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2016/01/13

KARAS APPARATUS no.29「ダンスソナタ 幻想 シューベルト」と、no.30「青い目の男」

勅使川原三郎さんのKARAS APPARATUSアップデートダンスシリーズに、去年からすっかりはまっています。昨年、UPDATE DANCEシリーズは、12作品94回もの上演がありました。私も、Vol.20の「ペレアスとメリザンド」を皮切りに、以降9作品を観に行って、それぞれに独創的で、小さな空間の中で美術や照明、音響も考え抜かれ、吸い寄せられてしまうような圧倒的な美しさを見せてもらいました。


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no.29「ダンスソナタ幻想 シューベルト」は、このアップデートダンスシリーズの今年最初の作品。リヒテルのピアノとオイストラフのヴァイオリンソナタで踊ります。地下に降りていくこの空間は、扉が閉じられると漆黒の闇に包まれ、そして最小限の光を浴びた勅使川原さんのソロで始まります。勅使川原さんの動きは重心が低くてゆっくりだけど、一度として止まることはなく完璧にコントロールされています。そして彼が浴びる照明、光と影の加減も計算しつくされていて、身体のどの部分に光が当てていくのかも見事に制御され、その陰影部分だけをとってもダンスといえます。舞台はあまり大きくありませんが、奥行きはあるため、ダンスにも立体感があり、照明の魔法でそれを感じられるのも面白いところです。

次に佐東利穂子さんのソロ。よどみなく柔軟で魔術師的な勅使川原さんに対して、佐東さんはもはや信じがたいほどの凄まじい回転、両腕で空間を切り裂く大きくしなやかで鋭い動きをノンストップで変幻自在に繰り広げて、まるで竜巻のよう。だけど、一つとして同じ動きの繰り返しはなく、とてつもなく激しいのに止まる瞬間はありません。荒い息遣いも、まるで音楽のようです。再び勅使川原さんの踊り、そして佐東さんの踊り。二度目の佐東さんのダンスは、最初はゆっくりと、しかしどんどんまたスピードを上げて行きます。緩急自在で今度はもっとコントロールされています。そして、最後にまた勅使川原さんが踊るのですが、このパートがとにかく凄かった。

勅使川原さんは、まるで魔術師のようで、その身体で音楽を創造するマエストロでした。音楽と共に踊るのではなくて、彼の動きで音楽が生まれる。音楽がこの世に生み出される瞬間を見ているようでスリリングでした。つくづく勅使川原さんも佐東さんもダンスの神様のような人たちだと思いました。一つ一つの音に向き合って、音楽と一体化しつつも、時には音楽をリードしたり、音楽が生まれる瞬間を見せてくれたり。閉じられた空間だけど、一方でこの空間は世界に通じている、なにか壮大な宇宙のような広がりも感じます。勅使川原さんも、佐東さんも、音楽としっかり対話して、そこから喚起されるイマジネーション、インスピレーションによってダンスを生み出している、その対話の結果として、ダンスから音楽が生まれるような逆転の錯覚を起こさせてくれているのだと感じました。


さて、この「ダンスソナタ幻想 シューベルト」に続き、No.30「青い目の男」が1 月16 日(土)より始まります。

勅使川原三郎さんはポーランドの作家ブルーノ シュルツの短編を基に、言葉と身体の新たな関係を追求する創作を3年余りにわたり、両国・シアターX で継続しています。昨年7 月にシアターXで上演された「青い目の男」は、短編「夢の共和国」から想を得て創作され、勅使川原さん自身が “2015 年の創作の中で一番自分の感情に近い部分にある作品” と語る作品とのことです。(私も観て、前半に繰り広げられる、鰐川枝里さんを加えた3人による激しいダンスの圧倒的なパワーと、後半の佐東さんの静寂の中での夢のような崇高な美しさに打ちのめされたのでした) 今回は、アパラタス版として新たに公演される作品となっています。

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アップデイトダンスシリーズNo.30「青い目の男」

【演出・構成】勅使川原三郎
【出 演】勅使川原三郎、佐東利穂子
【会 場】カラス・アパラタス B2 ホール 東京都杉並区荻窪5-11-15 F1/B1/B2
【公演日程】2016 年1 月16 日(土)~23 日(土) 20:00 開演
*1/17 (日),23 (日)は16:00 開演 *1/19(火)は休演日

【料 金】一般 / 予約2,500円[当日3,000円]学生 1,500円 *全席自由

【前売予約】updatedance@st-karas.com へ
[ご希望の日付・住所・氏名・一般または学生・当日連絡のつく電話番号]を送付
*メール予約受付は各回とも前日の24時まで
*学生の方は当日受付で学生証を提示 *開演後の途中入場不可
【問い合せ】カラス・アパラタス 03-6276-9136 http://www.st-karas.com/karas_apparatus/

勅使川原さんは、このアパラタスでの12作品94公演に加え、国内外のツアー公演やパフォーマンスは44公演で、合計138公演も行っています。アップデートダンスシリーズは再演作品もありますが、ほとんどは新作というわけで、彼のクリエイティブなエネルギーも、ダンスの技術も衰えるところを知りません。アップ―デートダンスという名前の通り、作品は日々アップデートされて全く同じ公演は一つもないとのことです。小さな親密な空間で、ダンスが生まれる瞬間のスリルを味わいに、ぜひ足を運ばれることをお勧めしたいと思います。また、毎回公演後、勅使川原さん、佐東さんによるトークもあり、こちらも毎回とてもインスピレーションを与えてくれます。


1月28日からは、 アップデイトダンスNo.31「静か 無音のダンス」も上演されます。

【演出・構成】勅使川原三郎
【出 演】勅使川原三郎、佐東利穂子
【公演日程】2016 年1 月28日(木)~2月4日(木) 20:00 開演
*1/30 (日))は16:00 開演 *1/31(日)は休演日

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