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2015年6月

2015/06/30

ロイヤル・バレエとバーミンガムロイヤル・バレエの昇進・入団情報

ロイヤル・バレエは昨日までアメリカツアーを行っていましたが、NY公演を最後に今シーズンが終了したということで、来シーズンの昇進、入団、そして退団が発表されました。

http://www.roh.org.uk/news/promotions-joiners-and-leavers-at-the-royal-ballet-for-201516

<昇進>

ファースト・ソリストへの昇進
フランチェスカ・ヘイワード、ジェームズ・ヘイ

ソリストへの昇進
ミーガン・グレース・ヒンキス、アクリ瑠嘉,、ニコル・エドモンズ、マルセリーノ・サンベ

ファースト・アーティストへの昇進
Camille Bracher、マヤラ・マグリ、レティシア・ストック、マシュー・ボール、Sander Blommaert、トーマス・モック、ドナルド・トム

フランチェスカ・ヘイワードは、将来のプリンシパル候補である新星で、今シーズンはマノン役のデビューを果たしました。小柄ですが技術、表現力に優れ、ケニア出身でエキゾチックな美貌の持ち主です。 ジェームズ・ヘイはローザンヌ国際コンクールのスカラシップ受賞者。眠りのブルーバード、真夏の夜の夢のパック、くるみ割り人形のハンス・ピーターなどを踊ってきた、やはり小柄ですがテクニックの強いダンサー。アクリ瑠嘉さんのソリストへの昇進もうれしいですね。


<入団>

ロイヤル・バレエスクール出身のカツラ・チサトさん(DVD「ピーターと狼」に出演)、 Grace Blundell 、そしてENBスクール出身のAshley Scott、ローザンヌ国際コンクール研修生のデヴィッド・ジュデスが団員として入団します。

また、 Aud Jebsen Young Dancers Programmeという一年契約の研修生プログラムがあり(Grace Blundell、Ashley Scottは今シーズンはこのプログラムに参加)、Isabel Lubach, Julia Roscoe, Lukas Bjørneboe Brændsrød, Harry Churches、 Leo Dixonの5人(すべてロイヤル・バレエスクールの卒業生)がこの研修生としてバレエ団に参加します。このうちルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロドは、8月に日本で公開されるドキュメンタリー映画「バレエボーイズ」に出演しています。

今年のローザンヌ国際コンクールに出場してスカラシップを得たジュリアン・マッケイは、ローザンヌ国際コンクール研修生として一年間契約しました。

18歳という若手の振付家シャルロット・エドモンズは、Royal Ballet Young Choreographer Programmeという新しいプログラムの第一号として、ケヴィン・オヘアとウェイン・マクレガーの教えを受けながら1年間振付を学ぶために契約します。 彼女はケネス・マクミラン振付賞を2011年、2012年に2度受賞したほか、ニネット・ド・ヴァロワジュニア振付賞において3年連続でファイナリストとなっています。


<退団>
ファースト・ソリストのディアドラ・チャップマン、ファースト・アーティストのピエトラ・メロ=ピットマンとルドヴィク・オンディヴィエラはシーズン途中で退団しています。チャップマンは引退、メロ=ピットマンは引き続きダンサーとして活動、オンディヴィエラは振付家となります。

ファースト・アーティストのジャクリーン・クラーク、エルサ・ゴダード、マイケル・ストイコとアンドレイ・ウスペンスキーも退団します。うち、すでに2冊の写真集を出しているアンドレイ・ウスペンスキーは、2015/16シーズンはロイヤル・オペラハウスと契約して、専属フォトグラファーとして活動します。


<その他>
ファースト・ソリストのメリッサ・ハミルトンは、2015/16 シーズンはサバティカルを取得し、ドレスデン・バレエのプリンシパルとして活動します。

ファースト・アーティストのリアン・コープは、今シーズンサバティカル(休暇)を取得して、ブロードウェイミュージカル「パリのアメリカ人」(クリストファー・ウィールドン振付・演出)に主演し、見事トニー賞にノミネートされるなど高い評価を得ました。2015/16 シーズンもサバティカルを取得し、引き続き「パリのアメリカ人」に出演します。

*******
バーミンガムロイヤル・バレエも昇進、入団、退団が発表されています。

http://www.brb.org.uk/2015-promotions.html

マティアス・ディングマンがプリンシパルに昇進、セリーヌ・ギッテンスがファースト・ソリスト、Yvette Knightがソリスト、水谷実喜さん、Karla Doorbar、Lewis Turner がファースト・アーティストに昇進します。水谷実喜さんは、先日「シルヴィア」に主演するなど、活躍が続いています。

ミコ・フォガティが1年契約でアーティストとして入団。Beatrice Parma、Rachele Pizzillo、Brooke Rayも入団、そして今年のローザンヌ国際コンクールでスカラシップを獲得した伊藤充さんが、研修生として一年契約で入団します。

プリンシパルのナターシャ・オーグレットが、産休より復帰しないまま引退しました。

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2015/06/24

元NYCBのプリンシパル、アルバート・エヴァンスが逝去

ニューヨークシティ・バレエ(NYCB)の元プリンシパルで、現在は同バレエ団のバレエ・マスター(教師)を務めていたアルバート・エヴァンスが逝去しました。享年46歳。

Farewell2popup
Credit Paul Kolnik/New York City Ballet

まだ正式な訃報はほとんど流れていませんが、現職のバレエ団のバレエ・マスターで、5年前に引退したばかりと若かったため、NYCBのダンサーたちをはじめ、多くのダンサーたちがこの悲報をショックと共に伝えています。

ジャスティン・ペック (NYCBソリスト、振付家)
https://instagram.com/p/4QiHNhqRf6/

サラ・マーンズ (NYCBプリンシパル)
https://instagram.com/p/4QfgrjJ5CR/

アシュリー・ボーダー (NYCBプリンシパル)
https://instagram.com/p/4QXoARP_wH/

https://www.facebook.com/AshleyBouderProject/photos/a.1550271951852375.1073741829.1544952099051027/1644281665784736/?type=1&theater

ホアキン・デ・ルース (NYCBプリンシパル)
https://instagram.com/p/4QR_msoxXC/

アレクセイ・ラトマンスキー (ABT常任振付家)
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10204458550728632&set=a.1133754148868.2020465.1377723438&type=1&theater

今のところ唯一のニュース記事
http://artforum.com/news/id=53132


1968年に生まれたアルバート・エヴァンスは、スクール・オブ・アメリカン・バレエを卒業してNYCBに入団。1995年にプリンシパルに昇格します。アフリカ系アメリカ人としては、アーサー・ミッチェルに続き2人目のプリンシパルでした。

ウィリアム・フォーサイス振付「ヘルマン・シュメルマン」の初演キャストであることで良く知られています。ウェンディ・ウェーランと組むことが多く、「真夏の夜の夢」のパック役、「ウェスタン・シンフォニー」、「アゴン」、「フォー・テンペラメンツ」などのバランシン作品が代表作です。さらに、ラトマンスキー振付の「ロシアン・シーズン」やウィールドンの「クラヴィア」など現役振付家の作品も初演しています。新進気鋭の振付家、ジャスティン・ペックのバレエの創造のプロセスを捉えたドキュメンタリー映画「Ballet422」では、彼の指導する姿を観ることができます。

ブログOberon's Groveでの追悼記事
http://oberon481.typepad.com/oberons_grove/2015/06/beloved-albert.html

アルバート・エヴァンスは、2010年に引退しました。
http://www.nytimes.com/2010/06/22/arts/dance/22farewell.html?_r=0
引退公演で彼は「フォー・テンペラメンツ」の”粘液質”(第三楽章)と、「ヘルマン・シュメルマン」を踊りました。

多くのダンサーたちにその若すぎる死が衝撃をもって受け止められたと同時に、どれほど彼が同僚や関係者、ファンに愛されていたかということも伝わってきます。まだ死因については明らかになっていませんが、近日中に追悼記事がニューヨークタイムズなどに掲載されることでしょう。

NYCBの来日公演「アゴン」での、ウェンディ・ウェーランとの彼の素晴らしい踊りも、まだ覚えていました。お悔やみ申し上げます。


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追記 ワシントン・ポストの訃報記事
http://www.washingtonpost.com/blogs/style-blog/wp/2015/06/23/albert-evans-trailblazing-new-york-city-ballet-dancer-dies-at-46/

ルドルフ・ヌレエフの生涯がレイフ・ファインズ監督により映画化

伝説のバレエ・ダンサー、ルドルフ・ヌレエフの生涯が、レイフ・ファインズ監督により映画化されることが発表されました。

Ralph Fiennes to direct – but not star in – Rudolf Nureyev drama
http://www.theguardian.com/film/2015/jun/23/ralph-fiennes-to-direct-but-not-star-in-rudolf-nureyev-drama

Ralph Fiennes to direct Rudolf Nureyev drama
http://www.screendaily.com/news/ralph-fiennes-to-direct-rudolf-nureyev-drama/5089637.article

タイトル未定のこの映画は、ベストセラー小説「朗読者」の映画化「愛を読むひと」(ファインズ出演)の脚本を手がけたデヴィッド・ヘアが脚本を執筆中で、ファインズが監督した「英雄の証明」のプロデューサーであり、アカデミー賞にもノミネートされたことがあるGabrielle Tanaが製作。BBCフィルムズによって製作されます。

詳細は未定ですが、ヌレエフの伝記的なものではなく、彼の人生のもっとも重要な出来事であった、1961年の西側への亡命事件を中心に描いている可能性が高いそうです。製作陣は、ヌレエフ財団によって認証されている伝記「Nureyev: The Life」(ジュリー・カヴァナ著)の映画化権も入手し、2016年後半に撮影が開始されるそうです。

プロデューサーGabrielle Tanaは、ヌレエフの生涯を映画化したいと長いこと熱望していたとのこと。興味深いことに、Tanaは、セルゲイ・ポルーニンについてのドキュメンタリー映画を現在撮影しているそうです。撮影はすでに終了し、現在はポスト・プロダクション中であり、先だってのカンヌ国際映画祭でもプリセールが行われたようです。
http://www.screendaily.com/news/lachapelle-philomena-producers-team-on-sergei-polunin-film/5086842.article

まだ、ヌレエフ役など、出演者については未定だそうです。

レイフ・ファインズは、現在撮影中の、007シリーズ最新作「Spectre」でM役として出演していますが、映画監督としても実績があり、今回で3作目となります。

「Nureyev: The Life」は邦訳は出ていませんが、非常に面白くて読みだすと止まらないほどの(ややスキャンダラスな内容)伝記であり、映画化を機に、邦訳が行われるといいな、と思います。

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2015/06/23

ユルギータ・ドロニナがナショナル・バレエ・オブ・カナダに入団

オランダ国立バレエのプリンシパルで、昨年「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」にも出演した、ユルギータ・ドロニナがナショナル・バレエ・オブ・カナダに入団することが発表されました。

http://national.ballet.ca/Media-Room/News/New-Principal-Dancer-Jurgita-Dronina

ロシアのサラトフ生まれのユルギータ・ドロニナは、リトアニアとミュンヘンのバレエ学校で学び、スウェーデン王立バレエのプリンシパルを経て2010年にオランダ国立バレエに移籍。様々なガラ公演やゲストダンサーとしても活躍してきました。ジャクソン国際バレエコンクール、ヘルシンキ国際バレエコンクール、モスクワ国際バレエコンクールでいずれも銀賞に輝くなど、受賞歴もたくさんあります。

昨年の「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト2014」では「ドン・キホーテ」での正統派クラシックテクニックで魅せ、ハンス・ファン・マネン作品ではコンテンポラリーでの表現力とインテリジェンスを感じさせてくれた、華のある優れたバレリーナです。(パートナーとして出演していたイザック・エルナンデスは、その後ENBに移籍)

オペラ座のマチアス・エイマンと共演した「グラン・パ・クラシック」


また、4人のコール・ド・バレエの新入団員と4人の研修生の入団も発表されています。その中で、コール・ド・バレエで入団するLaurynas Vejalis(ローリーナス・ヴェーヤーリス)は、リトアニアと日本のハーフで、日本のオーストリア・バレエスクールを経て、今年ロイヤル・バレエスクールを卒業する予定です。NBAコンクール3位、ジャパングランプリ4位の受賞歴があります。
http://www.abc-tokyo.com/abs/StudentNewsABS.htm

ローリーナスさんが踊る「ドン・キホーテ」のバジル

2015/06/22

6/21 テロ・サーリネン・カンパニー「MORPHED」

フィンランドのカンパニーが日本で公演を行うのは初めてだという。テロ・サーリネン本人は、2002年に「HUNT」を踊るために来日したことはあったし、昨年、埼玉県舞踊協会が委嘱した「MESH」の上演はあったが。なぜこれほどまでの力を持つカンパニーが今まで日本で上演していなかったのか、不思議に思うほどだった。

http://saf.or.jp/arthall/stages/detail/2333

振付 テロ・サーリネン
音楽 エサ=ペッカ・サロネン
 無伴奏ホルンのための演奏会用練習曲(2000年)
 フォーリン・ボディーズ(2001年)
 ヴァイオリン協奏曲(2009年)
出演 テロ・サーリネン・カンパニー

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舞台の上三方には、すだれのように太いロープがたくさんぶら下がる。黒い上着を着た8人の男たち。フードをかぶっていて、列になって舞台の上を四角いパターンを描きながら歩いていく姿は、まるで修行僧を思わせる。音楽は、エッサ=ペッカ・サロネンの「無伴奏ホルンのための演奏会用練習曲」かなり強烈な音だ。やがて彼らは一列に並んで肩を組んでぐるぐる回り、一人がその列から離脱したり、ロープと戯れ始める。8人という人数は絶妙で、4人と4人に分かれたり、これが2人ずつ4組でそれぞれパ・ド・ドゥに分かれたり、他のダンサーたちがロープのところで背中を向けている間、中央で激しいパ・ド・トロワが繰り広げたりする。

マリメッコのデザイナーであり、フィギュアスケート選手キーラ・コルピの衣装も手掛けているというテーム・ムーリマキによる衣装が大きな役割を果たしている。最初はフード付きのただの上着のように見えるのだが、よく見ると袖などの縫い目のところが裂けている。上着を脱ぐと、下は白いシャツ、に見せかけて後ろ側は黒のシースルーの布だっり、袖なしのベストだったりと着ているものは異なる。踊りが繰り広げられていくうちに汗を含んで、テキスタイルの様子も変化していく。そのシャツやベストもさらに脱ぎ捨てられ、ダンサーたちの肌は汗で光り、赤く染まっていく。まさにタイトルの「MORPHED」を体現している。

ぶら下がっているロープも効果的で、このロープと戯れたり、首つり死体のようにロープからぶら下がるダンサーもいれば、ロープを片側からず―と揺らしていって駆け抜けていき、背景、そして舞台上が大きく乱れた雰囲気になる。加えて、シルエットを見せるかのように変化していく照明も美しい。非常にパワフルで不協和音を含んだサロネンのスコア、それにも負けない踊りの強度。まさに総合芸術としてのダンスを見せられた感じがした。

振付もユニークである。もともとはクラシックバレエのダンサーだったサーリネンだが、大野一雄に1年近く師事したり、ネパールで民族舞踊を学んだりした。バレエだけでなく、ストリートダンスやコンテンポラリーなど様々な出自のダンサーを起用しており、重心の低い動き、舞踏を思わせるゆっくりした動き、マーシャルアーツ、ブレイクダンスなどいろんな要素が顔をのぞかせている。男性同士のパ・ド・ドゥは、コンテンポラリー的でありつつも、リフトもあったりとクラシックバレエの影響もあり、まるでカンフー映画を見ているかのような闘争的なところも、官能性とともにあって、彼らの愛憎すら感じさせるものだし、パ・ド・トロワの動きもとても立体的で面白かった。さいたま芸術劇場の舞台の広い空間を大きく使ったダイナミックな動きが多く、一斉に跳躍したり、何人かのダンサーが横たわっている間を動き続けるダンサー、ロープに引っかかったダンサー、床をうごめくダンサーと、高低差のある立体的な舞台構成が見事である。

最初は淡々とした動きから始まりながらも、どんどん動きは強度を増していき、3曲目のカデンツァを多用したヴァイオリン協奏曲で最高潮に達すると興奮度も増してくる。ダンサーたちが自分たちを覆っていた膜を少しずつはぎ取っていき、生身の自分の姿を見せていくように自分の個性を発揮していく。人生における様々な苦悩や葛藤を昇華していき、最後には疲れ果て死んでしまったかのように横たわったりする姿の中に、試練を乗り越えての再生と浄化を感じさせた。

8人のダンサーたちは、出自は違うものの、皆偉丈夫でがっしりした体つきの人が多い。金髪の長髪の男性が二人おり、この二人の髪が途中でほどけてきて舞うのも視覚的効果として美しかった。背中を向けて立っているだけでも、ものすごくビジュアルとして美しい屈強なダンサーたちである。群舞のシーンも揃いきらないところが個性を感じさせて、個々を際立たせている。なかでも、ストリートダンス出身で肌の浅黒いイマ・イドゥオゼーは鮮烈な印象を与えたダンサーであった。1時間にわたってすべてのダンサーたちが踊り続けるこの作品、ものすごいエネルギーがほとばしる。

鮮やかで打ちのめされるような、心にずしんと響く舞台だった。サーリネンの他の作品、なかでも代表作である「Borrowed Light」や「HUNT」もぜひ観てみたいものである。

この作品のメイキング映像。当初は7人のダンサーで予定されていたようである。

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2015/06/20

ENBの若手振付家公演ネット中継中

イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の若手振付家の作品を上演するChoreographics LIVEが現在ネット中継中です。

http://choreographicslive.ballet.org.uk/

カンパニーダンサー3人と外部振付家2人、そして昨年振付コンクールで優勝したJoshua Leggeの作品が上演されます。

ENB団員
Fabian Reimair
James Streeter
Stina Quagebeur

外部振付家
Morgann Runacre-Temple
Renato Paroni de Castro

それぞれの振付家は、Kerry Nichollsによって育成され、さらにラッセル・マリファントにも振付ワークショップを通じてアドバイスを受けてきました。

ジェームズ・ストリーターは、今まで小林紀子バレエシアターにゲスト出演し、またNHKバレエの饗宴にも出演したことがあるので、ご存知の方も多いかもしれません。

ジョン・ノイマイヤーが京都賞を受賞

 稲盛財団(理事長=稲盛和夫・京セラ名誉会長)は19日、科学や芸術の発展に貢献した人に贈る2015年の京都賞の受賞者に、分子組織化学の創成に大きく貢献した北九州産業学術推進機構理事長の国武豊喜氏(79)=先端技術部門=ら3氏を選んだと発表しました。

 思想・芸術部門では独ハンブルク・バレエ団総裁・芸術監督のジョン・ノイマイヤー氏(73)が受賞した。現代バレエ界の巨匠であり、ダンサーの表現力を最大限に引き出し、人間心理を巧みに表現した振り付けによって舞踊界をリードし続けている。

 授賞式は11月10日に京都市で開き、各氏に賞金5000万円が贈られる。http://www.nikkei.com/article/DGXLASJB18H2D_Z10C15A6000000/

稲盛財団のサイトに、ノイマイヤーについての詳しい解説が書いてあります。

http://www.inamori-f.or.jp/laureates/k31_c_john/ctn.html

物語への深い洞察、劇中劇をはじめとする計算され尽くした演出手法や卓抜な照明術が示す通り、ノイマイヤー氏の創作へのアプローチは極めて知的だが、一方では、男女の愛、登場人物への共感、人類愛と、様々なレベルで熱い感情がその底流をなしてもおり、それがまた、氏の作品を各国の一流バレエ団やダンサーがレパートリーにと熱望してやまない理由でもある。

「古典バレエの現代的な読み直し」
「文学のバレエ化」
「名作音楽を用いた抽象作品」
が彼の作品群の3つの軸であることは、皆さんもご存知のことでしょう。


ハンブルグ・バレエは、来年3月に来日予定だと、オフィシャルサイトにも明記してあります。とても楽しみですね。
http://www.hamburgballett.de/e/gastspiel.htm
演目は「リリオム」「ジョン・ノイマイヤーの世界(ガラ)」そして「真夏の夜の夢」の予定です。

一方で、長年バレエ団に在籍してきたオットー・ブベニチェクが、今年の7月、ニジンスキー・ガラを最後に引退するとのことで、大変寂しい感じがします。久しぶりの来日公演ということもあり、世代交代が進んでいることを実感することでしょう。

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追記:New York Timesでも報じられました。
John Neumeier, Choreographer, Wins $400,000 Kyoto Prize
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2015/06/22/john-neumeier-choreographer-wins-400000-kyoto-prize/?_r=0

吉田都×堀内元 Ballet for the Future公演記念 「特別講習会」開催

吉田都×堀内元 「Ballet for the Future」公演を記念して、公演芸術監督の堀内元 さん、および出演者である加治屋百合子さんとジャレッド・マシューズの指導による特別講習会が開催されます。

http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/workshop/index.html

<堀内元 特別講習会>

ローザンヌ国際バレエコンクールの審査員を過去5度務め、教育者としても世界的に認められている堀内元さん(セントルイス・バレエ芸術監督/元ニューヨーク・シティ・バレエプリンシパル)。バランシン・テクニックをベースとした20年以上の指導経験から編み出された堀内元自身のメソッドによる講習会です。

【日時・内容】
A) 8月12日(水) クラス10:30-12:15 / ポワント12:15-13:00
B) 8月13日(木) クラス10:30-12:15 / ポワント12:15-13:00
C) 8月14日(金) クラス10:30-12:15 / ポワント12:15-13:00
※クラスはバレエシューズにて行います。
※男性可:クラスのみ。
※受付はクラス開始30分前からになります。

【受講料】
1日コース 11,000円(男性 9,000円) ※料金は全て税込/含ダイアログ
2日コース 18,000円(男性14,000円)
3日コース 25,000円(男性19,000円)
※1日、2日コースは日程をお選びいただけます。但し、定員の都合により、ご希望のコースをお受けできない場合がございます。
※参加者は全員8/28(金)のバレエダイアログにご参加いただけます。

【対象】
2000年12月31日以前にお生まれの中学3年生以上の方で、バレエ歴が7年以上の方

【定員】 24名(1クラス当り)

【会場】チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオ


<加治屋百合子&ジャレッド・マシューズ
クラス&ヴァリエーション講習会>

ローザンヌ賞受賞その後入団したABTからヒューストン・バレエに移籍しプリンシパルとして活躍する加治屋百合子、ジャレッド・マシューズ(同団ファーストソリスト)。昨年のABT来日公演で満場の観客を魅了したことも記憶に新しい二人。世界の第一線で活躍する二人からクラスとヴァリエーションが学べる講習会です。

【日時・内容】
D) 8月28日(金) クラス13:15-14:45 / ヴァリエーションクラス 15:00-16:30    
E) 8月29日(土) クラス14:45-16:15 / ヴァリエーションクラス 16:30-18:00 
※クラスはジャレッド・マシューズ&加治屋百合子、ヴァリエーションは加治屋百合子が担当予定。
※ヴァリエーション演目は、D)ジゼル第一幕よりジゼル、E)眠れる森の美女第三幕よりオーロラ。
※受付はクラス開始30分前からになります。

【受講料】
1日コース 13,500円 ※料金は全て税込/含ダイアログ代
2日コース 23,000円
※1日コースは日程をお選びいただけます。但し、定員の都合により、ご希望のコースをお受けできない場合がございます。
※参加者は全員8/28(金)のバレエダイアログにご参加いただけます。

【対象】
2000年12月31日以前にお生まれの中学3年生以上の方で、バレエ歴が7年以上の方

【定員】 24名(1クラス当り)

【会場】チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオ


■バレエダイアログ(トークイベント)■
本公演の芸術監督とゲスト出演された講師3名によるこの機会にしか聞くことのできない貴重なバレエダイアログ。芸術監督視点・ダンサー視点など、様々な角度からお話をいただく予定です。
本公演をご覧いただくとダイアログの理解もより深まります。是非、劇場にも足をお運びください。

【日時】
8月28日(金)17:00-18:15
※講習会参加者よりご希望者全員がご参加いただけます(ダイアログだけのご参加はできません) 
※受付は開始20分前からになります。

【登壇者】堀内元 / 加治屋百合子 / ジャレッド・マシューズ

≪次代へのメッセージ≫トーク例:開催された公演について/海外のバレエ学校・バレエ団について/プロダンサーに求められること<思考法・習慣等>/コンクールのこと/アメリカのバレエについて/Q&A/等

<お問い合わせ・お申し込み>
チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオ
〒104-0054 東京都中央区勝どき4−13-4 TEL: 03-6221-2273
(受付時間9:30〜平日20:00/土日〜17:00)


「バランシンを学ぶには元を見ればいい」とまで言われ、バランシン・テクニックの神髄を伝えている堀内元さん、そしてヒューストン・バレエに移籍後ますます輝きを増している加治屋さんとジャレッドさん、世界の第一線で活躍する彼らの指導が受けられる貴重な機会です。

先日の吉田都さんとのトークイベントの内容も素晴らしかった堀内元さん。海外で活躍する彼らのお話が直に聞ける「バレエダイアログ」に参加できるのも、非常に嬉しいことです。座談会形式で行われるそうです。

もちろん、公演と併せて参加すると、ますます新しい発見があることでしょう。国際的な活躍を目指すダンサーの卵にとっては非常に有益な経験になると思います。

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http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/index.html


室伏鴻さんが急逝

日本を代表する舞踏家の室伏鴻さんが、6月18日、心筋梗塞のためメキシコ市で亡くなりました。68歳でした。

http://www.asahi.com/articles/ASH6M3526H6MUCVL001.html

1947年、東京生まれ。舞踏の始祖、土方巽(ひじかた・たつみ)に師事し、72年、麿赤兒(まろ・あかじ)さんらと「大駱駝艦(だいらくだかん)」を旗揚げ。女性だけの舞踏集団「アリアドーネの會(かい)」のプロデュースを経て76年、舞踏派「背火」を主宰し、福井県五太子町(現福井市)に劇場「北龍峡」を開く。78年にパリで上演した「最期の楽園」が1カ月のロングランとなり、日本発の舞踏が「BUTOH」として世界に認知されるさきがけとなった。

 神奈川県の湘南で幼少期に見た水死体や出羽三山で見たミイラに触発され、死と再生を身体表現に昇華。海外で積極的に公演を行い、2006年にはベネチア・ビエンナーレで「クイック・シルバー」を発表、銀色に塗られた裸体のうごめきが高く評価された。

関係者によると、室伏さんはブラジルのサンパウロなどでの公演を終え、ドイツでのワークショップに向かおうとしていた。18日午前8時(日本時間午後10時)ごろ、乗り継ぎ地のメキシコ市の空港で倒れ、ヘリコプターで病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認されたという。

直前まで海外での公演に出演されていて、元気だったため、突然の悲報は多くの人々に衝撃を与えたようです。室伏さんに薫陶を受けたり、影響された芸術家は非常に多く、また国際的にも活躍されていたので、世界中から追悼の声が上がっています。

室伏 鴻さんのインタビュー記事
http://www.performingarts.jp/J/art_interview/1109/1.html

室伏さんは、騎馬オペラで有名なバルタパスともコラボレーションをしていたのですね。

「アウフヘーベン! vol.1 室伏鴻×ASA-CHANG&巡礼」2014年9月23日 at CAY(青山) from precog on Vimeo.

偉大なアーティストがまたこの世を去ってしまいました。お悔やみ申し上げます。

2015/06/19

大嶋正樹さんが踊る「ようかい体操第一」大ブレイク中

元東京バレエ団プリンシパルの大嶋正樹さん。彼が、ニコニコ動画に「ようかい体操第一」を踊った動画を投稿したところ、大評判となっています。

元・東京バレエ団プリンシパルが「ようかい体操第一」を踊ってみた動画 なんというなめらかさの無駄遣い
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1506/18/news157.html

「ようかい体操第一」はアニメ「妖怪ウォッチ」の第1期エンディングテーマ。ニコニコ動画の人気タグ「踊ってみた」でアップされたこの動画。大嶋さんはあの独特の歌に合わせ、オリジナルのユーモラスな振付に沿いながらも、バレエダンサーならではのしなやかさ、優雅さで踊っています。一つ一つのムーブメントが美しいですし、アントルシャ・シスの跳躍も高い。さすがです。軸のしっかりした回転、深いプリエ、ブレがなくエレガントな動き。バレエ・ダンサーの動きって本当に美しいものなんだということを実感しますね。最後のパドブレしながら前に迫るように進んでいき、最後のポーズも見事に決めています。

バックで踊る2人も名古屋を拠点に活動する男性だけのコンテンポラリーダンスカンパニー「afterimage.」のメンバーです。

ニコニコ動画での今日一日の全体ランキングでも9位、8万回以上の再生回数と、大ブレイクしています。バレエ・ダンサーの素晴らしさが多くの人に知ってもらえるのは嬉しいことですね。そして東京バレエ団時代、人気の高かった大嶋さんの最近の踊る姿が観られたのも嬉しいです。


大嶋正樹さんは、1993年に全国舞踊コンクールジュニア1位入賞。ワガノワ・バレエ学校に留学し、イーゴリ・コールプ、エフゲニー・イワンチェンコらも育てた名教師セリュツキーに師事しました。レニングラード国立バレエ(現ミハイロフスキー・バレエ)を経て96年に東京バレエ団に入団、ベジャール作品などで活躍し、2007年にプリンシパルに昇進。2008年に東京バレエ団を退団し、生まれ故郷の愛知県豊田市にバレエスタジオ・アンジェリークを設立し、後進の指導に携わる一方、ダンサーとしての活動も続けています。

バレエスタジオ・アンジェリーク
http://www.balletstudio-angelique.com/index.html

ブログ
http://ameblo.jp/masaki-angelique/

出演予定
afterimage 7th 『ニトロ』
2015年6月26日(金)〜28日(日)
愛知県劇術劇場小ホール
詳細→http://helloafterimage.com/flier.html

ボリショイ・バレエの2015-16シーズン

ボリショイ・バレエの2015-16シーズンが発表されました。発表記者会見は当初予定より3週間延期されたもので、セルゲイ・フィーリン芸術監督は欠席し、ウラジーミル・ウリン総裁が発表したそうです。

フィーリンの任期は2015-16シーズン終わりまでで、更新されないということです。(次期監督は未定)

こちらが新シーズンを紹介するPDFですがロシア語なのであまり読めません。
http://www.bolshoi.ru/r/_content/cc9f1467ac9e145158d16c326b2e512e/240%20season.pdf

Facebookの方に英語もついています。
https://www.facebook.com/bolshoitheatre/posts/595817610560279:0

新作と言ってよいのでしょうか、プレミアとしてはいくつかあります。

アレクセイ・ファジェーチェフによる「ドン・キホーテ」の新しいプロダクションが上演されます。
Valery Leventhalによる新しい舞台デザインだそうです。(この人は今月亡くなったばかり)

「モダン・バレエの夕べ」
ハンス・ファン=マネンの「フランク・ブリッジ・ヴァリエーション」、ポール・ライトフットとソル・レオン(NDT)振付の「Short Time Together」、そしてイリ・キリアンの「詩篇交響曲」のトリプルビル。
(「詩篇交響曲」は厳密にいえば新制作ではなく、以前にもボリショイで上演されたことがあります)

ヴァスチェスラフ・サモドゥーロフ(ロイヤル・バレエ元プリンシパルで現エカテリンブルグ・バレエの芸術監督。2015年に黄金のマスク賞を受賞)振付の「オンディーヌ」(ヘンツェ作曲)

新作ではないのですが、ラトマンスキー振付の「ロシアン・シーズン」が久しぶりに帰ってきます。

2016年7月25日~8月13日までの3週間、ロイヤル・オペラ・ハウスでロンドン公演を行います。上演演目は、「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」「海賊」「パリの炎」「じゃじゃ馬馴らし」です。

ゲストカンパニーとして、ハンブルグ・バレエがボリショイ劇場で公演を行います。(2016年1月16日~24日)「シンデレラ・ストーリー」と「ロミオとジュリエット」が上演。

今年の11月20日、21日に、マイヤ・プリセツカヤを偲ぶ夕べ公演が行われます。これは、もともとはプリセツカヤの90歳を祝うガラ公演の予定でした。ヴィシニョーワが、マリインスキー・バレエの来日公演に参加しないのは、この公演に出演するからだそうです。

2016年5月24日、25日にスヴェトラーナ・ザハロワのガラ公演があります。ユーリ・ポソホフが振付けた「フランチェスカ・ダ・リミニ」、パトリック・ド・バナが振付けた「Rain…Before It Falls」、Marguerite Donlonが振付けた「Strokes Through the Tails」という演目の予定。


コンテンポラリーのトリプルビルは、名作ばかりですが、あまり目新しいもののないレパートリーと言えそうです。サモドゥーロフは、振付作品で黄金のマスク賞を獲得しており、振付家としての手腕が評価されているのでいい作品を創ってくれるかもしれません。次期ボリショイ・バレエ芸術監督の有力候補の一人でもあります。

ロンドン公演は、毎回チケット争奪戦が繰り広げられます。英国では絶大な人気を誇るオシポワがゲスト出演する可能性もあります。日本からも観に行く方は多そうですね。

新作と言えば、ユーリ・ポソホフ振付、レールモントフ原作の「現代の英雄」(Hero Of Our Time)の初演が7月22日に迫っており、ザハロワなどが登場するリハーサル映像が公開されています。「現代の英雄」はエフゲニー・オネーギンと同様、アンチヒーロー的な男が主人公であり、ロシア文学の金字塔のひとつです。くしくも、レールモントフもプーシキン同様、決闘で若くして命を落としています。

このボリショイのマガジンにもリハーサルの写真と、英語での解説も少し載っています。
http://www.bolshoi.ru/r/3F8CD8A3-683B-4B79-A59F-7C1F52D7CFFC/Bolshoi-6-2015.pdf

ポソホフ、現役時代は素敵だったのにすっかりおっさんになってしまいました。


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2015/06/18

ミハイロフスキー・バレエの2016新春来日公演

ミハイロフスキー・バレエの2016年新春の来日公演が発表されました。

http://www.koransha.com/ballet/mikhailovsky_ballet2016/

日本での初演となるチャブキアーニ振付「ローレンシア」(「ラウレンシア」、という表記もあり)、そしてゲスト・プリンシパルとしてイワン・ワシーリエフ、ポリーナ・セミオノワも出演して豪華な公演です。

ペレン、ボルチェンコ、ヴォロンツォーワ、ソボレワ、サラファーノフ、レベデフとバレエ団のプリンシパルも充実。また「海賊」でルジマトフが出演してくれるのも嬉しい限りです。

新春特別バレエ
1月2日(土) 14:00開演 東京国際フォーラム ホールA
「くるみ割り人形」:クリギナ&ヤフニューク
「白鳥の湖」:ソボレワ&レベデフ
「ローレンシア」:ヴォロンツォーワ&ワシリーエフ

ローレンシア
1月5日(火) 19:00開演 東京文化会館
ヴォロンツォーワ&ワシリーエフ

ジゼル
1月6日(水) 19:00開演 東京文化会館
セミオノワ&レベデフ

海賊
1月7日(木) 19:00開演 Bunkamuraオーチャードホール
ペレン&レベデフ(アリ)&ルジマトフ(コンラッド)
1月8日(金) 19:00開演 Bunkamuraオーチャードホール
ボルチェンコ&サラファーノフ(アリ)&ルジマトフ(コンラッド)

白鳥の湖
1月3日(日) 14:00開演 東京国際フォーラム ホールA
ペレン&レベデフ
1月9日(土) 15:00開演 東京国際フォーラム ホールA
セミオノワ&レベデフ
1月10日(日) 14:00開演 東京国際フォーラム ホールA
セミオノワ&サラファーノフ

このほかに神奈川県民ホールでの「白鳥の湖」も予定されています。

追記:「ローレンシア」(一般的には「ラウレンシア」と呼ばれることが多い)についての作品解説が、Dance Europe誌の日本語ページにありましたのでリンクを張っておきます。ヴァフタング・チャブキアーニの振付を、ミハエル・メッセレルが復元したものです。チャブキアーニの原振付は、かつては、マイヤ・プリセツカヤ、ユーリ・ソロヴィヨフ、ルドルフ・ヌレエフなどがよく踊ったものでした。
http://www.danceeurope.net/sites/default/files/J-173.pdf

テロ・サーリネン・カンパニー『MORPHED-モーフト』、テロ・サーリネンにインタビュー

フィンランドを代表する振付家のテロ・サーリネン。彼が率いるテロ・サーリネン・カンパニーが、6月20日、21日に最新作『MORPHED-モーフト』を引っ提げて、彩の国さいたま芸術劇場で公演を行います。

http://saf.or.jp/arthall/stages/detail/2333

2015年6月20日(土)開演:15:00
  6月21日(日)開演:15:00
彩の国さいたま芸術劇場大ホール

サーリネンは、フィンランド国立バレエ団でダンサーとして活躍した後、1996年に自身のカンパニーを設立し本格的に振付活動を始動、意欲的な作品を多数発表し、その実力は世界のコンテンポラリー界で高く評価されています。

今回、カンパニーの初来日にあたり上演されるのは、同じく現代フィンランドを代表するアーティスト、作曲家・指揮者であるエサ=ペッカ・サロネンの3つの楽曲に振り付けた『MORPHED』。8人の男性ダンサーによって展開される力強く変化に富んだサーリネンならではの動きに加え、舞台の三方を取り囲むように垂れ下がる無数の紐がダンスの起伏とともに揺れ動き、またあるときは静寂を湛える。そこに投影される光と影。タイトルのとおり(MORPHED=変形された)、刻々と形をかえる人々や自然の営みの移ろいを想起させるものです。

『MORPHED』初演の際には、エサ=ペッカ・サロネン自身が指揮を行い、諏訪内晶子がソリストとしてヴァイオリンの演奏を行うという大々的なものでした。サロネンとサーリネンは長年の友人だとのこと。
(サロネンのインタビュー。大変興味深いものです)
http://saf.or.jp/arthall/information/detail/261

フィンランド国立バレエで7年間バレエダンサーとして活躍し、ソリストだったサーリネンは退団後、92年に来日し、大野一雄の下で舞踏を、そして日本舞踊を通して日本の伝統舞踊を学びました。さらにネパールにも旅したり、様々なジャンルのダンスを取り入れてユニークな振付活動を行っています。NDT、バットシェバ舞踊団、リヨン・オペラ座バレエ団、フィンランド国立バレエなど多くのカンパニーに作品を提供しています。

今回、フィンランド大使館にて、このテロ・サーリネンの合同インタビューに参加するという素晴らしい機会を与えて戴きました。今年50歳というテロですが、ダンサーとしても活動しているだけに若々しく、エネルギッシュで魅力的な方でした。

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カンパニーのマネージング・ディレクターのイリス・オーティオさんと、テロ・サーリネン


Q サーリネンさんは、昨年日本に一か月滞在し、埼玉舞踊協会のために「MESH」を振付けるなど日本との縁は深いわけですが、今回の来日公演が実現する経緯について話してください。

私は2002年にソロ作品「HUNT」をフェスティバルで踊ったのが、日本での初めてのパフォーマンスでしたが、カンパニーを持ってくるのは初めてです。日本でカンパニーのパフォーマンスを行うのは夢でした。「MESH」ではこの劇場で、バレエ、舞踏などバックグラウンドも年齢も違う26人の日本人ダンサーと作品を創りましたが、さいたま芸術劇場は空間として美しい劇場です。

テロ・サーリネン自身が踊る「HUNT」 (音楽は「春の祭典」)これは、ものすごい作品です。

代表作の一つである「Borrowed Light」(2004)と、この「MORPHED」のどちらを持ってくるか考えましたが、最新作を上演したいと思ってこの作品にしました。照明のミッキ・クントゥは20年間一緒に仕事をしていますし、衣装デザインのテーム・ムーリマキはマリメッコのデザインも手掛けているデザイナーです。プレミアでは、エサ=ペッカ・サロネンが指揮をして、フィンランドの才能を結集させました。


Q:『MORPHED』は8人の男性ダンサーが踊る、男性だけの踊りですがなぜですか?

この作品は自分の人生を反映させたものだからです。50歳となり、自分自身のダンサーとしての人生を振り返る機会だと思いました。そして、ダンスの男らしさについて突っ込むという機会でもあります。人間性、男らしさ、人間の持つ力、メタモルフォーゼ、新しい何かををダンスで表現したいと思ったのです。人間が集まって更生し、新しいフォルムや新しい何かを生み出したい。より複雑で、より豊かな男性を表現したい。

私は30年間踊ってきています。ここではステロタイプではなく、大野一雄の肌を出したかったのです。今までもカロリン・カールソンの作品を踊っていますが、私は女性振付家の作品でも、女らしさとしてではなく、男らしさを作っていました。舞踏では、女装して踊るような作品もありますが、女として演じるのではなく男でも女でもない、両性具有的に踊ってきています。

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Q テロ・サーリネン・カンパニーはカンパニーと名乗りつつも、固定したメンバーは少ないそうですが、どのようにダンサーを選んでいますか?

同じような価値観を持っていて、掘り下げる能力を持っていて、創りたいという欲求を持っている人です。Depth, Focus,そしてDesireですね。私は変化が好きですし、起伏があるのが好きなのです。固定したメンバーはほとんどいません。10年間私のカンパニーで踊りつつ、他の振付家たちの作品も踊っているダンサーもいます。オーディションというのは特にしていませんが、様々な出会いがあります。ワークショップで才能を見つけて、フィンランドに移り住んで一緒にやっているアメリカ人ダンサーもいます。

今回の『MORPHED』も、いろんな年代のダンサー、26歳から45歳までいます。違うバックグラウンドの出身で、ストリートダンス出身の人もいれば、バレエ出身の人もいます。フィンランドの舞台芸術のハイスクールを卒業したばかりの人もいますし、海外で活躍してきた人もいて、彼らの才能を発信しなければならないと思っています。カンパニーのスクールはありません。スタッフのうち9人は常任で、2人のアシスタントリハーサルディレクターがいます。ダンサーも、ダンサーとしてだけではなく、他の仕事もできるようにしてもらっています。カンパニーはフレキシブルな構成で、教えたり、新しい才能を見つけたり、効果的に運営しています。国からの補助金もいただいており、一つの機関として成り立っています。昨年「MESH」に参加した高橋純一は、文化庁の在外研修で、現在テロ・サーリネン・カンパニーで研修中です。


Q 別々のバックグラウンドのダンサーをまとめるためのメソッドはありますか?

私は大野一雄に舞踏を学んできたし、クラシックバレエも経験してきました。私のクラスでは、私が考えたトレーニングとワークショップを行っています。五感を目覚めさせ、その場を生きることです。360度の好奇心を持って目覚める方法を適合させながら行っています。ダンサーだけでなく、誰でも体の力、感覚を目覚めさせることは必要なことです。今立っているというのは、いつもの立っているのとは違うので、それを感じること、指先に注意する、目を使って焦点を絞ることなどを行います。自分の内面を探る人、ヴィルトゥオーゾを持っている人が好きですし、共鳴できる人を求めています。内面の力とコネクトできる人です。4つの「A」を持つことが必要です。Alert、Attentive, AwakeそしてAliveです。究極的には、Alive=生きていることが一番大事です。


Q バレエから舞踏に移行したのはなぜですか?

90年代に私はクラシックバレエでは限界を感じていました。ちょうどそのころ、ヨーロッパでは舞踏のムーブメントが起きており、カルロッタ池田や大野一雄らが注目されていました。彼らの踊りは強くて魅力的に感じていました。自由への道を提供してくれました。正しいムーブメントはないけれど、聖なる真実はムーブメントの中にあるというのがわかりました。透明で、今日の気持ちを出す自由、新しいチャンネルを提供してくれ、打ちのめされるような経験でした。土方巽には会えなかったのが残念です。

私自身は舞踏のダンサーではなく、クラシックバレエ、武道、そして舞踏が自分の中で統合されて、パフォーマンスの中で共鳴して、ダンサーもお客さんとも共鳴しているのを感じています。

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Q サロネンの音楽を今回使うことになったのはどういう経緯からでしょうか?

1994年に彼と一緒に仕事をしたのですが、それ以降は機会がありませんでした。彼の音楽は好きでCDは集めていたのです。クラシック音楽を使った作品を創りたいと思っており、ショスタコーヴィチかサロネンを使おう、ということで彼と話してサロネンになりました。出来上がった作品に対してのサロネンの反応は、とてもいいコラボレーションができたとのことです。違うように音楽の蓋を開いて、ありがたく思ったと言ってくれました。今回は、彼の初期、中期、後期の作品(《フォーリン・ボディーズ》、《ヴァイオリン協奏曲》)をそれぞれ一曲ずつ使い、プレミアではオーケストラの生演奏でサロネンの指揮、諏訪内晶子の演奏で実現して、壊れやすい部分も表現できました。


Q 日本とフィンランドの共通点はなにがありますか?

似通った心の情景があります。大野一雄さんには、私にはフィンランドの魂があると言われました。ミニマリズム、繊細さ、自然に対する尊敬の念などが共通しています。自然との共存、そしてデザインのミニマリスティックなところもそうです。孤立していて、二元性が存在しているところもそうです。イノベーションが盛んでありながら、過去にさかのぼるという衝動があるのも似ています。

私は「HUNT」の中では、自分を孤立させているのではないか、自分たちの息を殺しているではないかと問い、踊りの中で漂っている人を描き、皮膚の消滅、神経を失っていることを表現しました。「HUNT」をもう一度日本で踊りたいと思いますが、今はもう自分では踊れないので、他のダンサーに振り移しているところです。

北欧各国は、精神的なランドスケープは全体的でつながっています。陰影の深い場所です。自然がドラマチックです。一年のうち7~8か月は暗いわけですから、明るい季節には力があります。


Q 「MORPHED」について

変化、動き、新しい可能性、生命、強力で透明で共鳴している、そんな作品です。


「HUNT」と並んでサーリネンの代表作である「Borrowed Light」は、8人の歌手と8人のダンサーが繰り広げる作品。この作品と共に旅した10年間を描いたドキュメンタリー映画「A Chair Fit for an Angel」も制作されました。

A Chair Fit for an Angel - Trailer - Canada/Finland co-production from Michel Ouellette on Vimeo.



サーリネン、そしてダンサーたちの様々なバックグラウンドをもとに作りあげられ、サロネン作曲の音楽をはじめ、総合芸術として完成度の高い作品である「MORPHED」、非常に楽しみです。パワフルで知的なテロ・サーリネンの話は刺激に満ちていました。


テロ・サーリネンのインタビューも載っていて、大変興味深い一冊です。

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2015/06/16

マリインスキー・バレエ「ダンスの騎士たち」公演ネット中継

公演自体は日曜日に行われていたのに、うっかりお知らせをするのを忘れていました。
バレエ忘備録のurikoさんありがとうございます)

6月14日に、マリンスキー劇場でKnights of Danceという公演が行われ、これがネット中継されています。18日の夜に別の中継があるので、それまでの時間、視聴できます。

ダニーラ・コルスンツェエフ、イーゴリ・コールプ、エフゲニー・イワンチェンコとマリインスキー・バレエの誇る3大おやじベテラン・プリンシパルをフィーチャーした、ユニークな公演です。

Kolb_korsuntsev_ivan4enko

中継サイト
http://mariinsky.tv/n/

公演サイト
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/2015/6/14/1_1930/

I. «Lady and the Hooligan" 「お嬢さんとならず者」
Music of Dmitri Shostakovich
Choreography Konstantin Boyarsky
Libretto by Alexander Belinsky based on the play by Vladimir Mayakovsky

Young Lady - Victoria Tereshkina
Hooligan - Daniel Korsuntsev
Leader - Alexey Kuzmin

ショスタコーヴィチのバレエ曲に、コンスタンチン・ボイリャスキーが振付けたもの。1920年代が舞台で、ソビエト風味のミュージカル風の作品。引退してしまったイリヤ・クズネツォフの当たり役だったわけですが、真面目そうなコルスンツェフが不良を演じているというレアなものを見ることができます。お嬢さんに恋したならず者の切ない恋が描かれています。ダニーラファンとしては、いつもと違った彼の一面が観られて嬉しい限りです。

II. "Divertimento King"
Music of Jean-Philippe Rameau
Choreography Maxim Petrov
Costume - Tatiana Noginova
Lighting - Constantine Binkin
Playwright - Bogdan Korolёk

Performed by Igor Kolb

若手振付家マキシム・ペトロフによる新作で、ラモーのバロック曲を使用。衣装も宮廷舞踊風なんだけど、バロックでこんなに風にぐにゃぐにゃ踊るところは、さすがコールプ。かなり風変わりな作品ですが、男性群舞がふんだんにあって楽しかったです。


III. "Scheherazade" 「シェヘラザード」
Music by Nikolai Rimsky-Korsakov
Scenario by Léon Bakst and Michel Fokine after Arabian fairytales
Choreography by Michel Fokine
Reconstruction by Isabelle Fokine and Andris Liepa
Set and costume design by Anna Gentle and Gentle Anatolia based on sketches by Léon Bakst

Starring:
Shahryar - Vladimir Ponomarev
Sobeide - Olga Belik
Rab Zobeide - Yevgeny Ivanchenko
Odalisque: Victoria Brilyov , Julia Kobzar , Zlata Yalinich

これはおなじみのフォーキン作品。イワンチェンコも黄金の奴隷のイメージからは程遠いわけですが、いやいやどうして、大人の魅力があってとてもセクシーです。オダリスクにヴィクトリア・ブリリョーワの名前がありますが、これはurikoさんも描かれている通り、彼女は出ていないようです。アスィルムラートワの愛娘アナスタシア・ザクリンスカヤが出演しています。ゾベイダは役デビューのオリガ・ベリク。美しい人ですね。

ラストは、タキシードで決めた3人がタンゴを踊ってくれますが、それぞれ本当にカッコいいこと!年輪を重ねた渋い魅力がたまりません。さっきまで奴隷役を妖艶に演じていたイワンチェンコが、いきなりオールバックでおやじ全開なのが、また魅力的です。これ、生で観られた方が羨ましいです。「Tango for Three」という作品だそうですね。

「シェヘラザード」はともかくとして、他の2作品はなかなか観る機会のない作品。こういう風にネット中継してくれるのはありがたいのですが、どうせなら映像ソフト化もしてほしいですよね。特に11月~12月のマリインスキー・バレエ来日公演には、コールプもイワンチェンコも来日しませんし。

追記:公演当日に流れた映像がアップされていました。3人のリハーサル、ワジーエフ、テリョーシキナ、そして彼らの恩師であるセリュツキー先生のインタビューもあります。

2015/06/15

6/14 NBAバレエ団「HIBARI」~全ての美空ひばりファンに捧げる

偉大な歌姫、美空ひばりの生涯がバレエになった。

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ブロードウェイ・ミュージカル「スイング」、映画「フットルース」、そしてABTなどが上演した「ガチョーク賛歌」などの振付家として知られるリン・タイラー・コーベット氏。彼女が昨年NBAバレエ団の振付指導で来日していた際に、美空ひばりのドキュメンタリー番組を偶然に観て彼女に強く惹かれたことから、「ひばりさんを讃える舞台作品を創りたいと」という企画が持ち上がった。


http://www.nbaballet.org/performance/2015/hibari/index.html

美空ひばりとバレエ、というのは不思議な取り合わせに思えるけれども、初期の「お祭りマンボ」などはとてもダンサブルな曲だし、基本的にひばりさんはポップス歌手。ということで、まるでブロードウェイ・ミュージカルのような仕上がりを思わせる、ゴージャスでエンターテインメント性の高い舞台に仕上がった。私は、ヒュー・ジャックマンが主演して実在の歌手を演じたブロードウェイ・ミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」を思い出した。

ブロードウェイでも活躍する映像ディレクターのアダム・ラーセンが、巧みにひばりさんのドキュメンタリー映像を引用。スクリーンの使い方は、分割もあったりと、おそらく日本の舞台芸術家なら思いつかないような演出で仕上げている。あまりにも偉大なひばりさんに遠慮して日本人ならできないようなことを行い、大胆な演出により、起伏に富み、娯楽性もありながらアーティスティックな舞台に作り上げていった。それでいて、ひばりさんへの深い敬意も感じられる。

悲しき口笛
NHKオーディション
Acid Incident
リンゴ追分
お前に惚れた
哀愁波止場
哀愁出船
お祭りマンボ
真っ赤な太陽
東京ドームシーン
ある女の詩
悲しい酒
愛燦々
人生一路

ひばりは横浜の貧しい家に育ちながら、天才少女として才能を見いだされてスター街道を駆け上っていく。大人顔負けの歌のうまさと芸達者さ。彼女の明るい存在感と力強い歌声は戦後の人々に希望を与えた。だが、熱狂的なファンによって塩酸を顔にかけられて長期休業するという悲劇にも見舞われる。スターとして華やかな日々を送りながらも、離婚も経験し、幾度も恋に破れ、愛する家族にも先立たれて孤独を味わう。そんな中でも家族を大切にし、ファンを大切にして多くの人々に愛された。

狂言回しのようなナビゲーター役を請け負ったのは、元宝塚トップスターの和央ようか。長身ですらりとして輝くばかりに美しい彼女も、ひばり同様の圧倒的なスターのオーラを放つ。タキシードできめたり、艶やかな赤いドレスで魅了したり。そして「お祭りマンボ」や「愛燦々」など4曲も歌声を聴かせてくれるが、見事な歌唱力だけでなく、凛々しく心に訴える力があった。そして、ひばりさんの主なヒット曲に合わせて、彼女の人生を表現するようなダンスがNBAバレエ団によって繰り広げられて、これらのダンスを通して彼女の人生が迫ってくる。

着物を着た女性ダンサーたちが愛らしい「リンゴ追分」、一人の女性ダンサー(竹内碧)を中心にドラマティックで情熱的な踊りが展開する「真っ赤な太陽」、セクシーな「ある女の詩」など印象的なシーンはたくさんあるが、中でも出色は、大森康正さん、高橋真之さんなど男性ダンサーたちが超絶技巧を繰り広げる、楽しい楽しい「お祭りマンボ」と、ひばりの孤独をうたい上げた「悲しい酒」での、黒いユニタードで踊る関口祐美さんを中心としたスタイリッシュで現代的なシークエンスだろう。

ひばりさんの愛息である加藤和也さんの全面協力により、ひばりさんの映像もふんだんに使われている。特に、華やかな真紅のドレスに身を包んだひばりさんの飾らないユーモラスなトークを通して、率直でかわいらしい人柄の片鱗が見えたところにはぐっと来た。

ひばりさんは病に倒れ、52歳の若さでこの世を去ってしまったけれども、その悲劇的な最期は語られず、ブロードウェイ・ミュージカル的な大団円でダンス、ダンスと明るくにぎやかな幕切れとなったところが巧い。振付としては、特に目新しいものは観られないが、誰にでも楽しめるわかりやすさがある。

美空ひばりの生涯を描いた作品で、和央ようかさんが出演しているということもあって、観客層は普段のバレエファンとは大幅に違っていた。最初にひばりさんのポートレートが登場すると、そこでいきなり大きな拍手。「お祭りマンボ」などアップテンポの曲には手拍子が飛び出し、最後にはスタンディングオベーション。観客の多くは、この舞台をとても楽しんだ様子だった。このように、バレエの観客層を広げる試みは素晴らしい。ひばりさんのファンでなくても幅広い客層が楽しめるエンターテインメント性があるので、うまくやれば、地方公演など、そして海外でも受ける可能性を秘めた作品なのではないかと思った。リン・タイラー・コーベット、さすがの手腕である。


同時上演は『A Little Love』。アメリカの偉大なジャズ歌手ニーナ・ シモンの音楽から5曲を選曲してマーティン・フリードマンが振付けたもの。シンプルな白い衣装で3組のペアが踊るのだけど、とても音楽的で美しく、しっとりとした余韻の残る佳作。田澤祥子・泊陽平、竹田仁美・大森康正、竹内碧・森田維央の3組はどれも良かったけど、中でも、元新国立劇場バレエ団の竹田仁美さんは、伸びやかで歌うような踊りでとても美しかった。

【吉田都×堀内元 Ballet for the Future】トークイベント

8月に開催される【吉田都×堀内元 Ballet for the Future】を記念したトークイベントが先日、チャコット勝どきスタジオで開催されましたので、伺ってきました。

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長年海外で活躍してきた堀内元さん(セントルイスバレエ芸術監督)と吉田都さん(元ロイヤル・バレエプリンシパル)。二人のバレエに賭ける熱い思い、次世代ダンサーたちへの期待が伝わる素晴らしいトークを聴くことができました。

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この公演を開催するにあたっての想い

堀内:これからの日本のバレエを担うダンサーたち、次世代ダンサーへのメッセージとして、一人でも多くの人たちに伝えたいと思います。ダンサーとしての夢、希望、バレエの楽しさを多くの人たちに伝えていきたいのです。

5年間、堀内元バレエUSAとして兵庫県立芸術文化センターで、セントルイスで上演した作品を日本のダンサーに踊っていただいていました。一昨年からは吉田都さんにも参加していただいています。アメリカで作った作品を日本のダンサーに踊ってもらって日本で観てもらう、という企画を東京でもやるというのが、今回の公演です。良い作品に出会うことで、ダンサーとして伸びる、成長して行くことができます。世界一流の踊りを皆さんに観てほしいと思います。

吉田:私の年齢でチャレンジできるものを踊っていきたいと思っています。今まで古典の作品を踊ることが多かったのですが、それもまたチャレンジでした。元さんの作品を踊ると自分が解放されるのを感じました。自分も楽しく、お客さんにも楽しんでいただけて、勇気をもらえました。もう少し踊っていければいいなと、気持ちを変えていただきました。

元さんはもともとは私にとっては遠い存在で、私の小さいころからスターでした。同じ日本人として誇りに思える方です。そういう方が、ローザンヌ賞を獲ってからチャレンジするようになって刺激され、たくさん勉強させられました。
同じローザンヌコンクール受賞者でも、元さんと私では意識の違いがありました。私は勉強のためにチャレンジしたという感じでしたが、元さんは、その先にどうしようかと考えていらっしゃったのです。

堀内:当時ローザンヌで同じころに受賞されたのはぼく以外には都さんだけだったので、勇気づけられました。当時、東京新聞コンクールで一緒でした。その時から、都さんが出場されるから勝てるかどうかわからないと思っていたのです。ものすごく安定したテクニックの持ち主で、励みになりました。一緒の世代でやっているんだと思いました。ロイヤル・バレエがメトロポリタン・オペラハウスで公演した時、「眠れる森の美女」で都さんが、ダーシー・バッセルの代役としてムハメドフと踊るのを観ることができました。尊敬する人です。

海外のカンパニーでプリンシパルとして踊り続ける難しさ

吉田:才能の違いを日々見させられました。どうしても難しい、だからこそ刺激を受けて勉強になりました。いろんな面で大変でした。バレエを踊るうえで日常生活の面も踊りにつながっていきます。そこが苦労しました。

堀内:私が海外に出たときには、FAXもなく、手紙でやり取りするしかありませんでした。手紙だと日本に連絡が付くのも一週間後でした。文化の違いがあり、生活に慣れるのも大変でした。どうやって文化に適応していくか、そこからの勉強が大変でした。
都さんはすごい集中力の持ち主で、人の言ったことに対して120%で応える人で強い。だからこそ、長いことロイヤルでプリンシパルとして踊ることができたのだと思います。

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コンクールについて

吉田:目標を持ってチャレンジするのは素晴らしいことです。ローザンヌ賞を獲っても、そこからがスタートです。菅井円加さんが1位となった年、マスコミが大騒ぎして私にも取材が殺到しました。どうしてそんなに大騒ぎをしているのかと思いました。嬉しいニュースですし、震災後なので明るいニュースとして取り上げたいということで良いことだと思いましたが、そこがスタートラインなのに、大騒ぎされて、受賞者も気の毒だと思いました。イギリスでは、コンクールに参加するというのはあまりありません。

堀内:コンクールは目先の目標になっていいと思いますが、スターのステイタスになるわけでもないし、それでバレエ団には入れるわけでもありません。セントルイスバレエでも、団員のうち24人はセントルイス以外の出身で、サンフランシスコ、ボストンといったメジャーなバレエ学校の出身者が多いのです。毎日のトレーニングが大事なのであって、コンクールで賞を獲ることが大事ではないのです。

吉田:私はピーター・ライトとの仕事を経験してきました。89歳の今でも彼は変わらず仕事をしていて、最近も彼に会いました。ピーターとの出会いがあってこその自分だと思っています。日本でのバレエ教育は素晴らしいとピーターに言っていただいたのが嬉しいです。技術より表現、演じるということを、彼の作品から教えられて成長していくことができました。

ジョージ・バランシンについて

堀内:最初彼が認めてくれたのは、私にしっかりしたテクニックがあったことからです。ニューヨークシティバレエに入団した翌年にバランシンは亡くなってしまい、正味一年半しか一緒に仕事はできませんでしたが、彼がいたからこそ、私もアメリカに残ることができました。人一倍バランシンを勉強したものです。亡くなってから、彼の素晴らしさがわかりました。今もバレエ団で彼の作品を上演するときに発見があります。自分の土台を築いてくれた人です。亡くなる前、5,6
か月入院していて、2,3回病院で話すことができました。彼はパーキンソン病(実際にはクロイツェル・ヤコブ病)を患っていて手の自由がきかない状態でした。「真夏の夜の夢」公演の数日前、手を取ってくれて10分間、手を握って離してくれなかったのを覚えています。

堀内さんの作品「La Vie」を踊ることについて

吉田:セントルイスバレエにゲスト出演して堀内さんの作品を踊りました。その後兵庫でも踊り、セントルイスで踊ったのと、ここまで違うのかというのが面白かったです。同じ振付でも、日本人とアメリカ人と全然違うのです。解釈などが違っていました。

「ドン・キホーテ」のアントレの振付について

堀内:私は「ドン・キホーテ」を踊ったことがないので、振付も面白かったです。基本的に「ドン・キホーテ」の3幕のプティパの振付についてはほとんど誰も手を付けていなくて原型が残っているのですが、私は原形をとどめつつも、新しいステップをどんどん取り入れていくようにして、今のテクニックに合うスピードで作りました。

日本で生徒を教えることによって感じたこと

吉田:日本で教える機会があった時、生徒たちがあまりに静かで無反応なので悩んだ時期がありました。しかし彼らは中に熱い気持ちを持っている人たちで気にしないようにしました。自分の中でこういうことにチャレンジしたい、今までと違うことに、もっとシンプルにして、ここをちゃんとしなければならない、ということを教えています。バレエには近道というのはなくて、基本の基本を積み重ねるしかないということを伝えています。コンクールで一つのソロですべてを見せるという意識の人が多いのですが、もっと地味なのがバレエです。積み重ねた後に違うところに行けるのですが、そこまでの時間は長いけれど、いつも基礎が大事と教えたいと思います。

セントルイスバレエの現状

堀内:今年でセントルイスも15年目になります。芸術監督に就任した当初は、7人しかダンサーがいなくて、「くるみ割り人形」の上演だけをしていました。バレエ学校の生徒も50人だけでした。土台を築きあげ、すでにあるものはないので作り上げました。リーダーとして引っ張っていくからには大変だけど、小さなバレエ団なので、自分でプランを立てて、作品を選び、ダンサーを教育していって、ここ数年で形になってきました。いつかは吉田都さんをゲストで呼びたいと思っていて、12年目でやっと実現しました。今はいい形になりました。年4回の公演を打てるようになり、お客さんは2万人、バレエ団のダンサーは26人、バレエ学校の生徒は350人います。中西部のバレエ団としては、ミルウォーキーやカンザス・シティバレエと同じくらいのレベルとなり、軌道に乗りました。

NPOなので、半分位がチケットの売り上げで、残りは寄付やスポンサーシップです。予算は2億円でダンサーを雇い、作品を創っています。日本ではこれができているバレエ団は2,3カンパニーといったところでしょう。新作は年に2,3回発表するつもりで、くるみは13回の公演を行っています。

吉田さんとバランシン

吉田:ロイヤル・バレエでもバランシンの作品の上演は多いのです。バーミンガムロイヤル・バレエでは「シンフォニー・イン・スリー・ムーブメンツ」を踊りましたが、NYCBとは踊り方が全然違います。ロイヤルのダンサーがバランシンに挑戦するのは、トレーニングが違うため難しい時代でした。スタンリー・ウィリアムズという先生が松山バレエ団にも来て指導してくれましたが、「(堀内)元を観ればバランシンがわかる」と言ってました。音の取り方、リズムの取り方もクラスで教えてもらいました。

堀内:ブルノンヴィル・スタイルはスピード感があり、これは必ず全部教えなければならないテクニックです。一方古典はメロディなのであって、これは教えるものではありません。バランシンはとにかくカウント、カウントです。私はストーリー物は大好きで、物語を伝えるのが好きです。バランシンでも「真夏の夜の夢」や「Steadfast Tin Soldier」などを踊りました。適応性がある人が1日、2日でそのスタイルに入ることができ、都さんはそこが違います。

吉田:私はいつも抑え目なので、バランシンを踊るにあたって自分を解放できるので気持ちよく踊れます。ただそこまで行くのは大変です。音楽と一体となっている振付なので、音楽に助けてもらえます。自然と体が動くような感じです。

<質疑応答>
Q. この30年で日本のバレエ界は変化しているが、進歩していくには何が必要か

堀内:ダンサーの意識の問題はあります。最近のダンサーは一度海外の舞台に立てば満足してしまい、海外で2,3年踊ると帰国してしまいます。私は辞めろと言われるまで海外にいたいと思っています。バレエは日本で生まれたものではないし、本場で踊りたいと思わないのかと思います。アメリカで踊ろうと声をかけても、日本の方が楽しいと言われてしまいます。バレエは苦しいものですし、アルバイトをしてでも舞台に立ちたいという気持ちが少ないようです。

後はお客さんづくりが大事です。寄付をしてくれる人たちとお友達になることが大事です。パーティ、サポーターとの交流をセントルイスでは行っています。コミュニティづくりがまだまだ日本にはありません。どうやってサポータを作っていくかということがない。

Q. バランシンとの交流について

堀内:バランシンとの会話は他愛のないものが多かったです。彼はフィジカルセラピストに対しては、日常の話ばかりしていて、親しみやすい人でした。料理が好きなので料理の話、特にロシアの料理の話が多かったです。素敵なおじさんという感じでした。どうやって、この人があのような作品を作っていたのか、と思います。私は自分で解釈して自分で作っていきたいです。

Q. オーディションではどのようなダンサーを求めていますか?

堀内:適応性がとても大事です。デモンストレーションでどうやって対応できるかというのを見ています。後は、スタイルを崩せる人、求めているものを素直に受け取れる人です。

Q. 吉田さんが今後やっていきたいこと。

吉田:応援していただけているのは励みになっています。新しいチャレンジもできると思います。この舞台もそうです。あまり先のことは予定は立てられませんが、まずは今頑張ろう、チャレンジしていきたいと思います。

堀内:都さんは人の三倍練習する人なんです。他の人が帰っても、ホテルで考えてビデオを見て翌日質問する、すごい勉強家です。一人で毎日リハーサルをしていて、延々と誰もいないところで練習しています。都さんでさえもこれだけ練習するということを知ってほしいです。(吉田さんは「私はドンくさいだけです」と応じていたのが謙虚かつ可愛らしかったです)

*********
堀内元さん、吉田都さんと日本バレエの2大巨人のお話は、多くのことに気づかされました。まだまだ日本のバレエは発展途上にありますが、彼らのような先人がいたからこそ、今は多くの日本人ダンサーが海外でも活躍するようになってきたのですね。吉田都さんのように、テクニックに定評のある人で、とっくにバレエを辞めているような年齢でも、このように人の三倍練習して修練を続けているということはすごいことです。それだけに、バレエには近道はなく、基本に始まり基本に終わる、という言葉が説得力を持ちます。まだまだ日本のバレエ界には課題が多く、地域との交流も足りないように思えますが、彼らが伝えたいメッセージは、この「Ballet for the Future」公演で伝わってくることでしょう。

【吉田都×堀内元 Ballet for the Future】
http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/index.html

金沢公演
本多の森ホール(石川・金沢) 2015年8/25(火)
開場17:45 開演18:30
主催:北國新聞文化センター/チャコット 共催:北國新聞社
お問い合わせ:北國新聞文化センター TEL076-260-3535

東京公演
ゆうぽうとホール(東京・五反田) 2015年8/27(木)
開場17:45 開演18:30
主催:チャコット/イープラス
お問い合わせ:チケットスペース TEL03-3234-9999(月〜土10:00-12:00/13:00-18:00)

堀内さんを取り上げたアメリカの番組。

2015/06/13

「オーチャード・バレエ・ガラ ~JAPANESE DANCERS~」演目決定

熊川哲也さんによるプロデュース、世界で活躍する若手日本人ダンサーたちを集めた注目のガラ公演「オーチャード・バレエ・ガラ ~JAPANESE DANCERS~」。演目が決定し発表されました。

http://www.bunkamura.co.jp/topics/orchard/2015/06/presents_japanese_dancers_1.html

『新作』
振付:山本康介
出演:金原里奈(2015年ローザンヌ国際バレエコンクール受賞) ほか

『ラ・シルフィード』より
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
出演:野村千尋、松井学郎(ノルウェー国立バレエ)

『海賊』より“グルナーラとランケデムのグラン・パ・ド・ドゥ”
振付:マリウス・プティパ
出演:飯島望未(ヒューストン・バレエ)、猿橋賢(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

『レクイエム』より“Pie Jesu”  *1日(土)のみ
振付:ケネス・マクミラン
出演:崔由姫(ロイヤル・バレエ)
ソプラノ:坂井田真実子 
オルガン:石井里乃

『レ・リュタン』
振付:ヨハン・コボー
出演:奥野凜、堀内尚平、吉田周平(ルーマニア国立バレエ)
ヴァイオリン:成田達輝
ピアノ:未定

『作品未定』
出演:倉永美沙(ボストン・バレエ) ほか

『白鳥の湖』より“第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ”
改訂振付:熊川哲也
出演:崔由姫(ロイヤル・バレエ)、山本雅也、杉野慧(Kバレエ カンパニー)

『精密の不安定なスリル』
振付:ウィリアム・フォーサイス
出演:橋本清香(ウィーン国立バレエ)、飯島望未(ヒューストン・バレエ)、椿井愛実(ロイヤル・ウィニペグ・バレエ)、木本全優(ウィーン国立バレエ)、三野洋祐(ロイヤル・ウィニペグ・バレエ)

『アスフォーデルの花畑』より  *2日(日)のみ
振付:リアム・スカーレット
出演:崔由姫、平野亮一(ロイヤル・バレエ)

『コンチェルト』第2楽章  *2日(日)のみ
振付:ケネス・マクミラン
出演:金子扶生、平野亮一(ロイヤル・バレエ)

ほか


非常に魅力的な演目が上演されます。ルーマニア国立バレエの3人が踊る『レ・リュタン』はヨハン・コボー振付で、「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」でも、コジョカル、マックレー、ポルーニンという豪華キャストで上演された、とても楽しくて超絶技巧を盛り込んだ作品。ヴァイオリニストも大きな役割を果たしますが、今回は数々の国際コンクールで受賞している若手の注目株、成田達輝さんが演奏します。

ウィリアム・フォーサイス振付の『精密の不安定なスリル』も、日本人ダンサーによる日本での上演は初めてなのではないでしょうか。こちらも高度なテクニックを要する作品です。ウィーン国立バレエでも踊っている橋本清香さん、木本全優さん、きっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることでしょう。

ロイヤル・バレエのダンサーが多く出演するので、ロイヤル色が強い作品が並んでいます。マクミランの美しい『レクイエム』を崔由姫(チェ・ユフィ)さんが踊り、また同じく非常に美しい『コンチェルト」は金子扶生、平野亮一が踊ります。注目の若手振付家リアム・スカーレット振付の『アスフォーデルの花畑』は、彼の出世作でした。崔由姫さんが『白鳥の湖』を踊るのも魅力的です。(ユフィさんは、ロイヤル・バレエではまだ踊っていませんが、韓国国立バレエで『白鳥の湖』の全幕に主演しています)

追加出演者として、猿橋賢(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)さんが加わっています。ファースト・アーティストながら、「エチュード」で主演していたりする注目のダンサーです。

単に有名作品を並べたのではなく、日本ではなかなか見られないような作品、バレエ団の特色を出した作品が上演されるのが素晴らしいです。しっかりとしたコンセプトがあるんですね。

熊川哲也オーチャードホール芸術監督presents
オーチャード・バレエ・ガラ~JAPANESE DANCERS~
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_gala.html

特設サイト
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_gala/index.html

公演日程
2015/8/1(土)、2(日)13:00開演
会場
Bunkamuraオーチャードホール

チケット
Bunkamuraチケットセンター<10:00~17:30>
03-3477-9999
Bunkamuraチケットカウンター<Bunkamura1F 10:00~19:00>
東急シアターオーブチケットカウンター<渋谷ヒカリエ2F 11:00~19:00>

お電話でのお申込み

チケットぴあ
0570-02-9999<Pコード:444-138>
ローソンチケット
0570-084-003<Lコード:32961>
0570-000-407<オペレーター10:00~20:00>

インターネットでのお申込み

チケットぴあ
http://pia.jp/t/orchardballet/ <PC・携帯・スマホ共通/PC・スマホは座席選択可能>
イープラス
http://eplus.jp/obg/ <PC・携帯・スマホ共通/PC・スマホは座席選択可能>
ローソンチケット
http://l-tike.com/ <PC・携帯・スマホ共通/PCで座席選択可能>

2015/06/11

HBCサマーワークショップ 2015のご案内

サマーワークショップのご案内を頂いたので、ご紹介します。プロのダンサーを目指す皆さん、いかがでしょうか?


はにバニ留学応援サービスでは、HBCサマーワークショップ 2015を開催します。

現役バレエダンサーのトークもあったり、バレエ留学経験者でバレエ団で現役で活躍している方に質問などもできる、バレリーナを夢みる方にはピッタリの内容です。

7月11日(土) 2006年ユースアメリカグランプリ2位、2007年オーランド世界バレエコンクールシルバーメダル受賞のドレスデン・バレエ団ソリスト:小笠原由紀さんによるバレエレッスン 無料バレエトーク付き。(留学・バレエ団の秘話など盛りだくさん)

クラシックバレエA 15:00 - 16:30
バレエトークA&B  16:30 - 17:00

クラシックバレエB 17:15 - 18:15
ポワントレッスンB 18:15 - 19:00

クラシックバレエC 19:15 - 20:15 
ポワントレッスンC 20:15 - 21:00
バレエトークC   21:00 - 21:30

7月12日(日) 元オランダ国立バレエ団プリンシパル、ワシントンバレエ団などでも活躍した、新オスロ芸術大学バレエ科校長 ヨハン・マグヌス・ヨハンセンを迎えたワークショップ

クラシックバレエB 10:00-11:30 
ヴァリエーションB 11:30-12:30 
お昼休憩
クラシックバレエC 13:30-15:00
ヴァリエーションC 15:30-16:00

<クラシックバレエA-1>講師:小笠原由紀
セミプライベートクラス(限定5名)   10:00-11:30
クラスB ヴァリエーションクラス見学 12:00-12:30

<クラシックバレエA-2>講師:小笠原由紀
セミプライベートクラス(限定5名)   10:00-11:30
クラスA ヴァリエーションクラス見学 12:00-12:30
年齢分け:クラスA 10歳から12歳
     クラスB 12歳から14歳(12歳以上でポワント歴2年以上)
     クラスC 15歳以上(開催時に14歳で、2015年内に15歳になる場合も受講可能)
☆各クラス25人まで

料金設定:2Daysワークショップ(クラスB、C) ¥16.000
       1Day ワークショップ(クラスA) ¥4.500
☆現役バレエダンサーによるバレエトークと留学グループ相談付(留学グループ相談につきましてはお子様がレッスン中の時間を利用して開催予定)
☆留学個人相談の受付もあり。詳しくはメールでお問い合わせ下さい。

お問い合わせ:hanibaniservice@gmail.com

開催場所: Ballet Studio Mille Station
千葉県船橋市本中山3-21-12 八千代ビル2F

Facebook https://www.facebook.com/HanibaniService


ドレスデン・バレエで小笠原由紀さんが踊る、「眠れる森の美女」のフロリナ王女(ちょっと珍しい、青い鳥が二人いるパ・ド・トロワ)

小笠原さんは、新国立劇場で行われたバレエ・アステラス☆2013にも出演し「海賊」のパ・ド・ドゥを踊りました。

2015/06/10

シュツットガルト・バレエの2015/16シーズンと次期芸術監督問題、アレクサンダー・ジョーンズ移籍

シュツットガルト・バレエの2015/16 シーズンが発表されています。

http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/

注目の新作は、
デミス・ヴォルピ振付の「サロメ」。
「クラバート」で大成功を収めた、バレエ団常任振付家のヴォルピが、オスカー・ワイルドの原作のバレエ化に挑みます。2016年の6月10日初演予定。
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/salome/

このほか、新作扱いは以下のミックスプロです。

キリアン/ファン・マーネン/クランコ ミックスプロ
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/kylian-vanmanen-cranko/

FORGOTTEN LAND(キリアン)、SOLO、VARIATIONS FOR TWO COUPLES(ファン・マーネン)、POÈME DE L'EXTASE(「法悦の詩」、クランコ)

フォーサイス/ゲッケ/ショルツ プロ
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/forsythe-goecke-scholz/
「セカンド・ディテール」(フォーサイス)、ゲッケの世界初演作品、「ベートーヴェン交響曲7番」(ショルツ)

KAMMERBALLETT ミックスプロ (中劇場での上演)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/kammerballette/
CHAMBER BALLET(ファン・マーネン、カンパニー初演)、ARENA(グレン・テトリー)、カタルツィナ・コツィルスカの世界初演作品

リバイバルとレパートリーは、

「欲望という名の電車」(ノイマイヤー)

「眠れる森の美女」(ハイデ)

「ロミオとジュリエット」(クランコ)

クランコ・クラシックス(クランコのミックスプロ)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/cranko-classics/
「パイナップル・ポール」「貴婦人と道化師」

また、リード・アンダーソンの芸術監督20周年を記念してのフェスティバルが行われます。
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/2015-16-season/festival-20years/

6月16日~24日にわたって行われ、バレエ団出身で他のカンパニーの芸術監督をしている元ダンサーたちを迎えたトークあり、ミックスプロあり、「ロミオとジュリエット」「オネーギン」などの特別公演あり、カンパニー団員の振付家たちの新作をそろえたガラありと盛りだくさんです。最終日は海外からのゲストを迎えてのガラ公演で締めくくられます。


さて、2018年にリード・アンダーソンの芸術監督としての任期が切れ、その時に69歳となる彼は退任する予定です。その後任人事を巡って、バレエ団が揺れているようです。

http://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.vertrag-von-reid-anderson-sorge-um-die-zukunft-des-stuttgarter-balletts.048390a9-2d8c-4210-aee9-ddc70dd2e07d.html

http://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.diskussion-um-nachfolge-klares-bekenntnis-zur-cranko-tradition.1b53afd1-d517-405f-b57f-4d528b6c1342.html

現在、リード・アンダーソンの後任芸術監督はサシャ・ヴァルツとなり、完全にレパートリーを一新するという噂があり、バレエ団が揺れています。一月に地元新聞でこのことが報じられた時にはダンサーたちは動揺し、退団を申し入れた団員も続出しました。後任人事のための委員会が、バーデン・ヴュッテンブルグ州の文化庁によって組織されています。その委員会のアドバイザーにジョン・ノイマイヤーがおり、シュツットガルト・バレエは、クランコ作品と密接な関係を保ってきたと語っています。(一応、サシャ・ヴァルツ就任の噂については、委員会では否定されているようです) が、ノイマイヤーが後継者になるべきだという声も上がっていたようです。

シュツットガルト・バレエは、ジョン・クランコの急逝を受けて、1974年にグレン・テトリーが芸術監督を引き受けました。「春の祭典」「ヴォランタリーズ」などの傑作を振付けた振付家であるテトリーは、バレエ団のカラーを一新しようとしましたが、結局2年で退任し、マリシア・ハイデが引き継いで、クランコ作品の伝統を守ってきました。リード・アンダーソンは、1996年に芸術監督に就任してその路線を保ちつつも、現代作品の新作なども多く取り入れ、クリスチャン・シュプック、マルコ・ゲッケ、そしてデミス・ヴォルピなどの振付家が育っていったのです。

また、このカンパニーの出身者の多くが、他のバレエ団の芸術監督として活躍しています。ハンブルグ・バレエを長年率いているジョン・ノイマイヤーを始め、チューリッヒ・バレエ芸術監督のシュプック、カールスルーエ・バレエ芸術監督のビルギット・カイル、韓国国立バレエ芸術監督のスージン・カン、そしてフィリップ・バランキエヴィッチも次期チェコ国立バレエ団の芸術監督に決定しています。ブリジット・ブライナーはドイツのゲルセンキルヘンのカンパニー、エリック・ゴーティエはゴーティエダンス、ロバート・コンはアウグスブルグ・バレエの芸術監督、そしてマリシア・ハイデはチリのサンチアゴ・バレエの芸術監督です。

プリンシパル・クラスで多くの退団者が相次いでいるなど、いろいろと困難に直面しているシュツットガルト・バレエですが、大きな財産であるクランコのレパートリーを守り抜いてほしいものですね。


その退団者の話ですが、若手プリンシパルのアレクサンダー・ジョーンズが退団し、チューリッヒ・バレエに移籍します。ソリストも、ラケーレ・ブリアッシがボストン・バレエに、アルマン・ザジャンが米国のタルサ・バレエに、そしてニコライ・ゴドノフは引退します。6人のソリストのうち3人が退団、1人が昇進なのでソリストが2人しかいないというびっくりの事態に。

11月の来日公演でアレクサンダー・ジョーンズのロミオやオネーギンが観たかったので、残念ですね。一方で、来日公演の「オネーギン」に主演する予定のソリストのロマン・ノヴィツキーがプリンシパルに昇進します。

2015/06/09

ミュージカル「パリのアメリカ人」でクリストファー・ウィールドンが振付賞を受賞

1951年に製作されたミュージカル映画「巴里のアメリカ人」(ヴィンセント・ミネリ監督、ジーン・ケリー、レスリー・キャロン主演)。ガーシュイン作曲の音楽も大変有名で、1951年のアカデミー賞では作品賞はじめ6部門も受賞しています。

このミュージカル映画が、ブロードウェイミュージカル化されました。振付・演出は、今をときめくクリストファー・ウィールドン(ロイヤル・バレエ常任振付家)。主演は、ロイヤル・バレエのファースト・アーティスト、リアン・コープと、ニューヨークシティバレエのプリンシパル、ロバート・フェアチャイルドです。まずは2014年11月~12月にパリのシャトレ座で上演されたこの作品、今年の3月より(本公演は4月12日より)ブロードウェイのパレスシアターで上演され、大評判となっていました。興行的にも、同時期上演の作品の中でも大成功を収めたようです。

そして、今年のトニー賞で、作品賞、主演男優賞、主演女優賞を含む12部門と最多ノミネート作品となったのです。

トニー賞授賞式での作品紹介映像

受賞結果ですが、クリストファー・ウィールドンが振付賞を受賞し、また舞台デザイン賞、照明デザイン賞、オーケストレーション賞も受賞しました。ベスト・ミュージカルと主演男優賞、監督賞、スコア賞ほか主要な賞は、「Fun Home」が受賞しています。

http://www.tonyawards.com/en_US/nominees/shows/201410211413930665243.html

それでも、ウィールドンが振付賞を受賞した意味は大きいものと言えます。今後も、彼はブロードウェイミュージカルの演出、振り付けをしたいと考えているようです。ウィールドンは、「冬物語」でブノワ賞も受賞しており、大きな飛躍の年となりました。

ロバート・フェアチャイルドは、この役を演じるにあたって歌と演技のレッスンを受けました。今シーズンはNYCBを休んでこの役に専念しましたが、来シーズンには復帰すると語っています。彼の妻でやはりNYCBのプリンシパルであるタイラー・ペックも「Little Dancer」という、ドガの彫刻をモチーフにしたミュージカルに出演しています。

クリストファー・ウィールドンとロバート・フェアチャイルドのインタビュー。
http://www.latimes.com/entertainment/envelope/tonys/la-ca-cm-tonys-wheeldon-fairchild-american-in-paris-20150607-story.html#page=1

リアン・コープは、このプロダクションがロンドンで上演されることになったらこちらにも出演したいと言っています。彼女も一年間のサバティカルを取っているのですが、まだロイヤル・バレエに復帰するかどうかははっきりしていません。彼女の演技は、レスリー・キャロンにも絶賛されています。なお、レスリー・キャロンもパリのコンセルヴァトゥールでバレエを学び、シャンゼリゼ・バレエ団で活躍したバレリーナでした。

http://www.standard.co.uk/lifestyle/london-life/leanne-cope-tonynominated-royal-ballet-dancer-takes-on-broadway-10299457.html

トニー賞での二人の素晴らしいパフォーマンスをどうぞ。

クリストファー・ウィールドン、リアン・コープ、ロバート・フェアチャイルドは、フレッド・アステア賞も受賞しています。
http://www.broadway.com/buzz/181039/an-american-in-paris-on-the-town-share-2015-astaire-award-wins/

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スターダンサーズ・バレエ団、オール・チューダー・プログラム(9月)

スターダンサーズ・バレエ団は、9月にオール・チューダー・プログラムを上演します。

http://www.sdballet.com/schedule/index.html

9月26日(土)
9月27日(日)
会場:テアトロ・ジーリオ・ショウワ
「リラの園」「ロミオとジュリエット」パ・ド・ドゥ「小さな即興曲」「Continuo」「火の柱」「葉は色あせて」よりパ・ド・ドゥ(すべてアンソニー・チューダー作品)

オール・チューダー作品というプログラムの素晴らしさもさることながら、出演者も豪華です。吉田都さんは何を踊られるのでしょうかね。

[監修]小山久美
[演出]アマンダ・マッケロー / ジョン・ガートナー
[指揮]田中良和
[演奏]テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
[ゲスト]浅田良和 / 今井智也 / 島添亮子 / 永橋あゆみ / 本島美和 / 山本隆之 / 吉田都
2015/6/24(水) 10:00より発売
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1524849&afid=700

チューダー作品は、スター・ダンサーズバレエ団にとっては非常に重要なレパートリーであり、それを50年にわたり踊り続けていることは素晴らしいことですよね。

1965年、太刀川瑠璃子(前代表)はニューヨークより偉大な振付家アントニー・チューダーを招き、その代表作を集めた「スターダンサーズによるチューダー・バレエ特別公演」をプロデュースし、大成功を収めました。その時にチューダー氏から贈られた言葉 、「私の仕事が日本独自のナショナル・バレエをうながすきっかけとなり、将来日本のバレエが世界と肩を並べ、言葉の障壁を知らぬ楽しい芸術として文化交流を担うように」を受けてスターダンサーズ・バレエ団が誕生しました。
http://www.sdballet.com/about_sdb/about_sdb_1.html

2015/06/08

江部直哉さん、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのプリンシパルに。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの昇進が発表され、江部直哉さんとエレーナ・ロブサノワがプリンシパルに昇進しました。



江部さんは、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのスクールを卒業し2007年に入団。2012年にファーストソリストに昇進しています。長身でハンサムな彼は、「ジゼル」のアルブレヒト、「くるみ割り人形」の王子、「不思議の国のアリス」のジャック、ラトマンスキー振付「ロミオとジュリエット」のロミオなど主役も数多く経験しており、今月のヌレエフ版「眠れる森の美女」でも王子を踊るなど大活躍していました。海外の大きなカンパニーで日本人プリンシパル、しかも若くて王子様を踊れる人は貴重な存在です。

http://national.ballet.ca/Meet/Dancers/1st-Soloists/Naoya-Ebe

江部さんの日本語インタビュー記事。
http://www.bitslounge.com/interview/naoya_ebe

江部さんが、同僚森志乃さんと、エリック・ブルーンプライズに出場した時のリハーサル映像



一方で長年活躍してきた平野啓一さんは、今シーズン限りで引退。まだ34歳と若いのですが、アルバータ州に引っ越しエンジニアリングを学ぶため大学に進学するとのことです。平野さんは、ロイヤル・バレエの平野亮一さんのお兄さん。くるみ割り人形などで主役も踊っており、昨年はノイマイヤーの「ニジンスキー」の牧神やシェヘラザードの奴隷役で妖艶な魅力を見せてくれました。やはり長身でテクニックに優れていたので、いつかはプリンシパルになれると思っていましたが、3人の子供の父親である彼は、家庭生活を選んだとインタビューで語っています。

Retirements: Keiichi Hirano, Patrick Lavoie, Christopher Stalzer and James Leja
http://national.ballet.ca/Media-Room/News/Summer-Season/Retirements-Keiichi-Hirano,-Patrick-Lavoie,-Christ




http://national.ballet.ca/Meet/Dancers/1st-Soloists/Keiichi-Hirano

The Men of the National Ballet of Canada Part III: Keiichi Hirano

日本人ダンサーでは、2003年から在籍してきた平岡珠里さんが引退します。しかしこのバレエ団は、他にも森志乃さん、子安美代子さん、佐藤航太さんと日本人ダンサーが活躍しています。

同時にプリンシパルに昇進するエレーナ・ロブサノワはモスクワ出身のロシア人ですが、子供時代にカナダに移住。2004年に入団し、2011年、ラトマンスキー振付の「ロミオとジュリエット」の初演キャストに抜擢されてファーストソリストに昇進しました。2009年にはエリック・ブルーンプライズに出場して最優秀女性ダンサーに輝いています。愛らしい容姿の持ち主で、ウィールドン振付「不思議の国のアリス」のアリス役、「くるみ割り人形」の金平糖の精、「オネーギン」のオルガ役などを踊ってきました。

また、ファースト・ソリストには、コール・ド・バレエ時代に「ニジンスキー」のタイトルロールに抜擢されたスカイラー・キャンベル、同じく昨年ニジンスキー役に抜擢されたフランチェスコ・ガブリエル・フロラ、「マノン」でデ・グリュー役を踊ったハリソン・ジェームズらが昇進しています。特にフランチェスコ・ガブリエル・フロラとハリソン・ジェームズは、コール・ド・バレエからの2段階昇進です。

2015/06/06

欧州で活躍する若手ダンサーらによる「ネオ・バレエパフォーマンス」

ダンサーや芸術家が活躍できる場をもっと日本に広めたい!!地域の方が、舞台芸術を身近に楽しめるような場を創造したい!

ドイツのケムニッツ公立劇場バレエ団で活躍する松下奈央さんが、そんな願い込めて立ち上げたのが「バレエ・幸せプロジェクト」です。普段はヨーロッパで踊っているダンサーたちが集まり、名古屋で「ネオ・バレエパフォーマンス」と題した公演を行います。昨年7月が第一回目で、チケットが完売するなど好評だったため、今年の7月17日に第二回目が実現します。

バレエ・幸せプロジェクト 
http://dancernao.phpapps.jp/

バレエ・幸せプロジェクト ネオ・バレエパフォーマンス

日時:2015年7月17日金曜日 18:30会場 19:00開演
場所:名古屋市北文化小劇場
入場料:イス席 1,800円 マス席、車椅子席 1,300円
チケット予約:052-249-9387(名古屋市文化振興事業団チケットガイド)

松下さんをはじめとしたダンサーたちによる、手作りの公演で、彼女の奮闘ぶりはブログにも綴られています。
http://ameblo.jp/dancer-yumehenomichinori/

チケットも非常にリーズナブルで、世界で活躍するダンサーたちを間近で観られるプロジェクト、とても魅力的ですね。バレエを初めて観る方にも楽しめるような内容だそうです。

朝日新聞でも公演についての記事が掲載されています。

欧州バレエの若い風 名古屋出身のダンサー企画
http://www.asahi.com/articles/ASH5X51DNH5XOIPE012.html

<上演作品>
ヨーロッパを中心に実力を認められ、現在では人気振付家としてドイツを拠点に活躍中のポール・ジュリユスの作品から3作品「Flavors of Life」より「Bitter Sweet」「春の祭典」より「いけにえの舞」、「Repentance」(悔恨)

元ドイツ・ケムニッツ公立劇場バレエ団監督であり、人気振付家のローデ・デボスの「Brel」より2作品、「Rosa」、「 Ne Me Quitte Pas」

他、プロフェッショナルとして国内外で活躍しているダンサーが自ら振り付けた新作などの小作品集で、日本初公開の欧州人気作品が揃います。

出演
森田りえ(チェコ・リベレツ市立シャルダ劇場バレエ団)、岡本壮太(元ドイツ・シュベリン劇場バレエ団、元Noism1、フリー)、海老原陶(ケムニッツ公立劇場バレエ団)、桜堂志乃(ポーランド・ボズナン公立劇場バレエ団)、下川愛帆(オーストリア拠点フリー)、中島希沙(スウェーデン王立バレエ団)、上田舞香(フリー)、松下奈央(ケムニッツ公立劇場バレエ団)

2015/06/04

7/24に上海でアニエス・ルテステュ・ガラ

7月24日に上海の上海大劇院で、アニエス・ルテステュ主催のガラが行われます。すべてパリ・オペラ座のダンサーで、トップエトワールから、伸び盛りの若手まで豪華な出演陣。

https://www.facebook.com/events/1068069013206637/

Paris Ballet Stars Gala
with
Stéphane Bullion, Dorothée Gilbert, Laura Hecquet, Josua Hoffalt & Agnès Letestu
Audric Bezard & Florian Magnenet
Léonore Baulac, Yannick Bittencourt, Hugo Marchand, Hannah O'Neill & Sae Eun Park

ステファン・ビュリヨン、ドロテ・ジルベール、ローラ・エケ、ジョシュア・オファルト、アニエス・ルテステュ

オドリック・ベザール、フロリアン・マニュネ

レオノール・ボーラック、ヤニック・ビッタンクール、ユーゴ・マルシャン、オニール八菜、パク・セウン


PROGRAMME
Grand Pas Classique グラン・パ・クラシック
Choreography: Victor Gsovsky
Music: Daniel-François-Esprit Auber
Léonore Baulac & Hugo Marchand

Delibes suite ドリーブ組曲
Choreography: José Martinez
Music: Domenico Scarlatti
Yannick Bittencourt & Hannah O'Neill

In the Night イン・ザ・ナイト
Choreography: Jerome Robbins
Music: Frédéric Chopin
Laura Hecquet & Josua Hoffalt,
Agnès Letestu & Florian Magnenet
Stéphane Bullion & Dorothée Gilbert

Closer クローサー
Choreography: Benjamin Millepied
Music: Philip Glass (Mad Rush)
Stéphane Bullion & Laura Hecquet

Cendrillon シンデレラ
Choreography: Rudolph Nureyev
Music: Sergei Prokofiev
Agnès Letestu & Florian Magnenet

Mi Favorita マ・ファヴォリータ
Choreography: José Martinez
Music: Gaetano Donizetti
Léonore Baulac, Audric Bezard, Yannick Bittencourt, Hugo Marchand, Hannah O'Neill & Sae Eun Park

Tchaikovsky Pas de deux チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
Choreography: George Balanchine
Music: Pyotr Tchaikovsky
Dorothée Gilbert & Josua Hoffalt


すごく観たいメンバー、内容なのですが上海なんですね。アニエス・ルテステュの踊りも見られる貴重な機会ですが。

マリインスキー・バレエ来日公演のキャスト変更と、大阪、名古屋公演のキャスト

今年11月~12月に予定されている、マリインスキー・バレエ来日公演のキャスト変更が少し前に発表されていました。

http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1390

『ジュエルズ』(11月26日)、『白鳥の湖』(12月6日オデット&オディール役)に出演を予定していたエカテリーナ・コンダウーロワは怪我のため、『ジュエルズ』(11月26日)、『愛の伝説』(11月28日シリン役)に出演を予定していたマリーヤ・シリンキナは劇場の都合により、日本公演に参加できないとのことです。(5月20日)


■ジュエルズ
 エメラルド:マリーヤ・シリンキナ ⇒ ヤナ・セーリナ
 ルビー:エカテリーナ・コンダウーロワ ⇒ エカテリーナ・チェブキナ

■愛の伝説
 11月27日 シリン:アリーナ・ソーモワ ⇒ クリスティーナ・シャプラン
 11月28日 シリン:マリーヤ・シリンキナ ⇒ アリーナ・ソーモワ

■白鳥の湖
 12月6日 オデット&オディール:エカテリーナ・コンダウーロワ ⇒ ヴィクトリア・テリョーシキナ

特設サイト⇒ http://www.japanarts.co.jp/mb2015/ticket.html


それと、愛知芸術劇場公演、大阪フェスティバルホール公演のキャストが発表されています。

大阪フェスティバルホール公演

11月21日(土) 開演/17:00
マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」~全3幕~
http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=744

予定ソリスト/ヴィクトリア・テリョーシキナ(オデット/オディール)、ウラジミール・シクリャローフ(ジークフリート王子)

11月22日(日) 開演/16:00
マリインスキー・バレエ「ロミオとジュリエット」~全3幕~
http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=745
予定ソリスト/アリーナ・ソーモワ(ジュリエット)、フィリップ・スチョーピン(ロミオ)

チケット発売日/
フェスティバルホール・クラブ会員予約:2015年6月13日(土)10:00
オンライン会員予約:2015年6月20日(土)10:00
一般発売:2015年6月27日(土)10:00
お問い合わせ/フェスティバルホール 06-6231-2221


愛知県芸術劇場公演

マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」
2015年11月29日(日) 開場/16:15 開演/17:00
http://cte.jp/detail/15/151129/index.html
オデット&オディール:オクサーナ・スコーリク
ジークフリート:ティムール・アスケロフ

中京テレビ事業:052-957-3333
中京テレビ事業チケットセンター:052-320-9933
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:443-072)
ローソンチケット:0570-084-004(Lコード:46998)
愛知芸術文化センターPG:052-972-0430
栄プレチケ92:052-953-0777
e+(イープラス):eplus.jp
名鉄ホールチケットセンター:052-561-7755
中日サービスセンター:052-263-7282

フィリップ・スチョーピンが日本で主役を踊るのは初めてのことはもしれませんね。ちょっと興味があります。

2015/06/03

二山治雄さん、サンフランシスコ・バレエの研修生に

昨年のローザンヌ国際コンクールで1位、YAGPで金賞を取った二山治雄さん、スカラシップでサンフランシスコ・バレエ学校に留学していましたが、今年卒業となります。

そして、めでたく、サンフランシスコ・バレエの研修生となることが発表されていました。
https://www.sfballet.org/about/media_center/press_releases/promorelease

おめでとうございます。また、2012年にローザンヌ国際コンクールとYAGPに出場していたChisako Ogaさんも研修生となりました。

皆さんのご活躍が楽しみです。

二山さんが帰国会見「体全体使う表現学んだ」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20150529-OYTNT50361.html

「観客に感動を」留学の二山さん、長野で帰国会見(毎日新聞)
http://sp.mainichi.jp/feature/news/20150531ddlk20040217000c.html?ck=1

二山さんは、出身の白鳥バレエ学園主催の7月5日の公演に出演後、7月のパリ・オペラ座学校のサマースクールに参加します。

7月23日には長野市のホクト・ホールで開催される、田北志のぶさん主催の「グラン・ガラ」にも出演します。長野以外での公演でも二山さんが出演する回があります。

東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ
第3回グラン・ガラ・コンサート 私たちはひとつ!!
2015/7/22(水)19:00開演
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/kashi/20150722.html
特別出演:二山治雄(「ローザンヌ・バレエ・コンクール」優勝者)
出演:田北志のぶ(キエフ・バレエ)
   マリア・アラシュ(ボリショイ・バレエ)
   アレクサンドル・ヴォロチコフ(ボリショイ・バレエ)
   イーゴリ・コルプ(マリインスキー・バレエ)
   アンドレイ・エルマコフ(マリインスキー・バレエ)
   エレーナ・エフセエワ(マリインスキー・バレエ)  他

大阪、福岡、仙台公演にも二山さんが出演します。


横浜バレエフェスティバル
http://yokohamaballetfes.com/outline
2015年8月19日(水) 18:30開演予定
神奈川県民ホール 大ホール

相原舞(アメリカンバレエシアター)
青木尚哉(ダンサー、振付家)
遠藤康行(フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト、振付家)
奥村康祐(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)
小野絢子(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
加藤三希央(2014年ローザンヌバレエコンクール第6位、モンテカルロバレエ)
久保紘一(NBAバレエ団芸術監督、元コロラドバレエ団プリンシパル)
小池ミモザ(モンテカルロバレエ団プリンシパル)
児玉北斗(スウェーデン王立バレエ ファースト・ソリスト)
高岸直樹(元東京バレエ団プリンシパル)
高田茜(ロイヤルバレエ団ファーストソリスト)
平山素子(コンテンポラリーダンサー、振付家 筑波大学体育系准教授)
Bastien Zorzetto(ネザーランド・ダンス・シアター)
柳本雅寛(ダンサー、+81主催)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
湯浅永麻(ネザーランド・ダンス・シアター)
米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
畑戸利江子(2013年モスクワ国際バレエコンクール銅賞)
二山治雄(2014年ローザンヌ国際バレエコンクール第1位)

2015/06/02

映画「躍る旅人 能楽師・津村禮次郎の肖像」6/27公開

重要無形文化財保持者である観世流の能楽師・津村禮次郎さん。能楽師でありながら、森山開次、酒井はならダンスやバレエ、パントマイム、さらにはバリ舞踊と言った多ジャンルのアーティストと積極的にコラボレーションを行っているため、ダンス、バレエファンにも名前を知られています。

現在73歳の津村禮次郎さんが、古典能から多彩な創作能ま­で能の魅力と可能性を追究する姿を5年にわたって取材したドキュメンタリー映画「躍る旅人 能楽師・津村禮次郎の肖像」が劇場公開されます。

http://www.odorutabibito.com/

津村さんは、新国立劇場バレエ団にデヴィッド・ビントレーが振付けた「パゴダの王子」ではアドバイザーを務め、またスタジオアーキタンツの10周年記念公演で上演された「トキ」(小尻健太振付)では、酒井はなさんと共演し、パ・ド・ドゥを踊った。セルリアンタワー能楽堂での「藪の中」(島地保武振付)でも、酒井さん、小尻さん、島地さんらと共演しました。森山開次振付『HAGOROMO』では、バリの音楽家デワ・アリットの音楽とともに、森山さんと共演。『Psycho/サイコ』では、パントマイムの小野寺修二さんともコラボレーションしました。単なる共演ではなく、創作のプロセスに積極的にかかわっているところが、彼の素晴らしいところです。

70歳を迎えた能楽師・津村禮次郎。古希を祝う記念能が国立能楽堂で行なわれた。これをひとつの通過点とし、今後の更なる跳躍へと胸を躍らせる津村。バレエ、コンテンポラリーダンス、パントマイム、異境の芸能…、津村禮次郎は未知の世界に自分を投げ出した時、そこから何が自分の中から出てくるのか、という冒険を続けている。彼が初めて能に触れたのは19歳の時である。当時女流能楽師のパイオニア・津村紀三子の芸に強く惹かれ内弟子となり、以後、ひたすら古典能の研鑽に没頭し、40歳を過ぎたあたりから、精力的に独自の創作活動を行うようになった。様々なコラボレーションで発揮する津村の豊潤で力強い身体表現は、能という芸能に対する、長い間の厳しい修行と鍛錬に裏打ちされたものである。

津村の飽くなき創造へのチャレンジ、異なる表現への好奇心。そして、その場を共有する人達とのしなやかなやり取りは、表現に関わる人間だけではなく、今の時代、異なる文化、人種、宗教を持つ人同士がとるべきコミュニケーションのあり方にも大きな示唆を与えてくれるであろう。


http://www.odorutabibito.com/intro/

70歳を過ぎてもなお、若い人たちと新しいジャンルにおいて創作活動を続ける津村さん。そのエネルギーと情熱はどこから出てくるのか、きっとこの映画の中には描かれているんでしょうね。大変興味深いです。

2015年6月27日(土)より新宿K’s cinemaにてモーニングショー公開!

新宿K’s cinema (ケイズシネマ)
〒160‐0022 東京都新宿区3丁目35-13 3階
03-3352-2471
http://www.ks-cinema.com/

こちらの津村さんのインタビュー記事も、非常に読みごたえがあります。
http://www.kk-video.co.jp/coverstory/vol/021/index.shtml

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