ABTミスティ・コープランドが、TIME誌の選ぶ影響力ある100人に。
ABTのソリスト、ミスティ・コープランドが、TIME誌の選ぶ影響力ある100人に選ばれました。表紙も飾っています。
http://time.com/3823308/misty-copeland-2015-time-100/
興味深いな、と思ったのは、彼女の推薦文を書いているのが、オリンピックの体操で5回金メダルを獲得した、誰もが知っているナディア・コマネチであることです。彼女の出演した映画をを見て、7歳のミスティがバレエに興味を持つようになったそうです。誰も知らないような国から出てきた14歳のコマネチが1976年のオリンピックに出場した時、誰も彼女が金メダルを取るとは思っていませんでした。
同じように、アフリカ系アメリカ人で、貧しいシングルマザーと6人兄弟の家庭から、人気バレリーナが出るとはだれも思っていなかったことでしょう。しかも彼女がバレエを始めたのが13歳と、一般的に言えば遅すぎる年齢でした。
ミスティ・コープランドの「白鳥の湖」オデット/オディールデビューは昨年のABTのオーストラリア公演で実現しましたが、先週、彼女はワシントン・バレエにゲスト出演してこの役を踊りました。パートナーは、同じくアフリカ系のブルックリン・マックでした。アンダーアーマーのCMなどで有名人になった彼女を一目見たいと、チケットはあっという間に売り切れ、プレミアム価格で取引されていたようです。バレエを知らなくても彼女のことを知っている人は多く、結果的に新しい観客をバレエに呼び込むことに成功しています。
Review: Misty Copeland in the Washington Ballet’s ‘Swan Lake’
http://www.nytimes.com/2015/04/14/arts/dance/review-misty-copeland-in-the-washington-ballets-swan-lake.html
まだ完成度という意味ではこれからだったようですが、美しく透明感のある踊りだったとのことです。5月から始まるABTのMETシーズンでも、ミスティはオデット/オディールを踊ります。果たして、彼女は、ABT初のアフリカ系アメリカ人女性プリンシパルになれるのでしょうか。
身体能力には優れているものの、筋肉質の身体、大きな胸とあまりバレリーナ向きの体型ではないミスティですが、強い意志の力で、バレエの概念そのものを変える存在となっているようです。
700万回の再生回数を誇っている、ミスティが出演しているアンダーアーマーのCM。渋谷の109近くにあるアンダーアーマーのショップの上の大型スクリーンでも流れています。
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コメント
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気になります。
わたしは彼女のようなボディ好きですね。憧れます。あと、いろんな背景の人が踊りを楽しみ分かち合えたらなと。そんな世界、素敵ですよね。
投稿: パド | 2015/04/27 01:40
パドさん、こんにちは。
ミスティ・コープランドについては、賛否両論があるバレリーナですが、逆境をものともせずに努力しているのは素晴らしいことですよね。バレエについては、多様性が進んでいくという方向性もありだと思います。特にABTのようなバレエ団においては。
投稿: naomi | 2015/05/03 23:52