BlogPeople


2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 2015年のバレエ界の出来事 | トップページ | 第16回マリインスキー国際フェスティバル/フィリップ・スチョーピン昇進 »

2016/01/07

マッツ・エックの引退ツアー、そして引退後の作品封印/追記

シルヴィ・ギエムのさよならツアーLife in Progressで、彼女が踊ったマッツ・エック振付「Bye」に涙した方は多かったと思います。

数々の傑作を生みだしてきたマッツ・エック。そのエックが、70歳になったのを機に、振付家としての活動に終止符を打ち、それと同時に彼のすべての作品の上演権を各カンパニーから引き揚げ、封印することも宣言しました。この決断は2年前に下したそうです。

フィガロ紙の記事(フランス語)
http://www.lefigaro.fr/musique/2016/01/05/03006-20160105ARTFIG00175-mats-ek-le-choc-des-adieux.php

パリ・マッチの記事(フランス語)フィリップ・ノワゼット氏によるインタビュー。
http://www.parismatch.com/Culture/Spectacles/Chroregraphie-La-derniere-danse-de-Mats-Ek-890115

インタビューにはバイクに乗って颯爽と現れるなど若々しいエックですが、「50年間も踊ってきて、周りに引退しろと言われる前に辞めることを決断した。人生は作品よりも長い」と語っていました。

エックは、「From Black to Blue」と題したツアーをパリのシャンゼリゼ劇場で1月6日よりスタートさせました。「She Was Black」はドレスデン・バレエによって、「Solo for Two」はリヨン・オペラ座バレエのDorothée Delabieと、スウェーデン王立バレエのOscar Salomonssonによって踊られます(シルヴィ・ギエムのために振付けられた「スモーク」のリメイク)。そして新作「Axe」は彼の長年のミューズ、アナ・ラグーナと Yvan Auzelyが踊ります。60代のダンサーふたりによる、自分自身の中に閉ざされ、相手に心を閉ざしたカップルを描いた愛と哀しみに満ちた作品だそうです。

作品を封印する理由として、エックは自分が完璧主義者なので、自分が振付指導にかかわっていない形での上演は認められられない、と語っています。今回のツアーは、「ジゼル」など一つの代表作を上演するのではなく、様々な年代に初演された作品を上演し、最後に、新作で締めくくりたい、それも30年間彼にインスピレーションを与えつづけたダンサーたちによる上演で、とのことです。


自分が振付指導にかかわっていない作品の上演を許したくないという振付家の気持ちはわかりますが、彼の素晴らしい作品が観られなくなるのは本当に残念です。上記インタビュアーも語っていますが、ダンス界にとっては大きな損失です。

東京バレエ団とシルヴィ・ギエムによる「カルメン」、ギエムの「Bye」、オペラ座の「アパルトマン」、昨年の横浜バレエフェスティバルで一部上演された「眠れる森の美女」など、実際にライブで観られた作品は少なかったのですが、貴重な体験でした。

エックの作品はいくつかDVD化されているので、これらを通して彼の世界に触れるしかなくなります。

シルヴィ・ギエム「BYE」アジュー [DVD]シルヴィ・ギエム「BYE」アジュー [DVD]

日本コロムビア 2013-10-23
売り上げランキング : 5577

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
マッツ・エック振付 アダン:ジゼル [DVD]マッツ・エック振付 アダン:ジゼル [DVD]

Naxos Japan 2009-11-25
売り上げランキング : 175617

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
Juliet & Romeo [Blu-ray] [Import]Juliet & Romeo [Blu-ray] [Import]
Tchaikovsky

C Major 2014-03-31
売り上げランキング : 122323

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


追記:
スウェーデン王立バレエの児玉北斗さんに教えていただいたことによりますと、まだ作品上演の契約が残っている作品については、すぐに封印されるわけではないとのことです。

スウェーデン王立バレエでは、木田真理子さんにブノワ賞をもたらした「ジュリエットとロミオ」を、3月にストックホルムで、6月にワシントンDCとオレンジカウンティで上演するとのことです。

ケネディセンターでの上演
http://www.kennedy-center.org/calendar/event/BQBSH


さらに追記
New York Timesに新しい記事が出ました。
Mats Ek, the Swedish Choreographer, Says His Goodbye Isn’t Quite a Farewell

この記事のインタビューでエックが語ったことによれば、これから2年間は公演を行わず、作品の権利を売ることもない。これは、何も予定がないという状態がどんなものなのか経験してみたいのでそうしたとのことです。「この2年が経った後で、舞台芸術の世界に戻ってきたいと思えばそうするし、そう思えなかったら辞める」と考えているそうです。

また、ダンスカンパニーから彼の作品を引き揚げるという決断は最終的なものではないと加えています。今までは世界中で上演される自分の作品をすべて見ようとしていたので、完全な休息がしたいとのことです。

上記スウェーデン王立バレエで「ジュリエットとロミオ」が上演されるほか、エック自身も、今後数か月の間に一度、ストックホルムでアナ・ラグーナと2つのパ・ド・ドゥを踊る予定があるそうです。

« 2015年のバレエ界の出来事 | トップページ | 第16回マリインスキー国際フェスティバル/フィリップ・スチョーピン昇進 »

バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2015年のバレエ界の出来事 | トップページ | 第16回マリインスキー国際フェスティバル/フィリップ・スチョーピン昇進 »