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2015/09/21

9/11「ニーナ・アナニアシヴィリ 瀕死の白鳥inコンサート」みなとみらいホール

みなとみらいクラシック・クルーズ 特別公演
「ニーナ・アナニアシヴィリ 瀕死の白鳥inコンサート クラシック名曲で辿る20世紀バレエの世界」
9月11日19時開演
横浜みなとみらいホール

バレエ「薔薇の精」より
ウェーバー「舞踏への勧誘」

バレエ「レ・シルフィード」より
ショパン 「前奏曲・ワルツ・マズルカ・華麗なる大円舞曲」

(以上 ピアノ・ソロ、ピアノ 青柳晋)

ストラヴィンスキー バレエ「ペトルーシュカ」より
ドゥ-シキン編曲「ぺトル―シュカ」

ラヴェル「ツィガーヌ」

(以上 ヴァイオリンとピアノのデュオ、青柳晋と川久保賜紀)

バレエ「瀕死の白鳥」
サン=サーンス「白鳥」

ピアノ 青柳晋
ヴァイオリン 川久保賜紀
バレエ ニーナ・アナニアシヴィリ

バレエ・リュスを代表する「薔薇の精」「ショピニアーナ(レ・シルフィード)」、「ペトルーシュカ」、そして「瀕死の白鳥」の演奏と踊りを通して20世紀バレエをたどるというこの企画。1時間という短い上演時間だったけど、その分値段も安めの公演だった。

「レ・シルフィード」はジョージア国立バレエ(グルジア国立バレエ)の映像付きとのことだったけど、舞台情報のスクリーンではないところにぼんやりと映し出されるだけなので、雰囲気はあったけれども、映像上映という感じではなかった。せっかくなら、もう少しきちんとした映写にしてほしかったと思う。「ペトルーシュカ」はブノワによる舞台美術がやはり映写されていて、踊りはなかったけど、このような映写の仕方なら、舞台美術だけの方がスッキリして良いかもしれないと思った。

ピアノの青柳晋さんは、「マラーホフの贈り物ファイナル」で「椿姫」(ショパンのバラード)など素晴らしい演奏を聴かせてくれた方。バレエのことも少しわかっていながらの演奏であることを感じさせた。川久保賜紀さんのヴァイオリンとピアノが絡み合う「ペトルーシュカ」や「ツィガーヌ」は聴きごたえがあった。

そして、ニーナ・アナニアシヴィリが踊る「瀕死の白鳥」へ。「瀕死の白鳥」というと「白鳥の湖」のオデットのような白いチュチュで踊られるのが一般的だけど、今回、ニーナは、グレーと黒が混じっていて、前が短く後ろはロマンティックチュチュのように長い衣装だった。チュチュの下には、薄いグレーの長袖を着用。後のトークショーによれば、この衣装はニーナ自身の構想によるもので、ティアラは彼女が当日の朝4時までかかって手作りしたそう。

ニーナは細かいパ・ドブレを刻みながら、彼女の特徴でもある、波打つような柔らかい腕づかいで登場した。まるで腕だけが別の生き物のようにしなやかに動いている。彼女の動きはダイナミックで、生命力を感じさせ、悲劇的でありながら運命と戦う気高い白鳥だった。胴体はかなりしっかりとしているけれども、脚は相変わらずほっそりとしているし、強い意志を感じさせるドラマティックな動きは、ニーナならではのもの。前の方の列だったので脚元が見えづらかったのは少し残念だったが、ニーナの美しいオーラに短い時間だけど浸ることができた。

*****

さて、この公演の後に、ニーナ・アナニアシヴィリのトークショーもありました。ニーナが着替えるまでの間には、川久保さん、青柳さんのトーク。演奏家は一日のうち何時間練習しているのかとか。(一般の会社員が会社で働いている時間と同じくらいは練習しているとのこと)、ニーナの印象(本物の妖精のように美しくて同じ人間とは思えなかったと)、チャイコフスキー・コンクールで最高賞を受賞した川久保さんの、コンクールの時の思い出、青柳さんが「マラーホフの贈り物」に出演した時に、カーテンコールで緊張してぎこちなくなってしまったことなど、なかなか面白いお話が聴けました。

そしてニーナ登場。本当に50歳を過ぎているのか、と思うほどの可愛らしさ、美しさ。日本には数多く来ているものの、いつも仕事がびっしり入っていて、オフの日もインタビューなどが入るので未だに東京ディズニーランドにも行ったことがないとのことです。

「夜の公演と昼の公演と意識的に自分の解釈を変えています。いいピアニストとヴァイオリニストの音楽に乗って踊ることができました。オーケストラピットがないので観客との距離が近く、反応を見ることもできたのでいつもと違う踊りになりました。コンサートホールで踊るのはめったにありません。今までもユーリ・バシュメットらとの共演があったり、アンサンブルと踊ったことがあります。ライブでの音楽に乗って踊るのは、感情がこもるので気分が良いです。この衣装は皆さんを驚かせようと自分で考えました。」

ニーナが初めて「瀕死の白鳥」を踊ったのは9歳の時。フィギュアスケートの選手時代に、マイヤ・プリセツカヤを真似て「瀕死の白鳥」のプログラムを振付けてもらったそう。ジョージア(グルジア)のフィギュアスケートのチャンピオンだった彼女の滑りを見て、このプログラムの振付家によりバレエへの道を勧められたとのこと。10歳でバレエ学校に入学した。ボリショイに入団した当初はなかなか「瀕死の白鳥」を踊る機会はなく、初めて踊ったのは1988年。「結婚した年だったので覚えています。夫のためにたくさん踊りました」。

「フィギュアスケートとバレエは、似ているようで全然違う、むしろ正反対です」とニーナ。フィギュアスケートで身につけた、バレエ的には間違った動作を矯正するのに時間がかかってしまい、しばらくはどっちつかずで苦労したとのこと。中心を高くするか、低くするかの違いがあると、バレエとフィギュアスケートの違いをニーナは立ち上がって実演してくれました。反面、フィギュアスケートをやっていたことでジャンプ力があり、また男の子がやるような回転技もできるそうです。たとえば、バレエ学校で教えている時に、男子生徒ができないソ・ド・バスクをニーナは今でも軽々とできるし、ドゥーブル・アッサンブレですらできるとのことです。また、スポーツで精神力、根性が鍛えられて、コンクールなどで優勝できたのもそのおかげだそうです。

ニーナはジョージア(グルジア)でワイナリーを持っていて、ワインを造っています。「コンクールで私のワインが銀賞を獲った時、みんなは喜びましたが、私はバレエのコンクールでは金賞しか取っていないのでその結果には満足できませんでした。次のコンクールで、私のワインは金賞を取ることができました」 グルジアはワインの産地としても有名で、伝統がありますが、バレリーナでワインを造っているのは彼女だけだそうです。

また、家庭生活のことも話してくれました。娘さんは、ピアノ、そしてなんとカンフーも習っているそうです。娘さんが小さい時にはツアーに連れて行きましたが、今は学校があるので連れて行けないし、普段も娘さんは学校や習い事で忙しく帰宅するのが遅いので、家族団らんの時間がどうしても遅い時間になってしまうのが悩みだとのこと。

ニーナはジョージア(グルジア)では、バレエ団の他、付属のバレエ学校の運営もしています。バレエ学校は優秀な子は無償で学べるようにしていますが、経済が上手くいっていなくて、予算も少なくて苦労しているそうです。学校をインターナショナルな、海外に開かれた学校にしたいし、そのために全寮制の学校にするのが目標ですが、援助が十分ではなく資金が必要だそうです。日本人のファンからも援助をもらっているから、無償で勉強できる子たちがいて、とても感謝しているとのこと。現在日本人では、男の子3人、女の子2人の生徒がジョージアのバレエ学校で学んでいるそうです。

長くバレリーナとして活動できた理由としては、「きちんとしたスタイルを教えてくれる学校で学ぶことができて、良い先生に恵まれたからです。先生から子供の時に教わったことを今でも守っています。基礎を大事にして、スケジュールを着実にこなし、守っていくことが重要です。それが大変なのですが。性格も大事です」。

「私はお客さんのために踊っています。何らかのアートに触れることが大切です。一人一人のお客さんがバレエに来てくれるのは、彼らが芸術を支えてくれるスポンサーになっているということです。安くないチケットを買ってくれて観てくださり、拍手してくださることは、私にとって大きな財産ですし、心の支えです。お客さんに感謝していくことが必要です」

予定時間を大幅に上回って語ってくれたニーナ。飾らないチャーミングさ、ユーモアのセンスと人柄の暖かさが伝わってきました。まだまだ彼女の踊りを観たいと思いました。とりあえず、来年の夏、ジャパンアーツのオールスターガラへの出演が予定されています。

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