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« SWAN MAGAZINE 38 2014年冬号 | トップページ | フィリップ・バランキエヴィッチが2017年よりチェコ国立バレエの芸術監督に »

2014/12/19

ベルギー、モネ劇場がすべてのダンス公演をキャンセル

ベルギー国立モネ劇場(ベルギー王立歌劇場)は、ブリュッセルで1700年に公共の劇場として創立された名門劇場です。ベルギー独立の舞台ともなり、300年以上の歴史を誇っているわけですが、中でも、1960年に誕生した、モーリス・ベジャールの20世紀バレエ団の本拠地として知られていました。

1981年から85年までは、ジェラール・モルティエが芸術監督でした。また、2008年まで音楽監督を大野和士が務めていたこともあります。いち早く舞台衣装の世界に高田賢三、クリスチャン・ラクロワなどを衣装デザインに起用するなど、先進的な試みを続けてきた前衛的な劇場です。

1992年からは、アンヌ・テレサ・ド・ケースマイケル率いるローサスがレジデンス・ダンス・カンパニーとして活動してきました。

ところが、政府の予算削減でモネ劇場はダンスの企画を止めることが決定されました。(また、予定されていたバロックオペラの制作もすべて中止)

http://www.brusselnieuws.be/nl/nieuws/rosas-aanslag-op-brussels-danspubliek

もう少し詳しい記事
http://www.lesoir.be/735811/article/culture/scenes/2014-12-16/monnaie-licencie-16-personnes-et-abandonne-danse

もともと、ベルギーの2015年度文化予算は3480万ユーロと決定されていました。しかしながら、政府は15%の削減を迫りました。モネ劇場については、今後四年間で、48万ユーロにまで年間予算が削減されてしまうことになります。劇場は16人の職員を解雇します。そして、現在制作に取り掛かっているケースマイケルの新作を除き、すべてのダンスプログラムがキャンセルされることになりました。

2016年に予定されていたモンテヴェルディのチクルス、そしてクルト・ヴァイル「三文オペラ」の新制作もキャンセルされました。年間9~10の上演作品を、7~8作品に減らす予定にもなっています。

さらに、ルドヴィク・モルローがモネ劇場音楽監督職を今月いっぱいで辞任することにもなりました。
http://slippedisc.com/2014/12/flash-news-music-director-walks-lout-on-top-opera-house-the-second-this-year/

当然、ケースマイケルはこの事態に対して激しく抗議をしています。
ローサスのFacebookより
https://www.facebook.com/rosasdancecompany

「モネ劇場のマネジメントがプログラムからすべてのダンスをキャンセルするというニュースは、私にとって信じられないものです。歴史上から見ても、ダンスはモネ劇場の使命の一部でした。ベジャールとホイスマンの栄光の日々ののち、ダンスの予算はシステマチックに削減され続けています。まずジェラール・モルティエによって、そしてその次のBernard Foccroulleの時にも。そして今のPeter De Caluweはすべてを切り捨てようとしています。ブリュッセルは世界のダンスの首都の一つであるのに、その重要性を無視しています。

30年間もの間、ローサスは、ベルギーのアントワープ、ブリュッセルのほか、パリ、ロンドン、ベルリン、アムステルダム、ニューヨークなど世界の大都市で公演を続けてきました。Peter De Caluweの決定は、ローサスはベルギーを本拠地とすることはなくなったということを意味しています。私は別の本拠地を探し求めなければならないのでしょうか?」
アンヌ・テレサ・ド・ケースマイケル 
ブリュッセル、12月17日


ブリュッセルを代表するダンスの巨匠としてはもう一人、シディ・ラルビ・シェルカウイがいます。彼は現在、1月10日にBunkamuraオーチャードホールにて初日を迎える「PLUTO」のために東京に滞在していますが、激しい衝撃を受けて、ベルギーの新聞にコメントしました。

「非常に悲しく思います。私はモネ劇場で7年間仕事をしてきました。Peter De Caluweは就任した時に、この劇場をアンヌ・テレサ・ド・ケースマイケル、アクラム・カーンそして私に提供したいと語っていました。ブリュッセルにおける私の公演は、モネ劇場、もしくはモネ劇場の支援を受けて他の会場で上演されてきました。もしこの決定がなされてしまったら、私は共同制作の場を失うだけでなく、ブリュッセルの人々に私の作品を見せる場も失ってしまいます。明日どこに行けばいいのでしょうか?ピーターと私は、来年3部作を制作するという話を進めていました。これは残念ながら実現しないことになります」

「ピーターはおそらく、この厳しい予算の中で選択の余地がなかったのではないかと思います。今年10月に初演されたばかりのオペラ「Shell Shock」(音楽はニコラス・レンズと、ロックミュージシャンのニック・ケイヴが担当)を手掛けたとき、モネ劇場の合唱団とオーケストラを使用しました。ピーターは音楽を最優先にさせたいと思っているのは理解できるけれど、でも非常に悲しいです。」

「私が「Shell Shock」を上演した時、それはモネ劇場で初演され、オーストラリア、ニューヨーク、そしてヨーロッパ中の人々がそれを観にやってきました。今後はブリュッセルでそのようなことを行うことは不可能となり、ブリュッセルの世界の中での地位は低下します。私ももちろん、仕事の重心を移すことになります。おそらく、ロンドン、パリ、もしくは東京になることでしょう」


予算の削減により、ローサスに対する政府の補助金も大幅に削減されます。
http://www.brusselnieuws.be/nl/nieuws/rosas-aanslag-op-brussels-danspubliek

ベルギーの Kaaitheater(芸術文化センター)とローサスはともにダンスのプラットフォームを作り上げて、共同制作により年間3,4作品を上演してきました。このたびの予算削減により、ローサスの補助金は12万ユーロとなります。さらに、モネ劇場でダンス公演が無くなってしまうことにより、ローサスから10万ユーロもの収益が失われてしまいます。芸術文化センターでは、引き続きローサスの作品を上演しますが、この予算削減により、大きな新作を制作することは事実上不可能となってしまいました。

もっとも重要なコンテンポラリーダンスのカンパニーが、ブリュッセルのメーンステージであるモネ劇場で上演を行うことができなくなってしまったら、ブリュッセルのダンス都市としての地位は間違いなく低下してしまうでしょう、と関係者の見解は一致しています。

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