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2015/10/18

ロイヤル・バレエの元プリンシパル、デヴィッド・ドリュー逝去

ロイヤル・バレエで56年間も活躍してきた偉大なダンサーで教師だったデヴィッド・ドリューが亡くなりました。77歳でした。

http://dancetabs.com/2015/10/obituary-david-drew-royal-ballet-principal-with-the-company-56-years/

彼の長いキャリアの出発点には、タマラ・カルサヴィナ、ブロニスラヴァ・ニジンスカ、リディア・ロポコワ、レオニード・マシーン、ジョージ・バランシン、アリシア・マルコワ、セルゲイ・グリゴエフなどバレエ・リュスで活躍したダンサーや振付家たちがおり、彼らの薫陶をドリューは受けてきました。一方で、アリーナ・コジョカル、マリアネラ・ヌニェス、クリストファー・ウィールドン、デヴィッド・ドーソンなどのダンサー、振付家たちも教え、バレエの継承に力を注いできました。

「ロミオとジュリエット」キャピュレット公を演じたときのカーテンコール

1938年に生まれ、1954年にサドラーズ・ウェルズ・バレエ(現在のロイヤル・バレエ)に入団したドリューは、最初の出演作はレオニード・マシーンの「三角帽子」だったようです。マシーンが出演した映画「赤い靴」でのマシーンに魅せられてドリューはバレエの世界に入りました。もっとも有名な役の一つは、DVD化されているマクミラン振付「ロミオとジュリエット」(アレッサンドラ・フェリ主演)でのティボルトですが、他にも、たとえばニジンスカ振付「結婚」の上演の際に彼女の振付を再現したところなども映像に収められています。

1961年にソリストに、1974年にプリンシパルとなったドリューは、その後プリンシパル・キャラタクター・アーティストとなり、2003年に引退したのちも、ゲストとして立ち役でロイヤル・バレエの舞台に立ち続けました。最後の舞台は2011年の「ジゼル」でした。その後、病気のために舞台には立たなくなりましたが、モニカ・メイソン前芸術監督は、彼の代表的な役柄の一つである「ロミオとジュリエット」のキャピュレット公としての出演を待ち望んでいました。

ドリューは高い演技力が評価されていたダンサーで、アンソニー・チューダーの「Shadowplay」の初演キャストであり、ビントレーの「シラノ」ではデ・ギッシュ役を初演しました。マクミラン作品では、「マノン」の看守役を初演したほか(アンソニー・ダウエル主演「マノン」のDVDにも登場)、ムッシュGM役も演じていました。「マイヤリング」ではベイ・ミドルトン役を初演し、そして皇帝フランツ・ヨーゼフを演じました。また、マクミランの「ディファレント・ドラマ―」でのサディスティックなキャプテン役は彼のお気に入りの役でした。

キャピュレット公の他、「ロミオとジュリエット」ではマキューシオとティボルト、「ジゼル」ではウィルフリードとヒラリオン、「ハムレット」ではレアティーズとポロニアスを演じました。ロイヤル・バレエならではのドラマティックな役柄に魂を感じさせることで彼は良く知られていました。「火の鳥」のカースチェイ、「ペトルーシュカ」のショーマン、「白鳥の湖」ではロットバルト、アシュトンの「シンデレラ」では長姉、「マルグリットとアルマン」の父などを演じています。(彼の「火の鳥」のカスチェイ役は、ロイヤル・バレエ「火の鳥/結婚」のDVDに収められています)

アシュトン「シンデレラ」のアグリー・シスターズを演じるデヴィッド・ドリュー

また、デヴィッド・ドリューは、40年以上、ロイヤル・バレエの労働組合の代表として活躍し、それらの功績を称えられて大英帝国勲章(MBE)を受章しました。カンパニーの年金制度の創設にも関わり、労働条件の向上に務めました。ロイヤル・オペラハウスが改装工事をされた時には、リハーサル設備や追加の公演場所の必要性を強調し、その結果、Cloreスタジオとリンバリー・シアターが開設されました。

ロイヤル・バレエスクールでは卒業学年のパ・ド・ドゥクラスを担当しました。彼の生徒の中には、アレッサンドラ・フェリ、ダーシー・バッセル、サラ・ウィルドーなどがいました。また振付クラスでの指導に誇りを持っており、このクラスではマシュー・ハート、ポール・ライトフットなどが学びました。

ロイヤル・バレエスクールでパ・ド・ドゥクラスを指導するデヴィッド・ドリュー。(BBCのドキュメンタリー、「ダンサー」「バレリーナ」より)

デヴィッド・ドリューは振付の分野でも活躍して、6作品バレエ作品を振付けたほか、ミュージカルも何本も振付けています。中でも「カンタベリ物語」はロンドンで5年間上演され、ブロードウェイでも上演されました。また、バレエ作品のシナリオも書き、その中で「三銃士」はデヴィッド・ニクソンがノーザン・バレエのために振付け、エストニア国立バレエでも上演されています。ロイヤル・バレエで最近も上演された「レイヴン・ガール」は、ドリューが原作者オードリー・ニッフェンガーを振付家のウェイン・マクレガーに紹介したことから実現しました。

さらに近年においては、ドリューは失われたバレエ作品を再上演することにエネルギーと時間を割いていました。ロバート・ベルプマン振付の「Miracle in the Gorbals」(最後に上演されたのは1958年)を再上演するために2年をかけて調査を行っていました。

ロイヤル・バレエに長年貢献してきた彼の死を、多くのロイヤル・バレエのダンサーや元ダンサー、教師たちが悼んでいます。ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」の昨日の公演では、芸術監督ケヴィン・オヘアが公演をデヴィッド・ドリューにささげました。


ロイヤル・オペラハウスのサイトに載った訃報
http://www.roh.org.uk/news/david-drew-a-look-back-at-his-life-with-the-royal-ballet
同僚や教え子たちに深く愛されていたのが伝わってきます。

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コメント

初めてコメントいたします。いつも貴重な情報ありがとうございます。パ・ド・ドゥ クラスのドキュメンタリー、生徒の中に都さんがいらっしゃると思うのですが、違いますか? なんと貴重な映像でしょうか・・

duneさん、こんにちは。

お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
はい、おそらく、ここに出てくる生徒さんの中に、吉田都さんがいると思います。(確証はないけど非常に良く似ていますよね)これは、以前クラシカジャパンでも放映された、BBCのドキュメンタリー「ダンサー」と「バレリーナ」の中からの映像なんですよね。全編の映像もYouTubeにあります。(解説しているペーター・シャウフスのチャンネルにダンサー編は全部あります)
ここにも一瞬吉田都さんらしい姿が。
https://youtu.be/MR8ZPkWQmX0
この映像のシリーズ、大変面白いので、お時間があったらご覧になるのをお勧めします。

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