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2015/03/12

ホセ・カレーニョ率いるバレエ・サンノゼの危機 (追記あり)

カリフォルニア州、シリコンバレーがあるサンノゼには、バレエ・サンノゼというカンパニーがあります。設立29年目で団員は33人。ベイエリアではサンフランシスコ・バレエに次ぐ存在。現在新国立劇場バレエ団プリンシパルの米沢唯さんも、新国立に移籍する前にこのカンパニーに所属していたことがあります。

http://www.balletsj.org/index1.html

2013年秋に、キューバ出身でABTを中心に世界的なスーパースターとして活躍し、日本でも世界バレエフェスティバルの常連で大人気だったホセ・カレーニョが芸術監督に就任しました。2012年には、ABTとパートナーシップ契約も結んでいます。2011年に引退後も「Dancing with the Stars」などのテレビ番組にも出演していたスターダンサーがやってきたことは、大きなニュースであり、ミハエル・バリシニコフも、カレーニョの就任を喜ぶコメントを新聞に語っています。

http://www.mercurynews.com/entertainment/ci_25106487/jos-233-manuel-carre-241-o-era-begins

レパートリーも、「ドン・キホーテ」などの古典から、ロビンスの「ファンシー・フリー」やバランシン、トワイラ・サープ「イン・ジ・アッパー・ルーム」、さらには、オハッド・ナハリンの「マイナス16」など現代作品まで幅広く、魅力的なものです。シリコン・バレーのハイテク好きの人々を引き付けるために、ダンサーのジェスチャーをコンピューターが捉えて音楽が演奏されるという画期的な作品“Eighty One”(ジェシカ・ラング振付)の初演など、斬新な試みにも挑戦してきました。

しかしながら、カレーニョが就任する前から、カンパニーは深刻な財政危機に見舞われていました。ドル箱の「くるみ割り人形」に思ったほど観客が入りませんでした。シリコン・バレーにおいては、芸術文化はなかなか根付かず、サンノゼ・レパートリー・シアターという劇場も昨年閉鎖されました。バレエ・サンノゼには、長年にわたって、合計2千万ドルも寄付してきた大口のパトロンがいたのですが、近年その寄付金の額が減っているうえ、国税庁への税金の滞納もありました。2009年には年間予算は800万ドルありましたが、それが560万ドルにまで削減されています。

カンパニーを存続させるために、カレーニョは苦肉の策として、マチネ公演を取りやめたり、生演奏からテープに切り替えて経費を削減しました。それでも、10月までに350万ドルの資金を得られなければ、カンパニーを維持することは不可能となってしまうとのことです。1月より、資金集めのキャンペーンが始まりました。そして3月4日に発表されたのですが、わずか10日後、3月14日までに55万ドルもの資金を集めなければ、危機は乗り越えられないとのことです。

Ballet San Jose needs $550,000 to keep running
http://www.mercurynews.com/entertainment/ci_27641879/ballet-san-jose-needs-550-000-keep-running?source=pkg

Curtains for Ballet San Jose? Troupe led by Jose Manuel Carreno faces shutdown
http://www.washingtonpost.com/blogs/style-blog/wp/2015/03/04/curtains-for-ballet-san-jose-troupe-led-by-jose-manuel-carreno-faces-shutdown/

寄付集めキャンペーンのために、カレーニョもTwitterのアカウントを開設して呼びかけていました。さらに、シリコン・バレーのIT企業の経営者たちも、キャンペーンに参加して、自身が踊る映像を投稿したりして支援を行っています。バレエ・サンノゼのバレエ学校の生徒たちは、フラッシュモブを行って寄付を呼び掛けています。

http://www.nbcbayarea.com/news/local/Tech-Leaders-Plie-and-Pirouette-To-Save-Ballet-San-Jose-295769941.html

そして、これらのキャンペーンが功を奏して、3月11日の時点で、3月15日までの目標金額の60%、33万ドルは集まったそうです。5ドルを寄付した子供から、10万ドルを小切手で寄付した人まで、様々な人々が応援しているとのことです。

Ballet San Jose more than halfway to make-or-break fund goal
http://www.mercurynews.com/entertainment/ci_27684912/ballet-san-jose-more-than-halfway-make-or

ただし、これでとりあえずは存続できても、10月までに350万ドルを集めるというゴールまでの道のりは遠く険しいものです。サンノゼはサンフランシスコから車で一時間しか離れておらず、サンフランシスコ・バレエなど、大都会サンフランシスコの舞台芸術と競合しなければなりません。存続のために懸命に頑張っているカレーニョやダンサーたちの願いが通じることを祈っています。


追記:14日までに55万ドルの目標は達成されました。結果的に64万ドルの寄付が集まったそうです。

Ballet San Jose Silicon Valley raises enough money to survive
http://www.mercurynews.com/entertainment/ci_27714718/ballet-san-jose-silicon-valley-raises-enough-money

サンノゼ市の文化事業局が、10万5千ドルを提供したことが決定的な決め手となりました。窮状を一般に訴え、うまくソーシャルメディアを使うことができたのも、寄付金集めに功を奏したようです。シリコンバレー地域の支持を得るために、今後カンパニー名は、バレエ・サンノゼ・シリコンバレーと名を改めるそうです。

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コメント

Naomiさん! バレエサンノゼに関する詳細記事を掲載してくださり、大変感謝します! シリコンバレー地域に住む一バレエファンとして祈る思いでカンパニーの存続を願っています。 

Kaoruさん、こんにちは。

Kaoruさんがシリコンバレーにお住まいなのを思い出して、気にかけていたのです、このニュース。何とかして、カンパニーに存続してほしいですよね、ホセ・カレーニョ大好きでしたし、29年もの歴史のあるカンパニーですし。

秋からSilicon Valley Balletに名称変更ですね。
ttp://www.balletsj.org/PDF/2015-16seasonannouncement.pdf

まりさん、お知らせありがとうございます。

そうでした、リブランディングで名前を変えたのですね。お金も無事集まったようで本当に良かったです。シリコンバレーのハイテク企業のスポンサーもいるんでしょうね。作品もちょっとそういう未来的な作品があったら面白いかも、なんて思います!

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