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« BBCのルドルフ・ヌレエフ・ドキュメンタリー「Rudolf Nureyev - Dance to Freedom」 | トップページ | 12/30 シルヴィ・ギエム ファイナル »

2015/12/25

11/26 マリインスキー・バレエ「ジュエルズ」

マリインスキー・バレエの日本公演、終わってからだいぶ過ぎてしまって遅くなってしまったが、一応備忘録として「ジュエルズ」から始めたいと思う。

「エメラルド」を観たときには、素敵だけどまあこんなものかな、と思っていたのだが、「ルビー」を観て凄い、と興奮し、「ダイアモンド」を観たときには、なんという美しいものを見せていただいたのだろうかと感謝の気持ちでいっぱいになった。

バランシンと言えば、もちろんNYCB(ニューヨークシティバレエ)を創設した人であり、アメリカのバレエの父である。でも、もともとバランシンはグルジア人でロシアバレエ界で活躍し、アメリカへと渡ったわけであり、彼のルーツはロシアにあるわけだ。「Bringing Balanchine Back」というNYCBのサンクトペテルブルク公演のドキュメンタリーがあって、これはまさに、バランシンを故郷に連れて帰るという意味合いがあった。「ジュエルズ」がマリインスキー・バレエで初演されたのは1999年だが、チャイコフスキーの交響曲3番を使用した「ダイアモンド」は帝政ロシアをイメージし、「白鳥の湖」を思わせるところもある作品であり、まさにマリインスキー・バレエを象徴させるような作品のように見える。

幕が開くと目に入るのは、NYCBで初演された時と同じピーター・ハーヴィーによる舞台美術と、カリンスカの衣装。まずは舞台の上に存在するものすべての華麗な美しさに息をのむ。まさに宝石箱の世界。マリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏も見事だ。


「エメラルド」

フランスをイメージしたという「エメラルド」はフォーレのゆったりとして郷愁も感じさせる音楽がエレガント。最初のペアのセルゲーエフは先は細いけれど非常に端正でクラスノクーツカヤも上半身の動きが柔らかく優雅。シシリエンヌのブリリョーワは音楽性が豊かで動きが大きく、難しい動きもしっかりと音楽に寄り添っていた。トロワのラティポフは元気は良いのだが、丁寧さが欲しい、もう少し頑張れ、といったところ。


「ルビー」

打って変わってジャジーでモダンなストラヴィンスキーの「ルビー」。腰をひねったり突き出したり、ちょっとレビューっぽいところもあったり、なるほどアメリカ、というイメージに合う。キャスト変更で、この役を踊って全米ツアーで大人気を博したコンダウーロワが入ってくれたのが嬉しい。長身で小気味よくダイナミックでありながら、女らしくエレガントな中にセクシーなところも見せてくれるコンダウーロワ、これは評判通りのはまり役だった。メーンのカップルは、バトーエワとキミン・キム。バトーエワは溌剌としていてキュート、身体能力にも音楽性にも優れている。大きなグランバットマンもバシっと音通りに決まる。キムも、飛び跳ねるような元気さ、軽やかさがあって良かった。


「ダイヤモンド」

クラシック・バレエの美しさを凝縮した「ダイヤモンド」。最初に出てくるコール・ド・バレエを観ても、舞台の上にいるダンサーすべてがあまりにも美しいので目が眩むほど。マリインスキー・バレエならではの、プロポーションの美しさ、研ぎ澄まされていながらも柔らかいポール・ド・ブラ、しなる膝下と伸びやかなつま先。

クリスティーナ・シャプランは、清らかな透明感があって、ガラス細工のような繊細なバレリーナ。まだ恋を知らないような美少女の面差しで、長く細い四肢をしなやかに優雅に動かすと空気も一緒に動くのが感じられる。ただ同時に、神経が細いのか、慎重に踊っているのも感じられて、観る方も少し緊張しながら見守ることになった。それが彼女の独特のデリケートさにもつながっていて、魅力ともなっているし、ストーリーのない「ダイヤモンド」の中にあって、密やかなドラマ性を加えることにもなる。後半、シャプランの踊りが不安定になってピルエットの軸がずれてしまったり、ポワントが少し弱くなったように感じられたが、まだ花が開き切っていない時期の彼女を観ることができたのも幸せな経験だと感じた。大変な逸材であるのは間違いない。
アスケロフは、脚が美しいダンサーで、トゥール・ザン・レールもきちっと綺麗に5番に入り、マネージュの時のピンと伸びた脚のライン、つま先も美しい。「白鳥の湖」や「ライモンダ」を思わせる部分がある「ダイヤモンド」の中で、恭しく女性ダンサーに跪くところも様になった。

「ダイヤモンド」は群舞も加わった全員が交差するように動いてフォーメーションの変化を繰り広げていくコーダに圧倒的な至福感がある。これほどまでの法悦に包まれるクライマックスもないくらい。踊り、チャイコフスキーの音楽、舞台美術、この圧倒的な美しさの洪水の中で死んでしまったら、これもまた幸せな最期かもしれないけれど、今死んでしまったらもう素晴らしい舞台は観られないわけなので、やっぱり死なない方がいい。


≪ジュエルズ≫<全3部>


振付:ジョージ・バランシン
舞台指導:カリンフォン・アロルディンゲン、サラ・リーランド
     エリーズ・ボーン、ショーン・レイヴァリー
舞台美術:ピーター・ハーヴィー
衣装:カリンスカ
衣装復元監修:ホリー・ハインズ
初演版照明:ロナルド・ベイツ
照明:ペリー・シルヴィー
舞踊監督:ユーリー・ファテーエフ
指揮:アレクセイ・レプニコフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

<出演>
第1部≪エメラルド≫
音楽:ガブリエル・フォーレ
≪ペレアスとメリザンド≫≪シャーロック≫より

ヴィクトリア・クラスノクーツカヤ
アレクサンドル・セルゲーエフ
ヴィクトリア・ブリリョーワ  
ローマン・ベリャコフ
ナデージダ・ゴンチャール   
スヴェトラーナ・イワノワ
エルネスト・ラティポフ

第2部≪ルビー≫
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
≪ピアノとオーケストラのためのカプリッチョ≫
リュドミラ・スヴェシニコワ(ピアノ)

ナデージダ・バトーエワ
キミン・キム
エカテリーナ・コンダウーロワ
デニス・ザイネトジノフ
ワシリー・トカチェンコ
ヤロスラフ・バイボルディン
アレクセイ・ネドヴィガ

第3部≪ダイヤモンド≫
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
≪交響曲第3番≫より(第1楽章を除く)
クリスティーナ・シャプラン
ティムール・アスケロフ
エレーナ・アンドローソワ
エカテリーナ・イワンニコワ
ディアナ・スミルノワ
ズラータ・ヤリニチ
ローマン・ベリャコフ
ヤロスラフ・プシュコフ
アンドレイ・ソロヴィヨフ
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