また、 Aud Jebsen Young Dancers Programmeという一年契約の研修生プログラムがあり(Grace Blundell、Ashley Scottは今シーズンはこのプログラムに参加)、Isabel Lubach, Julia Roscoe, Lukas Bjørneboe Brændsrød, Harry Churches、 Leo Dixonの5人(すべてロイヤル・バレエスクールの卒業生)がこの研修生としてバレエ団に参加します。このうちルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロドは、8月に日本で公開されるドキュメンタリー映画「バレエボーイズ」に出演しています。
詳細は未定ですが、ヌレエフの伝記的なものではなく、彼の人生のもっとも重要な出来事であった、1961年の西側への亡命事件を中心に描いている可能性が高いそうです。製作陣は、ヌレエフ財団によって認証されている伝記「Nureyev: The Life」(ジュリー・カヴァナ著)の映画化権も入手し、2016年後半に撮影が開始されるそうです。
「モダン・バレエの夕べ」。
ハンス・ファン=マネンの「フランク・ブリッジ・ヴァリエーション」、ポール・ライトフットとソル・レオン(NDT)振付の「Short Time Together」、そしてイリ・キリアンの「詩篇交響曲」のトリプルビル。
(「詩篇交響曲」は厳密にいえば新制作ではなく、以前にもボリショイで上演されたことがあります)
2016年5月24日、25日にスヴェトラーナ・ザハロワのガラ公演があります。ユーリ・ポソホフが振付けた「フランチェスカ・ダ・リミニ」、パトリック・ド・バナが振付けた「Rain…Before It Falls」、Marguerite Donlonが振付けた「Strokes Through the Tails」という演目の予定。
新作と言えば、ユーリ・ポソホフ振付、レールモントフ原作の「現代の英雄」(Hero Of Our Time)の初演が7月22日に迫っており、ザハロワなどが登場するリハーサル映像が公開されています。「現代の英雄」はエフゲニー・オネーギンと同様、アンチヒーロー的な男が主人公であり、ロシア文学の金字塔のひとつです。くしくも、レールモントフもプーシキン同様、決闘で若くして命を落としています。
I. «Lady and the Hooligan" 「お嬢さんとならず者」
Music of Dmitri Shostakovich
Choreography Konstantin Boyarsky
Libretto by Alexander Belinsky based on the play by Vladimir Mayakovsky
Young Lady - Victoria Tereshkina
Hooligan - Daniel Korsuntsev
Leader - Alexey Kuzmin
III. "Scheherazade" 「シェヘラザード」
Music by Nikolai Rimsky-Korsakov
Scenario by Léon Bakst and Michel Fokine after Arabian fairytales
Choreography by Michel Fokine
Reconstruction by Isabelle Fokine and Andris Liepa
Set and costume design by Anna Gentle and Gentle Anatolia based on sketches by Léon Bakst
Starring:
Shahryar - Vladimir Ponomarev
Sobeide - Olga Belik
Rab Zobeide - Yevgeny Ivanchenko
Odalisque: Victoria Brilyov , Julia Kobzar , Zlata Yalinich
ラストは、タキシードで決めた3人がタンゴを踊ってくれますが、それぞれ本当にカッコいいこと!年輪を重ねた渋い魅力がたまりません。さっきまで奴隷役を妖艶に演じていたイワンチェンコが、いきなりオールバックでおやじ全開なのが、また魅力的です。これ、生で観られた方が羨ましいです。「Tango for Three」という作品だそうですね。
同時上演は『A Little Love』。アメリカの偉大なジャズ歌手ニーナ・ シモンの音楽から5曲を選曲してマーティン・フリードマンが振付けたもの。シンプルな白い衣装で3組のペアが踊るのだけど、とても音楽的で美しく、しっとりとした余韻の残る佳作。田澤祥子・泊陽平、竹田仁美・大森康正、竹内碧・森田維央の3組はどれも良かったけど、中でも、元新国立劇場バレエ団の竹田仁美さんは、伸びやかで歌うような踊りでとても美しかった。
堀内:ブルノンヴィル・スタイルはスピード感があり、これは必ず全部教えなければならないテクニックです。一方古典はメロディなのであって、これは教えるものではありません。バランシンはとにかくカウント、カウントです。私はストーリー物は大好きで、物語を伝えるのが好きです。バランシンでも「真夏の夜の夢」や「Steadfast Tin Soldier」などを踊りました。適応性がある人が1日、2日でそのスタイルに入ることができ、都さんはそこが違います。
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堀内元さん、吉田都さんと日本バレエの2大巨人のお話は、多くのことに気づかされました。まだまだ日本のバレエは発展途上にありますが、彼らのような先人がいたからこそ、今は多くの日本人ダンサーが海外でも活躍するようになってきたのですね。吉田都さんのように、テクニックに定評のある人で、とっくにバレエを辞めているような年齢でも、このように人の三倍練習して修練を続けているということはすごいことです。それだけに、バレエには近道はなく、基本に始まり基本に終わる、という言葉が説得力を持ちます。まだまだ日本のバレエ界には課題が多く、地域との交流も足りないように思えますが、彼らが伝えたいメッセージは、この「Ballet for the Future」公演で伝わってくることでしょう。
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