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2015/01/12

12/28 チェコ国立バレエ「白鳥の湖」Labuti Jezero

12月28日にはプラハに移動して、チェコ国立歌劇場でチェコ国立バレエ「白鳥の湖」を観た。2017年からはフィリップ・バランキエヴィッチが芸術監督を務めるカンパニーである。

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http://www.narodni-divadlo.cz/en/show/5872?t=2015-01-14-19-00

チェコは国立歌劇場と国民劇場の二つのオペラハウスがあって両方でバレエを上演しているようだが、劇場としては国民劇場の方が有名かもしれない。しかし国立歌劇場の方も、重厚で美しい劇場だ。内装も渋めの金を多用していて、シックだが華麗。ハンガリー国立歌劇場よりは少し大きめの劇場である。

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キャストはチェックしていなかったのだけど、到着してキャスト表を見たら、なんとオデット・オディール役は日本人。荻本美穂 さんという方で、新国立劇場バレエ団を経て、ドイツ・ライン・バレエ、アールト・バレエ・シアター・エッセンのソリストを務め、2010年にチェコ国立バレエに入団、現在はプリンシパルだという。この荻本さん、長身で手足が長くプロポーションに恵まれているだけでなく、容姿も美しくて西洋人のダンサーにまじっても全く見劣りをしないどころか、さすが主役を務めるだけの存在感がある。思いがけず今まで知らなかった日本人のバレリーナが主演を務めていて、しかも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるのは嬉しいものだ。場内に掲出されてあった「ラ・バヤデール」のポスターも彼女の写真が使われていた。

Choreography: Pavel Ďumbala, Hana Vláčilová
Stage director: Pavel Ďumbala, Hana Vláčilová
Conductor: Václav Zahradník
Sets: Martin Černý
Costumes: Ľudmila Várossová

Odetta / Odilie Miho Ogimoto
Prince Siegfried Giovanni Rotolo
Rudovous Marek Svobonik
Pas de Trois Irina Burduja Benjamin Husson Andrea Kramešová
Sasek Sergej Gherciu

この「白鳥の湖」は基本的にはオーソドックスな演出であるものの、随所に工夫がされていて非常に楽しめるものに仕上がっていた。ブルメイステル版のように、プロローグでオデットは姫の姿で登場し、悪魔ロットバルトによって白鳥の姿に変えられる。衣装はやや現代的というか19世紀くらいの時代のように見受けられてなかなかスタイリッシュだ。パ・ド・トロワの踊りに王子は一瞬参加するものの、女性ダンサーにはあっさり振られてしょぼんとしてしまう。2幕「情景」に移る前に、王子のソロ有。2幕もオーソドックスではあるが、オデットの登場でマイムは登場せず、オデットのヴァリエーションの方がグラン・パ・ド・ドゥより先に踊られていた。

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3幕では、ロットバルトがとてもハンサムな紳士として登場したので、ヌレエフ版やグリゴローヴィッチ版のようにロットバルトのソロがあるかな、と期待したのだけどそれはなかった。オディールが王子の花束をポイッと投げ捨て、思いっきりあざ笑う様子が印象的。また、この公演で実は一番印象的だったのがキャラクターダンス。このバレエ団のキャラクターダンサーたちの踊りが実に見事であり、特にロシアの踊りは、他の版のように女性ソリストではなく男女ペアが何組かで踊るのだが、メーンのペアの踊り、特に男性が凄かった。ロシアの民族舞踊に観られるようなコサックダンス的な踊り。チャルダッシュなどももちろんお手の物。やはり「白鳥の湖」の各国の踊りは、ポワントではなくてキャラクターシューズで踊られた方が見ごたえがあると感じた次第であった。この部分の振付もとても良い。

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そして最終幕では、とちゅうからなぜかオデットの姿が見えなくなり、王子とロットバルトが1対1で戦い対決する。ロットバルトは、翼はあるものの、姿は基本的には3幕のハンサムな紳士のままなので、このシーンはなかなかかっこよくて盛り上がる。王子がロットバルトの翼をもぎ取った後、二人とも波に呑まれるが、王子は岸に泳ぎ着き、見上げると、姫の姿に戻ったオデットの姿が。

オデット・オディールの荻本さんは、華奢で長い腕を生かした、たおやかで繊細な白鳥を演じていた。悲劇性はそれほどないけど気高いイメージがあり、背中が柔らかく表現力も豊かである。オディールの方も、邪悪さというよりは高慢な雰囲気で、手の届かないようなオーラを持っていてぞくぞくした。グラン・フェッテはすべてシングルではあったものの、安定していて正確。舞台の中心に立つにふさわしい華とカリスマ性を持っており、ヨーロッパのカンパニーでプリンシパルを務めるというのはこういうことなのだと実感した。世界には、日本ではあまり知られていないけれど素晴らしい日本人バレリーナがいるのだと感じた。

王子役のジョヴァンニ・ロトーロはイタリア人でドゥミ・ソリスト、まだ入団3年目と若い。長身でイノセントな雰囲気がある。テクニックも冴えていて、グランジュッテの軌跡も、着地もきれい。一方のロットバルトのMarek Svobonikも長身で見栄えがする。道化の跳躍力も大したもの。コール・ド・バレエはそこまでそろっているわけではないけれども、プロポーションは美しい人ばかりで、カンパニーの全体的なレベルも高いと感じられた。しかしやはり一番印象的だったのは、主役の荻原さんと、民族舞踊の実力の高さだった。非常に楽しめる「白鳥の湖」で、普段あまり「白鳥の湖」が好きではない私も、とても満足できた。

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