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2016年2月

2016/02/29

マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』9月14日~25日東京公演

鬼才マシュー・ボーンが手掛けた、ゴシックで美しく魅惑的な「眠れる森の美女」。

2012年に初演されて大評判を呼び、ロサンゼルスドラマ批評家賞3部門など、数多くの賞に輝きました。ボーンの作品の中で、最も興行的に成功した作品の一つです。ボーンはこの作品の成功により、英国ナショナル・ダンス賞のニネット・ド・ヴァロワ賞を受賞するとともに、大英帝国勲章(OBE)を受章しました。

http://new-adventures.net/sleeping-beauty

この「眠れる森の美女」は、DVD化されるとともに、映画館でも上演されたのでご覧になった方は多いかと思います。

そして、ついに待望の来日公演が実現しました。

http://mbsb.jp/

公演期間: 9月14日(水)~25日(日) 東急シアターオーブ

ホリプロオンラインチケットに、チケットの発売の詳細について書いてあります。

http://hpot.jp/stage/sleepingbeauty

先行抽選受付:3月12日(土)~3月21日(月・祝)23:49
抽選日:3月24日(木)
一般発売開始:4月16日(土)10:00~

チケット料金
ビューティーシート ¥14,000
(1~4列目センターブロック)
S席 ¥12,800
A席 ¥9,800
B席 ¥5,500
(全席指定・税込)

また、気になる来日公演キャストの方はまだ発表されていません。

ニューアドベンチャーズの公式でのキャストはこちらにあります。
http://new-adventures.net/sleeping-beauty/cast-creatives

昨年10月に始まった英国ツアーでのキャストはこちら
http://new-adventures.net/sleeping-beauty/news/casting-announced-for-sleeping-beauty-uk-tour

オーロラ役にアシュリー・ショーとコーディリア・ブレイスウェイト
レオ役にドミニク・ノースとクリス・トレンフィールド
ライラック伯爵にクリストファー・マーニーとリアム・モーワー
カラボスとカラドックの二役にアダム・マスケルとトム・クラーク

この通りのキャストで日本で観られると嬉しいですよね。キャスト発表が待たれます。

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2/27 新国立劇場バレエ研修所 「エトワールへの道程2016」

新国立劇場バレエ研修所第11期生5名の卒業公演。ほぼソールドアウトの盛況で、私もうっかりしていて2月に入ってからチケットを買ったら、一階の一番後ろになってしまった。

Etoile_2016

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/performance/151209_007896.html

指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

「ドン・キホーテ」第3幕より
原振付:マリウス・プティパ
音 楽:レオン・ミンクス
 
キトリ:阿部裕恵
バジル:菊地 研(牧阿佐美バレヱ団)
第1ヴァリエーション:横山柊子
第2ヴァリエーション:中島春菜
友人 赤井綾乃、杉山澄華、関 優奈、羽石彩乃

最初から「ドン・キホーテ」3幕というのはちょっと珍しい構成。阿部裕恵さんには華があり、テクニックも見せ方も素晴らしい。グランフェッテも、ダブルを後半まで織り交ぜながら余裕でフィニッシュ。キトリのキャラクターをしっかり演じていた。ヴァリエーションの二人は下級生(12期)だけど、二人とも綺麗にきめてくれた。ゲストの菊地研さんもさすがプロの余裕があった。

 
「白鳥の湖」より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
原振付:マリウス・プティパ
音 楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

青山季可(牧阿佐美バレヱ団)・中島瑞生

唯一の男性卒業生である中島さんは、長身でプロポーションよく端正な容姿。遠目には少し井澤駿さんを思わせる雰囲気。前半はサポートも頑張って優雅な雰囲気で貴公子らしかったのだが、後半ヴァリエーションで少し崩れてしまった。男性ダンサーは、ソロだけでなくてパートナーリングもしないといけないので大変だと改めて思った。青山さんはヴァリエーションまでは、さすがにプリマの貫録があって素敵だったのだけど、グランフェッテで失速して上手くフィニッシュできず。


第11期生自作自演作品
『Breath』 髙橋依吹

「大地の中から生まれ出てくる生命。息吹」春夏秋冬を経て、また大地へ還る」。髙橋さんの名前にもちなんだ作品だったけど、生命が芽生えて育っていく様子が素直に伸びやかに表現されていて、魅力的な作品だった。バレエ研修所では、夏休みの課題として作品を創作するというのがあるとのことだが、もっと積極的に普段のカリキュラムで創作に取り組めるとさらに良いと感じる。

11期生を中心に、研修所でどのようなことを学んでいるかの映像があったのだけど、映像の画質があまりよくなくて、誰がだれなのかはよくわからなかった。今までの研修所の歩みとして、ワシントンDCのケネディセンターや、クレムリンでの舞台も紹介されていた。以前は「バレエ・アステラス」で海外のバレエ学校を招待しての交流などもあったのだが、そのような趣向がなくなってしまったのは残念。


「Vision of Energy」
振付:キミホ・ハルバート
音楽:ヘンリク・ミコワイ・グレツキ、高木正勝、ロッシーニ、マルティノフ
 
パ・ド・ドゥ1:廣田奈々・中島瑞生 阿部裕恵・渡邊拓朗
パ・ド・ドゥ2:髙橋依吹・池田武志(新国立劇場バレエ団) 
研修生・予科生全員

ほぼ全員が出演し、この大人数の群舞を巧みに動かし、構成もまとまった作品でこの日一番楽しめた。真ん中のパートはロッシーニの「泥棒かささぎ」を使用して、にぎやかで明るい雰囲気。パドドゥ中心に一列の群舞を従えた最初、大人数の群舞で良く動く真ん中パート、そしてパ・ド・ドゥのほかいろんな要素が入る最後と変化に富んでいる。新国立劇場バレエ団からゲストの池田武志さんは、さすがのしなやかで粘りのある踊りで、舞台を支配する表現力がある。阿部さんも、コンテンポラリーでも非常に目を引く。

研修所のカリキュラムを見るとクラシックバレエ中心で、コンテンポラリーは年に何回か特別レッスンがある程度のよう。講師は秋山珠子さん&ディモ・キリーレフ・ミロフ(元スペイン国立ダンスカンパニー)、小尻健太さん、キミホ・ハルバートさん、新国立の宝満直也さんと豪華ではあるものの、コンテンポラリーはやはり、レギュラーのカリキュラムに入れるべきだと思われる。とはいえ、今日の作品は、キミホさんという優秀な振付家を起用しただけのことがあり、皆さん楽しげに自由に踊って良い舞台だった。

 
「眠れる森の美女」プロローグ・第3幕より
原振付:マリウス・プティパ
音 楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
 
オーロラ姫:廣田奈々
デジレ王子:芳賀 望(フリー)
 
リラの精:横山柊子
優しさの精:多田そのか
元気の精:パーキンソン赤城季亜楽
鷹揚の精:中島春菜
呑気の精:羽石彩乃
勇気の精:髙井惠里

宝石のパ・ド・カトル
ダイヤモンド:阿部裕恵、金:関 優奈、銀:杉山澄華、サファイア:丸山さくら
 
青い鳥とフロリナ王女のパ・ド・ドゥ 丸山さくら・山本達史(東京バレエ団)

プロローグの妖精たちのディヴェルティスマンと3幕の一部という変則版。研修生のみなさんは、本当にプロポーションが美しい子たちばかりで、日本人のスタイルって本当に良くなったのだと実感。プロローグに出演していたのは予科生たちなので、まだこれからの生徒たち。ポール・ド・ブラに改善の余地がある子たちが多かった。法制のパ・ド・カトルは12期生たちなので、さすがにそのあたりも美しく整っていて、クオリティは高い。ここでも阿部さんが圧倒的な輝き、ステージプレゼンスがあってプロの舞台でも真ん中を踊っておかしくないレベルだった。

ブルーバードは、10期卒業生で現在東京バレエ団に所属している山本さん。先日のブルメイステル版「白鳥の湖」では道化役に抜擢されて、素晴らしいテクニックを見せてくれた。今回のブルーバードも、後半のブリゼ・ボレが特に見事だった。フロリナの丸山さんも軽やかで端正で良かった。

オーロラの廣田さんも、この役を演じるだけあってテクニックもあるし腕の運び方なども気品があって丁寧で良かった。客席の方に表情を作ったうえで視線を送りすぎていたような気がして初々しさに欠けていたけど、実力は文句なし。王子は元ソリストの芳賀さん。なぜ新国立劇場バレエ団の現役団員ではなく芳賀さんだったんだろうか。つま先が伸びていなくて最後のマネージュが今一つだった以外は、問題はなかったとはいえ。この時期は新国立劇場バレエ団は公演はないわけだし、団員が池田武志さんしか今回出演していないのは、何か理由があってのことだろうか。(「ドン・キホーテ」の菊地さん、「白鳥の湖」の青山さんも牧阿佐美バレヱ団の団員であるし、山本さんは研修所出身とはいえ、東京バレエ団の団員)


「眠れる森の美女」が終わると、卒業生が一人一人、感謝の言葉と抱負を述べた。みんな初々しくて応援したくなる。廣田奈々さんは、何を言うのか考えてきませんでした、と明るく語り、少し言葉に詰まって客席からも「がんばれ!」と励まされたあと、「明日から頑張ります!」と。彼女はなかなか大物というか肝が据わっていて、舞台人向きなのかもしれない。唯一の男性中島さんは、怪我を持っているそうだけど、それにも負けずに頑張りたいとのこと。卒業する皆さんは、全員実力があることをこの舞台で証明できたわけし、これからのバレエ人生が輝かしいものになることを祈りたい。


さて、新国立劇場バレエ団の新加入ダンサーが、例年よりも早く発表されていた。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/160222_008228.html

ソリストとして入団するのは、以前K-Balletにアーティストとして所属していた池田理沙子さんと、フランスのキャピトル・トゥルーズバレエ(カデル・ベラルビ芸術監督)のソリストで主役なども踊っていた渡邊峻郁さん。

そして、新国立劇場バレエ研修所からは、廣川みくりさん、廣田奈々さん、中島瑞生さんの3人。なぜ一番舞台の上での存在感があり、テクニックも突出している阿部裕恵さんが入団しないのかが不思議。もしかしたら、身長が少し足りないのかもしれないが。

実は2014年のエトワール・ガラの東北でのチャリティレッスンの時に、阿部さんの出身校であった橘バレエ学校仙台教室が参加した。その時に講師として来たイザベル・シアラヴォラとシルヴィア・アッツオーニが阿部さんを絶賛し、海外のバレエ団に行くべきだと推したのだった。それだけの才能の持ち主だったわけだ。さて、彼女はどこで踊ることになるのでしょうか、とても気になる。そういえば、ブルーバードの山本達史さんも、東京バレエ団の入団一年目で道化に抜擢されるほどの実力派なのに、なぜ新国立劇場バレエ団に入らなかったのだろうか。これも身長の問題なのだろうか。

新国立劇場バレエ研修所は、優秀な才能を輩出しているのだけど、新国立劇場バレエ団は身長制限というつまらない条件で、みすみす優れたダンサーを取りこぼしている印象が非常に強い。たとえば、第8期生は誰一人新国立劇場バレエ団に入団しなかったのだが、それも身長制限をクリアした人がいなかったからという理由のようだ。研修所の生徒は日本国内ではトップの才能なのに、今の研修所の在り方と新国立劇場バレエ団との方針の齟齬については、疑問は多々感じてしまうし、この現状では、優秀なバレエ学生の多くはやはり海外留学へと流れると思う。世界を見回すと、実は女性ダンサーは特にソリスト級は小柄な方が重宝してもらえたりする現状もあったりするのだ。

2016/02/27

「Maiko ふたたびの白鳥」

ノルウェー国立バレエのプリンシパル、西野麻衣子さんが、子供を出産、「白鳥の湖」を踊って再びプリンシパルとして復帰しようとする姿を映したドキュメンタリー映画「Maikoマイコ ふたたびの白鳥」(オセ・スベンハイム・ドリブネス監督)。

http://www.maiko-movie.com/

一人のバレリーナが妊娠出産を経て舞台に復帰する模様を丁寧に追っていると同時に、バレエ団の裏側、バレエ団ではどのように仕事が動いているかも見せてくれるので、大変面白いドキュメンタリーだった。西野麻衣子さんが、バレリーナである以前に、大変魅力的な人物であることも伝わってきた。

西野麻衣子さんは、子どもの時に決めた「プリマ・バレリーナになる」という夢を、大変な努力を通して貫いた、意思が強くて頑張り屋さん。だけど結構人間的なところがあって不安を感じたり弱音を吐いたりすることもある。それでも、留学費用のために大変な犠牲を払った両親、キャリアウーマンとして子供3人を育て上げた難波のおかんの背中を見て育ち彼女のようになりたいと見習い、叱咤激励されて頑張る。強いけど人情派のお母さんの娘だな、と感じた。Skypeで大阪弁でやり取りする様子は、どこにでもいる普通の親子のようでもある。出産を一緒に頑張ろうと育児休暇を取った夫君のニコライさん。愛情あふれる家族に恵まれたというのは大きい。同僚の皆さんもライバルだったりするけど、復帰そして成功を称え合ったり、みんな暖かく優しい。その周りに西野さんが感謝している様子も伺えて、グランフェッテが本番で成功した時には思わず胸が熱くなった。

Maiko_nishino_1_2

新しい芸術監督イングリッド・ロレンツェンが就任するにあたり、「皆さん全員を喜ばせることはできません、泣いてもらう方もいると思います」、と最初にガツンと言ったのは結構強烈だった。芸術監督に気に入られるかどうかが露骨にキャスティングに現れているのは、実際見てきただけに、正直なのかもしれないのだが。しかし女性である芸術監督は、西野さんに対しては厳しいことも言うけれども、暖かい目で見守っていた。妊娠したからといって降板させたりはせず、キャスト発表されているから、イースターまでは予定通りに出演してもらうわね、と。

来季に向けての面談でいろんな振付家の名前が出てくるのも、馴染みのないバレエ団なだけに面白かった。(シュツットガルト・バレエのプリンシパルだったダグラス・リーの作品やってるんだ、とか、NDT芸術監督ポール・ライトフットとソル・レオンの作品とか。劇中出てきた「火の鳥」、エンドクレジットを見たらリアム・スカーレットの振付だった。このバレエ団はレパートリーが大変興味深いもので、古典からドラマティックバレエ、そして現代作品まで幅広く、振付家も注目される人たちの作品を起用。西野さんの次の舞台は、「アンナ・カレーニナ」。これを振付けたのが、現チューリッヒ・バレエの芸術監督クリスチャン・シュプック。これはぜひ観てみたい作品だ。

Maiko_nishino_2_2

西野さんが復帰に当たって芸術監督と行う面談の様子も大変興味深かった。「復帰がうまくいくかどうかわからないから代役立てるわよ、才能のある若い子達にも機会を与えないとね」と芸術監督に言われてしまう。バレエって残酷な芸術で、西野さんが産休を取っている間は他のダンサーにとってはチャンスだとも言われる。妊娠のために踊ることが叶わなかった「火の鳥」には、代役にヒューストン・バレエからゲストが呼ばれ、その舞台を西野さんは客席から観ることになる。復帰の演目に選んだ「白鳥の湖」、ゲネプロで全然グランフェッテが決まらないところは、彼女にとっては針の筵の心境だったと思われる。しっかり本番では決めた西野さんも凄いけど、上手くいかなくても「本番はうまくいくわ」と任せた芸術監督も素晴らしい。

西野さんは、中学の時から講習会でスイスに行き、海外でバレエダンサーになることを早くから決意していた。福祉が発達した北欧で、41歳の定年までの雇用が保証されているノルウェー国立バレエ。バレエ団の知名度よりも、生活環境や待遇がよくてしっかりバレエに取り組めるバレエ団を選んだとのことだが、非常に賢明な選択だと感じられた。ヨーロッパのバレエ団のプリマとして活躍できる長身と長い手足、ロイヤル・バレエスクールで学んだドラマティック・バレエの基礎があったことも幸いしたことだろう。

この映画の中でも、バレエ団は西野さんの出産に対して理解があり、身体面でも様々なサポートがあると感じられたが、今では、海外の多くのバレエ団で出産後もプロのバレリーナを続けるのが当たり前になっている。たとえばナショナル・バレエ・オブ・カナダでは、一番若手のプリンシパルを除いて、女性プリンシパルは全員子どもがいる。クラスレッスンに行けば、ここは保育園かと思うくらい多くの子どもたちがスタジオでママのレッスンを見ている。パリ・オペラ座やマリインスキー・バレエも、ママさんバレリーナが多い。それを考えると、まだまだ日本のバレエ界は、出産しても続けているダンサーは少ないと感じる。これが変わっていけばいいのに、と切に思う。それもあって、優秀な日本人バレリーナは海外に流出するのだから。もちろん、日本の社会全体も、もっと女性が働きながら子供を産み育てやすい社会になってほしい。

西野麻衣子さんの白鳥の湖

西野さんが「マノン」をリハーサルする映像

2016/02/26

12/14 パリ・オペラ座バレエ「ラ・バヤデール」

オペラ座での「ラ・バヤデール」2回目。マチアス・エイマンが怪我のために降板し、急遽、本来はソロル役は代役でキャスティングされていなかったユーゴ・マルシャンが踊ることになった。

「ラ・バヤデール」La Bayadere
https://www.operadeparis.fr/saison-15-16/ballet/la-bayadere

Nikiya Dorothée Gilbert ニキヤ:ドロテ・ジルベール
Solor Hugo Marchand ソロル:ユーゴ・マルシャン
Gamzatti Marion Barbeau ガムザッティ:マリオン・バルボー
The Golden Idol Fabien Revillion ブロンズ・アイドル ファビアン・レヴィヨン
The Slave Yann Saïz 奴隷: ヤン・サイズ
Manou Lucie Clement マヌー: ルーシー・クレメント
the Fakir Hugo Vigliotti 苦行僧 : ユーゴ・ヴグリオッティ
the Rajah Pascal Aubin ラジャ : パスカル・オーバン 
The Great Brahmin Guillaume Charlot 大僧正 : ギョーム・シャルロ
The Soloist Indian Roxane Stojanov インドの踊り : ロクサーヌ・ストジャノフ
The Indian Soloist Yann Chailloux インドの踊り : ヤン・シャイヨー
1st Variation Hannah O'Neill 第一ヴァリエーション : オニール八菜
2nd Variation Aubane Philbert 第二ヴァリエーション : オーバーヌ・フィベール
3rd Variation Valentine Colasante 第三ヴァリエーション : ヴァランティーヌ・コラサント
Pas D'Action パ・ダクシオン
Charline Gizendanner, Eleonore Guérineau, Silvia Saint-Martin, Juliane Mathis, Mickaël Lafon, Jeremy-Loup Quer,
Fanny Gorse, Ida Viikinkoski, Marie-Solene Boulet, Sophie Mayoux, Caroline Osmont

この日、急遽ソロル役に抜擢されたユーゴ・マルシャン。聞くところによると、本当に急に決まったとのことでリハーサル期間も数日しかなかったようだが、落ち着いており、非常に良いデビューを飾ることができたと感じた。マルシャンはどちらかといえば貴公子タイプで、ソロルの戦士的な要素はあまりないのだが、端正で正確なクラシックのテクニックを持っている。

なんといってもマルシャンは、脚やつま先が圧倒的に美しく、脚の運び方も正確でエレガント。跳躍も軽やかで高く、胸のすくようなパフォーマンスを見せてくれたし、影の王国コーダのドゥーブル・アッサンブレも決まった。これだけ美しい男性ダンサーはそうそういない。合わせる時間が十分なかったためか、パートナーリングのところで少しだけ、スムーズにはいかないところもあったが、それはその後の公演では改善されたとのこと。一瞬の欲とガムザッティの美しさに目が眩んでニキヤを裏切ってしまった男の後悔ぶりもたっぷりと見せてくれた。見栄えする容姿の持ち主でもあり、近いうちにエトワールに昇格するのは間違いないことだろう。

ドロテ・ジルベールは、今まではガムザッティを踊っており、今シーズンが初めてのニキヤ役への挑戦。ニキヤの心のうちに秘めた情熱、強さを体現しつつもたおやかさも表現できており、技術だけでなく、抒情性も身につけていた。ニキヤの苦しみ、悲しみ、強い想いがしっかりと踊りの中からにじみ出ていて、花籠の踊りには恋人に裏切られた女性の心の襞を細やかにのぞかせて圧倒的に魅せてくれた。影の王国の難しいヴェールの踊りでも回転は完璧に踊り切った。初役のマルシャンを的確にリードしていたのも素晴らしい。

ただ、気になるのは、彼女が非常に痩せていたこと。腕が細くなりすぎて肘などが目立ち、2幕ではセパレーツの衣装でお腹を出しているのだけどあまりの細さに思わず心配してしまうほどった。基本的に彼女はテクニックが強く、この日もミスはほとんどなくて素晴らしかったのだけど、筋力が少し弱くなってしまったのか、跳躍があまり大きく跳べなくなってしまっていた。オペラ座を代表するエトワールとなり、魅力的なダンサーなだけに、彼女の健康面が気になってしまう。

ガムザッティ役は、12日のヴィキンコスキに引き続き、11月の昇進試験でスジェに昇格することが決まっているマリオン・バルボー。美貌のダンサーで、フランス的なきれいなアカデミックな踊りをするけれども、非常に技術が強いわけではない。ただ、演技力は優れていてガムザッティの傲慢さ、強さは良く表現されており、ニキヤと対峙するシーンも迫力があった。でもやはりガムザッティ役って、コリフェではなくてエトワールのダンサーに踊ってほしいものだと思う。

ブロンズ・アイドルにはファビアン・レヴィヨン。前回のエマニュエル・ティボーと違って、あまり全身を金色に塗っていない。若い分、跳躍などはもっと大きいし彼もきれいなダンサーなのだけど、仏像らしさでいえばベテランのティボーに軍配が上がる。

マヌーの踊りには子役が2名出演する。オペラ座学校の子役たちの名前はキャスト表には載らないのだが、2名のうち一人は日仏ハーフの女の子だったようだ。

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第一ヴァリエーションにオニール八菜さん。プロポーションが美しく技術的にも確実な彼女の踊りは見ごたえもあるし目を引きつけるスター性、風格もある。ただ、オペラ座のファンや批評家に言わせると、トレーニングの違いにより、彼女はエポールマンがややフラットなので、踊りからにじみ出てくる情感というか表現が足りないのだそうだ。私はそれほどフランス流に詳しくないので、あまりそのようには感じなかったのだが。オニールさんは、もちろんエトワールが十分狙える位置にあり、テクニックもあれば華やかさもあるので、後はうるさ型のファンや評論家を納得させるような表現力やフランスバレエらしさをどうやって身につけていくかが課題となっていくのだろう。マリインスキー国際フェスティバルにもガムザッティ役でゲスト出演する彼女の、今後一層の飛躍が楽しみだ。

影の王国はこの日もきれいに揃っていた。前回(12日)にニキヤ役を踊っていたエロイーズ・ブルドン、ガムザッティ役のイダ・ヴィキンコスキも影の王国の群舞の中にいた。主役を踊りながら別の日に群舞を踊るのはなかなかキツイだろうなと感じた。この数日後には、マリインスキー・バレエからクリスティーナ・シャプラン、キミン・キムを迎えた「ラ・バヤデール」で、ブルドンはガムザッティ役を演じることになっていた。彼女には本当に頑張ってほしいものだと思った。

ユーゴ・マルシャンの鮮やかなソロル・デビューを観ることができた幸運もあり、充実した公演だった。エトワール・ガラ2016で彼の踊りを観るのが楽しみ。

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2016/02/23

ロイヤル・バレエのプリンシパル・キャラクター・アーティスト、ジェネシア・ロサートが引退

ロイヤル・バレエのプリンシパル・キャラクター・アーティスト、ジェネシア・ロサートが引退することが、ロイヤル・オペラハウスの公式サイトで発表されました。ロイヤル・バレエでは40年間も舞台に立ち続け、ロイヤルの舞台には欠かせない一人でした。

Genesia Rosato retires from The Royal Ballet
http://www.roh.org.uk/news/genesia-rosato-retires-from-the-royal-ballet

ジェネシアは以下の通りコメントしました。「私のキャリアのすべてをこの素晴らしいカンパニーで過ごした後、踊ることから引退する時が来ました。ダンサーとしての人生を愛してきました。そしてロイヤル・バレエを作り上げる多くの素晴らしく献身的な人々と仕事をすることがなくなるのを寂しく思うことでしょう」


ジェネシア・ロサートは、1976年に、ケネス・マクミランに招かれてロイヤル・バレエに入団し、1982年にソリストに昇進、93年にはプリンシパル・キャラクター・アーティストとなります。入団してすぐ彼女は、ロイヤルのレパートリーに入ったグレン・テトリーの「ヴォランタリーズ」の役を与えられ、マクミランの「マイヤリング」のルイーズ姫の役を初演しました。「マイヤリング」では、ラリーシュ夫人、ミッツィ・キャスパー、エリザベート妃とヘレン・ヴェッツラ役も演じてきました。

フレデリック・アシュトンは、「ラプソディ」と「Varii Capricci」の初演キャストに彼女を選び、また「シンデレラ」の夏、「ダフニスとクロエ」のリュカニオン、「誕生日の贈り物」の第5ヴァリエーションにも彼女を抜擢しました。また「田園の出来事」では、まだアシュトンが作品を創作している時にカーチャ役を踊り、のちには初演のリン・シーモアに指導されてナタリア・ペトロヴナ役を踊りました。さらに、「眠れる森の美女」での役を踊るにあたっては、ロイヤル・バレエを創始したニネット・ド・ヴァロワの指導を受けました。

ジェネシアは多くの役柄を踊りましたが、「ジゼル」ではミルタ、バチルド、ベルタを、「眠れる森の美女」ではリラの精、女王、伯爵夫人とカラボスを、「アポロ」ではテレプシコーラを、「放蕩息子」ではシレーヌを、マクミランの「招待」では妻役を、「ロミオとジュリエット」ではキャピュレット夫人、乳母を、そしてマクミランの「アナスタシア」では主役を踊りました。

40年にもわたる彼女の長いキャリアは、マクミラン時代から始まり、ノーマン・モリス、アンソニー・ダウエル、ロス・ストレットン、モニカ・メイソン、そしてケヴィン・オヘアと5人もの芸術監督と共にありました。ロイヤル・バレエでは長きに渡って踊られてきた作品が多かったため、ジェネシアは、同じバレエの中でも複数の世代にわたる。多様な役柄を演じる機会を与えられ、貴重な経験を得ることができたのです。

さて、気になるのは、今年6月の来日公演にジェネシア・ロサートは出演してくれるかどうかということです。舞台上での存在感と様々な人物を陰影を持って演じ分ける演技力に定評がある彼女は、舞台のクオリティを押し上げてくれる素晴らしいパフォーマーで、カンパニーに欠かせない存在でした。彼女の穴を埋められる人は思いつかないからです。最後にもう一度観られると良いのですが、どうでしょう。すらりとして若々しい彼女が、40年もロイヤル・バレエにいたとは信じられない思いです。その素晴らしい経験と演技術を、後進に伝えて行ってほしいと思います。

ロイヤル・バレエの来日公演 WEBチケット先行予約は、ただいまNBSより発売中です。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/2016-6.html
特にスティーヴン・マックレー出演の日はチケットがよく売れています。

DVD化された「オンディーヌ」(吉田都主演)では、パレモンの婚約者を演じています。

アリーナ・コジョカル主演のこの「ジゼル」DVDでは、ジェネシア・ロサートはバチルドを演じています。

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2016/02/22

マリインスキー・バレエ、シャキロワ、チェルブィキナ、ラティポフがセカンドソリストに昇進/「ビッグ・バレエ」中間報告

マリインスキー・バレエのレナータ・シャキロワ、エカテリーナ・チェブィキナ、エルンスト・ラティポフがセカンド・ソリストに昇進したことが発表されています。

http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/soloists/

エカテリーナ・チェブィキナは、キエフ・バレエに所属していて、来日公演でも活躍していましたが、2013年にマリインスキー・バレエに移籍。キエフ・バレエ学校時代の2011年にローザンヌ国際コンクールにも出場しています。2013年にモスクワ国際バレエコンクールに出場して受賞。プロポーションもきれいで大変な美貌の持ち主ですが、マリインスキー・バレエのファンからは、やや厳しい評価もあるようです。

レナータ・シャキロワは、2015年にワガノワ・アカデミーを卒業してまだ入団一年目。学生時代から、マリインスキー・バレエの公演(「アポロ」)に出演していました。現在、テレビ番組「ビッグ・バレエ」に、キミン・キムと組んで出場中です。まだ入団一年目の彼女をこの番組に出場させ、しかもプリンシパルのキムと組ませているということは、どれだけマリインスキーが彼女に期待しているかがわかりますね。

エルンスト・ラティポフは、2012年にワガノワ・アカデミーを卒業して入団。やはり「ビッグ・バレエ」に、ナデージダ・バトーエワと組んで出演しています。来日公演でも、「ジュエルズ」でエメラルドを踊っていました。私は去年マリインスキー劇場で「薔薇の精」を踊る彼も観ているのですが、うーん微妙でした。ワガノワ出身なのにポール・ド・ブラが今一つなのですよね。


そんなわけで、「ビッグ・バレエ」で活躍中の二人の昇進が行われました。おめでとうございます。


さて、この「ビッグ・バレエ」は、6週目まで放映がありました。あと一回でおしまいです。
http://tvkultura.ru/brand/show/brand_id/59616/

現在のところ1位は、ペルミ・バレエの Inna Bilash と Nikita Chetverikov、そしてマリインスキー・バレエのレナータ・シャキロワとキミン・キム組の2組です。

われらが寺田翠・大川航矢組(カザン劇場)は6位ではありますが、YouTubeに投稿されている動画へのコメントを見ると、非常に好評であり、実際、彼らの踊りは本当にクラシックバレエの神髄というべき、素晴らしいものです。特に第4週の「パリの炎」は凄い。
上記公式サイトでも動画は観られますが、こちらのチャンネルで観るのも便利です。

この番組、ルジマトフ、ルフェーブル、オブラスツォーワ、オシポワなど豪華な審査員が講評をして審査をするのもポイントですが、ロシア語が分からないと、何を言っているのかよくわからないところがあります。しかしながら、こちらの番組の解説と審査員の講評の翻訳を英語ですが、全放映分載せてくれているブログがありました。大変参考になります。

http://itinerantballetomane.blogspot.jp/

バンジャマン・ペッシュのアデュー公演と「エトワール・ガラ2016」

パリ・オペラ座バレエのエトワール、バンジャマン・ペッシュが定年を迎えるため、2月20日にさよなら公演が行われました。

https://www.operadeparis.fr/magazine/derniers-pas-de-deux

ジェローム・ベルの「Tombe」、ジェローム・ロビンスの「ゴールドバーグ・ヴァリエーション」、そして特別プログラムとして、この日だけ、ロビンスの「イン・ザ・ナイト」とプレルジョカージュの「ル・パルク」のパ・ド・ドゥが上演されました。

ベルの「Tombe」は、オペラ座の3人のダンサーに、自分たちと舞台に立ちそうにない人物を出演させるようにと指定しており、ペッシュのパートでは、彼の長年のファンで毎晩出待ちをしていたシルヴィアンという84歳の女性が登場して舞台に上がり、ペッシュが彼女の手を取ってゆっくりと共に歩き、最後に二人は一緒に席に戻るという感動的なシーンが出てきます。しかし、公演期間中にシルヴィアンは体調を崩し、二人の舞台での様子は映像で映し出されました。

バンジャマン・ペッシュは1986年、12歳の時にパリ・オペラ座学校に入学します。以降30年間、彼はオペラ座と共にありました。92年の入団後も決して順風満帆ではなく、入団後すぐの昇進試験では昇進できませんでした。99年、25歳の時にプルミエ・ダンスールに昇進しますが、なかなかエトワールに昇進できませんでした。ヌレエフ、キリアン、プレルジョカージュ、そしてプティの作品などで定評を得ますが、移籍することも考え、また自身のグループ公演をオペラ座の外で行いました。そして2005年、ようやく上海公演で、ジョゼ・マルティネスが怪我をしたため「アルルの女」のフレデリ、さらに夜公演ではマニュエル・ルグリが怪我をしたために「ジゼル」のアルブレヒトを踊るという、一日で2公演の主役を踊り遂げ、エトワールに任命されます。

エトワールに任命されたのち、ペッシュは定評のあるローラン・プティ作品を始め、古典から現代作品、ドラマティックバレエまで幅広く活躍しますが、2年前に腰を痛めてしまい、思うように踊れなくなってしまいました。そのため、彼は持ち前の演技力を生かし、踊るところの少ないキャラクター的な役柄を演じながら、バンジャマン・ミルピエの右腕として働きました。特に「ラ・バヤデール」ではプロダクション責任者として指導を行うほか、公演に関わるすべてを担当しました。また、日本の観客にとってはペッシュは、2005年に始まった「エトワール・ガラ」の芸術監督として、特に親しみがある存在となっています。

この日特別に上演された「イン・ザ・ナイト」は、若い時に初めて踊ったロビンズの作品だとのこと。ペッシュの相手役はドロテ・ジルベールでした。2番目のパ・ド・ドゥは、ローラ・エケとマチュー・ガニオが、そして3番目はエレオノラ・アバニャートとエルヴェ・モローが踊るという豪華な配役。怪我をする前のペッシュは、ノーブルな役柄も得意としていました。ドロテ・ジルベールとは、初恋の思い出を踊り、デリケートで気品があり、音楽性にあふれた美しいパフォーマンスとなったようです。

そしてもう一つの特別な作品は、腰を痛める前に踊った最後の作品「ル・パルク」でした。「椿姫」でペアを組むなど、ペッシュが最も信頼するパートナーであったエレオノラ・アバニャートと、「解放」のパ・ド・ドゥを踊りました。

アデューのセレモニーでは、ミルピエとステファン・リスナーが彼を称えるスピーチを行い、そしてペッシュも彼のキャリアを振り返るスピーチを、様々なエピソードを披露しながら行ったそうです。学校時代の思い出、特に思い入れのあったローラン・プティとの関係、エリザベット・モーラン、レティシア・プジョル、クレールマリ・オスタ、そして「ほとんどすべての役で共演した」エレオノラ・アバニャートという4人の大事なパートナーについても語りました。また、キャリア終盤での、ミルピエのアシスタントとしての活動についても。


AGDE - BENJAMIN PECH - Un dernier pas de deux... 投稿者 Herault-Tribune

アデューの様子を撮影した映像。様々な過去、現在のエトワールも登場して、胸が熱くなりますよね。


上記の、オペラ座公式サイトにおけるインタビューでは、引退後は何を行うかについてペッシュは具体的には語っていません。ミルピエがオペラ座の芸術監督として働く今シーズン末までは、芸術監督補佐として引き続きミルピエの右腕として働きます。来シーズン、芸術監督にオーレリー・デュポンが就任した後どうなるかはわかりません。が、このインタビューでも、ミルピエのアシスタントとして働いた経験を活かし、将来は芸術監督としての仕事をしたいと語っています。「エトワール・ガラ」も11年、第5回と長く続く成功を収めており、こちらの経験もきっと生きることでしょう。

オペラ座ダンサー・インタビュー:バンジャマン・ペッシュ (チャコット ダンスキューブより)
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1601b.html


オペラ座を引退したバンジャマン・ペッシュの踊りを観る最後のチャンスになるかもしれない、エトワール・ガラ2016は、2月25日からチケットがMy Bunkamuraで発売されます。ますますパワーアップしたメンバーをそろえ、これは決して見逃してはならない公演となりました。ペッシュが定評のあるローラン・プティの『ランデヴー』を踊る姿もBプロで観ることができます。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala.html

公演日程
2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演

出演
エレオノラ・アバニャート(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
アマンディーヌ・アルビッソン(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
ドロテ・ジルベール (パリ・オペラ座バレエ エトワール)
ローラ・エケ(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
バンジャマン・ペッシュ(パリ・オペラ座バレエ エトワール) 
マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
エルヴェ・モロー(パリ・オペラ座バレエ エトワール) 
オードリック・ベザール(パリ・オペラ座バレエ プルミエ・ダンスール)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ プルミエ・ダンスール) 
シルヴィア・アッツォーニ(ハンブルグ・バレエ プリンシパル) 
アレクサンドル・リアブコ(ハンブルグ・バレエ プリンシパル)

久山亮子(パリ・オペラ座バレエ 専属ピアニスト)

会場
Bunkamuraオーチャードホール

MY Bunkamura先行販売
2016/02/25(木)

3/6(日)10:00~ 一斉発売

2016/02/21

12/12 パリ・オペラ座バレエ「ラ・バヤデール」

すっかりご報告が遅くなってしまいましたが、昨年12月11日より16日まで、パリに行ってきました。

11月13日にパリで起きたテロの余波もまだあり、パリ行きの飛行機はガラガラ。日本人観光客もほとんど見かけませんでした。ただし、思ったほど街の中は厳戒態勢ではなかったです。迷彩服を着た兵士をガルニエの前でたくさん見かけたり、デパートなどに入るのにも手荷物検査やコートを脱ぐように指示されたりはしていましたが。クリスマス前ということで、デパートなどはたいへん賑わっていましたが、美術館などは比較的空いていました。

ガルニエもバスティーユも、劇場の入り口で荷物検査がありました。バスティーユでは、入り口前に仮設のテントが設けられて、金属探知機をかけられ、荷物検査をされます。そのため入場するのに時間がいつもよりかかり、開演前30分前には行く必要がありました。開演後15分後には劇場には入れないことになっています。


「ラ・バヤデール」La Bayadere
https://www.operadeparis.fr/saison-15-16/ballet/la-bayadere

Nikiya Heloise Bourdon ニキヤ: エロイーズ・ブルドン
Solor Isaac Hernandez ソロル: イザック・エルナンデス (ENBより客演)
Gamzatti Ida Viikinkoski  ガムザッティ : イダ・ヴィキンコスキ
The Golden Idol Emmanuel Thibault  ブロンズ・アイドル: エマニュエル・ティボー
The Slave Mickaël Lafon  奴隷: ミカエル・ラフォン
Manou Lucie Clement  マヌー: ルシー・クレメント
the Fakir Pablo Legasa  苦行僧 : パブロ・レガサ
the Rajah Guillaume Charlot  ラジャ : ギョーム・シャルロ
The Great Brahmin Yann Saïz  大僧正 : ヤン・サイズ
The Soloist Indian Sabrina Mallem インドの踊り: サブリナ・マレム
The Indian Soloist Yann Chailloux  インドの踊り:ヤン・シャイヨー(と、苦行僧パブロ・レガサ)
1st Variation Aubane Philbert  影の王国 第一ヴァリエーション オーバーヌ・フィルベール
2nd Variation Eleonore Guérineau 第二ヴァリエーション エレオノール・ゲリノー
3rd Variation Fanny Gorse 第三ヴァリエーション ファニー・ゴルス
Pas D'Action パ・ダクシオン
Eleonore Guérineau, Silvia Saint-Martin, Juliane Mathis, Aubane Philbert, Fabien Revillion, Jeremy-Loup Quer,
Marie-Solene Boulet, Hannah O'Neil, Marion Barbeau, Laure-Adelaide Boucaud

Music Ludwig Minkus
book Marius Petipa, Serguei Khoudekov
Choreography Rudolf Nureyev
musical direction Fayçal Karoui
Music performed by John Lanchbery

ルドルフ・ヌレエフ最後の作品で、これぞパリ・オペラ座というべきグランド・バレエ。ヌレエフ版は衣装が目もくらむばかりの豪華さで、ダンサーたちの美しさもあり大変な目の保養となる。ニキヤとガムザッティが取っ組み合いのキャットファイトを繰り広げたり、ドラマ性も十分。また、影の王国は4段もスロープがあって衣装、照明とも深みがあって何とも言えない幽玄な美がある。たっぷりとした見ごたえがある大作で、バスティーユの広い舞台でこれが観られたのは幸せな体験であった。

当初ヤニック・ビットンクールがソロルを演じる予定が、怪我で降板したため、代役にはENBからイザック・エルナンデスが急きょ出演。(この回は彼にとっては2回目)先シーズンまでオランダ国立バレエで活躍していた彼は、戦士らしい勇壮なソロルを演じてくれた。2幕ヴァリエーションの空中姿勢の美しさは特筆もの。ニキヤ役のエロイーズ・ブルドンが、細身ながらも長身なのだが、エルナンデスはサポートも非常にうまくてスムーズだった。何より、影の王国でのコーダのドゥーブル・アッサンブレが、跳躍は高く鋭くて見事だった。

ニキヤ役には、エロイーズ・ブルドン。スジェでありながら、前回の「ラ・バヤデール」でもニキヤ役を踊り、「白鳥の湖」のオデット/オディール、「くるみ割り人形」のクララなどで主演しているエロイーズ・ブルドン。昨年京都バレエの「ロミオとジュリエット」で、美しく繊細なジュリエットを踊ったのも記憶に新しい。主演経験も豊富なのに、なかなかプルミエにも上がれないのが不思議がられている。

ブルドンは、腕が非常に長くてポール・ド・ブラが雄弁かつ情感豊かでデリケートだった。キャラクター付けははっきりしており、神に身を捧げた踊り子でありながら、ソロルとの恋に身を焦がす激情的な部分もあり、若い娘らしくはっきりと感情をを見せていた。ガムザッティに詰め寄られていても毅然とした強さがあった。花籠のソロは悲痛で苦しみの叫びが聞こえてきそうな一方で、花籠をソロルの贈り物として受け取った時の輝く表情も印象的だった。影の王国では、難しいヴェールのヴァリエーションも難なく踊り切り、伸びやかで抒情的な踊りを見せてくれた。脚もとても美しい。技術的にも、表現力にも大変優れているうえ容姿も美しく、堂々の主役ぶりで、本当になぜ彼女が未だスジェなのか理解できなかった。エトワールの品格を備えていると言って良い。ブルドンは、マリインスキー国際フェスティバルでは、「白鳥の湖」で主演する予定。

一方ガムザッティ役には、コリフェ(11月の昇進試験により、1月1日にスジェに昇格)のイダ・ヴィキンコスキ。パリ・オペラ座学校出身(16歳で転入)だけどフィンランド人で、2013年入団の非常に若いダンサー。ミルピエお気に入りの一人とされている。ところが、このヴィキンコスキのガムザッティは、お世辞にも褒められたものではなかった。なんといっても踊りが雑で、姫君ならではの気品もほとんど感じられない。高慢で怖いお姫様なのは伝わってきたけれども、ソロルに恋する気持ちも感じられなかった。特に見せ場の婚約式でのイタリアン・フェッテの乱暴さは目を覆うばかりであった。ヌレエフ版の「ラ・バヤデール」といえば、エリザベット・プラテルが演じた役。エトワールが踊るにふさわしい役であるし、エトワールではなかったとしても、もう少しオペラ座らしく、そして経験を積んだダンサーに躍らせるべきなのではなかっただろうか。ミルピエが推進した、ヒエラルキーを無視した配役というのは、このような弊害を生んできたのだ。

ミルピエは、大きな批判を浴びたインタビューの中で、「ラ・バヤデール」のクオリティが低く、コール・ド・バレエは壁紙のようであったと評していた。ところが、今回、「影の王国」のコール・ド・バレエは非常に良く揃っていて美しく、4段スロープを降りてくるところも見事だった。これがなぜ批判されるのか、正直言って理解に苦しんだ。影の王国のコール・ドは、それこそ個性を主張するような場面ではないわけであるし。この公演では、影の王国のコール・ド・バレエにオニール八菜さんもいるという豪華なものであった。(スジェまでは、コール・ド・バレエを踊ることになっている。1月1日でオニールさんはプルミエに昇進したので、おそらくこの「ラ・バヤデール」が最後のコール・ド・バレエでの出番だったことだろう)

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もう一つ、ミルピエが手を入れたとされている場面は、2幕のブロンズ・アイドルの場面に出てくる子役たちの顔を黒く塗ることをやめたことだ。これは確かに今の時代においては人種差別と受け止められるので、改善といってもいいとは思うのだが。

ブロンズ・アイドルは大ベテランとなったエマニュエル・ティボー。ちょっと体力的に厳しいかも、と感じられたところもあったものの、仏像らしさは良く出ていた。ティボーは、金粉ショーのように本当にキンキラに全身を塗っていた。素晴らしかったのは、苦行僧のパブロ・レガサとインドの踊りのサブリナ・マレム。マレムは表現力が豊かで大きい。彼女は、影の王国のコール・ドの先頭も踊るなど大活躍をしていた。

また、大僧正には、12月31日の「ラ・バヤデール」公演がアデューとなってしまったヤン・サイズ。これほど美貌の大僧正はいないのでは、と思うほどの美しさで、情熱的に迫る姿にはぐっと来た。

影の王国のコール・ドが揃っていてレベルが高かった一方で、1幕、そして2幕のコール・ドやパ・ダクシオンはちょっとレベルが今ひとつだったかもしれない。パ・ダクシオンにもオニールさんが入っていたのだが、やはり彼女はずば抜けて華があり、伸びやかで美しかった。影の王国のヴァリエーションは、第二ヴァリエーションのエレオノール・ゲリノーが頭一つ抜けていかにもフランス的なバレエを見せてくれた。

主役二人の素晴らしいパフォーマンスを始め、影の王国の美しさもあり、全体的に満足度は高かった。12月も終わりに近づくと、ダンサーたちも連日の公演疲れが出て、少しクオリティも下がってしまったのかもしれないが、ガムザッティのヴィキンコスキが良くなかった以外は、批判されるような出来では決してない。

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2016/02/20

ジョフリー・バレエの2016-17シーズン

シカゴのジョフリー・バレエの2016-17シーズンが発表されています。規模があまり大きくないカンパニーなのですが、非常に魅力的なラインアップなのでご紹介します。

http://www.joffrey.org/1617season

http://live-sun-times-entertainment.gotpantheon.com/entertainment/post/joffrey-announces-2016-2017-season/

「ロミオとジュリエット」(クリストフ・パストール振付)10月13日~23日
20世紀のイタリアを舞台にして「赤い旅団事件」を扱うなど政治的な要素もある作品です。本来は、スコティッシュ・バレエが来日公演に持ってくる予定の演目でしたが、残念ながら来日公演が中止となってしまいました。

「インフラ」(ウェイン・マクレガー振付)、「Fool's Paradise」(クリストファー・ウィールドン振付)、「Year of the Rabbit」(ジャスティン・ペック振付) 2月15日~26日
現在最も人気のある振付家3人の作品から構成されたトリプルビル

アレクサンドル・エクマンの世界初演新作、「中国の不思議な役人」(ユーリ・ポソホフ振付、クリーヴランド管弦楽団との共同制作)、「Mammatus」(アナベル・ロペス・オチョア振付) 4月26日~5月7日
こちらも、注目の振付家3人の作品によるトリプルビルです。

そして最大の話題作はこちら

「くるみ割り人形」(クリストファー・ウィールドン振付)世界初演 12月10日~30日
世界で最も忙しい振付家の一人、クリストファー・ウィールドンが、ジョフリー・バレエのために新しい「くるみ割り人形」を振付けます。1893年のシカゴ万国博覧会が舞台となっている作品とのこと。しかも演奏は、かのシカゴ交響楽団という豪華版です。

ガラ公演 4月21日


北米のカンパニーの多分に漏れず、演目数は少ないのですが、ウィールドンの新作「くるみ割り人形」、エクマンの新作など気鋭の振付家の作品をそろえ、どのプログラムも大変魅力的です。


なお、シカゴといえば、来日公演も来月に迫っているハンブルグ・バレエが2月23日からシカゴ公演を行います。演目は「オテロ」と「マーラー交響曲三番」。日程からして、そのままシカゴから日本に飛んでくるものと思われます。

2016/02/19

ボストン・バレエの2016-7シーズン

ボストン・バレエの2016-7シーズンも発表されています。

http://www.bostonballet.org/16-17season/

https://www.bostonglobe.com/arts/theater-art/2016/02/17/corsaire-and-more-boston-ballet-season/wkenwdqo73rXKZs2zIFGsI/story.html


カンパニー初演の「海賊」 (イヴァン・リスカ振付)でシーズンが明けます。(10月27日~11月7日)

「くるみ割り人形」 11月25日~12月31日 (ミコ・ニッシネン振付)

「アーティファクト組曲」 2月23日~3月5日 (ウィリアム・フォーサイス振付、北米初演)

「Wings of Wax (イリ・キリアン振付)」、「ドニセッティ・ヴァリエーション(ジョージ・バランシン振付)」、「カクティ(アレクサンドル・エクマン振付)」 3月23日~4月2日

「眠れる森の美女」(フレデリック・アシュトン振付) 4月28日~5月25日

「ザ・コンサート」(ジェローム・ロビンス振付)、「ストラヴィンスキー・ヴァイオリン・コンチェルト」(ジョージ・バランシン振付、カンパニー初演)、「新作(ヨルマ・エロ振付)」 5月5日~27日


ナショナル・バレエ・オブ・カナダ同様、上演作品数は少ないのですが、上演回数はやはり新国立劇場などと比較すると多いし、ミックスプログラム、カンパニー初演作品もあります。

北米のカンパニーは、12月に30回以上「くるみ割り人形」を上演して利益を上げて、その利益を使ってミックスプロや新作など意欲的な作品を上演するというビジネスモデルになっているところが多いようです。フォーサイスの「アーティファクト組曲」北米初演は快挙といえるでしょう。


なお、ボストン・バレエでは、2月25日より「オネーギン」を上演します。
http://www.bostonballet.org/onegin/

倉永美沙さんが、2/27 、3/3 、3/5 (夜)の3公演でタチヤーナ役を踊る予定とのことです。

2016/02/18

ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の2016-17シーズン、バウシュ「春の祭典」がレパートリーに

タマラ・ロホ率いるENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の2016-17シーズンが発表されました。

http://blog.ballet.org.uk/201617-season-autumn-spring-announcement/

ビッグニュースは、レパートリーにピナ・バウシュの「春の祭典」が入り、2017年3月に上演されること。バウシュのヴッパタール舞踊団、そしてパリ・オペラ座バレエ以外では初めての上演となります。

バウシュの「春の祭典」は、 ウィリアム・フォーサイスの「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」と、ハンス・ファン・マーネンの「アダージオ・ハンマークラヴィア」とのトリプルビルとして、サドラーズ・ウェルズ劇場で上演されます。W

また、新たにレパートリー入りするのは、既に発表されていますが、アクラム・カーン振付の新作「ジゼル」です。

こちらの作品は、2016年9月27日にマンチェスター国際フェスティバルで初演されたのち、ブリストル、サザンプトンでのツアー公演、そして11月15日より19日までサドラーズ・ウェルズ劇場で上演されます。アクラム・カーンが振付けた初めての全幕バレエ作品となります。

興味深いのは、このシーズン、「ジゼル」の別バージョンも上演されることです。メアリー・スキーピング振付の「ジゼル」がリバイバルされ、2017年1月にロンドン・コロシアムで上演されます。スキーピングの「ジゼル」は、できるだけ初演に近いものとして、1971年に初演され、日本バレエ協会でも上演されている版です。新旧ジゼルを見比べると、また面白いのではないかと思われます。

11月から1月の頭までは、ウェイン・イーグリング振付の「くるみ割り人形」が、ミルトン・キーンズ、リバプール、そしてロンドン・コロシアムまで上演されます。昨シーズンは、この「くるみ割り人形」は、ロンドン・コロシアムで73,000人もの観客を動員したそうです。

夏以降のレパートリーについては、改めて後日発表があります。


ピナ・バウシュの名作「春の祭典」の上演が実現することは快挙といえますし、アクラム・カーンの新しい「ジゼル」、さらに今シーズン上映される3人の女性振付家の新作ミックスビルと合わせ、タマラ・ロホの先進性、辣腕ぶりが見て取れます。日本人ダンサーも多数活躍していますし、ぜひ来日公演で観てみたいカンパニーですよね。

2016/02/17

ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール」第一巻

週刊ビッグコミック・スピリッツに、バレエ・コミック「ダンス・ダンス・ダンスール」(ジョージ朝倉)が連載中です。そしてコミックの第一巻が発売されました。

http://spi-net.jp/weekly/comic057.html

村尾潤平、6歳。姉の発表会に出演したゲストダンサーの影響でバレエに魅了された彼は、周囲に揶揄されながらも、自らの衝動に付き従う。踊っている時だけ、少年の中で、星が爆ぜる――。 そんな彼を襲った、父の突然の訃報。「男らしくならねば」――悲壮な決意のもと、潤平はその道を諦めることに。そして数年後…中二になった潤平に、転校生の美少女・五代 都が近づく。「一緒にバレエやろうよ!」。彼の中の衝動が今、再び星を散らし爆発する!!

こちらで第一話の試し読みをすることができます。
http://spi.tameshiyo.me/DANCE01SPI

この試し読みが面白かったので、一巻を買ってみました。

映画化された『恋文日和』『ピース オブ ケイク』で知られるジョージ朝倉は、女性コミック中心の漫画家ですが、今回は、王道の少年コミック。普通の男の子が、バレエを習うのは恥ずかしい、男らしくないのでは、と悩みつつも身体の中の「踊りたい」という強い衝動、そして転校生の都(このネーミングが良いですよね)への淡い恋心から、バレエダンサーとしては遅い中学2年で本格的にバレエを始めることになります。謎のひきこもり天才バレエ少年ルオウなど、気になるキャラクターも登場します。

バレエの基本が全くできていないけれども、踊りたいという強い気持ちに突き動かされた潤平のダンスが、ダイナミックで生き生きとした作画で表現されています。本格的にプロを目指すには遅い年齢でのスタートで、果たして彼はどこまで行けるのか。これから先が楽しみです。

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ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2016-7シーズン

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ(カナダ国立バレエ)の2016-7シーズンが発表されています。

新作は、ウィル・タケット振付の「ピノキオ」。ノイマイヤーの「欲望という名の電車」と、ウェイン・マクレガー振付の「ジェヌス」が新たにレパートリー入りします。

http://national.ballet.ca/Tickets/Next-Season

Touring
「冬物語」ニューヨーク公演 The Winter’s Tale
July 28 – 31, 2016, David H. Koch Theater, Lincoln Center, New York City
ワシントンDC公演も好評だった、クリストファー・ウィールドン振付作品がニューヨークのリンカーンセンターフェスティバルで上演されます。

The Dreamers Ever Leave You† , AGO Lawren Harris Project
August 31 – September 10, 2016

トロントのオンタリオ美術館との共同プロジェクトで、同美術館で上演されます。フランク・ゲーリーが設計した同美術館で、7月1日より展覧会が行われるカナダの画家ローレン・ハリスの絵画にインスピレーションを得た作品を、バレエ団振付家のロバート・ビネが振付けて、バレエ団ダンサーがギャラリーで生演奏と共に踊ります。


ワールド・バレエ・デー World Ballet Day
October 4, 2016
ロイヤル・バレエ、ボリショイ・バレエ、オーストラリア・バレエ、サンフランシスコ・バレエが参加する、恒例のワールド・バレエ・デーも3回目を迎えます。


「シンデレラ」Cinderella
November 12 – 20, 2016
ABTのレパートリーにも入っている、ジェームズ・クデルカ振付の「シンデレラ」


第12回エリック・ブルーンプライズ The Twelfth International Competition for The Erik Bruhn Prize
November 15, 2016
偉大なダンサーで、元芸術監督のエリック・ブルーンを記念し、ABT、ハンブルグ・バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエ、ロイヤル・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダの若手ダンサーが参加するコンクール


「オネーギン」 Onegin
November 23 – 27, 2016
おなじみのジョン・クランコ作品


「くるみ割り人形」The Nutcracker
December 10 – 31, 2016
ジェームズ・クデルカ振付


「オネーギン」 オタワ公演 Onegin
January 19 – 21, 2017, National Arts Centre, Ottawa


「ピノキオ」Pinocchio† 世界初演
March 11 – 24, 2017
ロイヤル・バレエのゲスト・プリンシパル・キャラクター・アーティストで、「兵士の物語」「エリザベス」などで知られるウィル・タケットが新作「ピノキオ」を振付ける。


「ジェヌス/ザ・コンサート」Genus* & The Concert
March 29 – April 2, 2017
ウェイン・マクレガーがパリ・オペラ座バレエのために振付けた「ジェヌス」がレパートリー入り。ジェローム・ロビンスのコミカルな「ザ・コンサート」との同時上演


「欲望という名の電車」A Streetcar Named Desire*
A Ballet by John Neumeier
June 3 – 10, 2017
ジョン・ノイマイヤーが1983年にシュツットガルト・バレエのために振付けた「欲望という名の電車」(テネシー・ウィリアムズ原作)がレパートリー入り。

MAD HOT BALLET Gala
June 6, 2017

「白鳥の湖」 Swan Lake
June 15 – 25, 2017
ジェームズ・クデルカ振付の「白鳥の湖」

2016/02/16

オランダ国立バレエの2016-7シーズン

オランダ国立バレエの2016-7シーズンが発表されています。

Juanjo Arques と エルンスト・マイズナー、デヴィッド・ドーソンの新作、そしてラトマンスキーの「ショスタコーヴィッチ・トリロジー」、さらにオランダ出身の振付家のトリプルビル、古典全幕と幅広いチョイスのレパートリーで魅力的です。新作中心のミックスプロでも公演回数を打てるのは羨ましいですよね。

http://www.operaballet.nl/en/program#201609

ガラ(9月7日)
デフィレつき

Dutch Masters 9月14日~25日
80歳となるトゥール・ヴァン・シャイク(新国立劇場バレエ団の「眠れる森の美女」の衣装デザインを担当した振付家./デザイナー)を記念し、ヴァン・シャイク振付の「レクイエム」、ルディ・ファン・ダンツィヒの「四つの最後の歌」(ヴァン・シャイクが衣装をデザイン)、ハンス・ファン・マーネンの「アダージョ・ハンマークラヴィーア」を上演。

「ラ・バヤデール」(ナタリア・マカロワ振付) 10月8日~11月13日

コッペリア」(テッド・ブランセン振付) 12月10日~1月1日

Made in Amsterdam 1、2 2月11日~25日、3月2日~4日
「Made in Amsterdam 1」と「Made in Amsterdam 2」の2プログラムが交互に上演。Made in Amsterdam 1では、ハンス・ファン・マーネンの「フランク・ブリッジ変奏曲」と、Ton Simons.の「Romance」、そして新作2つ、Juanjo Arques と エルンスト・マイズナーの二人の若手振付家による作品です。エルンスト・マイズナーの作品は、先日のローザンヌ国際コンクールでも、オランダ国立バレエのジュニア・カンパニーによって踊られました。
Made in Amsterdam 2では、ラトマンスキーの「Souvenir d’un lieu cher(なつかしい土地の思い出)」、ウィールドン「Concerto Concordia」、クリストフ・パストール「Moving Rooms」の3人の人気振付家がカンパニーのために振付けた作品を上演。さらに、デヴィッド・ドーソンの新作「星の王子様」も上演されます。

NDT公演2月15日、16日
ゲストカンパニーとして、ネザーランド・ダンス・シアターが2公演を行います。芸術監督ポール・ライトフットと、パートナーのソル・レオンの作品、そしてクリスタル・パイトの作品をフィーチャーした公演です。

Juniors Go Dutch オランダ国立バレエのジュニアカンパニー公演 2月18日、19日、3月3日~19日、5月1日~14日(3月、5月公演はオランダ国内のツアー)

「オネーギン」(クランコ振付) 3月29日~4月16日

The little big chest(エルンスト・マイズナー振付)4月21日~26日
子供向けのプロダクション

ベスト・オブ・バランシン」  5月2日~20日 オランダ国内のツアー 
「テーマとヴァリエーション」「アポロ」「ストラヴィンスキー・ヴァイオリン・コンチェルト」

ショスタコーヴィッチ・トリロジー」(ラトマンスキー振付) 6月17日~
ABT、サンフランシスコ・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダで上演されて大好評の、ラトマンスキー振付によるショスタコーヴィッチ3部作がオランダで初演。「第九交響曲」、「室内交響曲」、「ピアノ・コンチェルト」の3作品。

New Moves 2017 6月26日
ダンサーによる振付作品の上演 


ところで、現在オランダ国立バレエでは、芸術監督のテッド・ブランセンによる新作「マタ・ハリ」が上演中ですが、こちらの作品が大評判のようです。
http://www.operaballet.nl/en/ballet/2015-2016/show/mata-hari

Tarik O’Reganにオリジナル楽曲を委嘱したこの作品は、第一次世界大戦で活躍したダンサーで有名な女スパイのマタ・ハリの生涯を描いたものです。非常に力の入ったプロダクションで、オランダ国立バレエのYouTubeチャンネルでメイキングの動画も7本も公開され、興味をそそります。

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2/10 「を こ」 関かおりPUNCTUMUN

初めて行った森下スタジオ。行きはグーグルマップを見ながら何とかたどり着いたのですが、帰り思いっきり道に迷ってしまいました。

http://www.kaoriseki.info/

振付・演出: 関かおり
演出助手:後藤ゆう、矢吹唯
出演: 北村思綺、後藤ゆう、小山まさし、鈴木清貴、毛利アンナ可奈子、矢吹唯、関かおり

タイトルは、古語の「をこ」(おろかな、ばかげている、こっけいな、おこがましいなどの意)
“warning order” ”wipe out” ”carbon monoxide” 等の略語より。
発音は「オ・コ」。
 
おろかなこ
 
わたしたちは いつでも ここ に もどれる
 
わたしたちは いつも ここに もどる もどされる
 
あたたかくも かなしくも

(プログラムより) 

白い幕で囲まれたかなり広い舞台には砂が敷き詰められており、暗がりの中で塊になっている7人のダンサーたち。少しずつ照明が明るくなる。全員、肌色のレオタードを着用。基本的にはほぼ無音で、ごくまれに、水の流れる音など、少し環境音的な音が聞こえることもあるけれども、音がないので観客も自分の五感を研ぎ澄まし、緊張感を持って舞台に見入る。客席から聞こえる咳や椅子の軋みなど小さな雑音ですら、効果音に聞こえてしまうほど。ダンサーたちの動きは基本的にとてもゆっくり。群れていて不思議な動物っぽく見える時もあれば、それぞれの動きがドラマティックな静止画のようになって、カラヴァッジオの絵画のように見えることもあった。

ダンサーがお互いリフトしたりよじ上ったり、少し組体操っぽく積み上がったりとアクロバティックなこともあれば、芋虫のようにうねうね這うこともある。摩訶不思議なのだけど、時々はっとするような美しい瞬間がある。塊が分裂していくつかの塊に分かれたようにも思えて、アメーバのような有機体が形を変えたり分裂しているのかなと思わせたり。砂の上に残るダンサーの動いた跡、暗転も時々入り、人が消えたり現れたりする。明暗を繊細に操る絶妙な照明効果。ソロも、最後の男性ダンサー(鈴木清貴さん)による奇妙ながらも雄弁で印象的なものがあったけど、ダンサーたちがキャタピラーのように、また別の形でも塊になって動くのが、とにかく不思議な生き物っぽくて妖しくて面白かった。

関さんの作品を観るのは初めてだったけど、コンテンポラリーダンスの中でも、私が観て来たものとはまた全然違った感じのユニークさがあって、刺激的な体験だった。舞台空間の持つ、世界から隔絶されたような魔力が発揮された逸品。

2016/02/15

2/17(水)ボリショイ・バレエ「じゃじゃ馬馴らし」の映画館上映

2月17日(水)に、ボリショイ・バレエの「じゃじゃ馬馴らし」の映画館上映が行われます。

http://bolshoi-cinema.jp/lineup.html

音楽:ドミトリ・ショスタコーヴィチ
振付:ジャン・クリストフ・マイヨー
原作:ウィリアム・シェイクスピア

ルーセンシオや、その他多くの求婚者たちは、美しくおとなしいビアンカとの結婚を夢見ていた。しかし乱暴で狡猾な姉、カタリーナが嫁ぐまでは妹を結婚させないと父が誓う。フランスの振付家、ジャン・クリストフ・マイヨーはボリショイのダンサーのために翻案したシェイクスピア劇で大成功を収めた。他に例を見ない息をのむノンストップダンスで、ボリショイ特有の豪放さやみなぎるエネルギーを新たな手法で描きつくし、2時間に及ぶ見事なマジックを成功させた!
2016年1月収録

モンテカルロ・バレエを率いるジャン・クリストフ・マイヨー振付のこの作品、昨年4月にサンクトペテルブルクのダンス・オープン・フェスティバルで観ることができたのですが、これは大傑作です。近年の物語バレエでこれほど面白い作品はなかなかないと言っても過言ではありません。コミカルさとシリアスさ、そして色っぽさが見事な割合で両立しています。ボリショイ・バレエのダンサーたちの優れた身体能力と、センス・オブ・ワンダーに満ちたマイヨーの振付。また、ショスタコーヴィチの音楽の使い方も見事ですし、シンプルでスタイリッシュな舞台装置や衣装もステキ。ぜひ来日公演に持ってきてほしい作品です。

シェイクスピアの「じゃじゃ馬馴らし」は、クランコの作品に観られるように、妻を飢えさせたり寝させなかったりとDVに近い調教する様子がミソジニー(女性嫌悪)的だと批判されてきましたが、この作品ではこの問題点が解決しています。これらのシーンは一切見せず、愛によって夫婦が結ばれていくのを、官能的なパ・ド・ドゥで見せています。上映時間もコンパクトなので見やすいです。

収録日(今年1月24日)のキャストは以下の通り。ほぼ初演キャストで、ご覧の通り豪華です。この作品で、クリサノワ、ラントラートフが黄金のマスク賞に輝き、さらに「じゃじゃ馬馴らし」は作品賞も受賞しています。
http://www.bolshoi.ru/en/performances/714/roles/#20160124180000

カテリーナ: エカテリーナ・クリサノワ
ペトルーチオ: ウラディスラフ・ラントラートフ
ビアンカ: オルガ・スミルノワ
ルーセンショー: セミョーン・チュージン
ホルテンショー: イーゴリ・ツヴィルコ
バプティスタ: アルテミー・ベイリャコフ
女中: アンナ・チホミロワ

ダンス・オープン・フェスティバルで観たときの私の感想はこちらです。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2015/05/424-616f.html

上映映画館のリストはこちら
http://bolshoi-cinema.jp/venuelist.html

東京近郊ですと、
TOHOシネマズ 日本橋、品川プリンスシネマ、 TOHOシネマズ 新宿、109シネマズ二子玉川、TOHOシネマズ 府中、立川シネマシティ、横浜ブルク13、TOHOシネマズ 川崎、シネマイクスピアリ、ユナイテッド・シネマ浦和
これだけの上映があるので、ぜひ足を運びましょう!

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2016/02/13

久保田紀子さん(元ナンシー・バレエ団バレエミストレス)逝去

フランス芸術文化勲章オフィシエを受賞し長年フランスで活躍した、ナンシー・バレエ団バレエミストレスの久保田紀子さんが亡くなられました。

(訃報記事:フランス語

L’EST Nancy誌、2016年2月2日の訃報より

ロレーヌ・バレエ(ナンシー・バレエ)の教師・バレエミストレスであった久保田紀子さんが、1月12 日に70歳で心不全のため亡くなりました。

久保田さんは東京に生まれ、8歳で服部・島田バレエ団のバレエスクールに入学。1964年に東京バレエコンクールで入賞し、フルブライト奨学金を得て海外へ。

パリのJospeh Russiloカンパニーのソリストとして、またナント(Nantes)オペラ座のエトワールとして契約、次いでチューリッヒ、またニューロンドンバレエと契約しました。

1978年、エトワールとして、ジャンアルベール・カルチエの率いるアンジェのバレエ・テアトル・コンテンポランと契約してその後生涯を過ごすナンシーに赴き、バレエ教師・バレエマスターとなりました。

ロレーヌバレエで評価され、カルチエ、パトリック・デュポン、ピエール・ラコット、フランソワーズ・アドレ そしてディディエ・デシャンのもとで仕事をしました。

彼女はダンスシーンにおいても、とりわけバランシン振り付けの2作品「4つの気質(Sanguine des Quatre Tempéraments)」と「夢遊病の女」でのエトワールとして印象を残しました。

2003年、後のロレーヌ・バレエの会長であるアンドレ・ラルキエによりフランス芸術文化勲章オフィシエを、また2009年5月17日には、ローラン・エナールからナンシー市の金メダルが授与されました。

ダンサー、ジャンポール・デ・クレールと1976年、日本で結婚。ジャンポールは、最初ナンシー・バレエ団の舞踊手であり、後にそのカンパニーの副監督となったが(1983-2006年)、毎年、彼女が日本に帰省し、バレエ指導を行なうのに同行しました。

葬儀は親族のみで執り行い、遺灰は南墓地に埋葬しました。神道の伝統に従って火葬された彼女は、日本で両親のかたわらにあった象徴として、ナンシーの大地に埋葬されました。また東京にある家族の墓のそばに記念碑が建てられる予定であるそうです。数多くの友人と過ごしたナンシーで、彼女の、芸術に情熱を燃やした魅力的な人柄が記憶にとどめられることでしょう。
(L’EST Nancy誌、2016年2月2日)

久保田さんは、フランスでの活躍が長かったため、日本ではあまり知られていませんが、バレエ雑誌Danseの表紙を飾ったこともあったそうです。日本バレエ協会の第7回舞踊文化功労賞を平成25年/2013年に受賞されています。また、ナンシー・バレエをパトリック・デュポンが率いて1991年に来日公演を行った時のバレエ・ミストレスでもありました。

昭和音楽大学のバレエ情報データベースによれば、60年代、70年代には日本でも踊っていた記録があります。
http://ballet.tosei-showa-music.ac.jp/home/dancer_detail/104654
昭和52年度(第32回)芸術祭主催公演 「ドン・キホーテ」森下洋子さん主演、では大道の踊り子を踊っていました。

早い時期からこれほどまで海外で活躍された日本人バレリーナも少なかったのではないかと思います。謹んでお悔やみ申し上げます。

ティエリー・マランダン率いるビアリッツ・バレエのFacebookページにも訃報が載っていました。沢山のコメントやシェアがされているので、現地では非常に存在感の高かった方だったようです。

Nous apprenons avec tristesse la disparition de Noriko Kubota survenue le 12 janvier, à l'âge de 70 ans. Après avoir men...

Posted by Malandain Ballet Biarritz (Page Officielle) on 2016年1月26日

2/6夜&2/11新国立劇場バレエ団「Men Y Men 」&「ラ・シルフィード」

この週末は、東京バレエ団の「白鳥の湖」、牧阿佐美バレヱ団の「白鳥の湖」と公演が重なって日程のやりくりに一苦労。チケットが発売されるときには脇役のキャストが出ないため、2公演分のチケットを買ったら、両日とも脇役キャストと「Men Y Men」のキャストが同じになってしまった。もう一つのキャストも観たかったので残念。上野から初台への移動も大変だった。バレエ団同士の日程の調整は、現実問題として難しいのは理解できるのだけど、米沢/奥村組、長田/菅野組も観たかった。

◆Men Y Men
音楽: セルゲイ・ラフマニノフ 「幻想小品集」より「エレジー」Op3-1、「コレッリの主題による変奏曲」より「主題~第7変奏」Op42
編曲: ギャヴィン・サザーランド
振付: ウエイン・イーグリング

マイレン・トレウバエフ、貝川鐵夫、福田圭吾、
輪島拓也、小口邦明、小柴富久修、原 健太、
髙橋一輝、渡部義紀

男性ばかりが出演する、ウェイン・イーグリング振付の2009年の作品(初演はENB)。薄暗い照明の中、9人の男性がお互いをリフトしたり、3人のダンサーが一人のダンサーを高々と掲げたり、群舞や一人一人のソロも観られる。オペラパレスの大きな客席では、後ろの方まで届きにくい作品ではあるけれども、特に照明の使い方は美しくて、最後に一人一人のムーヴメントにスポットを当てるところは印象的だった。

アラベスクの姿勢など、基本的に動きはクラシックバレエ的で、躍動感というよりは美しさを優先している。後半の方が動きが出てきて楽しめる。特に福田圭吾さん、そしてその後の小口さんのダイナミックなソロにはインパクトがあったし、いつ観てもマイレンの動きは隅々まで美しい。輪島さんも大人の魅力を見せてくれた。もともと、「ジゼル」との同時上演のために作られた作品なので、百合の花を持ったダンサーが途中で登場するのがアクセント。男性だけによるバレエの美しさを見せてくれる佳作なのだけど、上演時間が約15分と少し短すぎるのが物足りない。6日の公演には、カーテンコールにイーグリングも登場した。


◆ラ・シルフィード
音楽: ヘルマン・ルーヴェンシュキョル
振付: オーギュスト・ブルノンヴィル
演出: 大原永子

2/6夜 
シルフィード: 細田千晶
ジェームス: 井澤 駿
グァーン: 木下嘉人
エフィ: 堀口 純
マッジ: 本島美和
第1シルフ:寺田亜沙子

2/11
シルフィード: 小野絢子
ジェームス: 福岡雄大
グァーン: 木下嘉人
エフィ: 堀口 純
マッジ: 本島美和
第1シルフ:寺田亜沙子

指揮:ギャヴィン・サザーランド
管弦楽:東京交響楽団

新国立劇場バレエ団での「ラ・シルフィード」上演は久しぶりのこと。「Men Y Men」を含めても、2回分の休憩時間込で上演時間が2時間10分というのは非常に短く、あっという間に終わってしまう。1幕は、群舞はバレエシューズを履いた民族舞踊的なもので生き生きとしていて楽しい。この1幕群舞のキャストが、販売されているプログラムに載っていないのが非常に残念。奥田花純さんなど、主役級のダンサーも入っているのに。

2月6日のシルフィード役は細田さん。「こどものための」シリーズを除けば、初めての主演かもしれない(要確認)。無邪気で、いたずらっぽくどこまでも甘く可憐な妖精だった。ふわふわと軽やかな動きも美しかったけど、人間の女の子としてジェームズに恋していた感じ。足音をさせず、透明感もあるけれども、生身の人間を感じさせるところもあった。いずれにしても、ミスもまったくなく、丁寧な踊りで立派に主役を演じる中に、彼女らしい愛らしさを見せてくれた。

ジェームズは井澤さん。なんといっても井澤さんはほっそり長身で姿かたちに華があるので、椅子で寝入っている姿も、キルト姿もたいそう絵になる。エフィとの結婚を控えて、魅惑的な妖精につい惹かれてしまうところに罪の意識は微塵もなく、悪いことをしてしまっているようにも見えない、若さと未熟さゆえにただただ美しいものに魅せられてしまったところが自然に表れていた。ブルノンヴィル版ラ・シルフィードは、彼の苦手なリフトもほとんどないし、足先も美しい。バットゥリーはもう少し精度が高い方がいいと思わせるところもあったけれども、跳躍は高いし、初役で大健闘したと言える。

井澤さんのジェームズはマッジの呪いがかかったヴェールをシルフィードにかけてしまい、彼女が絶命する姿から彼は背中を向けてしまった。毒が回ったニキヤから目をそらしてしまったソロルのように。エフィを裏切ってしまったことではなくて、シルフィードの死で初めて罪悪感を感じてしまったようだった。そんな彼の方に視線を向けて、愛を誓いながら死んでいくシルフィードの健気さには、胸を締め付けられた。


一方、小野絢子さんのシルフィードには、人間っぽいところはまったくなくて、人ならざる存在であるところの妖精そのものだった。小野さんは、踊りの形がとにかく完璧だ。柔らかい足首、きちんとドゥミを通るポワントワーク、アカデミックなスタイル、足音を全くさせない、まさに空気の精。1幕で舞台を駆け抜けるところの、まるで一瞬の風のような浮遊感といったら。彼女のシルフィードも、非常に可愛らしくて小悪魔的なのだけど、あくまでも妖精の恋であって、決して人間としてはジェームズに恋をしない。それでも、絶命する時に見せたジェームズへの切ない想いは心に小さな棘を残す。

福岡さんのジェームズは、反面かなり人間的だった。彼は他の若手と違って決してキルト姿が似合うわけではないのだけど、ちょっと不器用で、本当はエフィときちんと結婚をしなければならないのもわかっているのに、ついシルフィードを追いかけてしまう様子に説得力があった。ダメ男ジェームズ。さすがにテクニックは鮮やかで、ブルノンヴィル特有の足捌きも非常に綺麗だし、跳躍もとても高い。ただし、2幕のヴァリエーションでトゥールザンレールを左右へと繰り返すところでは5番に着地できなくて少し手こずっていた。

両日とも、主役二人以外のキャストは同じ。エフィの堀内さんは素直で健気な娘さんなだけに、ジェームズの心変わりに悩む姿がいじらしい。ガーンの木下さんは、ちょっとしつこいくらいエフィにご執心で、シルフィードの姿はなぜか彼だけには見えている。こんなのが飛んでいたんだ!とシルフィードの物まねをするしぐさがとても可笑しいし、1幕のヴァリエーションも鮮やかだった。

しかし何といっても白眉は本島さんのマッジ。美貌の本島さんがどのようなマッジを演じるのかと思っていたのだが、期待以上の凄さだった。腰が曲がり、汚れた姿の老婆なのに、元は美女だったことがしっかりわかる。強い目力、一挙一動に力と邪悪さがあふれている。こんなマッジにかかってしまっては、浅はかなジェームズなど赤子の手をひねるようなもの。シルフィードが死んでしまった後の対決シーン、哀れなジェームズに勝ち目など全くない。しかしジェームズが絶命した横に佇む彼女の姿には、どこか虚しさと哀しみのようなものが感じられて余韻を残す。

このような姿になる前のマッジは何者だったのだろうか?ヨハン・コボーが振付けた「ラ・シルフィード」では、最後にマッジがスカートを持ち上げると、白いチュールが現れた。つまり、マッジはもともとはシルフィードだったというわけだ。この本島マッジも、もしかして、かつては美しい妖精だったのかもしれない。

新国立劇場バレエ団のコール・ド・バレエは毎度ながらの美しさで、特に2幕のシルフィードたちは足音もさせず、幻想譚の世界の存在として、ふわふわと柔らかくありながらもきれいに揃っていた。1幕に登場した日本ジュニアバレエの子役たちも非常に達者だった。


非常にクオリティの高い上演だったけれども、「ラ・シルフィード」は短くてコンパクトな作品なので、カップリングさせるならもう少しボリュームのある作品との上演が良かったかもしれない。前回上演の時は、「パキータ」との同時上演だったが、それくらい華やかな作品との上演の方が、観客動員も良かった可能性はある。

2016/02/12

6/17にトランス=シベリア芸術祭 in Japan 2016 ザハーロワ&レーピン 夢の共演

スヴェトラーナ・ザハロワが夫君のヴァイオリニスト、ワディム・レーピンと一晩だけ共演する公演が6月17日にあります。チラシをご覧になった方も多いと思いますが、演目もアップされていました。

http://amati-tokyo.com/performance/20111009.html

【日時】 2016年6月17日(金)19:00
【会場】 サントリーホール

【出演】 スヴェトラーナ・ザハーロワ(バレエ)
  ワディム・レーピン(ヴァイオリン)
ミハイル・ロブーヒン(バレエ)
ウラジーミル・ヴァルナヴァ(バレエ)
ドミトリー・ザグレビン(バレエ)
フェスティバル・アンサンブル

【演目】 
アルビノーニ: オーボエ協奏曲 ニ短調 op.9 (ヴァイオリン独奏版)
振付:エドワード・リアン
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

メンデルスゾーン: ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 二短調より 第2、3楽章
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

ペルト: フラトレス
振付:ウラジーミル・ヴァルナヴァ
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ、ウラジーミル・ヴァルナヴァ
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

クライスラー: 中国の太鼓
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

Revelation (ジョン・ウィリアムズ:シンドラーのリストより)
振付:平山素子
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ
※録音演奏

モンティ: チャールダーシュ
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

瀕死の白鳥 (サン=サーンス:白鳥) 
振付:ミハイル・フォーキン
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

バッジーニ: 妖精の踊り op.25
振付:ヨハン・コボー
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ
ドミトリー・ザグレビン、ミハイル・ロブーヒン
ヴァイオリン:ワディム・レーピン
フェスティバル・アンサンブル

ほか

【入場料】S¥17,000 A¥12,000 B¥7,000   2/28(日)一般発売開始

【後援】 ロシア連邦外務省、ロシア連邦文化省、駐日ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、
      ロシア文化フェスティバル組織委員会

イープラス http://eplus.jp/ 〈PC&携帯〉
チケットぴあ 0570-02-9999 (音声自動応答 Pコード:449-605)
ローソンチケット 0570-084-003    0570-000-407(オペレーター対応 10:00~20:00) Web申込はこちら
サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017 Web申込はこちら
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650

8演目中、5演目をザハロワが踊ります。

出演者ですが、ミハイル・ロブーヒンはおなじみボリショイ・バレエのプリンシパル。ドミトリー・ザグレビンは、元ボリショイ・バレエで、今はスウェーデン王立バレエのファースト・ソリストです。ウラジーミル・ヴァルナヴァはマリインスキー・バレエの振付家で、ザハロワのために「Plus. Minus. Zero」という作品を振付けており、黄金のマスク賞も受賞したことがあります。


<追記>
コメント欄で教えていただきましたが(ありがとうございます)、愛知公演も有ります。チケット発売は2月13日(土)と東京より先ですね。

http://cte.jp/detail/16/160611/

ザハロワ&レーピン「瀕死の白鳥」
~マイヤ・プリセツカヤに捧ぐ~

出演
ワディム・レーピン(ヴァイオリン)
スヴェトラーナ・ザハロワ(バレエ)
室内合奏団
ダンサー3名予定

プログラム
アルビノーニ:オーボエ協奏曲 op.9 *
ジョン・ウィリアムズ:“Revelation” ~シンドラーのリストより *
バッジーニ:精霊の踊り op.25 *
サン=サーンス:白鳥 * 他
*ザハロワ出演曲(予定)

公演日 2016年6月11日(土) 開場/16:15 開演/17:00
愛知県芸術劇場コンサートホール
S¥15,000 P¥12,000 A¥10,000 B¥5,000 学生¥2,000 (税込)

一般発売:2016年2月13日(土)10:00〜
中京テレビ事業チケットセンター:052-320-9933 http://cte.jp/
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:449-173)
ローソンチケット:0570-084-004(Lコード:47008)
愛知芸術文化センターPG:052-972-0430
栄プレチケ92:052-953-0777
e+(イープラス):eplus.jp
名鉄ホールチケットセンター:052-561-7755
名古屋市文化振興事業団チケットガイド:052-249-9387
セブン-イレブン、サークルK、サンクス、ローソン、ミニストップ、
ファミリーマート 店頭

公演に関する
お問合せ 中京テレビ事業
〒460-8613 名古屋市中区錦3-15-15 CTV錦ビル6F
052-957-3333 10:00~17:00(土日祝日休業)

2016/02/11

パリ・オペラ座バレエの2016-7シーズン正式発表

パリ・オペラ座バレエの2016-7シーズンが正式に発表されました。

https://www.operadeparis.fr/saison-16-17

新作は8作品です。内訳は、ミルピエ作品が2作品、クリスタル・パイト、ティノ・セーガル、そしてバレエ団のダンサーで振付アカデミーの生徒である4人による4作品です。

全幕の新作は、シーズン終わりのミルピエ作品のみです。ちなみにオペラの方では11の新制作があります。

記者会見での発表を元に、概要をお伝えしていきます。

(ゲストカンパニー)アメリカン・バレエ・シアター「眠れる森の美女」 ラトマンスキー振付
2016年9月2日から10日まで10公演 バスティーユにて


シーズン・オープニング・ガラ 
2016年9月24日
クリスタル・パイト(新作)、フォーサイス「Blake Works」、デフィレ ガルニエ

Sehgal(新作)、ペック「In Creases」、クリスタル・パイト(新作)、フォーサイス「Blake Works」
2016年9月26日から10月9日まで9公演 ガルニエ

今年の英国ダンスアワードを受賞した、カナダ出身の女性振付家クリスタル・パイトの新作は、マックス・リヒターが改作した、ヴィヴァルディの四季に振付けたもの。 ティノ・セーガルの作品は、今シーズンのシャルマッツ作品同様、ガルニエのパブリックスペースでの上演となる。



バランシン「モーツァルティアーナ」「ストラヴィンスキー・ヴァイオリン・コンチェルト」「ブラームス・シューンベルグカルテット」

2016年10月22日から11月15日まで17公演 ガルニエ

ミルピエは、バランシン作品の振付指導者は彼が選び、自身もパリで立ち会うとのこと。


チューダー「葉は色あせて」、ミルピエ(新作)
2016年11月29日から12月31日まで23公演 ガルニエ

ミルピエの新作は、バリシニコフの提案により、バルバラの歌に振りつけた作品でアルベール・エルバズが衣装をデザイン。チューダーの「葉は色あせて」(衣装は新制作)とのダブルビル。(なお、オペラ座での「葉は色あせて」の振付指導はアマンダ・マッケローが行うと、昨年ご本人に伺いました)


ヌレエフ「白鳥の湖」

2016年12月7日から31日まで18公演 バスティーユ


(ゲストカンパニー)ドレスデン・バレエ「インプレッシング・ザ・ツァー」(フォーサイス)
2017年1月4日から8日まで6公演 ガルニエ 


マクレガー「Tree of Codes」(新制作)
2017年2月6日から23日まで 15公演

この作品は、すでにニューヨークとマンチェスター国際フェスティバルで、マリ=アニエス・ジロ、ジェレミー・ベランガールをはじめとするオペラ座のダンサーと、マクレガーのカンパニー、ランダムダンスのダンサーたちという混成チームで上演されています。
http://dancetabs.com/2015/09/wayne-mcgregor-random-dance-paris-opera-ballet-tree-of-codes-new-york/


バランシン「真夏の夜の夢」(新制作)
2017年3月9日から29日まで12公演、バスティーユ

新しいプロダクションで、クリスチャン・ラクロワが衣装をデザインするとのこと。


Dimitri Chamblas とボリス・シャルマッツ「A Bras-le-corps」(新制作)
2017年3月16日から4月2日まで7公演 ガルニエ

40分の上演時間の実験的な作品で、ガルニエのグラシエ・ロトゥンダで上演される。


パリ・オペラ座バレエ学校公演
バランシン「Divertimento n°5」、フォーサイス「精密の不安定なスリル」、ヌレエフ「ライモンダ3幕」ほか
2017年4月1日から3日まで3公演 ガルニエ

「フォーサイスの精密の不安定なスリル、ヌレエフのライモンダ三幕を含むというスーパーハードなプログラム」

4月7日には、オペラ座学校のガラ公演も行われます。デンマークロイヤルバレエスクール、ワガノワ・アカデミー、ロイヤルバレエスクール、サンフランシスコバレエスクール、ナショナルバレエオブカナダスクール、ジョン・クランコスクール、そしてハンブルグ・バレエスクールも参加します。


カニンガム「Walkaround Time」、フォーサイス「Trio」、「Workwithinwork」(新制作)
2017年4月15日から5月13日まで18公演 ガルニエ



ロビンス「エン・ソル」、バランシン「ラ・ヴァルス」、シェルカウイ&ジャレ「ボレロ」

2017年5月2日から27日まで17公演 ガルニエ

今シーズンは、ロビンス作品は「エン・ソル」だけ。会見でミルピエはヴィオレット・ヴェルディに弔意を表した。


ベルトー、ブーシェ、ヴァラストロ、ポール (新作) オペラ座ダンサーによる振付作品
2017年6月13日から18日まで4公演 ガルニエ

オペラ座の振付アカデミーで研鑽を積み、フォーサイスとミルピエによって助言を受けた4人のダンサーたちが、それぞれ新作を発表する。


ラコット「ラ・シルフィード」
2017年7月1日から16日まで11公演 ガルニエ


ミルピエ、Philippe Parreno (新作)
2017年7月1日から15日まで9公演 バスティーユ

Philippe Parrenoはビジュアルアーティスト。どのようなコラボレーションが行われることでしょうか。


なお、来日公演については、2017年3月2日〜12日で、演目はラコット『ラ・シルフィード』、およびバランシン『テーマとヴァリエーション』&ミルピエ『ダフニスとクロエ』とのことです。(記者会見では、なぜか『ラ・シルフィード』の名前が出てこなかったのですが)


それと、オペラのカテゴリとなりますが、

「コジ・ファン・トゥッテ」
2017年1月26日から2月19日まで9公演 バスティーユ

演出/振付がアンヌ・テレサ・ド・ケースマイケルで、パリ・オペラ座バレエのダンサー、およびローサスのダンサーも出演するとのことです。

****
上演があると噂されていた、ラトマンスキーやウィールドンによる全幕の新作はなかったようです。リスナーは、ミルピエが退任することを「残念で悲しく思う」が、彼を弁護していたとのことです。一方、ミルピエは、ダンサーたちとの経験に基づき、自分がプログラミングした2シーズン目は、その前のシーズンとは違っていると語りました。最も大きな違いは、自らが設立した振付アカデミーで学んだダンサーたちによる4作品が上演されることです。その成果はいかに。

しかし、このシーズンをプログラミングしたミルピエは、もうシーズンの最初からいないというのが皮肉です。(バランシン作品と、自身の作品の時にはもちろん振付指導などで、彼もいるわけですが)

なお、記者会見には200人ものジャーナリストが参加。ミルピエも同席したのですが、リスナーは、新シーズンについての質問のみ受け付ける、としたため、質問は出ませんでした。

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2016/02/10

1/30 東京シティ・バレエ団「ダブル・ビル」

先日、「L’heure bleue」の振付を担当したイリ・ブベニチェクと、振付助手および衣装、舞台美術を手掛けたオットー・ブベニチェクのトークショーに参加させていただいた東京シティ・バレエ団のダブル・ビル。日本のバレエ団で、このように作品のクオリティもパフォーマンスも上質なものができるのか、と感動した素晴らしい公演だった。

「L’heure bleue」「ベートーヴェン交響曲第7番」
芸術監督:安達悦子
指揮:井田勝大
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
監督:中島伸欣
舞台監督:橋本洋、淺田光久
照明:足立恒
音響プラン:GESMEC
大道具:(有)ユニ・ワークショップ
制作・主催:一般財団法人東京シティ・バレエ団
後援:一般社団法人日本バレエ連盟

第1部「L’heure bleue」
演出・振付:イリ・ブベニチェク
音楽:J.S.バッハ、L.R.ボッケリーニ ほか
振付助手:オットー・ブベニチェク
バレエミストレス:高木糸子、若林美和
舞台美術・衣裳デザイン・照明プラン:オットー・ブベニチェク
ピアノ独奏:横山和也
衣裳制作:工房いーち
出演:岡博美、沖田貴士、長澤風海
黄凱
清水愛恵、榎本文
三間貴範
土肥靖子、平田沙織
浅井永希

イリ・ブベニチェクが2013年にノースカロライナ・ダンスシアターのために振付けた作品を、今回、東京シティ・バレエ団のために大幅に改定し、振付も追加した。額縁、ハンカチ、薔薇、剣など小道具を粋に使った活人画的作品で、恋の駆け引きが生き生きと描かれて楽しいものに仕上がっていた。

まだ客電が落ち切らない時に幕が上がり、舞台の上には、大きな額縁の中に、バロック風の衣装を着た長澤風海さん。小さな額縁が空中に配置され、一つの額縁の中には剣、もう一つの額縁には薔薇。最初は男性ダンサー3人で始まり、額縁と額縁の間でハンカチがやり取りされるところからして、意味ありげで惹きつけられる。イリ・ブベニチェク独特の、クラシック的な伸びやかさの中に、ちょっとしたひねりを加えた振付。次に舞台奥には、3人の女性ダンサーたちが配置され、ロココ的な衣装を身につけた彼女たちの佇まいが、まさにフラゴナールの絵画のよう。真ん中を踊る岡博美さんはビスチェドレス、清水愛恵さん、榎本文さんの2人は男物の長めのジャケットにショートパンツで脚がむき出しになっていて、倒錯的な官能性が漂う。

バッハのバロック的な音楽に合わせて軽妙に動くダンサーたちには、よくぞここまでのエスプリや表現をここまでものにできた、と感心させられた。一人一人に個性が感じられるのもいい。パ・ド・ドゥ、パ・ド・トロワ、男性や女性たちのトリオなど、様々な組み合わせでのダンスもあってフォーメーションも変幻自在、目くるめく世界を堪能した。絵画の中の登場人物が飛び出て生き生きと動き回り、そして絵画の中へと還っていく。少しキリアンの影響を感じさせるものの、ユーモアのセンス、ほのかな色香、成熟した大人の世界でたいそう魅力的。振付家が長期間振付指導を手掛けてダンサーたちを鍛え上げた成果がしっかり出ていた。

オットー・ブベニチェクが手掛けたシンプルで洗練された舞台美術、ダンサーたちの体型にフィットした、バロックやロココ的な中に現代性も感じられる美しい衣装と、プロダクションデザインも秀逸だった。

日本のバレエ団で、人気のある振付家を招聘して現代物のほぼ新作を長期間振付してもらうというケースはレアだけど、民間のバレエ団でやってこれだけの成果を上げるのは称賛されるべきこと。ぜひ、間を置かないでの再演を期待したいところだ。次はきっともっと表現が深化していることだろう。


第2部「ベートーヴェン交響曲第7番」
演出・振付:ウヴェ・ショルツ
音楽:L.V.ベートーヴェン
指導:ジョヴァンニ・パルマ,木村規予香
バレエミストレス:山口智子,加藤浩子
美術・照明・衣裳デザイン:ウヴェ・ショルツ
衣裳協賛:チャコット株式会社
出演:
第1楽章 佐合萌香、キム・セジョン
第2楽章 志賀育恵、キム・セジョン
第3楽章 内村和真、沖田貴志 志賀育恵、キム・セジョン
第4楽章 佐合萌香、キム・セジョン

志賀育恵、佐合萌香、中森理恵、名越真夕、平田沙織、松本佳織
飯塚絵莉,薄井友姫、木暮絵梨子、宮崎真衣、河野麻子、大内麻莉
キム・セジョン、春野雅彦、浅井永希、高井将伍、内村和真、石黒善大,沖田貴志
チンゾリグ・バットムンフ、二上史生、左世義寛、福田建太、パク・ヒョンジュン、濱本泰然

「NHKバレエの饗宴2014」で上演されて大好評だった、東京シティ・バレエの十八番ともいえる作品。2013年の初演から数えれば3度目の上演。間を置かずに再演し、どんどん上演のクオリティを上げていくというバレエ団の姿勢が素晴らしい。

オープニングシーンで一斉にダンサーたちがリフトされてポーズをし、女性ダンサーたちがパドブレするところから、もう気持ちは盛り上がる。ノンストップで繰り広げられるダンスの洪水にひたすら溺れる幸せ。ウヴェ・ショルツの音楽性溢れる振付は至福の時間を与えてくれる。殆どのダンサーたちが出ずっぱりで、体力も非常に使う作品だと思うが、特に女性ダンサーたちのプロモーションの美しさ、踊りの精度は見事だった。揃わないところも少しはあったし、途中でやや疲れが見えてしまった人もいたが、最終楽章で持ち直していた。唯一残念だったのが、「NHKバレエの饗宴2014」で素晴らしかった玉浦誠さんが怪我のために出演できなかったこと。第2楽章のメーンを踊った志賀育恵さんは、特に、アラベスクや音楽の表現が見事だった。


新国立劇場の中劇場という会場のサイズ感も、この二つの作品にとってはちょうどよかった。現代作品であるのに、2回公演がソールドアウトとなったのも素晴らしいのだが、2回だけではもったいなかったという気もする。とにかく、ヨーロッパの今を伝える現代作品を、しっかり時間をかけて振付指導を行い、世界に胸を張れる見事なクオリティに仕上げたことに心から敬意を払いたい。このような試みはぜひ今後も続けて行ってほしいと思うし、他のバレエ団もこの姿勢を見習ってほしい。

東京シティ・バレエ団「L'heure bleue」イリ&オットー・ブベニチェク トークイベント
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/01/lheure-bleue-fc.html

2/10(本日)NHK総合放映 無様(ぶざま)でいい もっと自由に ダンサー 大前光市

23歳で事故により左足を失ってから、義足をつけ踊ってきたダンサーの大前光市さん。以前にも、NHKの「ブレイクスルー File.38 “唯一無二”になる ―ダンサー・大前光市―」という番組で取り上げられています。
(この番組を見た私の感想はこちら

この番組が大きな反響を呼んだため、第二弾の番組として取り上げられます。

2月11日(実際には10日の深夜)午前0時10分~午前0時40分

NEXT 未来のために▽無様(ぶざま)でいい もっと自由に ダンサー 大前光市
http://www4.nhk.or.jp/next-mirai/x/2016-02-10/21/32175/2075039/

ダンサーの大前光市さん(36)。23歳の時交通事故で左足を失って以来、義足をつけステージに立ち続けた。義足のために納得できる踊りができず失意の日々も過ごした。それでも諦めなかったエネルギーの根源は、建設現場で働き続けた父の姿。無様でもそれを続けることのすごみを教えてもらった。今、大前さんは「義足のダンサー」として評価されたくないと、新たな挑戦をはじめた。自分らしいダンスを模索し続ける姿に密着した。

「ブレイクスルー File.38 “唯一無二”になる ―ダンサー・大前光市―」は本当に感動的な番組でした。その後に開催された大前さんの公演にも足を運びましたが、本当に伝えたいものを持っている人の表現は強い、と感じました。この番組にも登場する、新国立劇場バレエ団のプリンシパル、マイレン・トレウバエフさんの振付けた「SWAN」という作品も非常に美しいです。

なお、「ブレイクスルー File.38 “唯一無二”になる ―ダンサー・大前光市―」も、今月アンコール放送があります。

2016年2月29日(月曜)
再放送2016年3月7日

大前光市「目覚めよと叫ぶ声がきこえる」

SWAN(マイレン・トレウバエフ振付)

2016/02/09

ヴィオレット・ヴェルディ逝去

フランスとアメリカの両国で活躍し、パリ・オペラ座バレエの芸術監督も務めた伝説的なバレリーナ、ヴィオレット・ヴェルディが脳梗塞のために2月8日に亡くなりました。82歳でした。

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1933年にフランスに生まれたヴェルディは、パリ・オペラ座のスターだったカルロッタ・ザンベリに師事します。17歳の時に「Dream Ballerina」という映画に出演し、一躍注目されます。ローラン・プティの当時のカンパニー、バレエ・シャンゼリゼで踊り、その後もローラン・プティのカンパニーで踊って「狼」の初演キャストとなりますが、ロンドン・フェスティバル・バレエ、ミラノ・スカラ座バレエなど多くのカンパニーにゲスト出演します。

1957年にノラ・ケイの招きでアメリカに渡り、ABTに参加し、「テーマとヴァリエーション」、初演キャストを務めた「令嬢ジュリー」(ビルギット・クルベリ振付)で素晴らしい踊りを見せますが、一時的にABTが解散状態となった1958年にバランシンに招かれNYCBに入団。以降、20年間にわたって看板バレリーナの一人として活躍します。主にエドワード・ヴィエラとパートナーシップを結び、バランシンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」、「エメラルド」、「真夏の夜の夢」、「ソナチネ」などの作品の初演ダンサーとなります。

特に「エメラルド」は、フォーレのロマンティシズムを体現しており、彼女を代表する作品となりました。また、「チャイコフスキーパ・ド・ドゥ」は、非常に人気の高い作品で数えきれないほど多くのバレリーナが踊っていますが、初演のヴェルディほどの音楽性、テクニック、ウィット、恐れを知らない姿勢を見せた人はまれだと言われています。

ドキュメンタリーの中でヴェルディが話した有名なたとえ話があります。「当時NYCBはグレイハウンドやボルゾイのようなダンサーが主流だったけど、私はフレンチプードルだったのよ」バランシンが好んだ長身で脚の長い体型ではなく、小柄で曲線的な体型の彼女でしたが、フランス人らしいエスプリ、フレージングの巧みさなど優れた音楽性、雄弁な脚、ユーモアのセンスといった魅力にあふれ、バランシン作品を見事に踊りこなしていました。

さらに、ジェローム・ロビンスにも好まれ、初演キャストを務めた「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」のマスタードの女性、そして「イン・ザ・ナイト」にも定評があり、彼女のような踊りをすることが、後に続くバレリーナたちにとっては大きな挑戦となりました。NYCBで活躍している間にも、ロイヤル・バレエ、パリ・オペラ座バレエなど世界中のトップカンパニーにゲスト出演しました。またテレビ出演も多数ありました。

1977年にヴェルディはNYCBを退団して引退し、パリ・オペラ座バレエの芸術監督に就任しました。オペラ座初の女性芸術監督です。フランス政府の文化行政における変革によって、退任を余儀なくされた彼女は、1980年にアメリカに戻り、1984年までボストン・バレエの芸術監督を務めます。84年からは、インディアナ大学の音楽学部のバレエ学科長となりました。

1965年以降、ヴェルディは振付も行い、彼女の作品は多くのバレエ団で踊られていました。教師として大変優れており、ロイヤル・バレエ、パリ・オペラ座バレエ、オーストラリア・バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエ、ミラノ・スカラ座バレエ、シュツットガルト・バレエ、ハンブルグ・バレエ、ミュンヘン・バレエ、ボリショイ・バレエなどでゲスト教師として活躍しました。また、2008年には、スクール・オブ・アメリカン・バレエが、同校初にして唯一の常任ゲスト教師に彼女を任命しました。

偉大なバレリーナ、そして教師として、ヴェルディは数多くの賞や名誉学位も受賞しています。1975年にはフランス政府より芸術文化勲章シュヴァリエを、そして2008年にはフランスからの最高の栄誉であるレジオンドヌール勲章を受賞しました。

80歳を過ぎても精力的に教師として活躍していた彼女は、的確な教えと人柄の良さで世界中のダンサーたちに愛されており、その死を多くのダンサーたちが悼んで、「エメラルド」の時の彼女の写真をInstagramに掲載しています。

ヴィオレット・ヴェルディの踊りは、最近発売されたDVD「New York City Ballet in Montreal, Vol. 1.」(オルフェウス)「New York City Ballet in Montreal, Vol. 2.」(アゴン)で観ることができます。また、「Violette et Mister B」では、イザベル・ゲランやエリザベット・モーラン、ニコラ・ル=リッシュ、ウラジーミル・マラーホフに教える姿や、彼女の踊りの映像を観ることができます。とても楽しそうに指導する姿を見ているだけで、幸せな気持ちになる映像です。

今頃ヴィオレットは天国でバランシンと再会していることでしょうね。お悔やみ申し上げます。

New York Timesの訃報
http://www.nytimes.com/2016/02/10/arts/dance/violette-verdy-ballerina-with-flair-dies-at-82.html

Violette & Mr. B
https://www.youtube.com/watch?v=RaCpQzkc1ik

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パリ・オペラ座バレエの2016-17シーズン速報

パリ・オペラ座バレエの2016-17シーズンの発表が2月10日の予定ですが、会員宛てに一足先にラインアップが届いたようでTwitterでアップしている方がいました。


(ゲストカンパニー)アメリカン・バレエ・シアター「眠れる森の美女」 ラトマンスキー振付

シーズン・オープニング・ガラ

Sehgal(新作)、ペック「In Creases」、クリスタル・パイト(新作)、フォーサイス「Blake Works」

バランシン「モーツァルティアーナ」「ヴァイオリン・コンチェルト」「ブラームス・シューンベルグカルテット」

チューダー「葉は色あせて」、ミルピエ(新作)

ヌレエフ「白鳥の湖」

(ゲストカンパニー)ドレスデン・バレエ「インプレッシング・ザ・ツァー」(フォーサイス)

マクレガー「Tree of Codes(新制作)

バランシン「真夏の夜の夢」(新制作)

Dimitri Chamblas とボリス・シャルマッツ「A Bras-le-corps(新制作)

パリ・オペラ座バレエ学校公演

カニンガム「Walkaround Time」、フォーサイス「Trio」、「Workwithinwork」

ロビンス「エン・ソル」、バランシン「ラ・ヴァルス」、シェルカウイ「ボレロ」

ベルトー、ブーシェ、ヴァラストロ、ポール (新作)
 オペラ座ダンサーによる振付作品

ラコット「ラ・シルフィード」

ミルピエ、Philippe Parreno (新作)


こちらのプログラミングは、ミルピエが組んだものです。

予想されていた通り、古典全幕はヌレエフの「白鳥の湖」、あとはラコットの「ラ・シルフィード」のみです。全幕が少なく、あとはバランシンの「真夏の夜の夢」がレパートリー入りするのが大きなところでしょうか。

マクレガーの「Tree of Life」、Dimitri Chamblas とボリス・シャルマッツの「A Bras-le-corps」は、それぞれの振付家が自身のカンパニーに振付けた作品です。

また、振付家養成に力を入れると言っていた通り、セバスチャン・ベルトー、ブルーノ・ブーシェ、シモン・ヴァラストロ、ニコラ・ポールという現役ダンサー4人がそれぞれ作品を発表します。ブルーノ・ブーシェはオペラ座の外ではかなり作品を創ってきました。また、ニコラ・ポールについては今までにもいくつかオペラ座に振付けて来た実績があります。

SehgalはおそらくTino Sehgalのことですが、彼は振付家というよりはアーティストとして著名な人。彼の考えた指示をパフォーマーが実行するということをやっているので、オペラ座でどのような作品を創るのかは非常に興味深いところです。

やはりミルピエカラーが濃厚に出ているレパートリーで、シーズン終わりを飾るミルピエの新作が、彼の最後の贈り物となることでしょう。Philippe Parrenoは振付家ではなくアーティストなので、ミルピエとの共同作業ということになるのではないかと思います。

2016/02/07

第44回ローザンヌ国際コンクールの結果(後で追記します)

第44回ローザンヌ国際コンクールの決勝が2月6日に行われ、今結果が出ました。

1位 Yu Hang 中国 Shanghai Dance School 16歳
2位 Madison Young 米国 Houston Ballet Academy 17歳
3位 Vincenzo Di Primo イタリア Vienna State Opera Ballet Academy 18歳
4位 Leroy Mokagtle 南アフリカ Art of Motion South Africa 16歳
5位 Laura Fernandez スイス TAZ Tanzakademie Zürich and Vaganova Ballet Academy St. Petersburg 18歳
6位 中村淳之介 アクリ・堀本バレエアカデミー 16歳
7位 Bai Dinkai 中国 Shanghai Dance School 16歳

エスポワール賞 Kim Danbi 韓国 LeeWon-A Dance Academy

コンテンポラリー賞 Laura Fernandez、Vincenzo Di Primo

ベスト・スイス賞 Laura Fernandez

観客賞 Leroy Mokagtle

日本からは、アクリ・堀本バレエアカデミーの中村淳之介くんが6位に入賞しました。おめでとうございます。「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のフランツのヴァリエーションと、コンテンポラリーは「ソング・フォー・ディエゴ」を踊りました。

決勝を観ていたのですが、観客が最も湧いたのが、このリロイ・モカグトル君でした。柔軟な体、ふわっと浮かぎあがるような跳躍、天性の明るさと華。観客賞に輝いたのも納得です。ガーディアン紙にもインタビュー記事が載りましたが、気温が46度を超える環境の中で、朝6時から練習しているのだそうです。小柄ではあるけれども、非常に目を引きつけられるダンサーなので、将来が楽しみです。

バレエ、千葉の中村さん6位入賞
ローザンヌ国際コンクール
http://this.kiji.is/68801816394155516

16歳中村さんが6位入賞 ローザンヌ国際バレエ
http://www.asahi.com/articles/ASJ2712VCJ26UHBI03J.html

まだ決勝の動画はアップされていませんので、こちらの準決勝の映像へのリンクを貼っておきますね。

http://concert.arte.tv/fr/selections-du-44eme-prix-de-lausanne

ファイナルの動画が上がりました。

ローザンヌ国際コンクールが素晴らしいのは、コンクールの結果だけでなく、ここで素晴らしい教師と出会ったり、素晴らしい仲間と知り合ったり、世界のバレエのレベルを体感できることです。またスカラシップ賞を受賞しなくても、ファイナリストにならなくても、ネットワーキングフォーラムで一流のバレエ学校のスカラシップを獲得できたり、バレエ団のアプレンティス(研修生)として採用される方も多いのです。参加した皆さん一人一人が、ウィナー(勝者)ということになります。輝く未来が待っていますように。

2016/02/06

第44回ローザンヌ国際コンクールの決勝進出者決定

2月5日に準決勝が行われて、ローザンヌ国際コンクールの決勝進出者20人が決定しました。

http://www.prixdelausanne.org/2016-prix-de-lausanne-finalists/

103 Carolyne De Freitas Galvao ブラジル Basileu França
105 Kanon Kimura 木村楓音 服部彩子バレエクラス (2016年NHKバレエの饗宴に出演予定)
106 Makensie Henson オーストラリア Prudence Bowen Atelier
107 Kim Danbi 韓国 LeeWon-A Dance Academy
110 Riley Lapham オーストラリア The Australian Ballet Schoo
113 Erina Yoshie 吉江絵璃奈 服部彩子バレエクラス
123 Fu Yiyang 中国 Shanghai Dance School
126 Yu Hang 中国 Shanghai Dance School
205 Junnosuke Nakamura 中村淳之介 アクリ・堀本バレエアカデミー Swiss Infoの紹介記事と映像
206 Leroy Mokagtle 南アフリカ Art of Motion South Africa Guardianの紹介記事
208 Brayden Gallucci オーストラリア Alegria Dance Studios 
211 Bai Dinkai 中国 Shanghai Dance School
307 Madison Young 米国 Houston Ballet Academy
308 An Sehyun 韓国 Seoul Arts Highschool
311 Silvia Simeone イタリア Tanz Akademie Zürich
314 Laura Fernandez スイス TAZ Tanzakademie Zürich and Vaganova Ballet Academy St. Petersburg リハーサル動画
318 Yume Okano 岡野祐女 John Cranko Schule ジョン・クランコスクール
403 Joao Pedro De Mattos Menegussi ブラジル Tanz Akademie Zürich
409 Kim Seu 金世友 韓国 Australian Ballet School 中日新聞の紹介記事
412 Vincenzo Di Primo イタリア Vienna State Opera Ballet Academy

日本からは、

木村楓音さん
吉江絵璃奈さん
岡野祐女さん
中村淳之介さん
金世友さん

ローザンヌバレエ、準決勝で日本から5人が選出 !

決勝は明日の現地時間午後3時、日本時間は午後11時から行われます。もちろんネット中継もあります。ワクワクしてきましたね。

ファイナルの中継のアドレスはこちらです。
http://concert.arte.tv/fr/finale-du-44eme-prix-de-lausanne

2016/02/05

パリ・オペラ座バレエの芸術監督にオーレリー・デュポンが就任決定

突然浮上したバンジャマン・ミルピエのパリ・オペラ座バレエ芸術監督辞任の件ですが、フランス時間の2月4日15時に記者会見が開かれ、その席上でオーレリー・デュポンが次の芸術監督になることが発表されました。

Benjamin Millepied Out at Paris Opéra, Aurélie Dupont In
http://dancemagazine.com/news/benjamin-millepied-leaves-paris-opera-ballet/

記者会見の模様を、ジャーナリストのLaura Cappelle氏がリアルタイムでツイートしていましたので、それを翻訳したものを載せます。

スティーヴン・リスナー総裁
「数週間にわたり、12月にミルピエと、振付をしながら芸術監督としての活動をすることは可能かどうかについて話し合いました。バレエは進化していますが、このカンパニーは、その伝統と遺産における責任を持っています。辞任は彼が出した結論です。アーティストは創造のための時間が必要です。彼はこのカンパニーに多くのものをもたらしました。新しい組織、新しいヘルスケアのシステム、3rdステージ。そして新しいダンサーを数人育てました」

ミルピエは来週2月10日に、彼が組んだ2016-7年のシーズンを発表します。夏より、オーレリー・デュポンが芸術監督としての仕事を引き継ぎます。リスナーは、ミルピエと彼女の間の継続性について強調しました。

リスナー「彼が就任する前には、芸術上のとあるビジョンを持ったディレクションの時代が20年続きました。監督するということは、ダンサーと共にあるということでもあります。オーレリーは、この劇場のすべてのチーム、技術者なども良く知っています。ここは彼女の家なのです」

ミルピエ「初めてオペラ座に来た時には、私はオーレリーのための作品を創りました」「この機会を得て光栄でした。自分の2シーズンを誇りに思いました。でも私にとって重要なのは創作することです。この仕事の今の形態は、私には合わないものです」 「来シーズン、オペラ座のために振付をします。これが、私のカンパニーに対するお礼となります。オーレリーを選んだのは正しい選択だと思います。未来は明るいと思います」

デュポン「私は今日とても幸せです。そして少し驚いています」(ミルピエに献辞をする)

「私はこのカンパニーのためにあふれるばかりの情熱を持っています。私はここに32年もいたのですから。続けて行きますし、バンジャマンがやったことも続けて行きます。私は最善を尽くすと約束します。ある時点で自分に言い聞かせました。私ならできる。自分のホームなのですから」
「私はパリ・オペラ座のダンサーが好きです。彼らは素晴らしいです。オペラ座はクラシックバレエのカンパニーだけど、コンテンポラリーも踊ります。私にとって、その逆はあり得ません」

ミルピエは記者からの質問には答えずノーコメント

リスナー「ミルピエの決断は、振付家との活動とカンパニーを運営することを両立させるむずかしさから下されました」

デュポン「私には振付家の才能はありませんし、創作はしません」(質問に答えて)

デュポンのパリ・オペラ座との契約の期間は定め無し。(ミルピエの場合もそうでした)

デュポン「これはオペラ座バレエとのラブストーリーです。入団する時に一度魂を失ってしまいます。物事を変えるには時間がかかりますし、私は時間をかけて行こうと思います」「一シーズンに13プロダクションあって、古典作品が2作品しかないのは足りません」(来シーズンは古典作品は2作品の予定)

デュポン、昨年メートル・ド・バレエとしての契約締結を拒んだ件について「この二つのことは全く別のことです」

リスナー「この決定と発表は、取り急ぎ行ったものでは全くありません」「ミルピエを任命したことについては後悔はありません。彼が去るのは早すぎるかもしれませんが、他の人は辞めるのが遅すぎました」他の候補について聞かれて「もちろん、他の人も考えました(でも具体的な名前は差し控えた)。前回と異なり、継続性が最優先課題となりました」

リスナー、ミルピエの始めたデジタルプラットフォーム3rd Stageについて聞かれて。「私の戦略の一つです。継続します。ただし、新しい芸術監督を迎えて、より音楽/オペラに重点を置いたものとなるかもしれません」

オーレリー・デュポンの就任についてはまだ書かれていませんが、ニューヨークタイムズの記事が興味深いのでご紹介します。
Benjamin Millepied to Step Down From Paris Opera Ballet
http://www.nytimes.com/2016/02/05/arts/dance/benjamin-millepied-paris-opera.html?smid=tw-nytimesarts&smtyp=cur

問題となったカナルプリュスの番組とフィガロのインタビューでは、昇進コンクールと厳しいヒエラルキーシステム、またパリ・オペラ座学校での教育も批判し、パリ・オペラ座は人種的に多様であるべきと強く主張し、クラシックの技術が十分でないと言っていたとのことです。

ミルピエの施策の一つとして、ウィリアム・フォーサイスをオペラ座のアソシエイト振付家に任命し、またフォーサイスを新しい振付家、音楽家、演出家や歌手を含む芸術アカデミーにも関わらせるようにしました。今回の辞任劇に対して、フォーサイスは、自分の契約が一年契約であること、そしてミルピエが去った後には自身も去ると語りました。「バレエカンパニーは変化するものです。伝統ある組織は変わりませんが」メールでコメントを書きました。

また、5日に初日を迎える新作を振付けたジェローム・ベルは、ミルピエの委嘱を受けた理由は、この組織を再生させるという考えを信じたからだと、電話インタビューで語りました。「オペラ座のダンサーが肉体や精神によって、質問をし始めることもできないようなアイディアをを統合させることを見るのは、非常に興味深いものでした。ここでは君主制のようなやり方になっていて、問題を提起することができるような民主的なシステムではありません」ベルは、これらの問題について語った、作品のプログラムのための文章は掲載されなかったとも付け加えました。「別にかまいませんが、もし批判が許されないのなら、進歩はないと思います」

この記事にはミルピエのコメントもあります。振付活動に専念し、ロサンゼルスに戻るために辞任すると語ってます。そして結果的にオペラ座での仕事は自分が求めるものではなかったとも。


さて、生粋のオペラ座育ちであるオーレリー・デュポンは、オペラ座をどのように運営していくのでしょうか。今回の件でもわかったように、オペラ座は巨大な組織で、芸術監督一人の力ではどうにもならないところも多々あるようです。

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2016/02/04

エトワール・ガラ2016のプログラム

エトワール・ガラ2016のプログラムが発表されています。5回目を迎えるとは素晴らしいですよね。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala.html

注目は、「月夜に煌めくエトワール」での上演が実現しなかった『失われた楽園』 *世界初演、大石裕香さんの振付作品、エルヴェ・モロー&オードリック・ベザールの『プルースト――失われた時を求めて』より“モレルとサン=ルー”でしょうか。なかなか観られない、リアム・スカーレットやクリストファー・ウィールドン、さらにティアゴ・ボァディンの作品などもあって、非常に興味深いです。

エトワール・ガラのプロデュースで経験を積んだバンジャマン・ペッシュが、パリ・オペラ座ではミルピエの右腕として働き、次の芸術監督が決まるまで芸術監督を代行するということも、すごいことです。

【Aプログラム】
『グラン・パ・クラシック』
振付:ヴィクトル・グゾフスキー
音楽:フランソワ・オーベール
出演:ローラ・エケ&オードリック・ベザール

『シンデレラ・ストーリー』
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

『This Bitter Earth』
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:マックス・リヒター/クライド・オーティス
出演:エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール

『プルースト――失われた時を求めて』より“モレルとサン=ルー”
振付:ローラン・プティ
音楽:ガブリエル・フォーレ
出演:エルヴェ・モロー&オードリック・ベザール

『失われた楽園』 *世界初演
振付:パトリック・ド・バナ
音楽:アルヴォ・ペルト
出演:マチュー・ガニオ&エルヴェ・モロー

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン

『感覚の解剖学』
振付:ウェイン・マクレガー
音楽:マーク=アンソニー・タネジ
出演:ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン

『スターバト・マーテル』
振付:バンジャマン・ペッシュ
音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ
出演:ドロテ・ジルベール&バンジャマン・ペッシュ

『パ・ド・デュー』
振付:ジーン・ケリー  監修:クロード・ベッシー
音楽:ジョージ・ガーシュイン
出演:エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ

『Sanzaru』
振付:ティアゴ・ボァディン
音楽:フィリップ・グラス
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

『アザーダンス』
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:フレデリック・ショパン
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ
ピアノ:久山亮子

【Bプログラム】
『シンデレラ』
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ

『病める薔薇』
振付:ローラン・プティ
音楽:グスタフ・マーラー
出演:エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール

『With a Chance of Rain』
振付:リアム・スカーレット
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
出演:ローラ・エケ、ドロテ・ジルベール、エルヴェ・モロー、マチュー・ガニオ
ピアノ:久山亮子

『クローサー』
振付:バンジャマン・ミルピエ
音楽:フィリップ・グラス
出演:エレオノラ・アバニャート&エルヴェ・モロー
ピアノ:久山亮子

『See』
振付:大石裕香
音楽:アルヴォ・ペルト
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

『人魚姫』
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:レーラ・アウエルバッハ
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

『ランデヴー』
振付:ローラン・プティ
音楽:ジョゼフ・コスマ
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&バンジャマン・ペッシュ

『三人姉妹』
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&オードリック・ベザール

『ロミオとジュリエット』
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
出演:ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン

『シルヴィア パ・ド・ドゥ』
振付:ジョージ・バランシン
音楽:レオ・ドリーブ
出演:ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン


※上演順での記載ではございません。
※ピアノ演奏者の記載のない演目は録音を使用いたします。

エレオノラ・アバニャート(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
アマンディーヌ・アルビッソン(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
ドロテ・ジルベール (パリ・オペラ座バレエ エトワール)
ローラ・エケ(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
バンジャマン・ペッシュ(パリ・オペラ座バレエ エトワール) 
マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
エルヴェ・モロー(パリ・オペラ座バレエ エトワール) 
オードリック・ベザール(パリ・オペラ座バレエ プルミエ・ダンスール)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ プルミエ・ダンスール) 
シルヴィア・アッツォーニ(ハンブルグ・バレエ プリンシパル) 
アレクサンドル・リアブコ(ハンブルグ・バレエ プリンシパル)

久山亮子(パリ・オペラ座バレエ 専属ピアニスト)

公演日程

2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演

チケット
S¥17,000 A¥13,000 B¥9,000(税込)
◆S席セット券 ¥32,000(税込) ※Aプロ・Bプロ同時にご購入の場合のみ

※5歳以上は入場可。ただし、お一人様1枚チケットが必要です。
※セット券は各プログラム毎に公演日をお選びいただけます。
※セット券は限定数、Bunkamuraチケットセンターのみでのお取扱い。予定枚数に達し次第、販売を終了いたします。

MY Bunkamura先行販売
2016/02/25(木)

先着制

※セット券は、MY Bunkamura先行販売、一般販売ともにオンライン販売はございません。
 お電話での受付のみとなります。
※電話番号ほか詳細は、2月中旬以降に配信予定のメールマガジンでお知らせいたします。

《セット券のご予約方法について》
※セット券は【電話のみの受付】となります。(他注意事項はBunkamuraサイトをご確認ください)

一般発売

2016/03/06(日)

チケット取扱い

<Bunkamuraでのお申込み>

Bunkamuraチケットセンター<10:00~17:30>
03-3477-9999

Bunkamuraチケットカウンター<Bunkamura1F 10:00~19:00>
東急シアターオーブチケットカウンター<渋谷ヒカリエ2F 11:00~19:00>

※発売初日<3/6(日)>はチケットカウンター(店頭)でのお取扱いはございません。

お問合せ

Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>

マウロ・ビゴンゼッティは正式にミラノ・スカラ座の芸術監督に就任

マハール・ワジーエフがボリショイ・バレエの芸術監督に就任して空席となったミラノ・スカラ座の芸術監督の座。マウロ・ビゴンゼッティが有力であるという報道がありましたが、このほど2月1日月曜日に、正式に彼が就任することが発表されました。

Mauro Bigonzetti to Direct La Scala Ballet
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2016/02/02/mauro-bigonzetti-to-direct-la-scala-ballet/?smid=tw-nytimesarts&smtyp=cur

55歳のビゴンゼッティの有力な対抗馬は、ローラン・イレールと、現スカラ座エトワールのロベルト・ボッレだったそうです。その中で、コンテンポラリーの振付家が芸術監督に決まったということは、今までクラシック作品中心だったカンパニーの方向性が大きく変わる可能性を示唆しています。

ビゴンゼッティの作品は、スカラ座のほか、シュツットガルト・バレエ、ENB、ボリショイ・バレエ、アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター、そしてNYCBにて上演されてきました。NYCBでは、今まで彼の作品が4作品上演されています。

ミラノ・スカラ座は伝統と格式のある大きなバレエ・カンパニーであり、今まで小規模なアテルバレットの芸術監督だったビゴンゼッティがどのような腕を振るえるのかは未知数です。また、ダンサーの一部はこの就任に反対しているようです。ミルピエのように失敗しなければ良いのですが。

バンジャマン・ミルピエ、パリ・オペラ座バレエ芸術監督を辞任か?

2014年秋にパリ・オペラ座バレエ史上最年少の芸術監督に就任したバンジャマン・ミルピエ。一部に批判がありつつも、よりアメリカ的なレパートリーを多く導入しました。またエトワールではなく下のランクからの積極的な起用、将来における昇進試験の廃止、様々なアートの分野のアーティストとコラボレーションした映像プラットフォーム3e Stage、ダンサーの健康面に配慮して床を改善させたりフィジオテラピーを強化するなど、いろいろな改革を打ち出していました。

しかしここにきて、Paris Match誌で、爆弾的なニュースが掲載されています。

Benjamin Millepied sur le depart
http://www.parismatch.com/Culture/Spectacles/Benjamin-Millepied-sur-le-depart-907585

パリ・オペラ座バレエは、来シーズンのレパートリーを発表するため、2月10日に記者会見を行う予定です。その際に辞任の件が発表になるようです。→2/4(木)15時より記者会見が行われます。

辞任の理由はまだはっきりしていません。いくつかの噂があり、一つは、妻で女優のナタリー・ポートマンがアメリカで女優業を行いたいという希望があること。また、オペラ座バレエにおいては組織上の問題があって意思決定がしにくいこと。ミルピエの立場では、振付と芸術監督業の両方を求められていたのですが、もっと自分の思い通りに行いたい、L.A.ダンスプロジェクトでの仕事を行いたいのではないかという推測もあります。ただこれはまだ推測に過ぎません。

2016-7シーズンについては、ミルピエが、別れのしるしとして2作品、新作を発表するとのことです。

有名女優を夫に持つ若き芸術監督ということで、ミルピエのメディア露出は非常に高かったのですが、オペラ座側は、必ずしもそれを喜ばしいことと考えておらず、特に12月にカナル・プリュスが製作したドキュメンタリーは不興を買ったようです。ただ、New York Times等は彼のプログラミングを評価していたようでした。辞任の時期については、おそらく今シーズン末を待たない、即時になるのではないかということのようで、後任探しは喫緊の課題となります。

なお、ミルピエの新作La nuit s’achèveを含むトリプルビル「Tombe(ジェローム・ベル新作)」、「La nuit s’achève」、「ゴールドバーグ・ヴァリエーション(ジェローム・ロビンス)」は2月5日が初日です。また、2月20日は、バンジャマン・ペッシュのさよなら公演で、特別に「ル・パルク」と「イン・ザ・ナイト」が彼の出演により上演されます。

こちらのダンスキューブのバンジャマン・ペッシュのインタビューは大変興味深いものです。ペッシュは現在、ミルピエの右腕としてアーティスティック・コラボレーターという肩書で働いています。今後の彼の立場はどのようなものになるのでしょうか。
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1601b.html

追記:ペッシュは、後任が決まるまで芸術監督代行を務めるようです。

<追記>
明日、ステファン・リスナー総裁がこの件について記者会見を行います。ミルピエの辞任はほぼ確実のようです。

フィガロ紙の記事
http://www.lefigaro.fr/culture/2016/02/03/03004-20160203ARTFIG00344-opera-de-paris-benjamin-millepied-sur-le-depart.php

ミルピエはその知名度の高さで、彼の振付けた作品については観客動員は非常に良かったとのことです。したがって、芸術監督の座を離れても、オペラ座の振付家として引き続き活動を続ける可能性はあるかもしれません。オープニングガラでは、多額の寄付金を集めることにも成功しました。1年に新作を10本上演するという意欲は素晴らしかったと評価されていました。しかしながら、あまりに急にやり方を変えてしまったため、ダンサーたちからの不満はかなりあったようです。記者会見は明日フランス時間午後3時からだそうです。

<さらに追記>
わかりやすい英語の記事が出ていたので、ご紹介します。
Millepied 'to quit' Paris ballet: reports
http://www.france24.com/en/20160203-millepied-quit-paris-ballet-reports

やはり、昨年クリスマス前に放映されたカナルプリュスのドキュメンタリーが問題視されていたようです。この番組の中では、オペラ座のバレエはきわめて保守的で、ヒエラルキー主義的で、内部競争に取りつかれていると主張していました。そして自分たちが名乗るほどの素晴らしいカンパニーではなく、公演は時々「非常に退屈で壁紙のよう」だと語りました。ダンサーたちに、コンテンポラリーを踊るときと同じくらい、クラシックでも自分を解き放つようにしなさいとアピールし「これは楽しくないのか?」と叫んでいる様子が映し出されました。しかし、そのような欠点がありながらも、オペラ座は「世界でおそらく最も素晴らしいモダンダンスのカンパニー」だと語っていました。

一方、ミルピエの妻であるナタリー・ポートマンは、夫のオペラ座芸術監督就任に伴い、4歳になる息子と共にパリに引っ越しました。彼女の初めての監督作「A Tale of Love and Darkness」は昨年のカンヌ国際映画祭で上映されました。しかし、彼女は、ハリウッドでのキャリアを再始動させたいと思っており、ジャクリーン・ケネディの伝記映画に主演する契約を結んだところです。


<追記>
こちらのルモンドの記事には、カール・パケット、ステファン・ビュリヨンという二人のエトワールからのコメントがあります。

Benjamin Millepied sur le départ à l’Opéra de Paris ?
http://www.lemonde.fr/culture/article/2016/02/04/benjamin-millepied-va-t-il-quitter-l-opera-de-paris_4858949_3246.html

本日の午後3時(日本時間夜11時)の記者会見の一時間前に、オペラ座のダンサーたちに正式な説明が行われる予定です。

「私たちは、記事によってミルピエが辞任することを知りました」とカール・パケットは語りました。「でも、これはきっと起きることだろうと少し前から思っていました」

ステファン・ビュリヨンがこのように付け足しました。「12月からバレエ団内の空気は波乱に富んでおり、その嵐は去っていません」

カナルプリュスの番組で、ミルピエはこのように語りました「オペラ座は世界で最も優れたバレエ団であるべきです。オペラ座の素晴らしさって実際のところなんですか?このバレエ団が踊っている方法には自分は満足していません。本当の素晴らしさが観たい」そしてこのように結論付けました。オペラ座は、クラシックバレエにおいてはベストではないけど、コンテンポラリーランスでは一番だと。

さらに、12月18日のフィガロ紙で、ミルピエはオペラ座バレエの批判を続けました。「ラ・バヤデール」の影の王国について彼はこのように批判したのです。「ダンサーは、表現するために存在しているのであって、壁紙の模様のように存在しているだけではだめだ」また、クラスレッスンへの参加は、週5回参加すべきであって、2,3回ではいけないとも語りました。また、若いダンサーに向けては、起業家精神を持つべきであって、たとえばソーシャルネットワークを使っての資金調達の方法、キャリアを管理することが必要であると推奨しました。

これらの発言に対して、ダンサーたちの怒りがさく裂しました。カール・パケットは次のように語っています。「ミルピエがオペラ座のダンサーたちに見せている不敬な態度、オペラ座バレエを貶めている様子を示したこの記事を読んでショックを受けました。私はこの劇場で30年間踊ってきました。パリ・オペラ座を愛しています。この6か月間、こんなに不快に思ったことはありませんでした。だが、この記事は、彼が退任することを示唆しているとも感じました」
実際、この記事の中で、ミルピエは、「ここで達成できなければ、他の場所で実現させます」と語っています。


彼の仕事の補佐をする人は誰でしょう。メートル・ド・バレエのクロチルド・ヴァイエは病気のため、長いこと出勤していません。彼女の後任となるはずだったオーレリー・デュポンは結局、この仕事に就くことを断りました。公式にはミルピエのチームは結成されていませんが、彼の仕事の補佐は、現在バンジャマン・ペッシュが行っています。妻のポートマンは「パリでは安全だと感じていません」と語っており、オペラ座の仕事にはタッチしていません。
(以上、ルモンドの記事の引用)

2016/02/02

バレエ界を舞台にしたドラマ「フレッシュ・アンド・ボーン」がAmazonプライム・ビデオにて、2月1日より配信

以前、こちらのサイトでも紹介した、バレエ界を舞台にしたドラマ『フレッシュ・アンド・ボーン』
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2015/09/flesh-and-bone-.html

こちらが、、Amazonプライム会員向けに提供している見放題・映像配信サービス 「プライム・ビデオ」 にて、2月1日(月)より独占配信されることになりました。

プレスリリース
http://www.dreamnews.jp/press/0000126208/

Photo
(C) 2015 Starz Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

http://www.amazon.co.jp/dp/B01B3GR3N6/ref=cm_sw_r_tw_dp_x54Rwb0TGMJP3

『フレッシュ・アンド・ボーン』は、ニューヨークの一流バレエ団に入団した若きダンサーを通して、華やかなバレエ界の厳しい舞台裏を描いたヒューマンドラマです。

『ブレイキング・バッド』で壮絶な人間ドラマを描き、3度エミー賞を受賞している脚本家のモイラ・ウォリー・ベケットが、本作では華やかなクラシックバレエ界の裏側の世界を描き、これまでのバレエ物語とは一線を画する作品と注目を集めています。

主役のバレリーナ役を、ドレスデン・バレエのドゥミ・ソリストであるサラ・ヘイが演じ、彼女の迫真の演技力も高く評価され、第73回ゴールデングローブ賞のミニシリーズ・テレビ映画部門にて主演女優賞にノミネートされたほか、第6回放送テレビ批評家協会賞と第19回サテライト・アワードでも主演女優賞にノミネートされています。

この他に、元ABTで、映画「センター・ステージ」にも出演したサシャ・ラデツキー、ABTのプリンシパルだったイリーナ・ドヴォロヴェンコ、元マイアミ・シティ・バレエで「アメリカン・ダンス・アイドル」で活躍したアレックス・ウォン、そしてデンマーク・ロイヤル・バレエのカーリング・タルコットら、現役のバレエダンサー中心のキャストとなっています。

内容はかなりダークなものとなっていて暴力的な描写もあり、一部ではステロタイプ的である、バレエの負の側面を強調しすぎていると、特にバレエファンからは批判を浴びた作品でした。ただし、出演者はほとんどがプロのバレエダンサーであるため、ダンスシーンは本格的であること、サラ・ヘイがゴールデングローブ賞にノミネートされるほどの迫真の演技をしたことは高く評価されていました。

『フレッシュ・アンド・ボーン』 原題:FLESH AND BONE シーズン1  作品概要

『ブレイキング・バッド』の脚本家モイラ・ウォリー・ベケット 最新作
第73回ゴールデングローブ賞  ミニシリーズ テレビ映画部門 主演女優賞(サラ・ヘイ)ノミネート
第6回放送テレビ批評家協会賞 TV映画/ミニシリーズ部門 主演女優賞(サラ・ヘイ)ノミネート
第19回 サテライト・アワード ミニシリーズ・テレビ部門 主演女優賞(サラ・ヘイ)ノミネート

ニューヨークの一流バレエ団に入団した若きダンサー、クレアを通して、華やかなバレエ界の厳しい舞台裏を描く。つらい過去を背負い、ニューヨークの一流バレエ団に入団した若きダンサー、クレア。本作は果敢にも、華麗なバレエ界のダークな舞台裏に切り込み、複雑なストーリーを展開していく。性的虐待を受けて心に傷を抱えたクレアは、並外れた才能と野心を持ちながら、自己破壊傾向をコントロールできない。芸術監督の気まぐれな謀略。過去からの招かれざる訪問者。はやり立つ野心と苦悩の狭間で、クレアは衝動的な行動を繰り返していく・・・。

エグゼクティブ・プロデューサー:モイラ・ウォリー・ベケット
出演:サラ・ヘイ 『ブラック・スワン』、ベン・ダニエルズ 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
エミリー・タイラ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ

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ロイヤル・バレエの来日公演キャスト変更/地方公演のキャスト

英国ロイヤル・バレエの来日公演、当初バレエの祭典会員向けに来ていた案内からの、「ロミオとジュリエット」のキャスト変更が出ていました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/2016-6.html

<変更前>
ロミオとジュリエット
6/16(木)18:30 ローレン・カスバートソン、フェデリコ・ボネッリ
6/17(金)18:30 ナタリア・オシポワ、マシュー・ゴールディング
6/18(土)13:00 サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ
6/18(土)18:00 マリアネラ・ヌニェス、ティアゴ・ソアレス
6/19(日)13:00 ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー

<変更後>
ロミオとジュリエット
6月16日(木)6:30p.m. ローレン・カスバートソン&フェデリコ・ボネッリ
6月17日(金)6:30p.m. ヤーナ・サレンコ&スティーヴン・マックレー
6月18日(土)1:00p.m. サラ・ラム&ワディム・ムンタギロフ
6月18日(土)6:00p.m. ナターリヤ・オシポワ&マシュー・ゴールディング
6月19日(日)1:00p.m. マリアネラ・ヌニェス&ティアゴ・ソアレス

というわけで、オシポワ&ゴールディング、サレンコ&マックレー、ヌニェス&ソアレスの出演日が変更となっていますので、ご注意ください。

「ジゼル」は当初予定から変更はありません。

6月22日(水)7:00p.m. マリアネラ・ヌニェス&ワディム・ムンタギロフ
6月24日(金)7:00p.m. ナターリヤ・オシポワ&マシュー・ゴールディング
6月25日(土)2:00p.m. サラ・ラム&スティーヴン・マックレー
6月26日(日)2:00p.m. ローレン・カスバートソン&フェデリコ・ボネッリ

◆会場:東京文化会館

◆入場料
S=¥25,000 A=22,000 B=¥19,000 C=¥15,000 D=¥11,000 E=¥8,000

◆NBS WEBチケット先行予約(座席選択 S~D席) 2/22(月)21:00~2/25(木)18:00 

◆一斉発売開始 2016年2月27日(土)10:00~


あと、福山での公演も予定されています。
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/r-rose/59815.html

福山市市制施行100周年記念協賛 
■ 英国ロイヤル・バレエ団日本公演『ジゼル』

2016年7月6日(水)18:30開演(17:45開場)
ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ

バレエ:英国ロイヤル・バレエ団
アルブヒト役:スティーヴン・マックレー

→こちらのキャストも変更になっています。
http://machi.jpubb.com/press/625758/
ジゼル:ラウラ・モレーラ
アルブレヒト:ニーマイア・キッシュ


愛知公演のキャストも発表になっています。
https://hicbc.com/event/nimf/39th/20160703/

2016年7月3日(日) 【開場】12:45 【開演】13:30
愛知県芸術劇場大ホール
「ロミオとジュリエット」
ジュリエット:サラ・ラム
ロミオ:スティーヴン・マックレー

愛知公演は、すでにチケットはかなり売れているようですね。


兵庫公演のキャストも発表されています。
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/top.html

2016年7月1日(金)6:30PM開演
KOBELCO大ホール公演
英国ロイヤル・バレエ団「ジゼル」

ジゼル:マリアネラ・ヌニェス(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)
アルブレヒト:ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/html/01_shousai/4280811309_0000000001.html

■芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
 (10:00AM‐5:00PM/月曜休み ※祝日の場合翌日)

■チケット取扱いプレイガイド
○チケットぴあ/0570-02-9999[Pコード:447-440]
○ローソンチケット/0570-000-407(オペレーター対応)・0570-084-005[Lコード:54095]
○イープラス(パソコン・携帯電話)


福岡公演
英国ロイヤル・バレエ団「ジゼル」
http://www.kbc.co.jp/event/detail.html?id=120
http://eplus.jp/sys/T1U14P002177901P0050001
2016年06月29日(水)午後6時30分開演(午後5時45分開場)
【会 場】福岡サンパレス ホテル&ホール
【料 金】S席:24,000円/A席:21,000円/B席:18,000円/C席:15,000円(税込)
     ※未就学児童入場不可 チケット好評発売中!
ジゼル:ラウラ・モレーラ
アルブレヒト:ニーマイア・キッシュ
演奏:大阪交響楽団

2016/02/01

Zarely オンライン バレエ・ガラ の上演作品と出演時間

Zarély Online Gala of Starsの上演作品と出演時間が発表されていたので、追記しますね。

視聴サイト http://www.zarely.co/

https://www.facebook.com/zarelywear/

https://www.facebook.com/events/1702392676639496/

アーカイブは全編視聴可能です。

(日本時間表記です)

<第一部>

2/1 午前2:00  Mateo Klemmayer (ZarélyのCEOでガラの芸術監督、元サンフランシスコ・バレエ)より挨拶

2:20 デニス・チェレヴェチコ、橋本清香 (ウィーン国立バレエ) 「ドン・キホーテ」、インタビュー、視聴者からのQ&A

2:40 マイア・マッカテリ、アルトゥール・シェステリコフ (オランダ国立バレエ) In Light And Shadows (クリストフ・パストール振付)、インタビュー、視聴者からのQ&A

3:00 ヤーナ・サレンコ、マリアン・ワルター (ベルリン国立バレエ) 「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ インタビュー、視聴者からのQ&A

3:20 サンフランシスコ・バレエのプリンシパルによるインタビューと映像 ヤンヤン・タン、ヴァネッサ・ザホリアン、ダヴィッド・カラペティアン、ルーク・インガム、フランシス・チュン、タラス・ドミトロ、ドリス・アンドレ、ジョセフ・ウォルシュ、パスカル・モラ、ティート・ヘリメッツ(サンフランシスコ・バレエ)

3:30 サンフランシスコ・バレエのダンサーたちによる対談と映像

3:45 米国でトップのコンディショニング、リハビリトレーナー、Lisa Giannoneと、米国トップカンパニーのプリンシパルたちによる対談

4:00 第一部終了

<第二部>

5:20 Mateo KlemmayerとLisa Giannoneによる挨拶

5:40 リア・シリオ、ポール・クレイグ、パウロ・アライス (ボストン・バレエ) 「バッハ組曲 パ・ド・ドゥ」(ヨルマ・エロ振付) インタビュー、視聴者からのQ&A

6:00 ソニア・ロドリゲス、江部直哉 (ナショナル・バレエ・オブ・カナダ) 「ロミオとジュリエット」寝室のパ・ド・ドゥ (アレクセイ・ラトマンスキー振付) インタビュー、視聴者からのQ&A

6:20 アナ・ソフィア・シェラー(NYCB)、ニコライ・ゴロディスキー(ペンシルベニア・バレエ) 「海賊」パ・ド・ドゥ インタビュー、視聴者からのQ&A

6:35 ゴンザロ・ガルシア (NYCB) Brubeck Solo (ラー・ルヴォビッチ振付) インタビュー、視聴者からのQ&A

6:50 ジェームズ・ホワイトサイド (ABT) James Whiteside Acceptance Solo (Jack Ferver振付) インタビュー、視聴者からのQ&A

7:05 アンバー・スコット、タイ・キング・ウォール (オーストラリア・バレエ) 「眠れる森の美女」パ・ド・ドゥ (デヴィッド・マッカリスター振付)

7:25 Mateo Klemmayerによる閉会のあいさつ

質問は、このガラのFacebookページ、InstagramTwitterで受け付けているとのことで、それらの質問に、出演者がこの番組で応えてくれるそうです。ハッシュタグ#‎dancezarelylivegala‬

なお、こちらのガラは後日もオンラインで視聴できるようになるとのことです。

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