスンツェフ(以上マリインスキー・バレエ)、ロマン・ラツィク(ウィーン国立バレエ)、ウラジーミル・マラーホフ、アルチョム・オフチャレンコ(ボリショイ・バレエ)、アレクサンドル・セルゲイエフ、アレクセイ・チュチュンニク、ナイル・ヤニケエフ、アンドレイ・エルマコフ(以上マリインスキー・バレエ)

第二部は、ハンス・ファン・マネン振付「LIVE」
ディアナ・ヴィシニョーワ、コンスタンチン・ズヴェレフ

コワリョーワは、キーロフ劇場においてフロリナ王女、ミルタ、森の女王と言った役を踊った後引退し、以後35年以上に渡ってワガノワ・アカデミーで教鞭を振るい、多くの名ダンサーを生み出してきました。中でも、コワリョーワの業績を世界に知らしめたのがディアナ・ヴィシニョーワだったというわけです。


もう一つ、4月7日の「若手振付家のためのワークショップ」がネット生中継されます。

今回は4人の振付家による5作品が上演されますが、中でも、現在ボリショイ・バレエのリーディング・ソリストを務めているアンドレイ・メルクリエフの作品があるのが注目されます。また、マリインスキー・バレエの団員であるマキシム・ペトロフは、このワークショップで何回か作品が上演されており、昨年に開催されたコルスンツェフ、コールプ、イワンチェンコのためのガラ「ダンスの騎士たち」で、コールプのために「王のディヴェルティスマン」を振付けています。マリインスキー・オペラのバレエシーンにも作品を提供している注目株です。

ロシアと日本の時差は6時間です。ヴィシニョーワ・ガラは19時30分開演、若手振付家のためのワークショップは19時開演なので、日本では25時30分もしくは25時という遅い時間となってしまいますが、Mariinsky.tvの中継は、次の中継までしばらくアーカイブを残してくれているので、少なくともあと1日後までは視聴できると思います。


今年のマリインスキー国際フェスティバルは、パリ・オペラ座バレエが大きく参加しており、クロージングとなるガラでは、バンジャマン・ミルピエ振付でオペラ座でも今シーズン上演された「La nuit s’achève」が上演されます。この作品には、オペラ座からアマンディーヌ・アルビッソンとエルヴェ・モローも出演。ほかに様々なディヴェルティスマンと、「シンフォニー・イン・C」が上演されます。ディヴェルティスマンには、シュツットガルト・バレエからダニエル・カマルゴが出演します。

このほか、4月4日の「ジゼル」にはエヴァン・マッキー(ナショナル・バレエ・オブ・カナダ)が、4月5日の「白鳥の湖」にはエロイーズ・ブルドン(パリ・オペラ座)が、4月8日の「眠れる森の美女」にはヒーセオ(ABT)が、そして4月9日の「ラ・バヤデール」にはガムザッティ役でオニール八菜さん(パリ・オペラ座)がゲスト出演します。また、4月6日には、ペルミ・バレエがゲストカンパニーとして登場し、「三人姉妹」、ダグラス・リー振付「When the Snow Was Falling」 、「レ・パルティヌール」が上演されます。

記者会見映像

2016/03/29

3/27 YUKIO SUZUKI Projects【warp mania #1】

【振付・演出】鈴木ユキオ

SIDE-A 「微分の堆積」 
【出演】 安次嶺菜緒 堀井妙子 赤木はるか 新宅一平 五十嵐結也 鈴木ユキオ
SIDE-B 「春の祭典」「Yoyesに捧ぐ」
【出演】 鈴木ユキオ 安次嶺菜緒

http://setagaya-pt.jp/performances/20160325suzukiyukio.html

トヨタコレオグラフィーアワード2008次代を担う振付家賞を受賞し、パリ市立劇場Danse Elargie 2012ファイナリストに選出されるなど国内外で評価される鈴木ユキオ。シアタートラムでの今回の公演は、2015年7月「ダンスが見たい!17」(d-倉庫)で初演された「春の祭典」の再演と、新作 「微分の堆積」の2本立て。

「春の祭典」「Yoyesに捧ぐ」

「春の祭典」ほど多くのダンス作品が振付けられた音楽もないのではないだろうか。実際、こちらの「春の祭典」が初演された「ダンスが見たい!17」は、「お題:春の祭典」として、様々な振付家が日替わりで「春の祭典」にダンスを振付けるという趣向であった。しかし「春の祭典」のダンス作品はついつい似たようなイメージの作品になりがちである。鈴木ユキオさんの「春の祭典」は従来の作品とは違った切り口でありながら、「春の祭典」という、春を渇望する儀式とは何だったのだろうか、世界を支配する暗い「冬」は何を奪い、何を作り出そうとしているのか(パンフレットより引用)、ということを問いかける作品となっている。「プラハの春」も発想の出発点となったのだろう。

舞台の前方に、紙製のファイルボックスが壁のようにたくさん積み上げられてスクリーンとして機能している。このファイルボックスに映し出されるのは、20世紀の人類の歴史とダンスの歴史。戦争や災厄や革命などの映像に混じって、デニ・ショーンや、ピナ・バウシュの「春の祭典」などのダンス映像も。この積み上げられたファイルボックスを鈴木ユキオさんが一つずつ持ち去って、両脇に整然と並べていく。壁がなくなっていくと映像は舞台後ろに映るようになるという趣向。ついにすべてのファイルボックスが両脇へと移動してスクリーンがなくなる。マイクを持った鈴木さんが、チェコの資料館で撮影された映像も、この中には含まれていると話す。ファイルボックスの中には、著名な舞踊家や振付家について書かれた記事のプリントアウトが入っている。そしてファイルボックスの一つを倒すと、ドミノ倒しのようにそれらは倒れて行って、ついでに鈴木さんはすべてのファイルボックスを蹴って、舞台脇へと押しやってしまう。「壁を壊すこと」が、ダンスの創り手として目指してきたことだと語りながら。

「春の祭典」後半の音楽と共に、鈴木さん、そして毛皮のコートをまとった安次嶺菜緒さんのダンスが始まる。二人とも野生を感じさせるような、非常にパワフルでありながら、ひりひりとした緊張感がある体当たりのダンス。「Yoyesに捧ぐ」のYoyesとは、スペインの政治活動家マリーア・ドローレス・ゴンサーレス・カラダインの別名だという。バスク祖国と自由(ETA)の指導者だったが、組織脱退後にETAの活動家によって殺害された。ダンスの緊張感が高まり、音楽もクライマックスに近づいたところで、二人とも上着を脱ぎ棄て、赤く塗られた裸の上半身となる。安次嶺さんは、ファイルボックスを頭にかぶったり、舞台前方に置いてあったミニチュアの動物を持ったりする。生き物である人間の生の本能を感じさせる、凄まじいパワーを感じさせる表現だった。音楽が終わってからも、作品は続いている。ほかの「春の祭典」にあるような、音楽の終わり=生贄の死ではなくて、生の営みが続いていることを感じさせた。

革命家が、人々が、そしてダンサーが夢見た「春」というのはいったい何だったんだろう。ファイルボックスが作り上げた「壁」を崩すこと、破壊の後の、死の後の再生―「春」を力強く感じさせる作品だった。


「微分の堆積」 

白い床の上に映える、シンプルだけどカラフルな衣装をまとった5人のダンサーたち。一見ユニゾンのように動いたり、伸びやかに動いているようでキラキラした若者たちにみえるけど、その一方で、時に床に這いつくばったり、ゆがんだような動きを見せたりしていて、どこか何かが違っているかのように見える。この中のうちの何人かは、実はこの世にはもういない人たちなのだろうか。

そこへ鈴木ユキオさんが朗読する、スヴェトラーナ・アレクシェービッチ(ノーベル賞受賞作家)の「チェルノブイリの祈り」が聞こえてくる。チェルノブイリの原発事故に遭遇して、平和な日常が破壊されてしまった人々のダイアローグが淡々と綴られている。圧倒的な悲劇と破壊によって、理不尽な悲劇によって引き裂かれてしまったけれども、それでも日常を生きていく。そんな中でも人生の中には、一瞬でも美しさがあったり心打たれる瞬間がある。ギャヴィン・ブライアーズの「Jesus never failed me yet」が消え入りそうな小さな音量で流れている。「チェルノブイリの祈り」のダイアローグは衝撃的な内容なのだけど、目の前に展開されているダンスは、それにも打ち勝てるような儚くも凛とした美しさで、この世界に生きていくことの意味を静かに問いかけていた。

鈴木さんのプロジェクトに参加し続けている3人の女性ダンサーたちの雄弁さ、表現力に加えて、今回二人の男性ダンサーが参加したことが、異化作用的な効果があってアクセントとなっていた。白い床に陰影を投げかけたり、背景に影や光の効果を与える照明も美しかった。破壊、死、その後の再生と希望というテーマが、この2本立てに貫かれて鮮烈な記憶を刻み付けてくれる公演だった。

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)
スベトラーナ・アレクシエービッチ 松本 妙子

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2016/03/28

3/20 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「ロミオとジュリエット」

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの「ロミオとジュリエット」最終日は、スヴェトラーナ・ルンキナと、エヴァン・マッキー主演。11月含め12回の公演があったというのに、実はこのペアは一回だけの登場。しかし、一般公開ではない3月15日の公演で、72人のシリア難民を招いての特別公演があった。この公演は、こちらのペアが主演した。テレビのニュース番組にも公演の模様が少し紹介されている。カナダは難民受け入れに積極的な姿勢を打ち出しており、慣れない生活に疲れた難民の心を癒すために、このように芸術に触れる機会を提供しているのだ。素晴らしい試みだと思う。

Canadian arts organizations offer hope, healing for Syrian refugees
http://www.cbc.ca/beta/news/arts/syrian-refugees-arts-community-1.3505564

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Juliet Svetlana Lunkina ジュリエット: スヴェートラナ・ルンキナ
Romeo Evan McKie  ロミオ:エヴァン・マッキー
Mercutio Jack Bertinshaw  マキューシオ: ジャック・パーティンショー
Tybalt  McGee Maddox  ティボルト: マッギー・マドックス
Paris  Ben Rudisin* パリス: ベン・ルディシン
Benvolio  Dylan Tydaldi ベンヴォーリオ : ディラン・ティダルディ


ジュリエット役のスヴェートラナ・ルンキナは、ジュリエット役はボリショイ時代にガラ公演でラヴロフスキー版の一部を踊ったことがあるだけで、実は全幕でジュリエットを踊るのが初めて。このことに少々驚いたのだけど、ちょっとクールビューティーで硬質なイメージがある彼女のジュリエットってどんな感じになるのだろうかと思っていた。

今回、ルンキナというバレリーナの豊かな表現力、繊細さ、動きを通して物語を伝える力の素晴らしさに改めて目を瞠らされた。彼女のボリショイ時代に、ラトマンスキーが芸術監督を務めていて、「明るい小川」など彼が振付けた作品の多くに出演していたので、彼の振付言語に馴染んでいるということも大きいだろう。技術に優れているだけでなく作品を解釈する力があるので、ラトマンスキーの動きの多い振付も余裕をもって、ニュアンスと意味を込めて踊ることができる。冒頭の無邪気でお転婆な女の子から、ロミオと結ばれてすぐの別れと大人の階段を駆け上がりながらも、最後まで純粋な少女らしさを失わない姿まで、ナチュラルで清新な演技には心を動かされた。彼女は、どんな風にも化けることができる、稀有な演技力を持ったバレリーナなのだと改めて実感した。一つ一つの動きも大きくてしなやかで美しいし、愛を貫くしっかりとした意思をもった、強い女の子を演じていた。特に、神父のところへと助けを乞うことを決意するまでの踊りながらの感情表現の雄弁さには心を打たれた。

そのルンキナと最近パートナーシップを汲むことが多いのがエヴァン・マッキー。2年前の「白鳥の湖」に始まり、「くるみ割り人形」「クローマ」「冬物語」と共演が続いている。彼もまた、パリ・オペラ座バレエの「プシュケー」でラトマンスキーの作品を踊った経験があり、彼の振付スタイルをよく理解していた。実際、「ロミオとジュリエット」のバルコニーシーンでは、「プシュケー」に登場する振りと似た振付がいくつか登場する。ラトマンスキーの作品を踊るには、振付をきっちりと踊るだけでは足りなくて、一つ一つの動きの意味をしっかりと考えてそれを踊りにしていかなければならない。パートナーリングも、かなり複雑でリフトも多いし、お互いにポジションを交換したり、古典バレエを逸脱したような表現も多い。

ルンキナとエヴァンは、今まで共演を重ねてきていることもあり、お互いに信頼関係が築かれていて、振付の意味を理解ししっかりと踊りこんでいるのがよくわかる舞台だった。演技もしっくりと組みあって同じテンションで進んでいくから、物語がすっと入っていく。エヴァンはどちらかといえば貴公子タイプのダンサーではあるけれども、音楽性に優れた小気味の良い動き、快活さなど、動きでロミオの疾走感や若々しさを出すことができていたし、マキューシオ、ベンヴォーリオとの絡みも楽し気で仲の良さが感じられた。シュツットガルトでクランコ版のロミオを演じた時よりも、この役に合っていると感じた。

この二人の、台詞が可視化されていくように紡ぎだすドラマには、毎回目が離せないし、これからも共演を重ねていければいいと思った。お互いの良い部分を引き出しあうことができるパートナーシップだ。(ただし、バルコニーシーンの最初で、ジュリエットが投げた花をロミオが投げ返すシーンを2回も失敗してしまったのは、ちょっと間抜けだったが)一般公開の公演では、このペアによる「ロミオとジュリエット」が1回だけだったのは非常にもったいない。カーテンコールでの、役に入り切ったままお互いを慈しみあうような表情には忘れがたいものがあった。特にルンキナが、カーテンコールの時でも少女のような愛らしく初々しい表情だったことに驚かされた。

マキューシオのジャック・バーティンショーは、別キャストのスカイラー・キャンベルよりもさらに剽軽で軽やかで愛すべきキャラクターを好演。ダンスもキレがあった。ベンヴォーリオのディラン・ティダルディも、テクニックの見事さには定評のあるダンサーだ。ただ、二人ともあまり大きくないので、背の高いエヴァンを二人でリフトするところは少しぐらついたところがあった。

この日のカーニバルダンスには、ローリーナス・ヴェーヤーリスが登場。入団一年目とは思えない、華やかで魅力的なダンスを繰り広げた。佐藤航太さんも、群舞の中でひときわ魅力的で明るいキャラクター、胸のすくような踊りを見せてくれた。男性群舞が物語の通奏低音として機能しているこの「ロミオとジュリエット」は、現代的でスピーディーで楽しい作品に仕上がっているし、それでいて最後の両家の和解で終わる幕切れには、初演のラヴロフスキー版へのオマージュを感じさせるゆかしさもある。マクミラン版やクランコ版を乗り越えるのは難しいが、それとは違った魅力があるのは間違いない。

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2016/03/26

オーレリー・デュポンさよなら公演「マノン」が4/24プレミアムシアターで放映/DVD発売

オーレリー・デュポンのパリ・オペラ座さよなら公演「マノン」が、4/24(日)のNHK-BS、プレミアムシアターで放映されます。

同時放映は、オペラ座の「デフィレ」「エチュード」など「バレエの夕べ」(再放送)

http://www4.nhk.or.jp/premium/

4月25日(月)【4月24日(日)深夜】午前0時~

◇パリ・オペラ座バレエ公演『マノン』【5.1サラウンド】
◇パリ・オペラ座バレエ公演
『バレエの夕べ』

◇パリ・オペラ座バレエ公演「マノン」
<出 演>
マノン・レスコー:オーレリ・デュポン
デ・グリュー:ロベルト・ボッレ
レスコー:ステファン・ビュリョン
レスコーの愛人:アリス・ルナヴァン
ムッシューG.M.:バンジャマン・ペッシュ
パリ・オペラ座バレエ団

<管弦楽>パリ国立歌劇場管弦楽団
<指 揮>マーティン・イェイツ

収録:2015年5月18日 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス)

◇パリ・オペラ座バレエ公演
「バレエの夕べ」

<演 目>
「デフィレ」
音楽:エクトル・ベルリオーズ
トロイ人の行進曲 (歌劇「トロイ人」から)

「ダンス組曲」
振付:イワン・クリュスティン
音楽:フレデリック・ショパン
軍隊ポロネーズ
マズルカ ニ長調 作品33-2

「エチュード」
振付:ハロルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー
編曲:クスドーグ・リーセガー

「オーニス」
音楽:モーリス・パシェ

<出 演>
「デフィレ」
アマンディーヌ・アルビッソン
エミリー・コゼット
オーレリ・デュポン
ドロテ・ジルベール
マリ・アニエス・ジロ
レティシア・プジョル
アリス・ルナヴァン
ジェレミー・ベランガール
ステファン・ビュリョン
マチュー・ガニオ
ジョシュア・オファルト
エルヴェ・モロー
カール・パケット
バンジャマン・ペッシュ
パリ・オペラ座バレエ団
パリ・オペラ座バレエ学校の生徒

「ダンス組曲」
パリ・オペラ座バレエ学校の生徒
ピアノ:エレナ・ボネ

「エチュード」
ドロテ・ジルベール
ジョシュア・オファルト
カール・パケット
パリ・オペラ座バレエ団

「オーニス」
ジュリアン・ギルマード
パブロ・レガサ
ポール・マルク
アコーディオン:クリスティアン・パシャール、ジェラール・バラトン

<管弦楽>パリ・オペラ座管弦楽団
<指 揮>フレデリック・ラロック

収録:2014年10月 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス)

<追記>
DVDが発売されます。7月20日発売予定です。

パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]

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2016/03/25

3/18 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「ロミオとジュリエット」

ナショナル・バレエ・オブ・カナダは、以前はクランコ版の「ロミオとジュリエット」を上演していたが、2011年にアレクセイ・ラトマンスキーに依頼して新しい「ロミオとジュリエット」を制作。従来のクランコ版を愛してきたファンからは批判もあったものの、レパートリーに定着し、ロンドン公演などでも上演されている。

Choreography: Alexei Ratmansky 振付:アレクセイ・ラトマンスキー
Music: Sergei Prokofiev 音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
Set, Costume and Properties Design: Richard Hudson
Lighting Design: Jennifer Tipton

Juliet Sonia Rodriguez ジュリエット: ソニア・ロドリゲス
Romeo Naoya Ebe  ロミオ:江部直哉
Mercutio Skylar Campbell  マキューシオ: スカイラー・キャンベル
Tybalt Jonathan Renna  ティボルト: ジョナサン・レンナ
Paris Ben Rudisin* パリス: ベン・ルディシン
Benvolio Robert Stephen ベンヴォーリオ : ロバート・スティーヴン

ラトマンスキー版の「ロミオとジュリエット」は、日本にいる観客がよく観ているマクミラン版やクランコ版の「ロミオとジュリエット」とはかなり違う。最大の違いは、マイムを最小限に抑えて、物語をすべてダンスで語らせるというところだ。ロミオもジュリエットも、そしてティボルトやパリス、ジュリエットの父まで皆よく踊る。ソードファイトの場面も、単にフェンシングをするだけではなく、ダンスとして振付けられていて、剣を振り回しながらも回転やジュッテなどのテクニックを盛り込んでいる。ジュリエットとロミオの出会いのシーンでは、二人はマキューシオやパリスらに高々とリフトされるし、ジュリエットがパリスとの結婚を迫る両親に抵抗したり、毒薬を飲む決意を行う決心などの心理描写までもが踊りで表現される。このあたりが、あまりにも動きが多くて余韻が少ないと感じられて好き嫌いが出るところだろう。ジュリエットが決意を固めるところの、延々と音楽を聴きながらベッドの上で微動だにしないシーンが好きな人も多いはずだ。

特に特徴的なのはバルコニーのシーンで、ラトマンスキーの振付に特有の、オフバランスやお互いの間をぐるぐる回ったり、床に転がったりする振付が多用されている。フィギュアスケートのペアダンス的なところもあるし、脚をターンインさせるなど、クラシックバレエというより、よりコンテンポラリー的な要素もある。リフトがとても多いところはマクミラン版などとは共通しているとはいえ、余白が少ないので情緒に欠けるように感じられてしまう。その代わり、若い二人の迸るような情熱やスピード感がある。最初に観たときにはあまり感動はなかったけれども、何回かリピートしていくうちに、こういうのもありと感じるようになった。

ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオのトリオでの踊りが、とても見ごたえがある。キャピュレット家の舞踏会の前の踊りだ。男性同士のリフトなどもたくさん登場して、仲の良さが強調される。ここでのマキューシオは、他の版以上にたくさん踊るし非常にコミカルなキャラクターだ。彼のすばしっこい踊りは、敵であるキャピュレット家の面々ですら拍手をさせるほどである。それだけに、彼の死のシーンは痛ましい。この日のマーキューシオは、金髪巻き毛の美青年スカイラー・キャンベルだったけど、いつものイメージを投げ捨てて、ひょうきんでキュートでキレキレに踊ってくれた。全体的に男性ダンサーがたくさん踊るシーンが多くて、それが、より生き生きとしていてフレッシュな印象を与えた。日本とリトアニアのハーフであるローリーナス・ヴェヤリーズさん、そして佐藤航太さんの二人が群舞の目立つ位置にあって大活躍していた。佐藤さんは、2幕のカーニバルダンスのソリストとしても登場して、客席を沸かせていた。群舞男性がみんなおかっぱのカツラだったのには、見慣れるのに時間がかかってしまったが。

演出的に、わかりやすさを高める工夫はいろいろとあって、ジュリエットがローレンス神父のところに相談する時には、紗幕の向こうで、ジュリエットの影とロミオを登場させ、薬を飲む作戦とその成功が具体的に表現される。ジュリエットが薬を飲んだ後、追放されたロミオがジュリエットを探し求める様子は、彼が大勢の男性ダンサーたちにリフトされては前へと投げ飛ばされていく動作で表現されていた。ロミオがティボルトを殺してしまった後、一瞬ジュリエットの姿がリフトされながら舞台を横切って去っていく演出もあり、彼女との別れを暗示している。

ラトマンスキーが、古巣ボリショイで踊られてきたラヴロフスキー版に影響されていたと感じたのは、最後のシーン。ジュリエットの死を嘆く友人たちやパリスの姿はなく、墓所に行くともうロミオは横たわるジュリエットを見つけている。死体ダンスはなく、ロミオはソロを踊った後ジュリエットの横で毒薬を飲む、とその時ジュリエットは意識を取り戻し、二人は短い間だけ再会して歓喜の踊りを踊るものの、毒が回ってロミオは死んでしまい、ジュリエットが後を追う。音楽の使い方が少し変わっていて、二人の死はあっけない。二人が死んでいるのを両家の人々(ベンヴォーリオやローレンス神父も)が見つけ、そこで和解したところで幕を迎える。若い恋人たちの死よりも、彼らの死をもたらした対立の大きさということが大きな悲劇として表現されていた。

さて、この日のロミオ役は、日本人プリンシパルの江部直哉さん。初演の2011年の時にも、彼はロミオ役を踊っていた。すらりとしていて長い脚、美しいプロポーションの持ち主で二枚目、アルブレヒトなど貴公子も良く似合う彼だが、この日はまっすぐで情熱的なロミオを熱演。ラトマンスキーの振付は、踊れる人でないと見栄えしないし、だからといって、ダンスのテクニックがあるだけでも伝わってくるものは少ない。一つ一つの動きの意味を理解し、そこから何を伝えるかということが大切だ。江部さんは、まず何よりもテクニックに優れていて、音楽性も豊かで、一つ一つの動きに切れがあって美しいし、つま先もよく伸びていてきれい。かつてはパートナーリングが少し苦手かと思わせる時もあったのだが、今回はジュリエット役が、ベテランやはり技術に優れているソニア・ロドリゲスが相手だったため、こちらもスムーズだった。清潔感、純粋さを感じさせつつもロマンティックさもあって、素敵だった。日本人男性がこの大きなカンパニーで、ロミオ役をこんなにも見事に踊って、胸が熱くなった。

ジュリエットのソニア・ロドリゲスは入団26年目というベテランだが、小柄で華奢、演技力も達者で(この前のプログラム、「ラ・シルフィード」ではシルフィードとマッジの二役を演じていた)愛らしいジュリエットを好演。彼女の心の揺らぎ、恋する気持ちから決意、そして悲劇へと突き進む姿も生き生きと描かれていた。特にジュリエット役は3幕など、他の版よりもずっと踊りながら演じる場面が多くて大変な役なのだが、ロドリゲスは強靭なのに少女らしさも忘れさせなくて名人芸だった。そろそろ引退も、という噂もあるのだが(彼女の夫君は、フィギュアスケート界の大スター、カート・ブラウニングで、ふたりの息子さんも子役として「くるみ割り人形」や「冬物語」で活躍)、ソリストの女性がこのバレエ団はまだ十分育っていないので、まだまだ踊り続けてほしいもの。

舞台装置は、ヴェローナの街並などは非常にシンプルであまりに簡素すぎると感じたが、キャピュレット家の舞踏会はそれなりに豪華。ジュリエットの寝室などはドレープをうまく使っていた。クランコ版やマクミラン版のように長年踊りつづけられてきた名作とは、全く違った味わいの作品ではあるが、現代的なスピード感のあるロミオとジュリエットとして、こういう作品があっても良いと感じた。とにかくこの日は、主演の二人が素晴らしかったので、非常に楽しめた公演であった。江部さんは、もっと日本でも知られるべき、美しい男性プリンシパルダンサーだ。日本で彼の踊る機会があれば良いのだけど。

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2016/03/24

ルグリ振付新作「海賊」で、橋本清香さんがウィーン国立バレエのプリンシパルに昇進

ウィーン国立バレエでは、マニュエル・ルグリ芸術監督が振付けた「海賊」の初演が3月20日にありました。

ルイザ・スピナッテリが衣装を手掛けたこの作品、初演は大好評でした。

ウィーン在住、はっぱさんのブログ記事
http://happawien.jugem.jp/?eid=2305

何はともあれ、予告編の映像がめっちゃかっこいいのです。

初日の公演には、エリザベット・プラテル、クロード・ベッシー、アニエス・ルテステュ、イザベル・ゲラン、オーレリー・デュポン、バンジャマン・ペッシュ、エレオノラ・アバニャートら、大勢のパリ・オペラ座元エトワール、現役エトワールも駆け付けたようです。

https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1015793865144441.1073741883.154993347891168&type=3

このウィーン国立バレエ「海賊」ですが、4月2日の公演は、インターネット中継されます。ただし有料で、14ユーロかかります。

<追記>
ウィーン国立歌劇場のサイトでの「海賊」ライブストリーミングですが、通常は14ユーロと有料ですが、現在0ユーロと表示されているので無料で視聴できるようです。
4月2日(土)ウィーン時間午後7時からですので、日本は午前2時ですが、時差を考慮して72時間以内なら視聴できるようです。

http://www.staatsoperlive.com/en/live/288/le-corsaire-2016-04-02/


さて、3月23日の「海賊」のメドーラ役を踊ったのは、橋本清香さんでした。そして公演後、橋本さんは、ルグリ芸術監督によってプリンシパルに任命されたとのことです。おめでとうございます!

ダンソマニのフォーラム(フランス語)より。こちらのフォーラムでは、たくさんの写真、デザイン画なども見ることができます。
http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=3598&start=930&sid=11b79314d21c4cff33b77f5ae3cbb5f3

橋本さんは、4月10日の「NHKバレエの饗宴2016」に木本全優さんと出演します。踊るのは、ティエリー・マランダン振付の「モーツァルト・ア・ドゥ」
https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0272981/

昨年7月のウィーン国立バレエの沖縄公演で、この作品を観たのですが大変面白い作品でした。また、橋本さんがやはり「海賊」のメドーラ役を踊るのも観たのですが、美しさ、たおやかな気品、完璧な技術とすでにプリンシパルのオーラに満ちていました。

2004年にドレスデン・バレエに入団した橋本さんは、2008年にウィーン国立バレエに移籍。2010年にデミ・ソリスト、2012年にソリストに昇進しています。「白鳥の湖」のオデット/オディール、「ドン・キホーテ」のキトリ、「くるみ割り人形」のクララ、「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のリーズなど、主な古典作品の主役も踊ってきたばかりでなく、現代作品も得意としています。

はっぱさんによる、橋本さんが主演した日の「海賊」のレビュー
http://happawien.jugem.jp/?eid=2308

ルグリ、バレエ大作を初演出 (中日新聞)
http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=350456&comment_sub_id=0&category_id=204&from=life&category_list=204

購読者でないと全文は読めないのですが、こちらのルグリのインタビュー記事によれば、ウィーン国立バレエは2年後に来日公演を行うようです。楽しみですね。

オーストリアの新聞記事(ドイツ語)
Kiyoka Hashimoto zur Ersten Solotänzerin des Wiener Staatsballetts ernannt
http://diepresse.com/home/kultur/klassik/4953002/Kiyoka-Hashimoto-zur-Ersten-Solotaenzerin-des-Wiener

橋本さん、第1ソリストに ウィーン歌劇場バレエ団 (共同通信)
http://this.kiji.is/85720313549473273

ウィーン国立バレエのFacebookの、橋本さん昇進の写真アルバム
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1018854801505014.1073741885.154993347891168&type=3

ウィーン国立バレエのプレスリリース(ドイツ語)
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/staatsballett_neu/aktuelles/Hashimoto_Avancement.de.php

バレエ橋本さん、驚きと感動で涙 第1ソリストに昇格 (共同通信)
http://this.kiji.is/85898798335346172


【ハーグ共同】オーストリアのウィーン国立歌劇場バレエ団の第1ソリストに昇格した橋本清香さん(30)は24日、共同通信の取材に答え、23日の舞台後に昇格を知らされた際「驚きと感動で涙が止まらなかった」と喜びをかみしめた。

 橋本さんは「夫をはじめ、その場にいた皆さんが温かくお祝いしてくれた」と振り返り「プリンシパルの肩書に負けないよう日々精進したい。けがに気を付けて、たくさんの役に挑戦できればいい」とした。

<追記>

こちらの「海賊」ですが、arteでも4月2日の公演の中継があり、ネットでも視聴できることになっています。ただし、ジオブロックがかかっている可能性が高いかもしれません。

http://concert.arte.tv/fr/le-corsaire-de-manuel-legris-lopera-de-vienne

が、いずれ日本でもテレビ放映されるか、DVDが出る可能性がありそうです。→DVD発売は決定しています。また、5月22日にNHK-BSプレミアムシアターで放映されます。

中継の予告編的な、リハーサル映像は視聴できます。バーレッスンするルグリの姿も観られますよ。
http://info.arte.tv/fr/danse-manuel-legris-et-son-corsaire

「バレエの巨匠たち マトヴィエンコ&ルジマトフ」公演

しばらく海外にいたため更新をお休みしてしまって申し訳ありません。

光藍社さんからのメールで「バレエの巨匠たち マトヴィエンコ&ルジマトフ」公演の概要のお知らせがありました。チケットの発売はすでに始まっています。

http://www.koransha.com/ballet/great_masters2016/

舞踊生活20周年を迎えるデニス・マトヴィエンコ、そのマトヴィエンコが子どものころから憧れ、マリインスキー・バレエに移籍するきっかけともなったファルフ・ルジマトフの二人を中心とするガラ公演です。この二人が共演する新作も上演されるということで(誰の振付作品でしょうか?)、注目されます。マトヴィエンコの長年のパートナーであるエレーナ・フィリピエワ、ミハイロフスキー・バレエのイリーナ・ペレンら出演者も豪華です。

作品も、ウヴェ・シュルツ、エドワード・クルグ、ナチョ・ドゥアト、そしてフォーサイスの「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」など、注目される振付家の作品が揃っているので見ごたえがありそうです。

デニス・マトヴィエンコ (マリインスキー・バレエ ゲスト・プリンシパル)
ファルフ・ルジマトフ (ミハイロフスキー劇場バレエ 芸術顧問)
エレーナ・フィリピエワ (キエフ・バレエ プリンシパル)
イリーナ・ペレン (ミハイロフスキー劇場バレエ プリンシパル)
アナスタシア・マトヴィエンコ (マリインスキー・バレエ ファースト・ソリスト)
カテリーナ・マルコフスカヤ (ミュンヘン・バレエ ファースト・ソリスト)
マクシム・チャシェグロフ (ミュンヘン・バレエ ファースト・ソリスト)
マラト・シェミウノフ (ミハイロフスキー劇場バレエ プリンシパル)
キエフ・バレエ

予定プログラム

Aプログラム 【8/2(火)公演】
Act1
「白鳥の湖」第1幕2場より
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ、キエフ・バレエ
Act2
新作デュオ「Wonder Stones」
ルジマトフ、D.マトヴィエンコ
「シェヘラザード」よりアダージョ
フィリピエワ、ルジマトフ
「スパルタクス」よりアダージョ
ペレン、シェミウノフ
「赤と黒」より(ウヴェ・シュルツ振付)
マルコフスカヤ、チャシェグロフ
「ウィスパー」(エドワード・クルグ振付)
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ
「アイス・メイデン」アダージョ(フョードル・ロプホフ振付)
ペレン、シェミウノフ
「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ
順不同

Bプログラム 【8/3(水)公演】
Act1
「ジゼル」第2幕より
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ、キエフ・バレエ
Act2
新作デュオ「Wonder Stones」
ルジマトフ、D.マトヴィエンコ
「シェヘラザード」よりアダージョ
フィリピエワ、ルジマトフ
「スパルタクス」よりアダージョ
ペレン、シェミウノフ
「赤と黒」より(ウヴェ・シュルツ振付)
マルコフスカヤ、チャシェグロフ
「タンゴ」より(エドワード・クルグ振付)
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ
「アイス・メイデン」アダージョ(フョードル・ロプホフ振付)
ペレン、シェミウノフ
「海賊」よりパ・ド・ドゥ
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ
順不同

Cプログラム 
【8/6(土)公演】
新作デュオ「Wonder Stones」
ルジマトフ、D.マトヴィエンコ
「ウィスパー」(エドワード・クルグ振付)
D.マトヴィエンコ、A.マトヴィエンコ
「カルメン」(S.ジュベドキ振付) 
フィリピエワ、チェボタル
「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」より(ウィリアム・フォーサイス振付)
マルコフスカヤ、チャシェグロフ
「牧神の午後」(「ニジンスキーの肖像」より)(ファルフ・ルジマトフ改訂振付)
ルジマトフ
「マルティプリシティ. 静けさと虚ろさのかたち」より(ナチョ・ドゥアト振付)
ペレン、シェミウノフ
「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
チュプリナ、スホルコフ
「瀕死の白鳥」
フィリピエワ
ほか
順不同

8/2(火)19:00開演 (18:30開場) 東京文化会館 Aプログラム
8/3(水)19:00開演 (18:30開場) 東京文化会館 Bプログラム
8/6(土)16:00開演 (15:15開場) 東京国際フォーラム ホールC Cプログラム

「エトワール・ガラ2016」と、8月2日以外は重なっているので要注意です。


なお、「親子で楽しむ夏休みバレエまつり キエフ・バレエ 〜タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ〜」という公演も同時期に開催されます。
http://www.koransha.com/ballet/oyakoballet2016/

8/2(火)13:00開演 (12:30開場) 東京文化会館
8/3(水)13:00開演 (12:30開場) 東京文化会館
8/7(日)14:00開演 (13:30開場) オリンパスホール八王子

エレーナ・フィリピエワ
テチヤナ・リョゾワ
アナスタシア・シェフチェンコ
ミキタ・スホルコフ

ということなので、8月2日、3日は上記東京文化会館で「バレエの巨匠たち」と昼夜公演となります。フィリピエワは両方に出演と、大変ですね。

2016/03/15

3/21 NHK-BSプレミアム[英国ロイヤル・バレエ・ガラ」「アンナ・カレーニナ」放映

3月21日(月)【3月20日(日)深夜】午前0時~3時30分 NHK-BSプレミアムのプレミアムシアターでロイヤルの「カルメン」ほか、そしてマリインスキー・バレエのロパートキナ主演アンナ・カレーニナの放映があります。

(一度お知らせしていますが、リマインダーです)

http://www4.nhk.or.jp/premium/

英国ロイヤル・バレエ・ガラ (0:02:30~1:59:30)

1.「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
<振 付>ジョージ・バランシン
<音 楽>ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
<出 演>
ヤーナ・サレンコ
スティーヴン・マックレー
2.「牧神の午後」
<振 付>ジェローム・ロビンス
<音 楽>クロード・ドビュッシー
<出 演>
サラ・ラム
ワディム・ムンタギロフ
3.「ヴィサラ」
<振 付>リアム・スカーレット
<音 楽>ローウェル・リーバーマン
<出 演>
ラウラ・モレーラ
マリアネラ・ヌニェス
平野 亮一
崔 由姫(チェ・ユヒ) ほか
4.「カルメン
<振 付>カルロス・アコスタ
<音 楽>ジョルジュ・ビゼー
<編 曲>マーティン・イェイツ
<出 演>
カルメン:マリアネラ・ヌニェス
ドン・ホセ: カルロス・アコスタ
エスカミーリョ: フェデリコ・ボネッリ
運命:マシュー・ゴールディング
スニーガ: トーマス・ホワイトヘッド
英国ロイヤル・バレエ団
<合 唱>コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団
<管弦楽>コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
<指 揮>エマニュエル・プラッソン(1~3)
マーティン・イェイツ(4のみ)
収録:2015年11月12日 コヴェントガーデン王立歌劇場(イギリス ロンドン)

マリインスキー・バレエ公演
「アンナ・カレーニナ」(2:01:30~3:30:00)

<演 目>
バレエ「アンナ・カレーニナ」(全2幕)
<原 作>レフ・トルストイ
<振 付>アレクセイ・ラトマンスキー
<音 楽>ロディオン・シチェドリン
<出 演>
アンナ・カレーニナ:ウリヤーナ・ロパートキナ
アレクセイ・カレーニン:ヴィクトル・バラーノフ
ヴロンスキー伯爵:アンドレイ・エルマコフ
シチェルバツキー公女(キティ):スヴェトラーナ・イワノワ
ステパン・オブロンスキー(スティーヴァ):ドミートリ・プハチョフ
マリインスキー劇場バレエ団
<管弦楽>マリインスキー劇場管弦楽団
<指 揮>ワレリー・ゲルギエフ
<舞台美術・衣装>ミカエル・メルビー
<照 明>ヨーン・メリン
<演 出>マーティン・トゥリニウス
収録:2014年3月4、5日 マリインスキー劇場(ロシア サンクトペテルブルク)

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なお、翌週には、WOWOWで「ロシア名門マリインスキー・バレエの世界」として、「イワンと仔馬」「眠れる森の美女」の放映もあります。
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/107891/

<ノンフィクションW>
ワガノワ名門バレエ学校の秘密〜くるみ割り人形への110日〜
3/26(土)よる 5:15 〜 (WOWOWライブ)

イワンと仔馬
3/26(土)よる6:00 (WOWOWライブ)

眠れる森の美女
3/26(土)よる8:15 (WOWOWライブ)

2016/03/14

ミュンヘン・バレエの2016-17シーズン

イーゴリ・ゼレンスキーを新芸術監督に迎える、ミュンヘン・バレエ(バイエルン州立劇場バレエ)の2016-17シーズンが発表されています。

https://www.staatsoper.de/media/content/PDFs/da39a3ee5e6b4b/index.htm(PDF)

不思議の国のアリス (クリストファー・ウィールドン、新制作) 2017年4月3日初演
ラ・フィユ・マル・ガルデ (フレデリック・アシュトン)
ラ・バヤデール (プティパに基づくパトリス・バール版)
ロミオとジュリエット (ジョン・クランコ)
シンフォニー・イン・C (バランシン)/イン・ザ・ナイト (ロビンス)/Adam Is (アズール・バートン)
スパルタクス (ユーリ・グリゴローヴィッチ、新制作) 2017年4月8日初演
ジゼル (ピーター・ライト)
真夏の夜の夢 (ジョン・ノイマイヤー) 

マイヤリング (ケネス・マクミラン、モスクワ音楽劇場バレエがゲストカンパニーとしてツアー) 2017年4月6日、7日

基本的には古典中心ですが、ウィールドンの「アリス」を入れるところがちょっと新しいというべきでしょうか。「アリス」はマリインスキー・バレエのレパートリーにも入ります。

「スパルタクス」を上演するところが、ゼレンスキーが芸術監督になってロシア色が濃くなる部分ですね。そしてゼレンスキーが芸術監督を務めるもう一つのカンパニー、モスクワ音楽劇場バレエがミュンヘンにツアーします。ルドルフ皇太子役を演じているセルゲイ・ポルーニンが出演すると思われます。ポルーニンは、ミュンヘンにもゲストする可能性がありますね。

なお、毎年4月にミュンヘン・バレエはバレエフェスティバルを行います。その時期に、新制作作品の初演とゲストカンパニーの登場、日替わりで様々な作品の上演があります。今年は4月3日から11日です。

2016/03/11

マシュー・ボーンの「ザ・カーマン」劇場公開決定(6/25-)

9月に「眠れる森の美女」の来日公演も予定されている、マシュー・ボーンの話題作「ザ・カーマン」が日本で劇場公開されることになりました。

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「ザ・カーマン」はジョルジュ・ビゼーの名作オペラ「カルメン」を「ザ・カーマン」としてマシュー・ボーンがリイマジンした作品です。

誰もが知る人気曲の一つ「カルメン」を、マシュー・ボーンの「シザーハンズ」などでも音楽を手がけたテリー・デイヴィスがアレンジし、情熱・官能に満ち溢れたダンサーたちの踊りにより人間の奥底に渦巻く欲望を見事に表現しているサスペンスドラマ仕立てのバレエです。

昨年夏のイギリス本国の公演ではチケットがソールドアウト 続出となったマシュー・ボーンの人気作を、映画館のスクリーンにてお楽しみいただける貴重な機会になります。

演出・振付: マシュー・ボーン
セット・衣装デザイン:レズ・ブラザーストン
照明デザイン:クリス・デイヴィー
サウンドデザイン:ポール・グルースイス(ローレンス・オリヴィエ賞最優秀音響デザイン賞ノミネート歴あり)
音楽:テリー・デイヴィス
映像化監督:ロス・マクギボン
製作総指揮:ジョン・ワイヴァー、ロバート・ノーブル、バーバラ・リー、プロデューサー:ルーシー・コンラッド

出演:
クリス・トレンフィールド (ルカ(旅人))、
アラン・ヴィンセント (ディノ・アルファノ(ガレージ・ダイナーのオーナー))、
ジジ・ストラレン (ラナ(ディノの妻))、
ケイト・ライアンズ (リタ(ラナの妹))、
ドミニク・ノース (アンジェロ(雇われ人))、
その他、ニュー・アドヴェンチャーズのダンサーたち

収録:イギリス、サドラーズ・ウェルズ劇場
撮影時期  2015 年 8 月
上映時間 98 分

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クリス・トレンフィールドは、一昨年のマシュー・ボーン「白鳥の湖」のザ・スワン/ザ・ストレンジャー役も記憶に新しいところです。
ラナ役を演じたジジ・ストラレンは本作で英国ナショナル・ダンス賞の Outstanding female performance(モダン部門)を受賞しました。また、ラナの妹のリタを演じたケイト・ライアンズはヨーロッパ・ダンス批評家協会賞受賞を受賞しています。 おなじみ、ドミニク・ノースもアンジェロ役で出演しています。

マシュー・ボーンからのコメント:
「僕のプロダクションの中で、観客から最も好きな演目として一番言及される作品、それが「ザ・カーマン」です。そして、ダンサーたちからも愛される作品になっている。情熱的でやりがいのあるキャラクターたちだからね。世界中のファンが、この作品を地元の映画館で観られる機会に恵まれることを、大変嬉しく思います。」

【公開情報】
6 月 25 日(土)〜、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開
(YEBISU GARDEN CINEMA:東京都渋谷区恵比寿 4 丁目 20 番 2 恵比寿ガーデンプレイス内)
劇場 HP:http://www.unitedcinemas.jp/yebisu/index.html
料金:特別興行:2.200 円均一(税込)
前売券近日発売予定:¥2,000 (税込)特典クリアファイル付
作品公式 HP:マシュー・ボーン in Cinema HP http://matthewbournecinema.com
(公式サイトへの情報追加は来週の予定)

(こちらのDVDは2001年の初演の時の映像です)

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2016/03/09

シリコンバレー・バレエ(サンノゼ・バレエ)が解散

カリフォルニア州のサンノゼを本拠地とするシリコンバレー・バレエ(旧サンノゼ・バレエ)が解散することが報道されています。

http://www.mercurynews.com/entertainment/ci_29610629/silicon-valley-ballet-shuts-down

1986年に設立され30年の歴史があったこのカンパニー。2012年にはABTと提携を結び、2013年に芸術監督に、元ABTのスター、ホセ・カレーニョが就任しました。現在新国立劇場バレエ団のプリンシパルを務める米沢唯さんが所属していたこともあります。

2012年にカンパニー創設者で前芸術監督Dennis Nahat,を解任した結果、2000万ドルもの寄付をしてきた大口ドナーが去ってしまったことで、カンパニーは危機に見舞われました。さらに税金の支払いが重くのしかかったとのことです。昨年、本格的な危機が訪れたときに、カンパニーは窮状を訴え、わずか10日間で64万ドルを集めることに成功してとりあえずの危機を乗り越えましたが、オーケストラ演奏をテープに切り替えたり、いくつかの公演をキャンセルする羽目に陥りました。

公演のクオリティは高くて良い批評も出ており、ヨーロッパで大口の支援者を得て、カンパニーはスペインのツアーに出かけて先週、成功裏に終えました。ところがサンノゼに戻ったところ、すべてのダンサーと管理スタッフ、そして芸術監督のカレーニョがレイオフされたとの通告があったとのことです。カンパニーには32人のダンサーと、32人のスタッフが全員解雇されてしまいました。

シリコンバレーは、世界のハイテクの中心地ですが、一方で、芸術がなかなか根付かない街でした。ここ数年、劇場や演劇カンパニーの解散も相次いできました。また、サンフランシスコにきわめて近く、大きなサンフランシスコ・バレエがあるので、この地域での2番目のバレエ団が存続するのが難しかった模様です。付属のバレエ学校も閉鎖されますが、同じスタッフで新しい学校が設立されるとのことです。

こちらのFBページにさらに詳しい事情が書かれています。
https://www.facebook.com/OdettesOrdeal/photos/a.172985256067962.38706.158238107542677/1140365655996579/?type=3

ジュリー・ケントがワシントン・バレエの芸術監督に就任

ABTを、そしてアメリカを代表するプリマ・バレリーナとして29年間活躍し、昨年引退したジュリー・ケント。引退後は、カンパニー、ABTのサマー・インテンシヴの主任教師、そしてABT付属ジャクリーン・ケネディ・オナシス・スクールで教えていました。

そのジュリー・ケントが、ワシントン・バレエの芸術監督に就任することが発表されました。

https://www.washingtonpost.com/entertainment/theater_dance/abt-star-julie-kent-is-washington-ballets-new-director/2016/03/07/e1f469ba-e49d-11e5-a6f3-21ccdbc5f74e_story.html

プレスリリース(PDF)
https://www.washingtonballet.org/sites/default/files/TWB%20Announces%20New%20Artistic%20Director%20REVISED.pdf

17年間芸術監督の任にあったSeptime Webreが退任するにあたって、今年の7月1日にケントが就任することになったものです。

ワシントン・バレエは40年の歴史があるものの、正団員21人の小規模なカンパニーです。日本人プリンシパルの大貫真樹さん、ヴァルナ国際コンクールで金メダルに輝き、最近ではENBの「海賊」にゲスト出演したり、日本でもガラ公演に出演しているブルックリン・マック、ジャクソン国際コンクールで銀メダルを取った宮崎たま子さんなどが所属しています。レパートリーは、古典から現代作品まで幅広く、スクールには1000人以上の生徒がいます。昨年は、ABTのミスティ・コープランドをゲストに迎えての「白鳥の湖」公演がありました。

ケントの夫君、ヴィクター・バービーも元ABTのプリンシパルで、ABTの副芸術監督として働きつつキャラクター・アーティストとして舞台に立っていました。バービーはワシントン・バレエの副芸術監督に就任し、ケントと二人の子供たちとワシントンに引っ越すことになります。

上記ワシントン・ポスト紙のインタビューによれば、ケントは当初、芸術監督のオファーを受諾しませんでした。ニューヨークでの生活、長年過ごしたカンパニーとの生活を愛していたからです。しかし結局、この仕事を引き受けたのは、アメリカではまだ珍しい女性芸術監督という仕事につけることが一つ。そして、ワシントン近郊のメリーランド州に生まれ育っており、今も母親が暮らしている街だということが二つ目の理由でした。

新しい芸術監督を迎えることで、ワシントン・バレエはカンパニーの規模を拡大し、地域社会での存在感を拡大することを狙っています。現在21人の団員を2023年までに40名程度に増やし、一年に2人程度増やすことを目標にしているそうです。

なお、デヴィッド・ホールバーグは、ワシントン・バレエのボードメンバーに昨年選ばれています。彼はABTでジュリーと踊ったことがあり、また彼女が教える様子も見てきました。「彼女の素晴らしさに、カンパニー全体が触発するところを見ました。主役だけでなく、一番新しい研修生までもしっかり見ることができる人です」と彼は電話インタビューで答えました。

ケントによれば、彼女はワシントン・バレエの2016-7年シーズンの計画の概要を、現在のレパートリーを基に作ったとのことで、数週間後に発表されるとのことです。現在のダンサーたちをよく見てから、新しい作品を加えるかどうかを決めるとのことです。

ABTは、ケヴィン・マッケンジーが1992年以来ずっと芸術監督を務めており、そろそろ交代しても良いころです。が、有力候補の一人であるヴィクター・バービーが、ジュリー・ケントと共にワシントンに行ってしまったため、今後どのようになるのか不透明になってきました。常任振付家のラトマンスキーは、芸術監督の仕事にはもう関心がないと語っています。今年2月に、リンカーンセンターのエグゼクティブだったKara Medoff Barnettがディレクターとして就任しました。また、元プリンシパルのイーサン・スティーフェルが、ロイヤル・ニュージーランド・バレエの芸術監督を退任後、カンパニー教師となっています。多くのスターが引退し、今年のMETシーズンではアレッサンドラ・フェリ以外のゲストダンサーを招いていないこともあり、チケットの売れゆきは低迷しています。


なお、ワシントン・バレエが本拠地とするケネディセンターの2016-7シーズンが発表されています。(ワシントン・バレエの公演予定については未定)

http://www.kennedy-center.org/pages/SpecialEvents/SeasonAnnouncement

主なバレエ上演予定は、

サンフランシスコ・バレエの「シンデレラ」(クリストファー・ウィールドン振付)10/26-30
ABTの「白鳥の湖」1/26-29
マリインスキー・バレエの「イワンと仔馬」(ラトマンスキー振付)1/31-2/5
アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター 2/7-12
ハンブルグ・バレエの「人魚姫」(ノイマイヤー振付)3/28-4/2
ミスティ・コープランドとジャスティン・ペックによるプログラム 4/18-23
ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)6/6―11 

と言ったところです。

2016/03/08

3/4、6 ハンブルグ・バレエ「リリオム」

「リリオム―回転木馬」  Liliom Ballet Legend by John Neumeier
─ プロローグ付き全7場のジョン・ノイマイヤーによるバレエ伝説 ─

ロジャーズ/ハマースタインのブロードウェイ・ミュージカルの名作『回転木馬』の原作となった、フェレンツ・モルナールの戯曲をバレエ化したジョン・ノイマイヤーの『リリオム』。

http://www.nbs.or.jp/stages/2016/hamburg/lilio%EF%BD%8D.html

http://www.hamburgballett.de/e/_liliom.htm

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1930年代の大恐慌時代。遊園地の客引きリリオムは、水兵にからまれたジュリーを助けたことから恋に落ち、ふたりはともに暮らし始める。雇い主で愛人でもあったマダム・ムシュカートに解雇されたふたりの生活は苦しく、また互いに気持ちを素直に伝えられない。リリオムは些細なことでジュリーを殴ってしまうが、彼女が子を宿していることを知ると未来に希望を抱く。しかしリリオムは悪人フィスカーにそそのかされて盗みを働き、失敗すると絶望して自殺する。
あの世で裁かれたリリオムは、煉獄にとどめ置かれる。16年後、束の間、地上に戻ることを許されたリリオムは、天国の星を土産に成長した息子のルイスに会う。しかし自分そっくりに荒ぶれた息子から拒絶され、失望と怒りから彼は息子を殴る。そこにジュリーが現れ、リリオムの気配を、そして彼の愛を感じ取る。


リリオム:カーステン・ユング

ジュリー:アリーナ・コジョカル(ゲスト・ダンサー)

ルイス:アレッシュ・マルティネス

風船を持った男:サシャ・リーヴァ

マダム・ムシュカート:アンナ・ラウデール

マリー:レスリー・ヘイルマン

ウルフ:コンスタンティン・ツェリコフ

フィスカー:ダリオ・フランコーニ

水兵:キーラン・ウェスト

天国の門番:エドウィン・レヴァツォフ

内気な青年:アリオシャ・レンツ

悲しいピエロ:ロイド・リギンズ

エルマー:エマニュエル・アムシャステギ

幼少時のルイス:ヨゼフ・マルキーニ


指揮:ジュール・バックリー

演奏:北ドイツ放送協会ビッグバンド、および録音音源


ミシェル・ルグランがオリジナル・スコアを作曲し、2011年12月に初演されたノイマイヤーの作品は、映画にもなった「回転木馬」と同じ原作を基にしたもの。今回のキャストは、マダム・ムシュカート役のアンナ・ポリカルポヴァが引退した他はオリジナル初演キャストとほぼ同じ。オーケストラは入っていないものの、北ドイツ放送協会ビッグバンドが舞台奥、遊園地のセットの上に配置されてスイングジャズの演奏を聴かせてくれた。時に録音テープのクラシックな響きの音楽と、生き生きとしたビッグバンドのジャズが融合する。この音楽の使い分けで、登場人物の心理も描写されていく。クラシカルなライトモチーフのメロディの切ない美しさは、いつまでも耳に残った。

死んで16年後、地上に戻ることを許されたリリオムが息子に会うところから始まり、ジュリーとの出会いの回想シーンへと戻ることで物語は展開する。ノイマイヤー得意の入れ子構造。ストーリーテリングと場面転換、モチーフの使い方の巧みさは流石ノイマイヤー・マジックというべきものだけど、あざとさや小難しさは一瞬も感じさせず、シンプルに語られていく。

風船を持った白塗りの長身の男が、現世とあの世をつなぐ存在として静かに現れ、片脚をあげたポーズで静止したり、ゆっくりとスローモーションのように歩いていく。彼の持っているカラフルな風船が、リリオムの死の時には真っ白になったり、リリオムに天国の星を渡したり、まるで守護天使のようだ。煉獄から地上にリリオムが戻った時も、最初は風船男の影に隠れている。天に輝く星たちは、あの世から人々の営みを見守っている魂のようだった。

愛が死を越えて、向こうの世界からこちらへと受け継がれていくことを描いた作品。そして、どんなに愛が深くても、心が通じ合わないことがある深い悲しみも。リリオムは心優しい男性のはずなのだけど、乱暴者で愛を伝えることに不器用で、愛するジュリーも行き違いから思わず殴ってしまう。職を失ってどうやって妻子を食べさせていいのかわからず、命を失ってしまう。その不器用さは息子ルイスにも受け継がれていく。

作品の舞台は1930年代、大恐慌の後の時代。職安の前での失業者たちのダンスが強烈だ。貧しさと絶望の痛みは現代の貧困にも通じていて胸が痛い。リリオムの死後、シングルマザーとして苦労して息子を育てるジュリー、貧困と暴力の連鎖は続き、16年後の世界にも職を切実に求める失業者たちは街にあふれている。

そんな中でも短くもキラキラと輝くリリオムとジュリーの恋、それを彩る遊園地の回転木馬とカラフルなネオン、ジャズの響き、若い娘たちのダンス。ノイマイヤーのマジックによって、一人一人の登場人物が生きていて、脇に至るまでそれぞれの物語が感じさせてくれる。そしてアンサンブルのダンサーたちも、そのキャラクターにそれぞれの命を吹き込んでいる。ぼろぼろの服に大きすぎる靴、帽子をいつも追いかけている悲しいピエロを演じていたのが、名ダンサーのロイド・リギンス。彼はノイマイヤーの右腕たる副芸術監督で、これから舞台にいる姿をあとどれだけ観られることだろうか。大きな役ではないけれども、彼が演じていることで、作品にさらなる深みが与えられている。

***
『リリオム』は、リリオムとジュリーの物語、リリオムと息子ルイスの物語という二つの関係が軸となっている。時には暴力的なダメ男のリリオムと、純情可憐なジュリーの関係は、DV男と共依存の女という図式にともすればあてはまってしまい、このような男性を同情的に描くことには賛否はあるだろう。リリオムの中に秘められた優しさと、愛する人なのに手を思わず挙げてしまう悲しみを身体現したカーステン・ユングが演じたからこそ、嫌悪感を持たずに済んだと思った。

死んでから16年間、煉獄に留め置かれたリリオムは、空にある窓からじっとジュリーとルイスを見守る。死んで初めて、彼は本当の愛を知った。二人を見つめる表情には、次第に慈愛が満ち溢れるようになった。だけど、煉獄にいる彼は、自分の息子にも、ジュリーにも会えない。天国の門番によって、一日だけ戻ることは許されたけど、それは一日だけのこと。

冒頭、そしてラスト近くに登場する、父と息子のパ・ド・ドゥ。リリオムは息子への想いを伝えるように、万感を込めて踊る。一瞬二人の心は通い合い、ユニゾンでの伸びやかで美しい動きも見られる。息子は、リリオムが自分の父だとわからない。親し気に近づいてくる怪しい男はいったい誰だと思い、キラキラ光る星を渡されても、きれいだと思ってもそれが何なのかわからない。ここで、またリリオムは息子を殴ってしまう…。

そんな二人の再会のシーンに現れたのが、息子を想う母ジュリー。ルイスにはリリオムは見えているようだったけど、ジュリーには彼の姿は見えない。だけど、次第に彼女は彼がいるのを感じるようになってその短い時間を慈しむ。たった一度の、背後からのリリオムとのキス、そして彼は地上からいなくなってしまう。一度戻ってきた彼が再びいなくなってしまった悲しみを抱えつつも、穏やかで満ち足りた微笑みを浮かべてベンチに佇むコジョカルの姿は、深く心に響いた。

アリーナ・コジョカルはこれ以上ないほどのはまり役。幸薄そうで、純情な娘ジュリー。生きていく才覚に乏しく、時には彼女を殴ってしまう刹那的な男のリリオムに従順に従う姿には、男性にとって都合のよい、理想化された女性にも見えてしまう。だけど、ジュリーは強いし、コジョカルが演じることで、彼女の芯の強さと感情の豊かさ、心の襞が見えてくる。

二人の心が少しずつ近づいていくことが感じられる、最初のベンチでのパ・ド・ドゥで恋する気持ちが伝わってくる。リリオムが死んでしまった後、彼の遺体にすがりつき、かき抱くときの激しい慟哭の表現。見知らぬ男に殴られたかのように見えた息子へ駆け寄る姿。コジョカルは、どんな悲しみや苦労をも乗り越えられるような強い愛というものを体現していた。

愛ってなんだろう。死んでしまった後も、心はどのようにこの世に残っていくのだろう。ここにはもういない愛する人の想い出は、どのように受け継がれていくのだろう。この物語は、決して甘いものではなくて、いろんな問いかけを観る者に投げかけ、そして内なる心の傷や想い出を呼び覚ます。愛する人との日々はどれほどかけがえのないものなのか。赦しとは何か。どんなに愛し合っていてもいつかは別れの日は来る。死によって二度と会えなくなった人を、どのように想い続けるか。帰り道、思わず空の星を見上げて、会えなくなった大切な人のことを想って涙し、そして今生きている愛する人のことを思い切り抱きしめたくなる、そんな気持ちにさせられる舞台だった。

****
ほぼオリジナルキャストで、この深く心に残る舞台を観ることができた幸せをかみしめた。この作品は、胸の中に宝物として、大切にしまっておきたい。風船を持った男サーシャ・リヴァの静かながら大きな存在感。息子役アレッシュ・マルティネスの伸びやかな動き。哀しみをにじませた悲しいピエロのロイド・リギンス。長い手脚のグラマラスなマダム・ムシュカート、アンナ・ラウデレ。魅力的なメーンキャストもさることながら、日本人ダンサーもアンサンブルで大活躍していた。風を切るような高いジュッテ・アントルラッセで舞台を一周して印象的だった菅井円加さん、リリオムに絡む姿もキュートで魅力的な石崎双葉さんを始め、ソリストの有井舞耀さん、研修生の平木菜子さんも、遊園地でリリオムに秋波を送る娘たちのなかでも、それぞれが目を引いていた。

引き続き、ガラと「真夏の夜の夢」も楽しみ。

シャルル・ボワイエ主演、フリッツ・ラング監督の映画作品

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2016/03/06

ジョン・ノイマイヤーのプレトーク

後で映像が公開されるそうなのですが、今日の「リリオム」の公演前にあったジョン・ノイマイヤーのトークについて、メモを取ったのでご紹介します。「リリオム」、素晴らしい舞台でした。

(録音していたわけではないので、多少不正確なこともあるかもしれません。また、聞き手が通訳の続きを遮るような形で話をしていたので、通訳されたところは全部は聴けませんでした。ノイマイヤー氏の英語は非常に聴き取りやすく、難しい表現もほとんど使っていませんでした)

ハンブルク・バレエ団芸術監督ジョン・ノイマイヤー プレトーク

Q『真夏の夜の夢』では、ジェルジ・リゲティの音楽が使われています。リゲティは京都賞を受章されていますよね。

J.N 『真夏の夜の夢』は3つの異なった世界を舞台にしたコメディ作品です。妖精の世界は、リゲティの音楽を使い、宇宙的な不思議な音楽で表現しています。実際の人間=貴族の存在する世界は、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」を使っています。そして小さな職人たちの世界は、手押し車のような楽器(手回しオルガン)を使って演奏しています。3つの世界を行き来しながら物語は展開し、3つの世界を明確にするために音楽を使っています」

「オルガンの演奏は原始的な音です。妖精たちの世界はクラシックとは違った音楽なのでリゲティに依頼しました。実験的な音楽で妖精の世界を表現しました。私の考えてでは、妖精の世界はロマンティックな、チュチュが似合うような世界ではなく、サイバー的な、目には見えないけど人間の世界と並行して存在している不思議な世界なのです」

「『真夏の夜の夢』は1977年の作品で、今までに200回以上も上演されてきましたが、古い作品にはなりません。一回一回がプレミア公演という意気込みで上演されています。舞台というのは、現在起きていることが明確に伝わらなければなりません。」

Q 『リリオム』で音楽をミシェル・ルグランに依頼したいきさつは?

J.N 「私は彼の長年のファンであり、また『リリオム』の物語のファンでもありました。『回転木馬』の映画でも知られている物語ですが、バレエ化をしたいと思っていました。ある日、ルグランから電話が来ました。パリ・オペラ座で「椿姫」を観て素晴らしかったので、一緒にプロジェクトをやりたいと。その時、『リリオム』をやるチャンスだと思いつきました。ルグランはポピュラー音楽の作曲家として知られていますが、クラシック音楽の教育も受けてきてクラシックにも詳しい作曲家でもあります。この作品は、異なったジャンルの音楽を組み合わせるにはぴったりだと思いました」

「踊りもそうですが、テクニック、肉体を表現する外的なものと、ダンサーの内なる部分を表現するものとのコントラストを音楽で表現しました。ジャズは人間の動き、内なる感情はクラシックと使い分けたいとも思いました」

Q 『リリオム』に登場するジュリーの子どもは原作や映画では女の子ですが、どうして男の子に変更したのですが?

J.N 「リリオムのキャラクターに新しい次元を与えたかったのです。バレエというのは現在しか表現することができません。ルイスにリリオムの少年時代を重ね合わせることができるし、愛をうまく表現できないというところも見せることができます。ジュリーがシンプルなキャラクターだけに、ジュリーがいることで、リリオムの葛藤、弱さがより表現できます」

Q 『リリオム』は現世とあの世の間の物語ですよね?このバレエは、能の影響は受けていますか?

J.N 「原作においては、この物語は伝説として村の人が話していて、物語として伝わっているものです。リリオムが息子のために星を持って帰るのは、あの世とこの世がつながっていることを象徴させています」

「能は大好きです。今回はスケジュールが忙しくて残念ながら公演は観に行けないのですが。言われてみれば能とのつながりはあるのだと思います。世界と世界の間のコミュニケーション、能の中にあるそういったつながりは私の作品の中に存在しているからです。バルーンマンは、世界の案内役としてあの世とこの世をつなぐキャラクターです。能については、意識的ではありませんが、インスピレーションを受けていると思います」

Q 「ガラ<ジョン・ノイマイヤーの世界〉」について教えてください。

J.N 「120人のダンサーとスタッフを日本に連れて行くときには、どの作品を持ってきて、作品の何を見せるかということは私の責任です。年を取って来るにしたがって自分の人生を振り返り、真摯に考えています。どの作品も、私の中にとどまっていて深い作品です。単にソリストによるパ・ド・ドゥを見せるだけではありません。バレエの中の完全なシーンを持ってくることが大切です。「バーンスタイン・ダンス」の中の『キャンディード序曲』では35人のダンサーが踊る編成となっています。『くるみ割り人形』は私のクラシック・バレエへのオマージュです。ソリストだけでなく、バレエ団でこのような作品をやっていますよというのを見せるために持ってきました。ジョン・ノイマイヤーの作品、ハンブルグ・バレエとは何かというのを見ていただけるような構成となっています」

「このような形での上演は非常にまれです。スポレートでは、野外で教会の前でガラ公演をやったことはありますが、私の作品のいろんな側面を見せる、集大成的なガラは東京のためだけの公演です。日本のためだけに作ったものです。ぜひ観てください」

ノイマイヤーが語る、ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉


ガラ公演も、『真夏の夜の夢』もとても楽しみになってきました。もちろん両方観に行きます。

http://www.nbs.or.jp/stages/2016/hamburg/index.html

ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉
3月8日(火)、9日(水) ともに18:30開演 東京文化会館

『真夏の夜の夢』
3月11日(金)18:30開演 東京文化会館
3月12日(土)14:00開演 東京文化会館
3月13日(日)14:00開演 東京文化会館

2016/03/05

ジャパンアーツ・オールスター・ガラにエルマコフら出演/演目一部発表

ジャパンアーツ・オールスター・ガラに、アンドレイ・エルマコフ(マリインスキー・バレエ)とカッサンドラ・トレナリー(ABT)の出演が決定したというお知らせがありました。

http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1838

アンドレイ・エルマコフは、昨年11~12月の来日公演でも活躍し、「愛の伝説」ではロパートキナと共演してフェルハド役を演じたので、皆さんの記憶に新しいことだと思います。まもなくDVDが発売される「アンナ・カレーニナ」では、やはりロパートキナ相手にヴロンスキー役を演じています。

カッサンドラ・トレナリーは初耳の方が多いかと思いますが、昨年8月にソリストに昇格したばかり。METシーズンのラトマンスキー版「眠れる森の美女」で、オーロラ役に抜擢されています。(6月29日公演)その前の4月2日のデトロイトでの「眠れる森の美女」で、オーロラ役デビューを飾る予定です。まだ非常に若いバレリーナ。


ジャパン・アーツのサイトにはまだ出ていませんが、ハンブルグ・バレエの「リリオム」の会場で、一部演目を記載した仮チラシが配布されていました。(2/29現在)

→サイトにも出ました。(3/17付)
http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1836

≪Aプログラム≫7月23日(土)14:00/7月26日(火)18:30
「ジゼル」(振付:M.プティパ) ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス
「瀕死の白鳥」(振付:M.フォーキン) ニーナ・アナニアシヴィリ
「シナトラ組曲」(振付:T.サープ) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
「レクイエム」(振付:K.マクミラン) アレッサンドラ・フェリ
「カルメン」(振付:A.アロンソ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「グルックのメロディ」(振付:R.プティ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「ドン・キホーテ」(振付:M.プティパ/A.ゴールスキー) カッサンドラ・トレナリー、エルマン・コルネホ
「トッカーレ」(振付:M.ゴメス) カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス
「海賊」(振付:M.プティパ) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
「トリスタンとイゾルデ」(振付:K.パストール) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン


≪Bプログラム≫7月24日(日)14:00/7月27日(水)18:30
「白鳥の湖」より第2幕アダージォ(振付:M.プティパ) ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス
「レクリ」(ジョージアの民族舞踊) ニーナ・アナニアシヴィリ
「ル・パルク」(振付:A.プレルジョカージュ) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
「ラプソディ」(振付:F.アシュトン) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ
「愛の伝説」よりモノローグとアダージォ(振付:Y.グリゴローヴィチ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「アンガラ」(振付:Y.グリゴローヴィチ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ
「眠りの森の美女」(振付:M.プティパ/A.ラトマンスキー) カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス
「ジゼル」(振付:M.プティパ) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
「ディスタント・クライズ」(振付: E.リャン) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン


※2016年3月17日現在の情報です。病気、怪我、その他の事情で出演者、演目が変更になる場合がございます。


http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=390&lang=1

≪プログラムA≫
2016年07月23日(土) 14時開演 東京文化会館
2016年07月26日(火) 18時30分開演 東京文化会館

≪プログラムB≫
2016年07月24日(日) 14時開演 東京文化会館
2016年07月27日(水) 18時30分開演 東京文化会館

※追加出演者、調整中プログラム内容は決定次第ジャパン・アーツホームページで発表いたします。

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バレエの王子さま公演 7/15-18

バレエの祭典演目に入っていながら、なかなか概要が発表されていなかった「バレエの王子さま」公演のチラシがやっと出回りました。

それによると、

7月15日(金)19:00
7月16日(土)14:00
7月17日(日)14:00
7月18日(日・祝)14:00

文京シビックホールでの上演となります。

気になる出演者は、

レオニード・サラファーノフ(ミハイロフスキー劇場バレエ)
エドワード・ワトソン(ロイヤル・バレエ)
ウラジーミル・シクリャーロフ(マリインスキー・バレエ)
ダニール・シムキン(アメリカン・バレエ・シアター)

が決定しているとのことです。王子様は追加される予定で、お姫さまも参加するそうです。

NBSのWEBチケット先行発売は4月中旬予定ということで、さらなる情報はしばしお待ちを、ということでしょうね。
演目は、「エチュード」他、だそうです。

エドワード・ワトソンは、ロイヤル・バレエの来日公演には出演しない代わりに、こちらに出てくれるとのことですね。当初出演する予定だったスティーヴン・マックレーの名前はありませんが、彼はロイヤルの来日公演の方では活躍してくれますので。ワトソンは、いわゆる王子様ダンサーではありませんが、マイヤリングのルドルフ皇太子役という王子様役を演じてくれたら嬉しいな、なんて思ってしまいます。

追記:キャストの追加と、一部演目が発表になっています。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-620.html#002390

【予定されるお姫さま】 
サラ・ラム Sarah Lamb(英国ロイヤル・バレエ団)
マリア・コチェトコワ Maria Kochetkova(サンフランシスコ・バレエ)

共演:東京バレエ団

※演奏は特別録音による音源を使用します。


◆会場:文京シビック 大ホール(都営地下鉄「春日」/東京メトロ「後楽園」下車)

◆入場料(税込):S=\16,000 A=\14,000 B=\12,000 C=\9,000 D=\7,000

◆プログラム

【7/15(金)、7/16(土)】

オープニング

新作ソロ:
エドワード・ワトソン

「同じ大きさ?」(振付:ロマン・ノヴィツキー):
レオニード・サラファーノフ、ダニール・シムキン、他1名

「バレエ101」 (振付:エリック・ゴーティエ) :
ウラジーミル・シクリャローフ

パ・ド・ドゥ:
エドワード・ワトソン、サラ・ラム

「タンゴ」(振付:ハンス・ファン・マーネン):
ウラジーミル・シクリャローフ

ソロ:
サラ・ラム

「エチュード」(振付:ハラルド・ランダー):
ダニール・シムキン、レオニード・サラファーノフ、
ウラジーミル・シクリャローフ、マリア・コチェトコワ、
東京バレエ団

フィナーレ


【7/17(日)、7/18(月・祝)】

オープニング

新作ソロ
エドワード・ワトソン

「同じ大きさ?」(振付:ロマン・ノヴィツキー)
レオニード・サラファーノフ、ダニール・シムキン、他1名

「バレエ101」 (振付:エリック・ゴーティエ) :
ウラジーミル・シクリャローフ

パ・ド・ドゥ
ダニール・シムキン、マリア・コチェトコワ

ソロ
マリア・コチェトコワ

新作ソロ
エドワード・ワトソン

「エチュード」(振付:ハラルド・ランダー):
レオニード・サラファーノフ、ウラジーミル・シクリャローフ、サラ・ラム、
東京バレエ団

フィナーレ


◆NBS WEBチケット先行発売[座席選択 S~D]:4/19(火)21時~4/22(金)18時

◆一斉発売:4月24日(日)10時~


◆お問い合わせ:NBSチケットセンター:03-3791-8888

2016/03/04

セルゲイ・フィーリンは3月以降もボリショイ・バレエに残留

ボリショイ・バレエの芸術監督、セルゲイ・フィーリンの契約は3月17日に切れて、彼は退任する予定です。後任は、元マリインスキー・バレエの芸術監督で、ミラノ・スカラ座バレエの芸術監督であるマハール・ワジーエフ。

フィーリンに対しては、退任後もボリショイ劇場でポストを用意するという、ウラジーミル・ウリン総裁の提案がありました。

そして、フィーリンはボリショイ劇場において、若い振付家のためのワークショップを率いるという職務に就くことになると、ウリンは発表しました。

http://tass.ru/kultura/2707013

「ここ数年においてボリショイで成功してきたユース・オペラプログラムに倣い、クリエイティブな教育を推進するためにワークショップを開設し、フィーリンはそのリーダーとなります。このイニシアティブのための基金は、ボリショイ劇場の評議員会によって提供されます」とウリンは語りました。

「ボリショイ劇場は、もちろんその偉大な伝統、古典バレエのレパートリーなしでは存続できません。しかしながら、劇場は新しい芸術作品を生み出すことでのみ、成長し存続することができるとも深く確信しています。この劇場のアーティストたちと仕事をするコンテンポラリーの振付家を、私たちがコンスタントに探していることは偶然ではありません。ジャン・クリストフ・マイヨー、ウェイン・マクレガー、ユーリ・ポソホフ、ポール・ライトフットとソル・レオン、クリストファー・ウィールドン。私たちの未来、21世紀において作品を創造する振付家について考えることは非常に重要だと考えています。そして私は、セルゲイ・フィーリンがこの活動を率いることに同意したことを嬉しく思います」

フィーリンもまた、この仕事を引き受けたことを認めています。「ボリショイ劇場は、私のプロとしての活動とずっと関係してきました。長年バレエ・ダンサーとして活動してきて、自分に作品の役柄を振付ける振付家と共に仕事をすることがどんなに重要なことかはよく知っています。そして、ボリショイ・バレエの芸術監督として、常に新しい振付家をどのように招くかという問題に直面してきました。実を結ぶようなバレエの芸術の開発は非常に重要であり、現代的で面白く、オリジナリティのある、ロシア人の振付家が必要とされています。そのため、ボリショイ劇場においては、アレクセイ・ラトマンスキーが種をまいた後の土壌に若い振付家のための常設のワークショップを創ることは、とても重要だと私は思います」とフィーリンはコメントしました。

ウリンによれば、ワークショップを創るというアイディアにおいては、若い振付家にバレエ作品のプロダクションを創ってみる機会を与えるだけでなく、著名な振付家によるマスタークラスや、様々なカンパニーにおける研修といった、学びのプロセスを通して、若い才能を開発するということも含まれているとのことです。

「若い振付家のラボラトリーで生み出された作品は、非常にクリエイティブで面白く、そして必要なものとなってくるし、ボリショイにとって根本的に重要なことです」とウリンはフィーリンに語りました。

********
A New Bolshoi?
こちらは、新芸術監督のワジーエフの下で、ボリショイ・バレエはどうなっていくのかを占った記事です。

http://dancemagazine.com/news/a-new-bolshoi/

ミラノ・スカラ座の芸術監督であるワジーエフが、フィーリンの後任となると発表されたのは10月でした。

2013年の硫酸襲撃事件によって、フィーリンは視力に障害を負ってしまったのですが、彼がボリショイの芸術監督を退任するのは、目の障害が理由ではありません。ウリンの前任であったアナトリー・イクサーノフ前総裁は、主に管理的なことを手掛けて芸術面はフィーリンに任せていましたが、ウリンは彼自身がボリショイの芸術的な方針も権限を持つ方向に舵を切りました。

ウリンが、昨年夏にフィーリンの契約は更新されないことを発表した時、次期芸術監督の権限は削減され、事務的な仕事を中心とした業務を主に担当するとしました。

ところが、次期芸術監督のワジーエフは13年間マリインスキー・バレエの芸術監督を務めて、ザハロワ、ヴィシニョーワ、オブラスツォーワといったスターを育て、2009年にスカラ座へ移りました。スカラ座の芸術監督となってからは、セルゲイ・ヴィハレフやアレクセイ・ラトマンスキーによる復元作品を中心にした新作を上演して成功を収めてきました。ロシアバレエの現実面を熟知している一人です。

ワジーエフがマリインスキー・バレエを去ったのは、マリインスキー劇場のワレリー・ゲルギエフ芸術監督がバレエについても口を出してきたことを嫌ってのこと。また、スカラ座においては、悪名高い労働組合との対決も制しており、ウリンの下で素直に彼の言うことに従うとは考えにくいと想定されています。ワジーエフは、ボリショイでの方針について語るのは時期尚早としていますが、すでにラトマンスキーの作品をボリショイに復活させたいと語っており、またフォーサイスをお気に入りの振付家としています。

フィーリンは、ジャン・クリストフ・マイヨーの「じゃじゃ馬馴らし」などの新作、そして「オネーギン」、「椿姫」といった作品を導入して成功を収めてきました。さらに、ラントラートフ、スミルノワといった新しい世代も台頭してきました。しかし、特に襲撃事件以降は、グリゴローヴィッチ版「愛の伝説」のリバイバルや、ファジェーチェフ版「ドン・キホーテ」の新しいプロダクションなど、古いソヴィエトの伝統に回帰する方向性も出てきています。フィーリンの振付家ワークショップも設立されるわけですが、ワジーエフはどのような着地点を見つけることでしょうか。

ボリショイ・バレエin シネマ、次の上映作品は、この新制作「ドン・キホーテ」です。

http://bolshoi-cinema.jp/lineup.html
日本では、2016年4月20日(水)に映画館で観ることができます。(現地では4月10日に上演)

2016/03/02

NBAバレエ団新作公演「死と乙女」記者会見

NBAバレエ団の2016年新作公演「死と乙女」の記者会見が行われました。

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国際的に活躍する太鼓奏者の林英哲さん、そして、音楽家の新垣隆さんを迎え、振付は気鋭の舩木城さんが行うという話題の新作です。エゴン・シーレの「死と乙女」をモチーフにして、まるでバレエ・リュスを思わせるようなトップアーティストのコラボレーションで作品を創り、日本から発信していきたいという願いが込められています。

http://www.nbaballet.org/performance/2015/sitootome/index.html

<作品のきっかけ>
NBAバレエ団の久保紘一芸術監督
「NBAバレエ団の20周年の幕開けにふさわしい作品を創りたいと思っていました。今まで海外で踊ってきた経験を生かして、「ドラキュラ」やウィールドン振付「真夏の夜の夢」などを上演してきましたが、どこか物足りなさを感じていました。未だに欧米がバレエの中心なのだから。これからは世界展開していきたいと思っており、そのための作品となります」

「人との出会いに恵まれて、林さん、新垣さんに会う機会がありました。共演をお願いしたところ快諾してもらえました。舩木さんは、昔から知り合いで会って彼以外には考えられませんでした。彼は全幅の信頼を置く盟友です」

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林英哲
「45年間太鼓をやってきて、自分自身も舞踊作品は演出してきたし、舞踊、舞踏、日本舞踊との共演はありますが、バレエ作品に取り組むのは初めてです。しかし、バレエは自分でも習ってきたし、日本舞踊の名取も持っていて、このような太鼓奏者は世界で一人だと思っています。別の世界の人達と共演するという感覚ではありません」

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新垣隆
「今回私はピアノを弾いて太鼓と共演します。太鼓とピアノでどのような可能性があるのかを探ってみたいと思います。バレエには、子供のころから興味を持ってきました。また、音楽的にはストラヴィンスキーの影響を受けています。今回は願ってもない重要な機会です。曲はまだ準備段階ですが、これから頑張りたいと思います」

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舩木城
「私は音楽があって、そこから振付を行うスタイルなので、まだこれから先のことはわかりません。しかし今回は久保さんもダンサーとして出演する予定なので楽しみです」

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<質疑応答>
異なったジャンルのアーティストが共演する今回の企画は、バレエ・リュスに対する日本のバレエとしての回答だと思うのですがいかがでしょうか?世界展開はどのように考えていますか?新垣さんがストラヴィンスキーに影響を受けているとのことで、「春の祭典」のイメージがありますが、あのような作品になるのでしょうか。

新垣
「太鼓とピアノの共演の可能性を今回考えてみました。林さんは今まで山下洋輔さんともコラボレーションしてきたし、その形を一つのモデルとしてみたいと思います。太鼓はリズムを持つものなので、おのずと作品も出てくると思います。」

「林さんとリハーサルしてみて、まずご一緒できることは特別なことと感じました。林さんは日本の太鼓の演奏を通じて、日本の現代音楽の領域において大事な役割を果たしています。歴史を作っておられる方です。ご一緒できるのは嬉しいです。プレッシャーも感じていますが、大きな可能性を前にして、興奮しています」

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(リハーサルの模様の映像より)


「新垣さんからは、譜面と音源テープを頂いています。難しいリズムが書いてあって大変だな、と思いました。半分のところまでのスケッチはできています。この作品は、舩木さんのアイディアでエゴン・シーレの絵画「死と乙女」のイメージを基に作っています。私もエゴン・シーレは好きで彼の作品を観にウィーンの美術館に行きました。世紀末の心象を投影した人物像、生と性にまつわる感情が投影されていますよね。新垣さんの調整、音楽性がはまるのではないかと思いました。シーレは、色彩は華やかな作品は描いていません。太鼓とピアノだけという音楽で、コントラストがあってよいのではないかと思いました。新垣さんと私だけの演奏という方が面白いのではないか、自由度も高いのではないかと思い、楽しみです」

舩木
「音楽を観たい、というのが私の作品を創りたい根源です。クラシックバレエの動きから発生した作品になります。あらゆるジャンルの音楽を表現できる唯一のダンスがクラシックバレエだと思っています。頂いた音源を繰り返し聴いて形にするのですが、まだ振付は起こしていません。凄い緊張感のある作品になります。ライブ演奏なので、静かなものなのか激しいものになるのかはまだわかりませんが、心に深く刺さる作品を創りたいです」

Q エゴン・シーレの絵をモチーフにしたのはなぜでしょうか?そしてこの作品にはインプロヴィゼーションはあるのでしょうか?

久保
「林さんと舩木さんで、このアイディアで盛り上がったのです。3人に作品をお任せしています」

新垣
「即興にもいろいろなレベルがあります。全体の枠組みははっきり構成し、あるテーマを持ったものとなります。クラシックバレエの振付のスタイルから創るということからも、厳密にしてく部分はあります。その枠の中である程度の自由さを設定するような即興のスタイルになります」


「山下洋輔さんとコラボレーションした時には、音楽だけなので、15分の予定の作品が30分になったことはありました。バレエの場合には踊りがあるのでそれはないと思います。ある程度の枠の中で許された即興は展開すると思いますが、具体的にはまだこれからです」

舩木
「自分の作品の中では即興はしたことはありません。今回はもしかしたら舞台の上で即興があることはあり得ますが、リハーサルではかっちりと作品を創ります」


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Q 作品にあらすじはあるのでしょうか?林さんが新垣さんを推薦したとのことですが、どのような曲を聴いて推薦をされたのでしょうか?

舩木
「特にあらすじはありません。音楽を表現するときに、自然に立ち上る物語が出てくるので、そうなってほしいと思っています」


「10年ほど前に、新垣さんが別名義で書いた作品に参加しました。これは新日本フィルと邦楽器も参加しての大きな作品でした。新垣さんはオーケストラ曲も10数曲作曲しておられ、いろんな作家と共演しており、音楽界での評判もいい方です。どうにかして作曲を頼んでみようとお願いしたところ、快諾してもらえました」

「もともとは『春の祭典』を太鼓で演奏してバレエに、というアイディアでしたが、そのようなアレンジをすることは許諾を得るのが難しいということで、一から企画をやり直して、曲を創ろうということになりました。新垣さんの評判を聞いて、あちこちから、彼はいい曲を作るという話を聞きました。もちろん、話題性も高い方です。思い切ってチャレンジしてみると、思いがけない結果になるのでは、と思いました。新垣さんは忙しいのでスケジュールは大変だけど、快諾してもらえました」

<作品への意気込み>

久保
「これだけの才能を集めたので、壮大な素晴らしい作品になると確信しています。楽しみにしています」


「共演したことがない人とやるのは楽しみです。太鼓は伝統芸能ですが、新しいことが生まれる場に立ち会うのは楽しいです。私も新垣さんも、辛い境遇を乗り越えて面白作品、表現を生んだ経験があったので、今回もいい作品を創ることができると思うし、頑張れます」

新垣
「林さんは、様々なジャンルを私歩いてきてコラボレーションをしてきました。私にとっても目標とする方です。そのスタンスで、自分なりにやりたいという気持ちが強いです。願ってもない機会です。楽しい現場で、厳しいですが、新しいものを作ることができる幸せを感じています」

舩木
「ちょっとずつ形になっているのがとても楽しく、わくわくしています。どこかに救済がある作品になると思います。必ずいい作品になります」


非常に楽しみな公演ですね。新しいものが生まれる瞬間に立ち会えることに、私もワクワクしています。


公 演 名:
『死と乙女』
日   時:
2016年5月27日(金)開場18:30・開演19:00
     5月29日(日)開場12:30・開演13:00
               開場16:30・開演17:00
会場 北とぴあ(東京都北区王子1丁目11−1)

お問い合せ・
電話予約: NBAバレエ団事務局(月~金10:00~17:00)
Tel:04-2937-4931

芸術監督・演出:久保紘一
作曲:新垣隆
振付:舩木城
ゲスト出演:ピアノ・新垣隆/太鼓・林英哲&英哲風雲の会 

Act01 和太鼓
 和太鼓を舞台芸術にまで昇華させたパイオニア林英哲と英哲風雲の会の演奏
Act02 ケルツ
 ライラ・ヨーク振付。アイルランドの民族舞踏。彼らの苦楽を表現する。
Act03 舩木城 新作「死と乙女」
 振付家舩木城新作、世界初演。
 新垣隆作曲による新作バレエにNBAバレエ団×林英哲、英哲風雲の会が挑む。

2016/03/01

ローレンス・オリヴィエ賞のノミネート発表

その年に上演された優れた演劇・オペラに与えられる賞であり、イギリスで最も権威があるとされているローレンス・オリヴィエ賞のノミネートが発表されました。

http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-35687096

ダンス関係のみを抜粋すると、


最優秀新制作ダンス作品賞

He Who Falls (Celui Qui Tombe) by Compagnie Yoann Bourgeois at the Barbican 
「He Who Falls」 カンパニー・ヨアン・ブルジョワ(バービカン劇場)

Romeo Et Juliette by Les Ballets de Monte Carlo at the London Coliseum
「ロミオとジュリエット」 モンテカルロ・バレエ(ジャン・クリストフ・マイヨー振付) ロンドン・コロシアム

Woolf Works by Wayne McGregor at the Royal Opera House
「ウルフ・ワークス」 ロイヤル・バレエ(ウェイン・マクレガー振付) ロイヤル・オペラハウス


ダンスにおける傑出した功績賞

Alessandra Ferri for her performances in Chéri and Woolf Works at the Royal Opera House
アレッサンドラ・フェリ 「シェリ」「ウルフ・ワークス」(ロイヤル・オペラハウス)でのパフォーマンスにより

Javier De Frutos for Anatomy of a Passing Cloud at the Linbury Studio theatre, Royal Opera House
ハヴィエル・デ・フルートス 「Anatomy of a Passing Cloud」(ロイヤル・オペラハウスのリンバリー・スタジオ劇場)

Sasha Waltz for Sacre at Sadler’s Wells
サシャ・ヴァルツ 「春の祭典」 (サドラーズ・ウェルズ劇場)


最優秀舞台振付家

Carlos Acosta and Andrew Wright for Guys And Dolls at the Savoy theatre
カルロス・アコスタとアンドリュー・ライト 「ガイズ・アンド・ドールズ」 (サヴォイ・シアター)


受賞者は4月3日に発表されます。

「ウルフ・ワークス」は、英国ナショナルダンス賞の最優秀クラシック作品賞、最優秀女性ダンサー賞(アレッサンドラ・フェリ)、クラシックバレエ振付賞(ウェイン・マクレガー)も受賞しました。今回も、フェリが受賞する可能性はかなり高いと思われます。50歳を過ぎてからの現役復帰で第二の黄金期を迎えた彼女は、まさに奇跡ですね。

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