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2015/01/25

ウラジーミル・マラーホフによる「プレスミーティング&特別講座」

1月22日にチャコットの新しいバレエスタジオ<チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオ>で、ウラジーミル・マラーホフによる「プレスミーティング&特別講座」が開催され、参加してきました。

http://www.chacott-jp.com/magazine/news/announce/2015.html

これはDVD「マラーホフのレッスン・シリーズ」の発売と東京バレエ団のアーティスティック・アドヴァイザー就任を記念して行われるもので、特別講座は、バレエ初級ということで一般の生徒を教えるというめったにない機会でした。

プレスミーティングは、チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオ2階にあるダンスキューブ・カフェで行われました。こちらのカフェは、スタジオを利用しない一般のお客さんも利用できるもので、インテリアも明るく素敵だし、メニューも健康によいものが揃っていて、レッスン後に食事もしたのですが美味しかったです。

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プレスミーティングは、プレスの他、この後の特別講座に参加する生徒も見学して、和やかなムードで行われました。マラーホフは少し風邪をひいていたようでしたが、不調さは微塵も見せず、いつもながらのチャーミングで優しいムードで、時にはユーモラスに語ってくれました。

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10年間ベルリン国立バレエの芸術監督を務めてきたのを昨年6月に辞し、東京での新しい生活を送ることについての想い

「10年以上ベルリンにいたので、さよなら公演では悲しい気持ちにもなりました。しかし、次のステップへと進み、次の世代にポストを譲るべきだと思ったのです。ハッピーな気持ちと悲しい気持ちの両方があります。」

「お客さんにさよならを言うのは悲しかったのですが、何かを失うことは人生にはあるものです、さよなら公演のすぐ後に日本に行ったので、落ち込むことはありませんでした。新しいページを開くことはスムーズに進みました。新しい人たちに出会い、新しいダンサーに出会い、新しい発見もありました。何回も日本に来ていましたが、今までは公演で来ていたので時間の余裕がありませんでした。今は、舞台を観に行ったり展覧会に行くといった楽しみもあります」

ベルリンでの芸術監督の仕事について

「芸術監督としてのキャリアも良いものになりました。最初にこの仕事のオファーがあった時、まだ踊りたいと思っていたし、両方をすることができるのか不安でしたが、ずっと踊っているわけにはいかないので、やってみようと思いました。カンパニーのためにレパートリーを増やしたりして、全体のレベルを引き上げました。財政的なことのケアをしたりと芸術監督の仕事は大変でしたが、最終的に、芸術監督しても、ダンサーとしてもうまくいくことができました。それまでにも、いろんなカンパニーと仕事をしていて、芸術監督がどんな仕事をしているのか見てきて、やりながら学ぶことができていたのです」

東京バレエ団のアーティスティックアドバイザーとしてのコラボレーションの予定

「東京バレエ団は昨年50周年を迎えましたが、私と東京バレエ団との共演も20周年だったのです。初めてゲスト出演したのは1994年でした。こんなに長く付き合っているバレエ団はここだけです。今まではゲストでしたが、今回はメンバーの一員として加えていただいて、ダンサーたちの顔も良く見ることができて、とても嬉しいですし、学ぶことも多いです。新しい才能をたくさん発見しました。今回の眠りでその才能を観ていただくことになります」

「眠れる森の美女」でカラボス役を演じることについて。

「とても楽しみにしています。今まではプリンス役ばかり踊ってきましたが、ついに違う役を演じる時がきたのです。ぼくのいやな面を見せることができるのでワクワクしています。嫌なやつになることができるのが嬉しいです。あ、冗談ですよ!(笑)。ぼくはエゴイストではないし、人にはもっと怒ったほうが言われるような優しい性格なので、カラボスのような黒い性格をやるのは挑戦です」

「ジゼル」のアルブレヒトを踊ることについて

「アルブレヒトは、もっともお気に入りの役の一つです。どのカンパニーでも、最初に踊ったのはこの役でした。ABTで初めて踊った時にこんな思い出があります。公演の前の日に友人にコーヒーに誘われ、普段はカフェインをとらないのですが、間違えてカフェイン入りのコーヒーを飲んでしまい、一晩中眠れませんでした。しかし翌日の公演はうまくいき、ニューヨークタイムズでアンナ・キセルコフという批評家が絶賛した批評を書きました」

「マリインスキー・バレエ、シュツットガルト・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダでもアルブレヒト役は踊りました。東京バレエ団でも吉岡美佳さん、齊藤友佳里さんと踊りました。世界バレエフェスティバルでは、アレッサンドラ・フェリと踊りました。最初にフェリと踊る予定の時に、彼女のおめでたが発覚したので延期になってしまい、それは後で実現しました。今回の東京バレエ団の「眠れる森の美女」の後に、新しいキャストによる「ジゼル」が予定されています」

「ニューヨークタイムズに絶賛評が載った後で、こんなことが起きました。ぼくのアルブレヒトは、ミハイル・バリシニコフやエリック・ブルーン、ルドルフ・ヌレエフを超える素晴らしい演技だったと書かれていたので、バリシニコフがぼくと10年間も口をきいてくれなかったのです」

今回発売された、マスタークラスとヴァリエーションレッスンのDVDについて

「多くの人に、あなたから学ぶことはたくさんあると言われました。私には今までの経験によって様々な発見があり、それを伝えてきたのです。もっとそんな機会を多くの人達に与えることができるように、DVDを制作することにしました。ダンサーを教えるというのは、子供を育てるようなものです。ダンサーというのは赤ちゃんのようなもので、そのままでは正しく踊ることはできません。子供に離乳食を与えるように、ピュレにして口の中に入れてあげるような気持ちで、一つ一つ丁寧に教えていきたいです。DVDやCDはいつか作りたいと思っていました。CDも作りましたが、音楽はとても大切だと思っています。踊り心を引き出すのが音楽でありますし、ピアニストも非常に大事です」

ヴァリエーションレッスンで取り上げたヴァリエーションの選択基準について、そして良いレッスンピアニストについて

「コンクールやプレゼンテーションでよく踊られる作品を選びました。世界中のダンサーが踊る作品、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『ディアナとアクティオン』などです。良いレッスンピアニストとは、ダンサーを感じるフィーリングがあるピアニストです。ステップや動きを理解し、テンポを合わせることができるピアニストで、オーケストラにおける指揮者の役割を果たしている人です。いいピアニストがいると、教師にとってもレッスンをやりやすい。素晴らしい音楽を伝えてくれるからです」

成功するバレエダンサーと、成功しないバレエダンサーの違い

「すべてのダンサーは成功しているダンサーであり、成功しない人はいません。才能は誰もが持っているものです。マイナスというのはなくて、プラスが大きいかどうかです。オープンであること、人の意見を聞くこと、恥ずかしがらないで挑戦することが大事です。私の、アーティスティック・ディレクター、アドバイザーとしての仕事は、すべてのダンサーを成功したダンサーにすることなのです」


*******
さて、このプレスミーティングが終わった後、スタジオに移動しての特別講座が始まりました。チャコット・ダンスキューブ勝どきスタジオはとにかく床が柔らかくて足に負担が少なくて踊りやすいところです。新しいので、ロッカールームもとても綺麗ですしシャワーも備え付けられています。26人の受講生の中に私も参加させていただきました。ジュニアの生徒もいましたが、ほとんどが大人の生徒です。

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バーレッスンから始まり、センターへ。マラーホフのお手本は、言うまでもなく優雅で美しいものです。完璧なアンドゥオール、エレガントなポール・ド・ブラに思わずうっとりと見入ってしまいます。一度お手本を見せてくれた後、もう一度見たい?って聞いて再度繰り返してくれるところに、彼の優しさを感じました。スタジオ内を歩き回って一人一人の受講生を見てくれて、もっと上に、とか腕をもっと前に、音楽をよく聴いて、など注意もしてくれます。レッスンに使用したCDは、「ミュージック・フォー・マラーホズ・マスタークラス ベーシック」です。バーレッスンはベーシックなものですが、アダージオについては少し難易度を上げて行きました。マラーホフは日本語もかなり話せるようで、右、左、上、前へ、5番、1番といった指示は流暢な日本語でしてくれます。

センターレッスンも、タンデュなど前半はきちんとお手本を見せてくれます。音楽をどう表現するかということをマラーホフはやはり大事にしているということを感じました。床がいいから、シャンジュマンなどでどんどん跳ねても音がしないよね、などと冗談っぽく話したりもしました。なかなかマラーホフのような消音ジャンプは難しいのですが、良いスタジオならそれも可能なのですね。海賊のパ・ド・トロワのコーダの曲で踊るグラン・パ・デ・シャは気持ちよかったです。最後はまたマラーホフの柔らかいポール・ド・ブラを見ながらフィニッシュ。そして参加者一人一人にサインをしてくれたり、写真に納まったりとサービス。マラーホフのスイートで温かく優しい人柄、永遠の貴公子の美しさに触れて、参加者全員が幸せに包まれた一晩でした。カフェは夜11時まで営業しているので、レッスンが終わった後でもゆっくり食事できます。

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これはフィッシュ&チップス、衣はサフラン、ホウレンソウ、イカ墨を使ってカラフルに仕上げています。

マラーホフがカラボス役で出演する東京バレエ団の「眠れる森の美女」、必見ですね。

http://www.nbs.or.jp/stages/1502_sleeping/index.html
2月7日(土) 2:00PM
2月8日(日) 2:00PM
会場:東京文化会館

http://youtu.be/MrVU1yn6pMw

もちろん、「マラーホフのマスタークラス」「マラーホフのヴァリエーションレッスン」「ミュージック・フォー・マラーホズ・マスタークラス」、いずれも素晴らしい内容なので、ぜひご覧ください。

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コメント

こんにちわ。貴重で素敵な企画ですね!
舞台、終演後、オフ などとはまた違ったマラーホフの「先生」ぶりは、
さぞ、観るだけでなく踊ってみたいという熱意をひきだしてくれる様子だったのでしょうね!

カラボス、楽しみです♪

マーキーさん、こんにちは。

やはりマラーホフは大天使でしたね。舞台で見せる貴公子とはまた違ったスイートさで、実にチャーミングで優しく、先生としても天下一品でした。とても気持ちがアガりましたね。

本当にマラーホフのカラボスが観たくなってしまいました!

はじめまして。
素敵なレポートありがとうございます。
プレスと生徒の2役、お疲れ様です。
なおみさんは写真もなかなかの腕前ですね。
マラーホフ先生すてき。

りらさん、こんにちは。

お読みいただきありがとうございます。レッスン受けながら写真を撮るのは結構大変でした!なので思ったほど良い写真は撮れなかったのですが、雰囲気が伝わっていればよかったな、と。本当にマラーホフは、思っていたよりもずっと実物の方が素敵だったんですよね、意外とほっそりとしていたし、とにかくチャーミングで優しかったです。動きはとにかく美しかったし。またこういう機会があるといいですよね。

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