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2015/05/03

マイヤ・プリセツカヤが急逝

伝説的なバレリーナであり、最近まで舞台に立ち続けたマイヤ・プリセツカヤが心臓発作で5月2日にドイツで亡くなりました。89歳でした。ボリショイ劇場のウリン総裁が、もっとも偉大なバレリーナの死を発表しました。

http://lifenews.ru/news/153385

http://tass.ru/kultura/1946356

Legendary Bolshoi ballerina Maya Plisetskaya dies at 89 (英語)
http://rt.com/news/255153-russian-ballerina-plisetskaya-dies/

Maya Plisetskaya, Ballerina Who Embodied Bolshoi, Dies at 89
http://www.nytimes.com/2015/05/03/arts/dance/maya-plisetskaya-ballerina-who-embodied-bolshoi-dies-at-89.html

1925年11月20日に生まれたプリセツカヤは、34年にモスクワ舞踊アカデミーに入学しました。しかしその間、父親は粛清され、女優だった母親は強制収容所に流刑されるという苦難に遭い、彼女自身もバレエ学校を一時通えなくなることになります。母方の伯母であるバレリーナ、スラミフィ・メッセレルによって育てられました。

1943年にボリショイ・バレエに入団し、コール・ド・バレエでの入団であったけれども一年目に「くるみ割り人形」のマーシャ役に抜擢されます。炎のような跳躍、卓越したテクニック、優れた音楽性と表現力で様々な主役を経験しましたが、特に「白鳥の湖」のオデット、オディールは人間離れした滑らかな腕の動きで大評判を呼びます。ユダヤ系ということもあり、上層部の覚えはめでたくなく、親族にアメリカに亡命した人がいたこともあり、海外ツアーに参加できないこともありました。だが、初めて海外で踊ったボリショイの59年の西側へのツアーでは、彼女のダイナミックな踊りと優れた表現は大センセーションを呼びました。KGBによる監視や盗聴、グリゴローヴィチとの不協和音など理不尽なことがたくさんあっても亡命せず、65歳、90年まで彼女はボリショイ劇場で活躍します。

振付家としての才能もあった彼女は、夫君ロジオン・シチェドリンの音楽を得て「アンナ・カレーニナ」を振り付け、他にも「犬を連れた奥さん」「かもめ」なども振付けています。またアルベルト・アロンソ振付の「カルメン組曲」をともに作り上げ、彼女のクリエイティブな才能が発揮されました。自由を求めて闘う女カルメンは、プリセツカヤの姿そのものでした。多くの振付家が彼女のために作品を創り、中でもアロンソのカルメンと並び、ローラン・プティの「病める薔薇」は美しい作品でした。「瀕死の白鳥」も彼女のトレードマークの一つです。50歳の誕生日には、モーリス・ベジャールの「ボレロ」を踊りました。70歳を過ぎてもポワントで「瀕死の白鳥」を踊りつづけました。現代作品を積極的に踊り、命がけで新作をプロデュースして果敢にバレエの世界を広げて行った芸術家でした。

ボリショイ劇場を退団したのちも、プリセツカヤは自らの公演を主催してヨーロッパを中心に踊ります。1983年から84年はローマ歌劇場バレエの芸術監督、88年から90年にはスペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督を務めました。95年には、インペリアル・ロシア・バレエ団の設立にも関わります。モーリス・ベジャールが彼女のために振付けた「アヴェ・マイヤ」を近年まで踊りつづけました。94年からは、自身の名を冠したマイヤ・プリセツカヤ国際バレエコンクールの審査員長を務めていました。2001年、自伝「闘う白鳥」を出版しました。

ゴージャスな美貌で、ピエール・カルダン、イヴ・サン=ローランなど多くのデザイナーのミューズでもありました。

59年にはロシア人民芸術家を授与されます。92年にはアンナ・パヴロワ賞を受賞。フランスの芸術文化勲章(1984)とレジオンドヌール勲章(1986、2012)、スペイン芸術文学勲章(1991)、「リトアニアへの貢献に対する騎士大十字章」(2003)、ロシアの「舞踏の魂」賞(2009年)また2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。85年にはソルボンヌ大学の名誉博士号も授与されました。2008年3月30日には、京都 上賀茂神社で能楽師 梅若六郎と踊りました。2011年秋の叙勲で旭日中綬章を受章し、伝達式のために来日もしています。

マイヤ・プリセツカヤさん死去=20世紀最高のバレリーナ-ロシア
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015050300015&j4

プーチン大統領は「偉大なるロシアのバレリーナ、プリセツカヤさんの家族・親族や才能を認める人々全員に、心からお悔やみを申し上げる」との声明を発表した。


「闘う白鳥」では、彼女が少女時代に体験した、想像を絶する苦難について、そしてボリショイ・バレエに入団してからも、ソ連当局に目をつけられて監視され、危うく粛清されそうになったことなど、様々な戦いについて書かれています。バレエ学校時代の両親の粛清や流刑などにより、思うようにバレエを学べない時代もありました。強靭な意志と努力によって運命を切り開き、50年以上舞台に立ち続けた偉大なバレリーナ、プリセツカヤ。日本でも、世界バレエフェスティバルへの幾たびの出演を始め、何度も舞台に立ち、私も幸運にも彼女の踊りを観ることができました。80歳を超えても、年齢を超越した美貌を保ち、いつまでも生き続けると思われましたが、ついにこの世を去ることになったのですね。いつまでもその名前は、数々の伝説そして映像によって、バレエの歴史に残り続けることでしょう。

プリセツカヤさん密葬に=最高のバレリーナ、夫妻で散骨へ―ロシア
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150504-00000011-jij-int

Ashes Of Ballerina Maya Plisetskaya To Be Spread Over Russia (スライドショー有)
http://www.huffingtonpost.com/2015/05/04/maya-plisetskaya-ashes_n_7204084.html

プリセツカヤ・シチェドリン国際財団公式サイト
http://www.shchedrin.de/index.php?id=10

61歳の時に東京で踊った「瀕死の白鳥」
https://youtu.be/Luz5g-doa34

1959年に踊った「ドン・キホーテ」キトリ

闘う白鳥―マイヤ・プリセツカヤ自伝闘う白鳥―マイヤ・プリセツカヤ自伝
マイヤ プリセツカヤ Maya Plisetskaya

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追記:プリセツカヤの、2006年に制作されたドキュメンタリーを全編視聴できます。arte太っ腹です。
https://vimeo.com/41874118

DANSE documentaire : MAÏA PLISSETSKAÏA LA MAGNIFIQUE from Luc Riolon on Vimeo.

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コメント

マイヤ61歳 日本公演での「瀕死の白鳥」踊り終え
あとの挨拶の時 マイヤの頬をつたっう涙に感動。
日本人の感性とマナーのよい鑑賞に感動されたのでしょうね。
ずっと以前、NHKでマイヤのインタビュー番組がありました。
その時のマイヤ一家の苦難を見て記憶していたので
彼女の涙には深いものがあろうなァとひとしお感動しました。
思い出してこのブログを見つけ、再度涙を流しました
70過ぎのジジイなのにソ連への怒りで身震い。
よい記録を掲載していただき「有難う御座いますと
一言お礼。 
ありがとう ロシア語なら スパシーバ  かな?!?!

HATさん、こんにちは。

本当にお返事が遅くなってしまって申し訳ありません!
ご覧いただけているのなら良いのですが。
7月終わりに旅行に出かけたらひどい風邪を引いてしまい、未だに治らず、ブログへのコメントが全然できない状態になってしまいました。ごめんなさい。

プリセツカヤの「瀕死の白鳥」を生でご覧になっていたんですね!素晴らしいですね。私は、「アヴェ・マイヤ」というベジャールが彼女のために振付けた作品はライブで観られましたが、「瀕死の白鳥」は観られなかったんです。映像ではたくさん観ましたが。「闘う白鳥」は本当にすごく読みごたえのある一冊なので、まだお読みになっていなかったらぜひ。本当に当時のソ連は大変なところだったのですね。

そして昨日ですが、子供向けではありますがやはりプリセツカヤについての本が一冊発売になっています。「マイヤ・プリセツカヤ 世界の伝記コミック版34」です。コミックではあるのですが、バレエ評論家の村山久美子さんが監修していて、内容的にはしっかりしています。私も買って届くのを待っているところです。

またぜひお越しくださいね。本当にお返事が遅くなって申し訳ありません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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