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2016/01/15

東京シティ・バレエ団「L'heure bleue」イリ&オットー・ブベニチェク トークイベント

東京シティ・バレエ団は、『ダブル・ビル』として、ウヴェ・ショルツ振付の「ベートーヴェン交響曲7番」と、イリ・ブベニチェク振付「L'heure bleue」という2作品を1月30日、31日に新国立劇場 中劇場にて上演します。

http://www.tokyocityballet.org/schedule/schedule_000009.html

「L'heure bleue(ルール・ブルー)」は日本初演で、弦楽曲にのった美しいビジュアルと軽快でウィットに富んだダンスによる作品とのことです。東京シティ・バレエ団のために、初演より多くの追加振付を行ったバージョンとなっています。


振付指導のために12月中旬から来日しているイリ・ブベニチェクと、衣装、舞台装置、振付助手をしているオットー・ブベニチェクのトークイベントがありました(通訳は芸術監督の安達悦子さん)。

途中、東京シティ・バレエの5人のダンサー(土肥靖子さん、岡博美さん、清水愛恵さん、平田沙織さん、榎本文さん)による実演もありました。(イリによる指導も少し)

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日本とのつながり

イリ・ブベニチェク「16歳の時に初めて来日しました。チェコの振付家に頼まれて、振付のコンクールのための来日で、オットーと一緒でした。その時の審査員にジョン・ノイマイヤーがいて、私たちに興味を持ってくれたのです。キャリアのスタートを日本でできてとても感謝しています。今回が20回目の来日となります。ハンブルグ・バレエでの来日の時には、初めて来たときには6週間のツアーで、プリンシパルになる前でしたが「幻想 白鳥の湖のように」などたくさんの作品を踊りました。また、エトワール・ガラではバンジャマン・ペッシュに招かれて3回来日しています。自分たちの作品をこのガラで紹介できました。そして2013年には、自分たちの作品を踊る企画(「ブベニチェク・ニューイヤー・ガラ」)を開催し、振付家としての出発をすることもできました」


「L'heure bleue」について

「今回は、ゲストとしてではなく、日本のカンパニーに振付を行うという初めての経験で、重要な第一歩として重視しています。ローザンヌ国際コンクールの40周年の時に、芸術監督の安達悦子さんに初めて会って何回か意見交換を行いました。ちょうど、ショルツの「ベートーヴェン交響曲7番」を上演するというので、ダブル・ビルに作品を提供してくれないかと依頼されました。(安達さん「依頼したら快く引き受けてくださいました) いくつか作品を見せたところ、「L'heure bleue」に一番興味を示されたのです」

「L'heure bleue」は、2013年にアメリカのバレエ団(ノース・カロライナ・ダンス・シアター)のために振付けられた作品です。しかし今回は、東京シティ・バレエ団のための新しいクリエーションがほとんどで、もっと長くして、ここのダンサー向けに仕上げました。アメリカで初演した時には、2週間しかなかったので、長くすることができなくて、もっと長い作品にしたいと思っていたので嬉しかったです。12月21日に来日して、時間をかけて長い作品にすることができました。」

「L'heure bleue」とは、蒼い時間、という意味です。パリ・オペラ座バレエにゲスト出演して「椿姫」をオーレリー・デュポンと踊った時に出ていたアイディアです。この時、アニエス・ルテステュ、そしてデュポンと2回ずつ踊り、4週間パリに滞在しました。素敵な作品を思いつくのは、いつもパリなのです。ガルニエは迷宮のようで、いくつものスタジオがあり、小さなスタジオで振付のアイディアを浮かばせていました。また、パリには美術館などがたくさんあって、インスピレーションを得ることができました。この作品は、ギャラリー・ラファイエット(デパート)のショーウィンドーのフレームで、人が芝居している様子を見て浮かんだアイディアから作られたものです。その時音楽を探してみて、朝の4時にはアイディアがバレエになりました。オットーがWebサイトを作っていたりしてコンピューターに強いのです。すぐにオットーに連絡して、コスチュームのことなどを相談しました。」


「L'heure bleue」とは、昼と夜の境目の時間のことです。暗くもなく朝にもなりきらない時間で、愛の始まりでもあり終わりでもある。一生の終わりでもあり、始まりでもあるという意味があります。貴婦人が何かの瞬間に恋におちる(オットー「自分の心をコントロールできなくなる」)。そこには、どうにもならない、コントロールできない、恋したくなくても恋をしてしまうということです」


今後の予定

「この後は、ハノーヴァーに行き、そしてスロベニアのリュブリャナ(スロベニア国立リュブリャナ歌劇場バレエ)で「ドクトル・ジバゴ」を上演します。この作品は、ショスタコーヴィッチの音楽を使っているため、オーケストラの編成が大きくなっています。そのため、オーケストラを舞台の後ろに配置しました」(オットーのPCから、CGによる舞台プランの配置図などをスクリーンに映して見せてくれました)

ここで、東京シティ・バレエの3人のダンサー(土肥靖子さん、岡博美さん、榎本文さん)たちによる一部上演が行われました。クラシックをベースにしながらも、ちょっとひねりがあって官能も感じさせる振付です。

「東京シティ・バレエ団のダンサーたちは、それぞれが美しいキャラクターの持ち主なので、才能やキャラクターを大事にしたいし、怪我をしてほしくなくてこの5人で踊ってほしいので、ここで踊るのは少しだけにします」


作品のクリエイションについて

オット―・ブベニチェク
「イリは、伝統とモダンを結合させることを考えています。通常は劇場に合わせて作品を創るので、スタッフとともに劇場に行って照明を合わせ、プランを見ながら発展をさせていきます。新作を創るときに最初にやることはカンパニーへと足を運び、そして劇場に行ってインスピレーションを得ます。ドルトムントで振付けた「ピアノ・レッスン」(ジェーン・カンピオン監督作品のバレエ化)を創るのには1年かかりました。作品の舞台であるニュージーランドにも旅をしてリサーチをしました」

イリ
「まず物語があることが大切です。ストーリ―が語り掛けてくるかどうかが、です。今回の作品は内包したストーリーで大きく作ってはいません。大きな劇場で上演する時にはそれにあった作品を創ります。ジョン・ノイマイヤーは、物語を語るバレエを創るので有名な振付家でした。特にオットーは、ノイマイヤー率いるハンブルグ・バレエで23年間働いていたので影響を受けています。私は新しいムーブメントを創ることに興味があります。チェコでは、演劇の伝統があり、良い劇場も、演劇学校もあります」

「今回、チェコのテレビ局が日本にやってきて、私たちのドキュメンタリーを撮影しています。とても有名なプロデューサーで、1年前のプラハでの私たちの公演を観て魅せられたとのことで、1年間私たちを追ってきました。9月30日に、このドキュメンタリーを大きな映画祭に出品する予定です。監督は、イリ・キリアン、そして民主化されたチェコの初代大統領ハヴェルのドキュメンタリーも撮ってきた人です。私たちは、子供のころにチェコの伝統的な物語を子供向けに作った彼の作品を観ていて、影響を受けました。また、私たちの両親はサーカスでアクロバットをしていたのですが、この監督はサーカスについての作品も作っていて、その作品に子供時代の私たちも出演していたのです」

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<質疑応答>
Q 日本のバレエ団と仕事をしていかがでしたか。

イリ「日本では、人を助けてくれるという姿勢があると感じています。ヨーロッパでは、人に助けてもらおうという姿勢の人が多いですが。ここではみんな私を助けてくれて、歓迎してくれました。バレエ団ではダンサーたちは一生懸命にやってくれて、振付が終わると映像に撮って、次に会った時には振付をきちんと覚えています。このバレエ団のダンサーたちは才能のある人たちですが、クラシック寄りのバレエをやってきています。私の動きをやってみることで、ヨーロッパでの現代的なものが加えられていくと思うし、私の思いも汲んでくれていると思います」

オット―「カンパニーから私たちも学んでいます。今日も学んだことがありました」

Q お二人は一卵性双生児ですが、どのような違いがありますか。

オット―「生きていく中で私たちも変わっていきます。ノイマイヤーは、私には官能的だったりシリアスな役を与えることが多くて、ティボルトやロミオを演じました。イリにはマキューシオのようなハッピーが役が多かったのですが、彼も変わっていきます。踊りという面では、イリの方がシャープで、私の方がソフトです」

Q これからのキャリアについて

イリ 「ダンサーとしてはそろそろ引退します。踊ることと作品を創ることのバランスが難しいからです」

オット―「自分の限界を知ることは必要なことです。辞めることも大切なことです。私たちは41歳となり、自分たちのカンパニーを持つ夢があるので、今スタートしなければなりません。私たちの創作を世界に見せたいと思っています」

イリ 「ドレスデンで引退した3,4日後には振付をし始めました。2,3年先まで振付の予定はいっぱいになっています。ハノーヴァー、リュブリャナの仕事もありますし、この公演が終わったらサンフランシスコに行きます。また、『オルフェウス」を振付ける予定もあります。これは1時間の作品で、ダンサーは3人、自分たちと女性ダンサー、そしてチェコの俳優と音楽家が参加しています。良い作品だったら日本に持っていきたいです」

Q 日本の伝統文化に影響を受けましたか?

イリ「能からは影響を受けていると思います。また、日本の震災と原発事故には衝撃を受けて、チャリティガラを開催して日本に寄付をしました。日本からは多くの者を与えてもらったので。ドレスデンでは、60人のコンテンポラリーダンサーや俳優、ミュージシャンと共に、能にインスピレーションを得た作品を創って、4公演を行いました。美術館の中のいろんなところで動き回り、観客がダンサーの後をついて行くというものです。2日間で5000人の人が美術館を訪れ、美術館の方も喜んでいました。将来、日本の古い物語や歴史についての本を読んで、作品を創りたいと思います」

Q 作品を創るときに、先ほどはCGを見せてもらいましたが、模型を作ることはありますか?

オット―「模型を作ることはあります。その方が早いことがあるからです。PCでは、CGを使って物体の中に入っていくことができます。将来はコンピューターの中に入って踊ってみたいです。イリはこういうことに全く興味がないそうです」

イリ「オットーは自分でこれを全部独学で学んだんですよね」

オット― 「作品作りの他、自分たちのウェブサイトも作っていますし、Bbootiesというブーティ(バレエシューズの上に履く、足を覆うウォームアップ用のブーツ)のデザインをしていて、これは世界中のダンサーが履いています。美しいものに敏感なのです。壁の表面にも、そして美しい人間にもインスピレーションを与えられます。人のシンプルさや複雑さに興味があります。心の中を作り上げている人々が興味深いと感じています」

Q インスピレーションについて

イリ 「「L'heure bleue」ではギャラリー・ラファイエットでの大きなフレームにインスピレーションを与えられました。ダンサーからもらったアイディアを採用したところもあります。また、ルーヴル美術館にある古い絵にもインスピレーションを得ました。この作品はヨーロッパ的なものですが、日本にインスパイアされた新しい作品もいつか作ってみたいと思います。何か日本人の心に近いもので、バレエにするのに良いアイディアがあったら教えてください」
「「L'heure bleue」はプラハで思いついた時には3分の作品で、アメリカで初演された時には20分の作品となりました。そして日本でさらに膨らませることができた、いわば世界的な作品といえます。最初、プラハのガラで元となった作品を上演した時には、自分たち二人による作品で、アメリカでは、4人のダンサーとなり、そして今回は5人の男性ダンサーと5人の女性ダンサーによる作品となりました」

Q 二人はどうして上手くやっていくことができるのですか?

オット―「二人とも同じ視点を持っているので親しいし、好みも似ています。でも時々は完璧に違っていて、喧嘩することもあります。お互い信じ合っているので一緒に働くことができます。振付やデザインで意見が分かれて喧嘩もしますが、一緒に働いてくれる兄弟がいるのは幸せです」

イリ「オットーがいるので早く振付けることができます。私は子供のように没頭するのが好きです。心配しないで振付けに没頭できます。彼が意見を言ってくれるので考えることができて助かります。でも、最後に決断を下すのは自分です。オットーは衣装や装置も作ってくれるので助かるし、いつも作品に合うものを作ってくれます。「L'heure bleue」は、クラシカルをベースにしているけど、コンテンポラリーのステップもあります。衣装も同じく、クラシックな衣装に現代風なところを加えています。二人の女性は男性用のジャケットを着ていますが、フェミニンな感じがあります。ショートパンツに生脚なので、官能的なのです」

非常に和気あいあいとした雰囲気で進んだトークショーでした。兄弟非常に仲が良いことが見て取れますが、時々オットーが主導権を持っているのかな、と感じさせるところがあったり、似ているようで趣味が違うところも見えたり、大変面白かったです。作品も、とても魅力的なものに感じられました。観るのが楽しみです。


米国のノース・カロライナ・ダンス・シアターでの上演の動画


演出・振付:イリ・ブベニチェク
音楽:J.S.バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」 L.R.ボッケリーニ「弦楽五重奏」ほか
振付助手:オットー・ブベニチェク
バレエミストレス:高木糸子 若林美和
舞台美術デザイン・照明プラン・衣裳デザイン:オットー・ブベニチェク
衣裳製作:工房いーち コスチュミエール
出演:土肥靖子 岡博美 清水愛恵 平田沙織 榎本文 黄凱 浅井永希 沖田貴士 長澤風海 三間貴範

2016年1月30日(土)18:00開演
2016年1月31日(日)15:00開演

新国立劇場 中劇場

SS席: 12,000円
S席:10,000円
A席:8,000円
B席:6,000円
学生席:3,000円
(高校生以上25歳以下の学生対象/要学生証提示)
※30日B席、31日SS席完売
※6歳よりご入場頂けます
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