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2016/02/04

バンジャマン・ミルピエ、パリ・オペラ座バレエ芸術監督を辞任か?

2014年秋にパリ・オペラ座バレエ史上最年少の芸術監督に就任したバンジャマン・ミルピエ。一部に批判がありつつも、よりアメリカ的なレパートリーを多く導入しました。またエトワールではなく下のランクからの積極的な起用、将来における昇進試験の廃止、様々なアートの分野のアーティストとコラボレーションした映像プラットフォーム3e Stage、ダンサーの健康面に配慮して床を改善させたりフィジオテラピーを強化するなど、いろいろな改革を打ち出していました。

しかしここにきて、Paris Match誌で、爆弾的なニュースが掲載されています。

Benjamin Millepied sur le depart
http://www.parismatch.com/Culture/Spectacles/Benjamin-Millepied-sur-le-depart-907585

パリ・オペラ座バレエは、来シーズンのレパートリーを発表するため、2月10日に記者会見を行う予定です。その際に辞任の件が発表になるようです。→2/4(木)15時より記者会見が行われます。

辞任の理由はまだはっきりしていません。いくつかの噂があり、一つは、妻で女優のナタリー・ポートマンがアメリカで女優業を行いたいという希望があること。また、オペラ座バレエにおいては組織上の問題があって意思決定がしにくいこと。ミルピエの立場では、振付と芸術監督業の両方を求められていたのですが、もっと自分の思い通りに行いたい、L.A.ダンスプロジェクトでの仕事を行いたいのではないかという推測もあります。ただこれはまだ推測に過ぎません。

2016-7シーズンについては、ミルピエが、別れのしるしとして2作品、新作を発表するとのことです。

有名女優を夫に持つ若き芸術監督ということで、ミルピエのメディア露出は非常に高かったのですが、オペラ座側は、必ずしもそれを喜ばしいことと考えておらず、特に12月にカナル・プリュスが製作したドキュメンタリーは不興を買ったようです。ただ、New York Times等は彼のプログラミングを評価していたようでした。辞任の時期については、おそらく今シーズン末を待たない、即時になるのではないかということのようで、後任探しは喫緊の課題となります。

なお、ミルピエの新作La nuit s’achèveを含むトリプルビル「Tombe(ジェローム・ベル新作)」、「La nuit s’achève」、「ゴールドバーグ・ヴァリエーション(ジェローム・ロビンス)」は2月5日が初日です。また、2月20日は、バンジャマン・ペッシュのさよなら公演で、特別に「ル・パルク」と「イン・ザ・ナイト」が彼の出演により上演されます。

こちらのダンスキューブのバンジャマン・ペッシュのインタビューは大変興味深いものです。ペッシュは現在、ミルピエの右腕としてアーティスティック・コラボレーターという肩書で働いています。今後の彼の立場はどのようなものになるのでしょうか。
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1601b.html

追記:ペッシュは、後任が決まるまで芸術監督代行を務めるようです。

<追記>
明日、ステファン・リスナー総裁がこの件について記者会見を行います。ミルピエの辞任はほぼ確実のようです。

フィガロ紙の記事
http://www.lefigaro.fr/culture/2016/02/03/03004-20160203ARTFIG00344-opera-de-paris-benjamin-millepied-sur-le-depart.php

ミルピエはその知名度の高さで、彼の振付けた作品については観客動員は非常に良かったとのことです。したがって、芸術監督の座を離れても、オペラ座の振付家として引き続き活動を続ける可能性はあるかもしれません。オープニングガラでは、多額の寄付金を集めることにも成功しました。1年に新作を10本上演するという意欲は素晴らしかったと評価されていました。しかしながら、あまりに急にやり方を変えてしまったため、ダンサーたちからの不満はかなりあったようです。記者会見は明日フランス時間午後3時からだそうです。

<さらに追記>
わかりやすい英語の記事が出ていたので、ご紹介します。
Millepied 'to quit' Paris ballet: reports
http://www.france24.com/en/20160203-millepied-quit-paris-ballet-reports

やはり、昨年クリスマス前に放映されたカナルプリュスのドキュメンタリーが問題視されていたようです。この番組の中では、オペラ座のバレエはきわめて保守的で、ヒエラルキー主義的で、内部競争に取りつかれていると主張していました。そして自分たちが名乗るほどの素晴らしいカンパニーではなく、公演は時々「非常に退屈で壁紙のよう」だと語りました。ダンサーたちに、コンテンポラリーを踊るときと同じくらい、クラシックでも自分を解き放つようにしなさいとアピールし「これは楽しくないのか?」と叫んでいる様子が映し出されました。しかし、そのような欠点がありながらも、オペラ座は「世界でおそらく最も素晴らしいモダンダンスのカンパニー」だと語っていました。

一方、ミルピエの妻であるナタリー・ポートマンは、夫のオペラ座芸術監督就任に伴い、4歳になる息子と共にパリに引っ越しました。彼女の初めての監督作「A Tale of Love and Darkness」は昨年のカンヌ国際映画祭で上映されました。しかし、彼女は、ハリウッドでのキャリアを再始動させたいと思っており、ジャクリーン・ケネディの伝記映画に主演する契約を結んだところです。


<追記>
こちらのルモンドの記事には、カール・パケット、ステファン・ビュリヨンという二人のエトワールからのコメントがあります。

Benjamin Millepied sur le départ à l’Opéra de Paris ?
http://www.lemonde.fr/culture/article/2016/02/04/benjamin-millepied-va-t-il-quitter-l-opera-de-paris_4858949_3246.html

本日の午後3時(日本時間夜11時)の記者会見の一時間前に、オペラ座のダンサーたちに正式な説明が行われる予定です。

「私たちは、記事によってミルピエが辞任することを知りました」とカール・パケットは語りました。「でも、これはきっと起きることだろうと少し前から思っていました」

ステファン・ビュリヨンがこのように付け足しました。「12月からバレエ団内の空気は波乱に富んでおり、その嵐は去っていません」

カナルプリュスの番組で、ミルピエはこのように語りました「オペラ座は世界で最も優れたバレエ団であるべきです。オペラ座の素晴らしさって実際のところなんですか?このバレエ団が踊っている方法には自分は満足していません。本当の素晴らしさが観たい」そしてこのように結論付けました。オペラ座は、クラシックバレエにおいてはベストではないけど、コンテンポラリーランスでは一番だと。

さらに、12月18日のフィガロ紙で、ミルピエはオペラ座バレエの批判を続けました。「ラ・バヤデール」の影の王国について彼はこのように批判したのです。「ダンサーは、表現するために存在しているのであって、壁紙の模様のように存在しているだけではだめだ」また、クラスレッスンへの参加は、週5回参加すべきであって、2,3回ではいけないとも語りました。また、若いダンサーに向けては、起業家精神を持つべきであって、たとえばソーシャルネットワークを使っての資金調達の方法、キャリアを管理することが必要であると推奨しました。

これらの発言に対して、ダンサーたちの怒りがさく裂しました。カール・パケットは次のように語っています。「ミルピエがオペラ座のダンサーたちに見せている不敬な態度、オペラ座バレエを貶めている様子を示したこの記事を読んでショックを受けました。私はこの劇場で30年間踊ってきました。パリ・オペラ座を愛しています。この6か月間、こんなに不快に思ったことはありませんでした。だが、この記事は、彼が退任することを示唆しているとも感じました」
実際、この記事の中で、ミルピエは、「ここで達成できなければ、他の場所で実現させます」と語っています。


彼の仕事の補佐をする人は誰でしょう。メートル・ド・バレエのクロチルド・ヴァイエは病気のため、長いこと出勤していません。彼女の後任となるはずだったオーレリー・デュポンは結局、この仕事に就くことを断りました。公式にはミルピエのチームは結成されていませんが、彼の仕事の補佐は、現在バンジャマン・ペッシュが行っています。妻のポートマンは「パリでは安全だと感じていません」と語っており、オペラ座の仕事にはタッチしていません。
(以上、ルモンドの記事の引用)

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パリ・オペラ座バレエ」カテゴリの記事

コメント

こんにちは・突然の書き込み失礼します。
朝からPARIS MATCH電子版を読んで驚きました。もうすぐ新シーズン発表ですのに・・・
フィガロの記事読まさせて頂きました。あげていただきありがとうございます。
何が起ころうとも個人的にはオペラ座大好きなので、また観たい気持ちです。
もし不適切でしたら削除のほどお願いいたします。

やはり・・・・という感想です。もっとも上層部が選んだ人ですからね。
資金集めや広告塔の役割だけではなく、もっとバレエを芸術として高めてくれる人、フランスバレエを大切にしてくれる人が監督になってほしいです。

最近、オペラ座のエトワールってどこにいるのかしら、というdistributionmoも多かったし。
アリュやマルシャン、ブルドンといった若手が出てきていることは認めますが・・・

ギエムにという声が、パリから聞こえてきそうです。

オペラ座大好きさん、こんにちは。

お返事が遅くなってしまってすみません。
個人的には、オーレリー・デュポンが後任となって良かったのではないかと思いました。去年末にパリに行ったのですが、そちらで評論家やバレエファンの方、ダンサーと知り合っている方などから聞いた話だと、やはりミルピエに対する不満はかなりたまっていたようでした。オーレリーは生粋のオペラ座育ちですし、クラシックも大事にすると言っているので、手腕は未知数ですが、おそらくはいい方向に向かうと思います。頑張ってほしいですよね。

marikaさん、こんにちは。
本当にお返事が遅くなってしまって申し訳ありません!

昨年末にパリに行ったときから、ちょっとミルピエは1年もたないんではないか、という声をあちこちで聞いたのです。そしたら本当に一年持たなかったんですよね。お金集めやソーシャルメディアで今までバレエを観なかった人に足を運ばせることには貢献したけど、肝心のバレエがちょっとね、というところがありました。(年末のトリプルビルも、バウシュの春の祭典以外はつまらなかったです)バヤデールもエトワールがほとんど出演していませんでしたしね。

ギエムがオペラ座の芸術監督になったとしたら、非常に面白かったと思うので、それがなかったのはちょっと残念でしたが、オーレリーもきっと頑張ってくれると思います。少なくともミルピエよりはましでしょう。

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