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« エレオノラ・アバニャート、ローマ歌劇場バレエの芸術監督に | トップページ | 横浜バレエフェスティバル 8月19日に開催 »

2015/04/04

3/28 珍しいキノコ舞踊団 珍しいキノコ御膳『美味しゅうございます。』

3月28日は、NHKホールでNHKバレエの饗宴を観る前に、珍しいキノコ舞踊団 珍しいキノコ御膳『美味しゅうございます。』を観てきた。この日この組み合わせで観た人はちょっと珍しいかもしれない。前回公演『金色時間、フェスティバルの最中。』がすごく良かったので今回も期待。

[演目] 大野慶人作品『霧笛』 天久聖一作品『とっても風流』 伊藤千枝作品『Ms.Dの日常』 
[出演] 珍しいキノコ舞踊団(篠崎芽美/矢嶋里美/岡里蓉子/佐々木美和/伊藤千枝)
http://www.strangekinoko.com/gozen/

今回は、異ジャンルのアーティストを迎えての三本立て。舞踏の大野慶人と、漫画家でありながら、小説家、劇作家としても活躍する天久聖一、そして珍しいキノコ舞踊団の伊藤千枝。


『霧笛』(水先案内人/大野慶人)
衣裳/大野一雄舞踏研究所

珍しいキノコ舞踊団のダンサーたちを花になぞらえた作品。クラシックでガーリーなドレスに、花などを使った髪飾りを身につけた彼女たちはとても愛らしく、大野さん特有の舞踏的な、ゆるやかな動きで踊る。この作品を観ると彼女たちは、実はダンステクニックがとてもしっかりしているのがわかるし、アラベスクやプリエなどもとてもアカデミックできれい。全体的にゆっくりとした動きなので人によっては退屈に感じられることもあるかもしれないけれども、可愛らしい衣装とは裏腹に、緊張感にも満ちていて片時も目を離せない。ラストも非常にゆっくりとした歩みで並んだ5人がまっすぐ舞台奥へと進んでいくところが心に残る。花のように美しい少女たちは、いったいどこへと向かっていくのだろうか。

「戦争のない平和な世の中が来るように、祈ることが私たちのダンスの目的です。踊る理由です」という大野さんの言葉が重い。今の不穏な時代にあたっては、特にこれは重みを持って感じることである。


『とっても風流』(家元/天久聖一)
振付/伊藤千枝
第一部「昆虫と風鈴」第二部「スペース茶道」第三部「石庭の湖」

休憩時間が終わると、コンビニの制服を着た若いさわやかな男性が、客席にレジ袋をくばり、みんなでガシャガシャと鳴らすところから始まる。

「最初に風鈴を吊るした人、茶碗を三回まわした人、庭に石を並べた人の初期衝動を追体験してみたかった」とは、パンフレットに書かれた天久聖一の言葉。風流とは、繊細な感情を表現したナンセンスなのである、ということを主張しているような3パート。ダンサーたちが昆虫ダンスを繰り広げ、伊藤千枝さんはヘルメットのような風鈴のかぶりものをかぶってゴーンと叩かれる。「スペース茶道」では、一種のコンセプチュアル・アートのように、ダンサーたちがいろんなサイズの金属ボウルを独楽のように回してみては踊る、そして「石庭の湖」では、頭にネットをかぶったり、腰の周りにチュチュのようにネットを装着したダンサーたちが、「白鳥の湖」を踊って見せる。創意と工夫に満ちて楽しかった。


『Ms.Dの日常』(親方/伊藤千枝)
振付・構成・演出/伊藤千枝

伊藤千枝演じるMs.Dは、とてもガーリーでキュートな部屋に一人で引きこもって暮らしている。犬小屋にはワンコを飼い、そして一日に1回訪れる宅配便のお兄さん(さっきのコンビニ店員)だけが外界との接点。カラフルな壁を突き破ってこのお兄さんが届けてくれたものは、ダイナマイト。そしてMs.Dの世界が突然動き出す。ドラキュラが登場して阿鼻叫喚の世界になったり、巨大なドラゴンがふくらんで登場したり。キャロル・キングの「You've got a Friend」を熱唱するMs.D。そして友達が何人もやってきて楽しいひと時を過ごす。彼女たちがいなくなった後の寂寥感。ミュージカル『アニー』のなかの歌「トゥモロー」を朗々と歌うMs.D。寂しくなったMs.Dが横たわり動かなくなって、大丈夫かしら、と心配した後に微笑むとこちらもホっとする。

伊藤さんの作品だけあって、ここが本来のキノコワールドに一番近い作品だろうか。伊藤さんのソロダンスはとても素敵で、ずっと見ていたいと思うほど。ちょっと切なくて、暖かくて、優しい気持ちになれる作品だった。部屋のポップなセンスも大好き。

伊藤さんは、「長年にわたって上演し続けることができるようなレパートリー作品を創ろう」と考えたとのことだけど、これは本当にレパートリー化してほしい珠玉の作品群だったと思う。

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