BlogPeople


2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」 取材会(パート1) | トップページ | ロベルタ・マルケスがロイヤル・バレエを退団 »

2015/11/30

「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」 取材会(パート2)

「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」取材の報告、次は「悪魔の物語」を振付けたユーリ・ンの話を中心にお届けします。

Resize07151

ユーリ・ンのインタビュー

江上悠さんとのリ・クリエーション
「ストラヴィンスキーの『兵士の物語』を悪魔の視点に読み替えた『悪魔の物語』として振付けました。この作品は、2004年に愛知芸術文化センターのダンスオペラシリーズ第一弾として愛知で初演されました。振付については私からはあまり説明するつもりはありません。今回は、香港バレエ団に所属していた江上悠を振付パートナーに迎えてのリ・クリエーションとなりました」

「いつも私は、これが最後の振付作品になるかもしれないと思っていたので、自分一人で創りつづけるというより、新しい振付家と仕事をすることで、どのような影響があるのかということで、江上さんをパートナーに迎えてやってみました。ウヴェ・ショルツは亡くなってしまいましたが、彼の死後彼の作品が継承されていることはとてもうらやましく思います。自分が死んだ後も、自分の作品を見ていてくれる人がいればいいなと思うし、あの世から自分も修正も加えたいなと思います。私の遺志を継承してくれる人がいてくれたらいいなという思いです」

「江上さんとは、芸術的な感性が似ています。今回の改訂版では、基本的に江上さんが新しい振付や新しいステップをつくっています。なぜその振付にしたのか、なぜそのステップにしたのか、江上さんが創る新しい動きの意味をすぐ理解することができるほど、私は彼を信頼しています。また、江上さんは音楽性が優れており、興味深いところでアクセントを取りますが、音の意味あいなども、自分の感覚と違っていて勉強になります」

「2004年の初演の時には、『兵士の物語』の物語を説明するためにはテキストをナレーターが読む形をとりました。今回は、ナレーションはなくして、テキストをビデオで投影します。それも単なる字幕ではなくて、ダンサーが踊っている場面に合わせて流れるような形のものです」

スタイルを変えて上演し続けられる作品
「テキストについては、兵士から悪魔の視点へとリライトしました。もとのテキストは、フランス語のテキストを日本語に訳した、活弁士の沢登翠さんによるもので、これをさらに編集しています。また、香港シンフォニーオーケストラと共演する香港バージョンが来年2月に上演される予定です。ダンスオペラバージョン、コンサートバージョン、そして今回のダンスバージョンと、ひとつの作品をスタイルを変えて上演し続けています。」

キャスティングについて
「ジョヴァンニを悪魔役に抜擢したのは、江上さんのアイディアです。2日前に初めてジョヴァンニに会ったのですが、彼には悪魔的な素質がありますね。小㞍健太さんが若い兵士、津村禮次郎さんが年老いた兵士、酒井はなさんがプリンセスというのが当初のキャスティングでした。これを変えてみてもいいかもしれないと江上さんと話しています。江上さんは自分の発想と違っているので、彼と仕事をすることで次世代のことを学べた気がします。」


<リハーサル見学>
今回、「火の鳥」「春の祭典」の通しリハーサル、そして「悪魔の物語」は少しだけ振付指導を観ることができました。「火の鳥」はすでに完成度が高く、酒井はなさんの磨き抜かれ、研ぎ澄まされた動きが実に美しかったです。奇妙な動きが多いマルコ・ゲッケの作品ですが、はなさんが踊ると、これもまた非常に凛としていて、何とも言えない少し切ない余韻を残してくれます。アレクサンドル・ザイツェフとのパートナーシップも素敵。

「春の祭典」は35分間、ノンストップで踊られるソロ作品です。この日のスタジオが狭くて、ザイツェフは思うように大きく動けなかったようですが、それでも、ボリショイ、シュツットガルトで活躍した彼の見事なテクニック、柔らかくて大きな跳躍、スピード感と音楽性を堪能できました。そして先のインタビューでジョヴァンニが言っているように、この作品はコンテンポラリーのソロではありますが、一人の男の内面をさらけ出す作品なので、ドラマティックな表現力が必要となっています。苦悩や情熱を迸らせていたザイツェフの熱演は凄まじくて、この35分間の間に精魂も尽き果ててしまいそうですが、彼のスタミナもものすごいのです。30代後半とは思えないパワーと正確なクラシックテクニックの中に、感情も強く見せていくのは、ドラマティックバレエにも定評があったザイツェフならでは。きっと舞台で観たら、観る者に強烈な感動を伝えてくれることでしょう。

ストラヴィンスキーの世界を再生した、トリプルビル、絶対に見逃せません。この週末での愛知公演は、3回公演がほぼソールドアウト(日曜日の公演は完売)で、観客の反響も非常に大きかったようです。

http://stravinsky3.com/

『ストラヴィンスキー・トリプル・ビル』
現代バレエで見る、ストラヴィンスキーの音楽

プログラム:
マルコ・ゲッケ振付『火の鳥』のパ・ド・ドゥ
ウヴェ・ショルツ振付『春の祭典』
ユーリ・ン振付『悪魔の物語』(『兵士の物語』より)

出演:
アレクサンダー・ザイツェフ
ジョヴァンニ・ディ・パルマ
酒井はな
小㞍健太
津村禮次郎
高比良洋

東京公演
日時:2015年12月8日(火)19:00、9日(水)19:00
会場:草月ホール
問合せ:スタジオ アーキタンツ
03-5730-2732(平日10:30~20:30/土日10:30~19:00)

熊本公演
日時:2015年12月12日(土)19:00
会場:熊本・市民会館崇城大学ホール
問合せ:熊本市文化事業協会
096-355-5235(8:30~19:00)

« 「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」 取材会(パート1) | トップページ | ロベルタ・マルケスがロイヤル・バレエを退団 »

バレエ(国内公演情報)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「ストラヴィンスキー・トリプル・ビル」 取材会(パート1) | トップページ | ロベルタ・マルケスがロイヤル・バレエを退団 »