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2015/10/26

ボリショイ・バレエの芸術監督に、マハール・ワジーエフが就任決定

ボリショイ・バレエの現芸術監督セルゲイ・フィーリンが契約を更新せず、来年3月で退任するため、次期芸術監督がまもなく決定されることになっていました。

そして本日、後任の芸術監督が発表されました。

ボリショイ公式サイトの発表
http://www.bolshoi.ru/about/press/articles/appointment/5016/

元マリインスキー・バレエ、現ミラノ・スカラ座バレエ芸術監督のマハール・ワジーエフが、来年3月18日より、ボリショイ・バレエの芸術監督に就任すると、ウラジーミル・ウリン総裁が発表しました。

現在54歳のワジーエフは、1979年にワガノワ・アカデミーを卒業してマリインスキー・バレエに入団。1989年にマリインスキー・バレエのプリンシパルとなりました。1995年4月から2008年の3月までマリインスキー・バレエの芸術監督でした。ゲルギエフ総裁との不協和音からマリインスキー・バレエを離れた彼は、2008年から現在までミラノ・スカラ座の芸術監督を務め、「ライモンダ」の復元版の上演、ABTと共同でラトマンスキー版「眠れる森の美女」を新制作するなど、芸術上の成果を上げていました。

ワジーエフは、最近ミラノ・スカラ座の芸術監督の契約を更新したばかりでしたが、総裁のアレクサンダー・ペレイラと契約について話し合うつもりだと語っています。

ロイター通信の記事(英語)
http://www.reuters.com/article/2015/10/26/us-russia-bolshoi-idUSKCN0SK1JU20151026

イズベチヤ紙の記事(ロシア語)
http://izvestia.ru/news/593989

なお、ウリンが以前インタビューで語ったところによれば、ボリショイ・バレエの新芸術監督の仕事は、今までフィーリンが担っていた権限より狭められて、総裁に従属して、主に管理的な業務となってしまうとのことです。ミラノ・スカラ座では、自由にやりたいことができて、しかも成果を上げていたワジーエフでした。が、ボリショイでの新しい仕事は、いわばマリインスキー・バレエで彼が総裁ゲルギエフに口出しをされていたことの繰り返しになってしまう可能性もあります。


このニュースが発表される前にアップされていた、イスミーン・ブラウン氏の記事
http://www.ismeneb.com/blogs-list/151025-why-urin-is-glad-to-get-shot-of-filin.html

フィーリンも引き続きボリショイ・バレエで仕事を続け、2016年夏に予定されているボリショイ・バレエのロンドンツアーの責任者の任を負い、またボリショイにおける新作振付のプログラム担当もするそうです。ボリショイの中からも新しい振付家を育てるプログラムです。(ただし、モスクワの観客は保守的で、フィーリンが導入したエック、マクレガー、ウィールドン、マイヨーなどの作品は任期がなく、また政治家たちの受けも良くなかったため、本当にこんなことができるのか、という疑問も上がっているようです)

また、実はウラジーミル・ウリンの総裁としての任期もあと2年半しか残っていないため、新しい芸術監督がその間にできることは限られているのではないかと考えられているようです。


そして、イスミーン・ブラウン氏の新しい記事。次期芸術監督就任発表された直後に、タチアナ・クズネツォワ氏がワジーエフに行ったインタビューの翻訳を基にしています。
http://ismeneb.com/blogs-list/151026-makhar-vaziev-appointed-bolshoi-ballet-head.html

どうやら、ボリショイ・バレエの芸術監督の仕事は、言われていたように管理的な業務のみに限定されるということはなくて、ワジーエフは腕を振るえる環境にいられるようです。ワジーエフは5年契約を結ぶとのことなので、ウリンの契約が切れる2018年以降も留任するとのこと。スカラ座と同様の芸術監督としての役割を果たせるようです。

ワジーエフはこれからの3~4か月の間は移行期間として、スカラ座での責任ある仕事を少しずつ減らしていくとのことで、その間に、フィーリンは芸術監督としての最後のシーズンを完遂することができ、ボリショイでの新作振付担当という業務への移行を果たせるということのようです。実はワジーエフの好みというのは、それほどフィーリンと違っているわけではなく、ラトマンスキー、バランシン、フォーサイスといった20~21世紀の振付家を好んでスカラ座で上演してきました。ロシア人の観客の一部には、海外の振付家の作品にて意向を示す向きがあるため、まずはそれと闘わなくてはならないと思われます。

特にワジーエフは、19世紀の古典バレエの復元について熱意を示しています。現在、チューリッヒ・バレエとミラノ・スカラ座は共同制作で、ラトマンスキーによる復元版「白鳥の湖」に取り組んでいます。(チューリッヒでの上演が先ですが、スカラ座では6月に初演予定) ワジーエフはマリインスキー・バレエ時代、15年ほど前に、「眠れる森の美女」と「ラ・バヤデール」の復元に取り組み、評判は良かったもののすぐに上演されなくなってしまいました。ボリショイで引き続き、このように古典作品の復元に取り組むのではないかと期待する向きもあります。

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